JP7393168B2 - ベルト無段変速機の制御装置、及びベルト無段変速機のベルトスリップ判定方法 - Google Patents

ベルト無段変速機の制御装置、及びベルト無段変速機のベルトスリップ判定方法 Download PDF

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Description

本発明は、ベルト無段変速機の制御装置、及びベルト無段変速機の制御方法に関する。
特許文献1には、ベルト無段変速機の変速比が機構上取り得る変速比の範囲から外れた状態が所定時間継続したとき、ベルトがスリップしていると判定する技術が開示されている。
特開2004-124968号公報
上記の技術では、ベルトがスリップしていてもベルト無段変速機の変速比が機構上取り得る変速比の範囲内にある場合には、ベルトがスリップしていると判定することができない。
また、変速速度が通常の変速における変速速度の範囲から外れた場合にベルトがスリップしていると判定することも考えられるが、この方法では、ベルトがスリップしていても変速速度が通常の変速比における変速速度の範囲内の場合にはベルトがスリップしていると判定することができない。
本発明は、このような技術的課題に鑑みてなされたもので、ベルトスリップの検知性能を向上することを目的とする。
本発明のある態様によれば、プライマリプーリと、セカンダリプーリと、前記プライマリプーリ及び前記セカンダリプーリに巻き掛けられるベルトと、を有するベルト無段変速機の制御装置であって、前記ベルト無段変速機の変速速度と、前記ベルト無段変速機を目標の変速比とするための前記プライマリプーリ及び前記セカンダリプーリの差推力と、に基づいて前記ベルト無段変速機のベルトスリップを判定する制御部を備え、前記差推力は、前記ベルト無段変速機を現在の変速比とするための前記プライマリプーリの推力と前記セカンダリプーリの推力との比であるバランス推力比となる前記プライマリプーリ及び前記セカンダリプーリの推力からの差である、ことを特徴とするベルト無段変速機の制御装置が提供される。
また、本発明の別の態様によれば、プライマリプーリと、セカンダリプーリと、前記プライマリプーリ及び前記セカンダリプーリに巻き掛けられるベルトと、を有するベルト無段変速機のベルトスリップ判定方法であって、前記ベルト無段変速機の変速速度と、前記ベルト無段変速機を目標の変速比とするための前記プライマリプーリ及び前記セカンダリプーリの差推力と、に基づいて前記ベルト無段変速機のベルトスリップを判定し、前記差推力は、前記ベルト無段変速機を現在の変速比とするための前記プライマリプーリの推力と前記セカンダリプーリの推力との比であるバランス推力比となる前記プライマリプーリ及び前記セカンダリプーリの推力からの差である、ことを特徴とするベルト無段変速機のベルトスリップ判定方法が提供される。
これらの態様では、変速速度と差推力との関係に基づいてベルトのスリップを判定することにより、変速比が通常取り得る変速比の範囲内である場合や変速速度が通常の変速比における変速速度の範囲内にある場合でも、ベルトスリップを判定することができる。すなわち、ベルトスリップの検知性能を向上することができる。
図1は、本発明の実施形態のベルト無段変速機の制御装置が適用される車両の概要図である。 図2は、ベルトスリップ判定について説明するための図である。 図3は、ベルトスリップ判定の内容を示すフローチャートである。 図4は、ベルトスリップ判定が実行される様子を示すタイムチャートである。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
図1は、車両100の概略構成図である。車両100は、エンジン1と、ベルト無段変速機としての自動変速機3と、オイルポンプ5と、駆動輪6と、制御部としてのコントローラ10と、を備える。
エンジン1は、ガソリン、軽油等を燃料とする内燃機関であり、走行用駆動源として機能する。エンジン1は、コントローラ10からの指令に基づいて、回転速度、トルク等が制御される。
自動変速機3は、トルクコンバータ2と、締結要素31と、バリエータ30と、油圧コントロールバルブユニット40(以下では、単に「バルブユニット40」ともいう。)と、オイル(作動油)を貯留するオイルパン32と、を備える。
トルクコンバータ2は、エンジン1と駆動輪6の間の動力伝達経路上に設けられる。トルクコンバータ2は、流体を介して動力を伝達する。また、トルクコンバータ2は、ロックアップクラッチ2aを締結することで、エンジン1からの駆動力の動力伝達効率を高めることができる。
