JP6313661B2 - 環境試験装置 - Google Patents

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Description

本発明は熱衝撃試験装置や恒温恒湿装置等に代表される環境試験装置に関するものである。本発明は、冷熱衝撃試験装置や、冷熱サイクル試験装置のように、高温に温度調整された空気を試験室に供給する環境試験装置に適するものである。
環境試験装置の一つに、特許文献1,2等に開示された様な冷熱衝撃試験装置や、冷熱サイクル試験装置がある。これらの環境試験装置は、温度調整された空気を試験室に導入して試験を実施する。
特許文献1に開示されている冷熱衝撃試験装置では、高温に調整された気体を試験室に導入して高温雰囲気下に被試験物を晒す高温晒しモードによる運転と、低温に調整された気体を試験室に導入して低温雰囲気下に被試験物を晒す低温晒しモードによる運転とを順次実施する冷熱サイクル動作を繰り返し実施し、被試験物に熱衝撃を与える。
この種の環境試験装置では、試験室の他に、高温側温調室と、低温側温調室とを有している。
前記した高温側温調室内にはヒータと送風機とが設けられており、送風機で内部の空気を循環しつつ、ヒータで高温側温調室内を昇温する。
低温側温調室内には冷却装置と送風機とが設けられており、送風機で内部の空気を循環しつつ、冷却装置で低温側温調室内の温度を低下させる。
また試験室と高温側温調室の間には、一連の高温側空気循環路が形成されており、当該高温側空気循環路には、高温側ダンパーが設けられている。
同様に試験室と低温側温調室の間にも、一連の低温側空気循環路が形成されており、当該低温側空気循環路には、低温側ダンパーが設けられている。
そして高温晒しモードによる運転を実施する場合には、高温側空気循環路に設けられた高温側ダンパーを開いて高温側温調室から試験室内に高温の空気を導入する。
このとき、低温側空気循環路に設けられた低温側ダンパーは閉じられており、低温側温調室内だけで空気を循環させて低温側温調室の温度を低温に保つ。即ち次の低温晒しモードの実施に備えて、低温側温調室に低温の空気を準備しておく。
逆に低温晒しモードによる運転を実施する場合には、低温側空気循環路に設けられた低温側ダンパーを開いて低温側温調室から試験室内に低温の空気を導入する。
このとき、高温側空気循環路に設けられた高温側ダンパーは閉じられ、高温側温調室内だけで空気を循環させて高温側温調室の温度を高温に保つ。即ち次の高温晒しモードの実施に備えて、高温側温調室に高温の空気を準備しておく。
特開平11−160217号公報 特開平9−304258号公報
ところで冷熱衝撃試験を行う場合、高温晒しモードにおける試験室の設定温度を、摂氏400度程度とする場合があり、この場合、低温晒しモードが実行されている際には次の高温晒しモードに備えて高温側温調室に摂氏450度程度の高温の空気が準備される。
即ち低温晒しモードが実行されている際には、高温側ダンパーが閉じられて試験室と高温側温調室との間が遮断され、高温側温調室内ではヒータに通電されると共に送風機が駆動され、高温側温調室を高温の空気が循環している。
この様に低温晒しモードが実行されている際には、高温側ダンパーが閉じられていて試験室側に高温の空気が漏れることを防止している。
しかしながら、高温側ダンパーには450度程度の高温の空気が接している。かつ送風機によって空気が循環されているので、高温側ダンパーにはある程度の動圧が掛かる。
周知の通り、ダンパー自身、又はダンパーの当接面にはパッキン部材が設けられ、パッキン部材によって気密性が確保される。しかしながら摂氏400度を超える様な高温領域で使用可能なパッキン部材は、種類が限られる。
即ち樹脂やゴムを素材とするパッキン部材は、シール性能が高いが、高温で軟化したり、早期に劣化してしまうという問題がある。
パッキン部材が劣化して気密性がなくなると、低温晒しモードの際に試験室内に高温の空気が流れ込み、試験室内の温度を所望の低温にすることが困難となる。
金属パッキンは、高温に耐えるが、一般に硬く他の部材との馴染みが悪いので、シール性能が劣る。
そのため金属パッキンを使用すると、低温晒しモードの際に試験室内に高温の空気が流れ込みやすく、試験室内の温度を低下させることの妨げとなることがある。
また試験室の扉についても同様であり、高温環境で試験を行う場合には、相当の高温にさらされる。そして扉から外気が進入したり、内部の空気が漏れると、試験室内を高温に維持する妨げとなる。
そこで本発明は、従来技術の上記した問題点に注目し、高温に耐え、且つシール性能が高い封止構造を提案するものであり、試験室内を所望の温度に維持しやすい環境試験装置を提供することを課題とするものである。
上記した課題を解決するための請求項1に記載の発明は、被試験物を配置する試験室と、本体側開口と、当該本体側開口を開閉する開閉部材と、パッキン部材とを有する環境試験装置において、前記パッキン部材は凹変可能及び/又は厚さ方向に変形可能であり、前記パッキン部材は開閉部材の辺部近傍又は本体側開口の開口端近傍のいずれか一方に環状に取り付けられ、開閉部材又は本体側開口の他方には辺状にのびる角辺があり、前記開閉部材が前記本体側開口を閉塞した状態においては、前記角辺が前記パッキン部材と接触し、パッキン部材を凹変及び/又は厚さ方向に変形させるものであって、前記パッキン部材の側面側にパッキン部材の側面を押す押圧部材があり、前記押圧部材は一時締結要素によって開閉部材又は本体側開口に取り付けられるものであって取り付け位置を調整可能であり、押圧部材の取り付け位置を変更することによってパッキン部材への押圧力を変更し、パッキン部材の位置又は姿勢の少なくともいずれかを調節することができることを特徴とする環境試験装置である。
以下、説明を容易にするために、パッキン部材が取り付けられた部材(開閉部材又は本体側開口のいずれか一方)をパッキン側部材と称し、他方の部材(開閉部材又は本体側開口の他方)を当接側部材と称する。
