JP6305045B2 - 画像記録装置、画像記録方法およびプログラム - Google Patents

画像記録装置、画像記録方法およびプログラム Download PDF

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Description

本発明は画像記録装置、画像記録方法およびプログラムに関する。
インクを吐出する複数の吐出口を配列した記録ヘッドを、記録媒体の単位領域に対して相対的に移動させながらインクの吐出を行う記録走査と、記録媒体の搬送を行う副走査と、を繰り返し行うことで画像の記録を行う記録装置が知られている。このような記録装置において、それぞれの走査にてインクを吐出する位置に対応する記録画素が複数配置されたパターンにしたがってインクを吐出し、単位領域に対して複数回走査することによって画像を形成する、いわゆるマルチパス記録方式が知られている。
上記の方式によって記録する記録装置では、従来より様々な条件に応じてマスクパターンを適用することが知られている。特許文献1には、濃度むらが生じ易いモノクロモードで記録を行う際に用いるパターンにおける互いに隣接する記録画素の数を、粒状性の低下が目立ち易いカラーモードで記録を行う際に用いるパターンにおける互いに隣接する記録画素の数よりも大きくすることが開示されている。
一方、近年では様々な用途の印刷物をインジェット記録により作成するようになってきており、それに応じて様々な種類のインクや記録媒体が使用されている。特許文献2には樹脂エマルジョンを含有するインクと難吸水性の記録媒体とを用い、インクを記録媒体上に着弾させた際にインクに熱を加えることで樹脂エマルジョンを皮膜化し、記録媒体上へのインクに含まれる色材の定着を行う方法が開示されている。
特開2008−229864号公報 特開平1−113249号公報
しかしながら、特許文献2に開示されたインクと記録媒体を使用して記録する場合、インク滴同士が接触して互いに引き寄せ合う所謂ビーディングが発生し、記録された画像において色むらが生じる虞があることがわかった。
以下にこの課題について詳細に説明する。
図1は樹脂エマルジョンを含有するインクと難吸水性の記録媒体とを用い、マルチパス記録方法によって画像を記録する際の過程を説明するための図である。なお、ここでは8回の記録走査によって画像を完成させる形態を例として説明する。
図1(a)は記録媒体上の単位領域に対する1回目の走査にてインクを吐出した際の画像表面の模式図である。なお、黒く塗りつぶされた格子がインクを吐出する位置である記録画素を示し、黒く示す円がそれらの記録画素に実際にインクを吐出した際のインク滴の状態を示している。図1(a)に示すように、ここではインク滴同士をできる限り接触させないように記録画素を分散して配置したパターンによって記録した場合を示している。
上述のインクと記録媒体を使用するため、インクは記録媒体に浸透しない。そのため、インクは定着するまでの間に記録媒体上にて濡れ広がる。これにより、図1(a)に示すように、記録画素をできる限り分散して配置したパターンを用いる場合であっても、インク滴は記録媒体上にて接触してしまい、接触したインク滴同士において上述のビーディングが発生する虞がある。このビーディングは、加熱むら等により単位領域内に低温となる領域が形成された場合、インクが定着するまでに掛かる時間が長くなってしまうため、より顕著に発生する。
これに対し、図1(b)は複数の記録画素が隣接するように配置されたパターンによって記録媒体の単位領域に対する1回目の走査でインクを吐出した際の画像表面の模式図である。なお、図1(b)に示すパターンには図1(a)に示すパターンにおける記録画素と同じ数の記録画素が配置されている。
図1(b)に示すパターンを用いてインクを吐出した場合、互いに隣接する4つの記録画素に対応する4つのインク滴は単位領域内で近接する位置に吐出されるため、互いに集合し、1つの大きなインク滴(大インク滴)を形成する。このように大インク滴により記録を行う場合、複数の大インク滴間における距離を図1(a)に示す場合よりも長くすることができる。更に、互いに接触する4つのインク滴は大インクを形成する際に互いに集合する方向に移動しながら大インク滴を形成する。そのため、この大インク滴が定着して形成されるドットは、図1(b)に示すインクの着弾直後における状態よりも径を抑えることができる。
これらの理由から、複数の記録画素が互いに隣接するように配置したパターンを使用して記録した場合、インク滴の吐出数は同じであるにも関わらず、複数の大インク滴が互いに接触しないようにインクを吐出することができる。このため、複数の大インク滴の間のビーディングを抑制することができ、遠くに着弾したインク滴同士のビーディングで発生するような大きな色むらの発生を抑えた画像を記録することが可能となる。
しかしながら、複数の記録画素が隣接して配置されたパターンを用いて記録を行う場合、異なる走査間で記録位置のずれが発生した際に記録された画像において別の問題が発生することがわかった。ここでは、この記録位置のずれとして記録媒体の搬送にずれが生じた場合を例として説明する。
図2(a)は、図1(a)に示すパターンに従ってある走査にてインクを吐出した後、記録媒体を搬送し、該搬送の後に異なる走査で記録画素が分散して配置されたパターンを用いてインクを吐出した際の画像表面の模式図である。また、図2(b)は、図1(b)に示すパターンに従って第1の走査にてインクを吐出した後、記録媒体を搬送し、該搬送の後に第2の走査で複数の記録画素が隣接して配置されたパターンを用いてインクを吐出した際の画像表面の模式図である。また、図3(a)は、図1(a)に示すパターンに従ってある走査にてインクを吐出した後、記録媒体の搬送にずれが生じ、該搬送の後に異なる走査で記録画素が分散して配置されたパターンを用いてインクを吐出した際の画像表面の模式図である。また、図3(b)は、図1(b)に示すパターンに従って第1の走査にてインクを吐出した後、記録媒体の搬送にずれが生じ、該搬送の後に第2の走査で複数の記録画素が隣接して配置されたパターンを用いてインクを吐出した際の画像表面の模式図である。なお、図2(a)、(b)、図3(a)、(b)に示す網目模様で示す円が第1の走査にて吐出されたインク滴を、また、黒で示す円が第2の走査にて吐出されたインク滴をそれぞれ示す。
ここでは簡単のため、図3(a)、(b)ともに搬送量がY方向上流側に1画素分だけずれた場合を示している。したがって、インク滴は図2(a)、(b)と図3(a)、(b)とをそれぞれ比較すればわかるように、図3(a)、(b)に示す搬送ずれが生じた場合における画像では各記録画素よりもY方向上流側に1画素分だけずれた位置にインクが吐出される。
図3(a)に示すように、記録画素が分散して配置されたパターンを用いる場合、記録媒体の搬送がずれた場合であっても図2(a)に示す搬送にずれが生じなかった場合と比べて単位領域内のインク滴による被覆面積は然程大きくは変わらない。
これに対し、図3(b)に示す複数の記録画素が隣接して配置されたパターンを用いる場合は、搬送のずれによって図2(b)に示す搬送ずれが生じなかった場合と比べて単位領域内のインク滴による被覆面積は大きく減少する。これにより、インクが吐出されない領域(以下、非吐出領域とも称する)100がX方向に数画素分延在して複数形成される。このような非吐出領域100では最終的に得られる画像において記録媒体の表面が見えてしまい、画像中の白抜けとして視認されてしまう。このため、非吐出領域100は画質を低下させる要因となってしまう。
また、第1の走査と第2の走査とが互いに離れた走査である場合(例えば、8回の走査で記録を行う装置において第1の走査が1回目の走査であり、第2の走査が5回目の走査である場合)、上述の搬送のずれ等が生じる機会が多くなってしまうため、白抜けはより発生し易くなる。
なお、ここでは記録媒体の搬送にずれが生じた際に非吐出領域が発生する場合について説明したが、上述のように複数の記録画素が隣接して配置されたパターンを使用する場合には種々の記録位置ずれが生じる際に非吐出領域が発生してしまう。
例えば、それぞれ複数の吐出口がY方向に配列された同色のインクに対応する複数の吐出口列がY方向に複数配列された、いわゆるつなぎヘッドを用いる場合、上述の非吐出領域が発生し易くなる。
図4はつなぎヘッドを用いる場合に非吐出領域が形成されるメカニズムを説明するための図である。
図4(a)は複数の吐出口列が誤差なく配置されて構成されたつなぎヘッドを示す図である。このようなつなぎヘッド123aを用いてマルチパス記録方式により記録を行う際、例えば記録媒体上の単位領域に対し2回の走査で記録を行う場合を考える。この場合、1回目の走査では単位領域に対し吐出口列122aからインクを吐出し、該単位領域が位置123から位置124まで搬送され、2回目の走査において吐出口列122bからインクを吐出することで画像を記録する。
しかしながら、図4(b)に示すように、つなぎヘッドを製造する際の製造誤差等により吐出口列122bが図4(a)に示す正規の位置に対して回転して配置されてしまう場合がある。このようなつなぎヘッド123bを用いて上述のマルチパス記録方式により記録を行うと、吐出口列122bからインクを吐出する際のインクの吐出位置がX方向にもY方向にもずれてしまう。これにより、つなぎヘッド123bにおける図4(a)に示す領域126に対応する記録媒体にはインクが吐出されず、上述のインクの非吐出領域が発生してしまう。
本発明は上記の課題を鑑みて為されたものであり、ビーディングによる色むらと搬送や吐出口列の配置等のずれに由来する非吐出領域の発生の双方を抑制することのできる画像記録装置を提供することを目的とするものである。