締結要素31は、トルクコンバータ2とバリエータ30の間の動力伝達経路上に配置される。締結要素31は、図示しない前進クラッチ及び後進ブレーキを備える。締結要素31は、コントローラ10からの指令に基づき、オイルポンプ5の吐出圧を元圧としてバルブユニット40によって調圧されたオイルによって制御される。締結要素31としては、例えば、ノーマルオープンの湿式多板クラッチが用いられる。
バリエータ30は、締結要素31と駆動輪6との間の動力伝達経路上に配置され、車速やアクセル開度等に応じて変速比を無段階に変更する。バリエータ30は、プライマリプーリ30aと、セカンダリプーリ30bと、両プーリ30a,30bに巻き掛けられるベルト30cと、を備える。プーリ圧によりプライマリプーリ30aの可動プーリとセカンダリプーリ30bの可動プーリとを軸方向に動かし、ベルト30cのプーリ接触半径を変化させることで、変速比を無段階に変更する。なお、プライマリプーリ30aに作用するプーリ圧及びセカンダリプーリ30bに作用するプーリ圧は、オイルポンプ5からの吐出圧を元圧としてバルブユニット40によって調圧される。
バリエータ30のセカンダリプーリ30bの出力軸には、図示しない終減速ギヤ機構を介してディファレンシャル12が接続される。ディファレンシャル12には、ドライブシャフト13を介して駆動輪6が接続される。
オイルポンプ5は、エンジン1の回転がベルトを介して伝達されることによって駆動される。オイルポンプ5は、例えばベーンポンプによって構成される。オイルポンプ5は、オイルパン32に貯留されるオイルを吸い上げ、バルブユニット40にオイルを供給する。バルブユニット40に供給されたオイルは、各プーリ30a,30bの駆動や、締結要素31の駆動、自動変速機3の各要素の潤滑などに用いられる。
コントローラ10は、中央演算装置(CPU)、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)及び入出力インタフェース(I/Oインタフェース)を備えたマイクロコンピュータで構成される。コントローラ10は、複数のマイクロコンピュータで構成することも可能である。具体的には、コントローラ10は、自動変速機3を制御するATCU、シフトレンジを制御するSCU、エンジン1の制御を行うECU等によって構成することもできる。なお、本実施形態における制御部とは、コントローラ10の後述するベルトスリップ判定制御を実行する機能を仮想的なユニットとしたものである。
コントローラ10には、エンジン1の回転速度(=トルクコンバータ2の入力側の回転速度)を検出する第1回転速度センサ50、トルクコンバータ2の出力側の回転速度を検出する第2回転速度センサ51、締結要素31の出力回転速度(=プライマリプーリ30aの回転速度)を検出する第3回転速度センサ52、セカンダリプーリ30bの回転速度を検出する第4回転速度センサ53、車速を検出する車速センサ54、プライマリプーリ30aに作用するプーリ圧を検出する第1油圧センサ55、セカンダリプーリ30bに作用するプーリ圧を検出する第2油圧センサ56、バリエータ30のセレクトレンジ(前進、後進、ニュートラル及びパーキングを切り替えるセレクトレバー又はセレクトスイッチの状態)を検出するインヒビタスイッチ57、アクセル開度APOを検出するアクセル開度センサ58、ブレーキの踏力を検出する踏力センサ59、等、からの信号が入力される。コントローラ10は、入力されるこれら信号に基づき、エンジン1及び自動変速機3の各種動作を制御する。
ところで、自動変速機3では、車両100の駆動状態などによってベルト30cがスリップすることがある。ベルト30cのスリップの発生を判定する方法としては、自動変速機3の変速比が機構上取り得る変速比の範囲から外れた状態が所定時間継続したときにベルト30cのスリップが発生していると判定する方法がある。
しかしながら、この判定方法では、ベルト30cがスリップしていても自動変速機3の変速比が機構上取り得る変速比の範囲内にある場合には、ベルト30cがスリップしていると判定することができない。
また、変速速度が通常の変速における変速速度の範囲から外れた場合にベルト30cがスリップしていると判定することも考えられるが、この方法では、ベルト30cがスリップしていても変速速度が通常の変速比における変速速度の範囲内の場合は、ベルト30cがスリップしていると判定することができない。