本発明の環境試験装置では、パッキン側部材に設けられたパッキン部材と当接側部材の角辺の接触によって本体側開口が封止される。ここでパッキン部材は、例えばステンレスパッキンである。パッキン部材はある程度の幅があり、且つ凹変可能であるか、厚さ方向に変形可能である。ここで「凹変」「変形」は、塑性変形と弾性変形を含む意味である。
本発明では、パッキン側部材にパッキン部材が取り付けられている。また当接側部材には、辺状にのびる角辺がある。「角辺」は、例えば本体側開口の開口端である。
本発明の環境試験装置では、開閉部材が本体側開口を閉塞した状態においては、当接側部材の角辺がパッキン側部材のパッキン部材と接触し、パッキン部材を凹変及び/又は厚さ方向に変形させる。当接側部材の角辺は、幅が狭い。そのためパッキン部材に対する接触面積が小さく、接触圧力が高い。そのため、パッキン部材と当接側部材の角辺とが密接し、パッキン部材と当接側部材の間の気密性が確保される。
請求項2に記載の発明は、パッキン部材は、パッキン本体と、姿勢保持部材によって構成され、姿勢保持部材はパッキン本体の側面を支持するものであることを特徴とする請求項1に記載の環境試験装置である。
同様の作用効果を奏する請求項3に記載の発明は、被試験物を配置する試験室と、本体側開口と、当該本体側開口を開閉する開閉部材と、パッキン部材とを有する環境試験装置において、前記パッキン部材は凹変可能及び/又は厚さ方向に変形可能であり、前記パッキン部材は開閉部材の辺部近傍又は本体側開口の開口端近傍のいずれか一方に環状に取り付けられ、開閉部材又は本体側開口の他方には辺状にのびる角辺があり、前記開閉部材が前記本体側開口を閉塞した状態においては、前記角辺が前記パッキン部材と接触し、パッキン部材を凹変及び/又は厚さ方向に変形させるものであって、前記パッキン部材の側面側にパッキン部材の側面を押す押圧部材があり、前記押圧部材は一時締結要素によって開閉部材又は本体側開口に取り付けられるものであって取り付け位置を調整可能であり、パッキン部材は、パッキン本体と、姿勢保持部材によって構成され、姿勢保持部材はパッキン本体の側面を支持するものであることを特徴とする環境試験装置である。
同様の作用効果を奏する請求項4に記載の発明は、被試験物を配置する試験室と、本体側開口と、当該本体側開口を開閉する開閉部材と、パッキン部材とを有する環境試験装置において、前記パッキン部材は凹変可能及び/又は厚さ方向に変形可能であり、前記パッキン部材は開閉部材に取り付けられ、本体側開口には辺状にのびる角辺があり、前記開閉部材が前記本体側開口を閉塞した状態においては、前記角辺が前記パッキン部材と接触し、パッキン部材を凹変及び/又は厚さ方向に変形させるものであって、前記パッキン部材の側面側にパッキン部材の側面を押す押圧部材があり、前記押圧部材は取り付け位置を調整可能であり、開閉部材は突出部を有し前記パッキン部材は、前記押圧部材と前記突出部に挟まれていることを特徴とする環境試験装置である。
前記パッキン部材は複数のパッキン片によって構成されており、前記パッキン片は環状に配置されて開閉部材の辺部近傍又は本体側開口の開口端近傍に配置され、前記パッキン片の側面側に押圧部材があり、前記押圧部材は一時締結要素によって開閉部材又は本体側開口に取り付けられるものであって取り付け位置を調整可能であり、押圧部材の取り付け位置を変更することによってパッキン片の位置又は姿勢の少なくともいずれかを変更可能であることが望ましい。
本発明の環境試験装置では、パッキン部材の各部の高さを調整することができ、角辺との接触を密にして高い気密性を確保することができる。
以下、この点について説明する。
開閉部材と本体側開口のいずれにパッキン部材を設けるにせよ、パッキン部材は本体側開口を隙間なく封止するために、本体側開口の周囲を環状に取り巻く様に設置する必要がある。
また本体側開口は、製作の都合上、四角形に作られることが多い。そのためパッキン部材は、四角形の本体側開口の周囲を環状に取り巻かせるために、平面視が四角形となる様に配置する必要がある。しかしながら、直線状のパッキン部材を折り曲げて四角形に配置すると、四角形の角の部分が皺になったり膨らむという問題がある。そのため四角形の角の部分は、当接側部材の角辺とパッキン部材との馴染みが悪く、当該部位から空気が漏れる懸念がある。
これに対して本発明は、パッキン部材の側面に押圧部材がある。押圧部材は一時締結要素によって開閉部材又は本体側開口に取り付けられるものであり、一時締結要素による締結を緩めることによって前記押圧部材の取り付け位置を変更することが可能であり、押圧部材の取り付け位置を変更することによってパッキン部材の位置又は姿勢の少なくともいずれかを変更可能である。
そのためパッキン部材と当接側部材の角辺との当たり具合を調節することができる。
パッキン部材は、パッキン本体と、姿勢保持部材によって構成され、姿勢保持部材はパッキン本体の側面を支持するものであることが望ましい。
本発明の環境試験装置では、パッキン本体の側面を姿勢保持部材で支持するので、当接側部材の角辺がパッキン本体を押圧する際にパッキン本体が逃げない。
そのため角辺がパッキン本体と密接し、気密性を確保することができる。
請求項5に記載の発明は、被試験物を配置する試験室と、本体側開口と、当該本体側開口を開閉する開閉部材と、パッキン部材とを有する環境試験装置において、前記パッキン部材は凹変可能及び/又は厚さ方向に変形可能であり、前記パッキン部材は開閉部材又は本体側開口のいずれか一方に取り付けられ、開閉部材又は本体側開口の他方には辺状にのびる角辺があり、前記開閉部材が前記本体側開口を閉塞した状態においては、前記角辺が前記パッキン部材と接触し、パッキン部材を凹変及び/又は厚さ方向に変形させるものであって、前記パッキン部材の側面側にパッキン部材の側面を押す押圧部材があり、前記押圧部材は壁部を有し、当該壁部でパッキン部材を押すものであり、前記押圧部材は取り付け位置を調整可能であり、押圧部材の取り付け位置を変更することによってパッキン部材への押圧力を変更し、パッキン部材の姿勢を調節することができることを特徴とする環境試験装置である。
