JP6312909B1 - ダイプレクサ及びマルチプレクサ - Google Patents

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Abstract

【課題】反射損失の増大を抑制しつつ、方向性結合器を構成する導波路の幅を容易に変更可能なダイプレクサを提供すること。【解決手段】ダイプレクサ(100)は、第1及び第2の方向性結合器(106A,106B)と、第1及び第2のフィルタ(101A,101B)とを備えている。各フィルタ(101A,101B)は、電磁気的に結合された複数の共振器(110A〜150A,110B〜150B)を備えている。共振器(110A〜150A,110B〜150B)の各々は、円形または6角形以上の正多角形の広壁を有し、共振器(110A〜150A,110B〜150B)のうち互いに結合されている2つの共振器の各々は、これら2つの共振器の広壁の外接円の半径をR1及びR2とし、これら2つの共振器の中心間距離をDとした場合に、D<R1+R2となるように配置されている。【選択図】図3

Description

本発明は、方向性結合器と共振器結合型のフィルタとを備えたダイプレクサに関する。また、このようなダイプレクサを複数備えたマルチプレクサにも関する。
マイクロ波帯及びミリ波帯での使用を想定したダイプレクサが非特許文献1の図8に記載されている。
このダイプレクサは、2つの方向性結合器と、これら2つの方向性結合器の間に介在し、並列に配置された2つのフィルタとを単位構成として、2つの単位構成からなる。第1の単位構成においては、非特許文献1の図8に記載のポート1(port 1)に一方の方向性結合器が接続され、ポート4(port 4)に他方の方向性結合器が接続されている。第2の単位構成においては、非特許文献1の図8に記載のポート2(port 2)に一方の方向性結合器が接続され、ポート3(port 3)に他方の方向性結合器が接続されている。
このダイプレクサは、ポスト壁導波路(PWW,Post-Wall Waveguide)の技術を利用して実現されている。具体的には、このダイプレクサは、一対の導体層により挟み込まれた誘電体製の基板を用いて製造されている。基板の内部には、上述した複数の方向性結合器及び複数のフィルタが形成されている。これらの各方向性結合器及び各フィルタは、一対の導体層を一対の広壁とし、柵状に配列された複数の導体ポストからなるポスト壁を狭壁とする。
各方向性結合器の狭壁を構成する複数の導体ポストは、非特許文献1の図4に示すように配置されている。
また、各フィルタの狭壁を構成する複数の導体ポストは、非特許文献1の図6に示すように配置されている。これらの各フィルタは、3つの共振器が直列に結合してなる3段のフィルタである。すなわち、これらの各フィルタは、共振器結合型のフィルタである。
Yu-Liang Cheng, Hung-Wei Chen, Peng-Da Huang and Chi-Yang Chang,"A W-band Quadrature Hybrid Coupled Substrate Integrated Waveguide Diplexer",in Proc. Asia-Pacific Microw. Conf., pp.1-3, Dec. 20015.
このようなダイプレクサの特性(アイソレーション特性及び反射特性)を向上させるための1つの方法として、方向性結合器の方向性を向上させることが効果的である。本願の発明者は、この方向性を向上させるための重要な設計パラメータが方向性結合器を構成する一対の導波路の幅(非特許文献1の図4に記載のWio)であることを見出した。したがって、ダイプレクサを設計するときに、一対の導波路の幅を任意の値に設定することが容易なダイプレクサは、特性のよいダイプレクサを設計するために有利である。言い換えれば、一対の導波路の幅を容易に設計変更することができるダイプレクサは、設計するときの自由度が高い。
ところで、ダイプレクサを設計するときには、方向性結合器の一対の導波路の幅(非特許文献1の図4に記載のWio)と、フィルタの導波路の幅(非特許文献1の図6に記載のWio)とを一致させることが好ましい。これは、方向性結合器とフィルタとを接続する接続部における反射損失を抑制し、ダイプレクサにおける反射損失を抑制するためである。非特許文献1の図8に記載のダイプレクサにおいても、方向性結合器を構成する一対の導波路の幅と、フィルタを構成する導波路の幅とは、一致している。
したがって、このようなダイプレクサにおいて、方向性結合器の方向性を向上させるために方向性結合器を構成する一対の導波路の幅を任意の値に設定した場合、反射損失を抑制するためにはフィルタを構成する導波路の幅も併せて変更することが求められる。しかし、フィルタを構成する導波路の幅は、フィルタの重要な設計パラメータの1つである。そのため、フィルタの導波路の幅を、方向性結合器の一対の導波路の幅に一致させるためには、フィルタの導波路の幅以外の設計パラメータを改めて最適化しなおすことが求められる。
以上のように、従来のダイプレクサにおいて、ダイプレクサの特性を向上させるために方向性結合器の一対の導波路の幅を変更することは容易ではなかった。
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、方向性結合器と、共振器結合型のフィルタとを備えたダイプレクサにおいて、反射損失の増大を抑制しつつ、方向性結合器を構成する導波路の幅を容易に変更可能なダイプレクサを提供することである。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るダイプレクサは、第1の導波路及び第2の導波路により構成された第1の方向性結合器と、第3の導波路及び第4の導波路により構成された第2の方向性結合器と、第1の導波路と第3の導波路との間に介在する第1のフィルタと、第2の導波路と第4の導波路との間に介在する第2のフィルタと、を備えたダイプレクサである。前記第1のフィルタ及び前記第2のフィルタは、電磁気的に結合された複数の共振器を備え、前記複数の共振器の各々は、円形または6角形以上の正多角形の広壁を有し、前記複数の共振器のうち互いに結合されている2つの共振器の各々は、これら2つの共振器の広壁の外接円の半径をR及びRとし、これら2つの共振器の中心間距離をDとした場合に、D<R+Rとなるように配置されている、ことを特徴とする。
上記の構成によれば、本ダイプレクの第1のフィルタ及び第2のフィルタの各々を構成する複数の共振器は、円形または6角形以上の正多角形の広壁を有している。そのため、ダイプレクサの特性を向上させるために第1〜第4の導波路の幅を任意の値に設定した場合であっても、各導波路と各フィルタとの接続部(例えば、第1の導波路と第1のフィルタとの接続部)における反射損失の増大を従来のダイプレクサと比較して抑制することができる。
したがって、各導波路と各フィルタとの接続部における反射損失の増大を抑制しつつ、方向性結合器を構成する各導波路の幅を容易に変更可能なダイプレクサを提供することができる。
本発明の一態様に係るダイプレクサにおいて、前記複数の共振器は、入力ポートが設けられた最初段の共振器と、出力ポートが設けられた最終段の共振器とが隣接するように配置されている、ことが好ましい。
上記の構成によれば、複数の共振器が直線状に配置されている場合と比較して、フィルタの全長を短くすることができる。したがって、ダイプレクサの全長を短くすることができる。
本発明の一態様に係るダイプレクサにおいて、前記複数の共振器は、入力ポートが設けられた最初段の共振器と、出力ポートが設けられた最終段の共振器とを含み、前記最初段の共振器のうち前記最終段の共振器と対向する側と逆側の領域に、当該最初段の共振器の中心と前記最終段の共振器の中心とを通る直線と交わる、前記入力ポートとして機能する結合窓が形成されており、前記最終段の共振器のうち前記最初段の共振器と対向する側と逆側の領域に、前記直線と交わる、前記出力ポートとして機能する結合窓が形成されている、ことが好ましい。
上記の構成によれば、入力ポート及び出力ポートが最初段の共振器の中心と前記最終段の共振器の中心とを通る直線と交わるように形成されているため、第1のフィルタは、第1の導波路と第3の導波路との間に介在するフィルタとして好適に利用することができる。同様に、第2のフィルタは、第2の導波路と第4の導波路との間に介在するフィルタとして好適に利用することができる。
そのうえで、入力ポートとして機能する結合窓を形成する領域を上述した直線と交わる範囲内において適宜変更することによって、入力ポートに接続される導波路と最初段の共振器との接続部における反射損失を抑制することができる。出力ポートの場合も入力ポートの場合と同様に、出力ポートに接続される導波路と最後段の共振器との接続部における反射損失を抑制することができる。
したがって、各導波路と各フィルタとの接続部における反射損失の増大をさらに抑制しつつ、方向性結合器を構成する各導波路の幅を容易に変更可能なダイプレクサを提供することができる。
本発明の一態様に係るダイプレクサにおいて、前記複数の共振器は、奇数個の共振器により構成されていてもよい。
複数の共振器の各々は、上面視した場合の形状が円形または6角形以上の正多角形である。そのため、本フィルタは、複数の共振器の個数が奇数個である場合であっても、複数の共振器が線対称な形状となるように配置することができる。したがって、フィルタを設計する場合に用いる設計パラメータの数を少なくすることができるため、フィルタの設計が容易になる。
本発明の一態様に係るダイプレクサにおいて、前記複数の共振器の各々は、一対の広壁と、当該一対の広壁の間に介在する狭壁とにより構成されており、前記一対の広壁は、誘電体基板の両面に設けられた一対の導体層からなり、前記狭壁は、前記誘電体基板を貫通し、且つ、一対の広壁の各々を導通させる導体ポスト群からなる、ことが好ましい。
上記の構成によれば、ポスト壁導波路の技術を用いることによって作製することができる。ポスト壁導波路の技術を用いて本フィルタを作製することによって、金属製の導波管の技術を用いてフィルタを作製する場合と比較して、容易に作製することができ、軽量化を図ることもできる。
本発明の一態様に係るダイプレクサにおいて、前記複数の共振器のうち少なくとも1つの共振器は、当該共振器を構成する一対の広壁のうち何れか一方の広壁から当該共振器の内部に向かって突出した、導体製の突出部を更に含む、ことが好ましい。
上記の構成によれば、突出部を形成する位置と、突出部が一方の広壁から共振器の内部に突出した突出量とを調整することにより、当該共振器の共振周波数を変化させることができる。その結果として、本フィルタの共振周波数を変化させることができる。このことは、本フィルタの特性を調整するための設計パラメータとして、突出部を形成する位置及び突出部の突出量を利用できることを意味する。したがって、本フィルタは、複数の共振器の各々の形状を設計変更することなく、容易に特性を調整することができる。
なお、突出部の先端は、他方の広壁に達していてもよいし、共振器の内部に留まっており他方の広壁に達していなくてもよい。
本発明の一態様に係るダイプレクサにおいて、前記第1のフィルタ及び前記第2のフィルタは、第1の周波数帯域を通過帯域とする。本ダイプレクサは、電磁気的に結合された複数の共振器により構成され、前記第1の周波数帯域とは異なる第2の周波数帯域を通過帯域とし、前記第1の導波路の前記第1のフィルタと逆側の端部に接続された第3のフィルタを更に備えている、ことが好ましい。
上記の構成によれば、第3のフィルタの第1の導波路と逆側の端部と、第3の導波路の第1のフィルタと逆側の端部との間におけるアイソレーション特性を向上させることができる。
