JP2018072140A - 環境試験装置 - Google Patents
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Abstract
Description
また特定の環境下で被試験物に特殊な光線を照射したり、電波や磁力を付加する様な場合もある。
特許文献1に開示された環境試験装置は、開閉扉を有し、開閉扉を開放することによって外部と試験室とが連通する。
特許文献1に開示された環境試験装置は冷凍機を備え、冷凍機を駆動して試験室内に低温環境を作ることができる。
すなわち冷凍機を停止した状態で開閉扉を開き、試験室内に試験片を導入する。そして開閉扉を開いたままの状態で、試験室内の掴み具を操作して一対の掴み具の間に試験片を挟む。
続いて開閉扉を閉じ、冷凍機及び冷凍機と試験室との間で空気を循環させる送風機を起動して試験室内の温度を低下させる。試験室内の温度が所定の低温となったら、少しの間、その状態を維持する。
そして外部の引っ張り試験機を起動し、一対の掴み具を相対的に離れる方向に移動させ、試験片を破断する。
その後、前記送風機を停止し、開閉扉を開き、破断片を取り除く。そして新たな試験片を一対の掴み具の間に装着し、開閉扉を閉じ、前記送風機を起動して試験室内の温度を低下させる。以後、この行程を繰り返す。
しかしながら、特許文献1に開示された環境試験装置による引っ張り試験は、通常の大気開放下における引っ張り試験に比べて、著しく時間がかかる場合があるという問題がある。
すなわちゴムや樹脂等の引っ張り試験は、試験片が一個であることは稀であり、多くの場合、多数の試験片を使用して順に連続的に試験を行う。
熟練者が大気開放状態でゴムや樹脂の引っ張り試験を行う場合、一回の試験に要する時間は、概ね3分である。
これに対して、特許文献1に開示された環境試験装置によると、熟練者であっても概ね15分程度の時間が掛かってしまうのが実情である。
また送風機を停止した状態で試験片の脱着を行っても、外気の流入によって槽の内壁や蒸発器に著しく霜が付き、冷凍能力が低下してしまう場合があるという問題もある。
試験室には開閉扉があるので、試験対象である被試験物を試験室に配置したり、試験室から取り出すことができる。
試験室は外壁で覆われており、外壁には外力付与装置の一部又はその付属品、被試験物の一部又はその付属品、外力付与装置と被試験物を繋ぐ部材の少なくともいずれかを挿通する貫通孔があるので、これらのいずれかを試験室内に配置すると共に、当該試験室内に配置した部位を試験室外から支持することができる。
また、連通する試験室と空調部の間を一時的に遮蔽する遮蔽部材を有するので、試験室の開閉扉を開いた際に、遮蔽部材によって空調部の内部と外部を遮断可能である。そのため、空調部で所定の温度に調整された空気は、外気と混合しにくく、調整された温度を保つことができる。
すなわち、本発明の試験装置では、遮蔽部材によって空調部と試験室の間を一時的に遮蔽することができる。本発明では、試験室から被試験物を出し入れする場合に、遮蔽部材によって空調部と試験室の間を一時的に遮蔽することができる。そのため試験室から被試験物を出し入れする際に、空調部側に外気が回り込みにくく、空調機器(蒸発器)に結露や霜付きが発生しにくい。試験室から被試験物を出し入れすると、試験室内の環境は外気の侵入によって乱れるが、空調部側の環境は維持される。
さらに、開閉扉を閉じた後に遮蔽部材を外すと、空調部と試験室とが連通し、空調部で所定の温度に調整された空気が試験室内に供給され、直ちに試験室内の試験環境が整い、速やかに試験を開始することができる。
ここで、空調部の容積を、試験室の容積よりも大きくするのが好ましい。
すなわち、試験室内の被試験物を取り換える際には、試験室内は外気に晒されて試験実施環境が保たれなくなる。このとき、試験室と空調部は遮蔽部材で遮断されているため、空調部内の空気は所定の温度に調整された状態が保持されている。
試験室内の被試験物の取り換えが完了すると、開閉扉を閉じることによって試験室が密閉されて外気と遮断され、さらに遮蔽部材が外されて試験室と空調部とが連通し、両者内の空気が混合する。その際、空調部の容積が試験室の容積よりも大きい程、所定の温度に調整された空気の量が相対的に多くなり、逆に大気にさらされた空気の量が少なくなり、試験室内の空気が所定の温度に調整されるまでの時間が短くて済む。よって、速やかに環境試験を実施することができる。
