JPH11246244A - 廃棄物からのスラグ回収装置 - Google Patents

廃棄物からのスラグ回収装置

Info

Publication number
JPH11246244A
JPH11246244A JP32476198A JP32476198A JPH11246244A JP H11246244 A JPH11246244 A JP H11246244A JP 32476198 A JP32476198 A JP 32476198A JP 32476198 A JP32476198 A JP 32476198A JP H11246244 A JPH11246244 A JP H11246244A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
slag
rotary kiln
waste
temperature
heat
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP32476198A
Other languages
English (en)
Inventor
Takeyuki Naito
剛行 内藤
Shinsaku Maruyama
眞策 丸山
Hiroaki Sato
広昭 佐藤
Takahiro Oshita
孝裕 大下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ebara Corp
Original Assignee
Ebara Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ebara Corp filed Critical Ebara Corp
Priority to JP32476198A priority Critical patent/JPH11246244A/ja
Publication of JPH11246244A publication Critical patent/JPH11246244A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W30/00Technologies for solid waste management
    • Y02W30/20Waste processing or separation

Landscapes

  • Processing Of Solid Wastes (AREA)
  • Curing Cements, Concrete, And Artificial Stone (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 強固な細骨材を安価に製造でき、また、廃棄
物の燃焼熱をクリーンガスとして有効利用できる廃棄物
からのスラグ回収装置を提供する。 【解決手段】 廃棄物dを高温処理する溶融スラグの生
成装置1、11と、得られる溶融スラグaを水冷して水
砕スラグbとする水砕装置7と、該水砕スラグを結晶化
するロータリーキルン16とを有するスラグ回収装置に
おいて、該ロータリーキルン16の前段又は後段にスラ
グの破砕装置14を設けた廃棄物からのスラグ回収装置
としたものであり、前記ロータリーキルンは、熱源とし
て廃棄物の高温処理によって発生した熱を、セラミック
熱交換器18で熱回収して用いるのがよく、その際、熱
源としての熱風を送る送風機15をロータリーキルン1
6の上流に設置するのがよく、また、ロータリーキルン
は、排ガス中のダスト分を除去する専用の集塵装置を設
置することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、廃棄物からのスラ
グ回収装置に係り、特に廃棄物を高温処理、更に好まし
くはガス化溶融処理して得られる溶融スラグを、水冷し
て水砕スラグとしたスラグの回収装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、溶融スラグの再資源化に関し
ては、文献に紹介されており、これらの技術は下水汚泥
に限らず、都市ごみの灰の溶融スラグにも適用できる。
以下に、公知の文献に基づいて従来技術を述べる。溶融
スラグは冷却方法により、その強度及び形状が異なるこ
とが知られている。表1に、冷却方法と溶融スラグの特
性を示す。
【0003】
【表1】