本発明の一態様に係るダイプレクサにおいて、前記第3のフィルタを構成する前記複数の共振器の各々は、前記第1のフィルタ及び前記第2のフィルタを包含し、且つ、その直径が前記第2の導波路の前記第2のフィルタと逆側の端部から前記第4の導波路の前記第2のフィルタと逆側の端部までの長さ以下である任意の基準円の円周上又は内側に配置されている、ことが好ましい。
上記の構成によれば、第3のフィルタを構成する各共振器の何れかが基準円の円周上又は内側に配置されていない場合と比較して、コンパクトなダイプレクサを設計することができる。
本発明の一態様に係るダイプレクサにおいて、前記第3のフィルタを構成する前記複数の共振器の各々は、円形または6角形以上の正多角形の広壁を有し、前記複数の共振器のうち互いに結合されている2つの共振器の各々は、これら2つの共振器の広壁の外接円の半径をr及びrとし、これら2つの共振器の中心間距離をdとした場合に、d<r+rとなるように配置されている、ことが好ましい。
上記の構成によれば、第3のフィルタを構成する複数の共振器のうち互いに結合されている2つの共振器に着目した場合に、当該2つの共振器の各々の外接円の形状は、2つの外接円の中心同士をつなぐ直線を対称軸として線対称である。したがって、特許文献1に記載のフィルタと比較して、本フィルタは、その形状に関する対称性が高いため、設計パラメータの数を少なくすることができる。
また、上記の構成によれば、第3のフィルタを構成する複数の共振器の各々を構成する広壁の形状は、円形または6角形以上の正多角形である。したがって、本フィルタは、その形状に関する対称性が高いため、設計パラメータの数を少なくすることができる。
したがって、本フィルタは、従来のフィルタと比較して、所望の特性を有するフィルタを容易に設計することができる。
本発明の一態様に係るマルチプレクサは、上述した各態様のうち何れか一態様に係るダイプレクサを複数備えている、ことが好ましい。
また、本発明の一態様に係るダイプレクサを複数備えているマルチプレクサも本発明の範疇に含まれる。
本発明の一態様に係るダイプレクサは、方向性結合器と、共振器結合型のフィルタとを備え、反射損失の増大を抑制しつつ、方向性結合器を構成する導波路の幅を容易に変更可能である。本発明の一態様に係るマルチプレクサは、本発明の一態様に係るダイプレクサと同様の効果を奏する。
本発明の第1の実施形態に係るダイプレクサのブロック図である。 図1に示したダイプレクサが備えている方向性結合器の平面図である。 図1に示したダイプレクサが備えているフィルタ対の平面図である。 本発明の第2の実施形態に係るマルチプレクサのブロック図である。 (a)は、本発明の第3の実施形態に係るフィルタの斜視図である。(b)は、(a)に示したフィルタの平面図である。 (a)〜(d)は、それぞれ、本発明の第1〜第4の変形例であるフィルタの平面図である。 (a)及び(b)は、それぞれ、本発明の第5〜第6の変形例であるフィルタの平面図である。 図5に示したフィルタをポスト壁導波路の技術を用いて構成した場合の構成例の斜視透視図である。 (a)及び(b)は、それぞれ、図8に示したフィルタの入力ポートに接続された導波路の端部に設置可能な変換部の平面図及び断面図である。 (a)は、本発明の第4の実施形態に係るフィルタの斜視図である。(b)は、(a)に示したフィルタの平面図である。 本発明の第7の変形例であるフィルタの斜視透視図である。 本発明の実施例であるフィルタ及び本発明の比較例であるフィルタの平面図である。 (a)は、図12に示した実施例及び比較例のフィルタにおける反射特性を示すグラフである。(b)は、図12に示した実施例及び比較例のフィルタにおける透過特性を示すグラフである。 (a)は、図12に示した実施例のフィルタの内部における電界分布を示す等高線図である。(b)は、図12に示した比較例のフィルタの内部における電界分布を示す等高線図である。 (a)は、本発明の第5の実施形態に係るダイプレクサのブロック図である。(b)は、(a)に示したダイプレクサの平面図である。 図15に示したダイプレクサが備えている方向性結合器の変形例の平面図である。 本発明の第6の実施形態に係るダイプレクサの平面図である。 本発明の第7の実施形態に係るダイプレクサの平面図である。
〔第1の実施形態〕
本発明の第1の実施形態に係るダイプレクサについて、図1〜図3を参照して説明する。図1は、本実施形態に係るダイプレクサ100のブロック図である。図2は、ダイプレクサ100が備えている方向性結合器106Aの平面図である。図3は、ダイプレクサ100が備えているフィルタ対の平面図である。なお、図2及び図3においては、方向性結合器106A及びフィルタ対を構成する一方の広壁(z軸正方向側の広壁)を省略した状態のダイプレクサ100を示している。これは、方向性結合器106A及びフィルタ対を構成する狭壁の構成を分かりやすく図示するためである。
<ダイプレクサ100の概要>
図1に示すように、ダイプレクサ100は、方向性結合器106Aと、方向性結合器106Bと、フィルタ101Aと、フィルタ101Bとを備えている。方向性結合器106A、方向性結合器106B、フィルタ101A、及びフィルタ101Bの各々は、それぞれ、請求の範囲に記載の第1の方向性結合器、第2の方向性結合器、第1のフィルタ、及び第2のフィルタに対応する。フィルタ101A及びフィルタ101Bは、方向性結合器106Aと方向性結合器106Bとの間に介在するフィルタ対を構成する。
ダイプレクサ100は、すなわち、方向性結合器106A、方向性結合器106B、フィルタ101A、及びフィルタ101Bの各々は、後述するポスト壁導波路の技術を用いて製造することもできるし(例えば図8参照)、金属製の中空導波管の技術を用いて製造することもできるし、金属製のブロックを削り出すことによって中空導波路を形成する技術を用いて製造することもできる。本実施形態では、ポスト壁導波路の技術を用いて製造したダイプレクサ100を用いて説明する。すなわち、方向性結合器106A、方向性結合器106B、フィルタ101A、及びフィルタ101Bの各々は、その両面の各々に導体層が形成された誘電体製の基板(図2,図3に示した基板103、請求の範囲に記載の誘電体基板)を用いて集積化させている。
ポスト壁導波路の技術を用いて構成したダイプレクサ100は、金属製の導波管の技術又は金属製のブロックを削り出すことによって中空導波路を形成する技術を用いて構成したダイプレクサと比較して、容易に作製することができ、軽量化を図ることもできる。
方向性結合器106Aは、4つのポートを有している。これらの4つのポートのうち2つのポートは、ダイプレクサ100の4つのポートのうち2つのポートであるポートP1及びポートP2を構成する。
方向性結合器106Bは、方向性結合器106Aと同一の構成を有する。したがって、方向性結合器106Bも、4つのポートを有している。これらの4つのポートのうち2つのポートは、ダイプレクサ100の4つのポートのうち残りの2つのポートであるポートP3及びポートP4を構成する。
フィルタ101Aは、複数の共振器を電磁気的に結合させることによって構成された共振器結合型のバンドパスフィルタである。本明細書において、特に断りがない場合、フィルタは、バンドパスフィルタのことを指す。フィルタ101Aは、所望の帯域である帯域fに含まれる周波数の電磁波を通過させ、帯域fに含まれない周波数の電磁波を反射するように構成されている。
フィルタ101Aは、2つのポートであるポートP5及びポートP6を有している。ポートP5は、方向性結合器106Aの4つのポートのうち、ポートP1,P2以外のポートに接続されている。ポートP6は、方向性結合器106Bの4つのポートのうち、ポートP3,P4以外のポートに接続されている。
フィルタ101Bは、フィルタ101Aと同一の構成を有する。すなわち、フィルタ101Bは、フィルタ101Aと同一の設計パラメータを用いて設計されており、帯域fに含まれる周波数の電磁波を通過させ、帯域fに含まれない周波数の電磁波を反射するように構成されている。
フィルタ101Bも、2つのポートであるポートP7及びポートP8を有している。ポートP7は、方向性結合器106Aの4つのポートのうち、ポートP1,P2及びフィルタ101AのポートP5と接続されているポート以外のポートに接続されている。ポートP8は、方向性結合器106Bの4つのポートのうち、ポートP3,P4及びフィルタ101AのポートP6と接続されているポート以外のポートに接続されている。
フィルタ101A,101Bの各々は、図1に示すように、互いに並走するように配置されている。
このように構成されたダイプレクサ100のポートP2に対して、帯域fに含まれる周波数の電磁波を変調した第1の高周波信号と、帯域fとは異なる帯域である帯域fに含まれる周波数の電磁波を変調した第2の高周波信号とを重畳した高周波信号を結合させる(図1参照)。この場合、フィルタ101A,101Bを通過した第1の高周波信号は、ポートP3から出力される。一方、フィルタ101A,101Bにより反射された第2の高周波信号は、ポートP1から出力される。
このように、ダイプレクサ100は、第1の高周波信号と第2の高周波信号とを重畳した高周波信号から第1の高周波信号と第2の高周波信号とを分離することができる。
なお、ポートP4における反射をできるだけ低減するために、ポートP4は、図1に示すように終端されていることが好ましい。
<方向性結合器106A,106B>
上述したように方向性結合器106A,106Bは、互いに同一の構成を有する。そこで、ここでは、方向性結合器106Aを用いて説明する。
図2に示すように、方向性結合器106Aは、一対の導波路である導波路180Aと導波路180Bとを備えている。導波路180A及び導波路180Bの各々は、一対の広壁と一対の狭壁とにより四方を取り囲まれた、断面が長方形の矩形導波路である。
導波路180A及び導波路180Bは、ポスト壁導波路の技術を用いており、その両面にそれぞれ導体層が形成された誘電体製の基板103を用いて構成されている。基板103の一方の表面に形成された導体層、及び、基板103の他方の表面に形成された導体層、すなわち一対の導体層は、何れも図2には、図示していない。
この一対の導体層は、導波路180A及び導波路180Bを構成する一対の広壁として機能する。また、基板103の内部には、基板103の一方の表面から他方の表面まで貫通する貫通孔が複数形成されており、その貫通孔の内壁には、一対の導体層同士を導通させるように、導体膜が形成されている。すなわち、貫通孔の内部には、一対の導体層同士を導通させる導体ポストが形成されている。
複数の導体ポストを所定の間隔で柵状に配列することによって得られるポスト壁は、上記所定の間隔に応じた帯域の電磁波を反射する、一種の導体壁として機能する。導波路180Aでは、一対の狭壁である狭壁182及び狭壁183Aとして、このようなポスト壁を採用している。狭壁182は、導体ポスト182iを直線状に配置することにより構成されており、狭壁183Aは、導体ポスト183iAを直線状に配置することにより構成されている。導波路180Bは、一対の狭壁のうち一方の狭壁である狭壁182を導波路180Aと共有している。導波路180Bの他方の狭壁である狭壁183Bは、狭壁183Aと同様に構成されている。すなわち、狭壁183Bは、導体ポスト183iBを直線状に配置することにより構成されている。
なお、狭壁182と、狭壁183Aと、狭壁183Bとは、互いに平行(本実施形態では平行)に配置されている。したがって、導波路180Aの幅W8A及び導波路180Bの幅W8Bは、導波路180A,180Bの全域を通して一定である。
導波路180Aと導波路180Bとを電磁気的に結合させる結合窓AP180は、狭壁182を構成する導体ポスト182iの一部を省略することによって得られる。
<フィルタ101A,フィルタ101B>
