JP4008904B2 - ポリスチレン系樹脂積層発泡シート - Google Patents

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Description

本発明は、ポリスチレン系樹脂積層発泡シートに関し、特に広い範囲の加熱成形条件にて印刷性に優れる容器を成形可能なポリスチレン系樹脂積層発泡シートに関する。
ポリスチレン系樹脂積層発泡シートは、加熱成形による成形体を得るための成形用シートとして従来から広く利用されてきた。このポリスチレン系樹脂積層発泡シート(以下、単に積層発泡シートともいう。)は、ポリスチレン系樹脂発泡シートに耐衝撃性を有するポリスチレン系樹脂層が積層されたシートである。該積層発泡シートは、押出機を用いてポリスチレン系樹脂と気泡調整剤等の各種の添加剤と発泡剤とを溶融混練することによって発泡性溶融混合樹脂とし、該発泡性溶融混合樹脂を、高圧のダイ内から大気圧下に放出することによってポリスチレン系樹脂発泡シートを形成した後、耐衝撃性ポリスチレン系樹脂層を積層したり、発泡性溶融混合樹脂と耐衝撃性ポリスチレン系樹脂溶融物を共押出すること等によって製造される。
このようにして得られた積層発泡シートを加熱成形してなる発泡シート成形体(以下、単に成形体ともいう。)は、断熱性に優れ、しかも軽量で安価なことから広く使用されている。
しかし、従来の成形体は、成形直後の印刷性が劣るという問題を有していた。即ち、積層発泡シートを加熱成形することによって得られた成形体は、商品価値の向上のため、その外側側面に図柄や文字などの曲面印刷が施される。ところが、従来の成形体は、加熱成形後長時間経過後であれば美麗な印刷を施すことができるが、生産性を向上させるために加熱成形直後に印刷すると、印刷かすれ等の印刷不良が発生しやすく、商品価値がなくなるという欠点を有していた。
積層発泡シートを加熱成形した直後の成形体において印刷不良が発生しやすいのは、積層発泡シートを構成するポリスチレン系樹脂発泡層中の気泡中の圧力が減圧状態にあり圧縮強度が低いことから、強い印圧で印刷することができないことによるものである。従って、低い印圧であっても美麗な印刷が可能な成形体を製造することができる積層発泡シートの開発が望まれてきた。具体的には、成形容器の表面粗さが小さければ低い印圧でも、印刷ぬけと呼ばれる印刷時にインキの一部分抜け落ちる箇所が発生する等の印刷不良が発生しないと考えられることから、容器の表面粗さを小さくすることが試みられてきた。尚、加熱成形直後の成形体を構成する気泡中の圧力が減圧状態になるのは、加熱成形時の加熱によりシートが発泡し、延伸されることによって体積が増大し気泡内の気圧が低くなることによるものである。
一方、成形体の表面粗さを小さくする技術としては、例えば特開平9−272165号公報(特許文献1)に開示されたものがある。特許文献1には、積層発泡シートの密度が最低になるように2次発泡させた後の圧縮変形量が0.5mm以下であるとともに、中心線表面粗さが15μm以下にすることが記載されている。しかし、特許文献1で規定されている中心線表面粗さは15μm以下であるが、実施例にて得られている該中心線表面粗さは6〜13μmという大きな値のものなので、得られる成形体の印刷性は未だ不十分なものであった。
特許文献1の技術を改良するものとして、特開2001−129939号公報(特許文献2)に開示された技術がある。特許文献2には、加熱成形によって得られたポリスチレン系樹脂発泡積層体容器において、印刷が施される面の中心線表面粗さRa、発泡部の発泡体密度ρ、およびセルのアスペクト比Rから求められる印刷性特性Pを特定範囲に制御することが記載されている。しかし、特許文献2には、印刷性に優れた容器の特性は記載されていても、いかなる積層発泡シートを用いれば該容器を得ることができるかについては十分に記載されておらず、特別な積層発泡シートを使用して通常の加熱成形をすることにより該容器が得られるのか、或いは、通常の積層発泡シートを使用して特別な加熱成形をすることにより該容器が得られるのか、製造方法について不明である。従って、印刷性に優れた容器を得ることができる積層発泡シートを開発するという観点から評価した場合、特許文献2の技術は未だ未完成な技術である。
特開平9−272165号公報 特開2001−129939号公報
本発明は、表面平滑性に優れる良好な成形体を得ることができる加熱成形条件範囲が広く、印刷ぬけ等の印刷不良が発生することのない成形体を成形可能な積層発泡シートを提供することを目的とする。
本発明者等は、加熱成形時における積層発泡シートの挙動を観察した結果、加熱初期は表面粗さが大きく外観が悪くなるが、更に加熱すると徐々に表面粗さが小さくなることを見出し、この知見に基づいて、二次発泡厚みの変化を緩やかにし、ヤケの発生を防止すると共に、二次発泡厚みの変化と表面粗さの変化を同期させることに想到し、本発明に到達した。尚、本明細書におけるヤケとは、シート加熱の際に過加熱によって表面が粗くざらついている状態、或いは、半溶融化しケロイド状になっている状態を言う。
