JP6317979B2 - ポリスチレン系樹脂積層発泡体 - Google Patents

ポリスチレン系樹脂積層発泡体 Download PDF

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Description

本発明は、表面に複数の筋状模様を有する、新規なポリスチレン系樹脂積層発泡体に関する。
ポリスチレン系樹脂発泡体は、軽量性、断熱性に優れる上、熱成形性や切削加工性にも優れているため、トレイ容器、即席麺容器、弁当容器、納豆容器等の食品物流包装材等を加工するための熱成形用発泡体として広く利用されている。
その中でも、表面に模様が施された外観を有する熱成形用のポリスチレン系樹脂発泡体は、意匠性に優れ、高級感も備えていることから、消費者のニーズが高く、現在大量に生産されている。
従来、このようなポリスチレン系樹脂発泡体としては、例えば、以下の(1)〜(3)のものが知られている。
(1)ポリスチレン系樹脂発泡体の表面に模様を直接印刷したもの(特許文献1)。
(2)ポリスチレン系樹脂発泡体の表面に、模様が印刷されたフィルムを接着剤等によりラミネートしたもの(特許文献2)。
(3)共押出法により、ポリスチレン系樹脂発泡体Aの表面に着色されたポリスチレン系樹脂発泡層Bを筋状又は帯状に積層したもの(特許文献3)。
特開2007−7966号公報 特開平5−38752号公報 特開2003−94896号公報
しかし、(1)のような、発泡体の表面に模様を直接印刷したものは、印刷面と被包装物が直接接触することがあるため、その用途が制限されるといった問題があった。
また、その製造には、発泡体の製造工程と、これに模様を印刷する工程の二工程が必要であるため、製造工程が煩雑になったり、製造コストがかかるといった問題もあった。
また、(2)のような、発泡体の表面に模様が印刷されたフィルムを接着剤でラミネートしたものは、印刷面が直接食品に触れることはないものの、リサイクルが難しくなる場合があるなど、さらなる改善の余地を残すものであった。
また、その製造には、発泡体の製造工程、フィルムを製造する工程、フィルムに模様を印刷する工程、発泡体と模様が印刷されたフィルムとを貼り合わせる工程といった工程が必要であり、生産性や製造コストの点で課題を残していた。
また、(3)のような、発泡体芯層の外周面に着色された発泡層を筋状又は帯状に共押出したものは、発泡芯層の上に帯状の発泡層が積層される構造となり、積層面を非食品接触面として商標や成分表示などを印刷する場合に美麗な印刷が困難な場合があった。
このように、従来の、筋状模様を有するシート状発泡体等のポリスチレン系樹脂積層発泡体は、それぞれに課題があり、このため、外観に優れると共に、表面平滑性、印刷性等を満足する、実用的なポリスチレン系樹脂積層発泡体の開発が切望されていたが、未だ満足すべき提案はなされていない。
本発明は、以上のとおりの事情に鑑みてなされたものであり、従来のポリスチレン系樹脂発泡体と同等な加工特性を有しながらも、美麗な筋状模様を有すると共に、表面平滑性、印刷性等に優れ、更に、製造も簡便で安価なポリスチレン系樹脂積層発泡体を提供することを課題としている。
本発明によれば、以下の<1>〜<4>に記載のポリスチレン系樹脂積層発泡体が提供される。
<1>ポリスチレン系樹脂発泡層の少なくとも片面に、ポリスチレン系樹脂層が共押出により積層されたポリスチレン系樹脂積層発泡体であって、該ポリスチレン系樹脂層が、押出方向に筋状に形成されている複数のポリスチレン系樹脂層が幅方向に連続した状態で、且つ幅方向に隣り合う樹脂層が異なる層となって形成されており、該ポリスチレン系樹脂積層発泡体の見掛け密度が0.04〜0.21g/cmであり、該ポリスチレン系樹脂層の総坪量が2〜100g/mであることを特徴とするポリスチレン系樹脂積層発泡体。
<2>前記ポリスチレン系樹脂積層発泡体の厚みが0.5〜10mmであり、前記ポリスチレン系樹脂積層発泡体の坪量が70〜600g/mであることを特徴とする<1>に記載のポリスチレン系樹脂積層発泡体。
<3>前記ポリスチレン系樹脂積層発泡体の前記ポリスチレン系樹脂層の表面の輪郭曲線の最大高さが20μm以下であることを特徴とする<1>又は<2>に記載のポリスチレン系樹脂積層発泡体。
<4>前記複数のポリスチレン系樹脂層が2種類の押出方向に筋状に形成されている樹脂層からなり、該樹脂層が幅方向に交互に連続して形成され、少なくとも一方の樹脂層に着色剤が配合されていることを特徴とする<1>から<3>のいずれかに記載のポリスチレン系樹脂積層発泡体。
本発明のポリスチレン系樹脂積層発泡体は、ポリスチレン系樹脂発泡層の少なくとも片面に複数の樹脂層が積層され、押出方向に筋状に形成されていると共に、該複数の樹脂層は幅方向に連続した状態で形成されているので、表面平滑性や印刷性に優れ、更に、製造も簡便で安価なポリスチレン系樹脂積層発泡体を提供することができる。また、樹脂層に着色剤などが配合された場合には、積層発泡体表面に筋状模様を有し、外観に優れたものとなる。
従って、本発明のポリスチレン系樹脂積層発泡体は、トレイ容器、即席麺容器、弁当容器、納豆容器や丼等の食品物流包装材等の熱成形用のシート状発泡体として、或いは弁当箱や菓子箱、折箱等の板状発泡体等として、広くその需要が見込まれる。
