JP3839410B2 - フィルタおよび共振器の配置方法 - Google Patents

フィルタおよび共振器の配置方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばマイクロ波またはミリ波などの高周波帯域の信号を対象としたフィルタおよびそれを構成する共振器の配置方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、通信分野においては、例えばマイクロ波またはミリ波などの高周波帯域の信号を対象としたフィルタが開発されている。フィルタの種類としては、例えば導波管フィルタおよび導波管型誘電体フィルタなどが知られている。
【0003】
図11は、従来の導波管フィルタの構成例を示している。この導波管フィルタは、配線基板110上に、導波管からなる複数の共振器101〜105を直列的に配置した構成となっている。配線基板110の両端部には、信号の入力部111と出力部112とが設けられている。共振器101〜105は、入力部111と出力部112との間に配置されている。
【0004】
図12は、この導波管フィルタにおける共振器101〜105の結合状態を示している。この導波管フィルタは、共振器101〜105の隣り合うもの同士が、結合係数k12,k23,k34,k45で順次、直列的に電磁結合された状態となっている。この導波管フィルタでは、これら電磁結合された共振器101〜105における共振周波数帯域の信号が通過し、それ以外の帯域の信号が反射される。
【0005】
このように直列的に複数の共振器を接続してフィルタを構成した従来例としては、例えば以下の特許文献記載のものがある。特許文献1には、複数の共振素子を備えた直方体形状の誘電体ブロックを配線基板上に搭載した導波管型誘電体フィルタの例が記載されている。特許文献2には、導波管の側壁としてスルーホールを用いた構成の誘電体フィルタの例が記載されている。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−43807号公報
【特許文献2】
特開2002−26611号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年では通信機器に使用される信号の高周波数化が進んでおり、フィルタの周波数特性も良好なものが望まれている。そこで例えば、特定周波数帯域のみを通過させるバンドパスフィルタを構成する場合、通過帯域以外の領域に減衰極(トラップ)を形成し、減衰特性を向上させることが考えられる。例えば図13に示したように、入力部111と出力部112との間に、信号の伝搬経路121,122が2つ並列的に接続されていれば、2つの伝搬経路121,122で位相差がπずれたときに、電磁波が打ち消し合い減衰極が形成される。しかしながら、従来の導波管フィルタは、図11に示したように導波管を直列的に接続する構造であり、複数の伝搬経路を形成するような構造とはなっていないため、減衰極を発生させることができない。
【0008】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、減衰極の形成を可能にし、それにより良好な周波数特性を得ることができるフィルタおよび共振器の配置方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明によるフィルタは、導体によって囲まれた電磁波の伝搬領域を有する導波路からなる3以上の共振器を備えたフィルタであって、1の共振器の入力端から入力された電磁波が、他の共振器の出力端から出力されるようになされ、入力端と出力端との間で複数の伝搬経路が形成されるように、各共振器が配置され、かつ、互いに隣接するようにして配置された少なくとも3つの共振器を含み、それら3つの共振器が全体としてY字状に配置され、それらの各共振器が、互いに隣接する直線状の側壁を少なくとも2つ有し、それらの各共振器において、一方の側壁が全体的に、隣接する一方の共振器の1つの側壁として共有され、他方の側壁が全体的に、隣接する他方の共振器の1つの側壁として共有されることにより、それらの各共振器同士の境界部分が全体としてY字状に形成されているものである。
【0010】
