以下に添付図面を参照して、本発明に係る権限委譲システム、権限委譲方法及び権限委譲プログラムの実施の形態を説明する。なお、以下の実施の形態により本発明が限定されるものではない。また、各実施の形態は、内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることができる。
(実施の形態1)
[システム構成]
図1を用いて、実施の形態1に係る権限委譲システムのシステム構成を説明する。図1は、実施の形態1に係る権限委譲システムのシステム構成例を示す図である。
図1に示すように、権限委譲システム1は、クライアント装置10と、認証サーバ20と、携帯端末30と、認証デバイス40と、印刷サーバ50と、画像処理装置60とを有する。これらのうち、クライアント装置10、認証サーバ20、印刷サーバ50及び画像処理装置60は、LAN(Local Area Network)やインターネット等のネットワークに接続される。かかるネットワークは、無線又は有線により実現される。携帯端末30は、無線通信により上記ネットワークに接続される。また、携帯端末30と認証デバイス40とは、NFC(Near Field Communication)等の近距離無線通信により互いに通信可能である。同様に、認証デバイス40と画像処理装置60とは、NFC等の近距離無線通信により互いに通信可能である。権限委譲システム1に含まれる各装置は複数配置されていても良い。なお、権限委譲システム1では、保留印刷機能により印刷が行なわれることを想定している。
上述した構成において、クライアント装置10は、ユーザ操作に応じて印刷ジョブを生成し、生成した印刷ジョブを印刷サーバ50に送信する。かかるクライアント装置10は、PC等の情報処理装置である。これにより、印刷サーバ50には、画像処理装置60で出力するための印刷ジョブが蓄積される。認証サーバ20は、権限委譲システム1を利用するユーザの認証処理を行なう。権限委譲システム1を利用するユーザとは、携帯端末30や認証デバイス40を所有するユーザを指す。すなわち、認証サーバ20は、ユーザIDと、パスワードと、携帯端末30や認証デバイス40を識別するためのデバイスIDとに関する情報を対応付けて保持しており、これらを利用して認証処理を行なう。なお、携帯端末30や認証デバイス40を所有するユーザは、印刷ジョブを生成するために、クライアント装置10を使用する場合がある。
携帯端末30は、クライアント装置10で生成された印刷ジョブの出力権限を委譲するための操作を受け付けた場合に、該携帯端末30を所有するユーザの認証後、印刷ジョブ情報を印刷サーバ50から取得し、取得した印刷ジョブ情報の一覧を画面表示する。そして、携帯端末30は、一覧から印刷ジョブ情報が選択された場合に、近距離無線通信を利用して、認証デバイス40のデバイスIDを取得する。ここで、取得されるデバイスIDは、印刷ジョブの出力権限の委譲先となるユーザが所有する認証デバイス40のデバイスIDである。続いて、携帯端末30は、取得したデバイスIDと、選択された印刷ジョブ情報を識別するためのジョブIDと、出力権限を委譲する旨を表す委譲情報とを、印刷サーバ50に対して送信する。かかる携帯端末30は、スマートフォンや携帯電話機等の端末装置である。また、携帯端末30は、「端末装置」の一例である。
認証デバイス40は、画像処理装置60を使用して印刷ジョブを出力する際の認証のために利用されるデバイスである。かかる認証デバイス40は、IC(Integrated Circuit)カードであっても良いし、上述した携帯端末30と同様のデバイスであっても良い。すなわち、上述した携帯端末30は、画像処理装置60を使用して印刷ジョブを出力する際の認証のためにも利用することができる。本実施の形態では、説明を容易にするために、出力権限の委譲元ユーザが所有するデバイスを携帯端末30とし、出力権限の委譲先ユーザ(画像処理装置60を使用して印刷ジョブを出力するユーザ)が所有するデバイスを認証デバイス40として説明する。
印刷サーバ50は、印刷ジョブと、該印刷ジョブの印刷ジョブ情報と、出力権限の委譲に関する情報とを保持する。印刷サーバ50は、要求に応じて、印刷ジョブ情報を携帯端末30や画像処理装置60に対して送信するとともに、印刷ジョブを画像処理装置60に対して送信する。また、印刷サーバ50は、デバイスIDと、ジョブIDと、委譲情報とを携帯端末30から受信した場合に、受信したジョブIDとデバイスIDとを対応付けて記憶部に追加することにより、出力権限の委譲処理を実行する。これにより、印刷サーバ50は、印刷ジョブ情報を要求された場合に、該当するユーザの出力権限をもとに、対応する印刷ジョブ情報を送信することができる。