【0004】溶融炉から取り出した融液を水を用いて急
速に冷却すると細粒化した水砕スラグとなり、空気中に
放置すると塊状の空冷スラグとなる。これらの方法で製
造されたスラグはガラス質(非晶質)となり、それ程大
きな強度は期待できない。結晶化することでスラグの強
度は大きくなるが、結晶化を支配する因子としては、保
冷法は冷却速度、再加熱法は温度とその保持時間が重要
といわれている。保冷法による結晶化スラグの生成は、
水冷式や空冷式に比べて徐々に冷却されるが、ガラス質
から結晶質へ変化するのに必要な冷却速度(例えば3℃
/min以下)を確保するのが好ましい。再加熱法によ
る結晶化スラグの生成は、スラグを昇温して溶融温度よ
り低い1000〜1200℃(融点とガラス転移温度の
間で設定)に30分以上保持すればよいとの報告があ
る。これらのうち、水砕スラグは、装置の構造が他に比
べて簡単なため、維持管理が容易である。また、炉のシ
ール性が優れているという特色がある。
【0005】図6に従来の水砕スラグ冷却・固化装置を
示す。図6において、1は溶融炉、2は水砕トラフ、7
は水砕水槽、8はスラグ搬出コンベア、9はスラグピッ
ト、10は循環水ポンプ、aは溶融スラグ、bは水砕ス
ラグ、cは水を示す。炉1側から直接水砕水槽7に溶融
スラグaを落下させることもできるが、急激な水蒸気の
発生によって内圧が上昇し、爆発の危険がでてくる。そ
のため、溶融炉1から垂直に水砕水槽7に落ちる水砕ト
ラフ2の真横に水砕ノズルを設け、水蒸気の発生を和ら
げる方法もある。従来法の水砕スラグbの製造は、溶融
スラグaを直ちに直接、水に触れさせて急冷することの
みで小径化する方法が主である。
【0006】一方、スラグについてもその安全性が確認
されてきたので、コンクリート用骨材、路盤材、その他
として建設資材を中心にその利用が検討されている。し
かしながら、通常スラグは排出後の搬送上の要求から、
水砕されて数mm程度の粒状物として回収されるのが一
般である。水砕スラグは、前記の特色はあるものの、塊
状のものを含んだり、粒径がまちまちであったり、ま
た、針状の突起を生じたりして、材料としての取扱いが
良好とは言い難く、破砕が必要であるし、ガラス質で強
度も低く、用途も限定される。このように、溶融スラグ
を水砕すると、連続運転で、低コスト、省エネルギーの
スラグ回収装置が完成するものの、前記の通り、水砕ス
ラグは材料としての取扱いが良好とは言い難く、再利用
をより促進するためには、水砕スラグに付加価値を持た
せる必要があった。ロータリーキルンは、水砕スラグの
再加熱、結晶化を連続して行え、炉が回転することによ
り、スラグに流動性を持たし、スラグを少しずつキルン
内で移動させる。そのため、熱伝達が良好で高強度の結
晶化スラグを造るには最適な熱処理炉といえる。
【0007】燃焼によって発生した熱をロータリーキル
ンの熱源として有効利用する方法については、廃棄物の
燃焼ガスを用いる方法(特願平9−144578号、特
願平9−227079号)を先に出願しているが、この
場合排ガス中に気化した重金属(その化合物も含む)の
種類によっては、一部が凝縮してキルン内のスラグ表面
に付着することがある。この場合は、pH4以下の酸性
の水溶液をスラグにスプレーし、付着した重金属屑を除
去後、スラグを水洗する等の配慮が必要となる。ロータ
リーキルンの熱源としては、化石燃料(A重油、灯油)
を用いるのが一般的であり、ランニングコストの増加に
つながる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術に鑑み、粗い粒子を含まない強固な細骨材を安価に製
造でき、また、廃棄物の燃焼によって発生した熱をクリ
ーンなガスとして有効利用でき、特に、ガス化溶融炉を
用いると有利である廃棄物からのスラグ回収装置を提供
することを課題とする。なお、本発明でいう結晶化と
は、完全な結晶化を意味せず、部分的に結晶化しても良
く、非晶質のものに比べて強度上有意差がある場合を含
む。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明では、廃棄物を高温処理して得られる溶融ス
ラグを、水冷して水砕スラグとしてロータリーキルンで
結晶化するスラグ回収装置、特に、廃棄物を高温処理す
る溶融スラグの生成装置と、得られる溶融スラグを水冷
して水砕スラグとする水砕装置と、該水砕スラグを結晶
化するロータリーキルンとを有するスラグ回収装置にお
