JP6296077B2 - 自動車の制動装置 - Google Patents
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Description
この発明は、教習車に採用される自動車の制動装置に関し、詳しくは、運転席側に設けられた主ブレーキペダルと、上記主ブレーキペダルの操作により制動力を調整する制動力調整装置と、助手席側に設けられ、上記主ブレーキペダルの操作とは独立して上記制動力調整装置に制御可能に接続された補助ブレーキペダルとを備えた自動車の制動装置に関する。
一般に、教習車に採用される自動車の制動装置は、運転席側の主ブレーキペダルと、助手席側の補助ブレーキペダルとを備えており、これらの各ブレーキペダルをワイヤケーブルやリンク機構により機械的に連結し、補助ブレーキペダルを踏むと主ブレーキペダルが踏まれて制動力調整装置が作動するように構成されていた。
このような従前の自動車の制動装置においては、次の2つの問題点があった。
すなわち、主ブレーキペダルと補助ブレーキペダルとの両方でブレーキ操作が行なわれると、両操作力が合計された操作力となり、過度な制動が実行される。また、補助ブレーキペダルを踏むと主ブレーキペダルが動くので、運転席側乗員は違和感を感ずるという問題点があった。
加えて、補助ブレーキペダルと主ブレーキペダルとを連結するワイヤケーブルやリンク機構の連結スペースを要するうえ、重量が大となるという問題点もあった。
すなわち、主ブレーキペダルと補助ブレーキペダルとの両方でブレーキ操作が行なわれると、両操作力が合計された操作力となり、過度な制動が実行される。また、補助ブレーキペダルを踏むと主ブレーキペダルが動くので、運転席側乗員は違和感を感ずるという問題点があった。
加えて、補助ブレーキペダルと主ブレーキペダルとを連結するワイヤケーブルやリンク機構の連結スペースを要するうえ、重量が大となるという問題点もあった。
このような問題点を解決するためには、上述のワイヤケーブルやリンク機構を用いることなく、補助ブレーキペダルをバイワイヤ化し、主ブレーキペダルの操作とは独立して上記制動力調整装置を制御可能に接続された補助ブレーキペダルを採用するとよい。
上述の補助ブレーキペダルをバイワイヤ化した自動車の制動装置としては、例えば、特許文献1に開示された車両用ブレーキシステムが既に発明されている。
上述の補助ブレーキペダルをバイワイヤ化した自動車の制動装置としては、例えば、特許文献1に開示された車両用ブレーキシステムが既に発明されている。
この特許文献1に開示された車両用ブレーキシステムは、補助ブレーキペダルを、上述したリンクやワイヤ等を用いて主ブレーキペダルと連結することなく、ハイドロユニット側に主ブレーキペダルを介さずに接続しており、運転席側ブレーキペダル(主ブレーキペダル)の操作を介さずに助手席側ブレーキペダル(補助ブレーキペダル)の操作によって直接、制動力を作用させることができるものであるが、助手席側ブレーキペダルの踏力を踏力センサにより検出し、この助手席側踏力に基づいて制動力を直接作用させるのではなく、作用力制御装置(ハイドロユニット)に基づいて、インストルメントパネルの変更スイッチや変更ツマミ等から成る影響度変更部により助手席側踏力の影響度を変更したうえで制動力を作用させるものである。
具体的には、特許文献1に開示された車両用ブレーキシステムは、ブレーキECUによって様々な車両周辺の状況を検出するセンサからの検出結果に基づいて最終アシスト係数と称される助手席側ブレーキペダルの踏力の影響度を示す係数が演算され、この最終アシスト係数が助手席側ブレーキペダルの踏込みにより得られる踏力に乗算されることで、例えば、助手席側踏力の影響度が低減され、助手席側ブレーキペダルの踏込みにより得られる踏力そのものに基づく場合より、助手席側踏力に基づく液圧ブレーキの作用力を小さな配分に調整することができる。
このように、補助ブレーキペダルをバイワイヤ化した自動車の制動装置は各種の利点がある反面で、例えば踏力センサやその他の制動力に関与する電気部品が故障した際には、補助ブレーキが利かなくなるため、改善の余地があった。
そこで、この発明は、バイワイヤによる制動系統と、機械的連結による系統との2系統の補助ブレーキを有するフェールセーフタイプの構造とすることで、高い信頼性を確保することができる自動車の制動装置の提供を目的とする。
この発明による自動車の制動装置は、運転席側に設けられた主ブレーキペダルと、上記主ブレーキペダルの操作により制動力を調整する制動力調整装置と、助手席側に設けられ、上記主ブレーキペダルの操作とは独立して上記制動力調整装置に制御可能に接続された補助ブレーキペダルとを備えた自動車の制動装置であって、上記補助ブレーキペダルは上記主ブレーキペダルに機械的に連結される一方、補助ブレーキペダルによる踏力‐液圧特性を、主ブレーキペダルによる踏力‐液圧特性に対して遊び領域が大で、かつ、当該遊び領域において主ブレーキの制動特性に対して低い制動力を付与する低制動力付与手段を備えたものである。
上記構成によれば、補助ブレーキペダルは、主ブレーキペダルの操作とは独立して制動力調整装置に制御可能に接続されると共に(バイワイヤによる制動系統)、主ブレーキペダルに機械的に連結されているので(機械的連結による系統)、これら2系統を有するフェールセーフタイプの構造となり、万一、踏力センサやストロークセンサ、または、その他の制動力に関与する電気部品が故障しても、機械的連結による系統にて補助ブレーキによる制動力を確保することができる。よって、高い信頼性を確保することができる。
さらに、上述の低制動力付与手段は、補助ブレーキペダルによる踏力‐液圧特性を、主ブレーキペダルによる踏力‐液圧特性に対して遊び領域(いわゆる不感帯)が大で、かつ、当該遊び領域において主ブレーキの制動特性に対して低い制動力を付与するので、補助ブレーキの効きをソフト(soft)にし、運転席乗員への違和感を低減することができる。
この発明の一実施態様においては、補助ブレーキペダルの踏込みストロークが所定ストローク以上になったことを検出するストローク検出手段を備え、上記ストローク検出手段の検出に基づいて上記補助ブレーキペダルの踏込みストロークが所定ストローク以上になった時、補助ブレーキペダルの踏込みストロークに対するブレーキ液圧の割合を、所定ストローク以下の時に対して増大させて、制動力を強くする制動力増大手段を設けたものである。
