JP2003080742A - 画像記録方法および装置 - Google Patents

画像記録方法および装置

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JP2003080742A
JP2003080742A JP2002192300A JP2002192300A JP2003080742A JP 2003080742 A JP2003080742 A JP 2003080742A JP 2002192300 A JP2002192300 A JP 2002192300A JP 2002192300 A JP2002192300 A JP 2002192300A JP 2003080742 A JP2003080742 A JP 2003080742A
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Akira Yamano
明 山野
Masayuki Nakazawa
正行 中澤
Bon Honda
凡 本田
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Original Assignee
Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ドット径のサイズ、およびドットの着弾位置
のバラツキに対しても安定した出力濃度を得ることがで
き、粒状性の悪化・エッジ強調などを引き起こすことな
く、ドット径のサイズ、およびドットの着弾位置のバラ
ツキに対しても画質の良好な画形成方法および装置を提
供することを課題とする。 【解決手段】 記録媒体Mに記録されたドット径Dの範
囲が1.5A≦D≦A+150[μm]とする。ただ
し、 A=max(Pm,Ps) Pm=主走査方向への記録ピッチ Ps=副走査方向への記録ピッチ

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、透過画像用記録媒
体に画像を記録する方法及び装置に関し、さらに詳しく
は、記録媒体を副走査方向に移動させながら、前記記録
媒体に対して副走査方向に交差する主走査方向へ記録ヘ
ッドを相対的に移動させつつ前記記録ヘッドからインク
液滴を吐出し、前記記録媒体に前記インク液滴を付着さ
せることによって、前記記録媒体上にドットによる透過
画像を形成する画像記録方法及び画像記録装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年X線画像撮影において、増感紙/フ
ィルム系(S/F)に代わってCR撮影装置(以下、
「CR]という:CR=Computed Radio
graphy)やX線平面検出装置(以下、「FPD」
という:Flat PanelDetector)等、
X線撮影像を電気信号として取り出し、デジタル画像デ
ータとして保持可能なX線画像撮影装置が登場してい
る。いわゆるデジタルX線画像撮影装置の普及と共に、
CRやFPD等により取得された電気信号に基づいて医
用画像を記録するデジタルX線画像記録装置も普及して
いる。
【0003】現在最も主流とされている記録方式は、従
来のハロゲン化銀フィルム上に、CRやFPDから得た
X線画像の電気信号をレーザ光強度に置き換えて焼き付
け、現像処理を行って画像形成する銀塩レーザ書込方式
である。
【0004】しかし、従来の方法同様にハロゲン化銀フ
ィルムを用いるために、煩雑でかつコストがかかる問題
点がある。ハロゲン化銀フィルムを用いない方法として
は感熱転写方式や昇華型プリンタが考えられる。しかし
ながら感熱転写の場合は記録された画像のインクがフィ
ルム最表面にあり、取り扱う際にインクが転写しやすい
などの不都合がある。また、昇華プリンタの場合は十分
な濃度がのらず、感熱転写同様に画像形成後にインクリ
ボンなどの廃棄物が生ずる。
【0005】最近では、インクジェット方式による画像
記録装置は、記録画像等の解像度や画質の飛躍的な向上
を可能とする小型で低廉なプリンタとして汎用されてい
る。そこで、インクジェット方式記録装置をX線画像形
成に供することにより、上記の不都合を解決しようとす
るものであり、そしてインクジェットプリンタの強みを
最大に生かして、安価で見やすいX線画像を形成するこ
とのできるインクジェット画像形成方法を提供し得るも
のと期待されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】主に診断を用途とする
医用画像にあっては、インクジェット方式に限らず全て
の記録方式の画像記録装置において、極めて高画質が要
求されている。
【0007】その理由は、医用画像を診察する際に必ず
高輝度なシャウカステンに掛けて透過画像として見るた
め、反射画像と比べて視覚の濃度分解能が非常に高くな
るためである。
【0008】また、CR及びFPDで撮影するような2
次元X線写真、いわゆるX線単純写真は基本的にはモノ
クロ画像であるが、モノクロ画像の場合は他色(例え
ば、Y・M・C等)と比較して視覚の濃度分解能が高い
ので、モノクロ透過画像ではさらに高画質が必要とされ
る。
【0009】ここで、画質評価の基準となる指標、階
調性、鮮鋭性、粒状性、の3点についてインクジェ
ット方式記録装置により医用に要求される画質レベルを
達成し得るか否かに対する検討を行った。
【0010】[階調性]X線単純写真において診断に必
要な階調数は10ビット(=1024階調)、また、充
分に診断が可能な階調数は12ビット(=4096階
調)であると言われている。インクジェット方式で医用
画像のような多階調を表現する場合には、インク濃度数
が限られているため、記録画像の階調表現を疑似的に行
う必要がある。例えば、画像データの1画素を複数のマ
トリックス、例えば4×4のディザマトリックスで構成
し、このマトリックス単位でいわゆるディザ法を用いて
4×4+1=17階調の階調表現を行う方法がある。
【0011】さらに、同系色で複数の濃度の異なるイン
ク、例えば4種類のインクを用いれば作成し得る階調数
は無数に増加する。しかし、実際は作成し得る全ディザ
マトリックスのうち数個乃至数10個のディザマトリッ
クスを選択し、この数個乃至数10個のディザマトリッ
クスを用いて誤差拡散法により階調表現を行うのが一般
的である。
【0012】誤差拡散法に関する文献は、例えば「R.
FLOYD&L.STEINBERG,”AN ADA
PTIVE ALGORITHM FOR SPETI
ALGRAY SCALE”,SID 75 DIJE
ST,pp36〜37」に詳しく記載されている。ディ
ザ法と誤差拡散法を組み合わせた階調作成方法によれ
ば、12ビットの多階調表現は可能であり、また、適切
なディザマトリックスを選択し適切な誤差拡散アルゴリ
ズムを用いれば、滑らかな階調特性を得ることが可能で
ある。
【0013】[鮮鋭性]診断を目的とする医用画像には
鮮鋭性、すなわち画像のコントラストが重要である。例
えば、足画像に関して、骨梁が明瞭に見える程度の鮮鋭
性が望まれる。
【0014】インクジェット方式では記録単位がインク
ドットであるため、隣接する画素に影響する因子はイン
クドット径の広がり以外にない。インクジェット方式に
は、銀塩レーザ書込方式における光学的ボケや感熱転写
方式における余熱といった影響がないので、比較的高い
鮮鋭性を有する画像を得ることができる。
【0015】[粒状性]診断を目的とする医用画像には
粒状性、すなわちざらつき感のない滑らかさが重要であ
る。例えば、胸部画像に関して、特に低濃度域において
病変による陰影が正確に認識できる程度の粒状性が望ま
れる。
【0016】インクジェット方式では記録単位がインク
ドットであるため、画像全体をインクドットが被覆され
ずにドット間に隙間が生じる場合がある。その結果、全
体的に濃度が低く見えたり、ざらついた感じに見えたり
することがあるため、却って粒状が悪く感じられる。
【0017】粒状性を向上させる一つの手段は、インク