いて、該ロータリーキルンの前段又は後段にスラグの破
砕装置を設けたことを特徴とする廃棄物からのスラグ回
収装置としたものである。
【0010】前記スラグ回収装置において、ロータリー
キルンは、熱源として廃棄物の高温処理によって発生し
た熱を、熱回収して用いるセラミックス熱交換器を上流
に設置するのが良く、この際、熱源としての熱風を送る
送風機をロータリーキルンの上流に設置することができ
る。また、本発明のスラグ回収装置において、溶融スラ
グの生成装置は、廃棄物をガス化する流動床ガス化炉
と、該流動床ガス化炉より排出されるガス状物とチャー
を、更に高温でガス化又はガス化燃焼すると共に、不燃
物又は非ガス化物をスラグ化する溶融炉とからなるのが
良く、また、ロータリーキルンは、水砕スラグを結晶生
長温度まで昇温し、一定温度に保持する温度制御機構を
有することができる。
【00011】
【発明の実施の形態】先ず、粗い粒子を含まない強固な
細骨材の安価な製造について述べる。水砕スラグを造る
手段は、基本的には従来法で良く用いられている簡便な
方法、すなわち、溶融スラグを直ちに直接、水と接触し
て急冷し、小径化する方法である。ロータリーキルン使
用により、熱伝達が良くなり、再加熱設定温度までの昇
温時間が25分程度、また、再加熱設定温度保持時間が
10分程度でも、十分結晶化したスラグが得られる。水
砕スラグは、製造後、ロータリーキルンにかけ、再加熱
してスラグを結晶化すると、やや黄土色がかった自然色
を呈し、触れて危険な針状物質を含まない強固なスラグ
が製造できる。スラグは、ガラス転移点と液相温度(又
は融点)の間の温度領域では結晶化がおこる。
【0012】結晶が析出する過程は、最初に結晶核と呼
ばれる極めて小さな結晶が形成され、次にこれを中心と
して結晶が生長するが、結晶核形成と結晶生長が進行す
る速度は図7に示すように、それぞれ最適温度が存在す
ることが知られている。これは、最適温度よりも低温側
だと、構成原子が規則的に配列するためのエネルギーが
不足し、高温側だと逆にエネルギーが過剰となり、一度
結晶として配列したものも再度無秩序な状態に戻ってし
まうためである。そして、図7に示すように、結晶核形
成の最適温度の方が結晶生長よりも低温域に存在する。
よって、結晶を効率よく析出させるための熱操作として
溶融物を一度冷却(水冷)してから、結晶核形成と結晶
生長の速度がそれぞれ最大になる様に再加熱している。
【0013】下水道協会誌論文集(Vol.28、No
324、P82)によれば、核形成剤として、Fe
23、TiO2、ZrO2、V25、NiO、Cr23
と、核形成促進剤として、P25等が挙げられるが、廃
棄物(都市ごみ、下水汚泥等)中には、これらの一部は
ふくまれているので、積極的に添加する必要はない。廃
棄物、特に都市ごみの灰は、融点が1300〜1400
℃、ガラス転移点は600〜900℃位と推定される。
そして、結晶核形成温度は、ガラス転移点に対して10
〜50℃高く、また結晶生長温度は、融点に対して50
〜100℃下回った温度との報告もあるが、図7のよう
に、幅はこれより広いと考えられ、結晶核形成温度範囲
はおおよそ600〜1000℃、結晶生長温度はおおよ
そ700〜1300℃であろう。
【0014】ロータリーキルンへ投入時のスラグ温度
は、スラグが冷却されているために低く、温度設定に当
っては結晶生長温度900〜1200℃にしておけば、
これより低温域、すなわち、結晶核形成温度域は必ず通
過するので結晶化には好ましい。実廃棄物の組成等によ
ってはこの温度範囲を外れる可能性もあるが、必要に応
じて融点とガラス転移点の範囲内で温度設定を変えてみ
てもよい。スラグの最適熱処理時間は2時間以上と言わ
れるが、ロータリーキルンは熱伝達が良く、結晶化のた
めには、10分程度でも十分である。ここで滞留時間
は、ロータリーキルンでは温度分布があり、スラグの全
滞留時間のうち、前記の設定温度に保持し得る時間が1
0分程度という意味であり、キルンのバーナーの近傍で
の滞留時間である。こうして、ロータリーキルンによ
り、結晶化した強固なスラグを得ることができる。
【0015】また、ロータリーキルンの前段又は後段に
スラグ破砕装置を設けたことにより、水砕スラグ中の大
粒径のものを破砕し、粒度調整を行うことですべてを細
骨材として利用することが可能である。すなわち、水砕
方式は簡便ではあるが、有効利用のためには、大粒径の
