JP5995324B2 - 環境試験装置 - Google Patents
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Description
特許文献1に開示されている冷熱衝撃試験装置では、高温に調整された気体を試験室に導入して高温雰囲気下に被試験物を晒す高温晒しモードによる運転と、低温に調整された気体を試験室に導入して低温雰囲気下に被試験物を晒す低温晒しモードによる運転とを順次実施する冷熱サイクル動作を繰り返し実施し、被試験物に熱衝撃を与える。
前記した高温側温調室内にはヒータと送風機とが設けられており、送風機で内部の空気を循環しつつ、ヒータで高温側温調室内を昇温する。
低温側温調室内には冷却装置と送風機とが設けられており、送風機で内部の空気を循環しつつ、冷却装置で低温側温調室内の温度を低下させる。
同様に試験室と低温側温調室の間にも、一連の低温側空気循環路が形成されており、当該低温側空気循環路には、低温側ダンパーが設けられている。
このとき、低温側空気循環路に設けられた低温側ダンパーは閉じられており、低温側温調室内だけで空気を循環させて低温側温調室の温度を低温に保つ。即ち次の低温晒しモードの実施に備えて、低温側温調室に低温の空気を準備しておく。
このとき、高温側空気循環路に設けられた高温側ダンパーは閉じられ、高温側温調室内だけで空気を循環させて高温側温調室の温度を高温に保つ。即ち次の高温晒しモードの実施に備えて、高温側温調室に高温の空気を準備しておく。
即ち低温晒しモードが実行されている際には、高温側ダンパーが閉じられて試験室と高温側温調室との間が遮断され、高温側温調室内ではヒータに通電されると共に送風機が駆動され、高温側温調室を高温の空気が循環している。
この様に低温晒しモードが実行されている際には、高温側ダンパーが閉じられていて試験室側に高温の空気が漏れることを防止している。
しかしながら、高温側ダンパーには350度程度の高温の空気が接している。かつ送風機によって空気が循環されているので、高温側ダンパーにはある程度の動圧が掛かる。
即ち樹脂やゴムを素材とするパッキン部材は、シール性能が高いが、高温で軟化したり、早期に劣化してしまうという問題がある。
パッキン部材が劣化して気密性がなくなると、低温晒しモードの際に試験室内に高温の空気が流れ込み、試験室内の温度を所望の低温にすることが困難となる。
そのため金属パッキンを使用すると、低温晒しモードの際に試験室内に高温の空気が流れ込みやすく、試験室内の温度を低下させることの妨げとなる。
一方、押圧部材は、突端部の幅がパッキン部材よりも狭く、突端部が延びる。そのため押圧部材のパッキン部材に対する接触面積が小さく、接触圧力が高い。そのため押圧部材の突端部はパッキン部材の表面に密接し、高いシール性能を発揮する。
請求項3に記載の発明は、空気を昇温する昇温部を有し、昇温部内にはヒータと送風機とが設けられており、ヒータで昇温部内を昇温するものであり、前記昇温部と試験室を繋ぐ連通路に前記開口及び開閉部材があり、前記開閉部材は動力によって動作され、前記パッキン部材は、布状物又は網状物で繊維を覆った構造を有し、前記布状物及び網状物は金属製の線材又は繊維で作られたものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の環境試験装置である。
本発明で採用するパッキン部材は、押圧部材と接する面が、略連続していて漏れる部位が無い。
しかしながらその一方で、長尺物を環状に接続すると、角の部分が丸くなりがちである。また角の部分は波うったり厚さが不均一となりがちである。
そこで本発明では、押圧部材を複数の押圧部材片に分け、複数の押圧部材片を他の部材に固定した状態で各押圧部材片の突端部によってパッキン部材の環状面と接する環状突端部を形成させることとした。本発明によると、パッキン部材の平面形状に合わせて押圧部材片を配置することができ、完成された押圧部材によってパッキン部材を有効に押圧することができる。