上記構成によれば、補助ブレーキペダルの踏込みストロークが所定ストローク以上になった時、上記制動力増大手段は、補助ブレーキペダルの踏込みストロークに対するブレーキ液圧の割合を、所定ストローク以下の時に対して増大させて、制動力を強くする。この結果、緊急時においては的確な制動力を得ることができる。
この発明の一実施態様においては、機械的な補助ブレーキと、上記制動力調整装置による補助ブレーキの制動特性が重複する範囲においては、機械的な補助ブレーキのみを使用する補助ブレーキ専使用手段を設けたものである。
上記構成によれば、補助ブレーキ専使用手段は、機械的な補助ブレーキと、制動力調整装置による補助ブレーキの制動特性が重複する範囲においては、機械的な補助ブレーキのみを使用するので、上記重複範囲内では制動力調整装置の駆動モータおよび油圧ポンプの駆動が不要となり、省エネルギ化を達成することができる。
この発明によれば、バイワイヤによる制動系統と、機械的連結による系統との2系統の補助ブレーキを有するフェールセーフタイプの構造とすることで、高い信頼性を確保することができる効果がある。
バイワイヤによる制動系統と、機械的連結による系統との2系統の補助ブレーキを有するフェールセーフタイプの構造とすることで、高い信頼性を確保するという目的を、運転席側に設けられた主ブレーキペダルと、上記主ブレーキペダルの操作により制動力を調整する制動力調整装置と、助手席側に設けられ、上記主ブレーキペダルの操作とは独立して上記制動力調整装置に制御可能に接続された補助ブレーキペダルとを備えた自動車の制動装置において、上記補助ブレーキペダルは上記主ブレーキペダルに機械的に連結される一方、補助ブレーキペダルによる踏力‐液圧特性を、主ブレーキペダルによる踏力‐液圧特性に対して遊び領域が大で、かつ、当該遊び領域において主ブレーキの制動特性に対して低い制動力を付与する低制動力付与手段を備えるという構成にて実現した。
この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。
図面は自動車の制動装置を示し、図1はその系統図、図2は自動車の制動装置の制御回路ブロック図、図3は補助ブレーキペダルと主ブレーキペダルとの機械的連結構造を示す説明図、図4はペダル踏力に対するブレーキ液圧の特性を示す特性図である。
図面は自動車の制動装置を示し、図1はその系統図、図2は自動車の制動装置の制御回路ブロック図、図3は補助ブレーキペダルと主ブレーキペダルとの機械的連結構造を示す説明図、図4はペダル踏力に対するブレーキ液圧の特性を示す特性図である。
まず、図2を参照して自動車の制動装置の制御回路の構成について説明する。
この自動車の制動蔵置100は、車両全体の制御を行なうECU(Electronic Control Unit)50と、車両を制動するためのシステムであるブレーキシステム60とを有している。
この自動車の制動蔵置100は、車両全体の制御を行なうECU(Electronic Control Unit)50と、車両を制動するためのシステムであるブレーキシステム60とを有している。
上述のECU50は、ブレーキシステム60を制御するブレーキ制御部51と、図5に示すフローチャート等のプログラムを格納するROM52と、中央演算処理装置としてのCPU53と、図4に示すペダル踏力に対するブレーキ液圧の特性をマップとして記憶すると共に、必要な各種データを記憶するRAM54と、を備えている。
上述のECU50は、アクセルペダル40(図1参照)の踏込み量を検出するアクセルペダルセンサ41と、運転席側に設けられた主ブレーキペダル42の踏力を検出する踏力センサ43または、そのストロークを検出するストロークセンサ44と、助手席側に設けられた補助ブレーキペダル45の踏力を検出する踏力センサ46または、そのストロークを検出するストロークセンサ47と、各車輪(図示せず)の車輪速を検出する各車輪速センサ48a,48b,48c,48dからの入力に基づいて、ROM52に格納されたプログラムに従って、ブレーキシステム60を制御する。
ここで、上述の各踏力センサ43,46は対応するブレーキペダル42,45の踏込み量に対応して、その内臓スプリングにより、反力が増加するように構成されている。
ここで、上述の各踏力センサ43,46は対応するブレーキペダル42,45の踏込み量に対応して、その内臓スプリングにより、反力が増加するように構成されている。
また、上述のブレーキシステム60は、主ブレーキペダル42の操作により制動力を調整する制動力調整装置であり、さらに、上述の補助ブレーキペダル45は、助手席側に設けられ、主ブレーキペダル42の操作とは独立してブレーキシステム60に制御可能に接続されている。
次に、図1を参照して、上述のブレーキシステム60の具体的構造について説明する。図1は自動車の制動装置100が有するブレーキシステム60の油圧回路図である。
ブレーキシステム60は、運転席側の主ブレーキペダル42の踏込みにより、その踏込み量に応じて制動油圧を発生させるタンデム型マスタシリンダ3を備えた主ブレーキ装置4と、助手席側の補助ブレーキペダル45の踏込み量に応じて制動油圧を発生させる補助ブレーキ装置5とを有する。
ブレーキシステム60は、運転席側の主ブレーキペダル42の踏込みにより、その踏込み量に応じて制動油圧を発生させるタンデム型マスタシリンダ3を備えた主ブレーキ装置4と、助手席側の補助ブレーキペダル45の踏込み量に応じて制動油圧を発生させる補助ブレーキ装置5とを有する。
そして、主ブレーキ装置4もしくは補助ブレーキ装置5で発生した制動油圧が、左右の前輪用ブレーキ手段6FL、6FRおよび左右の後輪用ブレーキ手段6RL、6RRに供給されるようになっており、各ブレーキ手段6FL、6FR、6RL、6RRは、それぞれ車輪(図示せず)と一体回転するディスクロータ6aと当該ディスクロータ6aの回転を制動するキャリパ6bとで構成されている。
なお、運転席乗員による主ブレーキペダル42の踏込み力は、周知構造のハイドロリックブースタを用いた倍力装置49(図3参照)により倍力されたうえで、マスタシリンダ3に出力されて踏込み力をアシストするように構成されているが、この倍力装置49の詳細構成については省略する。