ものは機械的な破砕が必要となる。さらに、ロータリー
キルン内で、回転によってスラグの角が少なくなり、触
れて危険な針状の突起物もなくなり、自然色を呈し、ス
ラグとしての品質を高めることができる。破砕機は、で
きればロータリーキルンの前段がよい。前段ではスラグ
の強度はあまりないので、使用する破砕機も複数個のハ
ンマーを回転し、その衝撃で破砕するハンマークラッシ
ャーが利用できる。後段に破砕機を置くと、スラグが強
固になっているため、破砕しにくい。ハンマークラッシ
ャーでは、混在している大よそ5mmを超える粒径のス
ラグを、5mm以下(細骨材)とすることが可能であ
る。
【0016】次で、ロータリーキルンの熱源として用い
る廃棄物の燃焼によって発生する熱を、熱交換してクリ
ーンなガスとして利用する点について述べる。廃棄物の
燃焼によって発生した熱は、セラミックス熱交換器でク
リーンな空気と熱交換する。これは、高温の排ガスを直
接、ロータリーキルンに通すと、排ガスによりスラグが
汚染される可能性があるためである。セラミックス熱交
換器は耐熱性が高く、ここで得られた空気はそのままロ
ータリーキルンに導き、ロータリーキルンの熱源として
利用する。ロータリーキルンではこの熱によってスラグ
の結晶化を行うが、熱量の不足分はバーナで補助加熱す
る。ロータリーキルン内の温度調節は、クリーン空気の
流量やバーナの炎の調節で行うことができる。また、送
風機はロータリーキルンの前段に置くのがよい。後段に
置くとクリーンな空気もスラグ中を通過する過程で、キ
ルン内で発生するダスト等によって汚染される可能性が
あり、高温耐食性等送風機の設置条件はきびしくなる。
【0017】送風機を前段に置くことで、そこを流れる
空気はクリーンであり、700℃程度の耐熱性(これは
現状で十分可能)以外、あまり問題にならない。これは
ガス化溶融炉に適用した場合、廃棄物の燃焼で得られた
熱でクリーンな空気を予熱し、それをそのままロータリ
ーキルンの熱源の一部とすることができ、エネルギー的
に効率が良い。ロータリーキルンから排出される熱風排
ガス中にはダスト分が含まれ(ロータリーキルンに投入
されるスラグの2〜4%程度)、これをバグフィルタ等
の集塵装置で単独に捕捉すれば、アスファルト舗装に使
用するフィラー(フィラーは、アスファルトと一体とな
って骨材中の間隙を充填し、混合物の安定性や耐久性を
向上させる役割を有し、粒度規格としては75μm以下
である。)等として、一部有効利用できる。ロータリー
キルンで再加熱した結晶化スラグは、約0.25mm以
下の粒度のものが排ガス側に飛散してしまうため、目的
によっては、再加熱スラグに前記ダスト分を加えて、粒
度調整をすることもできる。
【0018】次に本発明を、図面を用いて具体的に説明
する。図1は、本発明の廃棄物のスラグ回収装置を備え
たガス化・溶融システムの全体フローの一例である。図
中の符号について説明するが、図6と共通のものは省略
する。ただし、図1の符号1は、溶融炉でも特に旋回溶
融炉を示す。図1において、11はガス化炉、12は不
燃物排出装置、13は振動篩、14はハンマークラッシ
ャー、15は送風機、16はロータリーキルン、17は
バーナー、18はセラミックス熱交換器、19は廃熱ボ
イラ、20は空気予熱器、21は節炭器、22はバグフ
ィルタ、23は蒸気タービン、24は誘引送風機、25
は煙突、dは廃棄物、eは不燃物+有価金属、fはガス
状生成物、gは炎、hは空気、iは復水、jは消石灰、
kは捕集灰を示す。
【0019】廃棄物dは、ガス化炉11に投入されて、
450〜600℃の流動床層中で還元雰囲気下でガス化
される。流動床の流動媒体は、振動篩13で選別される
が、不燃物+有価金属eも不燃物排出装置12、振動篩
13で振り分けられる。ガス化炉で発生したチャーを含
むガス状生成物fは、旋回溶融炉1に導かれる。ガス化
炉11で生成したチャーを含むガス化反応生成物のみ
で、旋回溶融炉1は約1400℃の高温燃焼が実現でき
る。旋回溶融炉1は、高温負荷燃焼が可能となると共
に、旋回流に伴う遠心力のため、ガス中に含まれるチャ
ーは、炉壁に吹寄せられ、燃焼される。こうしてチャー
の完全燃焼が可能となるため、チャーを再燃焼するため
の装置は不要となる。
【0020】旋回溶融炉1からの約1400℃の排ガス
は、セラミッスク熱交換器18、廃熱ボイラ19、空気
予熱器20、節炭器21で熱回収され、バグフィルタ2
2でダスト分を除去後、誘引送風機24により、煙突2
