JP6318982B2 - 凝固スラグの熱回収方法および熱回収システム - Google Patents

凝固スラグの熱回収方法および熱回収システム Download PDF

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本発明は、凝固スラグの熱回収方法および熱回収システムに関し、特に凝固スラグのガラス化を抑制して高品質の凝固スラグを得ることができる凝固スラグの熱回収方法および熱回収システムに関するものである。
鉄鋼製造プロセスで排出されるスラグは、水砕処理または徐冷処理などを経て、水砕砂やスラグ骨材として利材化されている。後者のスラグ骨材については、通常はドライピットに排出されたスラグを徐冷して固めた後、破砕処理および篩い分け等を経て所定の粒度分布(例えばJIS A5011−1など)を有するスラグ骨材が製造される。あるいは、特許文献1に開示されるように、金属製の移動鋳型を設けた鋳滓機を用いて溶融スラグを厚さ10mm〜30mmになるように凝固成形し、緻密で強度の高い板状の凝固スラグを作成した後、同様に破砕処理および篩い分け等を行い、骨材を製造する方法もある。
一方で、近年、省エネルギー対策としてスラグの保有熱も注目されており、上記のようなスラグ利材化と同時にスラグ保有熱の回収利用もスラグ利用面での目標に掲げられている。溶融スラグの熱量は、銑鉄トン当たり0.5GJほどの大きさを有し、このスラグの熱を回収出来れば大きい省エネルギー効果が期待できる。
スラグの熱回収方法として、例えば特許文献2では、鋳滓機を用いて溶融スラグを比較的肉厚な形状に凝固成形し、凝固スラグを熱回収装置に高温状態で装入して熱回収する方法が開示されている。スラグを肉厚に凝固成形した場合、スラグ単位体積当りの表面積が小さくなるため、凝固スラグが保温されやすく、搬送等による凝固スラグの温度低下が抑えられ、高温で熱回収装置に供給することができる。また、厚みを有するため、凝固スラグ板厚中心の温度が高い状態で保持されやすいので、高い熱量を有する状態で熱回収装置に供給することが可能となる。
特開2003−82606号公報 特開昭57−182086号公報
しかしながら、先述のような鋳滓機方式で急冷凝固したスラグから熱回収すると、鋳滓機の鋳型に触れる部分と触れない部分とで冷却速度にばらつきが発生し、特に冷却速度の大きい鋳型との接触面近傍のスラグは急冷によりガラス化し、スラグ品質を低下させる。
そこで、本発明の目的は、凝固スラグのガラス化を抑制して高品質の凝固スラグを得ることができる凝固スラグの熱回収方法および熱回収システムを提供することにある。
発明者らは、上記課題を解決する方途について鋭意検討した結果、凝固スラグの熱を回収する前に、凝固スラグを所定の温度で均熱保持することによって凝固スラグに含まれるガラス層を結晶化させることが極めて有効であることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の要旨構成は以下の通りである。
(1)高炉において発生する溶融スラグを凝固した凝固スラグから熱を回収するに当たり、前記凝固スラグを所定の温度で均熱保持して前記凝固スラグに含まれるガラス層の全てを結晶化するとともに前記凝固スラグから放出される硫黄分を除去した後に前記凝固スラグから熱を回収することを特徴とする凝固スラグの熱回収方法。
(2)前記凝固スラグの均熱保持は前記凝固スラグを加熱して行う、前記(1)に記載の凝固スラグの熱回収方法。
(3)前記所定の温度は900℃以上である、前記(1)または(2)に記載の凝固スラグの熱回収方法。
(5)前記凝固スラグからの熱回収は前記凝固スラグを破砕した後に行う、前記(1)〜(4)のいずれか一項に記載の凝固スラグの熱回収方法。
)高炉において発生する溶融スラグを受滓する鋳型を有し、該受滓された溶融スラグを板状に鋳造する鋳滓機と、熱回収ガスを供給し、該ガスを介して前記板状凝固スラグの熱を回収する熱回収装置とを備える溶融スラグの熱回収システムにおいて、前記鋳滓機の下流直下に、前記凝固スラグを所定の温度で均熱保持して前記凝固スラグに含まれるガラス層の全てを結晶化させる保温槽を設け、前記保温槽と前記熱回収装置との間に、前記凝固スラグから放出される硫黄分を除去する脱硫装置を備えることを特徴とする凝固スラグの熱回収システム。