本発明によれば、以下に示すポリスチレン系樹脂積層発泡シートが提供される。
〔1〕 見掛け密度が0.08〜0.20g/cmのポリスチレン系樹脂発泡層と該発泡層の少なくとも片面に設けられている坪量50〜150g/mのポリスチレン系樹脂層とからなる、厚みhが1.5〜3.0mmのポリスチレン系樹脂積層発泡シートであって、
該積層発泡シート中のブタン残存量が1.50〜2.20重量%であり、
該積層発泡シートの145℃、40秒の加熱条件における、押出方向の加熱後寸法(A)と幅方向の加熱後寸法(B)との比(A)/(B)が0.90〜1.10であり、
該積層発泡シートを145℃の加熱温度条件にて加熱時間を変化させて二次発泡させた場合に、下記条件式(1)を満足する二次発泡厚みt(mm)を示す全ての二次発泡後の該積層発泡シートのポリスチレン系樹脂層表面の中心線表面粗さが0.1〜1.2μmであることを特徴とするポリスチレン系樹脂積層発泡シート。
T−0.25h ≦ t ≦ T (1)
(但し、Tは該積層発泡シートの最大二次発泡厚み(mm)、tは最大二次発泡厚みT(mm)に達するまでの該積層発泡シートの二次発泡厚み(mm)である。)
〕 該ポリスチレン系樹脂発泡層における厚み方向の気泡径が5〜70μmの気泡の平均気泡数が、ポリスチレン系樹脂発泡層とポリスチレン系樹脂層との界面から厚み方向に200μmまでの範囲において40〜6000個/mmであることを特徴とする前記〔1〕に記載のポリスチレン系樹脂積層発泡シート。
本発明の請求項1に係わる発明によれば、加熱成形(以下、単に熱成形ともいう。)時の加熱成形条件範囲が広く加熱成形が容易であると共に、その加熱成形条件範囲において樹脂層表面粗さが小さく調整され、得られた成形体を印刷しても、特に加熱成形直後に印刷しても、印刷ぬけ等の印刷不良が発生することがない積層発泡シートが提供される。
また、本発明の請求項2に係わる発明によれば、更に優れた成形性および印刷性を有する積層発泡シートが提供される。
以下、本発明のポリスチレン系樹脂積層発泡シートについて詳細に説明する。
本発明の積層発泡シートは、ポリスチレン系樹脂発泡層(以下、単に発泡層ともいう。)と該発泡層の少なくとも片面に積層されたポリスチレン系樹脂層(以下、単に樹脂層ともいう。)とからなる。
本発明の発泡層の見掛け密度は0.08〜0.20g/cmであり、0.09〜0.20g/cmが好ましく、更に0.11〜0.20g/cmが好ましく、特に0.13〜0.19g/cmが好ましい。見掛け密度が低すぎると、得られる成形体の保形性や天地圧縮強度等の機械的強度が低くなる虞がある。見掛け密度が高すぎると、断熱性が低くなる虞や、コストが高くなる虞がある。
上記発泡層を構成するポリスチレン系樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリメチルスチレン、ポリスチレンとポリフェニレンエーテルとの混合物などが挙げられる。
本発明の積層発泡シートにおいては、上記発泡層の少なくとも片面に坪量50〜150g/mのポリスチレン系樹脂層が形成されている。該坪量が50g/m未満の場合は、樹脂層が薄すぎて成形体の機械的強度や印刷適性を向上させるという効果が十分に得られない虞がある。この観点から、該坪量は90g/m以上が好ましく、100g/m以上がより好ましい。一方、該坪量が大きすぎる場合は、過剰な剛性となり、コストも高いものとなる虞れがある。この観点から、該坪量は130g/m以下が好ましい。
上記樹脂層は発泡層を構成するポリスチレン系樹脂と同様のものを使用することができる。更に、耐衝撃性に優れたものとなる点から、スチレン成分とゴム成分とからなり、両者の総和を100重量%とした場合、スチレン成分65〜98重量%、ゴム成分35〜2重量%とからなるポリスチレン系樹脂が好ましい。具体的には例えば次のものが挙げられる。
(1)スチレン成分とゴム成分とからなるランダム共重合体樹脂、ブロック共重合体樹脂、グラフト共重合体樹脂、又はこれら共重合体樹脂の2種以上の混合物。
(2)上記(1)の樹脂とスチレン単独重合体との混合物。
(3)スチレン単独重合体とゴム(熱可塑性エラストマーも含む)との混合物。
(4)上記(1)の樹脂又は(2)の樹脂と、ゴム(熱可塑性エラストマーも含む)との混合物。
なお、樹脂層を構成する樹脂としては、積層発泡シート及びその成形体への耐衝撃性付与並びに強度付与の観点から、シャルピー衝撃強さJIS K7111(1996年)において方法の分類をISO179/1eAとしてその値が3〜20kJ/m、好ましくは6〜16kJ/mのものを使用することが好ましい。