また、空気室には試験室側に空気を導くダクトが設けられているので、空調部で所定の温度に調整された空気が、ダクトを流れて試験室側に移動し易い。すなわち、試験室の試験実施環境が速やかに整う。
そのため、被試験物に当たる送風が安定する。
また、空調通風路の空気吹き出し部から吹き出された送風を集めて試験室側に導くダクトを有するので、空調部で所定の温度に調整された空気がダクトによって試験室側へ移動し易い。
さらに、空調部側整流部材と試験室側整流部材が遮蔽部材を挟んで対向する位置に配置されているので、空調部で所定の温度に調整された空気が、遮蔽部材が配置されていた隙間を渡って空調部側整流部材から試験室側整流部材に移動し易い。そのため、当該空気によって、試験室の試験実施環境が速やかに整う。
すなわち、空調部と試験室の間には、遮蔽部材が配置されている。一方被試験物は、試験室側にあって、遮蔽部材よりも外側の位置にあるから、空調部と被試験物の間には、遮蔽部材が存在し、空調部から連続したダクト等を遮蔽部材の部分を跨いで設置させることができず、直接被試験物にダクトの吹き出し口を近接することはできない。そのためダクト等を分断し、遮蔽部材を挟んで配置することとなる。
ここで本発明では、遮蔽部材を挟んで対向する位置に空調部側整流部材と試験室側整流部材が配置されている。
空調部側に注目すると、空調部から供給される空気は、空調部側整流部材によって層流状態に整えられて試験室側に送風される。そのため空調部側整流部材から放出された空気は拡散しにくい状態となっている。
また空調部側整流部材と対向する位置には試験室側整流部材がある。そのため空調部側整流部材から排出された層流状態であって拡散しにくい送風を試験室側整流部材がそのまま受け入れ、被試験物側に送風することができる。
こうして空調部で所定の温度に調整された空気は、空調部側整流部材側から試験室側整流部材側に遮蔽部材が占めていた空間を渡って進み、両整流部材を経由して試験室に導かれる。そのため、試験室内の試験環境が速やかに整う。また、試験室側整流部材の下流側に被試験物があると、所定の温度に調整された空気が被試験物に導かれ、被試験物は当該空気に晒され、被試験物近傍の試験環境が速やかに整う。
また各部の結露を防ぐ効果も期待できる。
さらに、空調部の開閉扉に試験室が取り付けられているので、空気室及び試験室のいずれにおいても被試験物の環境試験の実施が可能である。
空気室で環境試験を実施する際には、遮蔽部材によって空調部の空気室と試験室とを遮断してもよい。そうすることにより、実質的な試験空間を狭くすることができ、空気室(試験空間)内の空気の温度を速やかに所定温度に調整することができる。
また試験室側に空気を導くダクトが空気室内に設けられた構造を採用している場合には、当該ダクトを外すことにより、空気室全体を一つの試験室として活用することができる。
本実施形態の試験装置10は、複合試験装置であり、より詳細には複合型の引っ張り試験装置である。
試験装置10は、環境試験装置1と、外力付与装置200によって構成されている。また試験装置10は、補助器材として外力付与装置載置台300と、恒温槽用架台301及び光学式伸び検知装置220を有している。
すなわち環境試験装置1は、空調部として機能する本体部11と、本体部11の前扉(以下、大扉12)に取り付けられた断熱箱13によって構成され、断熱箱13の内部が図5、図6の様に試験室15として機能する。なお断熱箱13はユニット化されており、既設、あるいは市販の環境試験装置1に取り付けることができる。
すなわち環境試験装置1の本体部(空調部)11内には断熱壁28で覆われた空気室16があり、断熱箱13内には断熱壁32で覆われた試験室15がある。両者は連通しており、一体として断熱領域7を形成している。
断熱箱13は本体部11に比べて大きさ(容積)が小さく、本体部11から水平方向に突出した突出部となっている。
環境試験装置1の本体部11の基本構成は、公知の環境試験装置と大差ない。
環境試験装置1の本体部11は、図5、図6に示すように断熱壁28によって覆われた断熱槽17を有している。そして当該断熱槽17の一部に空気室16が形成されている。環境試験装置1の本体部11は単独で環境試験装置として使用することもでき、その際には空気室16は、被試験物(図示せず)を設置する空間となる。