画像処理装置60は、認証デバイス40を所有するユーザの認証後、該ユーザが有する出力権限に応じた印刷ジョブ情報を印刷サーバ50から取得し、印刷ジョブ情報の一覧を表示出力する。そして、画像処理装置60は、印刷ジョブ情報の選択を受け付けて、対応する印刷ジョブを印刷サーバ50から取得する。その後、画像処理装置60は、取得した印刷ジョブの出力を行なう。かかる画像処理装置60は、LPやMFP等の画像処理装置である。なお、印刷サーバ50と画像処理装置60とは、「情報処理装置」の一例である。すなわち、印刷サーバ50と画像処理装置60とを、各機能を含む1台の装置として統合しても良い。
つまり、権限委譲システム1では、携帯端末30に搭載された近距離無線通信を利用して出力権限の委譲先ユーザが所有する認証デバイス40のデバイスIDが取得され、取得されたデバイスIDと、出力権限の委譲対象となる印刷ジョブのジョブIDとが対応付けて管理される。これにより、権限委譲システム1では、画像処理装置60における印刷ジョブの出力時に、認証された認証デバイス40のデバイスIDに対応付けられたジョブIDが検出され、検出されたジョブIDに対応する印刷ジョブが印刷サーバ50から取得される。この結果、権限委譲システム1は、印刷ジョブの出力権限を容易に委譲することができる。
[実施の形態1に係る機能構成]
次に、図2を用いて、実施の形態1に係る各装置の機能構成を説明する。図2は、実施の形態1に係る各装置の機能構成例を示すブロック図である。なお、図2では、「端末装置」の一例である携帯端末30と、「情報処理装置」の一例である印刷サーバ50及び画像処理装置60との機能構成について主に説明する。
図2に示すように、携帯端末30は、通信部31と、操作表示部32と、印刷ジョブ情報取得部33と、探索部34と、生成部35とを有する。なお、上記各部については、これらの一部又は全てがソフトウェア(プログラム)で実現されても良いし、ハードウェア回路で実現されても良い。
通信部31は、外部装置と通信を行なう。通信部31は、「送信部」の一例である。例えば、通信部31は、認証処理で利用される情報を認証サーバ20に送信し、認証処理後に、該認証サーバ20から認証結果を受信する。また、通信部31は、印刷ジョブ情報の送信要求や出力権限委譲処理の実行要求を印刷サーバ50に対して送信し、送信要求に応じて、該印刷サーバ50から印刷ジョブ情報を受信する。
操作表示部32は、各種のユーザ操作を受け付けて、ユーザ操作に対する処理結果を表示する。一つの様態として、操作表示部32は、タッチパネルである。また、操作表示部32は、「表示部」や「受付部」の一例である。例えば、操作表示部32は、出力権限の委譲に際し、認証のための操作を受け付ける。認証に利用する情報は、ユーザIDやパスワード等であっても良いし、携帯端末30を識別するための識別子であるデバイスIDであっても良いし、これらの組み合わせであっても良い。
ユーザIDやパスワードを利用する場合、操作表示部32は、ユーザIDやパスワードの入力を受け付けると、入力されたユーザIDやパスワードの送信を通信部31に依頼する。これにより、通信部31は、認証のために、ユーザIDやパスワードを認証サーバ20に対して送信する。また、デバイスIDを利用する場合、操作表示部32は、認証を行なうことを表すボタン画像等の操作を受け付けると、携帯端末30のデバイスIDの送信を通信部31に依頼する。これにより、通信部31は、認証のために、携帯端末30のデバイスIDを認証サーバ20に対して送信する。そして、操作表示部32は、通信部31によって受信された認証結果を表示する。
このとき、操作表示部32は、認証結果が有効である場合に、次のステップへ進むための操作を受け付けると、携帯端末30のデバイスID(又はユーザID)に対応する印刷ジョブ情報の取得を印刷ジョブ情報取得部33に依頼する。これにより、印刷ジョブ情報取得部33は、通信部31を介して、デバイスIDに対応する印刷ジョブ情報の送信要求を印刷サーバ50に対して送信し、印刷サーバ50によって送信された印刷ジョブ情報を取得する。そして、操作表示部32は、印刷ジョブ情報取得部33によって取得された印刷ジョブ情報の一覧を表示する。ここで、ユーザは、表示された印刷ジョブ情報の一覧から、出力権限を委譲したい印刷ジョブ情報を選択する操作を行なう。