そして、図1に示すように、マスタシリンダ3のシリンダ室3a、3bには一対の第1油圧供給通路7、8の一端がそれぞれ接続されており、これらの各油圧供給通路7、8の他端が、分岐通路7a、7bおよび8a、8bを介して左右の前輪用および後輪用のブレーキ手段6FL、6FR、6RL、6RRの各キャリパ6bに供給される制動油圧を調整することにより各車輪のロック状態を防止するABS(アンチロックブレーキシステム)ユニット9に接続されていると共に、これらのABSユニット9と各キャリパ6bとがそれぞれ接続通路10a,10b,10c,10dにより接続されている。
さらに、第1油圧供給通路7、8には、これら油圧供給通路7、8を開閉するノーマルオープン式の第1開閉バルブ11と第2開閉バルブ12とが介装されていると共に、各開閉バルブ11、12をバイパスするバイパス通路7c、8cがそれぞれ接続されており、これらのバイパス通路7c、8cには、各ブレーキ手段6FL、6FR、6RL、6RR側からマスタシリンダ3側への制動油圧の逆流を防止するチェックバルブ13、14が設けられている。
一方、補助ブレーキ装置5は、リザーバタンク15に一端が接続された第2油圧供給通路16を有し、この油圧供給通路16には、駆動モータ17により駆動されて所定の作動油圧を発生させる油圧ポンプ18と、当該油圧ポンプ18で発生した作動油圧を一旦蓄圧するアキュムレータ19とが介装されていると共に、当該第2油圧供給通路16の他端が制動油圧を発生させる加圧シリンダ20の中央部に接続されており、この加圧シリンダ20に第2油圧供給通路16を介してアキュムレータ19に蓄圧された作動油圧が供給されるようになっている。
また、アキュムレータ19と加圧シリンダ20との間の第2油圧供給通路16に当該第2油圧供給通路16を開閉するノーマルクローズ式の第3開閉バルブ21が介装されている。
さらに、加圧シリンダ20の両端部がそれぞれ接続通路22、23により一対の第1油圧供給通路7、8に接続されており、これらの通路により補助ブレーキ装置5から制動油圧を左右の前輪用および後輪用のブレーキ手段6FL,6FR,6RL,6RRに供給する供給通路が構成されることになっており、上述の加圧シリンダ20で発生した制動油圧が接続通路22、23および第1油圧供給通路7、8を介して各ABSユニット9に供給され、これにより、ABSユニット9で調整された制動油圧が左右の前輪用および後輪用のブレーキ手段6FL、6FR、6RL、6RRの各キャリパ6bに供給されるようになっている。
また、加圧シリンダ20の中央部には、第2油圧供給通路16との接続部とは異なる部位とリザーバタンク15とを接続するドレン通路24が接続されおり、このドレン通路24には当該ドレン通路24を開閉するノーマルオープン式の第4開閉バルブ25が介装されている。
上述のECU50内のブレーキ制御部51は、第1油圧供給通路7、8に設けられた第1、第2開閉バルブ11、12と、第2油圧供給通路16に設けられた第3開閉バルブ21と、ドレン通路24に直列に設けられた第4開閉バルブ25とを制御して、主ブレーキ装置4による制動可能状態と補助ブレーキ装置5による制動可能状態とを切り替える。また、ブレーキ制御部51は、補助ブレーキ装置5による制動時に、駆動モータ17を駆動する制御を行って、補助ブレーキ装置5による制動力を発生させる。この場合、ブレーキ制御部51は、駆動モータ17を駆動制御して、油圧ポンプ18で発生される作動油圧を変化させることにより、補助ブレーキ装置5によって発生させる制動力を変化させる。
ここで、主ブレーキ装置4による制動動作と、補助ブレーキ装置5による制動動作とを説明する。
主ブレーキ装置4による制動時には、ブレーキ制御部51は、第1、第2開閉バルブ11、12を共にオープン状態(連通状態)に設定する。この場合、油圧供給通路7、8が連通状態となり、主ブレーキペダル42が踏込まれると、マスタシリンダ3で発生した制動油圧が第1油圧供給通路7、8および各分岐通路7a、7b、8a、8bを介してABSユニット9に供給される。そして、ABSユニット9により調整された制動油圧が各接続通路10a〜10dを介して左右の前輪用および後輪用のブレーキ手段6FL、6FR、6RL、6RRの各キャリパ6bに供給されて、各ディスクロータ6aと一体的に回転する各車輪が制動されることになる。
主ブレーキ装置4による制動時には、ブレーキ制御部51は、第1、第2開閉バルブ11、12を共にオープン状態(連通状態)に設定する。この場合、油圧供給通路7、8が連通状態となり、主ブレーキペダル42が踏込まれると、マスタシリンダ3で発生した制動油圧が第1油圧供給通路7、8および各分岐通路7a、7b、8a、8bを介してABSユニット9に供給される。そして、ABSユニット9により調整された制動油圧が各接続通路10a〜10dを介して左右の前輪用および後輪用のブレーキ手段6FL、6FR、6RL、6RRの各キャリパ6bに供給されて、各ディスクロータ6aと一体的に回転する各車輪が制動されることになる。
他方で、補助ブレーキ装置5による制動時には、ブレーキ制御部51は、第1、第2開閉バルブ11、12をそれぞれクローズ状態に設定する。これにより、第1油圧供給通路7、8が閉じられてマスタシリンダ3側から各ブレーキ手段6FL、6FR、6RL、6RRの各キャリパ6bへの制動油圧の供給が阻止される。また、ブレーキ制御部51は、補助ブレーキ装置5による制動時には、第3開閉バルブ21をオープン状態(連通状態)に設定すると共に、第4開閉バルブ25をクローズ状態に設定する。これにより、第2油圧供給通路16が開かれ、ドレン通路24が閉じられる。さらに、ブレーキ制御部51は、駆動モータ17を駆動する制御を行う。
これにより、駆動モータ17の駆動により油圧ポンプ18が作動油圧を発生し、この作動油圧をアキュムレータ19が蓄圧する。こうしてアキュムレータ19に蓄圧された作動油圧が加圧シリンダ20で加圧されて制動油圧が発生し、この制動油圧が各接続通路22、23および一対の第1油圧供給通路7、8を介してABSユニット9に供給される。そして、ABSユニット9により調整された制動油圧が各接続通路10a〜10dを介して左右の前輪用および後輪用のブレーキ手段6FL、6FR、6RL、6RRの各キャリパ6bに供給されて、各ディスクロータ6aと一体的に回転する各車輪が制動されることになる。