本発明の代表的なポリスチレン系樹脂積層発泡体の説明図である。 本発明のポリスチレン系樹脂積層発泡体の概略断面図である。 本発明のポリスチレン系樹脂積層発泡体の概略断面図の他の例である。 本発明の代表的なポリスチレン系樹脂積層発泡体の製造方法の説明図である。 本発明で用いる代表的な環状ダイの説明図である。 本発明で用いる代表的な環状ダイにおける積層部の説明図である。 本発明で用いる代表的な環状ダイにおける積層部流路孔をV方向から見た形状説明図である。 本発明で用いる代表的な環状ダイにおける積層部流路孔をV方向から見た形状説明図である。 本発明で用いる代表的な環状ダイにおける積層部流路孔をV方向から見た形状説明図である。
[ポリスチレン系樹脂積層発泡体]
図1は、本発明に係る代表的なポリスチレン系樹脂積層発泡体1(以下、単に積層発泡体1と略称する)の説明図であり、図2は積層発泡体1の厚み方向の概略断面図である。
積層発泡体1は、ポリスチレン系樹脂発泡層2(以下、単に発泡層2と略称する)の片面に、複数のポリスチレン系樹脂層が共押出により積層されており、該複数の樹脂層が押出方向においては筋状に、そして幅方向においては連続した状態で、発泡層に積層されている。例えば図1〜3に示すように、発泡層2に対して、着色剤を含むポリスチレン系樹脂層(I)3(以下、単に樹脂層(I)と略称する)とポリスチレン系樹脂層(II)4(以下、単に樹脂層(II)と略称する)とが筋状に押出方向に積層されているとともに、幅方向に連続した状態で積層されている。
ここで、本発明において筋状とは、例えば、図1に示すように、発泡体の長手方向(押出方向)に沿って、一定の幅を有する又は幅が変化する、線状又は帯状であることを意味し、例えば、複数の樹脂層の色の違いにより筋状模様として判別され、発泡体に木目模様、ストライプ模様、色調が段階的に変化していくぼかし模様が付与される。なお、色の違いは、色相、色調、明度や彩度が異なり、視覚的に認識できるものをいう。
積層発泡体1は、上記発泡層2の少なくとも片面に、複数のポリスチレン系樹脂層が、共押出により押出方向に筋状に、幅方向に連続した状態で積層される。複数のポリスチレン系樹脂層が押出方向に筋状に形成されていることによって、積層発泡体1は筋状模様を形成して、外観に特に優れたものとなる。さらに、図2、3に示すように、複数のポリスチレン系樹脂層同士が幅方向に連続して形成されていることによって、積層発泡体表面の平滑性が向上する。従来、樹脂層が連続して形成されていない場合には、樹脂層部分が共押出によって発泡層に積層される際に、樹脂層部分の熱によって発泡層表面の発泡が阻害されるため、積層発泡体表面の平滑性が低下するおそれがあった。本発明においては、該樹脂層が幅方向に連続して形成されることから、積層発泡体表面の平滑性が向上し、積層発泡体の印刷性が向上すると考えられる。上記観点から、該樹脂層は発泡体の幅方向の全面において連続して形成されている(端部を除く)ことが好ましく、また、幅方向に均一に樹脂層が形成されていることがより好ましい。
なお、複数のポリスチレン系樹脂層が2種類の樹脂層からなる場合には、樹脂層同士が幅方向に交互に連続して形成されることが好ましい。また、樹脂層を3種類以上の樹脂層とすることもできるが、この際には、ある樹脂層に対して隣り合う樹脂層が、異なる樹脂層となって幅方向に連続して形成されることが好ましい。
なお、複数の樹脂層は、発泡状態であっても、非発泡状態であってもよいが、複数の樹脂層における明瞭な模様を有する積層発泡体とするためには、樹脂層は非発泡状態であることが好ましい。なお、非発泡状態の樹脂層には、局所的には一部気泡が形成されていても構わない。
<樹脂層(I)3及び樹脂層(II)4>
前記複数の樹脂層としては、例えば、色や物性、性能などの特性が異なることによって判別可能である樹脂層が複数形成されていれば、特に制限はないが、具体的には、積層発泡体1は、樹脂層(I)3と樹脂層(II)4が図1のように、色が異なることによって判別できることが好ましい。また、少なくとも一方の樹脂層には着色剤が配合されており、着色樹脂層を形成していることが好ましい。なお、本発明においては、樹脂層(I)3と樹脂層(II)4では、樹脂層(II)4の方が明度が高いものとして説明する。
樹脂層(I)3及び樹脂層(II)4は、ポリスチレン系樹脂、着色剤、好ましくは可塑剤及びその他の添加剤を配合した樹脂層(I)3形成用樹脂溶融物と、ポリスチレン系樹脂、好ましくは可塑剤及びその他の添加剤を配合した樹脂層(II)4形成用樹脂溶融物とを、共押出ダイ内で複数、幅方向に連続した状態で、発泡層形成用樹脂溶融物に積層して共押出することにより筋状に形成される。なお、樹脂層(II)4は着色剤を必須成分とするものでないが、必要に応じて着色剤を配合することもできる。
以下に、複数の樹脂層を形成するために用いる材料の各成分について詳述する。なお、樹脂層(II)4と樹脂層(I)3とは、より均一な樹脂層を形成する観点からは、同様な材料を用いることが好ましい。
(ポリスチレン系樹脂)
樹脂層を構成するポリスチレン系樹脂としては、例えば、ポリスチレン(GPPS)、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリスチレン−ポリフェニレンエーテル共重合体等が例示される。