本発明による共振器の配置方法は、導体によって囲まれた電磁波の伝搬領域を有する導波路からなる3以上の共振器を配置する方法であって、1の共振器の入力端から入力された電磁波が、他の共振器の出力端から出力されるように各共振器を配置すると共に、入力端と出力端との間で複数の伝搬経路が形成されるように、各共振器を配置し、かつ、互いに隣接するようにして少なくとも3つの共振器を全体としてY字状に配置し、それらの各共振器において、互いに隣接する直線状の側壁を少なくとも2つ形成し、一方の側壁を全体的に、隣接する一方の共振器の1つの側壁として共有させ、他方の側壁を全体的に、隣接する他方の共振器の1つの側壁として共有させることにより、それらの各共振器同士の境界部分を全体としてY字状に形成するようにしたものである。
【0011】
本発明によるフィルタおよび共振器の配置方法では、導体によって囲まれた電磁波の伝搬領域を有する導波路によて3以上の共振器が形成される。各共振器は、1の共振器の入力端から入力された電磁波が、他の共振器の出力端から出力されるように配置されると共に、入力端と出力端との間で複数の伝搬経路が形成されるように、配置される。複数の伝搬経路が形成されることにより、減衰極が形成される。
【0012】
本発明によるフィルタにおいて、電磁波の伝搬領域は、誘電体で形成されていても良いし、空洞の構造であっても良い。また、各共振器は、例えば、入力端と出力端とを含む平面方向に沿って平面的に配置されていても良い。
【0014】
また本発明によるフィルタにおいて、各共振器は、例えば、互いに対向する2層の導体層とこれら2層の導体層の間に形成された側壁とを有し、これら2層の導体層と側壁とによって形成された領域内を電磁波が伝搬するようになされ、一部またはすべての共振器の側壁が分岐構造を有し、その分岐している部分に複数の共振器が結合されるような構造にすることができる。
【0015】
この場合、分岐構造を有する部分の共振器の側壁は、例えばY字状にすることができる。各共振器の側壁は、各導体層の間を導通するスルーホールによって形成されていても良い。また、各共振器の側壁を、連続した導体壁によって形成しても良い。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0017】
図1は、本発明の一実施の形態に係るフィルタの構成例を示している。このフィルタは、例えば高周波フィルタとして使用することができ、例えばMMIC(モノリシックマイクロ波集積回路)などに搭載して使用される。
【0018】
このフィルタは、複数の共振器11〜13と、信号の入力部2および出力部3とを備えている。入力部2および出力部3と共振器11〜13とは、一体的に形成されている。第1の共振器11の入力端11A(図2(A))は、入力部2に接続され、第3の共振器13の出力端13A(図2(A))は、出力部3に接続されている。各共振器11〜13は、第1の共振器11の入力端11Aと第3の共振器13の出力端13Aとを含む平面方向に沿って平面的に配置されている。
【0019】
入力部2および出力部3は、誘電体基板20と、この誘電体基板20を挟んで互いに対向する導体層21,22とを有して形成されている。入力部2および出力部3は、例えば、TEMモードで電磁波を伝搬するコプレーナ線路で形成することができる。この場合、上側の導体層22に一部導体を設けない領域を形成し、それぞれに線路パターン2A,3Aを形成する。入力部2および出力部3は、線路パターン2A,3Aが延在する方向側から共振器11,13の端面に接続される。共振器11,13は、例えばTEモードで電磁波を伝搬するものであり、入力部2および出力部3と共振器11,13との間でTEMモードとTEモードとの変換がなされる。なお、入力部2および出力部3の構造、ならびにそれらと共振器11,13との接続構造は、図示した構造に限定されるものではなく、従来からあるその他の一般的な技術を用いることも可能である。
【0020】
各共振器11〜13は、誘電体基板20および導体層21,22と、これら導体層21,22間を導通する複数のスルーホール14とを有して形成されている。スルーホール14の内面はメタライズされている。スルーホール14の断面形状は、円形に限らず、多角形または楕円等、他の形状であっても良い。スルーホール14は、伝搬される電磁波が漏れ出さないよう、所定値以下(例えば信号波長の1/4以下)の間隔で設けられており、擬似的な導体壁として機能している。