小液滴を極めて高密度で吐出する方法である。しかし、
ドット径が小さい場合には画像全体を隙間なく被覆する
ためには、インク液滴を略同位置に多数吐出する必要が
ある。そのため、記録に用いる記録媒体におけるインク
吸収速度及び許容インク吸収量を増加させなければなら
ない。更に、診断に用いられる医用画像では最高出力濃
度が3.0以上であることが望ましいとされるため、イ
ンクジェットにより最高出力濃度3.0を達成するため
には、結果的には相当のインク滴量を用いなければなら
ない。
【0018】また、粒状性を向上させるもう一つの手段
は、ドット径を大きくしドットの隙間をなくす方法が考
えられる。しかし、隣同士のインクドットが連結する、
いわゆる「ビーディング」が発生し、却って粒状性が悪
くなる場合がある。また、ビーディングの発生し易すさ
も室温等の外部環境によって変化するため、常に安定し
た出力濃度が得られず、その結果階調性を損なうことも
ある。また、ドット径を過度に大きくすると記録画像が
ぼやけて鮮鋭性の劣化を招くこともある。
【0019】以上の検討により、透過画像を記録する際
には、反射画像と比較すると、インクのドット径及び着
弾位置のバラツキが画像に大きな影響を与え、画像全体
をインクによって被覆しなければ充分な画像濃度を得ら
れないことがわかった。
【0020】本発明は、上記問題点に鑑みてなされたも
ので、その課題は、インクのドット径のバラツキ及び着
弾位置ずれ等の記録精度に起因する画質劣化を抑え、高
画質なプリント画像を得ることができる画像記録方法及
び装置を提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する請求
項1記載の発明は、記録媒体を副走査方向に移動させな
がら、前記記録媒体に対して副走査方向に交差する主走
査方向へ記録ヘッドを相対的に移動させつつ前記記録ヘ
ッドからインク液滴を吐出し、前記記録媒体に前記イン
ク液滴を付着させることによって、前記記録媒体上にド
ットによる透過画像を形成する画像記録方法において、
前記記録媒体に記録されたドット径Dの範囲が以下の式
(1)を満たすように前記記録媒体上にドットを形成す
ることを特徴とする画像記録方法である。 1.5A≦D≦A+150[μm]……(1) ただし、 A=max(Pm,Ps) Pm=主走査方向への記録ピッチ Ps=副走査方向への記録ピッチ また、請求項9記載の発明は、画像をあらわす画像信号
に基づいて記録媒体に画像を記録する画像記録装置であ
って、複数のノズル、該複数のノズルからインク液滴を
それぞれ吐出させるための複数の吐出駆動素子を有する
記録ヘッドと、前記記録媒体を副走査方向に搬送する搬
送手段と、前記記録媒体に対して副走査方向に交差する
主走査方向へ前記記録ヘッドを駆動する駆動手段と、前
記記録媒体の表面に前記インク液滴が付着することによ
り形成されたドット径Dの範囲が以下の式(3)を満た
すように前記ドット径を制御する制御手段と、を備える
ことを特徴とする画像記録装置である。 1.5A≦D≦A+150[μm]……(3) ただし、 A=max(Pm,Ps) Pm=主走査方向への記録ピッチ Ps=副走査方向への記録ピッチ 前記記録媒体に記録されたドット径Dの範囲が1.5A
≦D≦A+150[μm]であることにより、インクの
ドット径及び着弾位置ずれ等の記録上のバラツキ因子に
影響されることなく、特に透過画像において高画質なプ
リント画像を得ることができる。
【0022】請求項2記載の発明は、前記ドット径Dの
範囲が以下の式(2)を満たすように前記記録媒体上に
ドットを形成することを特徴とする請求項1記載の画像
記録方法である。 2A≦D≦A+75[μm]……(2) ただし、 A=max(Pm,Ps) Pm=主走査方向への記録ピッチ Ps=副走査方向への記録ピッチ また、請求項10記載の発明は、前記制御手段は、前記
ドット径が以下の式(4)を満たすように前記ドット径
を制御することを特徴とする請求項9記載の画像記録装
置である。 2A≦D≦A+75[μm]……(4) ただし、 A=max(Pm,Ps) Pm=主走査方向への記録ピッチ Ps=副走査方向への記録ピッチ 前記ドット径Dの範囲が2A≦D≦A+75[μm]で
あることにより、さらに、インクのドット径及び着弾位
置ずれ等の記録上のバラツキ因子に影響されることな
く、特に透過画像において、高画質なプリント画像を得
ることができる。
【0023】請求項3記載の発明は、前記ドット径が略
同サイズになるように前記記録媒体上にドットを形成す
ることを特徴とする請求項1記載の画像記録方法であ
る。また、請求項11記載の発明は、前記制御手段は、
前記ドット径が略同サイズになるように前記ドット径を
制御することを特徴とする請求項9又は10記載の画像
記録装置である。
【0024】前記ドット径が略同サイズになるように前
記記録媒体上にドットを形成することにより、画像の至
るところでドット径の分布はほぼ一様となり、ドット径
の局所的なバラツキを抑えることができるため、良好な
画質を得ることができる。
【0025】請求項4記載の発明は、前記ドット径をn
個(n≧1)のサイズD1、D2、……、Dn(D1≧
D2≧……≧Dn)となるように形成し、D1に対し前
記(1)式を満たすように前記記録媒体上にドットを形
成することを特徴とする請求項1又は2記載の画像記録
方法である。
【0026】請求項12記載の発明は、前記制御手段
は、前記ドット径をn個(n≧1)のサイズD1、D
2、……、Dn(D1≧D2≧……≧Dn)となるよう
に制御すると共に、D1に対し前記(3)式を満たすよ
うに前記ドット径を制御することを特徴とする請求項9
又は10記載の画像記録装置である。
【0027】前記ドット径をn個(n≧1)のサイズD
1、D2、……、Dn(D1≧D2≧……≧Dn)とな
るように形成し、D1に対し前記(1)(3)式を満た
すように前記記録媒体上にドットを形成することによ
り、最も画像のザラツキ感を起こしやすいDmaxのド
ット径のみで記録した画像においても良好な画質を得る
ことができ、さらにはいかなる複数のドット径の組み合
わせを用いても良好な画質を得ることができる。
【0028】請求項5記載の発明は、複数回の主走査に
よって主走査画像列を完成させることを特徴とする請求
項4記載の画像記録方法である。請求項13記載の発明
は、前記制御手段は、複数回の主走査によって主走査画
像列を完成させることを特徴とする請求項12記載の画
像記録装置である。
【0029】複数回の主走査によって主走査画像列を完
成させることにより、副走査方向への記録媒体の搬送量
の誤差、ノズルのインク液滴吐出不良等に起因する筋ム
ラを低減できる。
【0030】請求項6記載の発明は、前記ドット径D1
の平均値がDaveであるとき、1回の主走査における
主走査方向への書込ピッチPm’の範囲がPm’≧2D
aveを満たすように前記記録媒体上にドットを形成す
ることを特徴とする請求項5記載の画像記録方法であ
る。
【0031】請求項14記載の発明は、前記制御手段
は、前記記録媒体に記録されたドット径D1の平均値が
Daveであるとき、1回の主走査における主走査方向
への書込ピッチPm’の範囲がPm’≧2Daveを満
たすように制御することを特徴とする請求項13記載の
画像記録装置である。
【0032】前記ドット径D1の平均値がDaveであ
るとき、1回の主走査における主走査方向への書込ピッ
チPm’の範囲がPm’≧2Daveを満たすように前
記記録媒体上にドットを形成することにより、同一走査
内におけるビーディング(隣同士のドットが連結)によ
り、粒状性の悪化・エッジ強調などを引き起こすことな
く、ドット径のサイズ、およびドットの着弾位置のバラ
ツキに対しても画質が良好となる。
【0033】請求項7記載の発明は、解像度が360ド
ット/25.4mm(360dpi、以下、ドット/2
5.4mmをdpiと記す)以上となるようにドットを