請求項6に記載の発明は、被試験物を配置する試験室と、本体側開口と、当該本体側開口を開閉する開閉部材と、パッキン部材とを有する環境試験装置において、前記パッキン部材は凹変可能及び/又は厚さ方向に変形可能であり、前記パッキン部材は開閉部材又は本体側開口のいずれか一方に取り付けられ、開閉部材又は本体側開口の他方には辺状にのびる角辺があり、前記開閉部材が前記本体側開口を閉塞した状態においては、前記角辺が前記パッキン部材と接触し、パッキン部材を凹変及び/又は厚さ方向に変形させるものであって、前記パッキン部材の側面側にパッキン部材の側面を押す押圧部材があり、前記押圧部材は壁部を有し、当該壁部でパッキン部材を押すものであり、前記押圧部材は取り付け位置を調整可能であり、パッキン部材は、パッキン本体と、姿勢保持部材によって構成され、姿勢保持部材はパッキン本体の側面を支持するものであることを特徴とする環境試験装置である。
請求項に記載の発明は、前記パッキン部材は複数のパッキン片によって構成されており、一方のパッキン片の端部が他方のパッキン片の辺部に接した状態で前記パッキン片が環状に配置されていることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の環境試験装置である。
本発明によると、パッキン片同士の隙間が無くなり、気密性が確保される。
パッキン部材はパッキン本体を有し、当該パッキン本体は布状物又は網状物で繊維を覆った構造を有し、前記布状物及び網状物は金属製の線材又は繊維で作られたものであることが望ましい(請求項)。
請求項に記載の発明は、空気を昇温する昇温部を有し、当該昇温部と試験室を繋ぐ連通路に前記本体側開口及び開閉部材があり、前記開閉部材は動力によって動作されることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の環境試験装置である。
本発明は、冷熱衝撃試験装置等の高温側ダンパー等に適用した態様である。
請求項10に記載の発明は、前記本体側開口は、試験室に被試験物を出し入れするための出入り開口であり、前記開閉部材は出入り開口を開閉する扉部材であることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の環境試験装置である。
本発明は、環境試験装置の出入り開口に適用した態様である。
本発明の環境試験装置は、高温気体が漏れ出ることが少なく、試験室内を所望の高温環境や低温環境にするための障害が少ない。
そのため本発明の環境試験装置は、無駄な電力消費が少ない。また本発明の環境試験装置は、所望の環境に至らせるまでに要する時間も短い。
本発明の実施形態に係る環境試験装置の外観を示す斜視図である。 図1の環境試験装置の外観を示す斜視図であって、扉部材を開いた状態を示す。 図1の環境試験装置の内部構造を示す概念図である。 図1の環境試験装置の内部構造を示す概念図であって、高温晒しモードで運転している場合のダンパーの開閉姿勢と、空気の流れを示す。 図1の環境試験装置の内部構造を示す概念図であって、低温晒しモードで運転している場合のダンパーの開閉姿勢と、空気の流れを示す。 図3の環境試験装置における高温導入ダンパー及び高温導入開口の斜視図である。 図6の高温導入ダンパーの分解斜視図である。 図6の高温導入ダンパーの平面図である。 (a)(b)(c)は、図6の高温導入ダンパーにパッキン部材を取り付ける際の手順を示す断面斜視図である。 図3の環境試験装置における高温導入ダンパー及び高温導入開口の断面斜視図である。 (a)(b)(c)は、図3の高温導入ダンパーが高温導入開口を閉塞する際の様子を説明する断面図である。 (a)(b)は、押圧部材を移動させた際におけるパッキン本体の挙動を示す断面図である。 本発明の他の実施形態の高温導入ダンパーを採用した環境試験装置の要部の断面図であり、(a)(b)は、高温導入ダンパーが高温導入開口を閉塞する際の様子を示す。 本発明のさらに他の実施形態における高温導入ダンパーの平面図である。 本発明のさらに他の実施形態の高温導入ダンパーを採用した環境試験装置の要部の断面図である。
以下、さらに本発明の実施形態の環境試験装置について説明する。なお、以下の説明において上下左右や奥行き、高さ等の位置関係は、特に断りのない限り図1に示す通常の設置状態を基準として説明する。また作図の都合上、パッキン部材50及び押圧部材81,82,83,84の断面について、ハッチングを一部省略している。
本実施形態の環境試験装置1は、冷熱衝撃試験装置であり、高温晒しモードによる運転と、低温晒しモードによる運転を交互に繰り返すことができる。即ち本実施形態の環境試験装置は、従来技術と同様、試験室2の他に、高温側温調室(温調部)5と、低温側温調室(温調部)6とを有している(図3,4,5)。
また試験室2と高温側温調室5の間には、図4の様に一連の高温側空気循環路7が形成可能であり、当該高温側空気循環路7には、高温導入側ダンパー8と、高温排出側ダンパー10が設けられている。
同様に試験室2と低温側温調室6の間にも、図5の様に一連の低温側空気循環路11が形成可能であり、当該低温側空気循環路11には、低温導入側ダンパー15と、低温排出側ダンパー16が設けられている。
そして高温晒しモードによる運転を実施する場合には、図4に示すように、高温側空気循環路7に設けられた高温導入側ダンパー8と、高温排出側ダンパー10を開いて高温側温調室5内の高温の空気を試験室2内に導入する。
このとき、低温側空気循環路11に設けられた低温導入側ダンパー15と、低温排出側ダンパー16は閉じられており、低温側温調室6内だけで空気を循環させて低温側温調室6の温度を低温に保つ。即ち次の低温晒しモードの実施に備えて、低温側温調室6内に低温の空気を準備しておく。