本体部11には、空気室16と環状に連通する空調通風路25があり、当該空調通風路25に前記した空調機器18と送風機20が内蔵されている。
すなわち本実施形態では、空調通風路25は空気吹き出し部26と空気導入部27で空気室16側と連通しており、空調通風路25は空気室16側に空気の出入り口がある。
また空調通風路25の空気吹き出し部26の近傍に、図示しない温度センサーと湿度センサーが設けられている。
環境試験装置1を使用する際には、送風機20を運転して空調通風路25内を通風状態とし、温度センサー及び湿度センサーの検出値が、設定環境の温度及び湿度に近づく様に空調機器18を制御する。
大扉12は図示しないヒンジを介して空気室16側の本体部11に取り付けられており、揺動可能である。
本実施形態で採用する本体部11では、空気室16内にダクト55が設けられている。ダクト55は、空調通風路25の空気吹き出し部26と大扉12の開口30の間に設けられている。
ダクト55は、空調手段48側から大扉12側へ延びており、上流側(空気吹き出し部26側)端部の開口が比較的大きく、下流側(試験室15側)端部の開口が比較的小さい。すなわち、ダクト55の上流側端部の開口は、下流側端部の開口よりも大きい。
ダクト55は、容易に空気室16から取り外すことができることが望ましい。
ダクト55は、本体部11の内壁に図示しない支持部材によって固定されている。
ダクト55の先端側には、図4の様にフランジ57が設けられている。ダクト55の先端側に設けられたフランジ57は、外フランジであり、ダクト55の開口端の外側に設けられている。
ダクト55の先端側の開口端の位置は、本体部11の大扉12の裏面側近傍である。
断熱箱13は、本体部11と一体となるものであり、両者の間は気密性が確保されている。本実施形態では、断熱箱13の容積は、本体部11の容積よりも小さい。
筐体部33は、図5に示す様に天面壁35、底面壁36、左右側面壁37,38(図11)を有しており、前面側及び背面側が開口している。
背面側の開口は、本体部11の大扉12の開口30と連通している。
前記した様に、一対の整流部材2,14はいずれも断熱箱13側に属し、両者は軸方向に配置されている。
一対の整流部材2,14の内、遮蔽部材51よりも試験室15側の位置に設けられた整流部材14を試験室側整流部材14と称し、遮蔽部材51よりも本体部11側に設けられた整流部材2を空気室側整流部材2と称する。
各格子状の通風路73は、平行に配列されている。各格子状の通風路73は、空気室側整流部材2の全長に渡っていて延びており、ある程度の長さを有している。
空気室側整流部材2は断熱箱13に固定されている。前記した様に断熱箱13は、本体部11の大扉12に固定されており、さらに大扉12は本体部11に揺動可能に取り付けられている。そのため空気室側整流部材2は、図10、図11の様に大扉12の揺動に伴って姿勢変更する。
より具体的には、大扉12が閉じられて、断熱箱13内の空間が本体部11の空気室16と一体の空間を形成する状態となった際には、ダクト55の先端側に設けられたフランジ57に、空気室側整流部材2の基端側に設けられたフランジ58が合致し、空気室側整流部材2とダクト55が連続した状態となる。そのためダクト55と空気室側整流部材2とが一体となって一連の空気流路が形成される。
その一方、図10の様に大扉12を開くと、空気室側整流部材2は大扉12と共に揺動し、ダクト55から分離される。
切欠部2a,2aによって、両側部分の通風路73の長さが、中央部分の通風路73の長さよりも若干短くなっているとも言える。換言すると、空気室側整流部材2の空気流れ方向下流側の端部は、両側部分の方が中央部分よりも上流側に退避している。
一方、遮蔽部材51が開かれて本体部11の空気室16と断熱箱13の間が連通した状態の場合は、空気室側整流部材2の作用によって、無駄が少なく試験室15側に風が送られる。
試験室側整流部材14の通風路75の上流側の部位は、空気室側整流部材2の下流側の部位と近接対向している。すなわち、試験室側整流部材14と空気室側整流部材2の間には後記する遮蔽部材51が設置される隙間が形成されている。試験室側整流部材14と空気室側整流部材2は、この隙間を挟んで対向しており、両者の通風路73,75の中心軸は略一致する。
試験室側整流部材14の下流側の部位は、後述の被試験物210を配置する部位に近接している。