そこで、本発明は、所定の色のインクを吐出するための複数の吐出口が配列方向に配列された吐出口列を少なくとも1つ有する記録ヘッドと、前記記録ヘッドと記録媒体上の単位領域とを前記配列方向と交差する走査方向に複数回走査させる走査手段と、前記記録ヘッドの前記複数回の走査のそれぞれの間において、前記記録媒体を前記走査方向と交差する搬送方向に前記複数の吐出口を分割して構成されるそれぞれ前記配列方向に連続して配列された所定数の吐出口からなる複数の前記吐出口群それぞれの前記配列方向における長さに対応する距離の搬送を行う搬送手段と、前記複数の吐出口群のそれぞれに対応し、それぞれ前記単位領域への記録の許容を定める記録許容画素と記録の非許容を定める非記録許容画素が配置された複数のマスクパターンに基づいて、前記単位領域に対応する画像データから前記単位領域に対する前記複数回の走査のそれぞれにおいて前記複数の吐出口群のそれぞれから前記単位領域に対してインクを吐出するための記録データを生成する生成手段と、前記記録データに基づいて、前記複数回の走査のそれぞれにおいて前記複数の吐出口群のそれぞれから前記単位領域にインクを吐出させる記録制御手段と、を有する画像記録装置であって、前記複数のマスクパターンのうちの少なくとも2つの前記マスクパターンからなる第1のマスクパターン群に関し、(i)前記第1のマスクパターン群のそれぞれのマスクパターンは、それぞれ複数の前記記録許容画素と複数の前記非記録許容画素が配置された複数の第1の画素領域と、前記複数の第1の画素領域の間にそれぞれ複数の前記非記録許容画素のみが配置された複数の第2の画素領域と、を含み、(ii)前記第1のマスクパターン群のそれぞれのマスクパターンにおける前記複数の第1の画素領域は、それぞれ互いに対応する位置に構成され、(iii)前記第1のマスクパターン群のそれぞれのマスクパターンにおける、前記配列方向または前記走査方向に互いに隣接して配置された複数の前記記録許容画素により構成される記録許容画素群および他の記録許容画素と隣接しない記録許容画素のそれぞれを1つの単位とした記録許容画素の単位内の前記記録許容画素の数の平均は、所定の値以下であり、(iv)前記第1のマスクパターン群のそれぞれのマスクパターンに配置された複数の前記記録許容画素の論理和により得られる第1の論理和パターンにおける前記単位内の前記記録許容画素の数の平均は、前記所定の値よりも大きいことを特徴とする。
本発明の画像記録装置によれば、ビーディングによる色むらと搬送等のずれに由来する非吐出領域の発生の双方を効果的に抑制し、良好な画質の画像を得ることができる。
ビーディングを説明するための図である。 記録媒体の搬送のずれに由来する非吐出領域の発生を説明するための図である。 記録媒体の搬送のずれに由来する非吐出領域の発生を説明するための図である。 吐出口列の配置のずれに由来する非吐出領域の発生を説明するための図である。 実施形態で適用する画像記録装置の斜視図である。 実施形態で適用する画像記録装置の内部機構の側面図である。 実施形態で適用する記録ヘッドの模式図である。 一般的なマルチパス記録方式を説明するための図である。 一般的なマルチパス記録方式で適用するマスクパターンの模式図である。 実施形態における記録の制御系を説明するための模式図である。 実施形態におけるデータの処理過程を説明するための図である。 実施形態におけるマルチパス記録方式を説明するための図である。 実施形態における記録許容画素の単位を説明するための図である。 実施形態におけるマスクパターンの評価領域を説明するための図である。 実施形態に適用するマスクパターンを示す図である。 実施形態におけるマスクパターンの画素領域を説明するための図である。 実施形態における論理和パターンを説明するための図である。 実施形態における記録の過程を説明するための図である。 実施形態における搬送等のずれが生じた際の様子を説明するための図である。 比較形態に適用するマスクパターンを示す図である。 比較形態における搬送等のずれが生じた際の様子を説明するための図である。 実施形態に適用するマスクパターンを示す図である。 実施形態に適用するマスクパターンを示す図である。 実施形態に適用するマスクパターンを示す図である。
(第1の実施形態)
以下に本発明の第1の実施形態を詳細に説明する。
図5は本実施形態に係る画像記録装置の構成を部分的に示す斜視図である。また、図6は本実施形態に係る画像記録装置の構成を部分的に示す側面図である。
画像記録装置1000の内部には筐体1が設けられており、この筐体上にプラテン2が配置されている。また筐体内にはシート状の記録媒体3をプラテン2に吸着させるための吸引装置4が設けられている。さらに筐体1の長手方向に設置されたメインレール5に、X方向(走査方向)に往復移動するキャリッジ6が支持されている。キャリッジ6は、インクジェット方式の記録ヘッド7を搭載しており、記録ヘッド7は、発熱体を用いた方式、ピエゾ素子を用いた方式など、さまざまなインクジェット方式を用いることができる。キャリッジモータ8は、キャリッジ6をX方向に移動させるための駆動源であり、その回転駆動力はベルト9でキャリッジ6に伝達する。キャリッジ6のX方向における位置は、リニアエンコーダで検出してモニタする。リニアエンコーダは、筐体1に取り付けた直線状のエンコーダパターン10と、それを光学的、磁気的あるいは機械的に読み取る、キャリッジ6に搭載された読取部(図5では不図示)からなる。
記録媒体3は、給紙スプール18に備えられたロール状の給紙媒体23から給紙される。記録媒体3としては種々の媒体を使用することができるが、記録物の屋外展示を考慮すると非吸水性あるいは低吸水性の媒体を使用することが好ましい。例えば塩化ビニルシートなどの低吸水性の樹脂で記録面が形成されているものが挙げられる。給紙スプール18は記録媒体3にブレーキ力を作用させるためのトルクリミッタ19を備える。記録媒体3はプラテン2上で、キャリッジ6のX方向と交差するY方向(搬送方向)に搬送される。この搬送は、搬送ローラ11、ピンチローラ16、ベルト12、搬送モータ13からなる駆動機構により行う。搬送ローラ11の駆動状態(回転量、回転速度)は、ロータリーエンコーダで検出してモニタする。ロータリーエンコーダは、搬送ローラ11と共に回転する円周状のエンコーダパターン14と、それを光学的、磁気的あるいは機械的に読み取る読取部15からなる。記録媒体3は記録ヘッド7により印字された後、巻取りスプール20により巻取られ、ロール状の巻取り媒体24を形作る。巻取りスプール20は巻取りモータ21により回転し、記録媒体3に巻取りテンションを作用させるためのトルクリミッタ22を備える。
本実施形態ではプラテン2と対向する位置に位置する第1ヒータ25と、プラテン2よりY方向の下流側でありプラテン2と対向する位置に位置する第2ヒータ27からの熱によりインクに含有される色材の記録媒体3上への定着を図る。
第1ヒータ25は第1ヒータカバー26に、第2ヒータ27は第2ヒータカバー28にそれぞれ覆われている。これらの第1ヒータカバー26および第2ヒータカバー28はそれぞれのヒータの熱を記録媒体の表面に効率良く照射する機能と、それぞれのヒータの保護の機能とを担っている。第1ヒータ25はインクに含有される水分を蒸発させ、インク滴の粘度を上昇させるために設けられており、記録ヘッド7よりインクが吐出される際には記録媒体は既に均一に加熱されている。本実施形態では第1ヒータの温度は記録媒体の表面が60℃となるような温度に設定している。なお、第1ヒータ25から熱を受ける段階ではインクが記録媒体3上で完全に定着する必要はなく、ある程度粘度が上昇し、記録媒体3上でのインクの流動性が低下する程度で良い。第1ヒータ25の加熱方法としては、温風ヒータ、赤外線ヒータ、記録媒体に接触する熱伝導型ヒータなど種々のものを用いることができるが、特に赤外線ヒータが好ましい。
また、第2ヒータ27では第1ヒータ25よりも高温で加熱を行い、インクに含有される後述する樹脂エマルジョンを皮膜化させ、インク滴を記録媒体3上に定着させる。本実施形態においては記録媒体の表面温度が90℃になるような温度に設定している。
なお、本実施形態では第1ヒータ25と第2ヒータ27で二段階に分けて加熱を行う形態を採用したが、本発明はこの形態に限定されるものではない。例えば、三段階以上の段階に分けて加熱を行う形態、あるいは一段階だけで加熱を行う形態のいずれにも適用することが可能である。
図7は本実施形態に用いる記録ヘッド7の吐出口30の配列を模式的かつ略式的に示す平面図である。
記録ヘッド7は、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、のインクをそれぞれ吐出する4つの吐出口列22K、22C、22M、22YがX方向に並んで配列されることにより構成される。吐出口列22Kは、それぞれインクを吐出するための640個(所定数)の吐出口30が1200dpiの密度でY方向(配列方向)に配列された列22Ka、22KbがY方向に配列することで構成されている。吐出口列22C、22M、22Yも、吐出口列22Kと同様に、それぞれ2つの列がY方向に沿って配列されている。なお、本実施形態における一つの吐出口30から一度に吐出されるインクの吐出量は約4.5ngである。
これらの吐出口列22K、22C、22M、22Yは、それぞれ対応するインクを貯蔵する不図示のインクタンクに接続され、インクの供給が行われる。なお、本実施形態にて用いる記録ヘッド7とインクタンクは一体的に構成されるものでも良いし、それぞれが分離可能な構成のものでも良い。