操作表示部32は、出力権限を委譲したい印刷ジョブ情報の選択を受け付けた場合に、探索部34に対して認証デバイス40の探索を依頼する。これにより、探索部34は、認証デバイス40を探索し、接続できた認証デバイス40のデバイスIDを取得して、取得したデバイスIDを生成部35に対して出力する。このとき、操作表示部32は、認証デバイス40の探索経過や検出結果を表示する。操作表示部32は、検出された認証デバイス40の情報を表示し、その認証デバイス40に出力権限を委譲する処理を実行しても良いか否かをユーザに選択させても良い。探索部34は、「探索部」や「取得部」の一例である。
探索部34による探索は、近距離無線通信により行なわれる。例えば、認証デバイス40がICカード等である場合には、携帯端末30側をリーダー/ライターモードで動作させる。また、認証デバイス40が携帯端末30と同様の端末装置である場合には、P2P(Peer to Peer)モード、又は、Bluetooth(登録商標)やWi−Fi(登録商標)にハンドオーバー接続させる。
生成部35は、委譲情報を生成する。より具体的には、生成部35は、探索部34によって出力された認証デバイス40のデバイスIDを受け付けた場合に、携帯端末30を所有するユーザが有する印刷ジョブの出力権限を、認証デバイス40を所有するユーザに委譲することを表す委譲情報を生成する。そして、生成部35は、操作表示部32によって受け付けられた印刷ジョブ情報のジョブIDと、認証デバイス40のデバイスIDと、生成した委譲情報との、印刷サーバ50への送信を通信部31に依頼する。これにより、通信部31は、ジョブIDとデバイスIDと委譲情報とを印刷サーバ50に対して送信する。
また、印刷サーバ50は、通信部51と、印刷ジョブ情報取得部52と、印刷ジョブ情報記憶部53と、権限委譲処理部54と、権限委譲記憶部55と、印刷ジョブ管理処理部56とを有する。なお、上記各部については、これらの一部又は全てがソフトウェア(プログラム)で実現されても良いし、ハードウェア回路で実現されても良い。
通信部51は、外部装置と通信を行なう。例えば、通信部51は、クライアント装置10によって送信された印刷ジョブを受信する。通信部51によって印刷ジョブが受信されると、印刷ジョブ管理処理部56は、印刷ジョブに関する印刷ジョブ情報を抽出し、印刷ジョブ情報記憶部53に格納する。印刷サーバ50は、複数のクライアント装置10から印刷ジョブを受け付けており、印刷ジョブ情報記憶部53には複数の印刷ジョブ情報が蓄積される。
図3は、実施の形態1に係る印刷ジョブ情報記憶部53に記憶された情報例を示す図である。図3に示すように、印刷ジョブ情報記憶部53は、ジョブIDと、ジョブ名称と、デバイスIDと、ページ数と、カラー/モノクロと、片面/両面と、部数と、用紙サイズと、ステータスと、印刷済みページとに関する情報を対応付けて記憶する。
ジョブIDは、印刷ジョブを識別するための識別情報である。ジョブ名称は、印刷ジョブの名称である。デバイスIDは、クライアント装置10を用いて印刷ジョブを生成したユーザが所有する携帯端末30を識別するための識別情報である。デバイスIDの項目については、ユーザIDが利用されても良い。ページ数は、印刷ジョブのページ数である。カラー/モノクロは、印刷ジョブ出力の際のカラー印刷又はモノクロ印刷の設定である。片面/両面は、印刷ジョブ出力の際の片面印刷又は両面印刷の設定である。部数は、印刷ジョブ出力の際の部数の設定である。用紙サイズは、印刷ジョブ出力の際の用紙サイズの設定である。ステータスは、画像処理装置60での印刷処理の状況である。印刷済みページは、画像処理装置60で印刷処理されたページ数である。
例を挙げると、印刷ジョブ情報記憶部53は、ジョブID「1」と、ジョブ名称「ジョブA」と、デバイスID「D0001」と、ページ数「1」と、カラー/モノクロ「カラー」と、片面/両面「片面」と、部数「3」と、用紙サイズ「A3」と、ステータス「印刷完了」と、印刷済みページ「1」とを対応付けて記憶する。
また、通信部51は、携帯端末30や画像処理装置60から、印刷ジョブ情報の取得要求を受信し、印刷ジョブ情報取得部52によって取得された印刷ジョブ情報を、携帯端末30や画像処理装置60に対して送信する。また、通信部51は、携帯端末30からジョブIDと、デバイスIDと、委譲情報とを受信し、権限委譲処理部54に対して出力する。