また、天面壁35、底面壁36の内面側には、それぞれ溝35a、36a(図5)が設けられている。さらに、左側面壁38の内面側には溝38a(図11)が設けられている。
溝35a、36a、38aは、スリット50と同一鉛直面内に設けられている。
溝35a、36a、38aとスリット50は、試験室側整流部材14よりも空気室16側に設けられている。
取っ手側側部63付近には取っ手用孔51aが設けられている。作業者は、取っ手用孔51aに手を入れて遮蔽部材51を把持することができる。すなわち、遮蔽部材51に取っ手用孔51aを設けることによって、作業者が遮蔽部材51を容易に操作し、遮蔽部材51をスライド移動させることができるようになっている。
本実施形態では、遮蔽部材51は単なる板であり、断熱性についてはあまり期待できないものであるが、断熱性を有するものであってもよい。遮蔽部材51は、実質的に通気性を持たない。
換言すると、遮蔽部材51は、断熱箱13の入口であるスリット50から断熱箱13内に入り、上端部61及び下端部62が溝35a、36aに沿って移動し、先端側側部64が溝38aに嵌まる。先端側側部64が溝38aに嵌まると、図11に示す様に、遮蔽部材51が空気室16と試験室15の間に配置され、両室の通気が遮断される。
遮蔽部材51は、先端側側部64が溝38aに嵌まった状態で、取っ手用孔51a部分が断熱箱13(スリット50)の外部に露出している。すなわち、作業者は、取っ手用孔51a部分を把持して常に遮蔽部材51を操作可能である。
ガラス42a、42b、42cは、4片の枠片43a,b,c,dで構成される枠状部材76に間隔を開けて装着された構造を有している。すなわち、窓部31bは、複数のガラスが間隔をあけて積層された多重構造を有している。
枠状部材76は、4片の枠片43a,b,c,dが、溝77を内側にして長方形に組み合わされたものである。そのため枠状部材76の内周面には、3条の溝77が設けられている。各溝77は、それぞれ環状に繋がっている。
なお、各溝77にはコーキング剤が充填されて封止されており、ガラス42a、42b、42cと枠状部材76の間の気密性が確保されている。
上辺を構成する枠片43aに設けられた貫通孔6a,6bは、ガラス42a、42b、42cによって挟まれた空間44に開口している。具体的には、貫通孔6aは、ガラス42aとガラス42bの間で形成される空間44aに開口し、貫通孔6bは、ガラス42bとガラス42cの間で形成される空間44bに開口する。
同様に、下辺を構成する枠片43cに設けられた貫通孔8a,8bは、ガラス42a、42b、42cによって挟まれた空間44に開口している。具体的には、貫通孔8aは、ガラス42aとガラス42bの間で形成される空間44aに開口し、貫通孔8bは、ガラス42bとガラス42cの間で形成される空間44bに開口する。
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小扉31を閉じることによって筐体部33の前面が閉塞される。
断熱箱13の筐体部33は、前記した様に背面側(上流側)が開口しており、断熱箱13内に形成される試験室15は、本体部11の空気室16と連通している。
すなわち本実施形態の環境試験装置1では、断熱箱13の天面壁35部分と底面壁36部分に貫通孔105が設けられている。
本実施形態では、天面壁35と底面壁36に、直方体の空洞部45,46が設けられ、当該空洞部45,46にブロック体100(図3参照)が内蔵されており、ブロック体100に貫通孔105が設けられている。空洞部45,46の内壁はブロック体100と接し、気密性が確保されている。そのためブロック体100に設けられた貫通孔105が、実質的に断熱箱13を貫通する開口であり、断熱領域7内と環境試験装置1外とを連通するものである。
筐体部33の天面壁35の端部には図3の様に切り欠き部52がある。
切り欠き部52は、断熱壁32を欠落させたものであり、その形状は長方形である。切り欠き部52の断熱箱13の内外面(上下面)には、覆い板56が設けられている。
負圧発生装置112及び窒素ボンベ113と、切り欠き部52との間には切り替え弁(電磁三方弁)115が設けられており、負圧発生装置112と窒素ボンベ113とを切り換えることができる。
本実施形態では、乾燥気体供給源(窒素ボンベ113)と負圧発生装置112を配管47に接続し、両者を切り換えることができる構成を採用しているが、いずれか一方だけであってもよい。また乾燥気体供給源(窒素ボンベ113等)及び負圧発生装置112は必須ではない。