また、上記樹脂層は、深絞り成形性に優れていることから、無延伸のものが好ましい。
本発明の積層発泡シートの厚み(以下、一次厚みともいう。)hは1.5〜3.0mmであり、1.9〜2.9mmが好ましく、2.0〜2.8mmがより好ましい。該一次厚みhが1.5mm未満の場合、厚みが薄すぎて深絞り成形ができない虞や、得られる成形体に熱湯を入れた場合、変形する虞がある。一方、該一次厚みhが3.0mmを超える場合、熱成形時にナキや中割れの成形不良が発生する虞がある。
上記ナキとは、厚みが厚すぎる場合や発泡シートの熱成形時の伸びが不充分なことに起因して起こる現象で、得られた成形体の口縁部付近の周壁に亀裂が発生することをいい、また中割れとは、ナキと同様の理由により得られた成形体の側面部に亀裂が発生することをいう。これらナキや中割れが発生した成形体は商品として価値がないものである。
本発明の積層発泡シートは、該積層発泡シートを加熱することにより二次発泡して厚みを増す。そして、145℃の加熱温度条件による二次発泡により厚みを増した積層発泡シートの厚み(以下、二次発泡厚みという。)t(mm)が下記条件式(1)にて示される全範囲内において、該積層発泡シートの樹脂層表面の中心線表面粗さが0.1〜1.2μmとなっているものである。
T−0.25h≦t≦T (1)
但し、Tは該積層発泡シートを最も厚く二次発泡させた際の該積層発泡シートの二次発泡厚み(以下、最大二次発泡厚みと言う。)(mm)、tは最大二次発泡厚みT(mm)に達するまでの該積層発泡シートの二次発泡厚み(mm)である。また、hは加熱前の積層発泡シートの厚み、即ち一次厚み(mm)である。
上記条件式(1)で示される二次発泡厚みtの範囲は、例えば、丼成形用の積層発泡シートの場合、通常一次厚みhが2mm、最大二次発泡厚みTが5.2mmであることから、4.7≦t≦5.2となる。この条件式(1)で示される範囲は、好ましく熱成形を行なうことができる二次発泡厚みの範囲を表し、条件式(1)で示される全ての範囲で、中心線表面粗さ(以下、単に表面粗さともいう。)が0.1〜1.2μmであることは、中心線表面粗さが加熱成形可能な全ての範囲で小さいことを意味し、これらの要件を満たす積層発泡シートは印刷ぬけ等の印刷不良が発生することがなく、特に加熱成形直後の印刷不良が発生し易い状態の成形体に対しても有効に印刷不良発生を抑制することができる。
本明細書において、上記積層発泡シートの145℃での加熱は、積層発泡シートの厚みはそのままとして該積層発泡シートから、縦、横のそれぞれの辺が、発泡層の押出方向、幅方向と一致するようにして、一辺260mmの正方形サンプルを切り出して行なうものとする。具体的には、次のように行う。
積層発泡シートの厚みはそのままとして積層発泡シートから、縦、横のそれぞれの辺が、発泡層の押出方向、幅方向と一致するようにして、一辺260mmの正方形サンプルを切り出す。
次に、縦200mm、横200mmの正方形の窓部を有する2枚の木枠間に該サンプルを挟み込む。
かかる状態に木枠間に保持された積層発泡シートサンプルを、145℃に温度調節された空気循環式オーブン(例えば、タバイエスペック株式会社製 品番PERFECT OVEN PH−200)に入れて所定時間加熱した後、オーブンから取り出して25℃の温度条件下に放置して冷却して二次発泡した積層発泡シートを得る。なお、上記所定時間の加熱は、3秒間、6秒間、9秒間、12秒間,15秒間、18秒間、21秒間、24秒間、27秒間、30秒間、33秒間、36秒間、更に、必要に応じて順次プラス3秒間の3秒毎とし、得られた各々の加熱後のサンプルの二次発泡厚み及び中心線表面粗さのデータに基づき図1に示すグラフを得ることができる。尚、上記測定は、サンプルにヤケが発生し二次発泡厚みの低下が確認されるまで行う。
また、上記測定において加熱条件を145℃としたのは、積層発泡シートの加熱炉を使用した成形体の連続生産における熱成形時の挙動を、空気循環式オーブンにて再現する上で好適な条件であるためである。
上記中心線表面粗さの下限値は、0.1μm未満でも構わないが、概ね本発明の目的、効果を達成する上で、積層発泡シートの中心線表面粗さとして、0.1μm程度以上であれば十分な効果が見込まれることによるものである。一方、上記中心線表面粗さが1.2μmを超えると、金型加熱成形により得られた成形体は、印刷抜けが発生する虞がある。
本明細書における発泡層の見掛け密度、一次厚みh、樹脂層の坪量等は次の方法に従って測定される。
まず、本発明の積層発泡シートから、積層発泡シートの押出方向と一致する方向に50cm、且つ積層発泡シートの幅方向と一致する方向に50cmの正方形のサンプルを切り出す。尚、この際、幅方向の中央部とサンプル中央部が一致するようにする。
