JP6299730B2 - 車両の側部車体構造 - Google Patents
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Description
これらのブラケットは、フェンダパネルを支持するという基本的なフェンダ支持機能と、歩行者等の衝突体と衝突した際にボンネット上に跳ね上げられた衝突体へのダメージを軽減するためにボンネットから受ける衝撃力を吸収する衝撃力吸収機能が求められている。
そして、フェンダパネルの車幅方向内側端部を含むフランジ部とエプロンレインフォースメントとの間に上記ブラケットを配設した場合、フランジ部とエプロンレインフォースメントとの間に一定の間隙が形成されることから、エンジンルーム内の見栄え向上を狙いとして、フェンダエッジカバー(フェンダプロテクタとも言う)が設けられている。
これにより、フェンダパネルのフランジ部とエプロンレインフォースメントとの間をフェンダエッジカバーによって被覆することができ、エンジンルーム内の見栄えを向上している。
一方、車両デザインの多様化に伴い、フェンダパネルの前端側部分がエプロンレインフォースメントの前端側部分に対して車幅方向に大きく離隔した構造が存在している。
このような構造を採用した場合、特許文献1のフェンダエッジカバーでは、上壁部の大型化(幅広化)或いは側壁部の構造変更を余儀なくされ、フェンダエッジカバーの重量が増加し、生産コストの上昇を招く虞がある。
しかし、側壁部の下端側部分の支持を廃止した場合、側壁部に有効な引張り力を作用させることができず、車体振動等に起因した波うちや口開き等の面変形が発生する虞がある。
特に、車体重量の軽減を狙いとして、フェンダエッジカバーを薄肉化した場合には、側壁部の剛性低下によって面変形が助長されることが予想される。
また、第1リブ部が、隣り合う取付ボス部の間において上壁部と側壁部とに亙って延びているため、側壁部に発生する波うちを抑制することができ、取付ボス部と第2リブ部との間に発生する引張り力を側壁部に作用させることにより側壁部の口開きを抑制することができる。しかも、第2リブ部が、取付ボス部の車幅方向内側部位に対応する位置において上壁部の取付ボス部よりも車幅方向内側の車幅方向内側端部分と側壁部の上端部分とに架け渡されるように一体形成されているため、取付ボス部の配置に影響を与えることなく小型の第2リブ部で側壁部の口開きを抑制することができる。
この構成によれば、全長の長い第1リブ部の上下幅を短縮化することができ、一層フェンダエッジカバーの軽量化を図ることができる。
この構成によれば、全長の長い第1リブ部数を低減しつつ効果的に側壁部に発生する波うちを抑制することができる。
この構成によれば、カバー部材の組付効率を向上させることができる。
以下の説明は、本発明を車両の側部車体構造に適用したものを例示したものであり、本発明、その適用物、或いは、その用途を制限するものではない。
まず、車両Vの前提構造について説明する。
図1に示すように、車両Vは、前後に延びる左右1対のフロントサイドフレーム1と、前後に延びる左右1対のエプロンレインフォースメント(以下、エプロンレインと省略する)2と、車幅方向外側を覆う左右1対のフロントフェンダパネル(以下、フェンダパネルと省略する)3と、左右1対のフェンダエッジカバー(以下、エッジカバーと省略する)15等を備えている。
尚、左右1対の各部材は、左右対称構造であるため、右側の構造を主に説明する。
また、矢印F方向を前方とし、矢印L方向を左方とし、矢印U方向を上方として説明する。
図1〜図5に示すように、左右1対のフロントサイドフレーム1は、断面略矩形状の閉断面構造に形成され、車室の前端を仕切るダッシュパネル(図示略)の前側においてエンジンルームEの左部と右部において夫々前後に延びるように配設されている。
フロントサイドフレーム1は、車両Vの前端側位置から後方へ向かって略水平状に延び且つ後端側途中部がダッシュパネルの縦壁部に接合され、後端側部分が傾斜部とフロアパネル(図示略)の下面に沿って後方下がり傾斜状に延びて接合されている。フロントサイドフレーム1の後端側部分はダッシュパネルに接合されている。
バンパレインフォースメントの前方には、バンパレインフォースメントの前側周辺を覆うバンパフェイシャ4が配設されている。このバンパフェイシャ4は、長手方向途中部がバンパレインフォースメントに支持され、左右両端部がフェンダパネル3に支持されている。
図1〜図5に示すように、左右1対のエプロンレイン2は、左右1対のフロントサイドフレーム1よりも上側且つ車幅方向外側に夫々配設され、1対のヒンジピラー7の付け根部分からクラッシュカンの後端部と前後方向略同位置まで略直線状に夫々延設されている。エプロンレイン2は、内壁部を含む上半部を構成する上側パネルと、外壁部を含む下半部を構成する下側パネルとによって前後に延びる閉断面を構成している。
図4に示すように、連結フレーム10は、金属製板材をプレス加工することにより成形され、正面視にて逆L字状に形成されている。連結フレーム10の上端部分は、断面略コ字状に形成され、エプロンレイン2の上側パネルと下側パネルとの間に挟着されて3重接合されている。連結フレーム10の下端部分は、断面略L字状に形成され、フロントサイドフレーム1の前端部右側部分に接合されている。