本実施形態で使用するインクはいずれも樹脂エマルジョンを含有している。本実施形態において「樹脂エマルジョン」とは、水中に分散している状態で存在するポリマー微粒子を意味する。具体的には、(メタ)アクリル酸アルキルエステルや(メタ)アクリル酸アルキルアミドなどのモノマーを乳化重合するなどして合成したアクリルエマルジョン;(メタ)アクリル酸アルキルエステルや(メタ)アクリル酸アルキルアミドなどとスチレンのモノマーを乳化重合するなどして合成したスチレン−アクリルエマルジョン;ポリエチレンエマルジョン、ポリプロピレンエマルジョン、ポリウレタンエマルジョン、スチレン−ブタジエンエマルジョンなどが挙げられる。また、樹脂エマルジョンを構成するコア部とシェル部でポリマーの組成が異なるコアシェル型樹脂エマルジョンや、粒径を制御するために予め合成したアクリル系微粒子をシード粒子とし、その周辺で乳化重合することにより得られるエマルジョンなどでもよい。更には、アクリル樹脂エマルジョンとウレタン樹脂エマルジョンなど異なる樹脂エマルジョンを化学的に結合させたハイブリッド型樹脂エマルジョンなどでもよい。
樹脂エマルジョンを構成するモノマーとしては、(メタ)アクリル酸;メチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートなどのアルキルアルコールと(メタ)アクリル酸から合成される(メタ)アクリル酸アルキルエステル;(メタ)アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルプロピル(メタ)アクリルアミド、イソプロピル(メタ)アクリルアミド、ジエチル(メタ)アクリルアミド(メタ)アクリロイルモルホリンなどの(メタ)アクリル酸アルキルアミドが挙げられる。
本実施形態のインクに使用する樹脂エマルジョンの分子量は、GPCにより得られるポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)が、100,000以上3,000,000以下、更には300,000以上2,000,000以下であることが好ましい。
本実施形態のインクに使用する樹脂エマルジョンの平均粒径は、50nm以上250nm以下であることが好ましい。
本実施形態のインクに使用する樹脂エマルジョンのガラス転移温度(Tg)は、40℃以上90℃以下であることが好ましい。この観点から、得られた樹脂エマルジョンのTgが40℃以上90℃以下の範囲となる、メチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートを用いた樹脂エマルジョンを用いることが好ましい。
本実施形態のインクに使用する樹脂エマルジョンの含有量(質量%)は、インク全質量を基準として0.1質量%以上10.0質量%以下が好ましい。
本実施形態では、基材上の塩化ビニルの層が形成されたシートを記録媒体として使用する。本実施形態の記録媒体は塩化ビニルシートに限定されるものではない。しかしながら、インクの吸収性が低い、もしくはインクを吸収しない記録媒体を使用する場合に特に顕著にプラテン上の非接触領域に対応する記録媒体上の領域における温度の低下が生じるため、本発明の効果をより好適に得ることができる。
本実施形態では、記録媒体上の単位領域に対し記録ヘッドを複数回走査させて記録を行う、所謂マルチパス記録方式に従って画像を記録する。
図8は4回の記録走査により記録媒体上の単位領域内に記録を行う際における一般的なマルチパス記録方式について説明するための図である。
また、図9は上述のマルチパス記録方式におけるそれぞれの記録走査において適用するマスクパターンについて説明するための図である。
インクを吐出する吐出口列22に設けられたそれぞれの吐出口30は、副走査方向に沿って4つの吐出口群201、202、203、204に分割される。
各マスクパターン221、222、223、224はそれぞれ複数のインクの吐出を定める記録許容画素とインクの非吐出を定める非記録許容画素が配置されることで構成されている。図9において、黒く塗りつぶされている箇所が記録許容画素を、白抜けで表されている箇所が非記録許容画素を表している。記録許容画素では入力された画像データがインクの吐出を表す画像データである場合にインクを吐出する記録データとする。また、非記録許容画素では、インクの吐出を表す画像データが入力された場合であってもインクを吐出しない記録データとする。
なお、これらのマスクパターン221、222、223、224における記録許容画素は、それぞれ互いに異なる位置であり、且つ、それぞれの論理和が全画素となるような関係となる位置に配置されている。
以下は記録媒体上にデューティが100%の画像(以下、ベタ画像とも称する)を形成する例について説明する。
1回目の記録走査(1パス)では、記録媒体3上の領域211に対して吐出口群201からマスクパターン221に従ってインクが吐出される。この結果、記録媒体上では図8のAの黒色で示す位置にインクが吐出される。
次に、記録媒体3を記録ヘッド7に対してY方向の上流側から下流側にL/4の距離だけ相対的に搬送する。
この後に2回目の記録走査(2パス)を行う。2回目の記録走査では、記録媒体上の領域211に対しては吐出口群202からマスクパターン222に、領域212に対しては吐出口群203からマスクパターン221に従ってインクが吐出される。この2回目の記録走査の結果、記録媒体3には図8のBの黒色で示すような画像が形成される。
以下、記録ヘッド7の記録走査と記録媒体3の相対的な搬送を交互に繰り返す。この結果、4回目の記録走査(4パス)が行われた後には、記録媒体3のDの領域211ではすべての画素に相当する小領域に対してインクの吐出が完了し、ベタ画像が形成される。
なお、以下の説明では、記録媒体における画素相当の領域を、単に「画素」と記載することがある。
図10は、本実施形態における制御系の概略構成を示すブロック図である。主制御部300は、演算、選択、判別、制御などの処理動作を実行するCPU301と、CPU301によって実行すべき制御プログラム等を格納するROM302を備えている。また、主制御部300は記録データのバッファ等として用いられるRAM303、および入出力ポート304等を更に備えている。また、ROM303には後述するマスクパターン等も合わせて格納されている。そして、入出力ポート304には、搬送モータ(LFモータ)309、キャリッジモータ(CRモータ)310、記録ヘッド7及び切断ユニットにおけるアクチュエータなどの各駆動回路305、306、307、308が接続されている。さらに、主制御部300はインターフェイス回路311を介してホストコンピュータであるPC312に接続されている。
図11は本実施形態における画像データの処理過程を説明するフローチャートである。ホストコンピュータであるPC312のアプリケーションJ101を介して、ユーザーは記録装置1000で記録する画像のデータを作成することができる。記録を行う際には、アプリケーションJ101で作成された画像のデータはプリンタドライバ103に伝送される。プリンタドライバ103は、作成された画像のデータに対して前段処理J0002、後段処理J0003、γ補正J0004、2値化処理J0005、および印刷データの作成J0006をそれぞれ実行する。前段処理J0002では、ホストコンピュータ312の表示器の色域をプリンタ104の色域に変換する色域変換を行う。3次元ルックアップテーブルを用いることにより、R、G、Bそれぞれが8ビットで表現された画像のデータR、G、Bをプリンタの色域内の8ビットデータR、G、Bに変換する。後段処理J0003では、変換された色域を再現する色をインクの色域に分解する。前段処理J0002にて得られたプリント色域内の8ビットデータR、G、Bが表す色を再現するためのインクの組合せに対応した8ビットデータC、M、Y、Kを求める処理を行う。γ補正J0004では、色分解で得られた8ビットデータC、M、Y、Kのそれぞれについてγ補正を行う。後段処理J0003にて得られた8ビットデータC、M、Y、Kのそれぞれがプリンタの階調特性に線形的に対応づけられるような変換を行う。2値化処理J0005では、γ補正J0004にて得られた8ビットデータC、M、Y、Kのそれぞれを1ビットデータC、M、Y、Kに変換する量子化処理を行う。この量子化手段としては、濃度パターン法やディザ法、誤差拡散法等が好適に用いられる。印刷データ作成処理J0006では、2値化処理J0005にて得られた1ビットデータC、M、K、Yを内容とする画像のデータに印刷制御データなどを付して1ビットの印刷データを作成する。なお、印刷制御データは記録媒体についての情報や記録品位についての情報等から構成される。
以上のようにして生成された印刷データは、プリンタ104へ供給される。マスクデータ変換処理J0008では、印刷データ作成処理J0006で作成された印刷データと、ROM303に格納された該印刷データに対応するプラテンの位置情報に基づき設定された、後述するマスクパターンのデータを用いて印刷データをドットを形成するか否か、すなわち記録ヘッドにおけるインクの記録、非記録を表す記録データに変換する。このマスクパターンは、記録許容画素と非記録許容画素とが特定のパターンにて配置されることで構成される。記録許容画素では印刷データをインクの吐出の許容を表すデータに変換し、非記録許容画素ではインクの吐出の非許容を表すデータに変換する。なお、マスクデータ変換処理J0008に用いられるマスクパターンは予めプリンタの所定のメモリに格納されている。例えば、上述したROM302にマスクパターンを格納しておいて、このマスクパターンを利用してCPU301にて記録データへの変換を行うことができる。
マスクデータ変換処理にて得られた記録データは、ヘッド駆動回路307および記録ヘッド7に供給される。この記録データに基づき、記録ヘッド7に配列された各吐出口から記録媒体3に対してインクが吐出される。