以上、天面壁35の空洞部45について説明したが、底面壁36の空洞部46についても同様である。
そして図3に示すように筐体部33にブロック体100が上下一対ずつ収納されている。
外力付与装置200は、引っ張り試験機である。外力付与装置200は、図1に示すように基台部201と、門型フレーム202を有している。
門型フレーム202には、図示しないガイドレールがあり、門型フレーム202のガイドレールに昇降桟(駆動部)203が係合している。
そして昇降桟203の下部に上ロッド205が設けられており、当該上ロッド205の先端に上側掴み具(保持部材)206が設けられている。すなわち駆動部たる昇降桟203に、上ロッド205を介して保持部材たる上側掴み具206が取り付けられている。
外力付与装置200には、公知の引っ張り試験機と同様に、上側掴み具206を上方に移動させる移動装置と、掴み具の移動量を検知する伸び量計と、引っ張り荷重を検知する荷重計を有している(いずれも図示せず)。ただし本実施形態では、外力付与装置200に付属する伸び量計は使用せず、別途用意の光学式伸び検知装置220を使用することが望ましい。もちろん外力付与装置200に付属する伸び量計を使用してもよく、他の方法によって伸びを測定してもよい。
本実施形態の試験装置10は、前記した様に環境試験装置1と、外力付与装置200によって構成されている。
外力付与装置200は、図1の様に、外力付与装置載置台300の載置板302上に載置されている。
環境試験装置1は、突出部たる断熱箱13が外力付与装置200の門型フレーム202に囲まれた空間に入る様に設置されている。
より詳細には、図1の様に、外力付与装置200の背面側に恒温槽用架台301が配置されており、恒温槽用架台301のテレスコピックガイド306の可動側部によって環境試験装置1が恒温槽用架台301の台座部305から張出した状態で支持されている(張出すことは必須ではない)。そして環境試験装置1は、恒温槽用架台301のテレスコピックガイド306で片持ち状に支持され、環境試験装置1の突出部たる断熱箱13が外力付与装置200の門型フレーム202内に差し入れられている。
特に本実施形態では、試験を行う試験室15(断熱箱13)が本体部11から水平方向に突出していて本体部11から中空に張り出しているから、断熱箱13は外力付与装置200の基台部201とは接せず、断熱箱13と外力付与装置200には広い空間222が確保される。
また外力付与装置200の下ロッド207側も同様であり、外力付与装置200の下ロッド207が断熱箱13を貫通し、下側掴み具(保持部材)208は、断熱箱13の中にある。
従って、空調部として機能する本体部11は、空調手段48の冷却装置22及び加熱ヒータ(加熱装置)23を使用して空調し、加湿装置21は使用しない。
また引っ張り試験は、多数の被試験物210に対して連続的に実施することとする。
一例として、遮蔽部材51は挿入した状態であり、冷却装置22等は停止した状態で試験の準備を行うこととする。
具体的には、最初に環境試験装置1の小扉31を開く。
その後、小扉31を閉じて試験室15を略密閉状態とする。
さらに供給配管9aを介して断熱箱13の窓部31bの空間44aに乾燥空気を供給する。
空調手段48の起動、乾燥空気生成装置の起動、窓部31bに対する乾燥空気の供給のの順序は任意であり、いずれが先でもよく、同時でもよい。
その結果、送風機20によってダクト55から空気室側整流部材2に沿って送風された空気が、前述の若干の隙間を渡って試験室側整流部材14に入り込み、被試験物210に向かって吹き付けられる。
そのため空気吹き出し部26から吹き出された送風は、ダクト55、空気室側整流部材2、試験室側整流部材14を介して試験室15に吹き込まれ、被試験物210の被試験領域215に直接的に当てられる。
被試験物210の設置領域を通過した送風は、ダクト55の外を回り込んで、空気室16側に戻り、空気導入部27から空調通風路25内に再導入される。
そのため送風機20から吹き出した直後の送風は、乱流状態であるが、空気室側整流部材2の通風路73を通過する内に、整流され、層流状態となる。
そのため空気室側整流部材2から吹き出された送風は、平行状態に噴射され、広がり難い。