形成することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに
記載の画像記録方法である。
【0034】請求項16記載の発明は、前記制御手段
は、解像度が360dpi以上になるように前記記録ヘ
ッドの駆動を制御することを特徴とする請求項9乃至1
5のいずれかに記載の画像記録装置である。
【0035】解像度が360dpi以上となるようにド
ットを形成することにより、高画質の画像を得ることが
できる。請求項8記載の発明は、解像度が720dpi
以上となるようにドットを形成することを特徴とする請
求項1乃至6のいずれかに記載の画像記録方法である。
【0036】請求項17記載の発明は、前記制御手段
は、解像度が720dpi以上になるように前記記録ヘ
ッドの駆動を制御することを特徴とする請求項9乃至1
5のいずれかに記載の画像記録装置である。
【0037】解像度が720dpi以上となるようにド
ットを形成することにより、高画質の画像を得ることが
できる。請求項15記載の発明は、前記制御手段は、前
記記録ヘッドから吐出するインク液滴量を制御すること
を特徴とする請求項9乃至14のいずれかに記載の画像
記録装置である。
【0038】前記記録ヘッドから吐出するインク液滴量
を制御することにより、容易にドット径を制御すること
が可能となる。ここで、本発明で用いる用語の説明を行
なう。 (1)濃度 「濃度」とは、いわゆる光学濃度Dを表し、JIS K
7653−1988「写真−濃度測定−第3分光条件」
においても同義に定義されるISO視感濃度である。例
えば、光学濃度計PDA−65(コニカ株式会製)にア
ンバーフィルタを設けて測定される拡散光濃度(以下、
単に「拡散濃度」という)をいう。尚、拡散濃度Dt
は、Dt=−log10Tと定義されるものであって、
Tは光減衰率(透過濃度においては光透過率、反射濃度
においては光反射率)である。本発明は、特に透過画像
に係る発明であることから、別段の指定がない限り、濃
度とは透過拡散濃度を表すものとする。また、「画像濃
度」とは、画像が有する光学濃度であり、記録媒体に付
着する記録材に起因する光学濃度と、記録媒体に起因す
る光学濃度と、を含む画像全体の光学濃度をさすものと
する。 (2)透過記録媒体 「透過記録媒体」とは、透過画像として観察することを
主目的とする記録媒体である。 (3)透過画像 「透過画像」とは、ライトボックス等により透過光を主
光源として観察する画像である。 (4)濃度階調特性 「濃度階調特性」とは、画像信号における信号値(横
軸)と、その信号値に基づいて記録媒体上に記録される
画像に係る濃度(縦軸)との関係を示す特性であり、画
像記録装置はこの濃度階調特性に基づいて記録媒体上に
画像を記録する。 (5)記録ピッチ 「記録ピッチ」とは、画像記録装置が制御し得る最小の
記録サイズであるが、主走査方向における記録ピッチを
「主走査記録ピッチ」、副走査方向における記録ピッチ
を「副走査記録ピッチ」という。具体的には図8を例に
説明すると、格子の横方向における一辺の長さが主走査
記録ピッチであり、格子の縦方向の一辺の長さが副走査
記録ピッチである。尚、図における格子点は、インクを
吐出しえるすべての画素位置(目標インク射出位置)で
ある。画像信号に応じてインクを任意に吐出/非吐出を
選択することにより、任意の画像を記録することができ
る。 (6)書込ピッチ 「書込ピッチ」とは、同一主走査内において記録ヘッド
からインクが吐出される位置的間隔をいう。具体的に
は、図14(b−2)を例に説明すると、2つのドット
(円)の中心の距離が書込ピッチである。インクジェッ
ト記録装置において、「書込ピッチ」は記録ヘッドから
インクが吐出する間隔であるから、「吐出ピッチ」と呼
んでいる。 (7)解像度 「解像度」とは、画像記録装置、記録媒体及び記録材か
らなる画像記録システムにおける記録密度をあらわす指
標であり、dpi(dot per inchi:1i
nch=約25.4mm)がよく用いられる。通常は、
画像記録装置が制御し得る最少の記録サイズ(いわゆる
記録ピッチ)の意味で用いられる。例えば、300dp
iでは、記録ピッチは25400μm/360dpi=
約70μmに相当する。また、「出力画像サイズ」と
は、画像信号における1画素に相当する出力サイズをい
い、少なくとも(出力画素サイズ)≧(記録ピッチ)の
関係を満たす。「解像度が360dpi以上」とは、3
60dpiに相当する記録ピッチより小さい記録ピッチ
を有することをいう。すなわち、約70μm以下の記録
ピッチを有することに相当する。 (8)主走査画像列 「主走査画像列」とは、主走査方向に対して連なる画像
列である。 (9)画像を完成させる 「画像を完成させる」とは、所定のインク吐出制御方法
により任意のインク吐出制御が行なわれ、印字動作が完
了した状態をいう。 (10)ドット径 「ドット径」とは、記録媒体上に定着された記録材が有
する略円形のドットに係る直径をさすものとする。例え
ば、インクジェット画像記録装置におけるドットはイン
クにより形成される。
【0039】
【発明の実施の形態】次に図面を用いて本発明の実施の
形態例の画像記録装置を説明する。本実施の形態例の画
像形成装置は、周知のピエゾ効果によるものや加熱によ
る気泡の膨張を利用した方式などにより、入力された画
像信号に基づいてインク微粒子を吐出して画像を形成す
る、いわゆるインクジェットによって画像を出力する装
置である。
【0040】以下、この発明は、この実施の形態に限定
されない。 (全体構成)最初に、図2を用いて、本実施の形態例の
画像記録装置の全体構成を説明する。本実施の形態例の
画像記録装置は、医用インクジェット記録装置である。
【0041】インクジェット記録装置40は、入力した
画像信号に対して誤差拡散やディザなどの擬似中間調処
理を施し、処理された画像信号に基づいてインクジェッ
ト方式でインクを記録媒体に付着させて、中間調を有す
る画像を形成することができるものである。
【0042】このインクジェット記録装置40には、装
置本体41に給送トレー42が、例えば二段に備えら
れ、いずれか一方、例えば下方の給送トレー42にセッ
トされた記録媒体Mを給送して装置本体41内に送り、
画像G1、G2が形成された記録媒体Mは、排出部43
上に取り出されるようになっている。
【0043】次に、図1を用いて図2のインクジェット
記録装置40の電気的構成を説明する。記録媒体Mは搬
送ローラ12により矢印A方向(副走査方向)に移動可
能となっている。
【0044】記録ヘッドユニット101は記録媒体Mの
移動方向(副走査方向)とほぼ直交する方向(矢印B方
向:主走査方向)に移動可能となっている。本実施の形
態例の記録ヘッドユニット101には、イエロー
(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、及びブラック
(K)のインクを吐出する記録ヘッド102が1列に設
けられている。これらのヘッドは一体化されていてもよ
いし、別体に個々に設けてもよい。
【0045】色調の異なるインクを組み合わせることに
より、任意のカラー画像を記録することができる。ま
た、YMC等のカラーインクを用いることにより、モノ
クロ画像も記録することができる。これらの記録ヘッド
は一体化されていてもよし、別体に個々に設けても良
い。
【0046】また、YMCKのような色調の異なるイン
クの組み合わせのみならず、濃度の異なる同系色インク
の組み合わせを用いてもよい。「濃度の異なる同系色イ
ンク」とは、同系色の染料ないし顔料を用いたインクで
あって、含有染料(顔料)濃度比が異なるインクをい
う。例えば、同じK染料を用いて染料濃度比のみを変え
たインク、K1、K2、K3、K4のどれか一つのイン
クのみを用いて記録媒体に4種類の略均一濃度画像を記
録する際に、記録された画像における光学濃度がそれぞ
れ異なる場合をいう。同系色で濃度が異なるインクを用
いて画像を記録することにより、より高階調の単色画像
を形成することが可能になる。