フィルタ101A,フィルタ101Bは、互いに同一の構成を有する。また、フィルタ101A,フィルタ101Bの各々は、第3の実施形態において後述するフィルタ1、より具体的には、図8を参照して後述するフィルタ1と同一の構成を有する。
したがって、本実施形態では、フィルタ101A,101Bに関する詳しい説明を省略する。なお、フィルタ101A,101Bの各々を構成する各部材に付した部材番号は、フィルタ1を構成する各部材に対して付した部材番号を100番台に変更したうえで、末尾の添え字であるA又はBを追加することによって得られる。
ダイプレクサ100において、フィルタ101A及びフィルタ101Bの各々は、図3に示すように、導波路160Aと導波路160Bとが互いに近接しつつ沿うように(本実施形態では平行となるように)、且つ、170Aと170Bとが互いに近接しつつ沿うように(本実施形態では平行となるように)、配置されている。なお、本実施形態において、導波路160A及び導波路160Bは、一方の狭壁である狭壁163を共有しており、導波路170A及び導波路170Bは、一方の狭壁である狭壁173を共有している。このように構成されたフィルタ101A,101Bからなるフィルタ対は、狭壁163,173の中心線(導体ポスト163i,173iの中心同士を通る直線)を対称軸として線対称となる。
なお、狭壁163と、狭壁164Aと、狭壁164Bとは、互いに平行(本実施形態では平行)に配置されており、狭壁173と、狭壁174Aと、狭壁174Bとは、互いに平行(本実施形態では平行)に配置されている。したがって、導波路160Aの幅W6A及び導波路160Bの幅W6Bは、導波路160A,160Bの全域を通して一定であり、導波路170Aの幅W7A、及び導波路170Bの幅W7Bは、導波路170A,170Bの全域を通して一定である。
<ダイプレクサ100の効果>
フィルタ101Aにおいては、広壁が円形である共振器110Aに対して導波路160Aが結合されており、且つ、広壁が円形である共振器150Aに対して導波路170Aが結合されている。同様に、フィルタ101Bにおいては、広壁が円形である共振器110Bに対して導波路160Bが結合されており、且つ、広壁が円形である共振器150Bに対して導波路170Bが結合されている。
このように、共振器110Aと導波路160Aとの接続部、共振器150Aと導波路170Aとの接続部、共振器110Bと導波路160Bとの接続部、及び、共振器150Bと導波路170Bとの接続部には、各導波路の形状と各共振器の形状との不整合に起因する構造的な不連続が生じる。これらの各接続部においては、構造的な不連続に起因して反射損失が増大する場合が想定される。しかし、フィルタ101Aにおいては、共振器110Aの中心と共振器150Aの中心とを通る直線(図5に記載の直線AA’に対応)と、各導波路の中心軸(図5に記載の直線CC’及びDD’に対応)とのズレであるオフセットΔoffI,ΔoffOを調整する(最適化する)ことによって、上述した反射損失の増大を抑制することができる。
このため、フィルタ101Aは、導波路160Aの幅W6A及び導波路170Aの幅W7Aを任意の幅に設定した場合であっても、オフセットΔoffを調整することによって、上述した反射損失の増大を抑制することができる。フィルタ101Bにおいても同様である。そのうえで、幅W6A及び幅W7Aを任意の幅に設定できるということは、方向性結合器106Aの、導波路180Aの幅W8A及び導波路180Bの幅W8Bを任意の幅に設定できるということを意味する。
したがって、ダイプレクサ100は、各導波路と各フィルタ(より具体的には、各フィルタの最初段の共振器及び最終段の共振器)との接続部における反射損失の増大を抑制しつつ、各方向性結合器を構成する各導波路の幅を容易に変更可能なダイプレクサを提供することができる。
本願の発明者は、方向性結合器106Aの方向性を向上させるための設計パラメータとして、幅W8A及び幅W8Bを好適に利用可能であることを見出した。方向性結合器106Aの方向性を向上させることができれば、ダイプレクサ100全体としての特性(主にアイソレーション特性及び反射特性)を向上させることができる。すなわち、設計パラメータである幅W8A及び幅W8Bを最適化することにより、方向性結合器106Aにおける所望の方向性を実現することができ、結果としてダイプレクサ100の特性を向上させることができる。
しかし、長方形の共振器を一直線状に配列することによって構成されたフィルタを備えたダイプレクサ(例えば非特許文献1に記載のダイプレクサ)において、方向性結合器を構成する一対の導波路の幅を任意の値に設定した場合、フィルタの導波路の幅を、方向性結合器の一対の導波路の幅に一致させるためには、フィルタの導波路の幅以外の設計パラメータを改めて最適化しなおすことが求められる。
それに対して、ダイプレクサ100の場合、上述のように接続部における反射損失の増大を抑制しつつ、各方向性結合器を構成する各導波路の幅を容易に変更可能なため、設計時の自由度を高めることができる。
〔第2の実施形態〕
本発明の第2の実施形態に係るマルチプレクサについて、図4を参照して説明する。図4は、本実施形態に係るマルチプレクサのブロック図である。
図4に示すように、本実施形態に係るマルチプレクサは、第1の実施形態に係るダイプレクサ100を2つ備えている。本実施形態では、2つのダイプレクサ100を区別するために、部材番号の末尾に識別符号としてa又はbを付す。すなわち、2つのダイプレクサ100のうち、一方をダイプレクサ100aと称し、他方をダイプレクサ100bと称する。また、ダイプレクサ100a,100bの各々を構成する各部材に付した部材番号についても、末尾に識別符号としてa又はbを付す。
ダイプレクサ100aが備えているフィルタ101Aa,101Baは、帯域fに含まれる周波数の電磁波を通過させ、帯域fに含まれない周波数の電磁波を反射するように構成されている。それに対して、ダイプレクサ100bが備えているフィルタ101Ab,101Bbは、帯域fとは異なる帯域fに含まれる周波数の電磁波を通過させ、帯域fに含まれない周波数の電磁波を反射するように構成されている。
ダイプレクサ100aは、第1の実施形態に係るダイプレクサ100と同一の構成を有する。また、ダイプレクサ100bは、通過帯域が帯域fである点を除いて、第1の実施形態に係るダイプレクサ100と同一の構成を有する。そのため、本実施形態では、ダイプレクサ100a,100bの詳しい説明を省略し、ダイプレクサ100aとダイプレクサ100bとの接続の仕方と、マルチプレクサの機能についてのみ説明する。
図4に示すように、ダイプレクサ100aのポートP1aは、ダイプレクサ100bのポートP2bに接続されている。ダイプレクサ100a,100bの各々は、1枚の誘電体製の基板を用いて集積化されているため、ポートP1aとポートP2Bとを接続する導波路も同じ基板に集積化されていることが好ましい。
このように構成されたマルチプレクサにおいて、ダイプレクサ100aのポートP2aに対して、帯域fに含まれる周波数の電磁波を変調した第1の高周波信号と、帯域fとは異なる帯域である帯域fに含まれる周波数の電磁波を変調した第2の高周波信号と、帯域f及び帯域fの何れとも異なる帯域である帯域fに含まれる周波数の電磁波を変調した第3の高周波信号とを重畳した高周波信号を結合させる。この場合、フィルタ101Aa,101Baを通過した第1の高周波信号は、ポートP3aから出力される。一方、フィルタ101Aa,101Baにより反射された第2の高周波信号及び第3の高周波信号は、ポートP1aから出力される。
ポートP1aから出力された第2の高周波信号及び第3の高周波信号は、ダイプレクサ100bのポートP2bに対して結合される。その結果、フィルタ101Ab,101Bbを通過した第2の高周波信号は、ポートP3bから出力される。一方、フィルタ101Ab,101Bbにより反射された第3の高周波信号は、ポートP1bから出力される。
このように、ダイプレクサ100a,100bを備えたマルチプレクサは、第1の高周波信号と第2の高周波信号と第3の高周波信号が重畳した高周波信号から第1の高周波信号と第2の高周波信号と第3の高周波信号を分離することができる。
なお、本実施形態に係るマルチプレクサが備えているダイプレクサの数は、2つに限定されるものではなく、任意の整数nから適宜選択することができる。n個のダイプレクサにより構成されたマルチプレクサは、帯域が異なるn+1個の高周波信号(
第1〜第n+1の高周波信号)が重畳された高周波信号から、第1〜第n+1の高周波信号の各々を分離することができる。
このように構成されたマルチプレクサは、第1の実施形態に記載のダイプレクサ100と同様の効果を奏し、本発明の範疇に含まれる。
〔第3の実施形態〕
本発明の第3の実施形態に係るフィルタについて、図5を参照して説明する。図5の(a)は、本実施形態に係るフィルタ1の斜視透視図である。図5の(b)は、フィルタ1の平面図である。なお、図5の(b)は、一方の広壁(z軸正方向側の広壁11,21,31,41,51,61,71)を省略した状態のフィルタ1を図示している。これは、結合窓AP12,AP23,AP34,AP45,AP,APの構成を分かりやすく図示するためである。
<共振器10〜50>
図5の(a)及び(b)に示すように、フィルタ1は、共振器10、共振器20、共振器30、共振器40、共振器50と、導波路60と、導波路70とを備えている。
共振器10は、互いに対向する一対の広壁である広壁11,12と、広壁11と広壁12との間に介在する狭壁13とにより構成されている。広壁11,12は、金属製の導体層により構成されている。広壁11,12の形状は、結合窓AP,AP12が設けられる部分を除くと何れも円形である。結合窓AP,AP12については、後述する。
狭壁13は、金属製の導体層により構成されている。狭壁13は、展開した状態において長方形の形状を有する。すなわち、狭壁13は、帯状導体である。共振器10は、このように帯状導体である狭壁13を広壁11,12の輪郭に沿って、筒状に巻き付けることにより形成される。狭壁13は、広壁11と広壁12とを導通させ、広壁11と広壁12とともに、結合窓AP,AP12を除いた領域が閉じた円筒形の空間を形成する。
結合窓AP及び結合窓AP12の各々は、広壁11,12の弦を切断線として、広壁11、広壁12、及び狭壁13の一部を、広壁11,12と交わる方向に(本実施形態においては垂直な方向に)切り落とすことによって形成される。結合窓APは、後述する導波路60と共振器10とを電磁気的に結合させ、結合窓AP12は、共振器10と後述する共振器20とを電磁気的に結合させる。
なお、この導体層の厚さは任意に定めることができる。すなわち、導体層は、その厚さを特に限定されるものではなく、導体薄膜や、導体箔や、導体板などの層状の導体全般を指す。
本実施形態では、広壁11,12及び狭壁13を構成する金属としてアルミニウムを採用している。なお、この金属は、アルミニウムに限定されるものではなく、銅であってもよいし、複数の金属元素により構成された合金であってもよい。また、図5に示したフィルタ1では、導体層を用いて狭壁13を構成しているが、図8に示すようにポスト壁を用いて狭壁13を構成することもできる。
共振器20〜50の各々は、それぞれ、共振器10と同様に構成されている。すなわち、共振器20は、一対の広壁である広壁21,22と、狭壁23とにより構成されており、共振器30は、一対の広壁である広壁31,32と、狭壁33とにより構成されており、共振器40は、一対の広壁である広壁41,42と、狭壁43とにより構成されており、共振器50は、一対の広壁である広壁51,52と、狭壁53とにより構成されている。広壁21,22は、結合窓AP12,AP23が設けられる部分を除くと何れも円形であり、広壁31,32は、結合窓AP23,AP34が設けられる部分を除くと何れも円形であり、広壁41,42は、結合窓AP34,AP45が設けられる部分を除くと何れも円形であり、広壁51,52は、結合窓AP45,APが設けられる部分を除くと何れも円形である。結合窓AP23は、共振器20と共振器30とを電磁気的に結合させ、結合窓AP34は、共振器30と共振器40とを電磁気的に結合させ、結合窓AP45は、共振器40と共振器50とを電磁気的に結合させ、結合窓APは、共振器50と後述する導波路70とを電磁気的に結合させる。