そこで、本実施形態では、コントローラ10によって、自動変速機3における変速速度とプライマリプーリ30a及びセカンダリプーリ30bの差推力Tとに基づいてベルトスリップを判定するベルトスリップ判定制御を実行する。なお、ベルトスリップ判定制御は、コントローラ10に予め記憶させたプログラムに基づいて実行される。
図2から図4を参照して、コントローラ10によるベルトスリップ判定制御の詳細を説明する。図2は、ベルトスリップ判定について説明するための図である。図3は、コントローラ10によるベルトスリップ判定の内容を示すフローチャートである。図4は、ベルトスリップ判定が実行される様子を示すタイムチャートである。
まず、図2を参照して、ベルトスリップの判定の概要について説明する。
図2は、縦軸に自動変速機3の変速速度(自動変速機3の変速比を微分することで求められる、変速比の時間変化率)をとり、横軸にプライマリプーリ30a及びセカンダリプーリ30bの差推力Tをとっている。図2において、原点Oは、変速速度が0であって差推力Tも0であることを示す。縦軸は、原点Oからプラス側に向かうほど変速速度が大きいことを示し、原点Oからマイナス側に向かうほど変速速度が大きいことを示す。すなわち、縦軸は絶対値が大きいほど変速速度が大きいことを示す。また、横軸は、原点Oからプラス側に向かうほど変速比がLow側にシフトするように差推力Tが大きくなることを示し、原点Oからマイナス側に向かうほど変速比がHigh側にシフトするように差推力Tが大きくなることを示す。なお、図2に示す変速速度は、ベルトスリップが発生していない通常の場合の自動変速機3で有り得る範囲の値である。
自動変速機3の変速速度は、プライマリプーリ30a及びセカンダリプーリ30bの差推力Tによって決まる。すなわち、変速速度と差推力Tとは、図2の線分Lに示すように比例関係にある。以降の説明では、当該比例関係の係数(線分Lの傾き)を差推力特性係数と称する。
上記の比例関係により、差推力Tが分かると、当該差推力に対応する変速速度(ベルトスリップが発生していない通常の場合での変速速度。以降、推定変速速度ESと称する。)も分かる。例えば、図2に示すように差推力Tがx1であるときには推定変速速度ESはy1と分かる。
ここで、所定の差推力Tのときの実際の変速速度(プーリ30a、30bの回転速度に基づいて算出する変速速度。以下、実変速速度ASと称する。)が、所定の差推力Tのときの推定変速速度ESよりも大きい場合には、ベルト30cのスリップが発生していると考えることができる。
ただし、自動変速機3は、その個体ごとに、所定の変速比とするために必要な推力の比(以下、バランス推力比と称する。)と、油圧センサ55、56の油圧検出精度と、所定の差推力Tとなってからプーリ30a、30bが動いて所定の変速比となるまでの応答時間と、推定変速速度ESの差推力特性係数(図2の線分Lの傾き)と、にばらつきがある。そのため、これらのばらつきが影響してベルトスリップが発生していない場合でも実変速速度ASが推定変速速度ESよりも大きくなることがある。
そこで、本実施形態では、ベルトスリップの誤判定を防ぐために上記のばらつきを加味した推定変速速度ESの最大値として推定変速速度Kmaxを設定し、所定の差推力Tのときにおける実変速速度ASと推定変速速度Kmaxとを比較して実変速速度ASが推定変速速度Kmaxよりも大きければ、ベルト30cのスリップが発生していると判定する。
上記の推定変速速度Kmaxを図2にプロットすると、線分p及び線分qとなる。なお、領域N(原点Oから線分Cまでの領域と、原点Oから線分Dまでの領域)は、自動変速機3におけるバランス推力比のばらつきや油圧センサ55、56の油圧検出精度のばらつきによって差推力Tを正確に測定できない領域である。そのため、領域Nでは、推定変速速度Kmaxを設定していない。差推力Tが領域Nにある場合(差推力Tの絶対値が、領域Nの差推力Tの最大値T(N)以下の場合)には、ベルトスリップの判定を行わない。すなわち、線分pよりも縦軸方向にプラス側であって線分Cよりも横軸方向にプラス側の領域Aと線分qよりも縦軸方向にマイナス側であって線分Dよりも横軸方向にマイナス側の領域Bが、ベルト30cがスリップしていると判定する領域である。
例えば、図2において差推力Tがx1であり、実変速速度ASがy2であった場合を考える。この場合、実変速速度ASであるy2は、差推力Tがx1のときの推定変速速度ESであるy1よりも大きく且つ自動変速機3のばらつきを加味した推定変速速度ESの最大値Kmax(x1)よりも大きい。よって、この場合は、ベルト30cのスリップが発生していると判定する。