次に、図3を参照して補助ブレーキペダル45と主ブレーキペダル42との機械的連結構造について説明する。
図3に示すように、主ブレーキペダル42は、ペダル軸42aを支点として揺動可能なペダル本体42bと、該ペダル本体42bの下部遊端側に一体的に形成されたペダル踏面部42cとを備えている。
図3に示すように、主ブレーキペダル42は、ペダル軸42aを支点として揺動可能なペダル本体42bと、該ペダル本体42bの下部遊端側に一体的に形成されたペダル踏面部42cとを備えている。
同様に、補助ブレーキペダル45は、ペダル軸45aを支点として揺動可能なペダル本体45bと、該ペダル本体45bの下部遊端側に一体的に形成されたペダル踏面部45cとを備えている。
この実施例では、主ブレーキペダル42と補助ブレーキペダル45は、何れも吊下げ構造のペダルにて構成されている。
この実施例では、主ブレーキペダル42と補助ブレーキペダル45は、何れも吊下げ構造のペダルにて構成されている。
一方、ケーブル30内に移動可能に挿通されて上記各ペダル本体42b,45bを連通するワイヤ31を設けている。
ケーブル30の主ブレーキペダル42側の端部は、ブラケット32を用いて車体側に固定している。同様に、ケーブル30の補助ブレーキペダル45側の端部も、ブラケット33を用いて車体側に固定している。
ケーブル30の主ブレーキペダル42側の端部は、ブラケット32を用いて車体側に固定している。同様に、ケーブル30の補助ブレーキペダル45側の端部も、ブラケット33を用いて車体側に固定している。
ケーブル30内に移動可能に挿通させたワイヤ31の主ブレーキペダル42側の端部31aは、連結部材34を用いて、ペダル軸42a下部のペダル本体42bに連結固定している。
また、ワイヤ31の補助ブレーキペダル45側の端部31bは、ペダル軸45aの上方においてペダル本体45bに固定した係合片35の孔部35aを挿通して車両後方に延びており、この延出端部には、孔部35aより大きいアンカ36が固定されていて、このアンカ36の前面と、係合片35の後面との間が遊び間隔37(図4で示す特性図のデッドゾーンZ2に相当)に設定されている。
また、ワイヤ31の補助ブレーキペダル45側の端部31bは、ペダル軸45aの上方においてペダル本体45bに固定した係合片35の孔部35aを挿通して車両後方に延びており、この延出端部には、孔部35aより大きいアンカ36が固定されていて、このアンカ36の前面と、係合片35の後面との間が遊び間隔37(図4で示す特性図のデッドゾーンZ2に相当)に設定されている。
そして、補助ブレーキペダル45が図3の矢印a方向に踏込まれると、ペダル軸45aよりも上側のペダル本体45bは同図の矢印b方向に移動するので、係合片35の後面がアンカ36の前面に当接した後に、ワイヤ31は各矢印c,d,e,f,g方向に引張られ、ワイヤ31の主ブレーキペダル42側の端部31aに設けた連結部材34が車両前方に移動して、主ブレーキペダル42は図3の矢印h方向へ変位する。
つまり、上述の各要素30〜36から成る連結構造38により、補助ブレーキペダル45が主ブレーキペダル42に機械的に連結されたものである。
つまり、上述の各要素30〜36から成る連結構造38により、補助ブレーキペダル45が主ブレーキペダル42に機械的に連結されたものである。
ところで、図2で示したECU50は、補助ブレーキペダル45による踏力‐液圧特性を、主ブレーキペダル42による踏力‐液圧特性(図4の特性A参照)に対して遊び領域(不感帯のことであり、以下、デッドゾーンと略記する)Z2が大で(Z2>Z1)、かつ当該デッドゾーンZ2において主ブレーキの制動特性に対して低い制動力を付与する低制動力付与手段(図5に示すフローチャートのステップS4参照)と、
補助ブレーキペダル45の踏込みストローク(この実施例では、補助ブレーキ用踏力センサ46で検出された踏力を、ECU50が、踏込みストロークに換算)が所定ストローク以上になった時、補助ブレーキペダル45の踏込みストローク(この実施例ではペダル踏力)に対するブレーキ液圧の割合を、所定ストローク以下の時に対して増大(図4の特性Cのうちの特性部C3参照)させて、制動力を強くする制動力増大手段(図5に示すフローチャートのステップS7参照)と、
機械的な補助ブレーキによる制動特性(図4の特性B参照)と、制動力調整装置としてのブレーキシステム60による補助ブレーキの制動特性(図4の特性C参照)とが重複する範囲(特性部C2参照)においては、機械的な補助ブレーキのみを使用する補助ブレーキ専使用手段(図5に示すフローチャートのステップS6参照)と、
を兼ねる。
補助ブレーキペダル45の踏込みストローク(この実施例では、補助ブレーキ用踏力センサ46で検出された踏力を、ECU50が、踏込みストロークに換算)が所定ストローク以上になった時、補助ブレーキペダル45の踏込みストローク(この実施例ではペダル踏力)に対するブレーキ液圧の割合を、所定ストローク以下の時に対して増大(図4の特性Cのうちの特性部C3参照)させて、制動力を強くする制動力増大手段(図5に示すフローチャートのステップS7参照)と、
機械的な補助ブレーキによる制動特性(図4の特性B参照)と、制動力調整装置としてのブレーキシステム60による補助ブレーキの制動特性(図4の特性C参照)とが重複する範囲(特性部C2参照)においては、機械的な補助ブレーキのみを使用する補助ブレーキ専使用手段(図5に示すフローチャートのステップS6参照)と、
を兼ねる。
この実施例では、補助ブレーキ用踏力センサ46が、補助ブレーキペダル45の踏力を検出し、ECU50が当該踏力を踏込みストロークに換算すると共に、このECU50は踏込みストロークが所定ストローク以上になったか否かを検出するストローク検出手段をも兼ねる。なお、踏力センサ46を用いる構成に代えて、図1のストロークセンサ47を用いる構成を採用してもよい。