以上のように、フィルタ1は、5つの共振器10〜50が電磁気的に結合した、5段の共振器結合型のフィルタである。フィルタ1は、バンドパスフィルタとして機能する。
<導波路60〜70>
導波路60は、一対の広壁である広壁61,62と、一対の狭壁である狭壁63,64とにより構成された、断面が長方形な矩形導波路である。導波路60の共振器10側の端部には、共振器10の結合窓APと同じ形状の開口が形成されたショート壁65が設けられている。この開口と共振器10の結合窓APとが一致するように導波路60と共振器10とを接続することによって、導波路60と共振器10とは、電磁気的に結合する。
導波路70は、導波路60と同様に、一対の広壁である広壁71,72と、一対の狭壁である狭壁73,74とにより構成された矩形導波路である。導波路70のショート壁75に設けられた開口と共振器50の結合窓APとが一致するように導波路70と共振器50とを接続することによって、導波路70と共振器50とは、電磁気的に結合する。
フィルタ1において、結合窓AP,APは、何れも入出力ポートとして機能する。結合窓APを入力ポートとすれば、結合窓APが出力ポートとなり、結合窓APを入力ポートとすれば、結合窓APが出力ポートとなる。いずれの入出力ポートを入力ポートにするかは任意であるが、本実施形態では、結合窓APを入力ポートとし、結合窓APを出力ポートとして説明する。すなわち、共振器10が請求の範囲に記載の最初段の共振器であり、共振器50が請求の範囲に記載の最終段の共振器である。
<各共振器の中心間距離>
図5の(a)に示すように、広壁11の中心のことを中心C11と呼び、広壁12の中心のことを中心C12と呼ぶ。共振器10の中心Cは、中心C11と中心C12との中点に位置する。共振器20の中心C、共振器30の中心C、共振器40の中心C、及び共振器50の中心Cの各々は、共振器10の中心Cと同様に定められる。
図5の(b)に示すように、共振器10の半径をR、共振器20の半径をR、共振器30の半径をR、共振器40の半径をR、共振器50の半径をRとする。また、中心Cと中心Cとの中心間距離をD12とし、中心Cと中心Cとの中心間距離をD23とし、中心Cと中心Cとの中心間距離をD34とし、中心Cと中心Cとの中心間距離をD45とする。なお、各共振器10〜50の広壁11,12,21,22,31,32,41,42,51,52は、いずれも円形である。したがって、各広壁11,12,21,22,31,32,41,42,51,52の外接円の半径は、各共振器10〜50の半径R〜Rと一致する。
このとき、R,RとD12とは、D12<R+Rの条件を満たし、R,RとD23とは、D23<R+Rの条件を満たし、R,RとD34とは、D34<R+Rの条件を満たし、R,RとD45とは、D45<R+Rの条件を満たす。これらの条件を満たすことによって、円筒形の2つの共振器(例えば共振器10と共振器20と)を、各共振器の側面に設けた結合窓(例えば結合窓AP12)を介して結合させることができる。
<隣接する2つの共振器の対称性>
フィルタ1において、複数の共振器のうち互いに結合されている2つの共振器に着目する。ここでは、共振器20と共振器30とを用いて説明する。2つの共振器20,30の各々の広壁21,22,31,32の形状(共振器20,30の外接円の形状と同じ)は、2つの外接円の中心C,C同士をつなぐ直線BB’を対称軸として線対称である(図5の(b)参照)。したがって、従来のフィルタ(特許文献1の図1,図2に記載のフィルタ)と比較して、フィルタ1は、互いに結合されている2つの共振器における対称性が高いため、設計パラメータの数を少なくすることができる。したがって、フィルタ1は、従来のフィルタと比較して、所望の特性を有するフィルタを容易に設計することができる。
なお、フィルタ1においては、互いに結合されている2つの共振器が線対称となるように構成されていることに加えて、フィルタ1全体も線対称となるように構成されている。具体的には、共振器10〜50は、x軸に沿い且つ共振器30の中心Cを通る直線を対称軸として線対称となるように配置されており、且つ、導波路60〜70は、上記直線を対称軸として線対称となるように配置されている。したがって、フィルタ1は、全体の形状に関する対称性も高いため、設計パラメータの数を更に少なくすることができる。したがって、本フィルタは、従来のフィルタと比較して、所望の特性を有するフィルタを更に容易に設計することができる。
<共振器10,50の配置>
フィルタ1において、共振器10と共振器50とは、互いに隣接するように配置されている(図5の(a),(b)参照)。したがって、複数の共振器が直線状に配置されている場合と比較して、フィルタの全長を短くすることができる。フィルタの全長を短くすることによって、フィルタ1を取り巻く環境温度が変化した場合に生じる熱膨張又は熱収縮の絶対値を抑制することができる。したがって、全長が従来より短いフィルタ1は、環境温度の変化に起因する、通過帯域の中心周波数や帯域幅などの変化を抑制することができる。言い換えれば、フィルタ1は、環境温度に対する特性の安定性が高い。
<結合窓AP,APの配置>
図5の(b)に示すように、入力ポートである結合窓APは、共振器10のうち共振器50と対向する側(y軸正方向側)と逆側(y軸負方向側)の領域であって、直線AA’と交わる領域に形成されている。直線AA’は、共振器10の中心Cと、共振器50の中心Cとを通る直線である。
同様に、出力ポートである結合窓APは、共振器50のうち共振器10と対向する側(y軸負方向側)と逆側(y軸正方向側)の領域であって、直線AA’と交わる領域に形成されている。
フィルタ1が結合窓AP,APを備えていることによって、入力ポート及び出力ポートの各々に対して、導波路60,70の各々を容易に結合させることができる。そのうえで、入力ポート及び出力ポートが1つの直線(直線AA’)と交わるように形成されている。そのため、フィルタ1は、導波路60の中心軸である直線CC’と、導波路70の中心軸である直線DD’とを一致させることができる。その結果として、2つのフィルタ1を並走させた状態で配置することができるので、フィルタ1は、例えばダイプレクサを構成する一対の方向性結合器の各々の間に介在するフィルタとして好適に利用することができる。
なお、直線AA’と直線CC’とのズレであるオフセットΔoffIを調整する(最適化する)ことによって、導波路60と共振器10との接続部、すなわち結合窓APにおける反射損失を抑制することができる。同様に、直線AA’と直線DD’とのズレであるオフセットΔoffOを調整する(最適化する)ことによって、導波路70と共振器50との接続部、すなわち結合窓APにおける反射損失を抑制することができる。フィルタ1は、中心Cを通り、x軸と平行な直線を対称軸として線対称な形状を有することが好ましい。したがって、オフセットΔoffIと、オフセットΔoffOとは、互いに一致していることが好ましい。
また、導波路60の幅W及び導波路70の幅Wを設計変更した場合に、結合窓AP及び結合窓APにおける反射損失が増大することが考えられる。フィルタ1においては、幅W及び幅Wと独立して共振器10〜50の設計パラメータを定めることができ、且つ、オフセットΔoffを調整することによって反射損失を抑制することができる。したがって、フィルタ1は、結合窓AP及び結合窓APにおける反射損失の増大を抑制しつつ、各導波路60,70の幅を容易に変更可能なフィルタである。
(第1〜第4の変形例)
図6の(a)〜(d)を参照して、フィルタ1の第1〜第4の変形例であるフィルタ1a〜1dについて説明する。図6の(a)〜(d)は、それぞれ、フィルタ1a〜1dの平面図である。なお、図6の(a)〜(d)の各図において、一方の広壁を省略した状態のフィルタ1a〜1dを図示している。
フィルタ1aは、6つの共振器である共振器10a,20a,30a,40a,50a,60aを備えている。フィルタ1bは、7つの共振器である共振器10b,20b,30b,40b,50b,60b,70bを備えている。フィルタ1cは、8つの共振器である共振器10c,20c,30c,40c,50c,60c,70c,80cを備えている。フィルタ1dは、11個の共振器である共振器10d,20d,30d,40d,50d,60d,70d,80d,90d,100d,110dを備えている。
以上のように、本発明の一態様に係るフィルタにおいて、フィルタを構成する共振器の個数は、限定されるものではない。フィルタを構成する共振器の個数、換言すればフィルタの段数は、所望のフィルタ特性(通過帯域の中心周波数や、帯域幅や、通過帯域の下限周波数及び上限周波数の近傍におけるカットオフの鋭さなど)に応じて任意の数に設計することができ、その数は、奇数であっても偶数であってもよい。
(第5〜第6の変形例)
図7の(a)〜(b)を参照して、フィルタ1の第5〜第6の変形例であるフィルタ1e,1fについて説明する。図7の(a),(b)は、それぞれ、フィルタ1e,1fの平面図である。なお、図7の(a),(b)の各図において、一方の広壁を省略した状態のフィルタ1e〜1fを図示している。
フィルタ1eは、6つの共振器である共振器10e,20e,30e,40e,50e,60eを備えている。フィルタ1eは、図5の(b)に示したフィルタ1が備えている円形の広壁11,12,21,22,31,32,41,42,51,52の代わりに、正6角形の広壁を備えている。図7の(a)においては一方の広壁を省略しているが、共振器10eは、正6角形の広壁12eを備えている。同様に、共振器20e〜60eの各々は、正6角形の広壁22e〜62eを備えている。
外接円CC1e〜CC6eの各々は、広壁12e〜62eの外接円である。このように、フィルタ1の変形例は、正多角形である広壁12e〜62eを採用していてもよい。広壁12e〜62eが正多角形である場合であっても、互いに結合されている2つの共振器の各々において、これら2つの共振器の広壁の外接円の半径をR及びRとし、これら2つの共振器の中心間距離をDとした場合に、D<R+Rとなるように配置されていれば、フィルタ1eは、図5に示したフィルタ1と同様の効果を奏する。
フィルタ1fは、4つの共振器である共振器10f,20f,30f,40fを備えている。共振器10fは、正8角形の広壁12fを備えている。同様に、共振器20f〜40fの各々は、正8角形の広壁22f〜42fを備えている。
なお、本発明の一態様に係るフィルタが備えている形状は、正6角形及び正8角形に限定されるものではなく、6角形以上の正多角形であればよい。
(構成例)
図5に示したフィルタ1の別の構成例について、図8及び図9を参照して説明する。図8は、フィルタ1をポスト壁導波路の技術を用いて構成した場合の構成例の斜視透視図である。なお、図8において、導体層2,4を仮想線(二点鎖線)にて図示している。これは、基板3の内部に形成された複数の導体ポストを見やすくするためである。図9の(a)及び(b)は、それぞれ、図8に示したフィルタ1の入力ポートに接続された導波路60の端部に設置可能な変換部80の平面図及び断面図である。
<ポスト壁導波路>