また、上記ポリスチレン系樹脂に対し、所望の目的に応じて、ポリフェニレンエーテル樹脂、プロピレン単独重合体、エチレン−プロピレン共重合体などのポリプロピレン系樹脂、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレンなどのポリエチレン系樹脂、スチレン−共役ジエンブロック共重合体やその水添物などの熱可塑性エラストマー、エチレン−プロピレンゴム、ブタジエンゴムなどのゴム等の重合体を含むものを使用することができる。その割合は、ポリスチレン系樹脂中に40重量%以下配合されていることが好ましく、20重量%以下であることがより好ましく、10重量%以下であることがさらに好ましい。
樹脂層を構成するポリスチレン系樹脂としては、例えば、溶融粘度η1を600〜1400Pa・sとすることが好ましく、より好ましくは700〜1300Pa・s、更に好ましくは800〜1200Pa・sのものを用いることが望ましい。複数の樹脂層を構成するポリスチレン系樹脂としては、上述の溶融粘度がより近い値のものを用いることが、均一な樹脂層を形成する観点からは好ましい。
(着色剤)
着色剤としては、無機系又は有機系の顔料や染料を用いることができる。有機顔料としては、例えば、モノアゾ系、クロモフタールレッド等の縮合アゾ系、アンスラキノン系、イソインドリノン系、複素環系、ペリノン系、キナクリドン系、ペリレン系、チオインジゴ系、ジオキサジン系、フタロシアニン系、ニトロソ系、フタロシアニン顔料、有機蛍光顔料等を挙げることができる。
無機顔料としては、例えば、酸化チタン、カーボンブラック、チタンイエロー、酸化鉄、群青、コバルトブルー、焼成顔料、メタリック顔料、マイカ、パール顔料、亜鉛華、沈降性シリカ、カドミウム赤等を挙げることができる。
また、有機染料としては、例えば、アンスラキノン系、複素環系、ペリノン系、塩基性染料、酸性染料、媒染染料等を挙げることができる。これらの中で、無機顔料を用いることで安価に製造できるため好ましい。
また、着色剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。なお、着色剤として酸化鉄、又は酸化鉄を含有する茶系の着色剤、例えば酸化鉄、カーボンブラック、酸化チタンの混合物からなる着色剤を用いることにより、樹脂層(I)3が茶系の色を呈し、木目調又は柾目調の模様が形成され、より意匠性の高い高級感を有する積層発泡体1を得ることができる。
また、食品容器に用いる場合には、上記の中からポリオレフィン等衛生協議会登録品を選択して用いることが好ましい。
(帯電防止剤)
帯電防止剤としては、従来公知の高分子型帯電防止剤や界面活性剤型帯電防止剤などが用いられるが、汚染防止性や帯電防止効果の持続性等の観点から、高分子型帯電防止剤を用いることが好ましい。なお、高分子型帯電防止剤としては、表面抵抗率が1×1012Ω未満を示す樹脂が挙げられ、具体的には、金属イオンとしてカリウム、ルビジウム及びセシウムからなる群より選ばれたアルカリ金属を含むアイオノマー樹脂、あるいはポリエーテルエステルアミドやポリエーテル等の親水性樹脂を主成分とするものが好ましい。なお、帯電防止剤は、樹脂層(I)と樹脂層(II)のどちらにも配合することができ、また、両方に配合することもできる。
(その他の添加剤)
複数の樹脂層を成形するための材料成分としては、上記成分の他、各種添加剤を添加することができる。添加剤としては、例えば、酸化防止剤、熱安定剤、耐候剤、紫外線吸収剤、難燃剤、充填剤、抗菌剤等が挙げられる。
<発泡層2>
発泡層2は、ポリスチレン系樹脂、物理発泡剤、気泡調整剤及びその他の添加剤を配合した発泡層形成用溶融物を共押出発泡させることにより形成されている。以下に、発泡層2を成形するために用いる材料の各成分について詳述する。
(ポリスチレン系樹脂)
発泡層2を構成するポリスチレン系樹脂としては、特に制限はなく、前記した、樹脂層を構成するポリスチレン系樹脂と同様なものが使用できる。
なお、発泡層を構成するポリスチレン系樹脂の溶融粘度η2は、800〜2000Pa・sが好ましく、1000〜1700Pa・sがより好ましく、1200〜1500Pa・sがさらに好ましい。上記範囲内であれば、良好な発泡層を形成することができる。
(その他の添加剤)
発泡層2を形成するための材料成分としては、上記成分の他、各種添加剤を添加することができる。添加剤としては、例えば、酸化防止剤、熱安定剤、耐候剤、紫外線吸収剤、難燃剤、無機充填剤、抗菌剤、着色剤、帯電防止剤等が挙げられる。なお、着色剤を配合する場合には、発泡体の質感を向上させる観点から、樹脂層(I)よりも淡色となるように着色剤の種類、配合量を調整することが望ましい。
以下に、共押出により上記発泡層2の表面に、複数の樹脂層が積層された積層発泡体1について詳述する。
[積層発泡体1表面の輪郭曲線の最大高さ]
積層発泡体1の表面の輪郭曲線の最大高さは20μm以下、好ましくは10μm以下である。本発明においては、発泡層の表面に、複数の樹脂層が幅方向に連続して形成されるので、ポリスチレン系樹脂層の積層面側における、該発泡体表面の輪郭曲線の最大高さが低いものとなり、積層発泡体の印刷性が向上する。
前記積層発泡体1表面の輪郭曲線の最大高さは、JIS B0601(2001年)に準拠して、積層発泡体1表面において、発泡層、複数の樹脂層によって形成される、発泡体表面の幅方向の凹凸の輪郭曲線要素の高さとして特定される。具体的には、株式会社小阪研究所製のサーフコーダSE1700αなどを使用して測定することができる。
[積層発泡体1の幅方向の坪量差]