図4は横軸にペダル踏力をとり、縦軸にブレーキ液圧をとった踏力‐液圧特性を示す特性図であり、主ブレーキペダル42による踏力‐液圧特性(メイン特性A)と、補助ブレーキペダル45の操作量に応じた機械的な踏力‐液圧特性(いわゆるワイヤ31連結による基礎ブレーキ特性で、以下、単にベース特性Bと略記する)と、補助ブレーキペダル45の操作量に応じた制動力調整装置によるサブ特性Cとを有する。
なお、図4において、ペダル踏力はn0<n1<n2<n3<n4<n5に設定されており、ブレーキ液圧はp0<p1<p2に設定されている。
なお、図4において、ペダル踏力はn0<n1<n2<n3<n4<n5に設定されており、ブレーキ液圧はp0<p1<p2に設定されている。
図4に実線で示すメイン特性Aは、ペダル踏力がn0〜n1まではブレーキ液圧がp0(この実施例ではゼロ)で、ペダル踏力がn1から微増するとブレーキ液圧がp1(但し、p1>p0)までジャンプアップして、主ブレーキの効き始めの節度感を確保し、ペダル踏力がn1からn4までの間はペダル踏力の増加に比例してブレーキ液圧が増加し、ペダル踏力がn4以上になると、n1〜n4までの間の特性に対してペダル踏力に対するブレーキ液圧の比例増加率が急増するように設定されており、ペダル踏力がn0〜n1までの間がデッドゾーンZ1に設定されている。
ベース特性Bは、ペダル踏力がn0〜n2まではブレーキ液圧がp0(この実施例ではゼロ)で、ペダル踏力がn2から微増するとブレーキ液圧がp1までジャンプアップし、ペダル踏力がn2からn5までの間はペダル踏力の増加に比例してブレーキ液圧が増加し、ペダル踏力がn5以上になると、n2〜n5までの間の特性に対してペダル踏力に対するブレーキ液圧の比例増加率が急増するように設定されており、ペダル踏力がn0〜n2までの間がデッドゾーンZ2に設定されている。当該ベース特性BにおけるデッドゾーンZ2はメイン特性AにおけるデッドゾーンZ1よりも大きい。
図4に点線で示すサブ特性Cは、ペダル踏力がn0〜n1まではブレーキ液圧がp0(この実施例ではゼロ)で、ペダル踏力がn1からn2までの間はペダル踏力の増加に比例してブレーキ液圧が緩やかに増加(緩勾配で増加)し、ペダル踏力がn2からn3までの間は、n1〜n2までの間の特性に対してペダル踏力に対するブレーキ液圧の比例増加率がやや増大し、ペダル踏力がn3以上になると、n2〜n3までの間の特性に対してペダル踏力に対するブレーキ液圧の増加率が急増し、かつペダル踏力がn4以上ではメイン特性Aのn4以上の特性と一致するように設定されており、ペダル踏力がn0〜n1までの間がデッドゾーンZ1に設定されている。
このサブ特性Cにおいてペダル踏力n1〜n2までの範囲を特性部C1とし、ペダル踏力n2〜n3までの範囲を特性部C2とし、ペダル踏力n3以上の範囲を特性部C3としている。
このサブ特性Cにおいてペダル踏力n1〜n2までの範囲を特性部C1とし、ペダル踏力n2〜n3までの範囲を特性部C2とし、ペダル踏力n3以上の範囲を特性部C3としている。
そして、図4で示した踏力‐液圧特性は、図2のRAM54内に全てマップとして記憶されている。
このように構成した自動車の制動装置の作用を、図5に示すフローチャートを参照して、以下に説明する。
ステップS1で、ECU50は各センサ41,43,46,48a〜48dからの各種信号の読込みを実行する。次にステップS2で、ECU50は補助ブレーキ用踏力センサ46の出力に基づいて補助ブレーキペダル45が踏込まれたか否かを判定し、NO判定時にはリターンする一方で、YES判定時には次のステップS3に移行する。
このように構成した自動車の制動装置の作用を、図5に示すフローチャートを参照して、以下に説明する。
ステップS1で、ECU50は各センサ41,43,46,48a〜48dからの各種信号の読込みを実行する。次にステップS2で、ECU50は補助ブレーキ用踏力センサ46の出力に基づいて補助ブレーキペダル45が踏込まれたか否かを判定し、NO判定時にはリターンする一方で、YES判定時には次のステップS3に移行する。
このステップS3で、ECU50は、補助ブレーキ用踏力センサ46の出力に基づいてデッドゾーンZ2内か否かを判定する。つまり、補助ブレーキペダル45のペダル踏力がn0〜n2までの範囲内、さらに詳しくは、ペダル踏力がn1〜n2までの範囲内か否かを判定し、YES判定時にはステップS4に移行する一方で、NO判定時には別のステップS5に移行する。
上述のステップS4で、ECU50は図4の特性部C1に対応して、制動力PC(補助ブレーキペダル45の操作量とブレーキ液圧の特性Cに応じたブレーキシステム60による制動力)にて制動を実行する。この場合は、主ブレーキの制動特性Aに対して低い制動力が付与されることになる。
上述のステップS4で、ECU50は図4の特性部C1に対応して、制動力PC(補助ブレーキペダル45の操作量とブレーキ液圧の特性Cに応じたブレーキシステム60による制動力)にて制動を実行する。この場合は、主ブレーキの制動特性Aに対して低い制動力が付与されることになる。
上述のステップS5で、ECU50は機械的な補助ブレーキによる制動特性B(ベース特性)と、ブレーキシステム60による補助ブレーキの制動特性C(サブ特性)とが重複する範囲内か否か、換言すれば、ペダル踏力がn2〜n3の範囲内か否かを判定し、YES判定時には次のステップS6に移行する一方で、NO判定時には別のステップS7に移行する。
上述のステップS6で、ECU50は図4の特性部C2に対応して、制動力PB(補助ブレーキペダル45の操作量に応じた機械的な補助ブレーキ力のことで、図4のベース特性B参照)にて制動を実行する。この場合は、機械的な補助ブレーキのみが使用されることになる。
一方、上述のステップS7では、デッドゾーンZ2内でもなく、重複範囲内でもないことから、図4の特性部C3に対応して、ペダル踏力がn3以上であると認定され、特性部C3を適用する。この場合、ベース特性Bが存在するので、図1に示す加圧シリンダ20からの液圧は制動力PCから制動力PBを減算した値の制動力でよい。
また、この場合は、補助ブレーキペダル45の踏込みストローク(ペダル踏力)に対するブレーキ液圧の割合を、所定ストローク以下(この実施例では、ペダル踏力n3以下)の時に対して増大させて、制動を強くするものである。なお、図5に示す各ステップは、それぞれの処理内容に対応した読込み、判定、実行の各手段を構成するものである。