続いて、図2において差推力Tがx1のときの実変速速度ASがy3であった場合を考える。この場合、実変速速度ASであるy3は、差推力Tがx1のときの推定変速速度ESであるy1より大きいが自動変速機3のばらつきを加味した推定変速速度ESの最大値Kmax(x1)よりは小さい。すなわち、この場合の推定変速速度ESと実変速速度ASとのずれは、自動変速機3のばらつきによるものであって、ベルトスリップによるものではないと考えられる。よって、この場合は、ベルト30cのスリップが発生していないと判定する。
次に、主に図3を参照して、ベルトスリップ判定の内容について説明する。
ステップS10では、コントローラ10は、プライマリプーリ30aのプーリ圧及びセカンダリプーリ30bのプーリ圧に基づいて差推力Tを算出する。また、プライマリプーリ30aの回転速度及びセカンダリプーリ30bの回転速度に基づいて、差推力Tにおける実変速速度ASを算出する。なお、上記の各プーリ圧は、第1油圧センサ55及び第2油圧センサ56から入力される信号に基づいて算出する。上記の各回転速度は、第3回転速度センサ52及び第4回転速度センサ53から入力される信号に基づいて算出する。差推力T及び実変速速度ASを算出したら、処理をステップS11に進める。
ステップS11では、コントローラ10は、ステップS10で算出した差推力Tの絶対値が所定値N以上であるかを判断する。所定値Nとは、上記した領域Nの差推力Tの最大値T(N)の絶対値である。すなわち、ステップS11では、ベルトスリップ判定制御を実施可能か判断する。差推力Tの絶対値が所定値N未満の場合には、処理をENDに進める。差推力Tの絶対値が所定値N以上であれば、処理をステップS12に進める。
ステップS12では、コントローラ10は、差推力Tにおける推定変速速度Kmaxを算出し、処理をステップS13に進める。
ステップS13では、コントローラ10は、ステップS10で算出した差推力Tが0を超えるかを判断する。言い換えると、差推力TがLow側にシフトするものかHigh側にシフトするものかを判断する。差推力Tが0よりも大きければ、処理をステップS14に進める。差推力Tが0よりも小さければ、処理をステップS16に進める。
ステップS14では、コントローラ10は、差推力Tにおける実変速速度ASが差推力Tにおける推定変速速度Kmaxよりも大きいかを判断する。言い換えると、差推力Tに対応する推定変速速度ESと実変速速度ASとの差が所定よりも大きいか判断する。所定よりも大きいとは、自動変速機3のばらつきの値(差推力Tに対応する推定変速速度Kmax及び差推力Tに対応する推定変速速度ESの差分値)よりも大きいことである。図2で言うと、差推力Tにおける実変速速度ASが推定変速速度Kmaxを超えるか(線分pを超えて領域Aに達するか)を判断する。図3のステップS14で差推力Tにおける実変速速度ASが差推力Tにおける推定変速速度Kmaxより大きいと判断すると、処理をステップS15に進める。図3のステップS14で差推力Tにおける実変速速度ASが差推力Tにおける推定変速速度Kmaxより大きくはないと判断すると、処理をENDに進める。
ステップS15では、コントローラ10は、ベルト30cのスリップが発生していると判定する。ベルト30cのスリップが発生していると判定すると、コントローラ10は、ベルト30cのスリップを抑制させるためにエンジン1のトルクを下げる若しくはセカンダリプーリ30bのプーリ圧を下げる制御を行う。
ステップS16では、コントローラ10は、差推力Tにおける実変速速度ASが差推力Tにおける推定変速速度Kmaxよりも小さいかを判断する。これは図2で言うと、変速比がHigh側にシフトする差推力Tのときにおいて、実変速速度ASが推定変速速度Kmaxを超えるか(線分qを超えて領域Bに達するか)を判断している。言い換えると、差推力Tに対応する推定変速速度ESと実変速速度ASとの差が所定よりも大きいか判断している。所定よりも大きいとは、自動変速機3のばらつきの値(差推力Tに対応する推定変速速度Kmax及び差推力Tに対応する推定変速速度ESの差分値)よりも大きいことである。図3のステップ16で差推力Tにおける実変速速度ASが差推力Tにおける推定変速速度Kmaxより小さいと判断すると、処理をステップS17に進める。図3のステップS16で差推力Tにおける実変速速度ASが差推力Tにおける推定変速速度Kmaxより小さくはないと判断すると、処理をENDに進める。