本構成例のフィルタ1は、ポスト壁導波路の技術を用いており、その両面に導体層2と導体層4とが形成された誘電体製の基板3を用いて構成されている。基板3は、請求の範囲に記載の誘電体基板に対応する。一対の導体層である導体層2及び導体層4は、共振器10〜50及び導波路60〜70を構成する一対の広壁として機能する。また、基板3の内部には、基板3の一方の表面から他方の表面まで貫通する貫通孔が複数形成されており、その貫通孔の内壁には、導体層2と導体層4とを導通させるように、導体膜が形成されている。すなわち、貫通孔の内部には、導体層2と導体層4とを導通させる導体ポストが形成されている。
複数の導体ポストを所定の間隔で柵状に配列することによって得られるポスト壁(請求の範囲に記載の導体ポスト群)は、上記所定の間隔に応じた帯域の電磁波を反射する、一種の導体壁として機能する。本構成例のフィルタ1では、共振器10〜50及び導波路60〜70を構成する狭壁として、このようなポスト壁を採用している。
例えば、共振器10の狭壁13は、複数の導体ポスト13i(iは、正の整数)を柵状に、且つ、円形に配列することにより構成されている。同様に、共振器20〜50の狭壁23〜53の各々は、それぞれ、複数の導体ポスト23iから53iにより構成されており、導波路60〜70の狭壁63,64,73,74の各々は、それぞれ複数の導体ポスト63i,64i,73i,74iにより構成されている。
共振器10と共振器20とを電磁気的に結合させる結合窓AP12は、導体ポスト13iの一部及び導体ポスト23iの一部を省略することによって得られる。結合窓AP23,AP34,AP45,AP,APについても同様である。
ポスト壁導波路の技術を用いて構成したフィルタ1は、金属製の導波管の技術を用いて構成したフィルタ1と比較して、容易に作製することができ、軽量化を図ることもできる。
<変換部>
図8に示したフィルタ1において、導波路60の共振器10側と逆側の端部(y軸負方向側の端部)には、図9に示す変換部80が設けられていてもよい。同様に、導波路70の共振器50側と逆側の端部(y軸正方向側の端部)にも、変換部80が設けられていてもよい。以下では、導波路60の端部に設けられた変換部80を例にして説明する。
導波路60の端部に変換部80を設ける場合、当該端部には、ショート壁66が形成される。ショート壁66は、複数の導体ポスト66iを柵状に配列することによって得られるポスト壁である。ショート壁66は、ショート壁65と対になるショート壁であり、導波路60の共振器10側と逆側の端部を閉じる。
図9の(a),(b)に示すように、変換部80は、信号線85と、パッド86と、ブラインドビア87と、電極88,89とを備えている。
誘電体層5は、導体層2の表面に形成されている、誘電体製の層である。誘電体層5には、変換部80を構成する導波路と重畳する開口5aが設けられている。また、変換部80の導体層2には、開口5aと重畳する開口2aが設けられている。開口2aは、開口5aを包含するように設けられている。開口2aは、アンチパッドとして機能する。
信号線85は、誘電体層5の表面に形成された帯状導体である。信号線の一端部は、開口5aを取り囲み、且つ、開口2aと重畳する領域に形成されている。なお、信号線85と導体層2とは、マイクロストリップ線路を形成する。
パッド86は、基板3の表面であって、導体層2が設けられている表面に形成された円形の導体層である。パッド86は、導体層2に設けられた開口2a内に、導体層2と絶縁された状態で配置されている。
基板3の表面には、導体層2が設けられた表面から、基板3の内部に向かう非貫通孔が形成されている。ブラインドビア87は、その非貫通孔の内壁に形成された筒上の導体膜からなる。ブラインドビア87は、信号線85の一端部に、パッド86を介して導通するように接続されている。すなわち、ブラインドビア87は、信号線85の一端部に接続されており、開口2a,5aを通って基板3の内部に形成されている。ブラインドビア87は、請求の範囲に記載の導体ピンに対応する。
電極88,89は、誘電体層5の表面に形成された電極である。電極88,89の各々は、信号線85の他端部近傍に、信号線85の他端部を挟むように配置されている。
誘電体層5の電極58と重畳する領域には、複数の貫通孔が設けられている。これらの複数の貫通孔には、ビア88Aとして機能する導体が充填されている。ビア88Aは、電極88と導体層2とを短絡する。また、ビア88Aと同様に構成されたビア89Aは、電極89と導体層2とを短絡する。このように構成された電極88及び電極89は、グランドとして機能するので、信号線85とともにグランド−シグナル−グランドの端子構造を実現する。
このように構成された変換部80は、マイクロストリップ線路を伝搬するモードと、導波路60の内部を伝搬するモードとを変換する。したがって、変換部80は、入力ポート及び出力ポートの各々に対して、マイクロストリップ線路を容易に結合させることができる。また、信号線85と電極88,89とからなる端子構造には、RFICをバンプなどを用いて容易に接続することができる。
なお、本構成例では、導波路60又は導波路70の端部に変換部80を設けるものとして説明した。すなわち、変換部80は、導波路60又は導波路70を介して共振器10又は共振器50に結合されるものとして説明した。しかし、変換部80は、共振器10又は共振器50に直接結合するように設けられていてもよい。すなわち、変換部80のブラインドビア87は、共振器10の広壁11又は共振器50の広壁51の一部に設けられた開口から共振器10又は共振器50の内部に形成されるように構成されていてもよい。
〔第4の実施形態〕
本発明の第4の実施形態に係るフィルタについて、図10を参照して説明する。図10の(a)は、本実施形態に係るフィルタ201の斜視透視図である。図10の(b)は、フィルタ201の平面図である。なお、図10の(b)は、一方の広壁(z軸正方向側の広壁)を構成する導体層202を省略した状態のフィルタ201を図示している。これは、共振器210〜250及び導波路260,270を構成する狭壁213,223,233,243,253,263,264,273,274を構成する導体ポストの配置を分かりやすく図示するためである。
フィルタ201は、図8に示したフィルタ1に対して、導体ポスト214,224,234,244,254を追加することによって得られる。したがって、本実施形態では、導体ポスト214,224,234,244,254について説明し、それ以外の構成に関する説明を省略する。なお、フィルタ201を構成する各部材に付した部材番号は、フィルタ1を構成する各部材に対して付した部材番号を200番台に変更することによって得られる。
導体ポスト214,224,234,244,254について、導体ポスト214を例にして説明する。導体ポスト214は、共振器210を構成する一方の広壁(導体層2の一部)から共振器210の内部に向かって突出し、共振器210を構成する他方の広壁(導体層4の一部)に至る、導体製の突出部である。導体ポスト214は、狭壁213を構成する導体ポストと同様に構成されている。また、導体ポスト224,234,244,254は、導体ポスト214と同様に構成されている。
共振器210が導体ポスト214を備えていることによって、導体ポスト214を省略した状態の共振器210と比較して、共振周波数を変化させることができる。その結果として、フィルタ201の共振周波数を変化させることができる。
導体ポスト214を追加することによって得られる共振周波数の変化は、導体ポスト214を形成する位置を調整することにより、変化させることができる。このことは、フィルタ201の特性を調整するための設計パラメータとして、導体ポスト214を形成する位置を利用できることを意味する。したがって、フィルタ201は、各共振器210〜250の形状を設計変更することなく、容易に特性を調整することができる。
なお、フィルタ201では、各共振器210〜250の各々に、それぞれ、突出部である導体ポスト214〜254が形成されている。しかし、突出部は、少なくとも1つの共振器に形成されていればよい。
(第7の変形例)
図11を参照して、本発明の第7の変形例であるフィルタ301について説明する。図11は、フィルタ301の斜視透視図である。フィルタ301は、フィルタ201の構成をベースとして、導体ポスト214、224,234,244,254の代わりに突出部314,324,334,344,354を採用することによって得られる。したがって、本変形例では、突出部314〜354について説明し、それ以外の構成に関する説明を省略する。なお、フィルタ301を構成する各部材に付した部材番号は、フィルタ201を構成する各部材に対して付した部材番号を300番台に変更することによって得られる。
突出部314は、共振器310を構成する一方の広壁である広壁311から共振器310の内部に向かって突出した導体製の突出部である。突出部314と導体ポスト214とを比較すると、突出部314の方が、(1)広壁311の中心(共振器310の中心)近傍に形成されており、且つ、(2)広壁311からの突出量が短い。また、突出部324,334,344,354は、突出部314と同様に構成されている。
突出部314(または導体ポスト214)を形成することによって得られる共振周波数の変化は、(1)突出部314(または導体ポスト214)を形成する位置が狭壁313(または213)に近いほど小さく、広壁311(または211)の中心に近づくほど大きく、(2)突出部314(または導体ポスト214)の突出量が小さいほど小さく、突出量が大きいほど大きい。
突出部314のように、広壁311の中心近傍に突出部を設ける場合には、共振周波数の変化が大きくなりすぎないように、突出量を小さくすることが好ましい。
このように、突出部を形成する位置と、突出量とを調整することによって、フィルタ301は、各共振器310〜350の形状を設計変更することなく、容易に特性を調整することができる。
〔実施例及び比較例〕
本発明の実施例であるフィルタ1と、比較例であるフィルタ501とについて、図12〜図14を参照して説明する。図12は、フィルタ1及びフィルタ501の平面図である。図13の(a)は、フィルタ1及びフィルタ501における反射特性(SパラメータS(1,1)の周波数依存性)を示すグラフである。図13の(b)は、フィルタ1及びフィルタ501における透過特性(SパラメータS(2,1)の周波数依存性)を示すグラフである。図14の(a)は、フィルタ1の内部における電界分布を示す等高線図である。図14の(b)は、フィルタ501の内部における電界分布を示す等高線図である。
フィルタ1は、図5に示したフィルタ1において、設計パラメータである各共振器間の広壁の半径と、中心間距離とを以下のように定めたものである。なお、D12,D45,D23,D34の値は、小数点第一位を四捨五入している。
・R,R=749μm
・R,R=787μm
・R=792μm
・D12,D45=1446μm
・D23,D34=1449μm
また、フィルタ501は、長方形の共振器510,520,530,540,550を一直線状に結合した共振器結合型のフィルタであり、共振器510〜550の長さ及び幅を、図12に示すように定めたものである。
上述したフィルタ1の各設計パラメータは、フィルタ1の特性がフィルタ501とできるだけ近い特性になるように定めた。
図13の(a)及び(b)を参照すると、フィルタ1の特性がフィルタ501とよく一致していることが分かった。また、通過帯域におけるS(1,1)を参照すると、フィルタ1の方が反射を抑制できており、通過帯域におけるS(2,1)を参照すると、フィルタ1の方が高い透過率を示すことが分かった。