以上の様な処理によって作成された吐出データに基づいて、入出力ポート304を介して各モータや記録ヘッドなどの駆動を制御し、記録動作を行う。
本実施形態で行うマルチパス記録方式について以下に詳細に説明する。なお、以下では簡単のため、4つの吐出口列22K、22C、22M、22Yのうちブラックインクを吐出する吐出口列22Kのみについて説明する。
図12は本実施形態におけるマルチパス記録方式を示す図である。
本実施形態では8回の記録走査によって記録媒体上の単位領域80に対して画像を完成させる方式を採用する。本実施形態において使用する記録ヘッド7のうち、ブラックインクを吐出する吐出口列22Kに配列されている吐出口は、吐出口群A1から吐出口群A8のそれぞれ長さdを有する8つの吐出口群に分割される。なお、吐出口群A1から吐出口群A4までの4つの吐出口群は列22Kbに、吐出口群A5から吐出口群A5から吐出口群A8までの4つの吐出口群は列22Kaにそれぞれ属している。ここで、1つの吐出口群に含まれる吐出口の個数は160個である。
ここで、記録媒体3上の単位領域80のY方向の長さは記録ヘッド7と記録媒体3とのY方向への1回の相対移動量に相当し、また、分割された吐出口列22Kにおける1つの吐出口群の長さdに相当する。また、単位領域80のX方向の長さは記録媒体3のX方向の長さに相当する。
まず、記録媒体3の単位領域80が位置80aにある際に、記録ヘッド7をX方向に走査しながら単位領域80に対し吐出口列22Kの吐出口群A1に属する吐出口から後述するマスクパターンに従ってそれぞれのインクが吐出される。その後、記録媒体3はY方向に距離dに対応する距離だけ搬送されて、単位領域80は位置80bへと移動される。この搬送の後、先に吐出口群A1に属する吐出口からインクが吐出された記録媒体3上の単位領域80に対し、記録ヘッド7のX方向への走査を伴いながら吐出口列22Kの吐出口群A2に属する吐出口からインクが吐出される。以降、このような距離dに対応する距離の記録媒体3の搬送を間に行いながら、記録媒体3上の単位領域80に対し記録ヘッド7を合計8回走査することにより画像を完成させる。
本実施形態では、上述の複数回の走査のそれぞれで適用する複数のマスクパターンのそれぞれにおけるX方向またはY方向に互いに隣接して配置された複数の記録許容画素の連なりにより構成される記録許容画素群および他の記録許容画素と隣接しない記録許容画素のそれぞれを1つの単位とした場合の、記録許容画素の単位(以下、単純に「単位」とも称する)内の記録許容画素の数の平均を制御する。更に、前記複数のマスクパターンのうちの少なくとも2つのマスクパターンに配置された記録許容画素の論理和から得られる論理和パターンにおける単位内の記録許容画素の数の平均を制御する。これらの値をそれぞれ適切な数とすることにより、ビーディングによる色むらとずれによるインクの非吐出領域の形成の双方を抑制した記録を行う。
以下にその制御方法を詳細に説明する。
図13は本実施形態における記録許容画素の単位の定義および記録許容画素の単位内の記録許容画素の数の平均について説明するための図である。
上述のように、記録許容画素群はX方向またはY方向に隣接する位置に配置された複数の記録許容画素から構成される。例えば、図13(a)ではX方向に2画素、Y方向に2画素(2×2)の4つの画素からなる、正方形の形状の記録許容画素群を示している。この場合、単位内の記録許容画素の数は4となる。
また、本実施形態では他のいずれの記録許容画素とも隣接しない記録許容画素であっても記録許容画素の単位と称する。図13(b)では隣接する記録許容画素が1つもない記録許容画素を示している。この場合の単位内の記録許容画素の数は1となる。
また、特定の方向に偏って連続した互いに隣接する複数の記録許容画素も本実施形態における記録許容画素群であり、図13(a)に示したような等方的な形状に限定されるものではない。図13(c)では特定の方向に偏って連続した、L字型の記録許容画素群を示している。この場合、単位内の記録許容画素の数は7である。
また、本実施形態における隣接する記録許容画素とは、X方向およびY方向に連続する記録許容画素だけであり、斜め方向に隣接する記録許容画素は含まれない。すなわち、一つの記録許容画素に対してはX方向に2つ、Y方向に2つの計4つの記録許容画素が隣接して配置される可能性がある。図13(d)では斜め方向に隣接した5つの記録許容画素を示している。上述の通り、斜め方向に隣接する記録許容画素は単位を構成するものではないため、これらの5つの記録許容画素はそれぞれ異なる単位を構成すると評価する。そのため、図13(d)に示す5つの記録許容画素のそれぞれにおける単位内の記録許容画素の数は1である。
図14は本実施形態における記録許容画素の単位内の記録許容画素の数の平均の算出方法について説明するための図である。
本実施形態では、簡単のため、単位領域80内の所定の画素数からなる評価領域における記録許容画素の単位内の記録許容画素の数の平均を算出し、その値を単位領域内の記録許容画素の単位内の記録許容画素の数の平均として用いる。なお、図14は、単位領域のうちの評価領域に対応するマスクパターンの領域として、X方向に16画素、Y方向に16画素の256個の画素からなる評価領域を例示している。本実施形態における単位内の記録許容画素の数の平均は、評価領域に対応するマスクパターンの領域に含まれる単位の数を算出し、該評価領域に対応するマスクパターンの領域内のそれぞれの単位内の記録許容画素の数を算出する。さらに、該それぞれの単位内の記録許容画素の数の和を算出し、該和を単位の数で割った値をそれぞれのマスクパターンにおける単位内の記録許容画素の数の平均とする。
例えば、図14(a)に示す評価領域に対応するマスクパターンの領域内には、それぞれ互いに隣接する4つの記録許容画素から記録許容画素の単位Tが8個構成されている。したがって、図14(a)に示すマスクパターンにおける単位内の記録許容画素の数の平均は、それぞれの単位内の記録許容画素の数の和である32(=4×8)を単位の数である8で割った値である4となる。
一方、図14(b)に示す評価領域に対応するマスクパターンの領域内には、互いに隣接する記録許容画素は存在しない。上述の定義に従って換言すると、単位内の記録許容画素の数が1である単位が合計32個配置されている。したがって、図14(b)に示すマスクパターンにおける単位内の記録許容画素の数の平均は、それぞれの単位内の記録許容画素の数の和である32(=1×32)を単位の数である32で割った値である1となる。
本実施形態で適用するマスクパターンについて以下に詳細に説明する。
図15は本実施形態のブラックインクの吐出口列22Kに適用するマスクパターンを示す図である。
ブラックインクの吐出口列22Kの吐出口群A1から吐出口群A8までの各吐出口群にはそれぞれマスクパターン61からマスクパターン68までのマスクパターンが適用される。なお、図15には簡単のためそれぞれX方向に16画素、Y方向に16画素の256個の画素から構成されるマスクパターンを記載しているが、これはマスクパターンの繰り返し単位を示している。実際には、図15に示す各マスクパターンがX方向、Y方向に変わるにしたがって繰り返し用いられる。
ここで、マスクパターン61からマスクパターン68までのマスクパターンのそれぞれには、同じ数(32個)の記録許容画素が配置される。なお、これらのマスクパターン61〜68それぞれの記録許容画素は互いに異なる位置であり、且つ、それぞれの記録許容画素の論理和が全画素となるような位置に配置されている。
このようなマスクパターンを適用することにより、1回目から8回目までの記録走査においてブラックインクをほぼ同じ量ずつ吐出することができる。さらに、1回目から8回目までの記録走査によって記録媒体上の単位領域内のすべての吐出可能な位置にブラックインクを付与することができる。
マスクパターン61〜68のそれぞれには、X方向またはY方向に互いに隣接する記録許容画素は存在しない。すなわち、単位内の記録許容画素の数が1である単位が合計32個配置されていることとなる。そのため、上述の算出方法にしたがって各マスクパターンにおける単位内の記録許容画素の数の平均を算出すると、いずれのマスクパターンにおいても単位内の記録許容画素の数の平均は1となる。
また、図15に示す8つのマスクパターンのそれぞれは、8つの記録許容画素と8つの非記録許容画素が配置された第1の画素領域と、16個の非記録許容画素が配置された第2の画素領域と、を有するように設定されている。マスクパターン61を例として、第1、第2の画素領域について詳細に説明する。
図16はマスクパターン61の第1、第2の画素領域を説明するための図である。
本実施形態における第1の画素領域とは、マスクパターン内の記録許容画素が配置されている領域において最外殻に位置する記録許容画素または非記録許容画素により囲まれた領域である。また、本実施形態における第2の画素領域とは、第1の画素領域と同じ大きさを有し、領域内の画素がすべて非記録許容画素である領域である。
図16に示すように、マスクパターン61は16画素×16画素の範囲において4つの第1の画素領域121と、12個の第2の画素領域122から構成されている。ここで、第1、第2の画素領域のそれぞれは4画素×4画素の大きさを有している。図15からわかるように、マスクパターン62〜68のいずれも16画素×16画素の範囲では4つの第1の画素領域121と、12個の第2の画素領域122から構成されている。
更に、吐出口群A1、A5にそれぞれ適用されるマスクパターン61、65では第1の画素領域121が同じ位置に構成されている。同様に、吐出口群A2、A6にそれぞれ適用されるマスクパターン62、66、吐出口群A3、A7にそれぞれ適用されるマスクパターン63、67、吐出口群A4、A8にそれぞれ適用されるマスクパターン64、68の間においても第1の画素領域121がそれぞれ互いに同じ位置に構成されている。