逆に低温晒しモードによる運転を実施する場合には、図5に示すように、低温側空気循環路11に設けられた低温導入側ダンパー15と、低温排出側ダンパー16を開いて試験室2内に低温の空気を導入する。
このとき、高温側空気循環路7に設けられた高温導入側ダンパー8と、高温排出側ダンパー10は閉じられ、高温側温調室5内だけで空気を循環させて高温側温調室5の温度を高温に保つ。即ち次の高温晒しモードの実施に備えて、高温側温調室5に高温の空気を準備しておく。
次に、本実施形態の環境試験装置の具体的構成について説明する。
図1に示すように、環境試験装置1は、筐体3を有している。筐体3は、直方体状の形状を有するものであり、断熱性を有する外壁によって外周が囲まれている。筐体3の正面には、扉17があり、扉17によって試験室2の出入り開口13が開閉される。なお出入り開口13は、試験室2に被試験物を出し入れするための開口であり、高温の空気が接することがある。
環境試験装置1は、図3に示すように、筐体3の内部に、試験室2と高温側温調室5及び低温側温調室6を有している。高温側温調室5は、試験室2に対して上方にある。また低温側温調室6は、試験室2に対して下方に配されている。
前記した試験室2、高温側温調室5及び低温側温調室6は、いずれも断熱壁21によって囲まれている。また試験室2と、高温側温調室5及び低温側温調室6との間は、それぞれ断熱仕切壁22,23で仕切られている。
高温側温調室5の内部は、ほぼ水平に配された仕切25を介して、加熱部26と内部循環ダクト27とに分かれている。加熱部26には、ヒータ28や、送風機30が設けられている。また、図3,4,5に示すように、内部循環ダクト27には、高温側内部ダンパー31が設けられている。さらに、高温側温調室5と試験室2との間の断熱仕切壁22には、高温導入開口33と、高温排出開口35が設けられている。
高温導入開口33及び高温排出開口35は、昇温部(高温側温調室5)と試験室2を繋ぐ連通路であり、本体側開口として機能する。
高温導入開口33及び高温排出開口35は、共に長方形の開口である。また断熱仕切壁22はある程度の厚さがある。そのため図6に示すように、高温導入開口33及び高温排出開口35には、高温側温調室5側の開口端87と、試験室2側の開口端88があり、両者の間に周壁48が設けられている。周壁48は、断熱仕切壁22の表面に対して垂直である。従って高温導入開口33及び高温排出開口35の、試験室2側の開口端88は断熱仕切壁22の表面と周壁48が垂直に接し、角となっている。また角は、試験室2側の開口端88の全周に連続して延びており、角辺51を構成している。なお角辺51には、図示しない鋼材が配されており、相当の剛性を有している。
高温導入開口33には、前記した高温導入側ダンパー8が設けられている。本実施形態では、高温導入開口33が本体側開口として機能し、高温導入側ダンパー8が開閉部材として機能する。
高温導入側ダンパー8は、平面視が略長方形であり、その一辺側に設けられたヒンジ34を中心として揺動する(図3参照)。なお高温排出側ダンパー10、低温導入側ダンパー15と、低温排出側ダンパー16についても同様であり、平面視が略長方形であり、その一辺側に設けられたヒンジを中心として揺動する。
また高温排出開口35には、高温排出側ダンパー10が設けられている。
なお本実施形態では、高温導入側ダンパー8及び高温排出側ダンパー10の中央部に突出部12があり、高温導入開口33等を塞いだ際に前記した突出部12が高温導入開口33等の中に入り込む。即ち高温導入側ダンパー8の高温導入開口33側は、平面部77と突出部12がある。そして平面部77は高温導入開口33の開口縁に面し、突出部12は高温導入開口33の中に入り込む(図6参照)。
ヒータ28は、流入した空気を加熱することができるものである。送風機30は、ヒータ28に対して隣接する位置にあり、ヒータ28で加熱された空気を吸い込み、所定の風速で吹き出すことができる。送風機30は、試験室2の高温導入開口33が設けられた部分の上方に位置しており、送風機30の送風口29は、高温導入開口33に向かって開いている。
そのため、高温導入側ダンパー8及び高温排出側ダンパー10を開いた状態で送風機30を作動させると、ヒータ28で加熱された空気が、送風機30の送風口29から高温導入側ダンパー8に至る領域を経て試験室2に向けて送風される。このとき、高温の空気は、高温導入開口33と接する。
また、試験室2に送風された空気は、試験室2に充満すると共に高温排出開口35を通過し、高温側温調室5に戻る。高温側温調室5に流入した空気は、再びヒータ28に戻る。このようにして、ヒータ28で加熱された空気は、高温側温調室5と試験室2との間で循環する。
一方、高温導入側ダンパー8及び高温排出側ダンパー10を閉じ、高温側内部ダンパー31を開いた状態で送風機30を作動させることにより、ヒータ28により空気を適宜加熱しつつ、ヒータ28と内部循環ダクト27との間で空気を循環させることができる。このときも高温導入開口33及び高温導入側ダンパー8に高温の空気が当たる。
なお本実施形態では、高温導入側ダンパー8と高温側内部ダンパー31は、リンク機構36によって連結され、両者は連動する。即ち高温導入側ダンパー8が閉じられると、リンク機構36によって高温側内部ダンパー31が開く。逆に高温導入側ダンパー8を開くと、これに連動して高温側内部ダンパー31が閉じる。各ダンパー8,10,31は、図示しないモータによって開閉される。
低温側温調室6は、前記した高温側温調室5と同様の流路構成をもっている。ただし、前記した高温側温調室5は、ヒータ28を有していたのに対し、低温側温調室6には、冷却装置37と、補助加熱装置38が内蔵されている。