【0021】
各共振器11〜13は、導体層21,22とスルーホール14とにより、導波管型導波路を形成し、それらで形成された導体壁で囲まれた領域内を、例えばTEモードで電磁波が伝搬するようになっている。なお、各共振器11〜13は、その電磁波の伝搬領域が誘電体で満たされた誘電体導波管の構成であっても良いし、内部を空洞にしたキャビティ導波管の構成であっても良い。
【0022】
また、各共振器11〜13の大きさ(共振器を構成する導波路の長さ等)は、要求されるフィルタの特性(共振周波数帯域等)に応じて適宜設定される。従って通常は、辺の長さ(側壁部分の長さ)は、各共振器11〜13で異なっている。
【0023】
図2(A),(B)は、各共振器11〜13の結合・配置状態を説明するためのものである。なお、図2(A)は、各共振器11〜13の配置状態、結合状態を模式的に示したものであり、各共振器11〜13の構造を厳密に図示したものではない。
【0024】
図2(A)にも示したように、各共振器11〜13は、互いに隣接するようにして配置され、それら隣接配置された各共振器11〜13が全体としてY字状に配置された状態となっている。また、各共振器11〜13は、スルーホール14によって形成された側壁の一部に分岐構造を有し、その分岐している部分において他の共振器と結合されている。分岐構造を有する部分の共振器11〜13の側壁(各共振器11〜13同士の境界部分)は、例えば全体としてY字状となっている。その分岐構造を有する部分(共振器同士の結合部分)には、結合窓31〜33が設けられ、それら結合窓31〜33を介して各共振器11〜13が電磁的に相互接続されている。結合窓31〜33は、スルーホール14を設けないことで形成されている。
【0025】
図2(B)に示したように、このフィルタでは、第1の共振器11が、第2の共振器12および第3の共振器13に、それぞれ結合係数k12,k13で電磁結合されている。また、第2の共振器12が、第1の共振器11および第3の共振器13に、それぞれ結合係数k12,k23で電磁結合されている。
【0026】
なお、各共振器11〜13の結合の強さなどの調整は、結合窓31〜33の位置や大きさを変えることにより調整することができる。また、結合窓31〜33の結合調整を行うことにより、後述するように減衰極の制御を行うことができる。また、結合窓31〜33は、隣接する共振器同士との間で2つ以上設けられていても良い。例えば、第1の共振器11と第3の共振器13との間で、結合窓33が複数設けられていても良い。
【0027】
各共振器11〜13が以上のような分岐構造で結合されていることにより、このフィルタでは、信号の伝搬経路が2つ形成されている。すなわち、第1の経路41が、第1の共振器11と第3の共振器13とにより形成され、第2の経路42が、第1の共振器11、第2の共振器12、および第3の共振器13により形成されている。これにより入力部2を介して第1の共振器11の入力端11Aから入力された電磁波信号は、2つの伝搬経路41,42を通り、第3の共振器13の出力端13Aを介して出力部3から共通出力されるようになっている。
【0028】
次に、以上のように構成されたフィルタの作用を説明する。
【0029】
このフィルタでは、入力部2を介して、第1の共振器11の入力端11Aから電磁波信号が入力される。入力された電磁波信号は、2つの伝搬経路41,42で伝搬される。すなわち、第1の経路41として、第1の共振器11および第3の共振器13を順次伝搬する。また、第2の経路42として、第1の共振器11、第2の共振器12、および第3の共振器13を順次伝搬する。各共振器11〜13では、その構造に応じた共振周波数帯域の信号が通過し、それ以外の帯域の信号が反射される。2つの伝搬経路41,42によって伝搬された電磁波信号は、第3の共振器13の出力端13Aを介して、出力部3から出力される。
【0030】
ここで、このフィルタでは、2つの伝搬経路41,42が形成されていることにより、各伝搬経路41,42を伝搬する電磁波に位相差が生じる。そして、その位相差がπずれたときに電磁波が打ち消し合い、減衰極が形成される。
