JP6296284B2 - コンクリート部材及びその製造方法 - Google Patents
コンクリート部材及びその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6296284B2 JP6296284B2 JP2014032041A JP2014032041A JP6296284B2 JP 6296284 B2 JP6296284 B2 JP 6296284B2 JP 2014032041 A JP2014032041 A JP 2014032041A JP 2014032041 A JP2014032041 A JP 2014032041A JP 6296284 B2 JP6296284 B2 JP 6296284B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- concrete
- wood
- concrete member
- portland cement
- color
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Paints Or Removers (AREA)
- Aftertreatments Of Artificial And Natural Stones (AREA)
- Curing Cements, Concrete, And Artificial Stone (AREA)
Description
更に、例えば特許文献3には、吸水性の殆どないインキを用いた絵柄の印刷を施した印刷原紙を合板上に積層してなる型板を用いて型枠を構成し、この型枠内にコンクリートを注入することにより、絵柄の印刷に応じた濃淡をもつコンクリートの表面を形成する化粧コンクリートの打設方法が開示されている。
上記(2)のコンクリート部材によれば、石灰砕砂に由来する美しい色合いが着色面に反映されるとともに、石灰砕砂の色合いが加わることによって、コンクリート表面に付着されたフェノール性化合物が有する自然の木材様の色合いを一層引き立てることができる。
上記(3)のコンクリート部材によれば、コンクリート表面に付着されたリグニン及びタンニンが有する木材の色調を活かして、より自然な木材の風合いを表現することができる。
上記(4)のコンクリート部材によれば、コンクリート表面に付着された没食子酸が有する木材の色調を活かして、より自然な木材の風合いを表現することができる。
上記(6)の製造方法によって製造されたコンクリート部材によれば、コンクリート表面に付着された、実際の木材から抽出された複数種類の化合物を含む色素の色調を活かして、より一層自然な木材の風合いを表現することができる。
上記(7)の製造方法によって製造されたコンクリート部材によれば、コンクリート表面に付着された、pH4以上の水系溶媒を用いて実際の木材から抽出された発色性に優れた複数の化合物からなる色素が有する色調を活かして、より一層自然な木材の風合いを表現することができる。
上記(8)の製造方法によって製造されたコンクリート部材によれば、コンクリート表面に付着された、スギ、ラワン又はラーチから抽出された色素の色調を活かして、原料の木材に比較的近い風合いを表現することができる。
上記(5)のコンクリート部材によれば、着色面の色合いとともに、着色面に形成された木材模様(木目)の凹凸によって、自然の木材の表面と同様の陰影が表れるため、更により一層自然な木材の風合いを表現することができる。
図1は、本実施形態の化粧コンクリート2(コンクリート部材)を示す模式図である。
化粧コンクリート2は、建物や構造物を構成するコンクリート部材4の化粧面4a(表面)に図示しない自然調の色を発するフェノール性化合物(後述する化合物P1)を含むコンクリート着色剤が付着されたものである。
ここで、コンクリート着色剤が「付着された」とは、「塗布された」、「含浸された」及び「転写された」を含む用語である。
図2に示すように、先ず、コンクリート部材4の大きさに合致した木製合板、鋼或いは樹脂等からなる型枠10を組み立てる。図2に示した矩形の型枠10は一例であり、他の形状であってもよい。次に、型枠10内にコンクリート部材4を構成するコンクリート12を打設し、固化(硬化)させる。
続いて、図3に示すように、コンクリート部材4の化粧面4aに後述するコンクリート着色剤13を付着させる。なお、高濃度のリグニンはコンクリート12の固化を抑制する場合があるため、コンクリート着色剤13に含まれるリグニンの量はコンクリート12の固化が阻害されない程度であることが好ましい。
ここで、コンクリート着色剤を「付着させる」とは、「塗布する」、「含浸させる」及び「転写する」を含む用語である。
以上の工程により、化粧コンクリート2が完成する。
図4は、本実施形態のコンクリート着色方法を用いて製造される化粧コンクリート3を示す模式図である。なお、図4に示す化粧コンクリート3の構成要素のうち、第一実施形態の化粧コンクリート2と同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
以下、第二実施形態の化粧コンクリート3の製造方法を説明する。
先ず、図5に示すように、コンクリート部材4の大きさに合致した型枠10を組み立てる。この際、型枠10の底板として、木材模様の凹凸パターンを型枠10の内側に向けた木製型枠(木材)14を設置する。型枠10の側板としては、底板と同様の木製型枠14を用いてもよく、鋼或いは樹脂からなる型枠材を用いてもよい。なお、型枠10の底板は必ずしも木製である必要はなく、相形状を有していれば木製以外の合成ゴム、金属等から構成されてもよい。
続いて、コンクリート部材4の化粧面4aにコンクリート着色剤13を塗布する。その塗布方法及び乾燥方法は第一実施形態で説明した内容と同様に行うことができる。
以上の工程により、化粧コンクリート3が完成する。
本発明に用いるコンクリート着色剤の実施形態は、下記一般式(P1)で表されるフェノール性化合物を含む。一般式(P1)中、Rはn価の有機基を表し、mは1〜5の整数を表し、nは1以上の整数を表す。Rはn個のフェノール性水酸基と結合している。