次に、サンプルの幅方向のいずれか一方の垂直断面において、片方の端部を基準として5cm間隔で他方の端部に至るまでの幅方向両端部を除く合計9箇所の測定点について、積層発泡シートの一次厚みhと発泡層の厚みを、顕微鏡で撮影した写真に基づいて測定する。
上記9箇所の測定点の測定値を相加平均することにより、積層発泡シートの一次厚みh(mm)と発泡層の厚み(mm)を求める。また、積層発泡シートの一次厚みhから上記発泡層の厚み(mm)を引くことによって得られる値をもって、樹脂層の厚み(mm)とする。
また、上記サンプルの重量(g)を測定し、その測定値を1m当たりの積層発泡シートの重量に換算して積層発泡シートの坪量(g/m)とする。樹脂層の1m当たりの重量(g)である樹脂層の坪量(g/m)は、樹脂層の密度、即ち樹脂層の基材樹脂の密度に上記樹脂層の厚みを掛算し単位に変換することによって求められる。また、発泡層の1m当たりの重量である発泡層の坪量(g/m)は、積層発泡シートの坪量(g/m)から樹脂層の坪量(g/m)を引算することによって求められる。
発泡層の見掛け密度は上記発泡層の坪量(g/m)を上記発泡層の厚みにて割り算し単位換算することによって求められる。
また、本発明における二次発泡厚みは、加熱冷却後のサンプルの固定枠内側窓部に位置する二次発泡した部分の図2に示す点A〜Iの合計9箇所の測定点について、積層発泡シートの二次発泡厚みを、垂直断面の顕微鏡写真に基づき測定する。そして上記9箇所の測定点の測定値を相加平均することにより、積層発泡シートの二次発泡厚み(mm)を算出する。
また、最大二次発泡厚みは、図1のように得られる二次発泡厚みと加熱時間との関係を示す曲線の二次発泡厚みの最大値をその値とする。
本発明における積層発泡シートの樹脂層表面の中心線表面粗さは、表面粗さ計を用いてJIS−B0601(1994)に準じて測定する。表面粗さ計としては一般に使用されているものでよく、例えば、(株)小坂研究所製のサーフコーダSE−3OD、サーフコーダSE1700αが挙げられる。中心線表面粗さの測定は、前記測定サンプルの幅方向に沿って8mmの測定距離を5回測定し、その平均値を中心線表面粗さとする。なお、測定時の計測速度は0.25mm/秒以下で実施する。
次に、図1に基づき、従来の積層発泡シートと対比しながら、上記本発明の特徴について具体的に説明する。図1は、加熱温度一定の条件における、加熱時間(横軸)に対する二次発泡厚みt(左の縦軸)、中心線表面粗さ(右の縦軸)の変化を表すグラフであり、実線が本発明の積層発泡シート、破線が従来の積層発泡シートである。
但し、図1には、本発明の実施例の一例として、一次厚みhが2.3mm、最大二次発泡厚みTが5.4mmの積層発泡シートについて示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
本発明の積層発泡シートにおいては、図1に示すように、二次発泡厚みtが緩やかに増加し、しかも二次発泡厚みtが(T−0.25h)に達する付近から略一定の値となって、ヤケが発生することなく最大二次発泡厚みTに徐々に近づいて行く。これに対し、従来の積層発泡シートにおいては、二次発泡厚みtが急激に増加し、最大二次発泡厚みに達すると、間もなくヤケが発生し始めて二次発泡厚みtは減少し二次発泡厚みの水平領域はほとんど現れていない。
本発明における二次発泡厚みtが上記のように変化するのに対し、本発明での中心線表面粗さは、二次発泡厚みtが(T−0.25h)に達する前に最大の値となり、それ以後は徐々に小さくなり、二次発泡厚みtが(T−0.25h)に達してからは略一定値の水平領域となる。これに対し、従来の積層発泡シートにおいては、中心線表面粗さは、本発明のものと略同じ加熱時間で最大の値となるが、その最大値は本発明のものの最大値よりも大きく、それ以後は徐々に小さくなっても成形可能範囲における中心線表面粗さが本発明よりも大きな値となる。なお、本発明の積層発泡シートにおいて、中心線表面粗さの最大値が従来のものの該最大値よりも小さくなる理由は、シートの加熱過程においシートの収縮挙動が小さく、それに伴うシート表面の微少なうねりが小さいためであるためと考えられる。
図1に示されるように、本発明では二次発泡厚みの変化を緩やかにすることによりヤケの発生が防止され、二次発泡厚みの変化が水平に近い曲線領域(以下、二次発泡厚みの水平領域という。)が現れることにより、成形可能な加熱時間の範囲が広くなっている。更に、表面粗さの変化が緩やかになり水平に近い曲線領域(以下、表面粗さの水平領域という。)と該二次発泡厚みの水平領域とを熱成形加熱時間に対して同期させることができるので、二次発泡厚みの変化のみに着目して成形条件を設定すれば表面粗さの小さい成形体を容易に得ることができる。この構成は、本発明者等が、積層発泡シートの加熱状態について解析、検討した結果、積層発泡シートの加熱時において中心線表面粗さの最大値を小さくすることと二次発泡厚みの水平領域を形成させることとを同時に成し遂げたことによる。なお、表面粗さの微妙な変化を積層発泡シートの加熱成形時に見極めることは困難である。そこで、本発明においては表面粗さの水平領域と二次発泡厚みの水平領域とを同期させることによって、積層発泡シートの加熱成形時に見極めることが可能な二次発泡厚みの変化に着目するたけで、表面粗さの小さい状態のものであるか否かが判別でき、その結果、二次発泡厚みの水平領域にて積層発泡シートを熱成形すれば、表面粗さの小さな良好な成形体を得ることができる。