印刷ジョブ情報取得部52は、印刷ジョブ情報を取得する。より具体的には、印刷ジョブ情報取得部52は、通信部51を介して、携帯端末30や画像処理装置60から印刷ジョブ情報の要求を受け付けた場合に、デバイスID(又はユーザID)に対応する印刷ジョブ情報を印刷ジョブ情報記憶部53から取得する。そして、印刷ジョブ情報取得部52は、取得した印刷ジョブ情報の携帯端末30や画像処理装置60への送信を通信部51に対して依頼する。また、印刷ジョブ情報の取得に際して、印刷ジョブ情報取得部52は、権限委譲記憶部55も利用する。権限委譲記憶部55を利用した印刷ジョブ情報の取得については後述する。
権限委譲処理部54は、委譲情報を受け付けた場合に、権限委譲処理を実行する。より具体的には、権限委譲処理部54は、通信部51によって委譲情報が受信された場合に、委譲情報とともに受信されたジョブIDとデバイスID(又はユーザID)とを対応付けて権限委譲記憶部55に格納する。権限委譲記憶部55は、印刷ジョブを識別するためのジョブIDと、出力権限を委譲されたユーザが所有する認証デバイス40のデバイスIDとを対応付けて記憶する。
図4は、実施の形態1に係る権限委譲記憶部55に記憶された情報例を示す図である。図4に示すように、権限委譲記憶部55には、ジョブIDと、デバイスIDとに関する情報を対応付けて記憶する。ジョブIDは、印刷ジョブ情報記憶部53に記憶されたジョブIDと同様の情報であり、印刷ジョブを識別するための識別情報である。デバイスIDは、印刷ジョブの出力権限を委譲されたユーザが所有する認証デバイス40を識別するための識別情報である。デバイスIDの項目については、ユーザIDが利用されても良い。例を挙げると、権限委譲記憶部55は、ジョブID「1」と、デバイスID「D0002」とを対応付けて記憶する。
すなわち、ジョブID「1」とデバイスID「D0002」とが権限委譲記憶部55に記憶されている場合に、デバイスIDが「D0002」である認証デバイス40を所有するユーザは、ジョブIDが「1」である印刷ジョブの出力権限を委譲されたことを表す。また、図3に示した印刷ジョブ情報記憶部53には、ジョブID「1」とデバイスID「D0001」とが対応付けられていることから、デバイスIDが「D0001」である携帯端末30を所有するユーザが、デバイスIDが「D0002」である認証デバイス40を所有するユーザへ、ジョブIDが「1」である印刷ジョブの出力権限を委譲したことがわかる。
権限委譲処理部54による処理によって、出力権限を委譲されたジョブIDとデバイスIDとが権限委譲記憶部55に記憶されているため、印刷ジョブ情報取得部52は、以下で説明するように印刷ジョブ情報を取得する。具体的には、印刷ジョブ情報取得部52は、印刷ジョブ情報記憶部53と、権限委譲記憶部55とを参照し、デバイスID(又はユーザID)に対応するジョブIDを検索し、ジョブIDに対応する印刷ジョブ情報を印刷ジョブ情報記憶部53から取得する。
例えば、印刷ジョブ情報取得部52は、権限委譲記憶部55を参照し、デバイスIDに対応するジョブIDを検索する。そして、印刷ジョブ情報取得部52は、検索により検出したジョブIDに対応する印刷ジョブ情報を印刷ジョブ情報記憶部53から取得する。加えて、印刷ジョブ情報取得部52は、デバイスIDに対応する印刷ジョブ情報を印刷ジョブ情報記憶部53から取得する。すなわち、印刷ジョブ情報記憶部53は、出力権限が委譲された印刷ジョブのジョブIDと、元々出力権限が存在する印刷ジョブのデバイスIDとに対応する印刷ジョブ情報を、印刷ジョブ情報記憶部53から取得することになる。これらにより、携帯端末30や画像処理装置60においては、認証されたユーザが出力権限を有する印刷ジョブ情報全てが表示される。
印刷ジョブ管理処理部56は、画像処理装置60における印刷処理の経過に伴い、通信部51を介して印刷処理に係る情報が取得されると、印刷ジョブ情報記憶部53に記憶された情報を適宜更新する。また、印刷ジョブ管理処理部56は、印刷ジョブ情報記憶部53に記憶されたステータスが「印刷完了」となっている情報について定期的に削除する。
また、画像処理装置60は、通信部61と、操作表示部62と、探索部63と、印刷ジョブ情報取得部64と、画像処理部65とを有する。なお、上記各部については、これらの一部又は全てがソフトウェア(プログラム)で実現されても良いし、ハードウェア回路で実現されても良い。