5より大気に放出される。復水iは節炭器21で予熱さ
れた後、廃熱ボイラ19にて蒸気化し、蒸気ボイラ23
に送られる。バグフィルタ22は、ダスト等の除去を行
うが、前段で消石灰jを供給し、排ガス中のHCl分等
を除去し、ここで除去されたものは捕集灰kとして薬品
処理等、無害化処理をほどこすか、最終処分場へ持って
いく。次で、本発明においては、旋回溶融炉1からの溶
融スラグaは、水砕水槽7中で水砕スラグbとなり、ハ
ンマークラッシャー14に送られる。水砕スラグbは、
高速度で回転しているハンマーによって連続的に強打さ
れ、また加速されてハンマーと対向位置にある反発板に
激突し、あるいははね返ってくる塊に衝突して、破砕さ
れながら下方に排出される。複数個のハンマーはピン孔
を通して取付けられている。
【0021】破砕物の粒度は、ケーシング下方に設けら
れたバーの間隙によって調整される。また、バーを使用
せず、排出された産物を篩分けて、過大粒を繰り返し破
砕する使用方法でもよい。ただし、ハンマークラッシャ
ー14で細骨材(10mmふるいを全部通り、5mmふ
るいを質量で85%以上通るもの)を作る場合、バーの
間隙で最大粒径が規制されるため、最大5mmの細骨材
を作るように、バー間隙を調整すれば、当然5〜10m
mの粒径のものはでてこない。ハンマークラッシャー1
4からの水砕スラグbは、ロータリーキルン16にて、
900〜1200℃の温度で10〜30分程度温度保持
して再加熱し、水砕スラグbの結晶化が行われる。次
に、再加熱していない水砕スラグと、ロータリーキルン
で1100℃、25分再加熱した水砕スラグとで、X線
回折法を用いて、結晶化度の評価を行った。
【0022】評価方法としては、3大ピーク法が最も普
通に行われている。この方法は、X線回折図の結晶3大
ピークの和を取り、最大限結晶化させた標準試料のそれ
との比から求めるもので、次式による。 相対結晶化度(%)=試料の3大ピーク高さの和/標準
試料の3大ピーク高さの和×100 標準試料の作り方は、次のいずれかによる。 (1)二段階熱処理法で結晶化させたものを標準試料とす
る。 (核形成:800〜850℃×1〜2h結晶生長:10
50〜1100℃×2〜4h) (2)冷却速度1℃/minのものを標準試料とする。 今回、標準試料は作成しなかったが、試料の3大ピーク
の高さの和の比較を行った。先ず、ロータリーキルン試
験について説明する。
【0023】使用した水砕スラグの主要成分の分析値を
表2に示す。
【表2】
【0024】ロータリーキルンの仕様は次の通りであ
る。 (1)方式;直接加熱型:向流式 (2)寸法;内張り内径:540mm×10350mm
L (3)傾斜;2/100(固定) (4)加熱温度;最大:1200℃ (5)運転条件;スラグ供給量:100kg/h×75
min(キルン滞留時間) キルン回転数:1.5rpm (6)燃料;灯油 (7)ブロワ(キルン熱風送り用);3.7kW、36
00rpm、600mmAg、14m3/min
【0025】図2にロータリーキルン回りのフロー図を
示す。含水率約5%の一般ごみ水砕スラグ210kgを
原料ホッパに仕込んだ。ロータリーキルンは、十分予熱
し、設定温度1100℃に達しておく。定常状態に達し
た後のロータリーキルン内の温度分布を図3に示す。ロ
ータリーキルン内をスラグが一定速度で動くとすると、
図3に示すように推定結晶生長ゾーン(1100℃)の
長さは3500mmであり、ロータリーキルンの全長が
10350mmであるから、結晶生長ゾーンの滞留時間
は、キルン滞留時間が75minであるから、 75
min×3500mm/10350mm=25min
となる。今回、いわゆる標準試料は作成しなかったが、
試料の3大ピーク高さの和の比較をおこなった。
【0026】その結果、再加熱していない水砕スラグの
結晶化度は、ロータリーキルンで1100℃、25分再
加熱したものに比べ、11%であり、再加熱により大幅
に結晶化が進行したことを示す。再加熱していない水砕
スラグは黒色であるのに対し、再加熱スラグはやや黄土
色がかった灰色(自然色)を呈し、強固であった。ま
た、再加熱スラグは、触れて危険な針状物質がなかっ
た。ただし、0.25mm以下の粒子は、キルンの熱風
により飛ばされ、存在しなかった。ロータリーキルン試
験条件は、常温から設定結晶生長温度までの時間は、7
5min―25min=50min、結晶生長保持温度