図14の(a)を参照すると、フィルタ1において、導波路60から共振器10に結合された電磁波が、共振器20〜40を介して共振器50まで伝搬され、共振器50から導波路70に結合されていることが分かった。その上で、共振器10〜50の隅々まで電界が分布していることが分かった。一方、図14の(b)を参照すると、共振器510〜550の角近傍に電界が分布していない(あるいは電界の強度がとても低い)領域があることが分かった。フィルタ1とフィルタ501とにおけるこの違いは、各共振器を構成する広壁の形状の違いに起因すると考えられる。これらの結果より、フィルタ1は、結合窓AP,AP12,AP23,AP34,AP45,APが設けられている部分を除いて、広壁の形状が円形であるため、フィルタ501と比較して、各共振器のキャビティーをより有効に活用することができることが分かった。
以上の結果から、広壁の形状が円形である共振器10〜50を用いて、広壁の形状が長方形である共振器510〜550を備えたフィルタ501と同等あるいは上回る特性を有し、且つ、コンパクトなフィルタ1を設計することができた。
〔第5の実施形態〕
本発明の第5の実施形態に係るダイプレクサについて、図15を参照して説明する。図15の(a)は、本実施形態に係るダイプレクサ600のブロック図である。図15の(b)は、ダイプレクサ600の平面図である。
図15の(a)及び(b)に示すように、ダイプレクサ600は、フィルタ601Aと、フィルタ601Bと、フィルタ601Cと、方向性結合器606Aと、方向性結合器606Bとを備えており、ポスト壁導波路の技術を用いて製造されている。すなわち、ダイプレクサ600は、その両面にそれぞれ導体層が形成された誘電体製の基板を用いて構成されている。図15の(b)においては、基板の両面に形成された導体層のうちz軸正方向側の導体層602を図示し、基板と、基板の両面に形成された導体層のうちz軸負方向側の導体層は、図示していない。
なお、図15の(a)においては、フィルタ601A、フィルタ601B、フィルタ601C、方向性結合器606A、及び方向性結合器606Bの各々の一部を構成する狭壁を、複数の導体ポストを柵状に配列することによって得られるポスト壁としてではなく、各導体ポストの中心軸を繋ぐことによって得られる仮想的な面状の壁として示している。
フィルタ601A、フィルタ601B、フィルタ601C、方向性結合器606A、及び方向性結合器606Bの各々は、それぞれ、請求の範囲に記載の第1のフィルタ、第2のフィルタ、第3のフィルタ、第1の方向性結合器、及び第2の方向性結合器に対応する。
<フィルタ601A,601B>
フィルタ601A及びフィルタ601Bの各々は、図3に記載のフィルタ101A及びフィルタ101bと同様に構成されている。フィルタ601Aは、5つの共振器である共振器610A,620A,630A,640A,650Aを、結合窓AP12A,AP23A,AP34A,AP45Aを介して電磁気的に結合することによって構成されている。フィルタ601Bは、5つの共振器である共振器610B,620B,630B,640B,650Bを、結合窓AP12B,AP23B,AP34B,AP45Bを介して電磁気的に結合することによって構成されている。
共振器610A,620A,630A,640A,650Aの各々は、フィルタ101Aの共振器110A,120A,130A,140A,150Aの各々と同一に構成されており、共振器610B,620B,630B,640B,650Bの各々は、フィルタ101Bの共振器110B,120B,130B,140B,150Bの各々と同一に構成されている。したがって、本実施形態では、共振器610A,620A,630A,640A,650A及び共振器610B,620B,630B,640B,650Bに関する説明を省略する。
別の言い方をすれば、フィルタ601A及びフィルタ601Bの各々は、図8に記載のフィルタ1と同様に構成されている。この場合、フィルタ601Bは、図8に記載のフィルタ1を、図8に図示した座標系におけるyz平面に沿い、狭壁63,73を含む平面を対称面として鏡映対称な位置に移動する(鏡映変換する)ことによって得られる。なお、フィルタ1を鏡映変換することによってフィルタ601Bを得る場合、フィルタ1の導体層4がフィルタ601Bの導体層604に対応し、フィルタ1の導体層2がフィルタ601Bの導体層602と対をなす導体層に対応する。
なお、フィルタ601Aにおいては、フィルタ101Aが備えている導波路160Aを省略し、後述する方向性結合器606Aの導波路681Aが共振器610Aに対して接続されており、フィルタ101Aが備えている導波路170Aを省略し、後述する方向性結合器606Bの導波路681Bが共振器650Aに対して接続されている。共振器610Aの狭壁613Aに設けられた結合窓APIAは、図15の(a)に記載のポートP5に対応する。共振器650Aの狭壁653Aに設けられた結合窓APOAは、図15の(a)に記載のポートP6に対応する。
同様に、フィルタ601Bにおいては、フィルタ101Bが備えている導波路160Bを省略し、後述する方向性結合器606Aの導波路682Aが共振器610Bに対して接続されており、フィルタ101Bが備えている導波路170Bを省略し、後述する方向性結合器606Bの導波路682Bが共振器650Bに対して接続されている。共振器610Bの狭壁613Bに設けられた結合窓APIBは、図15の(a)に記載のポートP7に対応する。共振器650Bの狭壁653Bに設けられた結合窓APOBは、図15の(a)に記載のポートP8に対応する。
なお、フィルタ601A及びフィルタ601Bは、同一の通過帯域である帯域fを有するように、同一の設計パラメータを用いて設計されている。すなわち、フィルタ601A及びフィルタ601Bは、同一の形状を有する。この点について、フィルタ601A及びフィルタ601Bは、図3に示したダイプレクサ100のフィルタ101A及び101Bと同様である。帯域fは、請求の範囲に記載の第1の周波数帯域に対応する。一方、後述するフィルタ601Cは、帯域fとは異なる周波数帯域である帯域fを通過帯域とする。帯域fは、請求の範囲に記載の第2の周波数帯域に対応する。
<方向性結合器606A,606B>
方向性結合器606A及び方向性結合器606Bの各々は、何れも図2に記載の方向性結合器106Aを変形することによって得られる。方向性結合器606A及び方向性結合器606Bは、共振器630Aの中心及び共振器630Bの中心を含むzx平面を対称面として鏡映対称となる位置に配置されている。したがって、本実施形態では、方向性結合器606Aについて主に説明する。
図15の(b)に示すように、方向性結合器606Aは、第1の導波路である導波路681Aと、第2の導波路である導波路682Aとを備えている。導波路681Aは、一対の狭壁である狭壁683A及び狭壁684Aと、一対の広壁である導体層(基板の両面に形成された導体層)とにより四方を囲まれた導波路である。導波路682Aは、導波路681Aと狭壁683Aを共有し、一対の狭壁である狭壁683A及び狭壁685Aと、一対の広壁である基板の両面に形成された導体層とにより四方を囲まれた導波路である。
狭壁683Aの一部には、結合窓AP680Aが設けられている。結合窓AP680Aは、狭壁683Aを構成する導体ポストの一部を省略することによって得られる。導波路681Aと導波路682Aとは、結合窓AP680Aを介して互いに電磁気的に結合している。
結合窓AP680Aの中央には、1本の導体ポスト686Aが設けられている。導体ポスト686Aは、狭壁683Aを構成する導体ポストと比較して長さが短い導体ポストである。導体ポスト686Aは、導体層602から基板の内部に突出し、導体層602と逆側の端部である末端は、基板の途中に位置する。すなわち、導体ポスト686Aの末端は、導体層602と対をなす他方の導体層に達していない。
導体ポスト686Aを備えた方向性結合器606Aは、図2に記載の方向性結合器106Aと比較して、入力反射係数及び分離係数を小さくすることができる。ここで、入力反射係数は、あるポート(例えばポートP1)に入力した信号の電力を基準として、そのポートから反射した信号の電力との比により表される。入力反射係数が小さいほど、方向性結合器の反射損失が低いと言える。また、分離係数は、あるポート(例えばポートP1)からアイソレーションポートへの信号の伝達しやすさを表す指標である。分離係数が小さいほど、方向性結合器のアイソレーション特性が高いと言える。
以上のように、方向性結合器606Aは、導体ポスト686Aを備えていることが好ましい。この導体ポスト686Aは、図1に記載のダイプレクサ100が備えている方向性結合器106A,106Bにも適用可能である。
方向性結合器606Aは、4つのポート、すなわち、導波路681Aのy軸負方向側のポート及びy軸正方向側のポート、並びに、導波路682Aのy軸負方向側のポート及びy軸正方向側のポートを有している。導波路681Aのy軸負方向側のポート及び導波路682Aのy軸負方向側のポートは、それぞれ、図15の(a)に記載のポートP1及びポートP2に対応する。また、導波路681Aのy軸正方向側のポート及び導波路682Aのy軸正方向側のポートは、それぞれ、共振器610AのポートP5及び共振器610BのポートP7に結合されている。
上述したように、方向性結合器606Bは、方向性結合器606Aと同一に構成されている。方向性結合器606Bは、4つのポート、すなわち、導波路681Bのy軸正方向側のポート及びy軸負方向側のポート、並びに、導波路682Bのy軸正方向側のポート及びy軸負方向側のポートを有している。導波路681Bのy軸正方向側のポート及び導波路682Bのy軸正方向側のポートは、それぞれ、図15の(a)に記載のポートP3及びポートP4に対応する。また、導波路681Bのy軸負方向側のポート及び導波路682Bのy軸負方向側のポートは、それぞれ、共振器650AのポートP6及び共振器650BのポートP8に結合されている。
<フィルタ601C>
ダイプレクサ600は、図1に示したダイプレクサ100と比較して第3のフィルタであるフィルタ601Cを更に備えている。フィルタ601Cは、フィルタ101A及びフィルタ101Bの通過帯域である帯域fとは異なる帯域fを通過帯域とするように設計されている。
フィルタ601Cは、図3に示したフィルタ101A及びフィルタ101B、あるいは、図8に示したフィルタ1と同様に、5つの共振器である共振器610C,620C,630C,640C,650Cを、結合窓AP12C,AP23C,AP34C,AP45Cを介して電磁気的に結合させることによって構成されている(図15の(b)参照)。したがって、本実施形態では、フィルタ601Cの構成のうちフィルタ101A、フィルタ101B、及びフィルタ1と異なる構成について主に説明する。
フィルタ601Cにおいて、共振器610Cの狭壁613Cに設けられた結合窓APICは、方向性結合器606Aを構成する導波路681Aのy軸負方向側の端部(すなわち図15の(a)に示すポートP1)に電磁気的に結合されている。フィルタ1をベースにフィルタ601Cを説明するとすれば、フィルタ1の導波路60は、フィルタ601Cにおいて省略されている。
また、フィルタ601Cにおいて、共振器650Cの狭壁653Cに設けられた結合窓APOCは、導波路670Cに電磁気的に結合されている。導波路670Cは、フィルタ1の導波路70に対応する。ただし、導波路670Cは、y軸方向に沿った長さが短く、x軸方向に沿った長さと同程度になるように構成されている。したがって、フィルタ601Cにおいて導波路670Cは、6つ目の共振器と見做すこともできる。
図15の(b)に示すように、共振器610Cの半径をR61、共振器620Cの半径をR62、共振器630Cの半径をR63、共振器640Cの半径をR64、共振器650Cの半径をR65とする。また、共振器610Cの中心C61と共振器620Cの中心C62との中心間距離をD612とし、中心C62と共振器630Cの中心C63との中心間距離をD623とし、中心C63と共振器640Cの中心C64との中心間距離をD634とし、中心C64と共振器650Cの中心C65との中心間距離をD645とする。