(7)前記保温槽は前記保温槽内に収容された凝固スラグを加熱する手段を有する、前記(6)に記載の凝固スラグの熱回収システム。
(8)前記所定の温度は900℃以上である、前記(6)または(7)に記載の凝固スラグの熱回収システム。
(10)前記保温槽と前記熱回収装置との間に前記凝固スラグを破砕する破砕機をさらに備える、前記(6)〜(9)のいずれか一項に記載の凝固スラグの熱回収システム。
本発明によれば、凝固スラグを所定の温度で均熱保持して凝固スラグに含まれるガラス層を結晶化した後に凝固スラグから熱を回収するようにしたため、凝固スラグのガラス化を抑制して高品質の凝固スラグを得つつ、凝固スラグから熱回収することができる。
本発明に係る熱回収システムの好適な一例を示す図である。 板状凝固スラグの鋳造に用いる鋳型の一例を示す図である。 高炉スラグの結晶化に関する等温変態線図である。 板状凝固スラグの板厚方向の温度分布を示す図である。 結晶化前の凝固スラグから熱回収した際の等温変態線図上でのスラグ温度履歴を示す図である。 凝固スラグの粉砕サンプルに対して示差熱−熱重量同時測定分析を行った際の二酸化硫黄の放散挙動を示す図である。 凝固スラグのサンプルに含まれる硫黄分の濃度を示す図である。 実施例に用いた鉄製の鋳型を示す図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。本発明に係る凝固スラグの熱回収方法は、高炉において発生する溶融スラグを鋳型に供給して板状に鋳造された凝固スラグから熱を回収する。ここで、凝固スラグを所定の温度で均熱保持して凝固スラグに含まれるガラス層を結晶化した後に凝固スラグから熱を回収することが肝要である。
図1は、本発明に係る熱回収システムの好適な一例を示す図である。この熱回収システム1は、高炉において発生する溶融スラグMを受滓する鋳型11を有し、受滓された溶融スラグMを板状に凝固させる鋳滓機12と、鋳滓機12の下流直下に設けられた、凝固スラグSを均熱保持して凝固スラグSに含まれるガラス層を結晶化させるための保温槽16と、該保温槽16に設けられた、凝固スラグSに含まれる酸化硫黄(SOx)ガスを除去する脱硫装置17と、保温槽16から排出された凝固スラグSを破砕する破砕機18と、破砕された凝固スラグS’の熱を回収する熱回収装置19とを備える。以下、この熱回収システム1を用いた本発明に係る熱回収方法を説明するが、この実施形態に限定されない。
まず、高炉において発生する溶融スラグMを鋳型11に供給し、板状に鋳造して凝固スラグSを得る。上述のように、高炉においては大量の溶融スラグMが発生するが、この溶融スラグMの顕熱を回収することにより、非常に大きな省エネルギー効果が期待できる。しかし、液体状の溶融スラグMから熱を直接回収することは困難である。そこでまず、溶融スラグMを鋳型11に供給して凝固スラグSを鋳造する。
ここで、凝固スラグの形状は例えば板状であり、凝固スラグSが「板状」であるとは、溶融スラグMの凝固に用いる鋳型の深さ方向に対応する方向を厚み方向とする板であって、板厚が厚み方向に互いに直交する2方向の寸法よりも小さいことを意味している。
板状の凝固スラグSの鋳造は、図1に例示した鋳滓機12を用いて行うことができる。この鋳滓機12は、連続して搬送される複数の鋳型11を有しており、スラグ鍋14から溶融スラグMがスラグ樋15を介して鋳型11に供給されると、コンベアにより搬送され、この搬送の際に鋳型11中の溶融スラグが冷却されて板状の凝固スラグSが鋳造される。こうして鋳造された凝固スラグSは、鋳滓機12の末端で鋳型11を反転させることにより、鋳型11から剥離させて地面や容器内等に落下させて回収する。
凝固スラグSが剥離した鋳型11は、その後溶融スラグMの供給位置へと戻されて再び反転し、スラグ鍋14から溶融スラグMを再び受滓して、凝固スラグSが連続的に鋳造されることになる。こうして、溶融スラグMから板状の凝固スラグSを連続的に鋳造することができる。なお、上記鋳滓機12は用途や目的に応じて適切に変更することができ、図1に示された構成に限定されない。