までの時間は、25minであった。
【0027】同じロッドの水砕スラグを、75μm以下
に粉砕して40mlるつぼに30g入れ、上記ロータリ
ーキルンと同じ加熱条件(昇温時間50min、保持温
度1100℃、保持時間25min)で電気炉加熱試験
を行ったところ、3大ピーク和でロータリーキルン試験
が3247cps、電気炉再加熱試験で3057cps
であり、ほとんど一致し、結晶化度はかわらず、再試験
の整合性が保たれた。電気炉再加熱試験だけの結果で
は、保持温度は1000℃〜1150℃位までは結晶化
度に差はなく、また、昇温時間は25minまで下げて
も、保持時間も10minまで下げても、結晶化度にほ
とんど影響を与えなかった。これは、ロータリーキルン
においても同じ傾向と推測され、ロータリーキルンは熱
伝達性が良く、結晶化のための時間短縮が可能である。
【0028】使用目的に応じて粒度調整して出荷する必
要がある場合は、ロータリーキルン16の前段や後段
(特に後段)には、振動篩等が必要となる。また、ロー
タリーキルン16から排出される結晶化した水砕スラグ
bは高温であるため、結晶化した水砕スラグbを一度容
器に受け、空気hをこの容器中に充填されたスラグ層と
熱交換後に、昇温した空気をロータリーキルン16に送
り、熱源の一部として使うことも可能である。ロータリ
ーキルン16の熱源は、クリーンな空気hを予熱器20
にて約250℃まで昇温し、さらにセラミックス熱交換
器18で約700℃まで昇温する(ガス化溶融炉出口温
度は約1400℃)が、ロータリーキルンでの結晶化の
ためには温度が低いため、化石燃料(A重油や灯油)を
使ったバーナー17の炎gによって、補助加熱を行う必
要がある。
【0029】直接加熱型ロータリーキルンには向流式と
並流式があるが、図1は向流式である。水砕スラグ中に
は水分が5%位は残るが、蒸発分を早くキルン外に追出
し熱効率をあげるためには並流式よりも向流式が望まし
い。クリーンな空気hは送風機15により、ロータリー
キルン16に送られる。水砕スラグbは、クリーンな空
気hによって結晶化されるため、汚染されることはな
い。また送風機15をロータリーキルンの前段に置くこ
とで、ロータリーキルン16で発生するダスト等によっ
て、汚染される可能性がなくなり、高温耐食性等につい
ては設置の際に配慮しなくてもよい。
【0030】次に、セラミックス熱交換器18について
説明する。図4がセラミックス熱交換器18の全体図
で、図5は図4のA−A′矢視図である。図4、図5の
符号について記述する。26は外管、27は内管、28
は伸縮継手、19、30はスペーサ、30は低温側ガス
入口ノズル、32は低温側ガス出口ノズルを示す。セラ
ミックス熱交換器の詳細については、特願昭63−12
1827(セラミックス製バイヨネット式熱交換器に記
載されている。セラミックス熱交換器18は、複数本の
バイヨネット式熱交換器で構成されている。バイヨネッ
ト式熱交換器は、内管27と外管26との熱膨張差に基
づく移動が完全に自由な構造となっているため、外管外
側流体(今回は旋回溶融炉1からの排ガス。約1400
℃)と管内流体(クリーンな空気h。約250℃)との
温度差が、極端に大きい場合に用いられる方式の熱交換
器である。外管26がセラミック製であり、熱衝撃によ
る破砕が発生することがない。
【0031】また、ロータリーキルン16から排出され
る熱風排ガス中には、ダスト分が含まれ、図1に示すよ
うに、直接ガス化溶融システム側に戻さず、熱風排ガス
ライン中に、集塵装置(バグフィルタ等)を設ければ微
細なダストだけが、ここで捕集され、フィラー等への再
利用が可能となる。ロータリーキルンで再加熱した結晶
化スラグは、約0.25mm以下の粒度のものが排ガス
側に飛散してしまうため、目的によっては、この再加熱
スラグに、排ガス側の集塵装置で捕集した粒子を加え、
粒度調整することもできる。
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、次のような効果を奏す
ることができた。 (1)本発明により、強度的には低いが、簡便な設備で
製造できる水砕スラグを、強度的にも高く、自然色で、
危険な針状物質や大粒径部を含まないものに換えること
ができ、細骨材等への再資源化の適用範囲が拡大した。 (2)廃棄物の燃焼によって発生した熱を、セラミック
ス熱交換器で熱交換したことにより、熱の有効利用が図
れると同時に、ロータリーキルン焼成時に熱源ガスによ