積層発泡シートの表面および全体厚みは、加熱が進むにつれて次の(1)〜(4)の段階で変化する。積層発泡シートを加熱すると、まず1)発泡積層シートの樹脂層表面に凹凸が発生し同時に表面粗さが大きくなる(例えば、145℃の空気循環式オーブンにて再現すると図1本発明品の加熱時間20秒付近)。次に、2)加熱により発泡がより進むにつれて樹脂層表面の凹凸が小さくなり表面粗さも小さくなり(同図1本発明品の加熱時間20〜30秒付近)、3)更に発泡が進むと表面粗さは更に小さくなり(同図1本発明品の加熱時間30秒〜75秒付近)、4)加熱され過ぎると発泡層や樹脂層にヤケが発生する(同図1本発明品の加熱時間75秒以降)。
発泡積層シートを加熱すると、その表面状態は前述したように1)〜4)の段階からなり、表面粗さが小さな成形体を得るには3)の段階で前記条件式(1)を満足する二次発泡厚みtを保持している加熱軟化状態の発泡積層シートを成形する必要がある。そして、本発明の発泡積層シートは、上記の表面粗さが小さな成形体を得るために必要な状態を維持している時間が長いものである。
本発明の積層発泡シートにおいては、発泡剤として少なくとも50モル%以上のブタンを含むものを用いることが好ましく、その場合は積層発泡シート中のブタン残存量が1.50〜2.20重量%であ、1.50〜2.10重量%が好ましく、1.60〜2.00重量%がより好ましい。
ブタン残存量が目的とする二次発泡厚みとの関係において少なすぎる場合には、前記3)の段階に至るためにシートに過多な熱量を与える必要がありヤケなどの不具合の虞がある。一方、ブタン残存量が目的とする二次発泡厚みとの関係において多すぎる場合には、二次発泡厚みtが急激に増加して図1に示すような二次発泡厚みにおける水平領域が得られず、ナキやヤケなどの成形不具合を引き起こす虞がある。
本明細書におけるブタン残存量の測定は、積層発泡シートから採取した短冊状の測定試料を、トルエンを入れた蓋付の試料ビンの中に入れ、撹拌して積層発泡シート中のブタンをトルエンに溶解させた後、ブタンを溶解したトルエンをマイクロシリンジで採取してガスクロマトグラフィー分析にかけて、内部標準法により求めることができる。
また、本発明の積層発泡シートを構成する発泡層においては、発泡層と樹脂層との界面から厚み方向に200μmまでの範囲(以下、発泡層表層部ともいう。)における厚み方向の気泡径が5〜70μmの気泡の平均気泡数が、40〜6000個/mm、更に250〜6000個/mm、更に500〜5000個/mm、特に1000〜4000個/mmであることが好ましい。なお、この場合、発泡層表層部の全気泡数に対して該気泡径が5〜70μmの気泡の平均気泡数が50%以上、更に70%以上、特に85%以上であることが好ましい。該気泡径が5〜70μmの気泡の平均気泡数が上記範囲内であれば、従来の積層発泡シートにおいては熱成形時においてヤケ等の発生が懸念されるが、本発明のものはそのような心配はなく、得られる成形体の加熱成形直後における印刷性が更に良好になる等の優れた効果を有するものとなる。なお、該気泡径が5〜70μmの気泡の平均気泡数の調整方法としては、例えば、発泡シートの押出発泡成形時に押出直後の発泡シート表面をエアーなどで急冷し気泡の発生を抑制すると共に樹脂層を積層接着する際の熱接着温度を通常よりも低く設定する方法や、発泡シート表面をエアーなどで急冷し気泡の発生を抑制すると共に樹脂層を積層接着する前に発泡シートを微細セルが形成され無い程度の温度に調整された加熱ロール間に通して、発泡シート表面に含有されている発泡剤を揮散させて発泡剤含有量を低下させた後に通常の温度で樹脂層を積層接着する方法等が挙げられる。
上記平均気泡数の測定方法としては、積層発泡シートの押出方向の垂直縦断面を撮影した顕微鏡写真(倍率を200倍)に基づき、樹脂層と発泡層との界面から発泡層側の厚さ200μmとそれに直交する方向に500μm、即ち200μm×500μmの範囲内に存在する気泡についてカウントし、1mm2あたりの気泡数に換算した値を平均気泡数(個/mm2)とする。なお、該平均気泡数の測定にあたっては、気泡の一部でも上記範囲に含まれている場合はカウントする。特に、気泡径が5〜70μmの気泡の平均気泡数測定は、上記範囲内において厚み方向の気泡径が5〜70μmの気泡数を全てカウントし、1mm2あたりの気泡数に換算した値を平均気泡数(個/mm2)とする。