そのため本発明の環境試験装置は、無駄な電力消費が少ない。また本発明の環境試験装置は、所望の環境に至らせるまでに要する時間も短い。
同様に試験室2と低温側温調室6の間にも、図5の様に一連の低温側空気循環路11が形成可能であり、当該低温側空気循環路11には、低温導入側ダンパー15と、低温排出側ダンパー16が設けられている。
このとき、低温側空気循環路11に設けられた低温導入側ダンパー15と、低温排出側ダンパー16は閉じられており、低温側温調室6内だけで空気を循環させて低温側温調室6の温度を低温に保つ。即ち次の低温晒しモードの実施に備えて、低温側温調室6内に低温の空気を準備しておく。
このとき、高温側空気循環路7に設けられた高温導入側ダンパー8と、高温排出側ダンパー10は閉じられ、高温側温調室5内だけで空気を循環させて高温側温調室5の温度を高温に保つ。即ち次の高温晒しモードの実施に備えて、高温側温調室5に高温の空気を準備しておく。
図1に示すように、環境試験装置1は、筐体3を有している。筐体3は、直方体状の形状を有するものであり、断熱性を有する外壁によって外周が囲まれている。筐体3の正面には、扉17があり、扉17によって試験室2の出入り開口13が開閉される。なお出入り開口13は、試験室2に被試験物を出し入れするための開口であり、高温の空気が接することがある。
前記した試験室2、高温側温調室5及び低温側温調室6は、いずれも断熱壁21によって囲まれている。また試験室2と、高温側温調室5及び低温側温調室6との間は、それぞれ断熱仕切り壁22,23で仕切られている。
高温導入側ダンパー8は、平面視が略長方形であり、その一辺側に設けられたヒンジ34を中心として揺動する。なお高温排出側ダンパー10、低温導入側ダンパー15と、低温排出側ダンパー16についても同様であり、平面視が略長方形であり、その一辺側に設けられたヒンジを中心として揺動する。
また高温排出開口35には、高温排出側ダンパー10が設けられている。
なお本実施形態では、高温導入側ダンパー8及び高温排出側ダンパー10の中央部に突出部12があり、高温導入開口33等を塞いだ際に前記した突出部12が高温導入開口33等の中に入り込む。
そのため、高温導入側ダンパー8及び高温排出側ダンパー10を開いた状態で送風機30を作動させると、ヒータ28で加熱された空気が、送風機30の送風口29から高温導入側ダンパー8に至る領域を経て試験室2に向けて送風される。このとき、高温の空気は、高温導入開口33と接する。
また、試験室2に送風された空気は、試験室2に充満すると共に高温排出開口35を通過し、高温側温調室5に戻る。高温側温調室5に流入した空気は、再びヒータ28に戻る。このようにして、ヒータ28で加熱された空気は、高温側温調室5と試験室2との間で循環する。
即ち低温側温調室6の内部も、仕切42を介して、冷却部40と内部循環ダクト43とに分かれている。冷却部40には、冷却装置37と、補助加熱装置38及び送風機68が設けられている。また、図3,4,5に示すように、内部循環ダクト43には、低温側内部ダンパー41が設けられている。さらに、低温側温調室6と試験室2の間には、低温導入開口45と、低温排出開口46が設けられている。そして低温導入開口45には、低温導入側ダンパー15が設けられている。また低温排出開口46には、低温排出側ダンパー16が設けられている。各ダンパー15,16,41は、図示しないモータによって開閉される。
一方、低温側温調室6は、低温導入側ダンパー15及び低温排出側ダンパー16を閉じ、低温側内部ダンパー41を開いた状態で送風機68を作動させることにより、冷却装置37により空気を冷却しつつ、冷却装置37と内部循環ダクト43との間で空気を循環させることができる。
高温導入側ダンパー8は、高温側空気循環路7に取り付けられたものであり、高温導入開口33を開閉する開閉部材である。
開閉部材たる高温導入側ダンパー8と、高温導入開口33は、パッキン部材50と、押圧部材51とによって封止されている。
本実施形態では、高温導入開口33の周囲にパッキン部材50が設けられ、押圧部材51は高温導入側ダンパー8側に設けられている。