【0047】さらに、各記録ヘッド102は副走査方向
に配列ピッチXの複数の記録素子(ノズル)が設けられ
ている。装置外部(外部撮影装置,ストレージ装置)か
ら入力される画像データは画像処理手段121で誤差拡
散やディザなどの擬似中間調処理され、記録素子駆動手
段517を介して記録ヘッドユニット101の記録ヘッ
ド102に送られる。
【0048】制御手段103は、画像処理手段121で
得られたヘッド搬送信号に応じて、記録ヘッド搬送手段
104を介して記録ヘッドユニット101を主走査方向
に駆動し、搬送ローラ駆動手段122を介して記録媒体
Mを副走査方向に駆動する。
【0049】図4は、図1の記録ヘッドの一例の構成図
である。図において、各記録ヘッド102のノズル10
2b近傍には、ピエゾ素子102aが設けられ、ピエゾ
素子102aに印加する電圧で膨張/収縮を起こさし
め、画像信号に応じて、インク液滴をノズル先端から記
録媒体Mに向けて射出する構成になっている。
【0050】さらに、制御手段103は、画像処理手段
121で得られた画像データに応じて記録素子駆動手段
517を介して記録ヘッドユニット101の記録ヘッド
102を駆動し、記録媒体M上に画像を形成する。
【0051】ここで、図3を用いて、記録素子駆動手段
517の説明を行なう。図3は記録素子駆動手段517
の内部構成を示すブロック図である。記録素子駆動手段
517は、画像データをアナログの波形に復調、増幅す
る駆動信号生成回路304と、駆動信号生成回路304
で生成された駆動信号を整形する駆動信号整形回路30
6とを備えている。
【0052】ここで、記録ヘッド102の駆動素子に供
給する駆動信号を同一波形にすることにより、ノズル先
端から吐出されるインク液滴量を一定に保つことがで
き、記録媒体上に形成されるドット径を略同一サイズに
制御することが可能である。吐出されたインク液滴が記
録媒体に着弾したときのインク液滴の広がりの程度を予
め知っておけば、種種のインク及び記録媒体の組み合わ
せに対して、所望のドット径を得るために適したインク
吐出制御を行なうことができる。
【0053】更に、駆動信号を複雑に制御することによ
り、ノズル先端から吐出されるインク液滴量を数段階に
制御し、記録媒体上において種々の大きさのドット(い
わゆる「マルチサイズドット」)を形成することが可能
となる。
【0054】また、駆動信号複雑に制御することなくマ
ルチサイズドットを形成する方法として、共通駆動信号
をマスクして複数種の駆動信号を生成する方法も用いる
ことができる。
【0055】図5は、マルチサイズドットを形成する駆
動信号整形回路306の内部構成を示すブロック図であ
る。駆動信号整形回路306は、シフトレジスタ330
と、データラッチ332と、マスク信号生成回路334
と、マスクパターンレジスタ336と、マスク回路33
8とを備えている。シフトレジスタ330は、画像デー
タ(シリアル印刷信号)PRTを2ビット×4チャンネ
ルのパラレルデータに変換する。ここで「1チャンネ
ル」は1ノズル分の信号を意味する。1ノズルの1画素
分の印刷信号PRTは、上位ビットDHと下位ビットD
Lの2ビットで構成されている。マスク信号生成回路3
34は、マスクパターンレジスタ336から与えられる
マスクパターンデータV0〜V3と、各チャンネルの2
ビットの印刷信号PRT(DH,DL)とに応じて、各
チャンネル用の1ビットのマスク信号MSK(i)(i
=1〜4)を生成する。マスク回路338は、与えられ
たマスク信号MSK(i)に応じて、共通駆動信号CO
MDRVの1画素区間内の信号波形の一部または全部を
マスクするためのアナログスイッチ回路である。ここ
で、「共通駆動信号をマスクする」とは、各ピエゾ素子
における共通駆動信号COMDRVの信号線の接続をオ
ン/オフすることを意味する。
【0056】図6は、図5の駆動信号整形回路での駆動
信号波形を示すタイミングチャートである。図6(a)
に示すように、共通駆動信号COMDRVは、1画素区
間内に同一のパルスW1が3回発生する信号である。図
6(b),(c),(d)にそれぞれに示すように、小
ドットMSを記録する場合には1番目のパルスのみを残
して他のパルスをマスクし、中ドットMMを記録する場
合に1番目と2番目のパルスを残して3番目のパルスを
マスクし、大ドットMLを記録する場合にはマスクを行
わずに共通駆動信号COMDRVをそのま利用する。各
画素におけるシリアル印刷信号PRTに応じてこのよう
なマスク処理を行うことにより、各画素位置において大
きさの異なる3種類のドットのうちのいずれかを選択的
に記録することが可能である。
【0057】次に、記録媒体Mの構成図である図7を用
いて、記録媒体Mの説明を行なう。記録媒体Mは、透明
の支持体40の表面40aにインクを吸収しやすい受容
層41が形成されており、画像はこの受容層41内に記
録される。裏面40bには、カール防止、他の記録媒体
との吸着防止、帯電防止などの機能を持たせたバックコ
ート層を設けることと記録媒体のハンドリングがしやす
くて好ましい。さらに、表面及び/または裏面に反射防
止機能を有する層を設けると反射光を軽減できるので、
より診断しやすくて好ましい。また、裏面にも受容層を
形成して、裏面にも画像を記録しても良い。
【0058】この実施の形態例の透明の支持体40は、
例えば特開平10−76751号公報に記載のものが好
ましく用いられる。好ましい支持体はジオールとジカル
ボン酸との重縮合から得られたポリエステルである。好
ましいジカルボン酸にはテレフタル酸、イソフタル酸、
フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸及びセ
バシン酸が含まれる。好ましいジオールにはエチレング
リコール、トリメチレングリコール、テトラメチレング
リコール及びシクロヘキサンジメタノールが含まれる。
この発明で用いるのに適した特定のポリエステルは、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリエチレン−p−ヒドロ
キシベンゾエート、ポリ−1,4−シクロヘキシレンジ
メチレンテレフタレート及びポリエチレン−2,6−ナ
フタレンカルボキシレートである。ポリエチレンテレフ
タレートは優れた耐水性、化学的安定性及び耐久性等に
より、支持体のため最も好ましいポリエステルである。
【0059】支持体には、受容層41が塗布されて形成
され、この支持体40上に塗布されている受容層41
は、水溶性ポリマーと水不溶性ポリマーとからなるバイ
ンダーである。この水溶性ポリマーと水不溶性ポリマー
との組み合わせ量は、水不溶性ポリマーが少なくとも1
5重量%でかつ90重量%より多くなく含まれているも
の;及び0.3μmより大きくない水中での流体力学的
直径をもつ無機粒状材料であって、この無機粒状材料は
水溶性ポリマー、水不溶性ポリマー及び無機粒状材料の
合計塗布量の少なくとも50重量%でかつ95重量%よ
り多くない量を示すものである。
【0060】水溶性ポリマーは好ましくは、ポリビニル
アルコール、ポリアクリルアミド、メチルセルロース、
ポリビニルピロリドン及びゼラチンよりなる群から選ば
れた少なくとも1つの化合物を含んでいる。水溶性ポリ
マーはさらに好ましくはビニルアルコール、アクリルア
ミド及びビニルピロリドンよりなる群から選ばれたモノ
マーの重合体を含んでいる。
【0061】水不溶性ポリマーは好ましくはアクリル、
オレフィン、ビニル、ウレタン及びアミドから選ばれた
少なくとも1つの重合モノマーを含んでいる。水不溶性
ポリマーは最も好ましくはアクリル、ウレタン、ポリオ
レフィン及びビニルラテックスから選ばれた少なくとも
1つの化合物を含んでいる。水不溶性ポリマーは極性の
官能基を含むことができる。ただし、その程度は水溶性
ポリマーを形成するのに十分なレベル以下のものであ
る。
【0062】無機粒状材料、水溶性ポリマー、及び水不
溶性ポリマーの合計塗布量は好ましくは少なくとも0.