【0031】
図3に、このフィルタによる実際の周波数特性の一例を示す。実線は、信号の通過特性を示し、点線は、反射特性を示している。縦軸は減衰量(dB)、横軸は周波数(GHz)を示す。この例では、通過周波数帯域が約22GHz〜23GHzとなっている。また、この通過周波数帯域よりも高い周波数(約23.6GHz)において、鋭い減衰極が形成されていることが分かる。
【0032】
ここで、減衰極の制御方法について説明する。図4は、このフィルタにおいて、結合窓31〜33による結合の度合いを種々変えた場合における周波数特性を示している。より詳しくは、第1,第2の共振器11,12間の結合を調整する第1の結合窓31と、第2,第3の共振器12,13間の結合を調整する第2の結合窓32との大きさは変えずに、第1,第3の共振器11,13間の結合を調整する第3の結合窓33の大きさのみを種々変えた場合における周波数特性を示している。
【0033】
このようにして第3の結合窓33の大きさを変えた場合、図4に示したように、第3の結合窓33を小さくするに従い、すなわち、第1,第3の共振器11,13間の結合を弱くするに従い、減衰極が図の矢印方向(高周波側)に移動し、通過周波数帯域から段々離れていくことが観測された。ここで注目すべき特徴としては、減衰極が形成される周波数が移動しているにもかかわらず、通過周波数帯域自体にはほとんど影響が見られないことである。すなわち、結合窓31〜33による結合調整を行うことで、通過周波数帯域をほとんど変えることなく、減衰極を形成する周波数帯域のみを制御することが可能である。
【0034】
次に、共振器11〜13の形状と結合状態との関係について述べる。例えば、図5に示したように、四角形状の共振器51〜53をT字状に結合する場合を考える。この場合、結合付近における例えば最低次のモードでのH面(磁界に平行な面)内での磁界強度分布は、図中ハッチング模様を施したようになる。すなわち、各共振器51〜53では、側壁の中央部分において磁界強度が強く、周辺に行くに従い磁界強度が弱くなる。ここで、各共振器51〜53同士を強く結合させるためには、互いに磁界強度が強くなっている部分で結合させる必要がある。
【0035】
しかしながら、図示したように四角形状の共振器51〜53をT字状に結合する場合、各共振器51〜53を磁界強度が強くなっている部分同士で結合させることはできない。このため、各共振器51〜53同士の結合が弱くなってしまう。
【0036】
一方、例えば図6に示したように、共振器61〜63を5角形状にしてY字状に結合する場合を考える。図中において、ハッチング模様を施した部分は図5と同様に磁界強度分布を表している。この構造の場合には、磁界強度が強くなっている部分同士が重なるようにして、各共振器61〜63を結合させることができる。このため、各共振器61〜63同士の結合を強くすることができる。図1に示した構造の場合も図6に示したものと同様に、結合部分がY字状となっており、各共振器11〜13同士を効率的に強く結合することができる。
【0037】
以上説明したように、本実施の形態によれば、導波管型導波路により形成された共振器11〜13でありながら、電磁波の伝搬経路が2つ並列的に配置された構造になっているので、減衰極の形成が可能となり、それにより良好な周波数特性を得ることができる。また、各共振器11〜13同士の結合部分(境界部分)をY字状にしたので、効率的な結合を行うことができる。
【0038】
[変形例]
次に、本実施の形態に係るフィルタおよび共振器の配置方法の変形例について説明する。
【0039】
<第1の変形例>
図1に示したフィルタでは、3つの共振器11〜13を結合して2つの信号伝搬経路41,42を形成するようにしたが、結合する共振器の数は、4つ以上であっても良い。また、信号の伝搬経路を3つ以上形成しても良い。本変形例では、そのような構成例として4つの共振器を結合したフィルタについて説明する。
【0040】
図7は、本変形例に係るフィルタの全体構成を示している。また図8に、このフィルタを構成する各共振器の配置・結合状態を模式的に示す。このフィルタは、4つの共振器71〜74を結合した4段フィルタの構成となっている。入力部2および出力部3の構造、および各共振器71〜74の個々の構造は、基本的に図1のフィルタと同様である。