ステップS17では、コントローラ10は、ベルト30cのスリップが発生していると判定する。ベルト30cのスリップが発生していると判定すると、コントローラ10は、ベルト30cのスリップを抑制させるためにエンジン1のトルクを下げる若しくはセカンダリプーリ30bのプーリ圧を下げる制御を行う。
上記したベルト30cのスリップ判定について、図4を参照にして時系列に沿って説明する。
図4は、プライマリプーリ30a及びセカンダリプーリ30bの差推力T、自動変速機3の実変速速度AS、差推力特性係数、ベルトスリップ判定の変化を示すタイムチャートである。図4は、ベルトスリップが発生した場合とベルトスリップが発生しない通常の場合を併記している。実変速速度AS、差推力特性係数、ベルトスリップ判定において、破線は通常の場合を示し、実線はベルトスリップが発生した場合を示す。差推力Tは、いずれの場合も実線で示す。なお、図4に示す実変速速度AS及び差推力Tは、通常の場合の自動変速機3で有り得る範囲の値である。
これまで説明した通り、本実施形態では、差推力Tと変速速度との比例関係に着目して、所定の差推力Tのときの実変速速度ASが所定の差推力Tのときの推定変速速度Kmaxよりも大きい場合にベルトスリップが発生していると判定している。言い換えると、実変速速度ASの差推力特性係数(実変速速度AS/差推力T)が閾値としての推定変速速度Kmaxの差推力特性係数(自動変速機3のばらつきを加味した推定変速速度ESの最大値/差推力T)を超えた場合には、ベルト30cのスリップが発生していると判定している。当該判定について時系列に沿って図示すると図4の通りとなる。
まず、ベルトスリップが発生しない通常の場合について説明する。図4では、所定の変速比とするために必要な差推力TであるE値まで差推力Tを増加させる場合を想定する。この場合、差推力Tが時刻t1から時刻t5にかけて増加していくと、これに比例して実変速速度ASも増加する。そのため、実変速速度ASの差推力特性係数は一定の値を維持し、推定変速速度Kmaxの差推力特性係数を超えることはない。すなわち、ベルトスリップが発生したと判定することはない。時刻t5で差推力TがE値に達すると、差推力TはE値のまま維持される。差推力Tが維持されるのに対応して、実変速速度ASも一定値となる。
次に、ベルトスリップが発生した場合について説明する。ここでは、時刻t2にてベルトスリップが発生するものとして説明する。時刻t1以降、差推力TをE値まで増加させるべく、差推力Tは増加していく。これに比例して実変速速度ASも増加する。
時刻t2においてベルト30cのスリップが発生すると、時刻t2以降、実変速速度ASは急激に増加する。すると、実変速速度ASの差推力特性係数も時刻t2以降急激に増加し、時刻t3において、実変速速度ASの差推力特性係数が推定変速速度Kmaxの差推力特性係数を超える。
時刻t4において、コントローラ10は、実変速速度ASの差推力特性係数が推定変速速度Kmaxの差推力特性係数よりも大きいことを検知すると、ベルト30cのスリップが発生したと判定する。
このように本実施形態によれば、差推力Tと実変速速度ASの比例関係を示す実変速速度ASの差推力特性係数(実変動速度AS/差推力T)が、閾値としての推定変速速度Kmaxの差推力特性係数(自動変速機3のばらつきを加味した推定変速速度ESの最大値/差推力T)よりも大きい場合に、ベルト30cがスリップしていると判定する。これにより、ベルト30cがスリップしていても変速比が通常取り得る変速比の範囲内である場合や変速速度が通常の変速比における変速速度の範囲内にある場合でも、ベルト30cがスリップしていると判定することができる。
続いて、本実施形態の作用効果について説明する。
本実施形態では、コントローラ10は、プライマリプーリ30aと、セカンダリプーリ30bと、プライマリプーリ30a及びセカンダリプーリ30bに巻き掛けられるベルト30cと、を有する自動変速機3を制御する。コントローラ10は、自動変速機3の変速速度(実変速速度AS)と、プライマリプーリ30a及びセカンダリプーリ30bの差推力Tと、に基づいて自動変速機3のベルトスリップを判定する。
これにより、ベルトスリップが発生していても変速比が通常取り得る変速比の範囲内である場合や変速速度が通常の変速比における変速速度の範囲内にある場合でも、ベルト30cがスリップしていると判定することができる。よって、ベルトスリップの検知性能を向上することができる(請求項1、4に対応する効果)。