1g/mである。合計塗布量0.1g/m以下で
は、相変化インクと受容層間の接着性は実用上不適切な
レベルにまで低下する。さらに、塗布能率が0.1g/
以下では低下し、このことは媒体の製造コストにと
つても好ましくない。無機粒状材料、水溶性ポリマー及
び水不溶性ポリマーの合計塗布量は少なくとも0.3g
/mであるのがさらに好ましい。
【0063】記録媒体Mが透過記録媒体であると、透過
画像として診断することができ、被写体領域の微妙な濃
度変化を見分けやすい。また、本実施の形態例の非被写
体領域の濃度を濃くできる効果は、反射画像よりも透過
画像の方が、視覚的により顕著に認識されるので、この
発明を透明記録媒体に適用することが好ましい。
【0064】また、記録媒体Mが着色されていること
が、照明等の外光による光反射を軽減して見やすい画像
を得られるので好ましい。着色が実質的に青色である
と、青色は後退色であるために目が疲れないので、心理
的に診断しやすくて好ましい。さらに、着色された透過
記録媒体Mの透過濃度が0.03以上0.2以下である
と、透過性を損なうことなく反射が軽減され、より正確
な診断が可能な画像が得られて好ましい。
【0065】<ドット径と粒状性の関係>次に、インク
のドット径と記録ピッチ、及び粒状性との関係について
説明する。ここで、ドット径とは、インク滴が記録媒体
に付着後、記録媒体内に吸収されインクがほぼ定着した
ときにおける、染料若しくは顔料で形成された略円形の
直径を指すものとする。また、記録ピッチとは、記録完
了後に主走査方向或いは副走査方向にインクドットが並
ぶドット間隔を指し、前者を主走査記録ピッチ、後者を
副走査記録ピッチと呼ぶことにする。さらに、ドット径
と記録ピッチの関係を表す指標として、ドット径対記録
ピッチ比ηをη=(ドット径)/(記録ピッチ)と定義
する。
【0066】図8は、正方格子上に等間隔に同一濃度の
インク滴を一様に打った場合のインクドット重なりの模
式図を表す。以下、主走査1440dpi×副走査14
40dpi(格子間隔1辺約17.5μmに相当)の解
像度をもつインクジェット画像記録装置で画像を記録し
た場合を例に挙げる。
【0067】図8(a)では、ドット径が格子間隔の等
倍(η=1.0)、すなわちドット径が17.5μmで
あるときのドット重なりの模式図を表す。互いのドット
が重ならず無印字部分が生じるため、測定位置の違いに
対して濃度バラツキが発生しやすくなる。また、多少の
インク着弾ずれに対しても、隙間部分が拡大し検知され
やすくなることから、より高いインク着弾精度が必要と
されることとなり好ましくない。
【0068】図8(b)では、ドット径が格子間隔の
1.5倍(η=1.5)、すなわちドット径が26.3
μmであるときのドット重なりの模式図を表す。η=
1.0の場合と比較してドット径の重なり部分が多く、
測定位置に対して濃度バラツキが発生しにくくなる。
【0069】図8(c)では、ドット径が格子間隔の3
倍(η=3.0)、すなわちドット径が52.5μmで
あるときのドット重なりの模式図を表す。η=1.5の
場合と比較してドット径の重なり部分がさらに多くな
り、広範囲でインクドットがオーバーラップし、インク
ドットが記録媒体全面を被覆しているため極めて良好な
均一濃度画像を得ることができる。また、ドット径が記
録ピッチに対して充分大きくすることにより、記録ヘッ
ドのノズル曲がりやノズル表面におけるインク付着等の
因子によりインク着弾位置ずれが起こった場合でも、イ
ンク位置ずれによる隙間は発生し難くする効果がある。
【0070】図9は、主走査記録ピッチを変化させた均
一濃度画像を作成し、実際に目視による粒状性評価を行
った結果を示す図である。均一濃度画像作成における画
像記録条件は、主走査記録ピッチを変えたのみであり、
副走査記録ピッチ(1440dpi)、吐出インク液滴
量(1滴当り約7pl)、記録媒体組成、及びインク組
成はすべて同一条件とした。記録ヘッドの主走査への駆
動速度を変化させることで、主走査記録ピッチを20〜
100μmの様々な値に変えた。なお、評価基準は、
○:良好なレベル、△:多少気になるレベル、×:気に
なるレベル、の3段階評価である。評価の結果、ηが
1.30と1.63との間が粒状性の良い閾値になって
いて、それ以上のηに対しては充分な粒状性が得られる
ことを確認した。
【0071】<ドット径と階調性(濃度安定性)との関
係>インクのドット径と記録ピッチ、及び階調性との関
係について説明する。階調性に関する評価項目は、階
調特性曲線の滑らかさ、階調再現性、等があげられる
が、特に後者の階調再現性、画像記録装置としては濃度
安定性について考える。濃度安定性とは、インク液滴の
着弾位置ずれ等に起因するドット径のバラツキに対して
安定した画像濃度が得られるか否かの性質をいう。
【0072】図10は、ドット径と平均濃度との関係を
示した図である。ここで、平均濃度とは、画像記録装置
を用いて記録媒体に均一濃度画像を記録し、市販の拡散
濃度計を用いて任意の異なる5箇所の地点における濃度
測定を行い、その測定した濃度の平均値のことを指す。
例えば、本実施例ではPDA−65(コニカ株式会社
製)を用いて濃度測定を行った。
【0073】均一濃度画像作成における画像記録条件
は、ドット径対ピッチ比η、インクの染料濃度比を
変化させた以外は、副走査記録ピッチ(1440dp
i)、吐出インク液滴量(1滴当り約7pl)、及び記
録媒体組成を同一条件とし、記録媒体上におけるインク
のドット径が略同サイズになるように粘度、密度等のイ
ンク物性を調整した。に関して、記録ヘットの主走査
への駆動速度を変化させることにより主走査記録ピッチ
を20〜100μmの様々な値に変え、7通りのドット
径対ピッチ比ηで画像を作成した。に関して、濃度が
0.20である記録媒体に1種類の濃度インクを満遍な
く付着させて均一濃度画像を作成したが、使用したイン
クは、染料濃度比は、1:4:7であって、それぞれ
◆、黒で塗りつぶした□、△のプロットに対応する。
及びの組み合わせで計21通りの濃度均一画像を作成
し、その平均濃度を測定した。
【0074】尚、インクのドット径は、透過型電子顕微
鏡HU−12型(株式会社日立製作所製)を用い、本実
施に形態例の画像記録装置により記録されたインクドッ
トを100倍に拡大した写真から求めた。
【0075】横軸はドット対記録ピッチ比η(ドット径
/記録ピッチ)であり、縦軸は均一濃度画像の平均濃度
を表す。ηが1.4より小さい場合は、無印字部分が存
在するためインク被覆率が高くなるにつれて平均濃度が
増加する。
【0076】ηが1.4より大きい場合はインクドット
の重なり度合により濃度が変動するが、ηが3.0を超
えると平均濃度がほぼ安定する。この範囲では、仮にド
ット径にバラツキが生じたとしてもほとんど平均濃度の
変化はないことを意味する。
【0077】記録媒体のインク吸収量、インク吐出安定
性、など物理的な限界があるが、同一濃度のインク滴を
一様に打つ場合は、無印字部分を低減するために記録ピ
ッチに対してなるべくドット径が大きくすることが好ま
しい。
【0078】また、ドット径を大きくすると副走査方向
における筋ムラを埋めることができるので、バンディン
グを低減する効果もある。一方、記録ヘッドの走査速度
を遅くすれば記録ピッチを小さくでき、その結果ηを大
きくすることが可能であるが、同時に記録速度の低下に
つながるため好ましくない。そこで、記録ヘッドから吐
出される1ドット当りのインク液滴量は一定として、イ
ンク及び記録媒体の物性でドット径を適切なサイズに保
つように制御することが好ましい。例えば、インクの粘
度、記録媒体の表面エネルギー及び吸収速度を変化させ
ることにより、ドット径を制御することができるが、ド
ット径を制御し得る物性はこの限りではない。
【0079】<ドット径と鮮鋭性との関係>インクのド
ット径と記録ピッチ、及び鮮鋭性との関係について説明
する。ここで、鮮鋭性とは、異なる濃度のインクを用い
て特定の幅を有する線画像を周期的に記録した、いわゆ
るチャート画像の濃度コントラストの特性を指す。
【0080】図11は1ライン当り8ドットの幅をもつ