以下、第1の画素領域121が同じ位置に構成されているマスクパターン61、65を第1のマスクパターン群、マスクパターン62、66を第2のマスクパターン群、マスクパターン63、67を第3のマスクパターン群、マスクパターン64、68を第4のマスクパターン群と分類して説明する。
図17は図15に示す8つのマスクパターンのうち、同じマスクパターン群に分類される2つのマスクパターンに配置された複数の記録許容画素の論理和により得られる論理和パターンを示す図である。
本実施形態では、同じマスクパターン群に分類された2つのマスクパターンにおける記録許容画素の論理和により得られる論理和パターンにおける上述の単位内の記録許容画素の数の平均が所定の閾値よりも大きくなるように、各マスクパターンを設定する。
なお、本実施形態における論理和パターンとは、複数のマスクパターンをずれなく重ね合わせた際にいずれかのマスクパターンにおいて記録許容画素が配置された位置に記録許容画素を配置し、いずれのマスクパターンにおいても記録許容画素が配置されていない位置に非記録許容画素を配置したパターンを示す。
図17(a)には、図15に示す1回目の走査に対応する吐出口群A1に適用するマスクパターン61に配置された記録許容画素と、5回目の走査に対応する吐出口群A5に適用するマスクパターン65に配置された記録許容画素と、の論理和により得られる第1の論理和パターンを示す。
第1の論理和パターンには、X方向またはY方向に互いに隣接する16個の記録許容画素から構成される記録許容画素の単位が4個構成される。そのため、上述の算出方法にしたがって算出される単位内の記録許容画素の数の平均は16となる(=16×4÷4)。
このように、第1の論理和パターンにおける第1の画素領域に対応する領域では、すべての位置に記録許容画素が配置されている。なお、第1の論理和パターンにおける第1の画素領域に対応する領域におけるほぼすべての位置に記録許容画素が配置されていればよい。また、第1の論理和パターンにおける記録許容画素の分散性は第1のマスクパターン群のマスクパターン61、65のそれぞれにおける記録許容画素の分散性よりも低くなるように設定される。なお、本実施形態では、上述の単位内の記録許容画素の数の平均が大きい場合に、記録許容画素の分散性が低いとして評価する。
同様に、図17(b)、図17(c)、図17(d)には、図15にそれぞれ示す第2のマスクパターン群に分類されるマスクパターン62、66に対応する第2の論理和パターン、第3のマスクパターン群に分類されるマスクパターン63、67に対応する第3の論理和パターン、第4のマスクパターン群に分類されるマスクパターン64、68に対応する第4の論理和パターンをそれぞれ示している。
第2、第3、第4の論理和パターンのいずれにおいても、上述の算出方法にしたがって算出される単位内の記録許容画素の数の平均は16となる。
以上記載したように、本実施形態では、それぞれのマスクパターンにおける単位内の記録許容画素の数の平均がとなり、且つ、同じマスクパターン群に分類される2つのマスクパターンに対応する論理和パターンのそれぞれにおける単位内の記録許容画素の数の平均が16となるように記録許容画素が配置されたマスクパターンを適用する。これにより、ビーディングによる色むらと搬送等のずれに由来する非吐出領域の形成の双方を抑制した記録を行うことを可能とする。
以下に上述の各マスクパターンを適用することでビーディングによる色むらと搬送等のずれに由来する非吐出領域の形成の双方を抑制することができる推定メカニズムについて説明する。
まず、ビーディングによる色むらの抑制についての推定メカニズムを以下に記載する。
図18は、図15に示す各マスクパターンを各走査にて各吐出口群に適用して記録を行う過程を示す図である。なお、図18(a)から図18(f)はそれぞれ1、2、3、4、5、8回目の走査が終了した際に形成されている画像を示している。
1回目の走査では、図18(a)に示すように、8つのインク滴が記録媒体上の互いに接触する位置に形成される。これらの8つのインク滴は加熱により記録媒体上に定着する前に互いに集合し合う方向に引き寄せ合い、1つの大インク滴を形成する。しかしながら、同じ走査で形成された大インク滴同士は接触しないため、大インク滴間におけるビーディングを抑制することができる。
2回目の走査においても、図18(b)に示すように、8つのインク滴が記録媒体上の互いに接触する位置に形成される。そのため、1回目の走査の際と同様に大インク滴が形成されるが、大インク滴間におけるビーディングを抑制できる。なお、2回目の走査では1回目の走査で形成されたインク滴と接触する位置にインク滴が形成されるが、2回目の走査を行う際には通常は先の走査で形成されたインク滴はある程度定着が進んでいる。そのため、1、2回目の走査で形成されるインク滴間でのビーディングは生じない。
以下、同様にして図18(c)、図18(d)にそれぞれ示すように3、4回目の走査が行われる。ここで、図18(d)に示すように、4回目の走査が行われた後には記録媒体上の単位領域のすべてに対してインク滴が既に被覆しており、画像の白抜け(記録媒体の表面が視認できる領域)は殆ど存在しない。
5回目の走査では、図18(e)に示す位置にインク滴が形成される。ここで、5回目の走査で形成されるインク滴は1回目の走査でインク滴が形成された位置とほぼ同じ位置に形成されるが、実際には僅かにずれた位置に形成される。
同様にして、6、7、8回目の走査が行われ、8回目の走査が行われた後、図18(f)に示すように画像の形成が終了する。
以上記載したように、本実施形態におけるマスクパターンを適用することで各走査で形成される大インク滴同士の接触を抑制することができるため、ビーディングの影響を抑制した記録を行うことができる。
次に、搬送等のずれに由来する非吐出領域の形成の抑制についての推定メカニズムを以下に記載する。
図19は、4回目と5回目の走査の間に記録媒体の搬送のずれが生じた際に形成される画像を示す図である。ここでは、記録媒体の搬送が基準の搬送量dよりも3個の吐出口に対応する長さΔdだけ短くなってしまった場合を例として記載する。なお、4回目の走査までに形成される画像については図18に示す画像と同様のため、説明を省略する。
図19(a)は、4、5回目の走査の間に搬送ずれが生じ、その後に5回目の走査を行った際の画像を示す。搬送ずれの影響により、図18(e)に示す搬送ずれが生じなかった場合に形成される画像に比べ、インク滴はY方向上流側にΔdだけずれた位置に形成される。これにより、最終的に得られる画像において若干のむらが生じる虞がある。しかしながら、図18(d)に示すように、4回目の走査までに記録媒体上のすべての領域をインク滴が被覆しているため、4、5回目の走査の間に搬送ずれが生じた場合であっても画像の白抜けは形成されない。
図19(b)は更に記録が進み、8回目の走査を行った際の画像を示す。なお、ここでは5回目の走査以降の搬送では上述のような搬送ずれは生じなかった場合について記載する。
5回目の走査以降の走査においても、上述の搬送ずれの影響を受けているため、インク滴を形成する予定だった位置よりもそれぞれY方向上流側にΔdだけずれた位置にインク滴が形成される。しかしながら、上述した5回目の走査と同じように画像の白抜けは形成されない。そのため、最終的に得られる画像におけるにおいても画像の白抜けは形成されず、画質の悪化を抑制することができる。
上述の搬送等のずれに由来する非吐出領域の形成の抑制に対する比較形態について以下に記載する。
図20は比較形態にて適用するマスクパターンを示す図である。また、図21は図20に示すマスクパターンを適用して画像を記録した際に4、5回目の走査の間に搬送ずれが生じた際の様子を説明するための図である。なお、図21(a)から図21(d)はそれぞれ1、4、5、8回目の走査を行った際の画像を示す。なお、搬送のずれ量としては図19(a)と同様に、基準の搬送量dよりも3個の吐出口に対応する長さΔdだけ短くなった場合について記載する。また、図20に示す各マスクパターンには図15に示す各マスクパターンに配置された記録許容画素と同じ数(32個)だけ記録許容画素が配置されている。
図20に示すように、比較形態では、各走査において各吐出口群に適用される8つのマスクパターンのそれぞれは上述の単位内の記録許容画素の数の平均が4となるように設定されている。
1回目の走査では、図21(a)に示すように、8個のインク滴が互いに接触する位置にインク滴が形成され、大インク滴が形成される。したがって、比較形態においても大インク滴同士が接触しない位置に形成することが可能なので、大インク滴同士のビーディングは抑制することができる。
しかしながら、図21(b)に示すように、比較形態におけるマスクパターンで記録を行った場合には4回目の走査が行われた後であっても記録媒体上にはインクが未だ被覆されていない領域が形成されてしまう。
そのため、4、5回目の走査の間にΔdだけの搬送ずれが生じた場合、図21(c)に示すように該搬送ずれの影響により画像の白抜けが生じてしまう虞がある。
したがって、図21(d)に示すように8回目の走査が行われ画像の記録が終了した際であっても、該搬送ずれの影響により記録媒体上の未だにインク滴が被覆されていない領域79が生じてしまう。これにより、該領域79が白抜けとして視認されるため、画像の画質を著しく低下させてしまう。
以上記載したように、本実施形態におけるマスクパターンを適用することで最終的に得られる画像における搬送等のずれに由来する非吐出領域(白抜け)の形成を抑制することが可能となる。