このように、図1〜図5で示した実施例1の自動車の制動装置は、運転席側に設けられた主ブレーキペダル42と、上記主ブレーキペダル42の操作により制動力を調整する制動力調整装置(ブレーキシステム60参照)と、助手席側に設けられ、上記主ブレーキペダル42の操作とは独立して上記制動力調整装置(ブレーキシステム60)に制御可能に接続された補助ブレーキペダル45とを備えた自動車の制動装置であって、上記補助ブレーキペダル45は上記主ブレーキペダル42に機械的に連結される一方、補助ブレーキペダル45による踏力‐液圧特性を、主ブレーキペダル42による踏力‐液圧特性Aに対して遊び領域(デッドゾーンZ2)が大(Z2>Z1)で、かつ、当該遊び領域(デッドゾーンZ2)において主ブレーキの制動特性Aに対して低い制動力を付与する低制動力付与手段(ステップS4参照)を備えたものである(図1〜図5参照)。
この構成によれば、補助ブレーキペダル45は、主ブレーキペダル42の操作とは独立して制動力調整装置(ブレーキシステム60)に制御可能に接続されると共に(バイワイヤによる制動系統)、主ブレーキペダル42に機械的に連結されているので(機械的連結による系統)、これら2系統を有するフェールセーフタイプの構造となり、万一、踏力センサ46やストロークセンサ47、または、その他の制動力に関与する電気部品が故障しても、機械的連結による系統にて補助ブレーキによる制動力を確保することができる。よって、高い信頼性を確保することができる。
さらに、上述の低制動力付与手段(ステップS4)は、補助ブレーキペダル45による踏力‐液圧特性を、主ブレーキペダル42による踏力‐液圧特性Aに対してデッドゾーンZ2が大(Z2>Z1)で、かつ、当該デッドゾーンZ2において主ブレーキの制動特性Aに対して低い制動力(特性部C1参照)を付与するので、補助ブレーキの効きをソフト(soft)にし、運転席乗員への違和感を低減することができる。
この発明の一実施形態においては、補助ブレーキペダル45の踏込みストローク(ペダル踏力)が所定ストローク以上(所定ペダル踏力以上)になったことを検出するストローク検出手段(ECU50参照)を備え、上記ストローク検出手段(ECU50)の検出に基づいて上記補助ブレーキペダル45の踏込みストロークが所定ストローク以上になった時、補助ブレーキペダル45の踏込みストロークに対するブレーキ液圧の割合を、所定ストローク以下の時に対して増大させて、制動力を強くする制動力増大手段(ステップS7)を設けたものである(図5参照)。
この構成によれば、補助ブレーキペダル45の踏込みストローク(この実施例ではペダル踏力)が所定ストローク以上になった時、上記制動力増大手段(ステップS7)は、補助ブレーキペダル45の踏込みストロークに対するブレーキ液圧の割合を、所定ストローク以下の時に対して増大させて、制動力を強くする。この結果、緊急時においては的確な制動力を得ることができる。
この発明の一実施形態においては、機械的な補助ブレーキの制動特性Bと、上記制動力調整装置(ブレーキシステム60)による補助ブレーキの制動特性Cが重複する範囲(特性部C2の範囲)においては、機械的な補助ブレーキのみを使用する補助ブレーキ専使用手段(ステップS6)を設けたものである(図5参照)。
この構成によれば、補助ブレーキ専使用手段(ステップS6)は、機械的な補助ブレーキの制動特性Bと、制動力調整装置(ブレーキシステム60)による補助ブレーキの制動特性Cが重複する範囲(特性部C2の範囲)においては、機械的な補助ブレーキのみを使用するので、上記重複範囲内では制動力調整装置(ブレーキシステム60)の駆動モータ17および油圧ポンプ18の駆動が不要となり、省エネルギ化を達成することができる。
図6は実施例2のペダル踏力に対するブレーキ液圧特性を示す特性図、図7は実施例2のブレーキ制御を示すメインルーチン、図8は図7のメインルーチンに連続するサブルーチンである。なお、この実施例2においても図1,図2,図3で示した回路装置を用いる。
またこの実施例2においても、図2で示したECU50は、補助ブレーキペダル45による踏力‐液圧特性を主ブレーキペダル42による踏力‐液圧特性(図6の特性A参照)に対して遊び領域(不感帯のことであり、以下、デッドゾーンと略記する)Z2が大で(Z2>Z1)、かつ当該デッドゾーンZ2において主ブレーキの制動特性Aに対して低い制動力(制動部C1参照)を付与する低制動力付与手段(図7に示すメインルーチンのステップS16参照)と、
補助ブレーキペダル45の踏込みストローク(この実施例では、補助ブレーキ用踏力センサ46で検出された踏力を、踏込みストロークに換算)が所定ストローク以上になった時、補助ブレーキペダル45の踏込みストローク(この実施例ではペダル踏力)に対するブレーキ液圧の増加量を、所定ストローク以下の時に対して増大(図6の特性Cのうちの特性部C3参照)させて、制動力を強くする制動力増大手段(図7に示すメインルーチンのステップS18参照)と、
を兼ねる。
補助ブレーキペダル45の踏込みストローク(この実施例では、補助ブレーキ用踏力センサ46で検出された踏力を、踏込みストロークに換算)が所定ストローク以上になった時、補助ブレーキペダル45の踏込みストローク(この実施例ではペダル踏力)に対するブレーキ液圧の増加量を、所定ストローク以下の時に対して増大(図6の特性Cのうちの特性部C3参照)させて、制動力を強くする制動力増大手段(図7に示すメインルーチンのステップS18参照)と、
を兼ねる。
さらに、この実施例では、補助ブレーキ用踏力センサ46が、補助ブレーキペダル45の踏力を検出し、ECU50が当該踏力を踏込みストロークに換算すると共に、このECU50は踏込みストロークが所定ストローク以上になったか否かを検出するストローク検出手段をも兼ねる。
図6は横軸にペダル踏力をとり、縦軸にブレーキ液圧をとった踏力‐液圧特性を示す特性図であり、主ブレーキペダル42による踏力‐液圧特性(メイン特性A)と、補助ブレーキペダル45の操作量に応じた機械的な踏力‐液圧特性(いわゆるワイヤ31連結による基礎ブレーキ特性で、以下、単にベース特性Bと略記する)と、補助ブレーキペダル45の操作量に応じた制動力調整装置によるサブ特性Cとを有する。なお、図6において、ペダル踏力はn0<n1<n2<n3<n4<n5に設定されており、ブレーキ液圧はp0<p1<p2に設定されている。