線画像の模式図を表す。Dはドット径、Aは記録ピッチ
とするとき、ドット径対記録ピッチ比η=D/Aを変え
た場合における線画像を表す。
【0081】なお、(a)はη=2.0、(b)はη=
4.0、(c)はη=6.0であり、高濃度部分には濃
いインクが、低濃度部分には薄インクがそれぞれ略均一
に打たれた状態を示している。透過画像では、インク内
に含有する染料若しくは顔料の量に対応して濃度が増加
するため、低濃度部分(薄インク部分)に高濃度部分
(濃インク部分)が浸食し低濃度部分が潰れる現象が起
こってしまう。
【0082】η=2.0では低濃度部分の幅(L)は充
分あるが、ηが大きくなるに従ってその幅(L)が狭く
なり(η=4.0)、η=6.0ではほとんど低濃度部
分が潰れて見えなくなってしまう。
【0083】濃度コントラストが高く白抜けの幅が細い
画像、特にX線単純写真及びCT画像に付随する患者情
報、撮影条件等のような文字画像では、何もインクを打
たない低濃度部分が高濃度インクによって浸食されるの
で、画像の白抜けが非常に悪く見えてしまう可能性があ
る。単純な計算で一方のエッジにおける濃インクが(D
−A)/2だけ浸食するので、両端からは2×(D−
A)/2=(D−A)の長さだけ低濃度領域が濃インク
に浸食されることになる。実際の文字画像では、幅が1
50μm以上あれば文字として認識できる範囲にあるの
で、白抜け部分が濃インクに浸食されずに残るために
は、D−A<150[μm]、すなわちD<A+150
[μm]である必要がある。さらに、実際は白抜け部分
が元画像の少なくとも半分以上、すなわち50μmは存
在しないと文字が潰れて読みづらくなってしまうことか
ら、D−A<75[μm]、すなわちD<A+75[μ
m]であることが好ましい。例えば、記録密度が主走査
1440dpi×副走査1440dpi(格子間隔約1
7.5μmに相当)の場合、画素数1024×1024
の画像を画素サイズ70μm(4×4のディザマトリッ
クスに展開)として記録する場合を考える。このとき、
一辺は約71.2mmで、X線CT画像やMRI画像で
実際に診断に用いている出力サイズに近い。文字部分に
おける線の幅は大体2画素分(140μm)であり、ド
ット数に換算すると線1本当り8ドットに相当する。白
抜け部分が濃インクに浸食されずに残る範囲は、D<
(17.5+150)μm、すなわちD<117.5μ
mである必要がある。さらに、文字が潰れて読みづらく
ならない範囲は、D<(17.5+75)μm、すなわ
ちD<92.5μmであることが好ましい。
【0084】<画質総合評価>以上より、粒状性、平均
濃度の安定性および鮮鋭性の観点から、インクのドット
径Dが記録ピッチAに対して1.5A≦D≦A+100
[μm]であることが好ましい。尚、上記関係式におい
ては、A≦150μmを満たすことが前提であり、A>
150μmの解像度においては、画質の観点から好まし
くない。
【0085】更に、文字抜けが良好であり、かつ濃度安
定性がより良好な画像を得るために2A≦D≦A+75
[μm]であることが好ましい。尚、上記関係式におい
てはA≦75μmを満たすことが前提であり、A>75
μmの解像度においては、画質の点から好ましくない。
【0086】しかし、実際はインクの吐出バラツキが存
在するので大抵の定着インクドット径が上記の範囲に含
まれればよい。本実施例では、インクジェット記録装置
の解像度を1440dpiと限定したが、最低360d
pi以上の解像度があればよく、高画質な医用画像を記
録するためには、720dpi以上の高解像度であるこ
とが好ましい。
【0087】必ずしも主走査方向Pmと副走査方向Ps
との解像度を一致させる必要はないが、両者のうちより
低解像度、すなわち記録ピッチが大きい方、A=max
(Pm、Ps)に関して上記の関係が成り立てばよい。
【0088】<ドット径とインク吐出頻度との関係>以
上、良好な画質を得るために好適なドット径の範囲につ
いて説明したが、それを実現する画像記録方法について
説明する。
【0089】通常の画像記録方法では、1回の走査間に
単独若しくは複数のノズルを用いて、一定の吐出間隔で
略同径のインクを吐出し、1回の走査で1主走査列分の
画像、すなわち主走査画像列を完成させる方法を用い
る。ここで、主走査列とは主走査方向に対して連なる
列、また、後述の副走査列とは副走査方向へと連なる列
を指すことにする。その画像記録方法を用いた場合にお
いて、記録媒体の表面エネルギー、インク吸収速度とい
った各物性の組み合わせにより、記録媒体表面上でビー
ディングが起こる場合がある。それは吐出されたインク
が記録媒体表面に残っている状態で次のインクが吐出さ
れた場合に起こり得る現象である。
【0090】図12はインク着弾から吸収までの模式図
を表す。記録媒体Mの表面にインク滴が着弾後、次の着
弾との間隔が充分にない場合(図12(a)参照)は、
直前に着弾したインクドットと記録媒体Mの表面上で連
結し(図12(b)参照)、インクが記録媒体Mに吸収
されると、濃度ムラが発生する(図12(c)参照)。
【0091】また、1走査内でインクを連続吐出する場
合は安定した着弾位置精度を保つことができるが、断続
的にインクを吐出する場合は特にインク吐出開始時点に
おける着弾位置がずれることがある。着弾位置のずれに
よってインク液滴が混合しやすくなり、ビーディングを
起こしやすくなる。その結果、出力濃度が局所的に変動
し、場合によっては擬似輪郭として見えてしまい画質を
損ねる可能性がある。特に、医用画像の場合は、擬似輪
郭を有する箇所が病変として誤認されるおそれがあるた
め好ましくない。
【0092】そこで、1回の走査間に単独若しくは複数
のノズルを用いて一定の吐出間隔で略同径のインクを吐
出し、複数回の走査で1副走査列分の画像を完成させる
方法、いわゆる多重走査記録方法を用いて上記の問題点
を克服することが考えられる。
【0093】例えば、1走査間に1副走査画像列の画像
を完成させるときインクを吐出するピッチ、すなわち吐
出ピッチ(書き込みピッチ)Bは主走査記録ピッチAに
等しく、n(nは任意の自然数)走査間に1副走査画像
列の画像を完成させるとき吐出ピッチBはB=nAとす
ればよい。ただし、Aは前出の主走査方向における記録
ピッチに相当し、nを分割走査数と呼ぶことにする。
【0094】図13は、多重走査記録方法についての概
要図を示す。主走査方向に駆動してノズルからインクを
吐出する記録ヘッド102と、副走査方向に搬送される
記録媒体Mのみが記されている。
【0095】簡単のため、5個のノズルを有する記録ヘ
ッド102が1個だけある場合を例に挙げる。ノズルの
間隔は記録ピッチの4倍(=4A)に相当する。図13
中(a)図から(h)図までは実際に画像が完成するま
での過程を時系列で示した図であり、記録媒体Mに付さ
れた黒丸(●)が記録ヘッドの走査と共に印字された部
分、白丸(○)が既に印字された部分を表す。
【0096】記録ヘッド102の往時のみ印字を行う、
いわゆる片方向印字であり、記録ヘッド102が往路を
走査しながらインク滴を吐出し、記録ヘッド102が復
路を走査する間に記録媒体を所定量だけ搬送する。
【0097】以下、この動作を繰り返すことにより画像
が記録される。例えば、図13のように、分割走査数n
=2、記録媒体の搬送量を「2A→3A→2A→3A→
……」、インク吐出位置を「(副走査列の)奇数列→偶
数列→奇数列→偶数列→……」と周期的な動作を反復す
ることにより、任意の2次元画像を隈なく記録すること
ができる。
【0098】また、ノズル或いは記録ヘッド102の個
数を増加し、色調の異なる複数のインク又は同系色で濃
度の異なるインクを組み合わせることにより、多色又は
単色において多階調の画像を設計通りに記録することが
可能となる。
【0099】記録媒体に記録されたドット径Dの平均値
をDave、吐出ピッチ対ドット径比εをε=(吐出ピ
ッチ)/(平均ドット径)=(分割走査数)・(記録ピ
ッチ)/(ドット径)=nA/Dと定義する。
【0100】図14は記録方法の違いによる記録後の画
像状態を表す(η=2.0の場合)。(a−1)図はド
ット径1個分おきにインクを吐出した場合(ε=1.