このとき、R61,R62とD612とは、D612<R61+R62の条件を満たし、R62,R63とD623とは、D623<R62+R63の条件を満たし、R63,R64とD634とは、D634<R63+R64の条件を満たし、R64,R65とD645とは、D645<R64+R65の条件を満たす。これらの条件を満たすことによって、円筒形の2つの共振器(例えば共振器610Cと共振器620Cと)を、各共振器の側面に設けた結合窓(例えば結合窓AP12C)を介して結合させることができる。
なお、各共振器610C,620C,630C,640C,650Cの中心C61,C62,C63,C64,C65は、何れも、図5の(a)を参照して説明した共振器10の中心Cと同様に定められる。
フィルタ601Cは、フィルタ1と比較して、各共振器610C,620C,630C,640C,650Cの配置が異なる。フィルタ601Cの各共振器610C,620C,630C,640C,650Cは、図15の(b)に示す基準円Cの円周上に配置されている。基準円Cは、フィルタ601A及びフィルタ601Bを包含する円であって、その直径2Rが長さL以下である任意の円である。ここで、長さLは、導波路682Aのy軸負方向側の端部(フィルタ601Bと逆側の端部)から導波路682Bのy軸正方向側の端部(フィルタ601Bと逆側の端部)までの長さである。
本願明細書において、ある共振器が基準円Cの円周上に配置されている状態とは、ダイプレクサ600を平面視した場合(図15の(b)参照)に、その共振器の狭壁が基準円Cの円周と交わっている又は接している状態を指す。なお、共振器に設けられた結合窓が基準円Cの円周と交わっている場合も、その共振器は、基準円Cの円周上に配置されていると判定する。例えば共振器610Cの狭壁613は、結合窓AP12Cを含め2箇所で基準円Cの円周と交わっている。したがって、共振器610Cは、基準円Cの円周上に配置されている。
<変換部80A〜80D>
ダイプレクサ600において、導波路670Cには変換部80Aが設けられており、導波路682Aのy軸負方向側の端部(フィルタ601Bと逆側の端部)には変換部80Bが設けられており、導波路681Bのy軸正方向側の端部(フィルタ601Aと逆側の端部)には変換部80Cが設けられており、導波路682Bのy軸正方向側の端部(フィルタ601Bと逆側の端部)には変換部80Dが設けられている。
したがって、図15の(a)と図15の(b)とを対比した場合に、変換部80AはポートP9に対応し、変換部80BはポートP2に対応し、変換部80CはポートP3に対応し、変換部80DはポートP4に対応する。これらの4つのポートP1〜P4は、ダイプレクサ600の4つのポートとして機能する。
変換部80A〜80Dの各々は、図9に記載の変換部80と同一に構成されている。したがって、本実施形態では、その説明を省略する。
この構成によれば、ポートP9,P2,P3の各々に受信回路(Rx)や、送信回路(Tx)や、アンテナ回路などのグランド−シグナル−グランドの端子構造有する集積回路を容易に接続することができる。
また、図15の(a)に記載されているようにポートP4を終端する場合には、変換部80Dの信号線(図9に記載の信号線85に対応)と電極(図9に記載の電極88,89)とを抵抗体を用いて接続することが好ましい。このとき用いる抵抗体の抵抗値は、変換部80Dにおける反射を低減することができるように適宜選択することができる。なお、変換部80Dを終端する場合、その信号線の形状を適宜変更することもできる。
<フィルタ601Cの効果>
ダイプレクサ600は、通過帯域が帯域fであるフィルタ601A,601Bに加えて、通過帯域が帯域fであるフィルタ601Cを更に備えている。したがって、図1に示したダイプレクサ100と比較して、ポートP3とポートP9との間におけるアイソレーション特性を向上させることができる。
ダイプレクサ600の第1の運用例としては、ポートP2に対してアンテナ回路を接続し、ポートP3にTxを接続し、ポートP9に対してRxを接続する態様が挙げられる。ここで、Txは帯域fを動作帯域とし、Rxは帯域fを動作帯域とし、アンテナ回路は帯域f及び帯域fを動作帯域とする。この運用例によれば、ダイプレクサ600がフィルタ601Cを備えていることによって、TxとRxとの間におけるアイソレーション特性を向上させることができる。その結果、Rxが受信する帯域fの電波の強度がより低い場合であっても、Rxは、受信した帯域fの電波を処理することができる。
なお、ここでは、ポートP3に対してTxを接続し、ポートP9に対してRxを接続する態様を第1の運用例としてあげたが、ポートP3に対してRxを接続し、ポートP9に対してTxを接続する態様を第2の運用例として採用することもできる。その場合、Rxは帯域fを動作帯域とし、Txは帯域fを動作帯域とする。ただし、2つの運用例を比較した場合、第1の運用例の方が有利である。それは、処理する電波の強度がより低いRxをアンテナ回路の近くに配置することができ、且つ、処理する電波の強度がより高いTxをアンテナ回路の遠くに配置することができるためである。
また、フィルタ601Cの各共振器610C,620C,630C,640C,650Cは、上述したように基準円Cの円周上に配置されている。この構成によれば、ダイプレクサ600を含む基板の形状が長方形だとした場合に、各共振器820C,830C,840C,850Cが基準円Cの円周上に配置されていないダイプレクサ800(図18を参照して後述する)と比較して、基板の長辺の長さをより短くすることができる。したがって、よりコンパクトな基板にダイプレクサ600を実装することができる。すなわち、よりコンパクトなダイプレクサを設計することができる。
また、フィルタ601Cにおいて、各共振器610C,620C,630C,640C,650Cの広壁は、円形である。そのうえで、互いに結合されている2つの共振器(例えば共振器610C,620C)の各々は、これら2つの共振器の広壁の外接円の半径をR1及びR2とし、これら2つの共振器の中心間距離をDとした場合に、D<R1+R2となるように配置されている。この半径と中心間距離の大小関係は、共振器620C,630Cにおいても、共振器630C,640Cにおいても、共振器640C,650Cにおいても同様である。この構成によれば、広壁が四角形である共振器を採用している場合と比較して、互いに結合されている2つの共振器における対称性を高めることができる。その結果として、ダイプレクサを設計する場合の設計パラメータの数を少なくすることができる。したがって、フィルタ601Cは、フィルタ1の場合と同様に、所望の特性を有するフィルタを容易に設計することができる。
なお、フィルタ601Cを構成する共振器の数は、5つに限定されるものではなく、所望の通過特性を実現するために適宜変更可能である。また、フィルタ601Cを構成する共振器の広壁は、円形に限定されるものではなく、6角形以上の正多角形であってもよい。
(方向性結合器606Aa,606Ba)
方向性結合器606A,606Bの変形例である方向性結合器606Aa,606Baについて図16を参照して説明する。図16は、方向性結合器606Aaの平面図である。方向性結合器606Baは、共振器630Aの中心及び共振器630Bの中心を含むzx平面を対称面として、方向性結合器606Aaを鏡映対称となる位置に配置することによって得られる。そのため、ここでは、方向性結合器606Baに関する説明を省略する。図15の(b)に示したダイプレクサ600は、方向性結合器606Aの代わりに図17に示した方向性結合器606Aaを採用し、方向性結合器606Bの代わりに方向性結合器606Aaと同一に構成された方向性結合器を採用してもよい。
なお、方向性結合器606Aaの構成部材のうち方向性結合器606Aと同一である構成部材については、方向性結合器606Aと同じ部材番号を付し、その説明を省略する。
方向性結合器606Aaは、方向性結合器606Aに対して、第1の付加導体ポスト群である導体ポスト687A1〜687A4と、第2の付加導体ポスト群である導体ポスト688A1,688A2とを追加することによって得られる。
導体ポスト687A1〜687A4及び導体ポスト688A1,688A2は、基板の内部に形成された、導体ポストであって、基板の一方の表面から他方の表面まで貫通する貫通孔の内壁に導体膜を形成することによって得られる。したがって、導体ポスト687A1〜687A4及び導体ポスト688A1,688A2は、狭壁683A,684A,685Aを構成する導体ポストと同様に、基板の両面に形成された一対の導体層同士を導通させる。
図16に示すように、導体ポスト687A1,687A2は、結合窓AP680Aが形成されていない導波路681Aの狭壁683A近傍に配置されており、導体ポスト687A3,687A4は、導波路682Aの狭壁683A近傍に配置されている。
導体ポスト687A1と導体ポスト687A2とは、方向性結合器606Aaを平面視した場合に、導体ポスト686Aの中心を通るx軸に平行な直線を対称軸として、鏡映対称となる位置に配置されている。同様に、導体ポスト687A3と導体ポスト687A4とは、方向性結合器606Aaを平面視した場合に、導体ポスト686Aの中心を通るx軸に平行な直線を対称軸として、鏡映対称となる位置に配置されている。
また、導体ポスト687A1,687A2と導体ポスト687A3,687A4とは、方向性結合器606Aaを平面視した場合に、導体ポスト686Aの中心を通るy軸に平行な直線を対称軸として、鏡映対称となる位置に配置されている。
このように配置された導体ポスト687A1,687A2は、狭壁683Aから狭壁684Aに向かって突出する突出部であり、このように配置された導体ポスト687A3,687A4は、狭壁683Aから狭壁685Aに向かって突出する突出部である。
導体ポスト687A1〜687A4を更に備えていることによって、方向性結合器606Aと比較して、方向性結合器606Aaは、その動作帯域における入力反射係数及びアイソレーション特性を改善することができる。
図16に示すように、導体ポスト688A1は、狭壁684A近傍に配置されており、導体ポスト688A2は、狭壁685A近傍に配置されている。y軸方向に沿ってみた場合、導体ポスト688A1,688A2は、導体ポスト686Aと同じ位置に配置されている。導体ポスト688A1と導体ポスト688A2とは、方向性結合器606Aaを平面視した場合に、導体ポスト686Aの中心を通るy軸に平行な直線を対称軸として、鏡映対称となる位置に配置されている。
このように配置された導体ポスト688A1は、狭壁684Aから結合窓AP680Aの中央に向かって突出する突出部であり、導体ポスト688A2は、狭壁685Aから結合窓AP680Aの中央に向かって突出する突出部である。
導体ポスト688A1,688A2を更に備えていることによって、方向性結合器606Aと比較して、方向性結合器606Aaは、その動作帯域における入力反射係数を改善することができる。
なお、第1の付加導体ポスト群を配置する位置、及び、第2の付加導体ポスト群を配置する位置は、方向性結合器606Aaの各種設計パラメータに応じて、入力反射係数及びアイソレーション特性を改善するために最適化することができる。
また、本変形例において、方向性結合器606Aaは、第1の付加導体ポスト群及び第2の付加導体ポスト群の両方を備えているが、入力反射係数及びアイソレーション特性に鑑みて何れか一方を省略してもよい。