ってスラグが汚染されることがない。これは、ガス化溶
融炉の場合、同一システム内で熱回収と熱の有効利用が
効率よく行われる点で有利である。 (3)ロータリーキルンの熱源空気を送る送風機は高温
耐熱、耐食性が要求されず、システムが組み易くなっ
た。 (4)ロータリーキルン熱風排ガス中のダストフィラー
等への有効利用が可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスラグ回収装置を備えた廃棄物のガス
化溶融システムの全体フロー工程図。
【図2】ロータリーキルン回りのフロー図。
【図3】ロータリーキルン内の温度分布を示すグラフ。
【図4】本発明に用いるセラミックス熱交換器の全体構
成図。
【図5】図2のA−A′矢視図。
【図6】従来の水砕スラグ冷却・固化装置の概略構成
図。
【図7】温度による結晶核形成速度と結晶生長速度の変
化を示すグラフ。
【符号の説明】
1:溶融炉、2:水砕トラフ、7:水砕水槽、8:スラ
グ搬出コンベア、9:スラグピット、10:循環水ポン
プ、11:ガス化炉、12:不燃物排出装置、13:振
動篩、14:ハンマークラッシャー、15:送風機、1
6:ロータリーキルン、17:バーナ、18:セラミッ
クス熱交換器、19:廃熱ボイラ、20:空気予熱器、
21:節炭器、22:バグフィルタ、23:蒸気タービ
ン、24:誘引送風機、25:煙突 a:溶融スラグ、b:水砕スラグ、c:水、d:廃棄
物、e:不燃物+有価金属、f:ガス状生成物、g:
炎、h:空気、i:復水、j:消石灰、k:捕集灰
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大下 孝裕 東京都大田区羽田旭町11番1号 株式会社 荏原製作所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 廃棄物を高温処理する溶融スラグの生成
    装置と、得られる溶融スラグを水冷して水砕スラグとす
    る水砕装置と、該水砕スラグを結晶化するロータリーキ
    ルンとを有するスラグ回収装置において、該ロータリー
    キルンの前段又は後段にスラグの破砕装置を設けたこと
    を特徴とする廃棄物からのスラグ回収装置。
  2. 【請求項2】 前記ロータリーキルンは、熱源として廃
    棄物の高温処理によって発生した熱を、熱回収して用い
    るセラミックス熱交換器を上流に設置することを特徴と
    する請求項1記載の廃棄物からのスラグ回収装置。
  3. 【請求項3】 前記ロータリーキルンは、熱源としての
    熱風を送る送風機をロータリーキルンの上流に設置する
    ことを特徴とする請求項2記載の廃棄物からのスラグ回
    収装置。
  4. 【請求項4】 前記ロータリーキルンは、排ガス流路に
    ダスト分を除去する専用の集塵装置を設けたことを特徴
    とする請求項2又は3記載の廃棄物からのスラグ回収装
    置。
  5. 【請求項5】 前記溶融スラグの生成装置は、廃棄物を
    ガス化する流動床ガス化炉と該流動床ガス化炉より排出
    されるガス状物とチャーを、更に高温でガス化又はガス
    化燃焼すると共に、不燃物又は非ガス化物をスラグ化す
    る溶融炉とからなることを特徴とする請求項1又は2記
    載の廃棄物からのスラグ回収装置。
  6. 【請求項6】 前記ロータリーキルンは、水砕スラグを
    結晶生長温度まで昇温し、一定温度に温度保持する温度
    制御機構を有することを特徴とする請求項1〜5のいず
    れか1項記載の廃棄物からのスラグ回収装置。
JP32476198A 1997-12-03 1998-11-16 廃棄物からのスラグ回収装置 Pending JPH11246244A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32476198A JPH11246244A (ja) 1997-12-03 1998-11-16 廃棄物からのスラグ回収装置

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP34732597 1997-12-03
JP9-347325 1997-12-03