連結フレーム10の後側には、フェンダステー11が配設されている。このフェンダステー11は、下端部がフロントサイドフレーム1の前端部右側部分に接合され、上方程右側に移行するように形成されている。フェンダステー11の上端部は、連結フレーム10の上端部よりも下方且つ右側位置に配設されている。
図1に示すように、合成樹脂製のバンパフェイシャ4は、平面視にて中間部分が前方に突出した略湾曲状に形成され、正面部分に走行風をエンジンルームE内に導入可能なグリル開口部が形成されている。このバンパフェイシャ4は、中間部分がバンパレインフォースメントに支持され、左右両端側部分がフェンダパネル3に支持されている。
バンパフェイシャ4には、左右両端側部分が車幅方向内側に屈曲されてフェンダパネル3の縦壁部と僅かな隙間を空けて対向する縦壁部が形成され、この縦壁部の先端部が前方に屈曲されてフランジ部が形成されている。左右両フランジ部は、2つのクリップを介してフェンダパネル3の上下1対の支持部に連結されている。
図1〜図5に示すように、フェンダパネル3は、エプロンレイン2の右側を上方から下方に亙って覆うように設けられている。このフェンダパネル3は、金属製板材、例えばアルミ合金製板材を金型を用いたプレス加工によって単一部品として成形されている。
フェンダパネル3は、平面視にて前側程エプロンレイン2から右方に離隔するように形成され、車両Vの右側意匠面である側壁部21と、この側壁部21から縦壁部を介して連なる第1〜第3フランジ部25〜27等を備えている。
図2に示すように、第1フランジ部25は、左右方向に対して略直交する平坦面部と、この面部に形成されたボルト穴を備えている。この第1フランジ部25は、フェンダステー11の上端部にボルトb1によって締結固定されている。
第2フランジ部26は、左右方向に対して略直交する平坦面部と、この面部に形成されたボルト穴を備えている。この第2フランジ部26は、前側下端部がフェンダステー11の上端部にボルトb1によって締結固定され、後側下端部がヒンジピラー7に設けられたブラケットにボルトb2によって締結固定されている。
この第3フランジ部27には、3つの取付部27a〜27cと、4つの支持部27d〜27g等が形成されている。
前側取付部27aは、第1ブラケット12に対応した位置にボルト穴を備え、中間取付部27bは、第2ブラケット13に対応した位置にボルト穴を備え、後側取付部27cは、第3ブラケット14に対応した位置にボルト穴を備えている。
4つの支持部27d〜27gは、前後に等間隔になるように配置されたクリップ穴を備え、エッジカバー15を4つのクリップc(図10参照)によって支持している。
第1ブラケット12は、フェンダパネル3の前側取付部27aに下方に向かう所定の荷重が作用したとき、潰れ変形し、所定の荷重よりも大きな荷重が作用したとき、潰れ変形に引き続いて左右方向途中部において折れ変形を行うように構成されている。
図1〜図5に示すように、第1ブラケット12は、エプロンレイン2と連結フレーム10との連結部位においてエプロンレイン2の上側パネルに支持されている。
前側脚部13a,14a及び後側脚部13b,14bには、夫々縦長開口部が形成されている。それ故、フェンダパネル3の中間取付部27b,後側取付部27cに下方に向かう所定以上の荷重が作用したとき、各脚部13a,13b,14a,14bは、中断部分を起点として潰れ変形可能に構成されている。
図1〜図5に示すように、エッジカバー15は、樹脂材料(例えばゴム材等)による一体部品として成形され、フェンダパネル3の第3フランジ部27及び第2,第3ブラケット13,14等を配設するための第3フランジ部27とエプロンレイン2とから形成された空間部を覆うように形成されている。
取付ボス部41a〜41dは、上壁部41の右端側部分で且つ第3フランジ部27の支持部27d〜27gに夫々対応した位置において下方に突出し、クリップcが挿通可能に形成されている。図10に示すように、取付ボス部41cは、支持部27fの周辺部分に面接触するように形成され、取付ボス部41cの開口部に挿通されたクリップcによって上壁部41を第3フランジ部27の上部に取り付けている。取付ボス部41a,41b,41dについても、取付ボス部41cと同様に構成されている。
図9に示すように、6つの突出部41sは、取付ボス部41a〜41dと同じ上下長になるように形成されている。これら突出部41sは、取付ボス部41a,41b間に1つ、取付ボス部41b,41c間に3つ、取付ボス部41c,41d間に2つ配置されている。
側壁部42の後端側部分には、部分的に左方に膨出する膨出部が形成されている。
図9に示すように、これら第1リブ部43a〜43hは、取付ボス部41a,41b間に第1リブ部43a,43bが配置され、取付ボス部41b,41c間に第1リブ部43c〜43fが配置され、取付ボス部41c,41d間に第1リブ部43g,43hが夫々配置されている。