また、方向性結合器606Aa,606Baは、第1の付加導体ポスト群及び第2の付加導体ポスト群を更に備えていることに伴い、方向性結合器606A,606Bと比較した場合に、その長さ(y軸方向に沿って測った場合の長さ)が長くなる。そのことに伴い、方向性結合器606Aa,606Baを備えたダイプレクサ600における基準円Cは、方向性結合器606A,606Bを備えたダイプレクサ600における基準円Cよりも直径が大きくなる。この場合、各共振器610C,620C,630C,640C,650Cは、基準円Cの円周上に配置されていてもよいし、基準円Cの内側に配置されていてもよい。これらの構成によれば、各共振器610C,620C,630C,640C,650Cが基準円Cの円周上又は内側に配置されていない場合(換言すれば基準円Cの外側に配置されている場合)と比較して、ダイプレクサ600をコンパクトにすることができる。
なお、方向性結合器606Aa,606Baは、図17及び図18を参照して後述するダイプレクサ700,800に適用することもできる。
〔第6の実施形態〕
本発明の第6の実施形態に係るダイプレクサについて、図17を参照して説明する。図17は、本実施形態に係るダイプレクサ700の平面図である。
ダイプレクサ700は、図15の(b)に示したダイプレクサ600が備えている方向性結合器606Aを方向性結合器706Aに変形し、フィルタ601Cをフィルタ701Cに変形することによって得られる。したがって、本実施形態では、方向性結合器706A及びフィルタ701Cについて説明し、フィルタ701A,701B及び方向性結合器706Bに関する説明を省略する。なお、ダイプレクサ700が備えているフィルタ701A,701B及び方向性結合器706Bの各々は、それぞれ、ダイプレクサ600が備えているフィルタ601A,601B及び方向性結合器606Bに対応する。
<フィルタ701C>
フィルタ701Cは、各々の広壁が長方形である5つの共振器710C,720C,730C,740C,750Cを、結合窓AP12C,AP23C,AP34C,AP45Cを介して電磁気的に結合させることによって構成されている。共振器710Cは、一対の狭壁である狭壁711C及び狭壁712Cと、一対の広壁である導体層(基板の両面に形成された導体層)とにより四方を囲まれている。共振器720C,730C,740C,750Cについても共振器710Cと同様である。
フィルタ701Cにおいて、共振器710Cのy軸負方向側に設けられた結合窓APICは、方向性結合器706Aを構成する導波路781Aのフィルタ701Aと逆側の端部に電磁気的に結合されている。
また、フィルタ701Cにおいて、共振器750Cのy軸正方向側に設けられた結合窓APOCは、導波路760Cに電磁気的に結合されている。導波路760Cは、フィルタ601Cの導波路670Cに対応する。
本実施形態において、共振器710C,720C,730C,740C,750Cの各々は、図17に図示した座標軸のy軸に沿い(本実施形態では平行)、且つ、基準円Cの円周上に配置されている。なお、フィルタ601の場合と同様に、各共振器710C,720C,730C,740C,750Cの狭壁が基準円Cの円周と交わっている又は接している状態を、共振器が基準円Cの円周上に配置されていると呼ぶ。なお、共振器に設けられた結合窓が基準円Cの円周と交わっている場合も、その共振器は、基準円Cの円周上に配置されていると判定する。
<方向性結合器706A>
方向性結合器706Aは、導波路781Aと導波路782Aとを備えている。方向性結合器706A、導波路781A、及び導波路782Aの各々は、請求の範囲に記載の第1の方向性結合器、第1の導波路、及び第2の導波路である。
導波路781Aは、導波路782Aと並走する区間において、フィルタ701A側の端部(y軸正方向側の端部)からy軸負方向に向かって延伸されている。導波路782Aのy軸負方向側の端部から更にy軸負方向側に延伸された導波路781Aは、その延伸方向を、y軸負方向からx軸負方向を経てy軸正方向まで徐々に変更しつつ、更に延伸されている。その結果、導波路781Aは、アルファベットの「J」の字のような形状である。
導波路781AをこのようにJ字型にすることによって、各共振器710C,720C,730C,740C,750Cがy軸方向に沿って直線状に配置されている場合であっても、方向性結合器706Aとフィルタ701Aとを損失を抑制した状態で結合することができる。
このように構成されたダイプレクサ700は、ダイプレクサ600と比較して実装するための基板のサイズ(特に長辺の長さ)が大きくなるものの、ダイプレクサ600と同様に変換部80Aと変換部80Cとの間におけるアイソレーション特性を向上させることができる。
また、後述するダイプレクサ800と比較した場合、ダイプレクサ700は、よりコンパクトな基板に実装することができる。
〔第7の実施形態〕
本発明の第7の実施形態に係るダイプレクサについて、図18を参照して説明する。図18は、本実施形態に係るダイプレクサ800の平面図である。図18に示すように、ダイプレクサ800は、フィルタ801A,801B,801Cと、方向性結合器806A,806Bとを備えている。
ダイプレクサ800は、図15に示したダイプレクサ600が備えていたフィルタ601Cを、図17に示したダイプレクサ700が備えていたフィルタ701Cに置き換えることによって得られる。したがって、フィルタ801A,801B及び方向性結合器806A,806Bの各々は、それぞれ、ダイプレクサ600のフィルタ601A,601B及び方向性結合器606A,606Bの各々に対応し、フィルタ801Cは、ダイプレクサ700のフィルタ701Cに対応する。したがって、本実施形態では、これらに関する説明を省略する。
フィルタ801Cを構成する各共振器810C,820C,830C,840C,850Cは、導波路881Aが延伸されている方向(y軸負方向)に沿って(本実施形態では平行)配置されている。
このように構成されたダイプレクサ800は、ダイプレクサ600,700と比較して実装するための基板のサイズ(特に長辺の長さ)が大きくなるものの、ダイプレクサ600,700と同様に変換部80Aと変換部80Cとの間におけるアイソレーション特性を向上させることができる。実装する基板がy軸方向に沿った細長い長方形であってもよい場合には、ダイプレクサ600あるいはダイプレクサ700の代わりにダイプレクサ800の構成を採用してもよい。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
100,100a,100b,600,700,800 ダイプレクサ
1,101A,101B,601A,601B,601C,701A,701B,701C,801A,801B,801C フィルタ
106A,106B,606A,606B,706A,706B,806A,806B 方向性結合器
10,20,30,40,50,110A,120A,130A,140A,150A,110B,120B,130B,140B,150B,610A,620A,630A,640A,650A,610B,620B,630B,640B,650B,710A,720A,730A,740A,750A,710B,720B,730B,740B,750B,810A,820A,830A,840A,850A,810B,820B,830B,840B,850B 共振器
11,12,21,22,31,32,41,42,51,52 広壁
13,23,33,43,53 狭壁
13i,23i,33i,43i,53i 導体ポスト
60,70 導波路
61,62,71,72 広壁
63,64,73,74 狭壁
63i,64i,73i,74i 導体ポスト
65,66,75 ショート壁
80,80A,80B,80C,80D 変換部(入力変換部及び出力変換部)

Claims (9)

  1. 第1の導波路及び第2の導波路により構成された第1の方向性結合器と、
    第3の導波路及び第4の導波路により構成された第2の方向性結合器と、
    第1の導波路と第3の導波路との間に介在する第1のフィルタと、
    第2の導波路と第4の導波路との間に介在する第2のフィルタと、を備えたダイプレクサであって、
    前記第1のフィルタ及び前記第2のフィルタは、電磁気的に結合された複数の共振器を備え、
    前記複数の共振器の各々は、一対の広壁と、当該一対の広壁の間に介在する狭壁とにより構成されており、前記広壁は、円形または6角形以上の正多角形の形状を有し、
    前記一対の広壁は、誘電体基板の両面に設けられた一対の導体層からなり、
    前記狭壁は、前記誘電体基板を貫通し、且つ、一対の広壁の各々を導通させる導体ポスト群からなり、
    前記複数の共振器のうち互いに結合されている2つの共振器の各々は、これら2つの共振器の広壁の外接円の半径をR及びRとし、これら2つの共振器の中心間距離をDとした場合に、D<R+Rとなるように配置され
    前記複数の共振器のうち少なくとも1つの共振器は、前記狭壁を構成する前記導体ポスト群の他に、前記誘電体基板を貫通し、且つ、一対の広壁の各々を導通させる導体製の導体ポストを更に含む、
    ことを特徴とするダイプレクサ。
  2. 前記複数の共振器は、入力ポートが設けられた最初段の共振器と、出力ポートが設けられた最終段の共振器とが隣接するように配置されている、
    ことを特徴とする請求項1に記載のダイプレクサ。
  3. 前記複数の共振器は、入力ポートが設けられた最初段の共振器と、出力ポートが設けられた最終段の共振器とを含み、
    前記最初段の共振器のうち前記最終段の共振器と対向する側と逆側の領域に、当該最初段の共振器の中心と前記最終段の共振器の中心とを通る直線と交わる、前記入力ポートとして機能する結合窓が形成されており、
    前記最終段の共振器のうち前記最初段の共振器と対向する側と逆側の領域に、前記直線と交わる、前記出力ポートとして機能する結合窓が形成されている、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のダイプレクサ。
  4. 前記複数の共振器は、奇数個の共振器により構成されている、
    ことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のダイプレクサ。
  5. 前記複数の共振器のうち少なくとも1つの共振器は、当該共振器を構成する一対の広壁のうち何れか一方の広壁から当該共振器の内部に向かって突出した、導体製の突出部であって、その突出量が前記導体ポストの突出量より短い突出部を更に含む、
    ことを特徴とする請求項1〜の何れか1項に記載のダイプレクサ。
  6. 前記第1のフィルタ及び前記第2のフィルタは、第1の周波数帯域を通過帯域とし、
    電磁気的に結合された複数の共振器により構成され、前記第1の周波数帯域とは異なる第2の周波数帯域を通過帯域とし、前記第1の導波路の前記第1のフィルタと逆側の端部に接続された第3のフィルタを更に備えている、
    ことを特徴とする請求項1〜の何れか1項に記載のダイプレクサ。
  7. 前記第3のフィルタを構成する前記複数の共振器の各々は、前記第1のフィルタ及び前記第2のフィルタを包含し、且つ、その直径が前記第2の導波路の前記第2のフィルタと逆側の端部から前記第4の導波路の前記第2のフィルタと逆側の端部までの長さ以下である任意の基準円の円周上又は内側に配置されている、
    ことを特徴とする請求項に記載のダイプレクサ。
  8. 前記第3のフィルタを構成する前記複数の共振器の各々は、円形または6角形以上の正多角形の広壁を有し、
    前記複数の共振器のうち互いに結合されている2つの共振器の各々は、これら2つの共振器の広壁の外接円の半径をr及びrとし、これら2つの共振器の中心間距離をdとした場合に、d<r+rとなるように配置されている、
    ことを特徴とする請求項又はに記載のダイプレクサ。
  9. 請求項1〜の何れか1項に記載のダイプレクサを複数備えている、
    ことを特徴とするマルチプレクサ。
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