化合物P1を抽出するために木材を浸漬する溶媒の温度は特に制限されず、例えば10〜60℃程度で抽出することができる。
縦300mm×横100mmのスギ板を底板とし、この底板に合わせた側板を用意して木材からなる型枠を組み上げた。この底板におけるコンクリートの打設面に、スギの木片から水系溶媒へ抽出したフェノール性化合物(化合物P1)を含むコンクリート着色剤13を塗布して、この型枠に水セメント比を50%とした普通ポルトランドセメント(以下、N50と記載する)を打設し、材齢3日で脱型したものを、コンクリート部材の試験体として用意した。なお、使用したN50は練り混ぜ後にブリージングが見られなくなるまで練り置きを行った。また、試験体と共に、参考試料として型枠の底板に使用したスギ板と同種のスギ材を用意した。
表2に示す調合のコンクリートaと、表3に示す調合のコンクリートbをそれぞれ用いて、縦1800mm×横1800mm×厚さ200mmの壁型コンクリート部材(以下、モックアップa,bと呼ぶ)を二体用意した。
一方、モックアップbは、脱型後10日目まで明度L*約52を示し、脱型後30日目において明度L*約60を示した。この明度変化の要因としては、モックアップbを構成するコンクリート部材に含まれる収縮低減剤の保水効果が挙げられる。この保水効果によって脱型直後の急激な乾燥が防がれたことが考えられる。
b*はコンクリート部材の色合いや質感に大きな影響を及ぼすため、使用するコンクリートの種類や水セメント比、砂セメント比等と、乾燥後のb*の変化とを勘案することが重要である。
実施例2のモックアップbの作製において型枠として使用したスギ板を、ベニヤ合板、ラーチ合板、表面を樹脂フィルムで被覆したスギ板、に変更した場合を追加して、実施例2のモックアップbと同様にモックアップをそれぞれ作製した。この際、コンクリートの打設前には、使用した各板材と同種の木材から水系溶媒に抽出して得た化合物P1を含むコンクリート着色剤を予め塗布した。これにより、各モックアップの測定面には各板材の木材模様(木目)の凹凸と共に化合物P1が転写されて、木材様の美しい風合いが表現された。
実施例2,3で用いた中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメントに代えて、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント及び高炉セメントを使用した場合にも、同様の結果が得られた。
打設するコンクリートが接する面にスギ材を用いた型枠を用意した。また、コンクリート着色剤として、1質量%、5質量%、10質量%のタンニン酸水溶液と10質量%、50質量%、100質量%のリグニン水溶液又はリグニン液をそれぞれ用意した。ここで使用したタンニン酸及びリグニンは試薬として購入できる市販品である。続いて、型枠とコンクリートが接する面に各濃度のタンニン酸水溶液とリグニン水溶液をそれぞれ塗布し、普通コンクリートを打設した。各々のコンクリートを乾燥材齢1日で脱型し、試験体B〜Gとした。また、タンニン酸水溶液及びリグニン水溶液の何れのコンクリート着色剤も型枠に塗布せずに、普通コンクリートを打設し、乾燥材齢1日で脱型した試験体Aを用意した。
着色前のコンクリート試料として、普通ポルトランドセメントからなる直径30センチの円盤状の白色プレートを常法により作製した。この白色のプレートに、タンニン酸を5〜10重量%濃度で含有するタンニン酸水溶液を塗布して乾燥させたところ、塗布した部分を木材様の褐色に着色することができた。また、タンニン酸を没食子酸に変更して同様の試験を行ったところ、タンニン酸の場合とは異なる風合いの木材様の褐色に着色することができた。
タンニン酸水溶液に硫酸鉄を溶解したところ、タンニン酸水溶液の色が淡褐色から濃褐色へ変化したことを認めた。同様に、没食子酸水溶液に硫酸鉄を溶解したところ、没食子酸水溶液の色が淡褐色から濃褐色に変化したことを認めた。この色の変化は、水溶液中で各化合物及び/又はその加水分解物と、鉄イオンとの錯体が形成されたためであると考えられる。
Claims (8)
- 普通ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント及び高炉セメントからなる群より選ばれた一種以上のセメントを母材とするコンクリートの表面に、下記一般式(P1)で表されるフェノール性化合物を含むコンクリート着色剤が付着されていることを特徴とするコンクリート部材。
- 前記コンクリートが石灰砕砂を含んでいることを特徴とする請求項1に記載のコンクリート部材。
- 前記フェノール性化合物がリグニン又はタンニンであることを特徴とする請求項1又は2に記載のコンクリート部材。
- 前記フェノール性化合物が没食子酸であることを特徴とする請求項1又は2に記載のコンクリート部材。
- 前記コンクリート部材の着色面に木材模様の凹凸が形成されていることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載のコンクリート部材。
- 木材を水系溶媒に浸けることにより、下記一般式(P1)で表されるフェノール性化合物を抽出する工程と、
前記フェノール性化合物を含むコンクリート着色剤を、普通ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント及び高炉セメントからなる群より選ばれた一種以上のセメントを母材とするコンクリートの表面に付着させる工程と、を有することを特徴とするコンクリート部材の製造方法。
- 前記木材をpH4以上の水系溶媒に浸けることにより前記フェノール性化合物を抽出することを特徴とする請求項6に記載のコンクリート部材の製造方法。
- 前記木材がスギ、ラワン又はラーチであることを特徴とする請求項6又は7に記載のコンクリート部材の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014032041A JP6296284B2 (ja) | 2014-02-21 | 2014-02-21 | コンクリート部材及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014032041A JP6296284B2 (ja) | 2014-02-21 | 2014-02-21 | コンクリート部材及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2015157719A JP2015157719A (ja) | 2015-09-03 |