そして空気室側整流部材2の吐出側に近接し、且つ対向して試験室側整流部材14が設けられているから、平行状態に放出された送風は、広がることなく、試験室側整流部材14に入り、被試験物210に向かって吹き付けられる。
すなわち被試験物210に引っ張り荷重を掛け、その間の外形変形状態を光学式伸び検知装置220で撮影する。そして被試験物210の伸びと、被試験物210に付加された荷重とを関連付けて記録する。
断熱箱13の側面から被試験物210を照らして撮影すると、試験室15の小扉31のガラス42a、42b、42cの反射による影響を受けにくく、鮮明な映像を得ることができる。
遮蔽部材51は、図6、図11の様に試験室15と空気室16の間に入り、試験室15側と空気室16側との通気を遮断する。すなわち遮蔽部材51は、空気室16と試験室15の間を一時的に遮蔽する。
空調通風路25から排出された空気は、遮蔽部材51に衝突して空調通風路25に戻る。すなわち空気は空気室16と空調通風路25の間だけで循環し、試験室15には至らない。
また外部に漏れる空気は低温であるが、その空気は露点が低いので、結露を発生させにくい。
環境試験装置1の本体部(空調部)11内においては、空調手段48及び送風機20が運転を続けており、空気室16と空調通風路25で構成される密閉空間内に空気が循環し続けている。しかしながら試験室15側と空気室16側との間には遮蔽部材51が挟み込まれており、遮蔽部材51によって両室の間の通気が遮断されている。
加えて、空気室16内には乾燥空気導入管3を介して乾燥空気が導入され、空気室16内は正圧傾向となっている。
そのため仮に低温低湿環境で引っ張り試験を行った後に小扉31を開いた場合でも、外気が本体部(空調部)11に流れ込むことは少なく、外気が空調通風路25に侵入することが防止され、空調機器18の冷却装置22に過度に霜や結露が発生することが防止される。
また空気室16から漏れた空気は、露点が低いので、結露の原因にはなりにくい。
その後に、前述の手順で新たな被試験物210を試験室15内に入れ、試験を繰り返す。
すなわち新たな被試験物210を試験室15内に入れ、その後に小扉31を閉じて試験室15を略密閉状態とする。
さらに、遮蔽部材51を外部に引き抜いて試験室15と本体部11の空気室16とを連通させる。その結果、本体部11内で循環していた設定環境の雰囲気の空気が、ダクト55等を経由して試験室15側に流れ込み、試験室15の環境を大気開放環境から低温の試験環境に変化させる。
すなわち、試験室15内の被試験物210を取り換える際には、断熱箱13の小扉31が開かれて試験室15内は外気に晒されるので、試験室15内は試験実施環境が保たれなくなる。その一方で、試験室15と空気室16は遮蔽部材51で遮断されているため、空気室16内の空気は空調手段48で所定の温度に調整された状態に保持されている。
試験室15内の被試験物210の取り換えが完了すると、小扉31が閉鎖され、さらに遮蔽部材51が引き抜かれて試験室15と空気室16とが連通し、両室内の空気が混合する。その際、空気室16の容積が試験室15の容積よりも大きい程、所定の温度に調整された空気の量が相対的に多くなり、逆に大気にさらされた空気の量が相対的に少なくなり、試験室15内の空気が所定の温度に調整されるまでの時間が短くて済む。よって、速やかに環境試験を実施することができる。
すなわち、空間44a、44bには乾燥空気が通過しているため、試験室15内の空気と外気の間に温度差や湿度差があっても結露が抑制される。
また、本実施形態では、三枚のガラス42a、42b、42cを使用し、二つの空間44a、44bを形成したが、ガラスを四枚以上設け、空間を三以上形成し、各空間を乾燥空気が順に移動する様に構成してもよい。また、二枚のガラスを使用し、空間を一つのみとしても、結露防止の一定の効果は得られる。
この構成によると、試験室15の上下や左右に空間ができ、他の物を配置しやすい。
また上記した実施形態は、通常の小型の環境試験装置を改造して作ることができ、部品の汎用性が高い。また量産性に富む。
さらに本発明は、外力付与装置を有しない環境試験装置に適用することもできる。本発明は、ロッド用の貫通孔を有さない通常の環境試験装置にも応用できる。
以上説明した実施形態では、上下の掴み具206,208をいずれも試験室15の中に配置したが、上下の掴み具206,208の一方又は双方を試験室15の外に配置してもよい。