JP32476198A JPH11246244A (ja) 1997-12-03 1998-11-16 廃棄物からのスラグ回収装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11246244A true JPH11246244A (ja) 1999-09-14

Family

ID=26571596

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP32476198A Pending JPH11246244A (ja) 1997-12-03 1998-11-16 廃棄物からのスラグ回収装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11246244A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010018080A1 (de) 2008-08-12 2010-02-18 Polysius Ag Verfahren und anlage zur herstellung von hüttensand
JP2016047782A (ja) * 2014-08-27 2016-04-07 Jfeスチール株式会社 凝固スラグの熱回収方法および熱回収システム
JPWO2015025501A1 (ja) * 2013-08-20 2017-03-02 Jfeスチール株式会社 凝固スラグの製造方法及びコンクリート用粗骨材の製造方法
JP2017214262A (ja) * 2016-06-02 2017-12-07 国立大学法人山口大学 二酸化炭素の固定化方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010018080A1 (de) 2008-08-12 2010-02-18 Polysius Ag Verfahren und anlage zur herstellung von hüttensand
JPWO2015025501A1 (ja) * 2013-08-20 2017-03-02 Jfeスチール株式会社 凝固スラグの製造方法及びコンクリート用粗骨材の製造方法
JP2016047782A (ja) * 2014-08-27 2016-04-07 Jfeスチール株式会社 凝固スラグの熱回収方法および熱回収システム
JP2017214262A (ja) * 2016-06-02 2017-12-07 国立大学法人山口大学 二酸化炭素の固定化方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4190287B2 (ja) セメントクリンカー収率の向上方法
JPS6319763B2 (ja)
JP2008106270A (ja) 固体原燃料の製造方法
JPH11246244A (ja) 廃棄物からのスラグ回収装置
JP3935742B2 (ja) 有機性廃棄物からの高品質燃料製造装置及び製造方法
JPS6235004B2 (ja)
JP4652609B2 (ja) 石炭燃焼灰の溶融方法および溶融処理システム
JP2010236787A (ja) バイオマス粉砕方法とバイオマス溶融方法と溶融装置
JP3986335B2 (ja) 有機性廃棄物からの高品質燃料製造装置及び製造方法
JP2004002587A (ja) 環境に優しいごみの資源化方法
JPH0849822A (ja) 廃棄物処理装置及び方法
JP7422131B2 (ja) 流動層炉における流動媒体の再生方法
JP3707754B2 (ja) 廃棄物処理システムと方法及びそれにより製造されたセメント
JPH11241817A (ja) ガス化溶融システム
JPH11173523A (ja) 廃棄物の燃焼処理方法及び装置
JP3732640B2 (ja) 廃棄物の熱分解溶融燃焼装置
JPH10141620A (ja) 熱分解残留物の排出方法および廃棄物処理装置
JPH09145031A (ja) 固形廃棄物の燃焼方法
JP2001289413A (ja) 廃棄物処理設備
JP2001354459A (ja) 廃棄物中の金属の利用方法
JPH10192820A (ja) ガス化溶融による廃棄物処理における灰処理方法
JP2000109911A (ja) 竪型炉への燃料吹き込み方法
JPH062813A (ja) 熱回収燃焼設備
JP2001280633A (ja) 溶融排ガス処理システム
JP3692257B2 (ja) 砕石製造方法