JP6296284B2 true JP6296284B2 (ja) | 2018-03-20 |
Family
ID=54182050
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2014032041A Active JP6296284B2 (ja) | 2014-02-21 | 2014-02-21 | コンクリート部材及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6296284B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN112497430B (zh) * | 2020-10-26 | 2021-12-03 | 西安科技大学 | 一种可变色高强混凝土砖及其生产工艺与制造设备 |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2810828B2 (ja) * | 1992-09-25 | 1998-10-15 | 株式会社フジタ | コンクリート着色材料 |
JPH08135128A (ja) * | 1994-11-02 | 1996-05-28 | J C Composite Kk | ポリマーコンクリート系建築用装飾板及びその製造方法 |
JP2011219715A (ja) * | 2010-02-10 | 2011-11-04 | Hitachi Chem Co Ltd | 成形用樹脂コンパウンド材料 |
-
2014
- 2014-02-21 JP JP2014032041A patent/JP6296284B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2015157719A (ja) | 2015-09-03 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
RU2005101087A (ru) | Композиции краски | |
KR100901141B1 (ko) | 기능성 수성도료 수적형 다채무늬 도료 조성물 및 그 제조방법 | |
CN106675269B (zh) | 一种水性仿古艺术漆及其制备方法 | |
CN103620116B (zh) | 具有降低的光活性和抗微生物特性的处理过的无机颜料以及它们在纸材浆液中的用途 | |
JP2008215914A (ja) | テラヘルツ分光による文化財の検査方法 | |
JP6296284B2 (ja) | コンクリート部材及びその製造方法 | |
CN104891876B (zh) | 仿清水混凝土及其制备方法 | |
JP6384717B2 (ja) | コンクリート着色剤、コンクリート着色方法、コンクリート及びコンクリートからなる構造物 | |
CN107759145B (zh) | 一种多彩软瓷装饰材料及其制备方法 | |
Rampazzi et al. | The stucco decorations from St. Lorenzo in Laino (Como, Italy): The materials and the techniques employed by the “Magistri Comacini” | |
JP6296285B2 (ja) | コンクリートの保護方法 | |
JP2007237737A (ja) | 化粧シートの製造方法 | |
CN103992729B (zh) | 一种酥粉陶质彩绘文物加固剂 | |
CN108148450B (zh) | 一种褪色文物显色修复剂及其使用方法 | |
JP6296293B2 (ja) | コンクリート着色剤及びその製造方法、コンクリート着色方法、並びにコンクリート | |
CN106752948A (zh) | 一种木地板封边剂及其制备方法 | |
CN104149533A (zh) | 一种木雕上色工艺 | |
JP2004197086A (ja) | 装飾性塗材 | |
CN105077805A (zh) | 一种硬质仿真树皮的装饰组件及其制造方法 | |
WO2016184323A1 (zh) | 具有天然纹理的仿木和仿石质系列家具的生产方法 | |
CN103691649B (zh) | 一种菠萝漆的制作工艺 | |
CN112432955A (zh) | 一种渗透型环氧树脂防水涂料渗透深度检测方法 | |
CN104356747A (zh) | 一种含乌贼骨粉的平滑长效印刷油墨 | |
JP4895494B2 (ja) | 模様面の形成方法 | |
RU2296147C2 (ru) | Защитно-декоративная краска |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20161207 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20171016 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20171024 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20171214 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20180109 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20180207 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6296284 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |