JP6320191B2 - 自動変速機のパラメータ同定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、パラメータ値により規定される関数特性を用いて制御する制御対象を備えた自動変速機のパラメータ同定装置に関する。
従来、複数回の実験データからパラメータをより適切に同定するため、自動変速機のクラッチの摩擦係数μをパラメータとし、同定時の精度(油圧の大きさ)に応じて重み付けして複数回の同定結果を演算する自動変速機のパラメータ同定装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2010−216630号公報
しかしながら、従来の自動変速機のパラメータ同定装置にあっては、同定が未完了の温度領域の同定について詳細な開示がない。よって、複数の温度領域において、温度領域毎にパラメータ同定を行うと、温度領域によって同定完了までに要する時間が大きくばらつく。このため、同定の未完了の温度領域が長く残ることで、全ての温度領域で同定が完了するまでに要する時間を短縮できない、という問題があった。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、同定が未完了の温度領域において、同定完了までに要する時間の短縮を図ることができる自動変速機のパラメータ同定装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の自動変速機は、パラメータ値により規定される関数特性を用いて制御する制御対象を備える。この自動変速機において、前記関数特性を規定するパラメータ値について、低温側から高温側までの全領域を複数の温度領域に分け、温度領域毎に設定されている初期パラメータ値に基づくパラメータ同定制御を実行することで未知のパラメータ値を決めるパラメータ同定制御手段を設ける。
前記パラメータ同定制御手段は、1つの温度領域での同定が完了すると、同定が完了した温度領域での初期パラ−メータ値と同定パラメータ値の差分に基づき、同定が未完了の他の温度領域における初期パラメータ値を書き換える。
同定が完了した温度領域から離間した温度領域であるほど、同定完了したパラメータ値に基づく書き換え重み係数の寄与率を低くする。
よって、1つの温度領域でのパラメータ同定が完了すると、同定が完了した温度領域での初期パラ−メータ値と同定パラメータ値の差分に基づき、同定が未完了の他の温度領域における初期パラメータ値が書き換え補正される。
すなわち、自動変速機の場合、温度に依存して関数特性が変化するため、低温側から高温側までの全領域について一つの同定を行うと精度が落ちる。一方、低温側から高温側までの全領域を複数の温度領域に分けて同定を行うと、全ての温度領域で同定を完了するのに時間がかかる。特に、低温域では、単に時間当たりの温度変化が大きいので同定時間が限られ、同定が完了しない。
これに対し、走行中にいち早く同定を完了する温度領域が存在する点と、初期パラメータ値と同定パラメータ値の差分が小さいほど同定時間が短縮される点に着目し、同定が完了した温度領域での初期パラ−メータ値と同定パラメータ値の差分に基づき、同定が未完了の他の温度領域における初期パラメータ値を書き換えるようにした。
この結果、同定が未完了の温度領域において、同定完了までに要する時間の短縮を図ることができる。
加えて、同定が完了した温度領域から離間した温度領域であるほど、同定完了したパラメータ値に基づく書き換え重み係数の寄与率を低くする。このため、同定未完了の温度領域の関数特性について、より真値に近づくように書き換えることができる。
実施例1のパラメータ同定装置が適用された副変速機付き無段変速機(自動変速機の一例)が搭載された車両の概略構成を示す全体図である。 実施例1の変速機コントローラの内部構成を示すブロック図である。 実施例1の変速機コントローラの記憶装置に格納されている変速マップの一例を示す変速マップ図である。 実施例1の変速機コントローラで実行されるパラメータ同定制御処理の全体流れを示すフローチャートである。 図4のパラメータ同定制御処理のうち同定開始条件判定処理の流れを示すフローチャートである。 図4のパラメータ同定制御処理のうち同定完了判定処理の流れを示すフローチャートである。 図4のパラメータ同定制御処理のうち同定値反映処理の流れを示すフローチャートである。 実施例1でのパラメータ同定の対象であるα,βにより決まるクラッチトルク容量と入力トルク(エンジントルク)の関係を示す関数特性図である。 実施例1でのパラメータ同定の対象であるα,βの初期値(ノミナル値)をATF油温領域毎に書き込んだマップを示すパラメータマップ図である。 実施例1でのパラメータ同定の対象であるα,βの同定値をATF油温領域毎に書き込んだマップを示すパラメータマップ図である。 実施例1でのパラメータ同定において同定完了領域の同定値を他の同定未完了の領域に反映する場合に使用する重み係数のパターン1を示す図である。 実施例1でのパラメータ同定において同定完了領域の同定値を他の同定未完了の領域に反映する場合に使用する重み係数のパターン2を示す図である。 実施例1でのパラメータ同定において同定完了領域の同定値を他の同定未完了の領域に反映する場合に使用する重み係数のパターン3を示す図である。
以下、本発明の自動変速機のパラメータ同定装置を実現する最良の形態を、図面に示す実施例1に基づいて説明する。
まず、構成を説明する。
実施例1における副変速機付き無段変速機の制御装置の構成を、「全体システム構成」、「変速マップによる変速制御構成」、「クラッチフューズ制御構成」、「パラメータ同定制御の全体構成」、「パラメータ同定制御の詳細構成」に分けて説明する。
[全体システム構成]
図1は、実施例1のパラメータ同定装置が適用された副変速機付き無段変速機が搭載された車両の概略構成を示し、図2は、変速機コントローラの内部構成を示す。以下、図1及び図2に基づき、全体システム構成を説明する。
なお、以下の説明において、ある変速機構の「変速比」は、当該変速機構の入力回転速度を当該変速機構の出力回転速度で割って得られる値である。また、「最Low変速比」は当該変速機構の最大変速比を意味し、「最High変速比」は当該変速機構の最小変速比を意味する。
前記副変速機付き無段変速機が搭載された車両は、駆動源としてエンジン1を備える。エンジン1の出力回転は、ロックアップクラッチ付きトルクコンバータ2、第1ギヤ列3、無段変速機(以下、単に「変速機4」という。)、第2ギヤ列5、終減速装置6を介して駆動輪7へと伝達される。第2ギヤ列5には駐車時に変速機4の出力軸を機械的に回転不能にロックするパーキング機構8が設けられている。
また、車両には、エンジン1の動力の一部を利用して駆動されるオイルポンプ10と、オイルポンプ10からの油圧を調圧して変速機4の各部位に供給する油圧制御回路11と、油圧制御回路11を制御する変速機コントローラ12とが設けられている。以下、各構成について説明する。
前記変速機4は、無段変速機構(以下、「バリエータ20」という。)と、バリエータ20に対して直列に設けられる副変速機構30とを備える。「直列に設けられる」とは同動力伝達経路においてバリエータ20と副変速機構30が直列に設けられるという意味である。副変速機構30は、この例のようにバリエータ20の出力軸に直接接続されていてもよいし、その他の変速ないし動力伝達機構(例えば、ギヤ列)を介して接続されていてもよい。
前記バリエータ20は、プライマリプーリ21と、セカンダリプーリ22と、プーリ21、22の間に掛け回されるVベルト23とを備えるベルト式無段変速機構である。プーリ21、22は、それぞれ固定円錐板と、この固定円錐板に対してシーブ面を対向させた状態で配置され固定円錐板との間にV溝を形成する可動円錐板と、この可動円錐板の背面に設けられて可動円錐板を軸方向に変位させる油圧シリンダ23a、23bとを備える。油圧シリンダ23a、23bに供給される油圧を調整すると、V溝の幅が変化してVベルト23と各プーリ21、22との接触半径が変化し、バリエータ20の変速比vRatioが無段階に変化する。
前記副変速機構30は、前進2段・後進1段の変速機構である。副変速機構30は、2つの遊星歯車のキャリアを連結したラビニョウ型遊星歯車機構31と、ラビニョウ型遊星歯車機構31を構成する複数の回転要素に接続され、それらの連係状態を変更する複数の摩擦締結要素(Lowブレーキ32、Highクラッチ33、Revブレーキ34)とを備える。各摩擦締結要素32〜34への供給油圧を調整し、各摩擦締結要素32〜34の締結・開放状態を変更すると、副変速機構30の変速段が変更される。例えば、Lowブレーキ32を締結し、Highクラッチ33とRevブレーキ34を開放すれば副変速機構30の変速段は1速となる。Highクラッチ33を締結し、Lowブレーキ32とRevブレーキ34を開放すれば副変速機構30の変速段は1速よりも変速比が小さな2速となる。また、Revブレーキ34を締結し、Lowブレーキ32とHighクラッチ33を開放すれば副変速機構30の変速段は後進となる。なお、以下の説明では、副変速機構30の変速段が1速であるとき「変速機4が低速モードである」と表現し、2速であるとき「変速機4が高速モードである」と表現する。
前記変速機コントローラ12は、図2に示すように、CPU121と、RAM・ROMからなる記憶装置122と、入力インターフェース123と、出力インターフェース124と、これらを相互に接続するバス125とから構成される。
前記入力インターフェース123には、アクセルペダルの踏み込み開度(以下、「アクセル開度APO」という。)を検出するアクセル開度センサ41の出力信号、変速機4の入力回転速度(=プライマリプーリ21の回転速度、以下、「プライマリ回転速度Npri」という。)を検出する回転速度センサ42の出力信号、車両の走行速度(以下、「車速VSP」という。)を検出する車速センサ43の出力信号、変速機4のATF油温を検出する油温センサ44の出力信号、セレクトレバーの位置を検出するインヒビタスイッチ45の出力信号、エンジン1の出力トルクの信号であるであるトルク信号Te、などが入力される。
前記記憶装置122には、変速機4の変速制御プログラム、この変速制御プログラムで用いる変速マップ(図3)が格納されている。CPU121は、記憶装置122に格納されている変速制御プログラムを読み出して実行し、入力インターフェース123を介して入力される各種信号に対して各種演算処理を施して変速制御信号を生成し、生成した変速制御信号を、出力インターフェース124を介して油圧制御回路11に出力する。CPU121が演算処理で使用する各種値、その演算結果は記憶装置122に適宜格納される。
前記油圧制御回路11は、複数の流路、複数の油圧制御弁で構成される。油圧制御回路11は、変速機コントローラ12からの変速制御信号に基づき、複数の油圧制御弁を制御して油圧の供給経路を切り換えるとともにオイルポンプ10で発生した油圧から必要な油圧を調製し、これを変速機4の各部位に供給する。これにより、バリエータ20の変速比vRatio、副変速機構30の変速段が変更され、変速機4の変速が行われる。
[変速マップによる変速制御構成]
図3は、変速機コントローラ12の記憶装置122に格納される変速マップの一例を示す。以下、図3に基づき、変速マップによる変速制御構成を説明する。
前記変速機4の動作点は、図3に示す変速マップ上で車速VSPとプライマリ回転速度Npriに基づき決定される。変速機4の動作点と変速マップ左下隅の零点を結ぶ線の傾きが変速機4の変速比(バリエータ20の変速比vRatioに、副変速機構30の変速比subRatioを掛けて得られる全体の変速比、以下、「スルー変速比Ratio」という。)を表している。この変速マップには、従来のベルト式無段変速機の変速マップと同様に、アクセル開度APO毎に変速線が設定されており、変速機4の変速はアクセル開度APOに応じて選択される変速線に従って行われる。なお、図3には簡単のため、全負荷線(アクセル開度APO=8/8のときの変速線)、パーシャル線(アクセル開度APO=4/8のときの変速線)、コースト線(アクセル開度APO=0のときの変速線)のみが示されている。
前記変速機4が低速モードのとき、変速機4はバリエータ20の変速比vRatioを最大にして得られる低速モード最Low線と、バリエータ20の変速比vRatioを最小にして得られる低速モード最High線と、の間で変速することができる。このとき、変速機4の動作点はA領域とB領域内を移動する。一方、変速機4が高速モードのとき、変速機4はバリエータ20の変速比vRatioを最大にして得られる高速モード最Low線と、バリエータ20の変速比vRatioを最小にして得られる高速モード最High線と、の間で変速することができる。このとき、変速機4の動作点はB領域とC領域内を移動する。
前記副変速機構30の各変速段の変速比は、低速モード最High線に対応する変速比(低速モード最High変速比)が高速モード最Low線に対応する変速比(高速モード最Low変速比)よりも小さくなるように設定される。これにより、低速モードでとり得る変速機4のスルー変速比Ratioの範囲である低速モードレシオ範囲と、高速モードでとり得る変速機4のスルー変速比Ratioの範囲である高速モードレシオ範囲と、が部分的に重複する。変速機4の動作点が高速モード最Low線と低速モード最High線で挟まれるB領域(重複領域)にあるときは、変速機4は低速モード、高速モードのいずれのモードも選択可能になっている。
前記変速機コントローラ12は、この変速マップを参照して、車速VSP及びアクセル開度APO(車両の運転状態)に対応するスルー変速比Ratioを到達スルー変速比DRatioとして設定する。この到達スルー変速比DRatioは、当該運転状態でスルー変速比Ratioが最終的に到達すべき目標値である。そして、変速機コントローラ12は、スルー変速比Ratioを所望の応答特性で到達スルー変速比DRatioに追従させるための過渡的な目標値である目標スルー変速比tRatioを設定し、スルー変速比Ratioが目標スルー変速比tRatioに一致するようにバリエータ20及び副変速機構30を制御する。
前記変速マップ上には、副変速機構30のアップ変速を行うモード切換アップ変速線(副変速機構30の1→2アップ変速線)が、低速モード最High線上に略重なるように設定されている。モード切換アップ変速線に対応するスルー変速比Ratioは、低速モード最High変速比に略等しい。また、変速マップ上には、副変速機構30のダウン変速を行うモード切換ダウン変速線(副変速機構30の2→1ダウン変速線)が、高速モード最Low線上に略重なるように設定されている。モード切換ダウン変速線に対応するスルー変速比Ratioは、高速モード最Low変速比に略等しい。
そして、変速機4の動作点がモード切換アップ変速線、又は、モード切換ダウン変速線を横切った場合、すなわち、変速機4の目標スルー変速比tRatioがモード切換変速比mRatioを跨いで変化した場合やモード切換変速比mRatioと一致した場合には、変速機コントローラ12はモード切換変速制御を行う。このモード切換変速制御では、変速機コントローラ12は、副変速機構30の変速を行うとともに、バリエータ20の変速比vRatioを副変速機構30の変速比subRatioが変化する方向と逆の方向に変化させるというように2つの変速を協調させる協調制御を行う。
前記協調制御では、変速機4の目標スルー変速比tRatioがモード切換アップ変速線を横切ったときやモード切換アップ線と一致した場合に、変速機コントローラ12は、1→2アップ変速判定を出し、副変速機構30の変速段を1速から2速に変更するとともに、バリエータ20の変速比vRatioを最High変速比からLow変速比に変化させる。逆に、変速機4の目標スルー変速比tRatioがモード切換ダウン変速線を横切ったときやモード切換ダウン変速線と一致した場合、変速機コントローラ12は、2→1ダウン変速判定を出し、副変速機構30の変速段を2速から1速に変更するとともに、バリエータ20の変速比vRatioを最Low変速比からHigh変速比側に変化させる。
前記モード切換アップ変速時又はモード切換ダウン変速時、バリエータ20の変速比vRatioを変化させる協調制御を行うのは、変速機4のスルー変速比Ratioの段差により生じる入力回転の変化に伴う運転者の違和感を抑えるとともに、副変速機構30の変速ショックを緩和することができるからである。
[クラッチフューズ制御構成]
次に、このように構成された副変速機付き無段変速機において、過大トルクが入力された場合、これを緩衝するクラッチフューズ制御の構成について説明する。
まず、車両走行中に、急ブレーキ等による急減速があったとき、低μ路面から高μ路面へと移行して駆動輪7がスリップ状態からグリップ状態へと移行したとき、駆動輪7が段差に乗り上げたとき、等においては、駆動輪7の回転速度が急激に変化するため、駆動輪7側から変速機4に過大トルクが入力される。
駆動輪7の段差乗り上げが完了した後や、エンジン1におけるフェールにより燃料の過剰噴射が発生してエンジン回転数Neが過剰に上昇したとき、等においては、駆動源であるエンジン1側から変速機4に過大トルクが入力される。
すなわち、「過大トルク」とは、急減速時等の駆動輪7から入力される大きなトルクや、燃料噴射量の異常等、エンジン1の異常による運転者の意図したトルクよりも大きなトルクをいう。よって、運転者の走行意図であるアクセル操作に応じてエンジン1から入力されるトルク、例えば、運転者がキックダウン等を意図してアクセルペダルを大きく踏み込んだ場合に入力される大きなトルクは、過大トルクと呼ばない。
変速機4のバリエータ20にこのような過大トルクが入力された場合は、次のような問題が生じ得る。プーリ21,22に挟持されるVベルト23によって変速比を制御するバリエータ20に過大トルクが入力されると、プーリ21,22とVベルト23との間でスリップが発生する可能性があり、Vベルト23がスリップすると、プーリ21,22又はVベルト23に損傷を与えるおそれがある。
これに対して、過大トルクが入力されると、バリエータ20がスリップするのに先行してバリエータ20の前段又は後段に接続される摩擦締結要素をスリップさせることによって、過大トルクを緩衝する制御をクラッチフューズ制御という。
実施例1においては、無段変速機であるバリエータ20の後段に直列に接続される副変速機構30の摩擦締結要素(Lowブレーキ32、Highクラッチ33、Revブレーキ34)をスリップさせることによって、クラッチフューズとして機能させている。
このクラッチフューズ制御では、入力トルク(エンジントルクTe)に応じたクラッチトルク容量によるフィードフォワード分と、摩擦締結要素の入力回転速度と出力回転速度との差回転を、設定した微小スリップ回転差閾値内に収束させるフィードバック分と、の和による摩擦締結要素の締結制御が行われる。このクラッチフューズ制御により、過大トルクが入力されたとき、バリエータ20がスリップするのに先行し、バリエータ20の後段に接続される摩擦締結要素(Lowブレーキ32、Highクラッチ33、Revブレーキ34)をスリップさせ、ベルトスリップの発生を未然に防止している。
ここで、クラッチフューズ制御でのフィードフォワード分のクラッチトルク容量を得るのに、図8に示すクラッチトルク容量−入力トルクの関数特性が用いられる。この関数特性を規定するパラメータ値α,βは、製品バラツキにより異なると共に経年変化がある未知の値であり、初期値(ノミナル値)として、製品バラツキにかかわらず摩擦締結要素が確実にスリップする特性で与える。よって、クラッチフューズ制御が開始されると、フィードフォワード分のクラッチトルク容量を得る制御指令を出力した後、フィードバック分の制御指令が加わり、摩擦締結要素の差回転を微小スリップ回転差閾値内に収束させる制御になる。また、関数特性は、ATF油温により変わらない一定特性ではなく、ATF油温領域によって異なるため、初期値(ノミナル値)として、図9に示すように、複数に分けたATF油温領域毎に与える。以下に説明するパラメータ同定制御で同定するパラメータは、ATF油温領域毎に与えられた8組のパラメータ値α,βである。
[パラメータ同定制御の全体構成]
図4は、実施例1の変速機コントローラ12で実行されるパラメータ同定制御処理の全体流れを示す(パラメータ同定制御手段)。以下、パラメータ同定制御処理構成をあらわす図4の各ステップについて説明する。なお、パラメータ同定制御処理は、上記クラッチフューズ制御が実行中であることを前提として、所定の制御周期により行われる。
ステップS1では、同定開始条件をチェックし、ステップS2へ進む。ステップS2では、ステップS1での同定開始条件チェックに続き、同定開始条件が成立しているか否かを判定する。YES(同定開始条件成立)の場合はステップS3へ進み、NO(同定開始条件不成立)の場合はリターンへ進む。ここで、同定開始条件が成立しているか否かの判定処理は、後述する図5に示すフローチャートに従って行われる。
ステップS3では、ステップS2での同定開始条件成立(同定実施判定フラグ=1)であるとの判定に続き、同定を実施する温度領域(ATF油温領域)を判定し、ステップS4へ進む。ステップS4では、ステップS3での同定領域(温度)判定に続き、決定した温度領域(ATF油温領域)でのパラメータ同定を実施し、ステップS5へ進む。
ステップS5では、ステップS4での決定領域での同定実施に続き、同定完了条件が成立しているか否かを判断する。YES(同定完了条件成立)の場合はステップS6へ進み、NO(同定完了条件不成立)の場合はリターンへ進む。ここで、同定完了条件が成立しているか否かの判定処理は、後述する図6に示すフローチャートに従って行われる。
ステップS6では、ステップS5での同定完了条件成立(同定完了判定フラグ=1)であるとの判定に続き、同定値反映領域毎に重み係数を決定し、ステップS7へ進む。ステップS7では、ステップS6での重み係数の決定に続き、同定値を反映し、リターンへ進む。ここで、同定値を反映する具体的な処理は、後述する図7に示すフローチャートに従って行われる。
[パラメータ同定制御の詳細構成]
図5は、図4のパラメータ同定制御処理のうち同定開始条件判定処理の流れを示す。以下、図5の各ステップについて説明する。
ステップS21では、ATF油温が、最低同定実施油温Temp_min以上で最高同定油温Temp_max以下の範囲内であるか否かを判断する。YES(Temp_min≦ATF油温≦Temp_max)の場合はステップS22へ進み、NO(Temp_min>ATF油温、又は、ATF油温>Temp_max)の場合はステップS27へ進む。
ここで、「ATF油温」とは、具体的には、摩擦締結要素(Lowブレーキ32、Highクラッチ33、Revブレーキ34)の締結状態を制御する作動油の油温のことである。摩擦締結要素の締結状態を制御する作動油を直接的に検知できない場合は、類似する油温を検知してもよい。
ステップS22では、ステップS21でのTemp_min≦ATF油温≦Temp_maxであるとの判断に続き、スロットルバルブが開(Th ON)であるか否かを判断する。YES(Th ON)の場合はステップS23へ進み、NO(Th OFF)の場合はステップS27へ進む。
ここで、スロットルバルブの開判断は、アクセル開度APOが、APO>0であるとの判断によりなされる。
ステップS23では、ステップS22でのTh ONであるとの判断に続き、トルクコンバータ2のロックアップクラッチが締結(L/U ON)であるか否かを判断する。YES(L/U ON)の場合はステップS24へ進み、NO(L/U OFF)の場合はステップS27へ進む。
ステップS24では、ステップS23でのL/U ONであるとの判断に続き、エンジントルク変化率が、エンジントルク変化率最大値RTrq_max以下であるか否かを判断する。YES(Eng Trq変化率≦RTrq_max)の場合はステップS25へ進み、NO(Eng Trq変化率>RTrq_max)の場合はステップS27へ進む。
ステップS25では、ステップS24でのEng Trq変化率≦RTrq_maxであるとの判断に続き、クラッチスリップ回転数が、クラッチスリップ回転数最大値Srev_max以下であるか否かを判断する。YES(クラッチSlipRev≦Srev_max)の場合はステップS26へ進み、NO(クラッチSlipRev>Srev_max)の場合はステップS27へ進む。
ここで、クラッチスリップ回転数最大値Srev_maxは、クラッチフューズ制御での微小スリップを維持する回転数値に基づき、微小スリップの最大限界値に設定される。
また、同定制御を開始するためのステップS25の判定がYESとなるよう、摩擦締結要素が回転速度差ゼロとなっている場合や、摩擦締結要素が「クラッチSlipRev>Srev_max」という状態である場合は、摩擦締結要素が微小スリップ状態となるようF/B制御により摩擦締結要素への油圧を制御している。
ステップS26では、ステップS25でのクラッチSlipRev≦Srev_maxであるとの判断に続き、同定実施判定フラグを、同定実施判定フラグ=1(同定実施許可)にセットし、リターンへ進む。
ステップS27では、ステップS21〜ステップS25の何れかのステップでのNOであるとの判断に続き、同定実施判定フラグを、同定実施判定フラグ=0(同定実施禁止)にセットし、リターンへ進む。
図6は、図4のパラメータ同定制御処理のうち同定完了判定処理の流れを示す。以下、図6の各ステップについて説明する。
ステップS51では、同定実施中、或いは、ステップS52での同定値≠実指示値であるとの判断に続き、クラッチスリップ回転数が、クラッチスリップ回転数最大値Srev_max以下であるか否かを判断する。YES(クラッチSlipRev≦Srev_max)の場合はステップS52へ進み、NO(クラッチSlipRev>Srev_max)の場合はステップS58へ進む。
ステップS52では、ステップS51でのクラッチSlipRev≦Srev_maxであるとの判断に続き、同定値=実指示値であるか否かを判断する。YES(同定値=実指示値)の場合はステップS53へ進み、NO(同定値≠実指示値)の場合はステップS51へ戻る。
ステップS53では、ステップS52での同定値=実指示値であるとの判断に続き、一致時間のカウントを開始し、ステップS54へ進む。
ステップS54では、ステップS53での一致時間カウント開始、或いは、ステップS55での一致時間<Time_saであるとの判断に続き、同定値=実指示値、かつ、クラッチSlipRev≦Srev_maxであるか否かを判断する。YES(同定値=実指示値&クラッチSlipRev≦Srev_max)の場合はステップS55へ進み、NO(同定値≠実指示値、又は、クラッチSlipRev>Srev_max)の場合はステップS58へ進む。
ステップS55では、ステップS54での同定値=実指示値&クラッチSlipRev≦Srev_maxであるとの判断に続き、一致時間(同定値=実指示値のままでの維持時間)が、一致時間閾値Time_sa以上であるか否かを判断する。YES(一致時間≧Time_sa)の場合はステップS56へ進み、NO(一致時間<Time_sa)の場合はステップS54へ戻る。
ここで、一致時間閾値Time_saは、同定完了を判定する時間閾値であり、アクセルワークによる入力トルクの緩やかな変化があっても同定値=実指示値を維持することを確認できる時間に設定される。
ステップS56では、ステップS55での一致時間≧Time_saであるとの判断に続き、ステップS55で一致時間≧Time_saであると判断されたときのATF油温が、判定同定領域に存在するか否かを判断する。YES(ATF油温=判定同定領域)の場合はステップS57へ進み、NO(ATF油温≠判定同定領域)の場合はステップS58へ進む。
ステップS57では、ステップS56でのATF油温=判定同定領域であるとの判断に続き、同定完了判定フラグを、1つのATF油温領域の同定完了をあらわす同定完了判定フラグ=1にセットし、リターンへ進む。
ステップS58では、ステップS51又はステップS54又はステップS56でのNOとの判断に続き、同定完了判定フラグを、1つのATF油温領域の同定未完了をあらわす同定完了判定フラグ=0にセットし、リターンへ進む。
図7は、図4のパラメータ同定制御処理のうち同定値反映処理の流れを示す。以下、図7の各ステップについて説明する。
ステップS71では、同定完了判定フラグ=1であるか否かを判断する。YES(同定完了判定フラグ=1)の場合はステップS72へ進み、NO(同定完了判定フラグ=0)の場合はリターンへ進む。
ステップS72では、ステップS71での同定完了判定フラグ=1であるとの判断に続き、同定実施領域(ATF油温領域)に対し同定パラメータ値を反映し、ステップS73へ進む。
ここで、同定実施領域(ATF油温領域)に対する反映は、予め設定してある初期パラメータ値を、同定パラメータ値に書き換え、その後のクラッチフューズ制御に用いる新たな初期パラメータ値とする。
ステップS73では、ステップS72での同定実施領域(ATF油温領域)への反映に続き、同定未完了周辺領域(ATF油温領域)に対し同定パラメータ値を反映するにあたり重み係数(寄与率)を決定し、ステップS74へ進む。
ここで、重み係数の決定は、同定完了温度域を中心とする左右対称の第1パターン(図11)、同定完了温度域を中心とする左右非対称の第2パターン(図12)、同定完了温度域を中心とする左右非対称の第3パターン(図13)の何れかを選択して行う。
ステップS74では、ステップS73での同定未完了周辺領域(ATF油温領域)への値反映重み係数の決定に続き、同定未完了周辺領域(ATF油温領域)に対し同定パラメータ値を、決定した重み係数により反映し、ステップS75へ進む。
ステップS75では、ステップS74での同定未完了周辺領域(ATF油温領域)への値反映に続き、既に同定が完了している同定既完了周辺領域(ATF油温領域)に対し同定パラメータ値を反映するにあたり、重み係数を決定し、ステップS76へ進む。
ここで、同定既完了周辺領域への重み係数の決定は、ステップS73で説明した同定未完了周辺領域への重み係数の決定と同様とする。
ステップS76では、ステップS75での同定既完了周辺領域(ATF油温領域)への値反映重み係数の決定に続き、同定既完了周辺領域(ATF油温領域)に対し同定パラメータ値を、決定した重み係数により反映し、リターンへ進む。
ここで、同定既完了周辺領域への重み係数の反映は、ステップS74で説明した同定未完了周辺領域への重み係数の反映と同様とする。
次に、作用を説明する。
実施例1の副変速機付き無段変速機のパラメータ同定装置における作用を、「パラメータ同定制御処理作用」、「パラメータ同定制御作用」、「同定開始条件の判定作用」、「同定完了条件の判定作用」、「同定周辺領域への同定パラメータ値反映作用」、に分けて説明する。
[パラメータ同定制御処理作用]
パラメータ同定制御処理は、図4のフローチャートに従って行われる。クラッチフューズ制御中、ステップS1→ステップS2へと進み、ステップS2では、ステップS1での同定開始条件チェックに続き、同定開始条件が成立しているか否かが判定される。ステップS2において、同定開始条件成立(同定実施判定フラグ=1)であると判定されると、ステップS3へ進み、同定を実施する温度領域(ATF油温領域)が判定され、次に、ステップS4へ進み、決定した温度領域(ATF油温領域)でのパラメータ同定が実施される。
ここで、パラメータ同定の実施は、まず、油温センサ44からのATF油温情報に基づき、図9に示すように、複数に分けたATF油温領域のうち、どの温度領域に属するかが判定される。そして、同定開始条件が全て成立しているとき、パラメータ同定に用いるデータ(エンジントルク情報、クラッチトルク容量情報)が制御周期毎に取得される。このデータが所定数以上蓄積されると、周知の最小二乗法等を用いたパラメータ同定演算により、判定したATF油温領域の関数特性の傾きをあらわすパラメータ値αと、初期パラメータ値からのオフセット量をあらわすパラメータ値βと、が決定される(図8参照)。パラメータ値α,βの同定演算は、1つのATF油温領域で同定が完了し、1つのATF油温領域での初期パラメータ値を、同定が完了した同定パラメータ値に書き換えるまで、データの上乗せ量(経験数)や経験時間等に応じて随時行われる。
ここで、パラメータ値αとパラメータ値βは、エンジントルクをTe、クラッチトルク容量をT、ソレノイド油圧をP、摩擦係数をμ、有効半径をD、受圧面積をA、リターンスプリング荷重をF、としたとき、「Te=T」となる式により定義される。つまり、
Te=T
=μDN(AP−F)
=μDNAP−μDNF
=αP−β
となる。
次に、決定されたATF油温領域でのステップS4での同定実施に続き、ステップS5では、同定完了条件が成立しているか否かが判断される。ステップS5で同定完了条件成立(同定完了判定フラグ=1)であると判定されると、ステップS6では、同定値反映領域毎に重み係数が決定され、次のステップS7では、ステップS6での重み係数の決定に続き、同定値が反映される。
ここで、ステップS7での同定値反映とは、同定が完了したATF油温領域での初期パラメータ値と同定パラメータ値の差分に基づき、同定が未完了の他のATF油温領域における初期パラメータ値を書き換えることをいう。そして、1つの同定値が、同定が未完了の他のATF油温領域に反映されると、ステップS1に戻り、同じ処理が何回も繰り返し実行される。
すなわち、パラメータ同定制御処理の内容は、下記の通りである。
(a) 既存の初期値(ノミナル値)を予め設定し、同定を実施する(図9)。
初期値(ノミナル値)は、予め実機を用いて実験したときの実験データに基づき、パラメータ同定により得られる。
(b) 同定を完了した領域の差分を、同定未完了領域の初期値に反映する(図10)。
同定未完了領域の初期値に反映するとき、同定完了領域の同定値と初期値(ノミナル値)の差分を把握する。
(c) 同定未完了領域の初期値に反映する際は「重み係数」を使用し、確実にスリップする側に設定している初期値を真値に近づける(図11〜図13)。
同定未完了領域の初期値に反映する際、「重み係数」を使用することで、初期値の急変が防止される。
具体例として、80℃の同定完了後、60℃の同定完了する場合、100℃の初期値の書き換えについて説明する。実際の同定制御は以下のような手順で進む。
-1)80℃の同定完了。
-2)80℃を中心とした寄与率に基づき60℃と100℃の初期値を書き換える(100℃における書き換え後を“初期値A”とする)。
-3)60℃の同定完了。
-4)60℃を中心とした寄与率に基づき100℃の初期値Bを求める。
-5)100℃の初期値について、初期値Aの重みを高く、初期値Bの重みを低くする(注意:初期値Aを初期値Bとするわけではない)。→100℃の初期値は初期値Aに近似する値(初期値C)となる。
-6)100℃において同定制御を行う場合、初期値Cを用いて開始する。
-7)100℃において同定制御が完了して得られた値Dを以後用いる。
[パラメータ同定制御作用]
例えば、ATF油温領域毎に独立してパラメータ同定を行うものを比較例とする。この比較例の場合、同定の未完了のATF油温領域において、同定完了までの時間を短縮できない。なぜなら、ATF油温領域毎にゼロから同定制御を行う必要があることによる。
すなわち、図8の実線特性を同定完了後のパラメータ値α,βを用いた特性とし、1点鎖線特性を初期パラメータ値α0,β0(ノミナル値)を用いた特性とする。この場合、1点鎖線特性をスタートラインとして同定制御を行うと、スタートラインである1点鎖線特性が実線特性に対して大きく離間しているため、同定制御が完了するまでに時間を要する(同定制御を開始する際のスタートラインを実線特性に近づけることができるほど、同定制御が完了するまでの時間が短くなる)。この同定制御が完了するまでの間は、誤った特性により制御されることになり、適切な制御が行われないおそれがある。
例えば、クラッチフューズ制御(プーリ容量>クラッチ容量とすることで、プーリ-ベルト間での滑りを防止する技術)を行う場合において、同定完了までに要する時間が長くなると、同定が完了するまでは、狙ったクラッチ容量を得ることができず、その間、(プーリ容量<クラッチ容量となり)クラッチフューズ機能を得られないおそれがある。かといって、クラッチ容量を下げすぎてしまうとクラッチの動力伝達量が低減し、そもそも必要とする駆動力を得ることができなくなる。従って、クラッチフューズ制御を行う場合、極力、早く同定を完了させる必要がある。
これに対し、実施例1では、1つの温度領域でのパラメータ同定が完了すると、同定が完了したATF油温領域での初期パラメータ値と同定パラメータ値の差分に基づき、同定が未完了の他のATF油温領域における初期パラメータ値を書き換える構成とした。
この結果、他のATF油温領域について、同定完了までに要する時間を短くすることができる。
すなわち、同定が完了したATF油温領域の特性に基づき、同定が未完了の他のATF油温領域の特性を書き換える。書き換え後の特性は書き換え前の特性に比べて、真値(同定完了により得られる値)に近くなる。従って、他のATF油温領域で同定制御を行う際、書き換え前の特性にて同定制御を開始するより、書き換え後の特性にて同定制御を開始するほうが、同定完了までの時間を短くすることができる。これにより、同定制御が完了するまでの間、誤った特性により制御される時間を短縮することができ、適切な制御が行われないことを抑制することができる。
上記のような同定制御(同定完了した領域の特性に基づき、他の未完了領域における特性を書き換える)を行うことにより、以下のような更なるメリットがある。
各ATF油温領域において、パラメータ値を正しい値に設定すべく、各ATF油温領域において同定制御を行いたい。しかしながら、エンジン始動後、短時間でATF油温は通常油温領域(例えば、80℃〜90℃)まで上昇するため、ATF油温が低油温領域(例えば、0℃〜80℃)である時間は非常に短く、低油温領域において同定制御を行うとしても、同定制御が完了する前に通常油温領域となってしまう。即ち、低油温領域においては、同定制御による正しい値が得られにくく、低油温領域において走行している間、正しい値と異なる値にてクラッチ等を制御することとなり、適切な制御を行うことができないおそれがある。また、ATF油温が高油温領域(例えば、100℃以上)は、通常の運転シーンでは上昇することのない温度領域であって、同定制御が行われることが殆どないため、高油温領域においても低油温領域と同様に適切な制御が行われないおそれがある。これに対し、同定が完了した値に基づき、他の未完了のATF油温領域の初期値を書き換えることで、上記問題を低減させることができる。
[同定開始条件の判定作用]
同定開始条件の判定処理は、図5のフローチャートに従って行われる。ステップS21では、ATF油温が、最低同定実施油温Temp_min以上で最高同定油温Temp_max以下の範囲内であるか否かのATF油温条件が判断される。次のステップS22では、スロットルバルブが開(Th ON)であるか否かのドライブ条件が判断される。次のステップS23では、トルクコンバータ2のロックアップクラッチが締結(L/U ON)であるか否かのロックアップ条件が判断される。ステップS24では、エンジントルク変化率が、エンジントルク変化率最大値RTrq_max以下であるか否かのエンジントルク変化率条件が判断される。次のステップS25では、クラッチスリップ回転数が、クラッチスリップ回転数最大値Srev_max以下であるか否かの微小スリップ条件が判断される。
そして、ステップS21〜ステップS25の全ての条件が成立するときにのみ、ステップS26へ進み、ステップS26では、同定実施判定フラグが、同定実施判定フラグ=1(同定実施許可)にセットされる。一方、ステップS21〜ステップS25の何れかの条件が不成立であれば、ステップS27へ進み、ステップS27では、同定実施判定フラグが、同定実施判定フラグ=0(同定実施禁止)にセットされる。
このように、実施例1では、未知のパラメータ値α,βを決めるパラメータ同定制御でのデータ取得を開始する入り条件として、摩擦締結要素(Lowブレーキ32、Highクラッチ33、Revブレーキ34)が微小スリップ状態であるという微小スリップ条件を含む構成としている。
従って、同定精度の向上を図ることができる。その理由を説明すると、クラッチフューズ制御におけるクラッチ容量は、クラッチ容量=クラッチ入力トルク、となる最小の値としたい。例えば、クラッチ入力トルクを100%伝達するのに必要なクラッチ供給圧を0.2MPaとしたとき、0.2MPaであるとクラッチ容量=クラッチ入力トルクとなるが、1MPaであってもクラッチ容量=クラッチ入力トルクとなる。即ち、クラッチ容量=クラッチ入力トルクとなるための最小クラッチ供給圧を誤同定する。
これに対し、クラッチが微小スリップする際、即ち、クラッチ容量≒クラッチ入力トルクとなる場合、クラッチ供給圧≒0.2MPaであり、上述したような1MPaという誤った値とはならない。これにより誤同定を防止し、同定精度を向上させる。
実施例1では、自動変速機が、エンジン1と駆動輪7との間に、バリエータ20と摩擦締結要素(Lowブレーキ32、Highクラッチ33、Revブレーキ34)とが直列に配置された無段変速機である。そして、摩擦締結要素(Lowブレーキ32、Highクラッチ33、Revブレーキ34)は、トルク容量特性に基づく締結制御により、(バリエータにおける動力伝達容量)>(摩擦締結要素における動力伝達容量)とするクラッチフューズ制御を行う要素である構成とした。
従って、摩擦締結要素(Lowブレーキ32、Highクラッチ33、Revブレーキ34)を同定する際、同定精度の向上を図ることができると共に、クラッチフューズ制御を行う場合の要求に応えて同定を早く完了させることができる。
実施例1では、未知のパラメータ値α,βを決めるパラメータ同定制御でのデータ取得を開始する入り条件として、スロットルバルブが開(Th ON)であるというドライブ条件を含む構成としている。
従って、正確なエンジントルクTeの情報を得ることができる。つまり、パラメータ同定制御を行うには、クラッチ入力トルクの値が正確である必要がある。アクセル足離しコースト状態におけるエンジントルクTeはバラツキが大きく精度が低い。よって、精度の高いドライブ状態において同定制御を行うと、正確なエンジントルクTeが得られる。
実施例1では、未知のパラメータ値α,βを決めるパラメータ同定制御でのデータ取得を開始する入り条件として、トルクコンバータ2のロックアップクラッチが締結(L/U ON)のロックアップ条件を含む構成としている。
従って、正確なエンジントルクTeの情報を得ることができる。つまり、コンバータ状態では、トルクコンバータ2からクラッチに入力されるトルクが油温によって変わるため、正しい値が得られにくい。また、スリップL/U状態では伝達トルクがバラツキ、正しい値が得られにくい。
[同定完了条件の判定作用]
同定完了条件の判定処理は、図6のフローチャートに従って行われる。ステップS51では、クラッチスリップ回転数が、クラッチスリップ回転数最大値Srev_max以下であるか否かが判断され、ステップS52では、同定値=実指示値であるか否かが判断される。そして、ステップS51の微小スリップ条件と、ステップS52の同定値と実指示値の一致条件と、が共に成立するときにのみステップS53へ進み、ステップS53では、一致時間のカウントが開始される。一方、ステップS51の微小スリップ条件が不成立のときは、ステップS58へ進み、同定完了判定フラグが、同定完了判定フラグ=0にセットされる。
ステップS53で一致時間のカウントが開始されると、ステップS54では、同定値と実指示値の一致条件と微小スリップ条件が共に成立する状態であるか否かが判断される。つまり、一致条件と微小スリップ条件のうち、一方の条件が不成立になると、直ちに、ステップS58へ進み、同定完了判定フラグが、同定完了判定フラグ=0にセットされる。しかし、パラメータ同定制御が進行し、一致条件と微小スリップ条件が共に成立する状態による一致時間が、一致時間閾値Time_sa以上になると、ステップS55からステップS56へ進み、そのときのATF油温が、判定同定領域に存在するか否かが判断される。そして、ステップS56でのATF油温=判定同定領域であると判断されると、次のステップS57へ進み、ステップS57では、同定完了判定フラグが、1つのATF油温領域の同定完了をあらわす同定完了判定フラグ=1にセットされる。
このように、同定完了条件の判定の際、同定値と実指示値の一致条件と微小スリップ条件が共に成立する状態が所定時間継続するという時間条件を含めて同定完了を判定する構成としている。従って、高い精度の同定パラメータ値を得ることができる。
[同定周辺領域への同定パラメータ値反映作用]
同定値反映処理は、図7のフローチャートに従って行われる。ステップS71では、同定完了判定フラグ=1であるか否かが判断される。そして、同定完了判定フラグ=1であるときにのみ、ステップS72以降のステップへ進み、同定周辺領域への同定パラメータ値反映を行う。同定完了判定フラグ=0であるときには、リターンへ進み、同定周辺領域への同定パラメータ値反映を行わない。
ステップS72では、同定実施領域(ATF油温領域)に対し同定パラメータ値が反映される。つまり、予め設定してある初期パラメータ値が、同定パラメータ値に書き換えられ、その後のクラッチフューズ制御に用いる新たな初期パラメータ値とされる。次のステップS73では、同定未完了周辺領域(ATF油温領域)に対し同定パラメータ値を反映するにあたり重み係数(寄与率)が決定され、ステップS74では、同定未完了周辺領域(ATF油温領域)に対し同定パラメータ値が、決定した重み係数により反映されて書き換えられる。
例えば、同定完了ATF油温領域での初期パラメータ値をα,βとし、完了パラメータ値をα,βとしたとき、パラメータ値α,βについて、差分Δα(=α−α),Δβ(=β−β)が100%である。よって、重み係数が75%のATF油温領域に反映する場合、差分Δα,Δβの75%を補正値として、そのATF油温領域の初期パラメータ値を書き換える。
ステップS75では、既に同定が完了している同定既完了周辺領域(ATF油温領域)に対し同定パラメータ値を反映するにあたり、重み係数が決定される。次のステップS76では、同定既完了周辺領域(ATF油温領域)に対し同定パラメータ値が、決定した重み係数により反映されて書き換えられる。
ここで、重み係数の寄与率の設定には、下記3つのパターンがある。
-1)同定完了温度を中心に左右対称(パターン1)
このパターン1は、図11に示すように、同定完了エリア(100%)に対し、低油温側に離れるほど重み係数を低くし(75%→50%→25%)、同様に、高油温側に離れるほど重み係数を低くする(75%→50%→25%)。
-2)同定完了温度を中心に左右非対称その1(パターン2)
このパターン2は、図12に示すように、同定完了エリア(100%)に対し、低油温側に離れるほど重み係数を低くするが(75%→50%→25%)、高油温側に離れるほど重み係数を低くする度合いを小さくする(90%→80%→70%)。
-3)同定完了温度を中心に左右非対称その2(パターン3)
このパターン3は、図13に示すように、同定完了エリア(100%)に対し、低油温側に離れるほど重み係数を低くするが(75%→50%→25%)、かつ、高油温側については全ての領域で100%の重み係数とする。
ATF油温が高油温(例えば、100℃以上)では油温感度が殆ど無いため、図13のパターン3を用いる。これにより、例えば、100℃の同定が完了した場合、120℃の特性をより真値に近づけることができ、120℃の同定制御を行う際、短時間で同定完了となる。
ATF油温が通常温度領域(例えば、80〜90℃)では、油温感度は低いものの、100℃以上に比べて油温感度があるため、図12のパターン2を用いる。効果は上記と同じである。
ATF油温が通常温度領域より低い場合(例えば、60℃未満)では、油温感度が高いため、図11のパターン1を用いる。
実施例1では、同定が完了した温度領域から離間するほど、同定完了値の寄与率を低くする構成とした。
従って、同定未完了のATF油温領域の関数特性について、より真値に近づくように書き換えることができる。なぜなら、同定が完了したATF油温領域に近いほど、同定が完了したATF油温領域における値を信頼することができるため、近いATF油温領域は重み係数の寄与率を高くし、離間するほど信頼性が低下するため、離間するほど重み係数の寄与率を低くする。このようにすることで、同定未完了のATF油温領域において、適切な関数特性へ書き換えを行うことができることによる。