図2は、板状凝固スラグSの鋳造に用いる鋳型11の一例を示す図である。この鋳型11内部の形状は、板状の凝固スラグSが得られれば特に限定されない。鋳型11に供給された溶融スラグMは、鋳型内で一様に冷却されて、厚みtを有する板状の凝固スラグSとなる。
凝固スラグSの厚みtは、5mm以上30mm以下とすることが好ましい。ここで、厚みtを5mm以上とすることにより、溶融スラグMを板状に鋳造する際に、冷却速度のばらつきや搬送時の温度低下を抑制し、ひいては熱回収装置19に供給される凝固スラグSの温度のばらつきを抑制することができる。また、厚みtを30mm以下とすることにより、溶融スラグMを鋳造させる際の冷却速度の低下を抑制し、凝固スラグS内における気泡の発生を抑制して気孔率を抑えた緻密で強度の高い凝固スラグを得ることができる。
このように、スラグ凝固厚みを5mm以上30mm以下に制御することにより、熱回収装置に凝固スラグを供給する際、高温で温度ばらつきが小さく、更に強度も高い状態でスラグを供給でき、結果として、凝固スラグSから熱を回収する際の熱回収率および熱回収ガスの圧力の低下、すなわち圧力損失のばらつきを抑制することができる。
なお、連続的に搬送される鋳型11を用いて、凝固スラグSの鋳造を繰り返し行うと、鋳型11の温度が徐々に上昇し、ある一定の温度を超えると、溶融スラグMが冷却されにくくなるばかりでなく、鋳型11自身の強度が低下する場合や、スラグと鋳型11とが焼付いて凝固スラグSが剥離できなくなる場合がある。そこで、鋳型11の過剰な温度上昇を防止するために、例えば凝固スラグSを排滓した際の鋳型11を水で洗浄する等により、鋳型11を冷却することが好ましい。
次いで、鋳滓機12により鋳造された板状凝固スラグSを保温槽16に装入し、所定の温度で均熱保持して、凝固スラグSに含まれるガラス層を結晶化する。上述のように、本発明においては、凝固スラグSを所定の温度で均熱保持して凝固スラグSに含まれるガラス層を結晶化した後に凝固スラグSから熱を回収することが肝要である。そこで、凝固スラグSを一旦保温槽16に装入し、凝固スラグSに含まれるガラス層が結晶化する所定の温度で均熱保持する。
図3は、結晶化に関する等温変態(Time−Temperature−Transformation、TTT)線図である(Yoshiaki KASHIWAYA, Toshiki NAKAUCHI, Khanh Son PHAM, Seitarou AKIYAMA and Kuniyoshi ISHII, ISIJ Internatinal, Vol. 47 (2007), No. 1, pp.44-52参照)。この図から、凝固スラグSに含まれるガラス層は、融点未満の特定の温度、具体的には、900℃程度以上の温度で均熱保持すれば結晶化することが分かる。そこで、保温槽16において凝固スラグSを均熱保持する温度は900℃以上であることが好ましい。ここで、溶融スラグMが凝固する際には、鋳型11との接触する部分がガラス化するため、上記温度は、凝固スラグの表面温度を指すものとする。
図4は、板状凝固スラグSの板厚方向の温度分布を示す図である。この図に示すように、凝固スラグSは、板厚方向の中心部に1000℃以上の高い温度領域を有している。よって、凝固直後に保温槽16において均熱保持することにより、凝固スラグS自身が保有する熱により、凝固スラグSに含まれるガラス層を結晶化させることができる。しかしながら、このようなスラグ自己保有熱による結晶化が完了する前に凝固スラグSの熱回収を開始した場合には、スラグ温度がTTT線図から予想される結晶化限界線を下回って、凝固スラグS中にガラス層が残存する懸念がある。
図5は、結晶化前の凝固スラグSから熱回収した際のTTT線図上でのスラグ温度履歴を示す図であり、板厚:25mm、温度:1000℃の凝固スラグSを直径:5m、高さ:5mの熱回収装置としての充填層に、60t/hの処理ピッチで装入/排出しながらガス流量10万Nm3/hで熱回収を行った際の、スラグ表面温度の時間変化の計算結果を示している。この図から明らかなように、熱回収時の凝固スラグS表面の温度は、TTT線図における結晶化温度の下限近傍まで低下している。