以上より、本実施形態の構成によれば、ビーディングによる色むらと搬送等のずれに由来する非吐出領域の形成の双方を効果的に抑制した画像の記録を行うことができる。
(第2の実施形態)
第1の実施形態では複数の吐出口列がY方向に配置された所謂つなぎヘッドを用いて記録を行う形態について記載した。
これに対し、本実施形態では単一の吐出口列からなる記録ヘッドを用いて記録を行う場合について記載する。
なお、前述した第1の実施形態と同様の部分については説明を省略する。
図22は本実施形態で使用する記録ヘッドと、本実施形態で適用するマスクパターンを示す模式図である。
本実施形態では、インクを吐出するための吐出口30がY方向に1280個配置された記録ヘッド130を使用する。これらの吐出口30は、それぞれ160個の吐出口30から構成される8つの吐出口群B1から吐出口群B8に分割される。記録媒体上の単位領域に対し8回の走査を行い、吐出口群B1〜B8からそれぞれ1回ずつ単位領域に対しインクを吐出することにより画像を記録する。なお、上述の8回の走査のそれぞれの間に記録媒体はY方向に1つの吐出口群の長さに対応する距離だけ搬送される。
上述の8回の走査のそれぞれでは、各走査に対応する吐出口群B1〜B8のそれぞれにマスクパターン81からマスクパターン88をそれぞれ適用して記録を行う。マスクパターン81〜88における記録許容画素の配置は、図15に示す第1の実施形態で適用するマスクパターン61〜68における記録許容画素の配置と同じである。
本実施形態に記載のマスクパターンを適用すれば、各走査において複数のインク滴からなる大インク滴同士が接触しないようにインクを吐出することができるため、大インク滴間におけるビーディングを抑制することができる。更に、4回目の走査が終了した際に単位領域上のほぼ全域をインク滴が被覆するため、以降の走査にて搬送のずれが生じた際であってもインクの非吐出領域が形成することがないように記録することができる。
(第3の実施形態)
第1、第2の実施形態では各走査に対応する複数のマスクパターンのうち2つのマスクパターンが1つのマスクパターン群に分類される形態について記載した。
これに対し、本実施形態では1つのマスクパターン群に対し3つのマスクパターンが分類される形態について記載する。
なお、上述した第1、第2の実施形態と同様の部分については説明を省略する。
図23は本実施形態で適用するマスクパターンを示す図である。
本実施形態では、記録媒体上の単位領域に対し12回走査を行うことにより画像を記録する。なお、本実施形態では第1の実施形態で用いた記録ヘッドと同様の記録ヘッドを使用する。
本実施形態で使用する記録ヘッド内の列22Kb,22Kaはそれぞれ吐出口群C1から吐出口群C6、吐出口群C7から吐出口群C12までの6つの吐出口群に分割される。記録媒体上の単位領域に対する12回の走査において、12個の吐出口群C1〜C12のそれぞれから1回ずつインクを吐出することで単位領域に記録を行う。それぞれの走査におけるそれぞれの吐出口群は、図23に示す12個のマスクパターン91〜912のそれぞれにしたがってインクを吐出する。
本実施形態で適用する12個のマスクパターン91〜912は、図23に示すように、それぞれX方向またはY方向に複数の記録許容画素が隣接しないように設定されている。したがって、マスクパターン91〜912のそれぞれにおける前述の単位内の記録許容画素の数の平均はである。
また、マスクパターン91、95、99はそれぞれ互いに同じ位置に第1の画素領域が構成されている。同様に、マスクパターン92、96、910、マスクパターン93、97、911、およびマスクパターン94、98、912のそれぞれの組においてもそれぞれ互いに同じ位置に第1の画素領域が構成されている。
したがって、本実施形態で適用する12個のマスクパターンは、マスクパターン91、95、99から構成される第1のマスクパターン群、マスクパターン92、96、910から構成される第2のマスクパターン群、マスクパターン93、97、911から構成される第3のマスクパターン群、マスクパターン群94、98、912から構成される第4のマスクパターン群の4つのマスクパターン群に分類される。
ここで、同じマスクパターン群に分類される3つのマスクパターンに配置された記録許容画素の論理和より得られる論理和パターンは、単位内の記録許容画素の数の平均が所定の閾値よりも大きくなるように設定されている。具体的には、第1、第2、第3、第4のマスクパターン群にそれぞれ分類された3つのマスクパターンに対応する論理和パターンは、それぞれ図17(a)、図17(b)、図17(c)、図17(d)に示すようなパターンとなるように設計されている。したがって、第1の実施形態と同様に、それぞれの論理和パターンにおける単位内の記録許容画素の数の平均は16となる。
本実施形態で記載したマスクパターンを適用して記録を行った場合、1回の走査にて吐出されたインク滴は記録媒体上で近接する位置に着弾するため、大インク滴が形成されるが、大インク滴同士は接触しないため大インク滴間のビーディングを抑制できる。
また、4回目の走査が行われた後には、第1の実施形態に記載したマスクパターンを適用した場合の被覆面積よりは少ないが、記録媒体上の大部分をインクで被覆することができる。そのため、以降の走査で搬送のずれが生じた場合や列の配置のずれが生じていた場合であってもインクの非吐出領域が形成されにくく、色ずれの生じにくい記録を行うことができる。
更に、本実施形態に記載したマスクパターンで記録した場合、近接する位置に形成されるインク滴の数は5個または6個であり、第1の実施形態に記載したマスクパターンに対応する1つの大インク滴を構成するインク滴の数である8個よりも少ない値となる。したがって、本実施形態に記載のマスクパターンによれば大インク滴の大きさを小さくすることができるため、第1の実施形態に比べて粒状感の小さい画像を記録することが可能である。
(第4の実施形態)
第1から第3の実施径形態では単一の色に対応する1つの吐出口列のみを考慮してマスクパターンを設定した。
これに対し、本実形態では複数の色にそれぞれ対応する複数の吐出口列を考慮したマスクパターンを設定する。
本実施形態では、第1の実施形態に記載した記録ヘッドと同様の記録ヘッドを使用して記録を行う。また、ブラックインクを吐出する吐出口列22Kに関しては、第1の実施形態に記載した図15に示すマスクパターンのそれぞれをそれぞれの走査においてそれぞれの吐出口群に対して適用して記録を行う。
図24は本実施形態におけるシアンインクを吐出する吐出口列に適用するマスクパターンについて説明するための図である。
本実施形態におけるシアンインクを吐出する吐出口列22C内の列22Ca、列22Cbは、それぞれ吐出口群D1から吐出口群D4、吐出口群D5から吐出口群D8の4つの吐出口群に分割される。図12に示すように吐出口列22Kと吐出口列22CがX方向に並んで配置されるため、吐出口群D1〜D8のそれぞれと吐出口群A1〜A8のそれぞれとは同じ走査にて単位領域にインクを吐出する。ここで、吐出口群D1〜D8のそれぞれには図24に示すマスクパターン111からマスクパターン118までの8つのマスクパターンのそれぞれが適用される。
本実施形態におけるシアンインクの吐出口列に適用するマスクパターン111〜118のそれぞれは、それぞれX方向またはY方向に複数の記録許容画素が隣接しないように設定される。すなわち、前述の単位内の記録許容画素の数の平均がとなるように設定されている。
一方、マスクパターン111〜118は、マスクパターン111、115から構成される第1のマスクパターン群、マスクパターン112、116から構成される第2のマスクパターン群、マスクパターン113、117から構成される第3のマスクパターン群、マスクパターン群114、118から構成される第4のマスクパターン群の4つのマスクパターン群にそれぞれ分類される。更に、第1、第2、第3、第4のマスクパターン群にそれぞれ分類された2つのマスクパターンに対応する論理和パターンは、それぞれ図17(a)、図17(b)、図17(c)、図17(d)に示すようなパターンとなるように設計されている。したがって、ブラックインクに対応する論理和パターンと同様に、それぞれの論理和パターンにおける単位内の記録許容画素の数の平均は16となる。
ここで、図15、図24のそれぞれに示す1回目の走査に対応する吐出口群A1、D1に適用するマスクパターン61、111を比較すると、それぞれにおける第1の画素領域は互いに同じ位置に構成されていることがわかる。一方で、それぞれの記録許容画素は互いに排他的な位置に配置されていることがわかる。したがって、図15、図24のそれぞれに示すマスクパターン61、111にしたがってインクを吐出する場合、ブラックインクの大インク滴とシアンインクの大インク滴は記録媒体上のほぼ同じ位置に形成される。そのため、ブラックインクの大インク滴とシアンインクの大インク滴は互いに1つずつは記録媒体上にて接触しビーディングが生じる虞がある。しかしながら、それ以上の大インク滴同士は記録媒体上にて接触しないため、ある程度のビーディングを抑制することができる。更に、上述のブラックインクの大インク滴とシアンインクの大インク滴は記録媒体上においてほぼ同じ位置であるが、僅かに異なる位置に形成されることになる。そのため、ブラックインクとシアンインクが記録媒体上の同じ位置に形成される場合に比べて粒状感やモアレをある程度抑制した記録を行うことが可能となる。