また、本発明の積層発泡シートにおいては、積層発泡シートの145℃、40秒の加熱条件における、押出方向の加熱後寸法(A)と幅方向の加熱後寸法(B)との比(A)/(B)が0.90〜1.10である。
該比(A)/(B)がこの範囲内であれば、前記の図1における積層発泡シートの中心線表面粗さの最大値が更に小さくなり、その結果表面粗さの水平領域の中心線表面粗さの値も小さくなるので印刷性が更に良好なものが得られ、また、深絞り成形性時においてもナキ、中割れ等の成形時の不具合の発生の心配がなく、更にドローダウンも小さくなり特に優れた成形性を示すものとなる。尚、ドローダウンとは、熱成形時に長尺な積層発泡シートの両側縁をクランプして加熱ゾーンに搬送し、該加熱ゾーンでシートの両面をヒーター加熱してシートを成形可能な状態に軟化させる際に、積層発泡シートが膨張及び自重によって垂れ下がる現象であり、積層発泡シートの加熱ムラの原因の一つで、ドローダウンが発生すると成形性が悪化する。
該比(A)/(B)の値の調整方法としては、例えば、押出方向の加熱後寸法(A)は、ダイ出口の間隙を調整することによって制御することができる。具体的には、ダイ出口の間隙を大きくすることによって加熱後寸法は小さくなる傾向がある。また、ダイ内の樹脂流路の出口のテーパー角度(図3)を調整することも好ましい方法である。具体的にはテーパー角度を大きくすることによって、加熱後寸法は小さくなる傾向がある。また、幅方向の加熱後寸法(B)は、ブローアップ比を大きくすると小さくなる傾向があるので、ブローアップ比を調整することにより制御することができる。ここで、ブローアップ比とは、マンドレルの直径をダイ出口の口径で割った値をいい、通常は2.5〜4.5である。更に、押出方向の加熱後寸法(A)を調整する方法として、ダイを冷却する方法が挙げられる。具体的には、ダイ温度よりも低温の冷却媒体により、ダイ外周やダイの内部に位置するダイシャフトを冷却する方法等が好ましく挙げられる。この場合の冷却媒体としては、オイルや温水などが挙げられる。
本発明における145℃、40秒の加熱条件での押出方向の加熱後寸法(A)と幅方向の加熱後寸法(B)は、一辺200mmの正方形サンプルを用いて測定した値である。具体的には、加熱後寸法の測定は次のように行う。
積層発泡シートの厚みはそのままとして積層発泡シートから、縦、横のそれぞれの辺が、発泡層の押出方向、幅方向と一致するようにして、一辺200mmの正方形サンプルを切り出す。次に、縦300mm以上、横300mm以上の2枚の金網間に該サンプルを保持する。尚、金網は直径0.1の針金からなり20mm間隔に格子が形成されているものを使用し、2枚の金網間に該サンプルを保持する際の2枚の金網の間隔は5mmとする。
かかる状態で金網間に保持された積層発泡シートサンプルを、145℃に温度調節された空気循環式オーブン(例えば、タバイエスペック株式会社製 品番PERFECT OVEN PH−200)に入れて40秒加熱した後、オーブンから取り出して25℃の温度条件下に放置して冷却する。次に、該冷却後のサンプルの各方向の中心線の長さ、即ち加熱後寸法(A)、(B)を測定する。
このようにして得られる押出方向の加熱後寸法(A)の値は、具体的には190〜204mmが好ましく、更に192〜203mmであることが好ましく、特に194〜201mmであることがより好ましい。
次に、本発明の積層発泡シートの製造方法について説明する。
まず、押出機にポリスチレン系樹脂、気泡調節剤等の各種の添加剤を押出機に供給し、加熱、溶融、混練し、更に発泡剤を圧入、混練して溶融樹脂混合物とし、溶融樹脂混合物を発泡適性温度に調整して発泡性溶融樹脂混合物とし、押出機の出口に取付けた環状ダイを通して大気中に押出して筒状に発泡させる。次に、得られた筒状発泡体を円柱状の冷却装置(マンドレル)に沿わせ引取りながら冷却すると共に切り開いてシート状の発泡層を形成する。
樹脂層は、発泡層が押出後ロール状に巻き取られるまでの間に他の押出機を用いて押出ラミネーション法により積層してもよく、共押出ダイを用いて発泡性溶融樹脂混合物と樹脂層用溶融樹脂とを積層合流させてから押出すことにより形成してもよい。また、発泡層を形成してから数日後に他の押出機を用いて押出ラミネーション法により積層してもよければ、フィルムをラミネートしてもよい。上記樹脂層の形成方法の中では押出ラミネーション法が特に好ましく、坪量90g/mを超える十分な厚みの成形性に優れた無延伸の樹脂層を形成することができる。