【0041】
各共振器71〜74の結合構造も基本的には図1のフィルタと同様であり、結合部分の分岐構造をY字状にしている。例えば、第1〜第3の共振器71〜73同士の結合構造に着目すると、Y字状となっている。また、第2〜第4の共振器72〜74同士の結合構造に着目すると、Y字状となっている。また、各共振器71〜74の結合部分には、結合窓81〜85が設けられ、それら結合窓81〜85を介して各共振器71〜74が電磁的に相互接続されている。
【0042】
図9に、このフィルタによる実際の周波数特性の一例を示す。実線は、信号の通過特性を示し、点線は、反射特性を示している。縦軸は減衰量(dB)、横軸は周波数(GHz)を示す。このフィルタでは、共振器の数および信号の伝搬経路が増えたことにより、減衰極が2つ形成されていることが分かる。
【0043】
このように、本変形例によれば、結合する共振器の段数を増やすことで、伝搬経路も増え、これにより、減衰極の数も増やすことができるので、さらに良好な周波数特性を得ることができる。
【0044】
<第2の変形例>
図1の構成例では、各共振器11〜13をスルーホール14を用いて構成したが、スルーホール14を用いない構成にすることも可能である。本変形例では、そのような構造のフィルタについて説明する。図10は、本変形例におけるフィルタの構成を説明するためのものである。なお、この図では説明上、実際の構造を簡略化して示している。例えば図示していないが、実際にはこのフィルタの上面には、板状の導体層が積層され、全体として導波管フィルタの構造となっている。
【0045】
このフィルタは、各共振器211〜213の側壁が、スルーホール14を用いた場合とは異なり、連続した導体壁によって形成されている。各共振器211〜213は、図1のフィルタと同様に、結合窓231〜233を介して電磁的に相互接続されている。各共振器211〜213同士の結合部分(境界部分)には、立設したY字形状の導体壁230が形成されてる。このような構造は、例えば誘電体基板200をマイクロマシン工法等を用いて各共振器211〜213の形状に合わせてくり抜き、そのくり抜かれた表面部分をメタライズすることにより製造することができる。また、金属よりなる基板を共振器形状に加工しても良い。
【0046】
このフィルタの機能自体は、図1のフィルタと同様であり、入力部202を介して、第1の共振器211から電磁波信号が入力され、その入力された電磁波信号が、2つの伝搬経路41,42で伝搬される。2つの伝搬経路41,42によって伝搬された電磁波信号は、第3の共振器213を介して出力部203から出力される。2つの伝搬経路41,42が形成されることにより、各伝搬経路41,42を伝搬する電磁波に位相差が生じ、減衰極が形成される。
【0047】
なお、本発明は、以上の実施の形態に限定されず種々の変形実施が可能である。例えば、上記実施の形態では、複数の共振器を平面的に配置することによって複数の伝搬経路を形成する場合について説明したが、複数の共振器を立体的(3次元的)に配置することによって複数の伝搬経路を形成することも可能である。すなわち例えば、図1に示したフィルタにおいて、さらに高さ方向(上側または下側)に共振器を結合するような構造も可能である。
【0048】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のフィルタまたは共振器の配置方法によれば、1の共振器の入力端から入力された電磁波が、他の共振器の出力端から出力されるように各共振器を配置すると共に、入力端と出力端との間で複数の伝搬経路が形成されるように、各共振器を配置するようにしたので、減衰極の形成が可能となり、それにより良好な周波数特性を得ることができる。
【0049】
また、本発明のフィルタまたは共振器の配置方法によれば、互いに隣接するようにして配置された少なくとも3つの共振器を含み、それら隣接配置された複数の共振器を全体としてY字状に配置すると共に、各共振器同士の境界部分を、全体としてY字状に形成するようにしたので、磁界強度が強くなっている部分同士が重なるようにして、各共振器同士を結合させることができる。これにより、各共振器同士を効率的に強く結合することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係るフィルタの構成例を示す斜視図である。