前記積層発泡体1の幅方向(TD方向)に連続した50mmの発泡体における、幅2mm毎の発泡体サンプルの坪量の最大と最小の差は20g/m以下であることが好ましい。本発明においては、複数の樹脂層が幅方向に連続して形成されるが、複数の樹脂層同士では、ほぼ等しい坪量の樹脂層が積層されるので、積層発泡体1の幅方向の坪量の変化は小さいものとなる。上記観点から、積層発泡体1の幅方向の坪量差は、好ましくは15g/m以下であることがより好ましく、10g/m以下がさらに望ましい。
[積層発泡体1の坪量]
前記積層発泡体1の坪量は70〜600g/m、好ましくは100〜500g/m、より好ましくは120〜400g/mであることが望ましい。坪量を上記の範囲とすることにより、剛性を有し、かつ軽量性に優れた積層発泡体1とすることができる。
前記積層発泡体1の坪量の測定方法としては、積層発泡体1の全幅に亘って幅250mmの試験片を切り出し、該試験片の重量(g)を試験片の面積(発泡体幅(mm)×250mm)で割り、1m当たりの積層発泡体1の重量(g)に換算して、これを積層発泡体1の坪量(g/m)を求めることができる。
[積層発泡体1の見掛け密度]
積層発泡体1の見掛け密度は0.04〜0.35g/cmであることが好ましい。該見掛け密度が前記範囲内であると、軽量性と強度とのバランスに優れたものとなる。見掛け密度の下限は、より好ましくは0.05g/cm、最も好ましくは0.07g/cmである。一方、該見掛け密度の上限は、より好ましくは0.21g/cm、さらに好ましくは0.15g/cmである。
[積層発泡体1厚み]
積層発泡体1の厚みは特に制約されないが、0.5〜15mm、好ましくは0.6〜10mm、より好ましくは0.7〜5mmである。積層発泡体1の厚みをこの範囲とすることにより、熱成形されて筋状模様が付与された高級感溢れる意匠性の高いトレイ容器、即席麺容器、弁当容器、納豆容器、冷凍容器や丼等の食品容器等として、また、折箱、ディスプレイ芯材等として好適に用いることができる。
次に、本発明の発泡体の製造方法の一実施形態について、図4を用いて詳細に説明する。
本発明の発泡体の製造方法は、図4に示すように、まず、先に説明した発泡層2を成形するための材料である、ポリスチレン系樹脂11、その他必要に応じて添加される気泡調整剤等の添加剤を第1押出機14に供給して加熱混練し、物理発泡剤12を圧入して更に混練し、第1押出機14内で発泡層形成用樹脂溶融物13とする。
(物理発泡剤)
前記物理発泡剤としては、例えば、エタン、プロパン、ノルマルブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、イソヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタンなどの炭素数2以上7以下の脂肪族炭化水素、塩化メチル、塩化エチル、1,1,1,2−テトラフルオロエタン、1,1−ジフルオロエタンなどの炭素数1以上4以下のハロゲン化脂肪族炭化水素、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどの炭素数1以上4以下の脂肪族アルコール、又はジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテルなどの炭素数2以上8以下の脂肪族エーテル等の有機物理発泡剤、窒素、二酸化炭素、水等の無機物理発泡剤が挙げられる。
これらの物理発泡剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。また、ポリスチレン系樹脂との相溶性、発泡効率の観点からノルマルブタン、イソブタン又はこれらの混合物を主成分とするものを好適に用いることができる。
物理発泡剤の添加量は、発泡体の見かけ密度などに応じて適宜調整することができるが、通常、発泡層2を形成するためのポリスチレン系樹脂1kgに対して0.15〜1.8molであることが好ましく、0.3〜1.5molであることがより好ましく、0.4〜1.2molであることがさらに好ましい。なお、発泡剤として、物理発泡剤以外に化学発泡剤を併用して用いることもできる。
(気泡調整剤)
前記気泡調整剤としては、有機系又は無機系のいずれのものを用いることができる。無機系の気泡調整剤としては、ホウ酸亜鉛、ホウ酸マグネシウム、硼砂等のホウ酸金属塩、塩化ナトリウム、水酸化アルミニウム、タルク、ゼオライト、シリカ、炭酸カルシウム、重炭酸ナトリウム等を挙げることができる。
また、有機系の気泡調整剤としては、リン酸−2,2−メチレンビス(4,6−tert−ブチルフェニル)ナトリウム、安息香酸ナトリウム、安息香酸カルシウム、安息香酸アルミニウム、ステアリン酸ナトリウム等を挙げることができる。また、クエン酸と重炭酸ナトリウム、クエン酸のアルカリ塩と重炭酸ナトリウム等を組み合わせたもの等も用いることができる。これらの気泡調整剤は1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用して用いてもよい。
気泡調整剤の添加量は、発泡層2を形成するためのポリスチレン系樹脂100重量部あたり、好ましくは0.05重量部以上10重量部以下、より好ましくは0.2重量部以上5重量部以下の範囲である。
別途、先に説明した樹脂層(I)3を形成するための材料である、ポリスチレン系樹脂5及び着色剤7、その他必要に応じて添加される添加剤等を第2押出機15に供給して混練し、さらに必要に応じて揮発性可塑剤8を供給して更に混練し、第2押出機15内で樹脂層(I)形成用樹脂溶融物9とする。