0)に相当する。丸数字は、その数字の位置に対応した
インクドットが記録ヘッドのその走査回数目にインクが
吐出されて画像が記録されたことを意味し、8回の走査
で画像が完成している。2回の走査で1副走査列の画像
を完成している。
【0101】(a−2)図、(a−3)図に示すよう
に、各インクドットが連結すると互いに引き寄せられて
1個の大きなドットとなり、記録媒体上に局所的に隙間
が発生し、濃度ムラが現われるため、粒状性の劣化につ
ながる可能性がある。
【0102】(b−1)図はドット径2個分おきにイン
クを吐出した場合(ε=2.0)に相当する。充分にド
ット同士の間隔があるため((b−2)図参照)、各々
のインク滴がそのまま記録媒体のインク受容層内に吸収
されるので、設計通りの出力濃度が得られ、更には良好
な画像が得られる((b−3)図参照)。
【0103】また、分割操作数が少ない場合には、つの
主走査画像列に対し同一ノズルを用いる割合が高くなる
ため、インク液滴が吐出できない不良ノズルが1つでも
存在する場合には、筋ムラが目立ちやすくなることがあ
る。この観点からも、分割走査数を増やすことが好まし
い。
【0104】図15は、筋ムラの主観評価を行った結果
を示す図である。η=2.17を一定に保ちながら分割
走査数を1〜6まで変化させた場合における濃度均一画
像を作成し、目視による主観評価を行った結果を示す。
ε≧2.0で筋ムラが検知されない良好な画像を得られ
ることを確認した。
【0105】ドット径に対して過度に吐出ピッチを大き
くし、分割走査数を増やして画像を記録する場合、使用
ノズル数の増加に伴い記録時間が掛かることが予想され
る。記録媒体の搬送精度とノズルのインク着弾位置精
度、及び記録時間との兼ね合いで最適な分割走査数が決
定するので、例えば、2≦ε≦8の範囲内の適度な分割
走査数にした方が良い。
【0106】尚、本実施の形態例では、診断に使用する
医用画像に限って説明したが、参照用画像でも良く、或
いは医用に限らずOHP(オーバーヘッドプロジェク
タ)用シート等の透過画像に適用しても良い。
【0107】また、上記実施の形態例ではカラー画像で
説明を行ったが、モノクロ画像ではさらに良好な結果を
得ることができる。本実施の形態例では、インクジェッ
ト記録装置に限ったが、ワイヤードット記録方式等、無
数のドットを用いて画像形成する方式に広く適用でき
る。特に、インクジェット方式においては、インク滲み
やビーディング等の微視的変化により画質劣化が起こり
やすいため、本実施の形態例は特に好ましい態様であ
る。
【0108】また、本発明はカラー画像でもモノクロ画
像でも、あるいは同系色/非同系色のインクの組み合わ
せに対しても適用可能である。カラー画像においては、
インク液滴のビーディングによる色調変化を抑えること
がが可能であるし、モノクロ画像においては、安定した
階調特性を得られるのみならず、人間の視覚おいてはグ
レーは多色よりもコントラスト分解能が高いため、特に
本発明の効果が見られる。更に、同系色のインクを用い
て画像を記録する場合には、単階調でかつ出力濃度が安
定した単色画像を得ることができるため好ましい。
【0109】更に、本実施の形態例の画像記録装置に画
像データを入力する装置(デバイス)としては、X線撮
影装置、X線コンピュータ断層撮影装置(X線CT装
置)や磁気共鳴画像形成装置(MRI装置)、超音波画
像影診断装置や電子内視鏡、眼底カメラなどがあるが、
これらに限定するものではない。
【0110】また、上述した実施形態例の機能を実現す
るために、本実施の形態例の画像記録装置、本実施の形
態例の画像記録装置に画像データを入力する装置、更に
は本実施の形態例の画像記録装置と本実施の形態例の画
像記録装置に画像データを入力する装置とを含むシステ
ムの各コンピュータ(CPUあるいはMPU)に対し、
上記実施の実施の形態例を実現するためのソフトウエア
のプログラムコードを供給し、それらに格納されたプロ
グラムに従って、動作させることも本発明の範疇であ
る。
【0111】更に、上記ソフトウエアのプログラムコー
ド自体が実施の形態例の機能を実現することになり、そ
のプログラムコード自体、及びそのプログラムコードを
コンピュータに供給するための手段も本発明の範疇であ
る。
【0112】プログラムコードをコンピュータに供給す
るための手段としては、記憶媒体があり、記憶媒体とし
ては、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディ
スク、光磁気ディスク、CD−ROM、磁気テープ、不
揮発性のメモリカード、ROM等がある。
【0113】また、コンピュータが供給されたプログラ
ムコードを実行することにより、上述の実施の形態例で
説明した機能が実現されるだけでなく、そのプログラム
コードがコンピュータにおいて稼動しているOS(オペ
レーティングシステム)あるいは他のアプリケーション
ソフト等と共同して上記実施の形態例で示した機能が実
現される場合にもかかるプログラムコードは本発明の実
施の形態例に含まれることはいうまでもない。
【0114】更に、供給されたプログラムコードがコン
ピュータの機能拡張ボードやコンピュータに接続された
機能拡張ユニットに備わるメモリに格納された後、その
プログラムコードの指示に基づいてその機能拡張ボード
や機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一
部又は全部を行い、その処理によって上述した実施の形
態例の機能が実現される場合も本発明に含まれることは
言うまでもない。
【0115】本実施の形態例は、医用画像、特に、X線
単純撮影により得られるモノクロ多階調医用画像であっ
て極めて高画質が要求される画像においては、その階調
補正の効果が顕著に現れるため有効である。
【0116】また、本実施の形態例では、主に医用画像
記録装置を用いた例で説明を行なったが、本発明は画像
記録装置の用途を限定するものではなく、デジタルプリ
ンタを使用する広い分野において適用が可能である。ま
たモノクロ画像に限らず、YMCK或いはRGBの原色
を組み合わせるカラー画像に関しても適用が可能であ
る。
【0117】
【発明の効果】以上述べたように請求項1記載の発明、
請求項9記載の発明によれば、前記記録媒体に記録され
たドット径Dの範囲が1.5A≦D≦A+150[μ
m]であることにより、インクのドット径及び着弾位置
ずれ等の記録上のバラツキ因子に影響されることなく、
特に透過画像において高画質なプリント画像を得ること
ができる。
【0118】請求項2記載の発明、請求項10記載の発
明によれば、 前記ドット径Dの範囲が2A≦D≦A+
75[μm]であることにより、さらに、インクのドッ
ト径及び着弾位置ずれ等の記録上のバラツキ因子に影響
されることなく、特に透過画像において、高画質なプリ
ント画像を得ることができる。
【0119】請求項3記載の発明、請求項11記載の発
明によれば、前記ドット径が略同サイズになるように前
記記録媒体上にドットを形成することにより、画像の至
るところでドット径の分布はほぼ一様となり、ドット径
の局所的なバラツキを抑えることができるため、良好な
画質を得ることができる。
【0120】請求項4記載の発明、請求項12記載の発
明によれば、前記ドット径をn個(n≧1)のサイズD
1、D2、……、Dn(D1≧D2≧……≧Dn)とな
るように形成し、D1に対し前記(1)(3)式を満た
すように前記記録媒体上にドットを形成することによ
り、最も画像のザラツキ感を起こしやすいDmaxのド
ット径のみで記録した画像においても良好な画質を得る
ことができ、さらにはいかなる複数のドット径の組み合
わせを用いても良好な画質を得ることができる。
【0121】請求項5記載の発明、請求項13記載の発
明によれば、複数回の主走査によって主走査画像列を完
成させることにより、副走査方向への記録媒体の搬送量
の誤差、ノズルのインク液滴吐出不良等に起因するる筋
ムラを低減できる。
【0122】請求項6記載の発明、請求項14記載の発
明によれば、前記ドット径D1の平均値がDaveであ
るとき、1回の主走査における主走査方向への書込ピッ
チPm’の範囲がPm’≧2Daveを満たすように前
記記録媒体上にドットを形成することにより、同一走査
内におけるビーディング(隣同士のドットが連結)によ
り、粒状性の悪化・エッジ強調などを引き起こすことな
く、ドット径のサイズ、およびドットの着弾位置のバラ