なお、以上に説明した各実施形態では各マスクパターン内のX方向およびY方向と斜めに交差する斜め方向に隣接する記録許容画素の数がある程度多い形態について記載したが、他の形態による実施も可能である。すなわち、本発明における各マスクパターンは論理和パターンにおいて単位が形成される領域に対応する領域においてそれぞれの記録許容画素がある程度分散して配置されたものであれば良い。例えば、論理和パターンにおける単位が形成される領域に対応する領域における記録許容画素がランダムマスクパターンの形状に配置されたものや記録許容画素がブルーノイズ特性を有するように配置されたものも本発明の効果を奏することができる。但し、それぞれの論理和パターンにおける単位内の記録許容画素の数の平均が16以上であることが特に好ましい。また、それぞれの論理和パターンにおける単位間に非記録許容画素が4以上配置されていることが好ましい。
また、以上で説明した各実施形態では、マスクパターン群の個数をM個とした場合、単位領域に対する1回目の走査からM回目までのM回の走査において用いられるM個のマスクパターンにおける論理和パターンは、第2の画素領域を含まないように設定される。例えば、図15に示す形態の場合、マスクパターン群の個数は4個である。ここで、それぞれ1〜4回目の走査にて用いられるマスクパターン61〜64は、第1の画素領域がそれぞれ互いに異なる位置であり且つ、補完的な位置に構成されている。そのため、マスクパターン61〜64における論理和パターンは、全域において第1の画素領域が構成されており、第2の画素領域を含まないことがわかる。このように各マスクパターンを設定することにより、可能な限り早い走査(M回目の走査)にて記録媒体の全域にインクを吐出することができる。したがって、M+1回目の走査以降の走査にて記録位置ずれが生じた場合に非吐出領域の発生を効果的に抑制できる。但し、本発明はこのような形態に限定されるものではなく、同じマスクパターン群の2つのマスクパターンが2回以上の所定の回数だけ離れた2回の走査で適用されるような形態であれば本発明の効果を得ることができる。なお、前述の所定の回数は、単位領域に行う走査の回数をN回とした場合、N/Mに相当する回数であることが特に好ましい。
また、各実施形態では、各マスクパターン内のすべての領域が第1、第2の画素領域から構成される形態について記載したが、他の形態による実施も可能である。例えば、マスクパターン内の16画素×16画素の領域内に対し第1の画素領域が4つ、第2の画素領域が11個、1つの記録許容画素と15個の非記録許容画素が配値された画素領域がマスクパターン内に1つ構成されたような形態であっても良い。
また、各実施形態では、それぞれのマスクパターンを適用して記録を行った際に形成される大インク滴を構成するインク滴の数が5、6、8個である形態について記載したが、他の形態による実施も可能である。すなわち、これらのインク滴は複数回の走査のうちの前半の数回の走査で記録媒体上のほぼすべての領域を被覆することができる程度には分散し、且つ、大インク滴同士が接触しない程度には集合して形成される必要がある。大インク滴を構成するインク滴の最適な数はインクや記録媒体の種類に応じて適宜異なる値となるが、インク滴の数が8以上200以下の値である場合に本発明の効果を得ることが実験的に判明している。
また、各実施形態では、それぞれのマスクパターンにおける単位内の記録許容画素の数の平均がである形態について記載したが、他の形態による実施も可能である。すなわち、粒状感が目立たない程度であればある程度X方向またはY方向に隣接する位置に配置された記録許容画素があっても良いため、該数の平均は所定の閾値よりも小さければ良い。該所定の閾値は使用するインクや記録媒体に応じて適宜異なる値となるが、該所定の閾値が8未満である場合に特に顕著に本発明の効果を奏することができる。
また、各実施形態では樹脂エマルジョンを含有し、インク滴の着弾後に熱を加えることにより難吸水性の記録媒体の表面に皮膜を形成し定着する、いわゆる熱硬化型インクを使用する記録装置について記載した。しかし、本発明はこれらの熱硬化型インクを使用する記録装置に限定されるものではなく、記録媒体に対するインクの定着時間が比較的長いインクと記録媒体の組合せを使用する記録装置全般に有効に適用することができる。
また、各実施形態では加熱により生じる発泡のエネルギーによりインクの吐出を行ういわゆるサーマルジェット型のインクジェット記録装置および記録方法について記載した。しかし、無論本発明はサーマルジェット型のインクジェット記録装置に限定されるものではなく、例えば圧電素子を利用してインクの吐出を行ういわゆるピエゾ型のインクジェット記録装置等、様々な画像記録装置に対して有効に適用できる。
また、各実施形態には画像記録装置を用いた画像記録方法について記載したが、他の形態による実施も可能である。例えば、各実施形態に記載の画像記録方法を行うためのデータを生成するデータ生成装置またはデータ生成方法、プログラムを記録装置とは別体に用意する形態あるいは記録装置の一部に備える形態等、広く適用することができる。
3 記録媒体
7 記録ヘッド
22 吐出口列
80 単位領域
61〜68 マスクパターン
121 第1の画素領域
122 第2の画素領域
302 ROM
A1〜A8 吐出口群

Claims (21)

  1. 所定の色のインクを吐出するための複数の吐出口が配列方向に配列された吐出口列を少なくとも1つ有する記録ヘッドと、
    前記記録ヘッドと記録媒体上の単位領域とを前記配列方向と交差する走査方向に複数回走査させる走査手段と、
    前記記録ヘッドの前記複数回の走査のそれぞれの間において、前記記録媒体を前記走査方向と交差する搬送方向に前記複数の吐出口を分割して構成されるそれぞれ前記配列方向に連続して配列された所定数の吐出口からなる複数の前記吐出口群それぞれの前記配列方向における長さに対応する距離の搬送を行う搬送手段と、
    前記複数の吐出口群のそれぞれに対応し、それぞれ前記単位領域への記録の許容を定める記録許容画素と記録の非許容を定める非記録許容画素が配置された複数のマスクパターンに基づいて、前記単位領域に対応する画像データから前記単位領域に対する前記複数回の走査のそれぞれにおいて前記複数の吐出口群のそれぞれから前記単位領域に対してインクを吐出するための記録データを生成する生成手段と、
    前記記録データに基づいて、前記複数回の走査のそれぞれにおいて前記複数の吐出口群のそれぞれから前記単位領域にインクを吐出させる記録制御手段と、を有する画像記録装置であって、
    前記複数のマスクパターンのうちの少なくとも2つの前記マスクパターンからなる第1のマスクパターン群に関し、
    (i)前記第1のマスクパターン群のそれぞれのマスクパターンは、それぞれ複数の前記記録許容画素と複数の前記非記録許容画素が配置された複数の第1の画素領域と、前記複数の第1の画素領域の間にそれぞれ複数の前記非記録許容画素のみが配置された複数の第2の画素領域と、を含み、
    (ii)前記第1のマスクパターン群のそれぞれのマスクパターンにおける前記複数の第1の画素領域は、それぞれ互いに対応する位置に構成され、
    (iii)前記第1のマスクパターン群のそれぞれのマスクパターンにおける、前記配列方向または前記走査方向に互いに隣接して配置された複数の前記記録許容画素により構成される記録許容画素群および他の記録許容画素と隣接しない記録許容画素のそれぞれを1つの単位とした記録許容画素の単位内の前記記録許容画素の数の平均は、所定の値以下であり、
    (iv)前記第1のマスクパターン群のそれぞれのマスクパターンに配置された複数の前記記録許容画素の論理和により得られる第1の論理和パターンにおける前記単位内の前記記録許容画素の数の平均は、前記所定の値よりも大きいことを特徴とする画像記録装置。
  2. 前記所定の値は、8未満の値であることを特徴とする請求項1に記載の画像記録装置。
  3. 前記第1のマスクパターン群のそれぞれのマスクパターンにおける前記単位内の前記記録許容画素の数の平均は、であることを特徴とする請求項2に記載の画像記録装置。
  4. 前記第1の論理和パターンにおける前記単位内の前記記録許容画素の数の平均は、16以上であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の画像記録装置。
  5. 前記第1のマスクパターン群に分類されるそれぞれのマスクパターン内の、他の前記記録許容画素と前記配列方向および前記走査方向のそれぞれと斜めに交差する斜め方向に隣接する前記記録許容画素の数の平均は、前記第1のマスクパターン群のそれぞれのマスクパターンにおける前記単位内の前記記録許容画素の数の平均よりも大きく前記第1の論理和パターンにおける前記単位内の前記記録許容画素の数の平均よりも小さい値であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の画像記録装置。
  6. 前記複数の第1の画素領域のそれぞれは、前記記録許容画素と前記非記録許容画素が合計で少なくとも16個配置されており、
    前記複数の第2の画素領域のそれぞれは、前記非記録許容画素が少なくとも16個配置されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の画像記録装置。
  7. 前記第1のマスクパターン群のそれぞれのマスクパターンは、複数の前記第1の画素領域と複数の前記第2の画素領域のみによって構成されることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の画像記録装置。
  8. 前記第1の論理和パターンにおける複数の前記単位の間に配置された前記非記録許容画素の数は、4以上であることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の画像記録装置。
  9. 前記複数のマスクパターンのうちの、前記第1のマスクパターン群のマスクパターンと異なる少なくとも2つのマスクパターンからなる第2のマスクパターン群に関し、