布状物53の組成は、網状であっても織物状であってもよい。
またパッキン部材50は、長尺状であるが、本実施形態では、図6,7,8の様に環状に接続されている。
従ってパッキン部材50の平面形状は、図6,7,8の様に略長方形である。ただし、角の部位Aは、やや丸みを帯びている。要するにパッキン部材50の平面形状は、高温導入開口33の開口形状に合わせたものであればよい。
各押圧部材片55,56,57,58は、長さだけが異なり、断面形状その他は同一であるから、押圧部材片56を例に説明する。
押圧部材片56は、断面形状が概ね「L」字状である。即ち押圧部材片56は、取り付け座部60と、取り付け座部60に対して垂直に折り立てられた垂直壁部61を有している。取り付け座部60には、取り付け用の長孔67が設けられている。
垂直壁部61の頂部は、補強のために折り返されている。
従って、押圧部材片56の突端部62は、やや丸みを帯びている。また押圧部材片56の突端部62の幅wは、前記したパッキン部材50の幅Wに比べて著しく小さい。
また垂直壁部61の高さは一定であり、押圧部材片56の突端部62は、線状に延びている。より具体的には、押圧部材片56の突端部62は、幅が狭く、直線状に延びている。
ここで、押圧部材片55,56,57,58の組付け作業について言及すると、4本の押圧部材片55,56,57,58を高温導入側ダンパー8に取り付ける際に、押圧部材片55,56,57,58の位置合わせが行われる。
例えば、図8に示す様に、押圧部材片56,58を押圧部材片55,57の両端よりもやや内側に入れた状態で、押圧部材片55,56,57,58を取り付け、パッキン部材50を環状に押圧できる様に調節する。
本実施形態の環境試験装置1のレイアウトでは、高温導入側ダンパー8の真上の位置に送風機30があり、送風機30の送風口29は高温導入側ダンパー8側に向いている。そのため送風の動圧が高温導入側ダンパー8に掛かる。しかしながら、パッキン部材50は押圧部材51によって強く押圧され、両者の間の気密性は高い。そのため送風機30の回転数を高くしても高温の空気が、試験室2側に漏れることを抑制することができる。
また本実施形態では、高温導入側ダンパー8及び高温排出側ダンパー10の中央部に突出部12があり、高温導入開口33等を塞いだ際に前記した突出部が高温導入開口33等の中に入り込む。この構成は、パッキン部材50,50’に高温の空気が接する機会を減少する効果があり、推奨されるものであるが、本発明はこの構成に限定されるものではない。
また上記した実施形態では、高温導入側ダンパー8と扉17部分に、パッキン部材50と押圧部材51による封止構造を採用したが、いずれか一方にのみこれを採用してもよい。
また上記した実施形態では、パッキン部材50は、長尺状のものを一定の寸法に切断し、この両端を接続して環状に成形したものであり、継ぎ目が一か所であるが、複数の継ぎ目を有するものであってもよい。例えば、長辺側用の2本と、短辺用の2本を作り、これを環状に繋いでもよい。さらに、複数の直線状又は曲線状のパッキン部材を単に開口等の回りに配置したものであってもよい。即ちパッキン部材50は、複数のパーツを単に環状に配置したものであってもよい。
例えば、2個の押圧部材片によって押圧部材51を構成してもよい。この場合には、押圧部材51の平面形状は、「L」状となる。逆に5個以上の押圧部材片によって押圧部材51を構成してもよい。もちろん、押圧部材51が分離不能な一個の部材であってもよい。
また上記した実施形態では、押圧部材片55,56,57,58の断面形状が同一であると説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、異なる断面形状を持つものであってもよい。
また上記した実施形態では、短い側の押圧部材片56,58の位置を変化させて位置調節する旨を説明したが、長い側の押圧部材片55,57の位置を変化させて位置調節をしてもよい。