前記押出機に圧入する発泡剤としては、有機系物理発泡剤、無機系物理発泡剤等を、それぞれ単独で又は2以上組み合わせて用いられる。有機系物理発泡剤としては、例えばプロパン、ノルマルブタン、イソブタン、イソペンタン、ノルマルペンタン、ヘキサン等の脂肪族炭化水素類、シクロペンタン、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素類、メチルクロライド、エチルクロライド、エチレンクロライド等のハロゲン化炭化水素類等が挙げられる。無機系物理発泡剤としては、二酸化炭素、窒素、空気等の不活性ガス、水が用いられる。また上記の物理発泡剤に化学発泡剤を併用することもできる。該化学発泡剤としては、アゾジカルボンアミド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、アゾビスイソブチロニトリル、重炭酸ナトリウム等が挙げられる。これらの中でも、積層発泡シートの二次発泡性を調整する上で、ブタン或いは、ブタンを主成分とする混合発泡剤が好ましい。
前記ポリスチレン系樹脂と共に押出機に供給される気泡調整剤としては、タルク、シリカ等の無機粉末や、多価カルボン酸の酸性塩、多価カルボン酸と炭酸ナトリウム或いは重炭酸ナトリウムとの反応混合物等が挙げられる。気泡調整剤の添加量は、樹脂100重量部当たり、0.3〜2重量部程度である。
そして、本発明の積層発泡シートは、特に、積層発泡シートの発泡剤残存量を通常の値よりも少なくすることと、積層発泡シートの押出方向と幅方向の加熱収縮挙動の主原因となる積層発泡シートの押出方向と幅方向の残留歪の差を調整して小さくすることにより製造される。
そのことを図1に基づいて説明すると、発泡剤の残存量を少なくすることにより、積層発泡シートの二次発泡厚みの変化を緩やかにすることができるので、二次発泡厚みの変化が緩やかな二次発泡厚みの水平領域が現れ、成形可能な加熱時間の範囲が広くなり、表面粗さの変化が緩やかな表面粗さの水平領域と二次発泡厚みの水平領域とを同期させることができるので、表面粗さの小さい成形体を得ることができる。また、積層発泡シートの押出方向と幅方向の残留歪を調整して差を小さくすることにより、中心線表面粗さの最大値を小さくすることができ、その結果、表面粗さの水平領域の値が極めて小さな値となる。
なお、積層発泡シート中の発泡剤の残存量および積層発泡シートの押出方向と幅方向の残留歪の具体的な値としては、前述の通りである。
本発明の積層発泡シートは、従来公知の成形方法によって成形することができ、特に絞り比(成形体深さ/成形体上面開口部面積を円に換算した場合の直径)0.5以上の深絞り成形性に優れている。成形方法としては、真空成形、圧空成形や、これらの応用として、フリードローイング成形、プラグアンドリッジ成形、リッジ成形、マッチドモールド成形、ストレート成形、ドレープ成形、リバースドロー成形、エアスリップ成形、プラグアシスト成形、プラグアシストリバースドロー成形等やこれらを組合せた方法等が採用される。上記成形方法の中でも、積層発泡シートの金型密着性を向上させるようなマッチドモールト゛成形等が好ましく採用される。
以下、本発明の積層発泡シートについて、実施例により具体的に説明する。但し、本発明は実施例に限定するものではない。
実施例1
ポリスチレン系樹脂として、PSジャパン株式会社製G0002を使用し、該ポリスチレン系樹脂100重量部に対してタルク0.90重量部を配合した原料を内径115mmの押出機に投入して加熱溶融混練することにより溶融樹脂とし、該溶融樹脂にイソブタン65重量%とノルマルブタン35重量%の混合ブタン発泡剤を圧入して混練し、溶融樹脂混合物とした。なお、発泡剤の添加量は、ポリスチレン系樹脂100重量部に対して3.3重量部である。
次いで、上記115mmの押出機の下流側に接続された内径180mmの押出機にて、上記発泡性溶融混合樹脂をブレーカー部の測定温度が156℃となるように冷却して発泡性溶融樹脂混合物とし、該発泡性溶融樹脂混合物を出口部分のテーパー角7°、出口間隙0.67mmの環状ダイを通して、押出発泡させ、その直後に内側から温度25℃の冷却エアを風量1.8m/minで吹きつけ、同時に外側から温度25℃の冷却エア4.5m/minを吹き付けながら、円筒状の発泡体とし、該発泡体の内面を直径668mmの円柱状冷却装置側面上を通過させながら冷却した後、押出方向に2箇所切り開くことにより約1040mm巾の2枚の発泡シートを得た。マンドレルの直径をダイ出口の口径で割った値のブローアップ比は3.7とした。このとき、ダイ内のシャフト部分に130℃に設定したオイルを循環させ継続的に除熱を行った。
上記方法にて得られた発泡シートを養生した後、以下の押出ラミネート方式により該発泡シート片面に樹脂層を形成した。
他の押出機に、耐衝撃性ポリスチレンとしてPSジャパン株式会社製475Dを投入し、次いで溶融、混練してTダイを通して発泡シートの外表面側(円柱状冷却装置冷却面と反対面側)に240℃の溶融樹脂を押出して1m当たり128gとなるように無延伸樹脂層を積層接着し、厚み2.27mm、坪量が375g/mの積層発泡シートを得た。