図6に実線で示すメイン特性Aは、ペダル踏力がn0〜n1まではブレーキ液圧がp0(この実施例ではゼロ)で、ペダル踏力がn1から微増するとブレーキ液圧がp1(但し、p1>p0)までジャンプアップして、主ブレーキの効き始めの節度感を確保し、ペダル踏力がn1以上になると、ペダル踏力に比例してブレーキ液圧が増加するように設定されており、ペダル踏力がn0〜n1までの間がデッドゾーンZ1に設定されている。
ベース特性Bは、ペダル踏力がn0〜n2まではブレーキ液圧がp0(この実施例ではゼロ)で、ペダル踏力がn2から微増するとブレーキ液圧がp1までジャンプアップし、ペダル踏力がn2以上になると、ペダル踏力の増加に比例してブレーキ液圧が増加するように設定されており、ペダル踏力がn0〜n2までの間がデッドゾーンZ2に設定されている。当該ベース特性BにおけるデッドゾーンZ2はメイン特性AにおけるデッドゾーンZ1よりも大きい。
図6に点線で示すサブ特性Cは、ペダル踏力がn0〜n1まではブレーキ液圧がp0(この実施例ではゼロ)で、ペダル踏力がn1からn2までの間はペダル踏力の増加に比例してブレーキ液圧が緩やかに増加(緩勾配で増加)し、ペダル踏力がn2からn3までの間は、n1〜n2までの間の特性に対してペダル踏力に対するブレーキ液圧の比例増加率がやや増大し、ペダル踏力がn3〜n4の間でジャンプアップして、ジャンプアップ後のブレーキ液圧がp2(但し、p2>p1>p0)に増大し、ジャンプアップ後にペダル踏力がn4以上になると、ペダル踏力の増加に比例してブレーキ液圧が増加し、かつペダル踏力がn4以上ではメイン特性Aのn4以上の特性と一致するように設定されており、ペダル踏力がn0〜n1までの間がデッドゾーンZ1に設定されている。
また、ペダル踏力がn2〜n3までの間においてサブ特性Cとベース特性Bとのブレーキ液圧の差分は、応答性向上を目的として予圧を付与していることを意味する。
このサブ特性Cにおいてペダル踏力n1〜n2までの範囲を特性部C1とし、ペダル踏力n2〜n3までの範囲を特性部C2とし、ペダル踏力n4以上の範囲を特性部C3としている。
そして、図6で示した踏力‐液圧特性は、図2のRAM54内に全てマップとして記憶されている。
このように構成した自動車の制動装置の作用を、図7に示すメインルーチンと図8に示すサブルーチンとを参照して、以下に説明する。
ステップS11で、ECU50は各センサ41,43,46,48a〜48dからの各種信号の読込みを実行する。次にステップS12で、ECU50は補助ブレーキ用踏力センサ46の出力に基づいて補助ブレーキペダル45が操作されたか否かを判定し、NO判定時にはリターンする一方で、YES判定時には次のステップS13に移行する。
このステップS13で、ECU50は補助ブレーキペダル45の操作速度VBを演算する。この操作速度VBは踏込み操作速度と踏戻し操作速度との双方を含む。
このように構成した自動車の制動装置の作用を、図7に示すメインルーチンと図8に示すサブルーチンとを参照して、以下に説明する。
ステップS11で、ECU50は各センサ41,43,46,48a〜48dからの各種信号の読込みを実行する。次にステップS12で、ECU50は補助ブレーキ用踏力センサ46の出力に基づいて補助ブレーキペダル45が操作されたか否かを判定し、NO判定時にはリターンする一方で、YES判定時には次のステップS13に移行する。
このステップS13で、ECU50は補助ブレーキペダル45の操作速度VBを演算する。この操作速度VBは踏込み操作速度と踏戻し操作速度との双方を含む。
次にステップS14で、ECU50は操作速度VBが予め設定した設定値VBoよりも大きいか否かを判定し、VB>VBoのYES判定時には、図8に示すサブルーチンのステップS20に移行する一方で、NO判定時(VB≦VBo)には図7に示すメインルーチンの次のステップS15に移行する。
図8に示すサブルーチンのステップS20で、ECU50は補助ブレーキペダル45の踏戻しか否かを判定し、補助ブレーキペダル45が踏込まれたと判定した場合(NO判定時)には、次のステップS21に移行する一方で、補助ブレーキペダル45が踏戻されたと判定した場合(YES判定時)には、別のステップS24に移行する。
補助ブレーキペダル45の踏込み速度が設定値VBoよりも大きい場合(緊急時)には、図6のサブ特性Cの特性部C1,C2から同図のメイン特性Aに移行させるので、ステップS21で、ECU50はメイン特性Aへの移行が完了したか否かを判定し、NO判定時には次のステップS22に移行する一方で、YES判定時には別のステップS23に移行する。
メイン特性Aへの移行が未だ完了していない場合には、ステップS22で、ECU50は図6の踏込み側過渡特性α1,α2を適用し、メイン特性Aへの移行が既に完了した場合には、ステップS23で、ECU50は図6のメイン特性Aを適用する。
つまり、補助ブレーキペダル45の踏込み速度が速い緊急時には、サブ特性Cの特性部C1,C2からメイン特性Aに速やかに移行して制動力を増すものである。
つまり、補助ブレーキペダル45の踏込み速度が速い緊急時には、サブ特性Cの特性部C1,C2からメイン特性Aに速やかに移行して制動力を増すものである。
一方、補助ブレーキペダル45の踏戻し速度が設定値VBoよりも大きい場合には、図6のメイン特性Aから同図の特性部C1,C2に移行させるので、ステップS24で、ECU50は特性部C1,C2への移行が完了したか否かを判定し、NO判定時には次のステップS25に移行する一方で、YES判定時には別のステップS26に移行する。
特性部C1,C2への移行が未だ完了していない場合には、ステップS25で、ECU50は図6の踏戻し側過渡特性βを適用し、特性部C1,C2への移行が既に完了した場合には、ステップS26で、ECU50は図6の特性部C1,C2を適用した後に、図7に示すメインルーチンのステップS14にリターンする。なお、図6に示すように、過渡特性α1,α2は過渡特性βに対して急勾配に設定されている。
上述のステップS14でNO判定された場合には、次のステップS15に移行する。
上述のステップS14でNO判定された場合には、次のステップS15に移行する。