さらに、先に説明した樹脂層(II)4を形成するための材料である、ポリスチレン系樹脂6、その他必要に応じて添加される添加剤等を第3押出機16に供給して混練し、さらに必要に応じて揮発性可塑剤8を供給して更に混練し、第3押出機16内で樹脂層(II)形成用樹脂溶融物10とする。なお、この際、樹脂層(II)4を、樹脂層(I)3と異なる色調とするための着色剤を添加することもできる。
(可塑剤)
樹脂層(I)3及び樹脂層(II)4を形成するには、可塑剤を添加することもできる。可塑剤を添加することにより、樹脂層(I)形成用溶融物と樹脂層(II)形成用溶融物及び発泡層形成用溶融物とを共押出する際に、適正発泡温度での、樹脂層(I)形成用溶融物と樹脂層(II)形成用溶融物の溶融伸びを著しく向上させることができ、樹脂層形成用溶融物の伸びをポリスチレン系樹脂発泡層形成用樹脂溶融物の伸びに対応させることができ、より容易に樹脂層を形成させることができる。
上記の可塑剤としては、揮発性可塑剤を使用することが好ましい。揮発性可塑剤は、樹脂層(I)形成用樹脂溶融物および樹脂層(II)形成用樹脂溶融物中に存在している状態ではポリスチレン系樹脂の溶融粘度を低下させて、共押出に適する樹脂層形成用樹脂溶融物を形成することが可能となるとともに、押出発泡後には樹脂層から揮散して、樹脂層から容易に除去することが可能となる。従って、揮発性可塑剤を用いることにより、樹脂層に配合した可塑剤が、食品などと接触することがなく食品衛生の観点からも好ましい。
また、共押出後に可塑剤が残存して、樹脂層(I)3及び樹脂層(II)4の剛性を低下させるおそれもないことからも、揮発性可塑剤が好ましく用いられる。
なお、樹脂層(I)3及び樹脂層(II)4を形成するポリスチレン系樹脂の物性低下を生じない程度の添加量であれば、通常の可塑剤を用いることもでき、その添加量は、好ましくは3質量%未満、より好ましくは2%未満である。
揮発性可塑剤としては、炭素数2以上7以下の脂肪族炭化水素、炭素数1以上3以下のハロゲン化脂肪族炭化水素、炭素数1以上4以下の脂肪族アルコール、又は炭素数2以上8以下の脂肪族エーテル等から選択される1種、又は2種以上で構成されるものが好ましく用いられる。
揮発性可塑剤の沸点は、樹脂層からの揮発性の観点から、好ましくは120℃以下、より好ましくは80℃以下である。揮発性可塑剤の沸点がこの範囲であれば、共押出した後、得られた発泡体を放置した状態で、共押出し直後の熱や、室温下でのガス透過により、揮発性可塑剤は樹脂層から自然に揮散して自然に除去される。沸点の下限値は概ね−50℃である。
揮発性可塑剤の添加量は、ポリスチレン系樹脂対して0.15〜1.4mol/kgが好ましく、0.2〜1.2mol/kgがより好ましい。添加量をこの範囲とすることにより、製造時に良好に溶融させることができる。
そして、上記発泡層形成用樹脂溶融物13、樹脂層(I)形成用樹脂溶融物9及び樹脂層(II)形成用樹脂溶融物10を環状ダイ17に導入して合流積層させ共押出することにより積層発泡体1を得る。
以下に、発泡層形成用樹脂溶融物13、樹脂層(I)形成用樹脂溶融物9及び樹脂層(II)形成用樹脂溶融物10の共押出について詳述する。
(発泡層形成用樹脂溶融物13と樹脂層(I)形成用樹脂溶融物9及び樹脂層(II)形成用樹脂溶融物10の共押出)
発泡層形成用樹脂溶融物13と樹脂層(I)形成用樹脂溶融物9及び樹脂層(II)形成用樹脂溶融物10とを、それぞれ後述するような適正温度に調整してから、環状ダイ17に導入する。
環状ダイ17内で樹脂層(I)形成用樹脂溶融物9及び樹脂層(II)形成用樹脂溶融物10とを、発泡層形成用樹脂溶融物13の外周面上に、押出方向に、複数の筋状となるように幅方向に交互に連続した状態で合流積層させてから、共押出を行うと共に、発泡層形成用樹脂溶融物13を発泡させることにより、発泡層2の表面に樹脂層(I)3及び樹脂層(II)4が幅方向に交互に連続して筋状に形成された筒状積層発泡体を製造する。
樹脂層(I)3及び樹脂層(II)4の合流積層方法は、両者が幅方向に連続した状態で合流積層できれば、複数の樹脂層を、同時に積層させても、合流位置をずらして逐次積層させても構わないが、例えば図5、図6に示すように、同時に合流積層する方法が精度よく合流積層させることができるため好ましい。
具体的には、図6の積層部V付近の拡大図に示すように、発泡層形成用樹脂溶融物13との合流積層部V付近の両面に交互に流路孔が施された積層部品Zの片面側から樹脂層(I)形成用樹脂溶融物9を、もう一方の面から樹脂層(II)形成用樹脂溶融物10を供給して合流積層させる。
なお、共押出では、発泡層形成用樹脂溶融物13と樹脂層(I)形成用樹脂溶融物9及び樹脂層(II)形成用樹脂溶融物10の温度をできるだけ近づけた方が、より独立気泡率の高い発泡体を得ることができ、また発泡体の表面平滑性を向上させる観点から好ましい。
なお、環状ダイ17において、樹脂層(I)形成用樹脂溶融物9及び樹脂層(II)形成用樹脂溶融物10は、例えば図7、図8に示すような、環状ダイ17円周上に多数形成された樹脂層(I)形成用、樹脂層(II)形成用流路X、Yを介して、樹脂層(I)形成用樹脂溶融物9及び樹脂層(II)形成用樹脂溶融物10のそれぞれが、樹脂層(I)形成用、樹脂層(II)形成用流路孔V1、V2から発泡層形成用樹脂溶融物13の外周面に筋状に合流積層させることができる。
環状ダイ17内に加工される、樹脂層(I)形成用、樹脂層(II)形成用流路孔V1、V2については、発泡層2の外周面に樹脂層(I)3および樹脂層(II)4が形成されるものであれば形状等は特に制限はないが、例えば図7に示す環状ダイ17の樹脂層(I)と樹脂層(II)形成用流路孔V1、V2の溝幅(a)は0.4〜6.0mmとするのが好ましく、0.5〜5.0mmとするのがより好ましく、0.6〜4.0mmとするのがより好ましい。また、流路孔の溝深さ(b)は0.1〜0.5mmとするのが好ましい。上記流路孔幅とすることにより、概ね、0.5〜20mm、好ましくは0.8〜15mmの幅の樹脂層(I)3、樹脂層(II)4を発泡層2の表面に形成することができる。なお、流路孔の幅は、各流路孔で決まったものではなく、上記の範囲で個々の流路孔について自由に変化させることもできる。
なお、図9に示すような斜線状の流路孔を使用し、樹脂層(I)形成用樹脂溶融物と樹脂層(II)形成用樹脂溶融物とを発泡層に積層して共押出した場合においても、樹脂層(I)と樹脂層(II)とが幅方向に連続して形成される。さらに、樹脂層(I)形成用樹脂溶融物と樹脂層(II)形成用樹脂溶融物とが、傾斜して形成されることから、筋状模様が連続的に変化する模様を形成しやすくなる。また、図示しないが、スリット状に形成された樹脂層(I)形成用流路Xに、複数の樹脂層(II)形成用流路Yを合流させ、樹脂層(I)形成用樹脂溶融物に樹脂層(II)形成用樹脂溶融物を積層させて予め積層体を形成させた後、発泡層形成用樹脂溶融物と合流積層させると、図3に示すような積層発泡体を形成させることもできる。
上記範囲の樹脂層(I)3、樹脂層(II)4を発泡層2の表面に形成した積層発泡体1を得るには、例えば、積層発泡体1のブローアップ比(マンドレルの直径を環状ダイ17出口の口径で割った値)や、押出発泡時の吐出量、引取速度を制御して発泡体を延伸すること等により調整することができる。
なお、発泡層形成用樹脂溶融物13に、樹脂層(I)形成用樹脂溶融物9と、樹脂層(II)形成用樹脂溶融物10を押出方向に筋状に複数合流積層して環状ダイ17から共押出された筒状積層発泡体は、その内面を円柱状冷却装置(マンドレル)上に通過させて冷却し、筒状合流積層発泡体を切り開いてシート状とすることができる。
また、前記筒状積層発泡体をピンチロールにて挟み込んで発泡層2の内面同士を接合させることにより、板状の積層発泡板を得ることもできる。
(樹脂層の総坪量)
樹脂層の総坪量(以下、樹脂層の総積層量ということがある)、すなわち樹脂層(I)3及び樹脂層(II)4の合計の総坪量は、通常2〜150g/m、好ましくは4〜100g/m、より好ましくは6〜50g/mの範囲である。積層量を上記範囲とすることにより、厚みの薄い非発泡の樹脂層を形成させることが可能となる。なお、発泡層2の表面に押出方向に樹脂層(I)3及び樹脂層(II)4による筋状模様が表出されるように、上記範囲に調整することができる。
樹脂層の総坪量は、例えば、樹脂層(I)3の押出機吐出量をL1(kg/hr)、樹脂層(II)4の押出機吐出量をL2(kg/hr)シート引取速度M(m/min)、発泡体全幅N(m)として、以下の式(1)により求めることができる。
樹脂層の総坪量(g/m)=(L1+L2)×10/(M×N×60)・・・(1)
この際、L1とL2の吐出量は多い方を基準に、少ない方は−70%以内、好ましくは50%以内とすることが望ましい。−70%を超えると発泡シート表面の輪郭曲線の最大高さが20μmを超える場合がある。また、L1+L2が常に一定になるようにL1とL2の吐出量を維持したまま筋状の模様の幅を変化させることもでき、より意匠性に優れた積層発泡体1を得ることができる。
なお、本発明のポリスチレン系樹脂積層発泡体には、樹脂層(I)や樹脂層(II)のさらに外面に、樹脂層(III)を形成させることもできる。例えば、外面側にさらに樹脂層(III)を積層させる方法としては、共押出によるもののほか、押出後にエクストルーダーを用いてそのまま押出ラミネートする方法などが挙げられる。
以下、本発明のポリスチレン系樹脂積層発泡体を実施例により更に詳細に説明する。ただし、本発明は実施例に限定されるものではない。
製造装置として、発泡層2形成用第1押出機として、バレル内径90mmの押出機と、該押出機の下流側に接続されたバレル内径120mmの押出機とからなるタンデム型の発泡層形成用押出機を用い、該押出機の出口に共押出用環状ダイ(リップ径67mm、間隙0.6mm)を取付け、さらに該共押出用環状ダイに樹脂層(I)3形成用第2押出機(内径65mm)、さらに樹脂層(II)4形成用第3押出機(内径65mm)を連結させた共押出装置を用いた。
表1に示す発泡層形成用のポリスチレン系樹脂、気泡核剤としてタルク(ポリスチレン系樹脂に対する重量部)を発泡層2形成用第1押出機に供給して加熱、混練し、これに物理発泡剤としてブタンを表中に示す量注入し、発泡層2形成用第1押出機中で発泡に適した樹脂温度に調整して、発泡層形成用樹脂溶融物とし、共押出用環状ダイ中に導入した。
別途、表1に示す樹脂層(I)3形成用のポリスチレン系樹脂、酸化鉄を主成分とする茶色無機顔料等を樹脂層(I)3形成用第2押出機に供給して、加熱、混練した後、揮発性可塑剤を注入し、樹脂層(I)形成用樹脂溶融物とし、共押出用環状ダイに導入した。
さらに、表1に示す樹脂層(II)4形成用のポリスチレン系樹脂等を第3押出機に供給して、加熱、混練した後、揮発性可塑剤を注入し、樹脂層(II)形成用樹脂溶融物とし、共押出用環状ダイに導入した。
共押出用環状ダイ中で、発泡層形成用樹脂溶融物と、図7に示す、断面矩形状の孔状の出口を有する内部リップから筋状とした樹脂層(I)形成用樹脂溶融物と樹脂層(II)形成用樹脂溶融物とを合流させて、発泡層形成用樹脂溶融物に積層してから筒状に共押出した後、270mmψマンドレル(ブローアップ比4)を通して引取り、切開いて本発明のシート状の発泡体を得た。なお、樹脂層(I)及び樹脂層(II)は非発泡状態で筋状に発泡層の片面に積層されていた。
なお、実施例、比較例における、製造条件、発泡体の物性などを表1に記す。
なお、表1において、発泡層、樹脂層(I)及び樹脂層(II)に用いた原料PS(1)〜(3)は以下のポリスチレン系樹脂を意味する。
PS(1):ポリスチレン、PSジャパン社製680、溶融粘度930Pa・s
PS(2):ポリスチレン、PSジャパン社製GX154、溶融粘度1430Pa・s
PS(3):ポリスチレン、PSジャパン社製679、溶融粘度620Pa・s
なお、ポリスチレン系樹脂の溶融粘度は、JIS K 7199に準拠し、キャピログラフ1D((株)東洋精機製作所製)の流動特性測定機を用いて、温度200℃、せん断速度100秒−1の条件で測定した値である。
また、着色剤、帯電防止剤としては、以下のものを使用した。
着色剤(1)大日精化工業株式会社製 PS−M−SSCA11N7470BR
着色剤(2)レジノカラー工業株式会社製 SBF−T−3775
帯電防止剤(1)三井デュポンポリケミカル株式会社製 エンティラAS MK400
(実施例1)
[樹脂層形成用樹脂溶融物に揮発性可塑剤を配合した例]
表1に示す製造条件により、発泡層2としてポリスチレン系樹脂(2)と物理発泡剤とを混練してなる発泡層形成用樹脂溶融物の外面側に、樹脂層(I)3としてポリスチレン系樹脂(1)と着色剤(1)と揮発性可塑剤とを混練してなる樹脂層(I)形成用樹脂溶融物と、樹脂層(II)4としてポリスチレン系樹脂(1)と揮発性可塑剤とを混練してなる樹脂層(II)形成用樹脂溶融物を交互に幅方向に連続して筋状に合流積層して共押出することによりことにより積層発泡体を得た。
なお、着色剤(1)はマスターバッチとして、着色剤(1)の添加量がポリスチレン系樹脂(1)100重量部に対して0.9重量部となるように添加した。また、樹脂層形成用樹脂溶融物は、環状ダイ内の発泡層形成用樹脂溶融物の流路の円周外縁上に配された多数の樹脂層(I)形成用孔及び樹脂層(II)形成用孔(流路面の両面に交互に流路孔が施された樹脂層(I)及び樹脂層(II)形成用部品Z)の流路を介して、V部で合流させ積層させて共押出した。なお、流路孔は図7に示したV1、V2のパターンを1ユニットとして、これを円周上に22ユニット配置したものを用いた。得られた積層発泡体の特性を表1に示す。
(実施例2)
[樹脂層形成用樹脂溶融物に揮発性可塑剤を配合しない例]
表1に示す製造条件により、発泡層2としてポリスチレン系樹脂(2)と物理発泡剤とを混練してなる発泡層形成用樹脂溶融物の外面側に、樹脂層(I)3としてポリスチレン系樹脂(3)と着色剤(1)を混練してなる樹脂層(I)形成用樹脂溶融物と、樹脂層(II)4としてポリスチレン系樹脂(3)を混練してなる樹脂層(II)形成用樹脂溶融物を、交互に、幅方向に連続して合流積層して共押出すること以外は、実施例1と同様にして積層発泡体を得た。
(実施例3)
[樹脂層形成用樹脂溶融物に揮発性可塑剤を配合せず、帯電防止剤を配合した例]
表1に示す製造条件により、発泡層2としてポリスチレン系樹脂(2)と物理発泡剤とを混練してなる発泡層形成用樹脂溶融物の外面側に、樹脂層(I)3としてポリスチレン系樹脂(3)と着色剤(1)と帯電防止剤(1)を混練してなる樹脂層(I)形成用樹脂溶融物と、樹脂層(II)4としてポリスチレン系樹脂(3)と帯電防止剤(1)を混練してなる樹脂層(II)形成用樹脂溶融物を、交互に、幅方向に連続して合流積層して共押出することによりことにより積層発泡体を得た。
なお、着色剤(1)はマスターバッチとして、着色剤(1)の添加量がポリスチレン系樹脂(3)100重量部に対して0.9重量部となるように添加し、帯電防止剤(1)はマスターバッチとして、帯電防止剤(1)の添加量がポリスチレン系樹脂(3)100重量部に対して10重量部となるように添加した。また、環状ダイは実施例1で用いたものと同様のものを用いた。
(実施例4)
[実施例2の応用例:パターンの変化・発泡層に着色剤を配合した例]
環状ダイ内の発泡層形成用樹脂溶融物の流路の円周外縁上に配された多数の樹脂層(I)形成用孔及び樹脂層(II)形成用孔(図8に示すように流路面の両面に交互にR1.8mmの流路孔(b)が円周上に220本施された部品Z)の流路を介して、表1の条件とした以外は実施例2と同様に積層発泡体を得た。
なお、発泡層形成用樹脂溶融物には、着色剤(2)をマスターバッチとして添加し、着色剤(2)の添加量がポリスチレン系樹脂(2)100重量部に対して0.5重量部となるように添加した。得られた積層発泡体の特性等を表1に示す。実施例2と同様に全体的に均質な筋状樹脂層が形成され、表面凹凸の少ない良好な発泡体であった。
(実施例5)
[実施例4の応用例:樹脂層の吐出量変化させた例]
第2押出機と第3押出機の吐出量を+50%〜−50%の範囲で毎分10%の変化率で変動させた以外は、実施例2と同様に積層発泡体を得た。得られた積層発泡体の特性等を表1に示す。吐出量の変化に対応して、発泡体の筋状模様の幅は変動しつつも、表面凹凸も少なく、より木目調に近い良好な発泡体であった。なお、表中の吐出量は、1時間あたりの平均値である。
(比較例1)
樹脂層(II)4を設けない以外は実施例1と同様にして発泡体を得た。
発泡体の表面の輪郭曲線の最大高さが25μmを超えている場合には、印刷用シートには適さないものとなった。
表1において各特性等は以下のようにして測定評価した。
(発泡体の見かけ密度)
発泡体の見掛け密度は、発泡体の全幅にわたり、無作為に選択した5箇所から切り出した、10cm×10cm×(発泡体厚み)の試験片の重量(g)を、該試験片の外形寸法から求められる体積(cm)で除した値を単位換算(g/cm)して各サンプルの見掛け密度を求め、得られた値の平均値を見掛け密度とした。
(発泡体の厚み)
発泡体の厚みは、発泡体を幅方向に沿って、一方の端部から他方の端部に至るまで等間隔に10点の地点について測定される厚み(mm)の算術平均値として求めた。
(発泡体の坪量)
前記積層発泡体1の坪量は、積層発泡体1の全幅に亘って幅250mmの試験片を切り出し、該試験片の重量(g)を試験片の面積(シート幅(mm)×250mm)で割り、1m当たりの積層発泡体1の重量(g)に換算して、これを積層発泡体1の坪量(g/m)を求めた。
(幅方向(TD方向)に連続した50mmにおける幅2mm毎の発泡体坪量の最大と最小の差)
発泡体の幅方向(TD方向)に連続した50mmにおける幅2mm毎の発泡体坪量の最大と最小の差は、幅方向50mm、長さ500mmに切り取ったサンプル片を幅2mm毎にスリットに切り出し、幅2mm長さ500mmの重量を測定して坪量を算出し、その中の最大値から最小値を減じて求めた。
(発泡体表面の輪郭曲線の最大高さ)
発泡体表面の輪郭曲線の最大高さは、JIS B0601(2001年)に準拠して、株式会社小阪研究所製のサーフコーダSE1700αを使用して測定した。発泡体の幅方向について、等間隔に30mmの試験片を5点切り出し、この試験片を水平な台に静置し、先端曲率半径が2μmの触針の先端を試験片のシート表面に当接させて、0.5mm/sの移動速度で幅方向に移動させて、触針の上下変異を順次測定した。試験片の移動距離で特定される測定長さはカットオフ値(8mm)の3倍以上の長さとした。得られた5点の測定値の算術平均値を発泡体表面の輪郭曲線の最大高さとした。
(印刷性)
印刷性は、発泡体の厚みの2倍の深さを有する縦150mm×横150mmの金型を用い、成型時に発泡体厚みが成型前の2倍となる条件で、発泡体を成型し、得られた成型品の着色積層樹脂面にIGTテスティングシステムズ株社製IGTオレンジプールファを用いて印刷幅50mm、印刷速度0.3m/秒、印圧200Nで印刷を行い、印刷性を以下の基準で評価した。
○・・・印刷かすれがない
×・・・成形品に印刷かすれが見られる
(表面抵抗率)
発泡体表面の表面抵抗率は、下記の試験片の状態調整を行った後、JIS K6271(2001年)に準拠して測定した。
測定対象物である発泡シートから縦100mm×横100mm(厚さは発泡体の厚み)の大きさに切り出した試験片を温度30℃、相対湿度30%の雰囲気下に36時間放置することにより試験片の状態調整を行ってから、JIS K6271(2001)に準拠して、印加電圧500Vの条件で表面抵抗率を求めた。
1 ポリスチレン系樹脂積層発泡体(発泡体)
2 ポリスチレン系樹脂発泡層(発泡層)
3 ポリスチレン系樹脂層(I)(着色樹脂層)
4 ポリスチレン系着色樹脂層(II)(樹脂層)
5 樹脂層(I)を形成するポリスチレン系樹脂
6 樹脂層(II)を形成するポリスチレン系樹脂
7 着色剤
8 揮発性可塑剤
9 樹脂層(I)形成用樹脂溶融物
10 樹脂層(II)形成用樹脂溶融物
11 発泡層を形成するポリスチレン系樹脂
12 物理発泡剤
13 発泡層形成用樹脂溶融物
14 第1の押出機
15 第2の押出機
16 第3の押出機
17 環状ダイ
V 積層部
V1 流路孔
V2 流路孔
X 積層直前部
Y 積層直後部
Z 筋状形成部品

Claims (4)

  1. ポリスチレン系樹脂発泡層の少なくとも片面に、ポリスチレン系樹脂層が共押出により積層されたポリスチレン系樹脂積層発泡体であって、該ポリスチレン系樹脂層が、押出方向に筋状に形成されている複数のポリスチレン系樹脂層が幅方向に連続した状態で、且つ幅方向に隣り合う樹脂層が異なる層となって形成されており、該ポリスチレン系樹脂積層発泡体の見掛け密度が0.04〜0.21g/cmであり、該ポリスチレン系樹脂層の総坪量が2〜100g/mであることを特徴とするポリスチレン系樹脂積層発泡体。
  2. 前記ポリスチレン系樹脂積層発泡体の厚みが0.5〜10mmであり、前記ポリスチレン系樹脂積層発泡体の坪量が70〜600g/mであることを特徴とする請求項1に記載のポリスチレン系樹脂積層発泡体。
  3. 前記ポリスチレン系樹脂積層発泡体の前記ポリスチレン系樹脂層の表面の輪郭曲線の最大高さが20μm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のポリスチレン系樹脂積層発泡体。
  4. 前記複数のポリスチレン系樹脂層が2種類の押出方向に筋状に形成されている樹脂層からなり、該樹脂層が幅方向に交互に連続して形成され、少なくとも一方の樹脂層に着色剤が配合されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のポリスチレン系樹脂積層発泡体。
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