即ち低温側温調室6の内部も、仕切42を介して、冷却部40と内部循環ダクト43とに分かれている。冷却部40には、冷却装置37と、補助加熱装置38及び送風機68が設けられている。また、図3,4,5に示すように、内部循環ダクト43には、低温側内部ダンパー41が設けられている。さらに、低温側温調室6と試験室2の間には、低温導入開口45と、低温排出開口46が設けられている。そして低温導入開口45には、低温導入側ダンパー15が設けられている。また低温排出開口46には、低温排出側ダンパー16が設けられている。各ダンパー15,16,41は、図示しないモータによって開閉される。
低温導入側ダンパー15及び低温排出側ダンパー16を開いた状態で送風機68を作動させると、冷却装置37で温度降下した空気が、送風機68の送風口から試験室2に向けて送風される。また、試験室2に送風された空気は、試験室2に充満すると共に低温排出開口46に設けられた低温排出側ダンパー16を通過し、低温側温調室6に戻る。低温側温調室6に流入した空気は、再び冷却装置37に戻る。このようにして、冷却装置37で冷却された空気は、低温側温調室6と試験室2との間で循環する。
一方、低温側温調室6は、低温導入側ダンパー15及び低温排出側ダンパー16を閉じ、低温側内部ダンパー41を開いた状態で送風機68を作動させることにより、冷却装置37により空気を冷却しつつ、冷却装置37と内部循環ダクト43との間で空気を循環させることができる。
なお本実施形態では、低温導入側ダンパー15と低温側内部ダンパー41は、リンク機構47によって連結され、両者は連動する。
次に本実施形態の環境試験装置1の特徴的構成について説明する。本実施形態の環境試験装置1は、筐体3の正面に設けられた扉17の封止構造及び高温導入側ダンパー8の封止構造に特有の工夫が施されている。
以下、高温導入側ダンパー8の封止構造を例に説明する。
本実施形態では、高温導入側ダンパー8が前記したパッキン側部材として機能し、高温導入開口33が当接側部材として機能する。
高温導入側ダンパー8は、高温側空気循環路7に取り付けられたものであり、高温導入開口33を開閉する開閉部材である。
高温導入開口33は、前記した様に高温側温調室5と試験室2との間の断熱仕切壁22に設けられた本体側開口である。前記した様に高温導入開口33の形状は、長方形である。そして断熱仕切壁22にはある程度の厚さがあるから、図6に示すように、高温導入開口33には、高温側温調室5側の開口端87と、試験室2側の開口端88があり、両者の間に周壁48が存在する。周壁48は、断熱仕切壁22の表面に対して垂直であるから、試験室2側の開口端88は、断熱仕切壁22の表面と周壁48が垂直に接し、断面形状は角となっている。また高温導入開口33を平面視すると、角の部位は、試験室2側の開口端88の全周に連続して延びており、高温導入開口33の一辺を構成している。従って高温導入開口33の開口端88は、角辺51をなしている。
本実施形態では、高温導入開口33は、高温導入側ダンパー8に設けられたパッキン部材50を高温導入開口33の角辺51に接触させることによって封止される。
パッキン部材50は、4個のパッキン片55,56,57,58によって構成されている。各パッキン片55,56,57,58は、いずれもパッキン本体70と、姿勢保持部材71によって構成されている(図9参照)。パッキン片55,56,57,58は、長さだけが異なり、断面形状その他は同一である。
パッキン本体70は、ステンレスパッキンと称されるものであり、図9の様にセラミック繊維等の耐熱性を有する繊維52を金属の布状物53で覆ったものである。
布状物53は、ステンレス等の金属線によって構成された物であり、可撓性を有している。
布状物53の組成は、網状であっても織物状であってもよい。
パッキン本体70は、図9(a)の様に、布状物53でセラミック繊維等の繊維52を取り巻いたものである。パッキン本体70の断面形状を見ると、図9(a)の様に、一枚の布状物53で覆われた袋状部位75と、布状物53が重なった帯状接合部76とがある。布状物53が重なった部位(帯状接合部76)は、図示しない接合手段によって布状物53同士が接合されている。
またパッキン本体70は、長尺状であり、直線状である。
パッキン本体70の袋状部位75は、強く押すと、全体が圧縮されて縮む。また部分的に押圧すると押圧部分が凹む。
姿勢保持部材71は、断面形状が略「L」字状をした長尺物である。姿勢保持部材71は、ステンレス等の金属板を折り曲げて作られたものであり、座部72と支持壁部73を有している。座部72は、図9(a)の様に、金属板を折り曲げて3枚重ねに成形された部位である。なお説明の都合上、図9(a)は、座部72を構成する3枚の金属板の間隔を開いて図示しているが、実際には、図9(b)(c)の様に、3枚の金属板は、密接している。
支持壁部73は、座部72に対して垂直姿勢である。従って、姿勢保持部材71の断面形状は、略「L」字状である。支持壁部73の高さは、パッキン本体70の袋状部位75の直径よりも低い。
各パッキン片55,56,57,58は、図9(c)の様に、姿勢保持部材71の座部72にパッキン本体70の袋状部位75の少なくとも一部が載置され、パッキン本体70の帯状接合部76が、座部72の下面側に配されて成るものである。
パッキン本体70の袋状部位75は、姿勢保持部材71の座部72と支持壁部73で囲まれた領域にあり、パッキン本体70の袋状部位75の側面に姿勢保持部材71の支持壁部73がある。
パッキン片55,56,57,58には、長辺用と短辺用があり、パッキン片55,57は、長辺用であって全長が長く、パッキン片56,58は、短辺用であって全長が短い。
パッキン部材50は、前記した4個のパッキン片55,56,57,58が四角形に組み合わされて構成されたものである。
即ち図7の様に、4個のパッキン片55,56,57,58が高温導入側ダンパー8の突出部12を取り巻いて設置され、4個のパッキン片55,56,57,58によって環状構造が形成されている。
4個のパッキン片55,56,57,58の取り付け位置は、高温導入側ダンパー8の辺部近傍であって、突出部12を取り巻く位置である。