【図2】図1に示したフィルタにおける各共振器の結合状態を説明するための概念図である。
【図3】図1に示したフィルタの周波数特性を示す特性図である。
【図4】図1に示したフィルタに生じる減衰極の制御方法を説明するための図である。
【図5】T字構造での結合強度を説明するための図である。
【図6】Y字構造での結合強度を説明するための図である。
【図7】本発明の一実施の形態に係るフィルタの第1の変形例としての4段構造のフィルタを示す斜視図である。
【図8】図7に示したフィルタにおける各共振器の結合状態を説明するための概念図である。
【図9】図7に示したフィルタの周波数特性を示す特性図である。
【図10】本発明の一実施の形態に係るフィルタの第2の変形例の説明図である。
【図11】従来のフィルタの構成例を示す斜視図である。
【図12】従来のフィルタにおける共振器同士の結合状態を示す説明図である。
【図13】減衰極を作ることが可能なフィルタの概念を示す説明図である。
【符号の説明】
2…入力部、3…出力部、11〜13…共振器、14…スルーホール、20…基板、21,22…導体層、31〜33…結合窓。

Claims (7)

  1. 導体によって囲まれた電磁波の伝搬領域を有する導波路からなる3以上の共振器を備えたフィルタであって、
    1の共振器の入力端から入力された電磁波が、他の共振器の出力端から出力されるようになされ、
    前記入力端と前記出力端との間で複数の伝搬経路が形成されるように、前記各共振器が配置され、かつ、
    互いに隣接するようにして配置された少なくとも3つの共振器を含み、それら3つの共振器が全体としてY字状に配置され、それらの各共振器が、互いに隣接する直線状の側壁を少なくとも2つ有し、それらの各共振器において、一方の側壁が全体的に、隣接する一方の共振器の1つの側壁として共有され、他方の側壁が全体的に、隣接する他方の共振器の1つの側壁として共有されることにより、それらの各共振器同士の境界部分が全体としてY字状に形成されている
    ことを特徴とするフィルタ。
  2. 前記各共振器が、前記入力端と前記出力端とを含む平面方向に沿って平面的に配置されている
    ことを特徴とする請求項1記載のフィルタ。
  3. 前記各共振器は、互いに対向する2層の導体層とこれら2層の導体層の間に形成された側壁とを有し、これら2層の導体層と側壁とによって形成された領域内を電磁波が伝搬するようになされている
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のフィルタ。
  4. 前記各共振器の側壁が、各導体層の間を導通するスルーホールによって形成されている
    ことを特徴とする請求項に記載のフィルタ。
  5. 前記各共振器の側壁が、連続した導体壁によって形成されている
    ことを特徴とする請求項に記載のフィルタ。
  6. 前記電磁波の伝搬領域は、空洞の構造となっている
    ことを特徴とする請求項1ないしのいずれか1項に記載のフィルタ。
  7. 導体によって囲まれた電磁波の伝搬領域を有する導波路からなる3以上の共振器を配置する方法であって、
    1の共振器の入力端から入力された電磁波が、他の共振器の出力端から出力されるように前記各共振器を配置すると共に、
    前記入力端と前記出力端との間で複数の伝搬経路が形成されるように、前記各共振器を配置し、かつ、
    互いに隣接するようにして少なくとも3つの共振器を全体としてY字状に配置し、
    それらの各共振器において、互いに隣接する直線状の側壁を少なくとも2つ形成し、一方の側壁を全体的に、隣接する一方の共振器の1つの側壁として共有させ、他方の側壁を全体的に、隣接する他方の共振器の1つの側壁として共有させることにより、それらの各共振器同士の境界部分を全体としてY字状に形成する
    ことを特徴とする共振器の配置方法。
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