上下の掴み具206,208の一方又は双方を試験室15の外に配置する場合には、被試験物210の一部又はその付属品、外力付与装置200と被試験物210を繋ぐ部材の少なくともいずれかを断熱箱13の貫通孔105に挿通させることとなる。
また以上説明した環境試験装置1では、遮蔽部材51は、水平方向に移動するものであるが、垂直方向に移動するものであってもよい。
また以上説明した環境試験装置1では、遮蔽部材51は一枚の板であるが、多数枚の板で構成されていてもよい。またバタフライ弁やダンパーのごとく、揺動するものであってもよい。
しかしながら本発明はこの構成に限定されるものではなく、図13の様に一つの断熱槽内に空気室16と試験室15が形成され、両者の間に遮蔽部材51が設けられたものであってもよい。
2 空気室側整流部材
11 本体部(空調部)
12 大扉(開閉扉)
14 試験室側整流部材
15 試験室
16 空気室
18 空調機器
25 空調通風路
26 空気吹き出し部
31b 窓部(窓)
32 断熱壁(外壁)
42a、42b、42c ガラス(透明板)
45,46 空洞部(貫通孔)
48 空調手段
51 遮蔽部材
55 ダクト
200 外力付与装置
210 被試験物
Claims (9)
- 被試験物に外力を付与する外力付与装置と組み合わされて、所定の試験を実施する環境試験装置において、
空調部と、試験室を有し、
前記空調部は内部の空気を所定の温度に調整するものであり、
前記試験室には開閉扉があり、前記試験室は外壁で覆われており、前記外壁には外力付与装置の一部又はその付属品、被試験物の一部又はその付属品、外力付与装置と被試験物を繋ぐ部材の少なくともいずれかを挿通する貫通孔があり、
試験室と空調部は連通し、前記試験室と空調部の間を一時的に遮蔽する遮蔽部材を有することを特徴とする環境試験装置。 - 空調部と、試験室を有し、
前記空調部は内部の空気を所定の温度に調整するものであり、
前記試験室には開閉扉があり、前記試験室は外壁で覆われており、
試験室と空調部は連通し、前記試験室と空調部の間を一時的に遮蔽する遮蔽部材を有することを特徴とする環境試験装置。 - 前記空調部は、空調機器が内蔵された空調通風路と、空気室を有し、前記空調通風路と前記空気室の間を空気が循環するものであり、
前記空気室には試験室側に空気を導くダクトが設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の環境試験装置。 - 前記遮蔽部材の近傍であって前記空調部側に空調部側整流部材が設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の環境試験装置。
- 前記遮蔽部材の近傍であって前記試験室側に試験室側整流部材が設けられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の環境試験装置。
- 前記空調部は、空調機器が内蔵された空調通風路と、空気室を有し、前記空調通風路と前記空気室の間を空気が循環するものであり、
前記空調通風路の空気吹き出し部から吹き出された送風を集めて試験室側に導くダクトと、空調部側整流部材と、試験室側整流部材を有し、
空調部側整流部材と、試験室側整流部材は遮蔽部材を挟んで対向する位置に配置されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の環境試験装置。 - 試験室には内部を覗くことが可能な窓があり、当該窓は透明板が複数設けられた多重構造であって、透明板同士の間に乾燥気体が導入されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の環境試験装置。
- 空調部には乾燥気体が導入され、空調部内を正圧傾向に保つことが可能であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の環境試験装置。
- 空調部は開閉扉と、空調通風路と、空気室を有し、前記空調通風路と前記空気室の間を空気が循環するものであって独立して環境試験装置として使用することが可能であり、
空調部の開閉扉に前記試験室が取り付けられていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の環境試験装置。
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