より具体的に説明すると、高温導入側ダンパー8の突出部12の長辺12aに面した部位に長辺用のパッキン片55が配置され、短辺12bに面した部位に短辺用のパッキン片56が配置され、長辺12cに面した部位に長辺用のパッキン片57が配置され、短辺12dに面した部位に短辺用のパッキン片58が配置されている。
各パッキン片55,56,57,58同士の接触部分は、図8の様であり、長辺用のパッキン片55,57の両端が短辺用のパッキン片56,58の側面であって長手方向の端部近傍と当接している。そして長辺用のパッキン片55,57の両端が、短辺用のパッキン片56,58の側面を押圧し、両者は実質的に密接している。
各パッキン片55,56,57,58は、図9(c)の様に、ネジ78によって高温導入側ダンパー8の平面部77に固定されている。
各パッキン片55,56,57,58は、いずれも姿勢保持部材71の支持壁部73の背面側を高温導入側ダンパー8の突出部12の縦壁部79と対向させ、姿勢保持部材71の座部72側を高温導入側ダンパー8の平面部77側に向けた姿勢となっている。
各パッキン片55,56,57,58の姿勢保持部材71の支持壁部73の背面側と、高温導入側ダンパー8の突出部12の縦壁部79との間には、隙間80がある。
また本実施形態では、各パッキン片55,56,57,58の外側に、押圧部材81,82,83,84が設けられている。
押圧部材81,82,83,84は、長さだけが異なり、断面形状その他は同一である。押圧部材81,82,83,84の長さは、対応する各パッキン片55,56,57,58の長さと略等しい。
押圧部材81,82,83,84は、図9(a)の様に、一枚の金属板を折り曲げて作られたものである。なお押圧部材片81,82,83,84の材質は、ステンレス等の錆びにくい金属であることが望ましい。
押圧部材81,82,83,84は、断面形状が概ね「L」字状である。即ち押圧部材81,82,83,84は、取り付け座部60と、取り付け座部60に対して垂直に折り立てられた垂直壁部61を有している。取り付け座部60には、取り付け用の長孔67が設けられている。長孔67は、取り付け座部60の幅方向に延びている。
4本の押圧部材81,82,83,84は、いずれもネジ(一時締結要素)63で、開閉部材たる高温導入側ダンパー8に取り付けられている。
即ち4本の押圧部材81,82,83,84は、各パッキン片55,56,57,58の側面にあり、垂直壁部61がパッキン本体70の袋状部位75と当接している。逆に言えば、パッキン本体70の袋状部位75は、姿勢保持部材71の支持壁部73と押圧部材81,82,83,84の垂直壁部61に挟まれている。
また4本の押圧部材81,82,83,84は、長孔67を介して高温導入側ダンパー8に取り付けられている。そのためネジ63を緩めると、押圧部材81,82,83,84を長孔67に沿って移動させることができる。より詳細には、押圧部材81,82,83,84は、各パッキン片55,56,57,58に対して近接・離反方向に移動させることができる。そして押圧部材81,82,83,84を移動させてパッキン本体70の袋状部位75への押圧力を変更し、パッキン本体70の姿勢を調節することができる。
即ちパッキン本体70は、セラミック繊維等の耐熱性を有する繊維52を金属の布状物53で覆ったものであるから、周囲から押圧されることによって袋状部位75の形が変わる。
例えば、図12(a)の様な状態から、押圧部材81,82,83,84をパッキン本体70の袋状部位75に近づく方向に移動させ、袋状部位75の側面を押すと、袋状部位75は高さ方向に変形する。
即ち袋状部位75は、姿勢保持部材71の支持壁部73と押圧部材81,82,83,84の垂直壁部61に挟まれているから、押圧部材81,82,83,84によってより強く側面を押されると、袋状部位75は、逃げ場を失って高さ方向に変形し、全高が高くなる。逆に、押圧部材81,82,83,84を袋状部位75から離れる方向に移動させると、袋状部位75は幅方向に広がり全高が低くなる。
また押圧部材81,82,83,84を移動することにより、袋状部位75の幅方向の中心線86がずれる。
本実施形態では、高温導入側ダンパー8に設けられたパッキン部材50を、断熱仕切壁22に設けられた高温導入開口33の角辺51に接触させることによって高温導入開口33を封止するものであり、パッキン片55,56,57,58及び押圧部材81,82,83,84を高温導入側ダンパー8に取り付ける際には、押圧部材81,82,83,84の位置を調節する。そして袋状部位75の高さを調整し、角辺51が袋状部位75を均等に押圧するようにする。また角辺51が袋状部位75の中心線86と当接する様に押圧部材81,82,83,84の位置が調整される。
次に、高温導入側ダンパー8を動作させて高温導入開口33が閉じられる際の様子を図11を参照しつつ説明する。
高温導入側ダンパー8は、前記した様に図示しないモータによって動作される。即ち図示しないモータを起動すると、高温導入側ダンパー8は、ヒンジ34を中心として揺動し、高温導入開口33を開閉する。
高温導入側ダンパー8が開いた状態から図示しないモータを回転すると、高温導入側ダンパー8は、ヒンジ34を中心として揺動し、図11(a)の様に高温導入側ダンパー8が高温導入開口33の近傍に近づく。そしてさらにモータを回転すると、図11(b)の様に高温導入側ダンパー8の突出部12が、高温導入開口33に入り込み、突出部12の周囲に設けられたパッキン部材50の袋状部位75が、高温導入開口33の角辺51に当たる。
そしてさらにモータを回転すると、図11(c)の様に、高温導入側ダンパー8の突出部12が、高温導入開口33にさらに深く入り込み、高温導入開口33の角辺51が、パッキン本体70の袋状部位75を強く押す。ここで、パッキン本体70の袋状部位75は、姿勢保持部材71の支持壁部73と押圧部材81,82,83,84の垂直壁部61に挟まれていて、横方向に逃げることはできない。また袋状部位75は、姿勢保持部材71の支持壁部73と押圧部材81,82,83,84の垂直壁部61に挟まれているから、幅方向への変形余力は少ない。そのため、高温導入開口33の角辺51の押圧力の大半は、袋状部位75の表面を押圧する力として作用し、角辺51は直接的に袋状部位75を強く押す。その結果、袋状部位75の表面が凹変し、高温導入開口33の角辺51がパッキン本体の袋状部位75に食い込む。