ツキに対しても画質が良好となる。
【0123】請求項7記載の発明、請求項16記載の発
明によれば、解像度が360dpi以上となるようにド
ットを形成することにより、高画質の画像を得ることが
できる。
【0124】請求項8記載の発明、請求項17記載の発
明によれば、解像度が720dpi以上となるようにド
ットを形成することにより、高画質の画像を得ることが
できる。
【0125】請求項15記載の発明によれば、前記記録
ヘッドから吐出するインク液滴量を制御することによ
り、容易にドット径を制御することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態例のインクジェット記録装置の電気
的構成を説明する図である。
【図2】本実施の形態例のインクジェット記録装置の全
体構成を説明する図である。
【図3】図1の記録素子駆動手段の内部構成を示すブロ
ック図である。
【図4】図1の記録ヘッドの構成図である。
【図5】マルチサイズドットを形成する駆動信号整形回
路の内部構成を示すブロック図である。
【図6】図5の駆動信号成形回路での駆動信号波形を示
すタイミングチャートである。
【図7】図1の記録媒体の構成図である。
【図8】正方格子上に等間隔に同一濃度のインク滴を一
様に打った場合のインクドット重なりの模式図である。
【図9】主走査記録ピッチを変化させた均一濃度画像を
作成し、実際に目視による粒状性評価を行った結果を示
す図である。
【図10】ドット径と濃度との関係を示した図である。
【図11】1ライン当り8ドットの幅をもつ線画像の模
式図である。
【図12】インク着弾から吸収までの模式図である。
【図13】多重走査記録方法についての概要図である。
【図14】記録方法の違いにより記録後の画像状態を表
す図である。
【図15】筋ムラの主観評価を行った結果を示す図であ
る。
【符号の説明】
M 記録媒体 101 記録ヘッドユニット 102 記録ヘッド 103 制御手段
フロントページの続き (72)発明者 本田 凡 東京都日野市さくら町1番地 コニカ株式 会社内 Fターム(参考) 2C056 EA04 EA24 EC76 ED01 ED07 EE14 2C057 AF23 AF29 AF39 BA04 BA14 CA01 CA05 CA07

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録媒体を副走査方向に移動させなが
    ら、前記記録媒体に対して副走査方向に交差する主走査
    方向へ記録ヘッドを相対的に移動させつつ前記記録ヘッ
    ドからインク液滴を吐出し、前記記録媒体に前記インク
    液滴を付着させることによって、前記記録媒体上にドッ
    トによる透過画像を形成する画像記録方法において、 前記記録媒体に記録されたドット径Dの範囲が以下の式
    (1)を満たすように前記記録媒体上にドットを形成す
    ることを特徴とする画像記録方法。 1.5A≦D≦A+150[μm]……(1) ただし、 A=max(Pm,Ps) Pm=主走査方向への記録ピッチ Ps=副走査方向への記録ピッチ
  2. 【請求項2】 前記ドット径Dの範囲が以下の式(2)
    を満たすように前記記録媒体上にドットを形成すること
    を特徴とする請求項1記載の画像記録方法。 2A≦D≦A+75[μm]……(2) ただし、 A=max(Pm,Ps) Pm=主走査方向への記録ピッチ Ps=副走査方向への記録ピッチ
  3. 【請求項3】 前記ドット径が略同サイズになるように
    前記記録媒体上にドットを形成することを特徴とする請
    求項1記載の画像記録方法。
  4. 【請求項4】 前記ドット径をn個(n≧1)のサイズ
    D1、D2、……、Dn(D1≧D2≧……≧Dn)と
    なるように形成し、 D1に対し前記(1)式を満たすように前記記録媒体上
    にドットを形成することを特徴とする請求項1又は2記
    載の画像記録方法。
  5. 【請求項5】 複数回の主走査によって主走査画像列を
    完成させることを特徴とする請求項4記載の画像記録方
    法。
  6. 【請求項6】 前記ドット径D1の平均値がDaveで
    あるとき、1回の主走査における主走査方向への書込ピ
    ッチPm’の範囲がPm’≧2Daveを満たすように
    前記記録媒体上にドットを形成することを特徴とする請
    求項5記載の画像記録方法。
  7. 【請求項7】 解像度が360ドット/25.4mm
    (360dpi、以下、ドット/25.4mmをdpi
    と記す)以上となるようにドットを形成することを特徴
    とする請求項1乃至6のいずれかに記載の画像記録方
    法。
  8. 【請求項8】 解像度が720dpi以上となるように
    ドットを形成することを特徴とする請求項1乃至6のい
    ずれかに記載の画像記録方法。
  9. 【請求項9】 画像をあらわす画像信号に基づいて記録
    媒体に画像を記録する画像記録装置であって、 複数のノズル、該複数のノズルからインク液滴をそれぞ
    れ吐出させるための複数の吐出駆動素子とを有する記録
    ヘッドと、 前記記録媒体を副走査方向に搬送する搬送手段と、 前記記録媒体に対して副走査方向に交差する主走査方向
    へ前記記録ヘッドを駆動する駆動手段と、 前記記録媒体の表面に前記インク液滴が付着することに
    より形成されたドット径Dの範囲が以下の式(3)を満
    たすように前記ドット径を制御する制御手段と、 を備えることを特徴とする画像記録装置。 1.5A≦D≦A+150[μm]……(3) ただし、 A=max(Pm,Ps) Pm=主走査方向への記録ピッチ Ps=副走査方向への記録ピッチ
  10. 【請求項10】 前記制御手段は、 前記ドット径が以下の式(4)を満たすように前記ドッ
    ト径を制御することを特徴とする請求項9記載の画像記
    録装置。 2A≦D≦A+75[μm]……(4) ただし、 A=max(Pm,Ps) Pm=主走査方向への記録ピッチ Ps=副走査方向への記録ピッチ
  11. 【請求項11】 前記制御手段は、前記ドット径が略同
    サイズになるように前記ドット径を制御することを特徴
    とする請求項9又は10記載の画像記録装置。
  12. 【請求項12】 前記制御手段は、 前記ドット径をn個(n≧1)のサイズD1、D2、…
    …、Dn(D1≧D2≧……≧Dn)となるように制御
    すると共に、 D1に対し前記(3)式を満たすように前記ドット径を
    制御することを特徴とする請求項9又は10記載の画像
    記録装置。
  13. 【請求項13】 前記制御手段は、複数回の主走査によ
    って主走査画像列を完成させることを特徴とする請求項
    12記載の画像記録装置。
  14. 【請求項14】 前記制御手段は、 前記記録媒体に記録されたドット径D1の平均値がDa
    veであるとき、1回の主走査における主走査方向への
    書込ピッチPm’の範囲がPm’≧2Daveを満たす
    ように制御することを特徴とする請求項13記載の画像
    記録装置。
  15. 【請求項15】 前記制御手段は、 前記記録ヘッドから吐出するインク液滴量を制御するこ
    とを特徴とする請求項9乃至14のいずれかに記載の画
    像記録装置。
  16. 【請求項16】 前記制御手段は、 解像度が360dpi以上になるように前記記録ヘッド
    の駆動を制御することを特徴とする請求項9乃至15の
    いずれかに記載の画像記録装置。
  17. 【請求項17】 前記制御手段は、 解像度が720dpi以上になるように前記記録ヘッド
    の駆動を制御することを特徴とする請求項9乃至15の
    いずれかに記載の画像記録装置。
  18. 【請求項18】 前記記録ヘッドは、濃度の異なる同系
    色インクを吐出可能な記録ヘッドであって、 前記制御手段は、前記同系色インクを前記記録媒体に吐
    出するように制御することを特徴とする請求項9乃至1
    7のいずれかに記載の画像記録装置。
  19. 【請求項19】 医用画像を表す画像信号に基づいて前
    記記録媒体に医用画像を記録することを特徴とする請求
    項9乃至18のいずれかに記載の画像記録装置。
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