具体的には、コントローラ10は、差推力Tに対応する推定変速速度ESと実変速速度ASとの差が所定(差推力Tに対応する推定変速速度Kmax及び差推力Tに対応する推定変速速度ESの差分値)よりも大きい場合にベルト30cがスリップしていると判定する。
よって、センサの誤差などといった自動変速機3のばらつきの値以上に、推定変速速度ESと実変速速度ASとがずれている場合にベルト30cがスリップしていると判定する。そのため、自動変速機3のばらつきが影響するベルトスリップの誤判定を防ぐことができ、ベルトスリップの判定精度を向上することができる(請求項3に対応する効果)。
また本実施形態では、コントローラ10は、プライマリプーリ30aの回転速度及びセカンダリプーリ30bの回転速度に基づいて変速速度(実変速速度AS)を算出し、且つ、プライマリプーリ30aのプーリ圧及びセカンダリプーリ30bのプーリ圧に基づいて差推力Tを算出する。
この構成によれば、回転速度センサ(第3回転速度センサ52、第4回転速度センサ53)に加えて油圧センサ(第1油圧センサ55、第2油圧センサ56)を用いてベルトスリップを判定する。これにより、回転速度センサのみを用いたベルトスリップ判定方法ではベルトスリップが判定できなかった場合(ベルト30cがスリップしているにも関わらず変速比の変速速度が通常の変速比における変速速度の範囲内の場合)でも、ベルト30cがスリップしていると判定することができる。すなわち、ベルトスリップの検知性能を向上することができる。また、自動変速機3の変速制御に必要な構成である回転速度センサ及び油圧センサを用いるため、新たなセンサを設けることなく(コストを増やすことなく)ベルトスリップの検知性能を向上することができる(請求項2に対応する効果)。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したものに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
3 自動変速機(ベルト無段変速機)
10 コントローラ(制御部、制御装置)
30a プライマリプーリ
30b セカンダリプーリ
30c ベルト

Claims (4)

  1. プライマリプーリと、セカンダリプーリと、前記プライマリプーリ及び前記セカンダリプーリに巻き掛けられるベルトと、を有するベルト無段変速機の制御装置であって、
    前記ベルト無段変速機の変速速度と、前記ベルト無段変速機を目標の変速比とするための前記プライマリプーリ及び前記セカンダリプーリの差推力と、に基づいて前記ベルト無段変速機のベルトスリップを判定する制御部を備え、
    前記差推力は、前記ベルト無段変速機を現在の変速比とするための前記プライマリプーリの推力と前記セカンダリプーリの推力との比であるバランス推力比となる前記プライマリプーリ及び前記セカンダリプーリの推力からの差である、
    ことを特徴とするベルト無段変速機の制御装置。
  2. 請求項1に記載のベルト無段変速機の制御装置であって、
    前記制御部は、
    前記プライマリプーリの回転速度及び前記セカンダリプーリの回転速度に基づいて前記変速速度を算出し、且つ、前記プライマリプーリのプーリ圧及び前記セカンダリプーリのプーリ圧に基づいて前記差推力を算出する、
    ことを特徴とするベルト無段変速機の制御装置。
  3. 請求項1または2に記載のベルト無段変速機の制御装置であって、
    前記制御部は、
    前記差推力に対応する推定変速速度と前記変速速度との差が所定よりも大きい場合に前記ベルトがスリップしていると判定する、
    ことを特徴とするベルト無段変速機の制御装置。
  4. プライマリプーリと、セカンダリプーリと、前記プライマリプーリ及び前記セカンダリプーリに巻き掛けられるベルトと、を有するベルト無段変速機のベルトスリップ判定方法であって、
    前記ベルト無段変速機の変速速度と、前記ベルト無段変速機を目標の変速比とするための前記プライマリプーリ及び前記セカンダリプーリの差推力と、に基づいて前記ベルト無段変速機のベルトスリップを判定し、
    前記差推力は、前記ベルト無段変速機を現在の変速比とするための前記プライマリプーリの推力と前記セカンダリプーリの推力との比であるバランス推力比となる前記プライマリプーリ及び前記セカンダリプーリの推力からの差である、
    ことを特徴とするベルト無段変速機のベルトスリップ判定方法。
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