つまり、凝固直後の凝固スラグSから熱回収をした場合には、凝固スラグS中にガラス層が残存するリスクがあることが分かる。そこで、本発明においては、凝固直後の凝固スラグSを保温槽16に装入し、保温槽16においてガラス層が結晶化できる所定の温度にて均熱保持することにより凝固スラグSに含まれるガラス層を結晶化させ、ガラス層の結晶化が完了した後に凝固スラグSから熱を回収するようにする。これにより、凝固スラグSの品質を低下させることなく凝固スラグSの熱を回収することができるのである。
凝固スラグSを均熱保持する保温槽16は、ガラス層を結晶化できる温度で凝固スラグSを均熱保持できさえすれば、その構成は特に限定されない。例えば、耐火煉瓦等による断熱壁で囲う構造や保温に十分な厚みを有する耐熱鋼を用いたスラグ運搬鍋などで構成することができる。
凝固スラグSを均熱保持する時間は、均熱保持する温度に応じた適切な時間だけ行うようにする。図3から明らかなように、均熱保持温度が例えば950℃の場合、均熱保持時間は50秒程度で十分であることが分かる。
また、上記した凝固スラグSの均熱保持は、凝固スラグSを加熱して行うことが好ましい。これにより、短時間でガラス層を結晶化することができる。このような凝固スラグSの加熱は、熱風発生器やラジアントチューブバーナー等の加熱手段を保温槽16に設けることにより行うことができる
さらに、凝固スラグSからの熱回収は、凝固スラグSから放出される硫黄分を除去した後に行うことが好ましい。図6は、高炉スラグ(溶融スラグM)を鋳滓機12により25mm厚に凝固させたサンプルの粉砕試料を用いて示差熱−熱重量同時測定(Thermogravimetry−Differential Thermal Analysis、TG−DTA)を行った結果を示している。この図から明らかなように、硫黄分である二酸化硫黄(SO2)ガスが900℃以上の温度で大量に発生することが分かる。すなわち、凝固スラグSに含まれるガラス層を結晶化させるために必要な900℃以上の温度域では、凝固スラグSから硫黄分の放出も同時に起こることが分かる。
図7は、上記の25mm厚の凝固スラグのサンプルに含まれる硫黄分の濃度を測定した結果を示しており、サンプルを粉砕せずに全厚のまま1000℃にて5分、10分および20分間等温保持した後の残存硫黄分の濃度を示している。この図から、硫黄放散温度域での等温保持により、約0.3%の硫黄分が減少することが分かる。また、保持時間の増加による影響は少ないことも分かる。これは、スラグ中の硫黄分は外気中の酸素と結合してガス化するため、外気と触れている凝固スラグSの表面および表面近傍の硫黄分のみが放散に寄与することが原因と推定される。
熱回収装置19において得られる高温の熱回収ガスGは、ボイラ等の熱交換設備へと供給される。そのため、硫黄分が熱回収ガス中にSOxとして混入すると、熱交換器の部品の腐食を促進させるおそれがある。熱交換器の部品が腐食すると、エアリークが発生して熱利用効率が低下する。熱交換器は一般的に長期使用を前提とした設備設計をされるため、部品の腐食頻度が高い場合にはメンテナンス費用が高額となり、投資に見合わない設備になってしまう。
そこで、凝固スラグSから熱回収する前に、凝固スラグSから放出される硫黄分を予め除去しておくことにより、上記した熱交換器の部品の腐食を防止することができる。凝固スラグSから放出される硫黄分の除去は、例えば、図1に示すように、保温槽16の出側に脱硫装置17を設けることにより行うことができる。
続いて、凝固スラグSを破砕機18に導入して破砕し、破砕した凝固スラグS’から熱回収するようにすることが好ましい。これにより、凝固スラグSの表面積が増加して、凝固スラグSからの熱回収を効率的に行うことができる。
その後、破砕した凝固スラグS’を熱回収装置19に導入し、装置19内に熱回収ガスGを供給することにより、凝固スラグS’の熱を回収する。熱回収装置19の装置構成は特に限定されるものではなく、例えば、スラグ充填槽、スラグ装入装置、スラグ排出装置、送風機からなる、向流型の充填層方式のものを用いることができる。この熱回収装置19の上部から凝固スラグS’を装入して凝固スラグS’の充填層を形成した後、装置19の下部から熱回収ガスGを供給して充填層内で熱交換を行って凝固スラグS’の熱を回収し、加熱された熱回収ガスGが熱回収装置19から排出される。なお、本発明において、スラグの熱とは、顕熱を意味している。