実施例1では、副変速機付き無段変速機における摩擦締結要素(Lowブレーキ32、Highクラッチ33、Revブレーキ34)を対象とするものであって、(高油温側の寄与率)>(低油温側の寄与率)とする構成とした。
すなわち、高油温側は低油温側に比べて油温感度が低い(油温変化に対する特性の変化が低い)ので、同定が完了したATF油温領域に対して高油温側は重み係数の寄与率を高くする。これにより、高油温側の同定完了をより短時間で行うことができる。
次に、効果を説明する。
実施例1の自動変速機のパラメータ同定装置にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
(1) パラメータ値(α,β)により規定される関数特性を用いて制御する制御対象(Lowブレーキ32、Highクラッチ33、Revブレーキ34)を備えた自動変速機において、
関数特性を規定するパラメータ値(α,β)について、低温側から高温側までの全領域を複数の温度領域(ATF油温領域)に分け、温度領域毎に設定されている初期パラメータ値(α0,β0)に基づくパラメータ同定制御を実行することで未知のパラメータ値を決めるパラメータ同定制御手段(変速機コントローラ12、図4)を設け、
パラメータ同定制御手段(変速機コントローラ12、図4)は、1つの温度領域での同定が完了すると、同定が完了した温度領域での初期パラ−メータ値(α,β)と同定パラメータ値(α,β)の差分Δα,Δβに基づき、同定が未完了の他の温度領域における初期パラメータ値を書き換える(図4)。
このため、同定が未完了の温度領域(ATF油温領域)において、同定完了までに要する時間の短縮を図ることができる。
(2) パラメータ同定制御手段(変速機コントローラ12、図4)は、同定が完了した温度領域から離間した温度領域(ATF油温領域)であるほど、同定完了したパラメータ値に基づく書き換え重み係数の寄与率を低くする(図11)。
このため、(1)の効果に加え、同定未完了の温度領域(ATF油温領域)の関数特性について、より真値に近づくように書き換えることができる。
(3) 自動変速機は、制御対象として、トルク容量特性に基づき締結制御される摩擦締結要素(Lowブレーキ32、Highクラッチ33、Revブレーキ34)を備え、
パラメータ同定制御手段(変速機コントローラ12、図4)は、同定が完了した温度領域(ATF油温領域)のパラメータ値に基づき、同定が未完了の他の温度領域(ATF油温領域)における初期パラメータ値を書き換える際、
(高油温側の寄与率)>(低油温側の寄与率)とする(図12、図13)。
このため、(2)の効果に加え、ATF油温感度の違いに対応し、高油温側の同定完了をより短時間で行うことができる。
(4) パラメータ同定制御手段(変速機コントローラ12、図4)は、未知のパラメータ値を決めるパラメータ同定制御でのデータ取得を開始する入り条件として、摩擦締結要素(Lowブレーキ32、Highクラッチ33、Revブレーキ34)が微小スリップ状態であるという条件を含む(図5)。
このため、(1)〜(3)の効果に加え、誤同定を防止し、同定精度を向上させることができる。
(5) 自動変速機は、駆動源(エンジン1)と駆動輪7との間に、バリエータ20と摩擦締結要素(Lowブレーキ32、Highクラッチ33、Revブレーキ34)とが直列に配置された無段変速機であり、
摩擦締結要素(Lowブレーキ32、Highクラッチ33、Revブレーキ34)は、トルク容量特性に基づく締結制御により、(バリエータ20における動力伝達容量)>(摩擦締結要素における動力伝達容量)とするクラッチフューズ制御を行う要素である(図1)。
このため、(4)の効果に加え、摩擦締結要素(Lowブレーキ32、Highクラッチ33、Revブレーキ34)を同定する際、同定精度の向上を図ることができると共に、クラッチフューズ制御を行う場合の要求に応えて同定を早く完了させることができる。
以上、本発明の自動変速機のパラメータ同定装置を実施例1に基づき説明してきたが、具体的な構成については、この実施例1に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
実施例1では、パラメータ同定制御の同定対象を、摩擦締結要素(Lowブレーキ32、Highクラッチ33、Revブレーキ34)の入力トルクに対するクラッチトルク容量の関数特性とする例を示した。しかし、パラメータ同定制御の同定対象としては、摩擦締結要素の油圧−ソレノイド電流の関数特性等、実施例1以外の関数特性(二次関数特性以上も含む)を同定対象とする例であっても良い。
実施例1では、本発明の自動変速機のパラメータ同定装置を、副変速機付き無段変速機に適用する例を示した。しかし、本発明の自動変速機のパラメータ同定装置は、有段ATと呼ばれる自動変速機や副変速機無しの無段変速機や自動MTと呼ばれる変速機、等に対しても適用することができる。要するに、自動変速機のパラメータ同定装置であれば適用できる。
1 エンジン(駆動源)
2 ロックアップクラッチ付きトルクコンバータ
3 第1ギヤ列
4 無段変速機
5 第2ギヤ列
6 終減速装置
7 駆動輪
11 油圧制御回路
12 変速機コントローラ(パラメータ同定制御手段)
20 バリエータ
21 プライマリプーリ
22 セカンダリプーリ
23 Vベルト
30 副変速機構
31 ラビニョウ型遊星歯車機構
32 Lowブレーキ(摩擦締結要素)
33 Highクラッチ(摩擦締結要素)
34 Revブレーキ(摩擦締結要素)

Claims (2)

  1. パラメータ値により規定される関数特性を用いて制御する制御対象を備えた自動変速機において、
    前記関数特性を規定するパラメータ値について、低温側から高温側までの全領域を複数の温度領域に分け、温度領域毎に設定されている初期パラメータ値に基づくパラメータ同定制御を実行することで未知のパラメータ値を決めるパラメータ同定制御手段を設け、
    前記パラメータ同定制御手段は、1つの温度領域での同定が完了すると、同定が完了した温度領域での初期パラ−メータ値と同定パラメータ値の差分に基づき、同定が未完了の他の温度領域における初期パラメータ値を書き換え
    同定が完了した温度領域から離間した温度領域であるほど、同定完了したパラメータ値に基づく書き換え重み係数の寄与率を低くす
    ことを特徴とする自動変速機のパラメータ同定装置。
  2. 請求項1に記載された自動変速機のパラメータ同定装置において、
    前記自動変速機は、制御対象として、トルク容量特性に基づき締結制御される摩擦締結要素を備え、
    前記パラメータ同定制御手段は、同定が完了した温度領域のパラメータ値に基づき、同定が未完了の他の温度領域における初期パラメータ値を書き換える際、
    (高油温側の寄与率)>(低油温側の寄与率)とする
    ことを特徴とする自動変速機のパラメータ同定装置。
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