そのため高温導入開口33の角辺51がパッキン本体の袋状部位75と密接し、高い気密性が確保される。
本実施形態の環境試験装置1のレイアウトでは、高温導入側ダンパー8の真上の位置に送風機30があり、送風機30の送風口29は高温導入側ダンパー8側に向いている。そのため送風の動圧が高温導入側ダンパー8にかかる。しかしながら、パッキン部材50は高温導入開口33の角辺51によって強く押圧され、両者の間の気密性は高い。そのため送風機30の回転数を高くしても高温の空気が、試験室2側に漏れることを抑制することができる。
筐体3の正面に設けられた扉17部分の封止構造も、高温導入側ダンパー8に準じた構造であり、パッキン部材50’と、角辺51’とによって封止されている(図2参照)。
以上説明した実施形態では、高温導入側ダンパー8側にパッキン部材50を設け、高温導入開口(本体側開口)33の角辺51でパッキン部材50を押圧したが、図13の様に高温導入開口(本体側開口)33の開口端近傍にパッキン部材50を設け、高温導入側ダンパー90側の角辺91でパッキン部材50を押圧してもよい。
図13に示す実施形態では、高温導入側ダンパー90は、平面部77と突出部12の間に段部93があり、段部93の角によって角辺91が形成されている。
上記した本実施形態では、高温導入側ダンパー8及び高温排出側ダンパー10の中央部に突出部12があり、高温導入開口33等を塞いだ際に前記した突出部12が高温導入開口33等の中に入り込む。この構成は、パッキン部材50に高温の空気が接する機会を減少する効果があり、推奨されるものであるが、本発明はこの構成に限定されるものではない。
上記した実施形態では、高温導入側ダンパー8に、パッキン部材50と角辺51による封止構造を採用したが、高温排出側ダンパー10にこの封止構造を採用してもよい。
また上記した実施形態では、高温導入側ダンパー8と扉17部分に、パッキン部材50,50’と角辺51,51’による封止構造を採用したが、いずれか一方にのみこの封止構造を採用してもよい。
また上記した実施形態では、パッキン部材50を4片のパッキン片55,56,57,58によって構成したが、より多くの数のパッキン片によってパッキン部材50を構成してもよい。逆により少数のパッキン片によってパッキン部材50を構成してもよい。
押圧部材81,82,83,84の個数や形状は任意である。また押圧部材81,82,83,84の個数とパッキン片55,56,57,58の個数が違っていてもよい。
また上記した実施形態では、各パッキン片55,56,57,58を四角形に組み合わせる構成として、図8の様に、一方のパッキン片55,57の端部を隣接するパッキン片56,58の側面に押し当てる構造を例示したが、この構造は必須ではない。例えば図14に示す様に、各パッキン片55,56,57,58の両端同士を直接接触させてもよい。図14に示す構成では、各パッキン片55,56,57,58の両端を傾斜面に成形し、当該傾斜面同士で押圧している。
また上記した実施形態では、各パッキン片55,56,57,58の大きさや高さ、特にパッキン本体70の大きさや高さを同一のものとしたが、設置される辺に応じて大きさや高さを異ならせてもよい。
例えば、図15に示す様に高温導入側ダンパー8の開閉軌跡を考慮して、ヒンジ34に近い辺を構成するパッキン片57のパッキン本体70を他のパッキン片55等のパッキン本体70よりも小さいものとしてもよい。
即ち高温導入側ダンパー8は、ヒンジ34を中心として揺動するから、ヒンジ34に近い辺を構成するパッキン片57の回動半径は、ヒンジ34から遠い辺を構成するパッキン片55の回動半径よりも小さい。そこで、パッキン片55,57の回動半径に合わせてパッキン本体70の大きさや高さに変化を付けてもよい。
また各パッキン片55,56,57,58の弾力性は、原則的に同一であるが、各パッキン片55,56,57,58のいずれかの弾力性が他とは異なるものであってもよい。
上記した実施形態では、各パッキン片55,56,57,58の姿勢保持部材71の支持壁部73の背面側と、高温導入側ダンパー8の突出部12の縦壁部79との間に隙間80を設けたが、当該隙間は無くてもよい。
さらに進んで姿勢保持部材71についても必須ではなく、省略することができる。姿勢保持部材71を省略する場合は、袋状部位75は、高温導入側ダンパー8の突出部12の縦壁部79と、押圧部材81,82,83,84の垂直壁部61に挟まれる。袋状部位75は、押圧部材81,82,83,84によって強く側面を押されると、逃げ場を失って高さ方向に変形し、全高が高くなる。
上記した実施形態は、本発明を冷熱衝撃試験装置に適用したものであるが、他の環境試験装置に本発明を採用してもよい。
例えば恒温恒湿装置には、高温導入側ダンパー8に相当する部材を持たない場合があるが、その場合には、筐体の正面に設けられる扉部分の封止構造に、本発明を適用することとなる。
1 環境試験装置
2 試験室
5 高温側温調室(温調部)
8 高温導入側ダンパー
17 扉
33 高温導入開口(本体側開口)
50,50’ パッキン部材
51,51’ 角辺
52 繊維
53 布状物
55,56,57,58 パッキン片
63 ネジ(一時締結要素)
70 パッキン本体
71 姿勢保持部材
81,82,83,84 押圧部材

Claims (10)

  1. 被試験物を配置する試験室と、本体側開口と、当該本体側開口を開閉する開閉部材と、パッキン部材とを有する環境試験装置において、