    (i)前記第2のマスクパターン群のそれぞれのマスクパターンは、それぞれ複数の前記記録許容画素と複数の前記非記録許容画素が配置された複数の第1の画素領域と、それぞれ複数の前記非記録許容画素のみが配置された複数の第2の画素領域と、から構成され、
    (ii)前記第2のマスクパターン群のそれぞれのマスクパターンにおける前記複数の第1の画素領域は、それぞれ互いに対応する位置に構成され、
    (iii)前記第2のマスクパターン群のそれぞれのマスクパターンにおける前記単位内の前記記録許容画素の数の平均は、前記所定の値以下であり、
    (iv)前記第2のマスクパターン群のそれぞれのマスクパターンに配置された複数の前記記録許容画素の論理和により得られる第2の論理和パターンにおける前記単位内の前記記録許容画素の数の平均は、前記所定の値よりも大きく、
    (v)前記第2の論理和パターンにおける前記記録許容画素と、前記第1の論理和パターンにおける前記記録許容画素とは、互いに排他的な位置に配置されることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の画像記録装置。
  10. 前記第1のマスクパターン群は、第1、第2の前記マスクパターンを含み、
    前記生成手段は、前記複数回の走査のうちの第1の走査にて前記単位領域に対してインクを吐出するための記録データを生成する際に前記第1のマスクパターンを用い、且つ、前記複数回の走査のうちの前記第1の走査よりも2回以上の所定の回数だけ後の第2の走査にて前記単位領域に対してインクを吐出するための記録データを生成する際に前記第2のマスクパターンを用いることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の画像記録装置。
  11. 前記所定の回数は、前記複数回(N回)の走査と、前記複数(M個)のマスクパターン群と、に対し、N/Mに相当する回数であることを特徴とする請求項10に記載の画像記録装置。
  12. 前記単位領域に対する1回目の走査から前記Mに相当する回の走査までのM回の走査においてそれぞれ適用されるM個のマスクパターンのそれぞれに配置された複数の論理和により得られる第3の論理和パターンは、前記第2の画素領域を含まないことを特徴とする請求項11に記載の画像記録装置。
  13. 前記記録ヘッドは、第1の色のインクを吐出するための複数の吐出口が配列方向に配列された吐出口列を少なくとも1つ有する第1の記録ヘッドと、前記第1の色と異なる第2の色のインクを吐出するための複数の吐出口が配列方向に配列された吐出口列を少なくとも1つ有する第2の記録ヘッドと、から少なくとも構成され、
    (i)前記第1の記録ヘッドに対応する前記第1のマスクパターン群のそれぞれのマスクパターンにおける前記記録許容画素と、前記第2の記録ヘッドに対応する前記第1のマスクパターン群のそれぞれのマスクパターンにおける前記記録許容画素と、は互いに排他的な位置に配置され、
    (ii)前記第1の記録ヘッドに対応する前記第1のマスクパターン群のそれぞれのマスクパターンにおける前記第1の画素領域と、前記第2の記録ヘッドに対応する前記第1のマスクパターン群のそれぞれのマスクパターンにおける前記第1の画素領域と、は互いに同じ位置に構成されることを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載の画像記録装置。
  14. 前記記録ヘッドは、複数の前記吐出口列が前記配列方向に配列されており、
    前記第1のマスクパターン群のそれぞれのマスクパターンは、それぞれ互いに異なる吐出口列内の吐出口群に対応することを特徴とする請求項1から13のいずれか1項に記載の画像記録装置。
  15. 前記第1のマスクパターン群のそれぞれのマスクパターンは、ブルーノイズ特性を有することを特徴とする請求項1から14のいずれか1項に記載の画像記録装置。
  16. 前記複数のマスクパターンは、それぞれほぼ同じ数の記録許容画素が配置されていることを特徴とする請求項1から15のいずれか1項に記載の画像記録装置。
  17. 前記複数のマスクパターンにおける前記記録許容画素は、それぞれ互い排他的且つ補完的な位置に配置されていることを特徴とする請求項1から16のいずれか1項に記載の画像記録装置。
  18. 前記第1のマスクパターン群を構成する前記第2の画素領域の数は、前記第1のマスクパターン群を構成する前記第1の画素領域の数よりも多いことを特徴とする請求項1から17のいずれか1項に記載の画像記録装置。
  19. 所定の色のインクを吐出するための複数の吐出口が配列方向に配列された吐出口列を少なくとも1つ有する記録ヘッドと、
    前記記録ヘッドと記録媒体上の単位領域とを前記配列方向と交差する走査方向に複数回走査させる走査手段と、
    前記記録ヘッドの前記複数回の走査のそれぞれの間において、前記記録媒体を前記走査方向と交差する搬送方向に前記複数の吐出口を分割して構成されるそれぞれ前記配列方向に連続して配列された所定数の吐出口からなる複数の前記吐出口群それぞれの前記配列方向における長さに対応する距離の搬送を行う搬送手段と、
    前記複数の吐出口群のそれぞれに対応し、それぞれ前記単位領域への記録の許容を定める記録許容画素と記録の非許容を定める非記録許容画素が配置された複数のマスクパターンに基づいて、前記単位領域に対応する画像データから前記単位領域に対する前記複数回の走査のそれぞれにおいて前記複数の吐出口群のそれぞれから前記単位領域に対してインクを吐出するための記録データを生成する生成手段と、
    前記記録データに基づいて、前記複数回の走査のそれぞれにおいて前記複数の吐出口群のそれぞれから前記単位領域にインクを吐出させる記録制御手段と、を有する画像記録装置であって、
    前記複数のマスクパターンのうちの少なくとも2つの前記マスクパターンからなる第1のマスクパターン群に関し、
    (i)前記第1のマスクパターン群のそれぞれのマスクパターンは、それぞれ複数の前記記録許容画素と複数の前記非記録許容画素が配置された複数の第1の画素領域と、前記複数の第1の画素領域の間にそれぞれ複数の前記非記録許容画素のみが配置された複数の第2の画素領域と、を含み、
    (ii)前記第1のマスクパターン群のそれぞれのマスクパターンにおける前記複数の第1の画素領域は、それぞれ互いに対応する位置に構成され、
    (iii)前記第1のマスクパターン群のそれぞれのマスクパターンに配置された複数の前記記録許容画素に配置された複数の前記記録許容画素の論理和により得られる第1の論理和パターンにおける前記記録許容画素の分散性は、前記第1のマスクパターン群のそれぞれのマスクパターンにおける前記記録許容画素の分散性よりも低く、
    (iv)前記第1の論理和パターンにおける前記第1の画素領域に相当する領域は、ほぼすべての位置に前記記録許容画素が配置されることを特徴とする画像記録装置。
  20. 所定の色のインクを吐出するための複数の吐出口が配列方向に配列された吐出口列を少なくとも1つ有する記録ヘッドと、記録媒体上の単位領域と、を前記配列方向と交差する走査方向に複数回走査させ、前記記録ヘッドの前記複数回の走査のそれぞれの間において、前記記録媒体を前記走査方向と交差する搬送方向に前記複数の吐出口を分割して構成されるそれぞれ前記配列方向に連続して配列された所定数の吐出口からなる複数の前記吐出口群それぞれの前記配列方向における長さに対応する距離の搬送を行い、前記複数の吐出口群のそれぞれに対応し、それぞれ前記単位領域への記録の許容を定める記録許容画素と記録の非許容を定める非記録許容画素が配置された複数のマスクパターンに基づいて、前記単位領域に対応する画像データから前記単位領域に対する前記複数回の走査のそれぞれにおいて前記複数の吐出口群のそれぞれから前記単位領域に対してインクを吐出するための記録データを生成し、前記記録データに基づいて、前記複数回の走査のそれぞれにおいて前記複数の吐出口群のそれぞれから前記単位領域にインクを吐出させて記録を行う画像記録方法であって、
    前記複数のマスクパターンのうちの少なくとも2つの前記マスクパターンからなる第1のマスクパターン群に関し、
    (i)前記第1のマスクパターン群のそれぞれのマスクパターンは、それぞれ複数の前記記録許容画素と複数の前記非記録許容画素が配置された複数の第1の画素領域と、前記複数の第1の画素領域の間にそれぞれ複数の前記非記録許容画素のみが配置された複数の第2の画素領域と、を含み、
    (ii)前記第1のマスクパターン群のそれぞれのマスクパターンにおける前記複数の第1の画素領域は、それぞれ互いに対応する位置に構成され、
    (iii)前記第1のマスクパターン群のそれぞれのマスクパターンにおける、前記配列方向または前記走査方向に互いに隣接して配置された複数の前記記録許容画素により構成される記録許容画素群および他の記録許容画素と隣接しない記録許容画素のそれぞれを1つの単位とした記録許容画素の単位内の前記記録許容画素の数の平均は、所定の値以下であり、
    (iv)前記第1のマスクパターン群のそれぞれのマスクパターンに配置された複数の前記記録許容画素の論理和により得られる第1の論理和パターンにおける前記単位内の前記記録許容画素の数の平均は、前記所定の値よりも大きいことを特徴とする画像記録方法。
  21. 請求項20に記載の画像記録方法を実行するために、画像記録装置のコンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。
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