そして、第1リブ部43hと第3リブ部45bとの間に第2リブ部44iが配置され、第4リブ部46a,46b間に第2リブ部44jが配置されている。
以上のように、第1リブ部43a,43b間及び第1リブ部43c〜43h間では、第1リブ部と第2リブ部とが前後方向において交互に配置されている。
第2リブ部44aは、この第2リブ部44aの頂点位置における最小幅w2、即ち、第2リブ部44aの頂点と接点t2との離隔距離、が第1リブ部43cの上下幅w1よりも長くなるように設定されている。第2リブ部44b〜44jについても、第2リブ部44aと同様に構成されている。本実施例では、第2リブ部44a〜44jを正面視にて略三角状に形成しているため、口開きの抑制効果に加え、成形性にも優れている。
第3リブ部45aは、取付ボス部41aから側壁部42の上端部分に亙って左方に延びるように形成されている。第3リブ部45bは、第2リブ部44iと第4リブ部46aとの間において、上壁部41の右端部から側壁部42の上端部分に亙って左方に延びるように形成されている。
第4リブ部46a〜46cは、何れも略同様に構成され、左側程下方に移行するように形成されている。
この車両Vの側部車体構造によれば、第3フランジ部27に形成された円弧状左端部に上方から当接する第1リブ部43a〜43hと第3フランジ部27に形成された円弧状左端部の左側部位に鉛直方向に対して交差する方向から当接する第2リブ部44a〜44jとを設けているため、フェンダパネル3の形状に拘らず、エッジカバー15の上下方向及び車幅方向の位置決めを行うことができる。
また、第1リブ部43a〜43hが、隣り合う取付ボス部41a〜41dの間において上壁部41と側壁部42とに亙って延びているため、側壁部42に発生する波うちを抑制することができ、取付ボス部41a〜41dと第2リブ部44a〜44jとの間に発生する引張り力を側壁部42に作用させることにより側壁部42の口開きを抑制することができる。しかも、第2リブ部44a〜44jが、取付ボス部41a〜41dの左側部位に対応する位置において上壁部41の取付ボス部41a〜41dよりも左側の左側端部分と側壁部42の上端部分とに架け渡されるように一体形成されているため、取付ボス部41a〜41dの配置に影響を与えることなく小型の第2リブ部44a〜44jで側壁部42の口開きを抑制することができる。
1〕前記実施形態においては、第1リブ部を8ヶ所、第2リブ部を10ヶ所設けた例を説明したが、第1リブ部及び第2リブ部の設置個数は限定されるものではなく、エッジカバーの材質、板厚(肉厚)、要求される剛性等に基づき任意の個数に設定することが可能である。また、第1,第2リブ部に加えて、第3,第4リブ部を設けた例を説明したが、仕様に応じて省略することも可能である。
5〕その他、当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱することなく、前記実施形態に種々の変更を付加した形態で実施可能であり、本発明はそのような変更形態も包含するものである。
2 エプロンレイン
3 フェンダパネル
15 エッジカバー
27 第3フランジ部
41 上壁部
41a〜41d 取付ボス部
42 側壁部
43a〜43h 第1リブ部
44a〜44j 第2リブ部
w1 上下幅
w2 最小幅
Claims (4)
- 車体前後方向に延びるエプロンレインフォースメントと、このエプロンレインフォースメントの車幅方向外側を覆うように配設されたフェンダパネルと、このフェンダパネルの車幅方向内側端部を含むフランジ部及びこのフランジ部と前記エプロンレインフォースメントとの間を覆うように車体前後方向に延びるカバー部材とを備えた車両の側部車体構造において、
前記カバー部材が、
前記フランジ部に支持され且つフランジ部に上方から当接して車体前後方向に並んだ複数の取付ボス部を有する上壁部と、
前記上壁部の車幅方向内側端部から下方に延設された側壁部と、
前記複数の取付ボス部のうち隣り合う取付ボス部の間において前記上壁部と側壁部とに亙って延びる複数の第1リブ部であって、前記フランジ部に上方から当接する複数の第1リブ部と、
前記複数の取付ボス部の車幅方向内側部位に対応する位置において前記上壁部の前記取付ボス部よりも車幅方向内側の車幅方向内側端部分と側壁部の上端部分とに架け渡されるように一体形成された複数の第2リブ部であって、前記フランジ部の車幅方向内側端部に鉛直方向に対して交差する方向から当接する複数の第2リブ部とを備えたことを特徴とする車両の側部車体構造。 - 前記第2リブ部の頂点位置における最小幅が前記第1リブ部の上下幅よりも長くなるように形成されたことを特徴とする請求項1に記載の車両の側部車体構造。
- 前記カバー部材は、少なくとも一部の前記第1リブ部と第2リブ部とが交互に配置されたことを特徴とする請求項1又は2に記載の車両の側部車体構造。
- 前記側壁部の下端部が前記エプロンレインフォースメントから上方に離隔して配置されていることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の車両の側部車体構造。
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