ここで、熱回収ガスGとしては、空気等の常温ガスや、熱風炉から排出された燃焼排ガス等を用いることができる。
こうして、凝固スラグのガラス化を抑制して高品質の凝固スラグを得つつ、凝固スラグから熱回収を行うことができる。
(発明例)
以下、本発明の実施例について説明する。
まず、高周波溶解炉を用いて溶融して得られた溶融スラグを、図8に示す鉄製の鋳型(内寸:120×120mm)に注いで厚さ:25mmに凝固成形し、上面から放射温度計により測定した凝固スラグの温度が1000℃になった時点で鋳型を反転して凝固スラグを取り出した。次に、取り出した凝固スラグを、断熱材(キャスタブル)で構成した保温槽(250mm×250mm×50mm)に装入し、10分間均熱保持した後、破砕機により凝固スラグを破砕した。その後、破砕した凝固スラグを熱回収装置に導入して熱回収を行った。
(比較例)
発明例と同様に熱回収を行った。ただし、凝固スラグを保温槽に装入せず、破砕機に供給した。その他の条件は発明例と全て同じである。
熱回収後にサンプルをハンマーで破砕して、凝固スラグに付着しているガラス層の厚さの平均値を測定した。その結果、発明例についてはガラス層が残存しなかったのに対して、比較例については、ガラス層が残存し、その平均厚さは1.5mmであった。このように、熱回収を行う前に凝固スラグを均熱保持することにより、凝固スラグに含まれるガラス層を結晶化してスラグ品質を向上させることができる。
本発明によれば、凝固スラグを所定の温度で均熱保持して凝固スラグに含まれるガラス層を結晶化した後に凝固スラグから熱を回収するようにし、凝固スラグのガラス化を抑制して高品質の凝固スラグを得つつ熱回収を行うことができるため、製鉄業において有用である。
1 熱回収システム
11 鋳型
12 鋳滓機
14 スラグ鍋
15 スラグ樋
16 保温槽
17 脱硫装置
18 破砕機
19 熱回収装置
M 溶融スラグ
S,S’ 凝固スラグ
G 熱回収ガス

Claims (8)

  1. 高炉において発生する溶融スラグを凝固した凝固スラグから熱を回収するに当たり、
    前記凝固スラグを所定の温度で均熱保持して前記凝固スラグに含まれるガラス層の全てを結晶化するとともに前記凝固スラグから放出される硫黄分を除去した後に前記凝固スラグから熱を回収することを特徴とする凝固スラグの熱回収方法。
  2. 前記凝固スラグの均熱保持は前記凝固スラグを加熱して行う、請求項1に記載の凝固スラグの熱回収方法。
  3. 前記所定の温度は900℃以上である、請求項1または2に記載の凝固スラグの熱回収方法。
  4. 前記凝固スラグからの熱回収は前記凝固スラグを破砕した後に行う、請求項1〜のいずれか一項に記載の凝固スラグの熱回収方法。
  5. 高炉において発生する溶融スラグを受滓する鋳型を有し、該受滓された溶融スラグを板状に鋳造する鋳滓機と、熱回収ガスを供給し、該ガスを介して前記板状凝固スラグの熱を回収する熱回収装置とを備える溶融スラグの熱回収システムにおいて、
    前記鋳滓機の下流直下に、前記凝固スラグを所定の温度で均熱保持して前記凝固スラグに含まれるガラス層の全てを結晶化させる保温槽を設け
    前記保温槽と前記熱回収装置との間に、前記凝固スラグから放出される硫黄分を除去する脱硫装置を備えることを特徴とする凝固スラグの熱回収システム。
  6. 前記保温槽は前記保温槽内に収容された凝固スラグを加熱する手段を有する、請求項に記載の凝固スラグの熱回収システム。
  7. 前記所定の温度は900℃以上である、請求項またはに記載の凝固スラグの熱回収システム。
  8. 前記保温槽と前記熱回収装置との間に前記凝固スラグを破砕する破砕機をさらに備える、請求項のいずれか一項に記載の凝固スラグの熱回収システム。
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