    前記パッキン部材は凹変可能及び/又は厚さ方向に変形可能であり、前記パッキン部材は開閉部材の辺部近傍又は本体側開口の開口端近傍のいずれか一方に環状に取り付けられ、開閉部材又は本体側開口の他方には辺状にのびる角辺があり、前記開閉部材が前記本体側開口を閉塞した状態においては、前記角辺が前記パッキン部材と接触し、パッキン部材を凹変及び/又は厚さ方向に変形させるものであって、
    前記パッキン部材の側面側にパッキン部材の側面を押す押圧部材があり、前記押圧部材は一時締結要素によって開閉部材又は本体側開口に取り付けられるものであって取り付け位置を調整可能であり、押圧部材の取り付け位置を変更することによってパッキン部材への押圧力を変更し、パッキン部材の位置又は姿勢の少なくともいずれかを調節することができることを特徴とする環境試験装置。
  2. パッキン部材は、パッキン本体と、姿勢保持部材によって構成され、姿勢保持部材はパッキン本体の側面を支持するものであることを特徴とする請求項1に記載の環境試験装置。
  3. 被試験物を配置する試験室と、本体側開口と、当該本体側開口を開閉する開閉部材と、パッキン部材とを有する環境試験装置において、
    前記パッキン部材は凹変可能及び/又は厚さ方向に変形可能であり、前記パッキン部材は開閉部材の辺部近傍又は本体側開口の開口端近傍のいずれか一方に環状に取り付けられ、開閉部材又は本体側開口の他方には辺状にのびる角辺があり、前記開閉部材が前記本体側開口を閉塞した状態においては、前記角辺が前記パッキン部材と接触し、パッキン部材を凹変及び/又は厚さ方向に変形させるものであって、
    前記パッキン部材の側面側にパッキン部材の側面を押す押圧部材があり、前記押圧部材は一時締結要素によって開閉部材又は本体側開口に取り付けられるものであって取り付け位置を調整可能であり、
    パッキン部材は、パッキン本体と、姿勢保持部材によって構成され、姿勢保持部材はパッキン本体の側面を支持するものであることを特徴とする環境試験装置。
  4. 被試験物を配置する試験室と、本体側開口と、当該本体側開口を開閉する開閉部材と、パッキン部材とを有する環境試験装置において、
    前記パッキン部材は凹変可能及び/又は厚さ方向に変形可能であり、前記パッキン部材は開閉部材に取り付けられ、本体側開口には辺状にのびる角辺があり、前記開閉部材が前記本体側開口を閉塞した状態においては、前記角辺が前記パッキン部材と接触し、パッキン部材を凹変及び/又は厚さ方向に変形させるものであって、
    前記パッキン部材の側面側にパッキン部材の側面を押す押圧部材があり、前記押圧部材は取り付け位置を調整可能であり、
    開閉部材は突出部を有し前記パッキン部材は、前記押圧部材と前記突出部に挟まれていることを特徴とする環境試験装置。
  5. 被試験物を配置する試験室と、本体側開口と、当該本体側開口を開閉する開閉部材と、パッキン部材とを有する環境試験装置において、
    前記パッキン部材は凹変可能及び/又は厚さ方向に変形可能であり、前記パッキン部材は開閉部材又は本体側開口のいずれか一方に取り付けられ、開閉部材又は本体側開口の他方には辺状にのびる角辺があり、前記開閉部材が前記本体側開口を閉塞した状態においては、前記角辺が前記パッキン部材と接触し、パッキン部材を凹変及び/又は厚さ方向に変形させるものであって、
    前記パッキン部材の側面側にパッキン部材の側面を押す押圧部材があり、前記押圧部材は壁部を有し、当該壁部でパッキン部材を押すものであり、前記押圧部材は取り付け位置を調整可能であり、押圧部材の取り付け位置を変更することによってパッキン部材への押圧力を変更し、パッキン部材の姿勢を調節することができることを特徴とする環境試験装置。
  6. 被試験物を配置する試験室と、本体側開口と、当該本体側開口を開閉する開閉部材と、パッキン部材とを有する環境試験装置において、
    前記パッキン部材は凹変可能及び/又は厚さ方向に変形可能であり、前記パッキン部材は開閉部材又は本体側開口のいずれか一方に取り付けられ、開閉部材又は本体側開口の他方には辺状にのびる角辺があり、前記開閉部材が前記本体側開口を閉塞した状態においては、前記角辺が前記パッキン部材と接触し、パッキン部材を凹変及び/又は厚さ方向に変形させるものであって、
    前記パッキン部材の側面側にパッキン部材の側面を押す押圧部材があり、前記押圧部材は壁部を有し、当該壁部でパッキン部材を押すものであり、前記押圧部材は取り付け位置を調整可能であり、
    パッキン部材は、パッキン本体と、姿勢保持部材によって構成され、姿勢保持部材はパッキン本体の側面を支持するものであることを特徴とする環境試験装置。
  7. 前記パッキン部材は複数のパッキン片によって構成されており、一方のパッキン片の端部が他方のパッキン片の辺部に接した状態で前記パッキン片が環状に配置されていることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の環境試験装置。
  8. パッキン部材はパッキン本体を有し、当該パッキン本体は布状物又は網状物で繊維を覆った構造を有し、前記布状物及び網状物は金属製の線材又は繊維で作られたものであることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の環境試験装置。
  9. 空気を昇温する昇温部を有し、当該昇温部と試験室を繋ぐ連通路に前記本体側開口及び開閉部材があり、
    前記開閉部材は動力によって動作されることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の環境試験装置。
  10. 前記本体側開口は、試験室に被試験物を出し入れするための出入り開口であり、前記開閉部材は出入り開口を開閉する扉部材であることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の環境試験装置。
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