例えば恒温恒湿装置には、高温導入側ダンパー8に相当する部材を持たない場合があるが、その場合には、筐体の正面に設けられる扉部分の封止構造に、本発明を適用することとなる。
2 試験室
5 高温側温調室(温調部)
6 低温側温調室(温調部)
7 高温側空気循環路
8 高温導入側ダンパー
10 高温排出側ダンパー
11 低温側空気循環路
13 出入り開口
15 低温導入側ダンパー
16 低温排出側ダンパー
17 扉
30 送風機
33 高温導入開口
50,50’ パッキン部材
51,51’ 押圧部材
52 繊維
53 布状物
55,56,57,58 押圧部材片
60 取り付け座部
61 垂直壁部
62 突端部
65 環状面
66 環状突端部
Claims (5)
- 被試験物を配置する試験室を有し、試験室内を高温環境とすることが可能な環境試験装置であって、開口と、当該開口を開閉する開閉部材を有する環境試験装置において、
突端部が延びる押圧部材と、押圧部材よりも幅が広く且つ凹変可能及び/又は厚さ方向に変形可能なパッキン部材とを有し、
前記開口の周囲または前記開口周囲に対応する開閉部材の部位のうち、一方に前記パッキン部材が設けられ、他方に前記押圧部材が設けられ、前記開口を閉鎖した状態の際に押圧部材の突端部がパッキン部材と接するものであり、
前記パッキン部材は、長尺物が環状に接続されたものであって押圧部材側に対向する環状面を有し、前記パッキン部材の平面形状は角の部位に丸みを帯びた略四角形であり、
前記押圧部材は、突端部を備えた4本の押圧部材片によって構成され、前記複数の押圧部材片が他の部材に固定された状態で各押圧部材片の突端部によってパッキン部材の環状面と接する環状突端部が形成されており、
対向する2本の押圧部材片の内側に他の2本の押圧部材片があり、前記内側の2本の押圧部材片は、前記対向する2本の押圧部材片の間にあって位置調節可能であることを特徴とする環境試験装置。 - 被試験物を配置する試験室を有し、試験室内を高温環境とすることが可能な環境試験装置であって、開口と、当該開口を開閉する開閉部材を有する環境試験装置において、
突端部が延びる押圧部材と、押圧部材よりも幅が広く且つ凹変可能及び/又は厚さ方向に変形可能なパッキン部材とを有し、
前記開口の周囲または前記開口周囲に対応する開閉部材の部位のうち、一方に前記パッキン部材が設けられ、他方に前記押圧部材が設けられ、前記開口を閉鎖した状態の際に押圧部材の突端部がパッキン部材と接するものであり、
前記パッキン部材は、長尺物が環状に接続されたものであって押圧部材側に対向する環状面を有し、前記パッキン部材の平面形状は角の部位に丸みを帯びた略四角形であり、
前記押圧部材は、突端部を備えた複数の押圧部材片によって構成され、前記複数の押圧部材片が他の部材に固定された状態で各押圧部材片の突端部によってパッキン部材の環状面と接する環状突端部が形成されており、
いずれかの押圧部材片は、他の押圧部材片に対して位置調節可能であることを特徴とする環境試験装置。 - 空気を昇温する昇温部を有し、昇温部内にはヒータと送風機とが設けられており、ヒータで昇温部内を昇温するものであり、
前記昇温部と試験室を繋ぐ連通路に前記開口及び開閉部材があり、
前記開閉部材は動力によって動作され、
前記パッキン部材は、布状物又は網状物で繊維を覆った構造を有し、前記布状物及び網状物は金属製の線材又は繊維で作られたものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の環境試験装置。 - 前記開口は、試験室に被試験物を出し入れするための出入り開口であり、前記開閉部材は出入り開口を開閉する扉部材であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の環境試験装置。
- 前記突端部は垂直壁部の頂部が折り返されたものであり、丸みを帯びていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の環境試験装置。
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