このステップS15で、ECU50は、補助ブレーキ用踏力センサ46の出力に基づいてデッドゾーンZ2内か否かを判定する。つまり、補助ブレーキペダル45のペダル踏力がn0〜n2までの範囲内、さらに詳しくは、ペダル踏力がn1〜n2までの範囲内か否かを判定し、YES判定時にはステップS16に移行する一方で、NO判定時には別のステップS17に移行する。
上述のステップS16で、ECU50は図6の特性部C1に対応して、制動力PC(補助ブレーキペダル45の操作量とブレーキ液圧の特性Cに応じたブレーキシステム60による制動力)にて制動を実行する。この場合は、主ブレーキの制動特性Aに対して低い制動力が付与されることになる。
上述のステップS16で、ECU50は図6の特性部C1に対応して、制動力PC(補助ブレーキペダル45の操作量とブレーキ液圧の特性Cに応じたブレーキシステム60による制動力)にて制動を実行する。この場合は、主ブレーキの制動特性Aに対して低い制動力が付与されることになる。
上述のステップS17で、ECU50は機械的な補助ブレーキによる制動特性Bと、ブレーキシステム60による補助ブレーキの制動特性Cとが重複する範囲内か否か、換言すれば、ペダル踏力がn2〜n3の範囲内か否かを判定し、YES判定時には次のステップS19に移行する一方で、NO判定時には別のステップS18に移行する。
上述のステップS19で、ECU50は図6の特性部C2に対応して、制動力PB(補助ブレーキペダル45の操作量に応じた機械的な補助ブレーキ力のことで、図6のベース特性B参照)に予圧を加算した値にて制動を実行する。この場合は、機械的な補助ブレーキの制動力PBが存在するので、図1に示す加圧シリンダ20からの液圧は微少な予圧分のみでよい。
一方、上述のステップS18では、デッドゾーンZ2内でもなく、重複範囲内でもないことから、図6の特性部C3に対応して、ペダル踏力がn4以上であると認定され、特性部C3を適用する。この場合、ベース特性Bが存在するので、図1に示す加圧シリンダ20からの液圧は制動力PCから制動力PBを減算した値の制動力でよい。
また、この場合は、補助ブレーキペダル45の踏込みストローク(ペダル踏力)に対するブレーキ液圧の増加量を、所定ストローク以下(この実施例では、ペダル踏力n3以下)の時に対して増大させて、制動を強くするものである。なお、図7で示すメインルーチンおよび図8で示すサブルーチンの各ステップは、それぞれの処理内容に対した読込み、判定、演算、実行の各手段を構成するものである。
図6〜図8で示した実施例2においても先の実施例1の請求項1、請求項2に対応する内容については同等であって、ほぼ同様の作用、効果を奏するものである。
この発明の構成と、上述の実施例との対応において、
この発明の制動力調整装置は、実施例のブレーキシステム60に対応し、
以下同様に、
低制動力付与手段は、ECU50制御によるステップS4,S16に対応し、
制動力増大手段は、ECU50制御によるステップS7,S18に対応し、
補助ブレーキ専使用手段は、ECU50制御によるステップS6に対応するも、
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。
この発明の制動力調整装置は、実施例のブレーキシステム60に対応し、
以下同様に、
低制動力付与手段は、ECU50制御によるステップS4,S16に対応し、
制動力増大手段は、ECU50制御によるステップS7,S18に対応し、
補助ブレーキ専使用手段は、ECU50制御によるステップS6に対応するも、
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。
例えば、図6の特性部C2に相当する範囲のベース特性Bは、補助ブレーキペダル45と主ブレーキペダル42とを連結するレバーやカムを含むリンク機構により特性の傾斜を急にしたり、または、非線形にしてもよい。また図6の特性部C3はメイン特性Aと一致させたが、この部分の特性部C3はメイン特性Aに対して大きいブレーキ液圧を確保する特性としてもよい。
以上説明したように、本発明は、運転席側に設けられた主ブレーキペダルと、上記主ブレーキペダルの操作により制動力を調整する制動力調整装置と、助手席側に設けられ、上記主ブレーキペダルの操作とは独立して上記制動力調整装置に制御可能に接続された補助ブレーキペダルとを備えた自動車の制動装置について有用である。
42…主ブレーキペダル
45…補助ブレーキペダル
60…ブレーキシステム(制動調整装置)
S4,S16…低制動力付与手段
S7,S18…制動力増大手段
S6…補助ブレーキ専使用手段
45…補助ブレーキペダル
60…ブレーキシステム(制動調整装置)
S4,S16…低制動力付与手段
S7,S18…制動力増大手段
S6…補助ブレーキ専使用手段
Claims (3)
- 運転席側に設けられた主ブレーキペダルと、
上記主ブレーキペダルの操作により制動力を調整する制動力調整装置と、
助手席側に設けられ、上記主ブレーキペダルの操作とは独立して上記制動力調整装置に制御可能に接続された補助ブレーキペダルとを備えた自動車の制動装置であって、
上記補助ブレーキペダルは上記主ブレーキペダルに機械的に連結される一方、
補助ブレーキペダルによる踏力‐液圧特性を、主ブレーキペダルによる踏力‐液圧特性に対して遊び領域が大で、かつ、当該遊び領域において主ブレーキの制動特性に対して低い制動力を付与する低制動力付与手段を備えたことを特徴とする
自動車の制動装置。 - 補助ブレーキペダルの踏込みストロークが所定ストローク以上になったことを検出するストローク検出手段を備え、
上記ストローク検出手段の検出に基づいて上記補助ブレーキペダルの踏込みストロークが所定ストローク以上になった時、補助ブレーキペダルの踏込みストロークに対するブレーキ液圧の割合を、所定ストローク以下の時に対して増大させて、制動力を強くする制動力増大手段を設けた
請求項1に記載の自動車の制動装置。 - 機械的な補助ブレーキと、上記制動力調整装置による補助ブレーキの制動特性が重複する範囲においては、機械的な補助ブレーキのみを使用する補助ブレーキ専使用手段を設けた
請求項1または2に記載の自動車の制動装置。
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