得られた積層発泡シートの発泡層見掛け密度、樹脂層坪量、積層発泡シート厚み(一次厚み)h、最大二次発泡厚みT、樹脂層中心線表面粗さ、積層発泡シートブタン残存量、発泡層表層部の厚み方向の気泡径が5〜70μmの平均気泡数、145℃での押出方向の加熱後寸法(A)と幅方向の加熱後寸法(B)等を測定した結果を表1に示す。
得られた積層発泡シートを用いて、樹脂層が外側になるようにマッチドモールト゛成形法により熱成形して、口径がφ141mm、深さ73mm、絞り比0.52の丼状容器成形体を製造した。
積層発泡シート成形性、得られた成形体の印刷性を評価した結果を併せて表1に示す。
なお、成形性の判定は、ナキ、中割れ、ドローダウンによる加熱ムラのいずれも発生しなかった場合を○とし、ナキ、中割れ、ドローダウンによる加熱ムラのいずれか一つでも発生した場合を×とした。
また、容器の印刷性の判定は、熱成形した直後に曲面印刷をして、印刷ぬけ、印刷かすれが無く鮮明に印刷がなされている場合を◎とし、鮮明さにおいて多少劣るが印刷ぬけ、かすれが見られない場合を○とし、印刷ぬけ、かすれのいずれか一つでも有る場合を×とした。
実施例2
ポリスチレン系樹脂100重量部に対してタルク0.85重量部を配合した原料を用い、発泡シート製造時の発泡剤注入量を3.2重量部とし、シートの引取速度を実施例1の約71%に減速し、発泡層の見掛け密度を0.159とした以外は実施例1と同様に製造し、表1に示す発泡層厚み(mm)、発泡層見掛け密度、樹脂層坪量、積層発泡シート一次厚みhのシートを得た。
実施例3
ポリスチレン系樹脂100重量部に対してタルク0.80重量部を配合した原料を用い、発泡シート製造時の発泡剤注入量を3.2重量部とし、円筒状の発泡体を外側から温度25℃の冷却エア4.0m/minを吹き付け、Tダイを通して発泡シートの外表面側に220℃の溶融樹脂を押出した以外は実施例1と同様に製造し、表1に示す発泡層厚み(mm)、発泡層見掛け密度、樹脂層坪量、積層発泡シート一次厚みhのシートを得た。なお、得られた積層発泡シートを熱成形して得られた容器成形体の発泡層表層部には、厚み方向の気泡径が40μm程度の微細気泡が多数発生しており、該発泡層表層部の気泡径5〜70μmの平均気泡数は450個/mm(発泡層表層部の全気泡数に対する百分率75%)であった。
比較例1
発泡シート製造時にダイ内のシャフト部分の除熱を行わず、発泡剤注入量を3.8重量部とし、ダイ出口間隙を0.56mmとし、ダイ出口径を変更してブロー比を4.0とした以外は実施例1と同様に製造し、表1に示す発泡層厚み(mm)、発泡層見掛け密度、樹脂層坪量、積層発泡シート一次厚みhのシートを得た。
比較例2
発泡シート製造時にダイ内のシャフト部分の除熱を行わず、ダイ出口部分のテーパー角度を5°とし発泡剤注入量を3.6重量部とした以外は実施例1と同様に製造し、表1に示す発泡層厚み(mm)、発泡層見掛け密度、樹脂層坪量、積層発泡シート一次厚みhのシートを得た。
Figure 0004008904
加熱時間(横軸)に対する二次発泡厚み、中心線表面粗さの変化を表す説明図である。 積層発泡シートサンプルの二次発泡厚みの測定点の説明図である。 ダイ出口のテーパー部の説明図である。

Claims (2)

  1. 見掛け密度が0.08〜0.20g/cmのポリスチレン系樹脂発泡層と該発泡層の少なくとも片面に設けられている坪量50〜150g/mのポリスチレン系樹脂層とからなる、厚みhが1.5〜3.0mmのポリスチレン系樹脂積層発泡シートであって、
    該積層発泡シート中のブタン残存量が1.50〜2.20重量%であり、
    該積層発泡シートの145℃、40秒の加熱条件における、押出方向の加熱後寸法(A)と幅方向の加熱後寸法(B)との比(A)/(B)が0.90〜1.10であり、
    該積層発泡シートを145℃の加熱温度条件にて加熱時間を変化させて二次発泡させた場合に、下記条件式(1)を満足する二次発泡厚みt(mm)を示す全ての二次発泡後の該積層発泡シートのポリスチレン系樹脂層表面の中心線表面粗さが0.1〜1.2μmであることを特徴とするポリスチレン系樹脂積層発泡シート。
    T−0.25h ≦ t ≦ T (1)
    (但し、Tは該積層発泡シートの最大二次発泡厚み(mm)、tは最大二次発泡厚みT(mm)に達するまでの該積層発泡シートの二次発泡厚み(mm)である。)
  2. 該ポリスチレン系樹脂発泡層における厚み方向の気泡径が5〜70μmの気泡の平均気泡数が、ポリスチレン系樹脂発泡層とポリスチレン系樹脂層との界面から厚み方向に200μmまでの範囲において40〜6000個/mmであることを特徴とする請求項1に記載のポリスチレン系樹脂積層発泡シート。
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