通信部61は、外部装置と通信を行なう。例えば、通信部61は、認証処理で利用される情報を認証サーバ20に送信し、認証処理後に、該認証サーバ20から認証結果を受信する。また、通信部61は、印刷ジョブ情報や印刷ジョブの送信要求を印刷サーバ50に対して送信し、送信要求に応じて、該印刷サーバ50から印刷ジョブ情報や印刷ジョブを受信する。
操作表示部62は、各種のユーザ操作を受け付けて、ユーザ操作に対する処理結果を表示する。一つの様態として、操作表示部62は、タッチパネルである。例えば、操作表示部62は、印刷ジョブの出力に際し、認証を行なうための操作を受け付けた場合に、探索部63に対して認証デバイス40の探索を依頼する。依頼を受け付けた探索部63は、認証デバイス40を探索し、接続できた認証デバイス40のデバイスIDを取得して、取得したデバイスIDの送信を通信部61に依頼する。これにより、通信部61は、認証のために、認証デバイス40のデバイスIDを認証サーバ20に対して送信する。そして、操作表示部62は、通信部61によって受信された認証結果を表示する。
このとき、操作表示部62は、認証結果が有効である場合に、次のステップへ進むための操作を受け付けると、認証デバイス40のデバイスIDに対応する印刷ジョブ情報の取得を印刷ジョブ情報取得部64に依頼する。これにより、印刷ジョブ情報取得部64は、通信部61を介して、デバイスIDに対応する印刷ジョブ情報の送信要求を印刷サーバ50に対して送信し、印刷サーバ50によって送信された印刷ジョブ情報を取得する。ここで取得される印刷ジョブ情報は、上述したように、出力権限を委譲された印刷ジョブの情報も含まれる。そして、操作表示部62は、印刷ジョブ情報取得部64によって取得された印刷ジョブ情報の一覧を表示する。ここで、ユーザは、表示された印刷ジョブ情報の一覧から、出力したい印刷ジョブ情報を選択する操作を行なう。操作表示部62は、出力したい印刷ジョブ情報の選択を受け付けた場合に、選択を受け付けた印刷ジョブ情報のジョブIDを、画像処理部65に対して出力する。
画像処理部65は、印刷ジョブの画像処理を実行する。より具体的には、画像処理部65は、操作表示部62によって出力されたジョブIDを受け付けた場合に、受け付けたジョブIDに対応する印刷ジョブの送信要求を通信部61に依頼する。これにより、通信部61は、ジョブIDに対応する印刷ジョブの送信要求を印刷サーバ50に対して送信し、印刷サーバ50によって送信された印刷ジョブを受信する。その後、画像処理部65は、通信部61によって受信された印刷ジョブの印刷処理を実行する。
[実施の形態1に係る印刷ジョブ蓄積処理]
次に、図5を用いて、実施の形態1に係る印刷ジョブ蓄積処理の流れを説明する。図5は、実施の形態1に係る印刷ジョブ蓄積処理の流れの例を示すシーケンス図である。なお、印刷ジョブ蓄積処理とは、主に、クライアント装置10と印刷サーバ50とによる処理を指す。
図5に示すように、クライアント装置10は、ユーザ操作に応じて印刷ジョブを生成する(ステップS101)。そして、クライアント装置10は、生成した印刷ジョブを印刷サーバ50に対して送信する(ステップS102)。また、印刷サーバ50は、クライアント装置10によって送信された印刷ジョブを受信する(ステップS103)。そして、印刷サーバ50は、受信した印刷ジョブと、該印刷ジョブに関する印刷ジョブ情報を印刷ジョブ情報記憶部53に格納する(ステップS104,ステップS105)。
[実施の形態1に係る出力権限委譲処理]
次に、図6を用いて、実施の形態1に係る出力権限委譲処理の流れを説明する。図6は、実施の形態1に係る出力権限委譲処理の流れの例を示すシーケンス図である。なお、出力権限委譲処理とは、主に、携帯端末30と印刷サーバ50とによる処理を指す。
図6に示すように、携帯端末30は、認証のための操作をユーザから受け付ける(ステップS201)。そして、携帯端末30は、該携帯端末30のデバイスID(又はユーザID、パスワード)を認証サーバ20に送信し、認証処理を要求する(ステップS202)。ここで、携帯端末30は、認証サーバ20によって応答された認証結果を受信し、受信した認証結果をもとに、認証が成功したか否かを判定する(ステップS203)。
このとき、携帯端末30は、認証が成功した場合に(ステップS203:Yes)、該携帯端末30のデバイスID(又はユーザID)に対応する印刷ジョブ情報の送信を印刷サーバ50に対して要求する(ステップS204)。一方、携帯端末30は、認証が成功していない場合に(ステップS203:No)、認証が失敗したことを表す情報を表示し、操作待ちの状態となる。
印刷サーバ50は、携帯端末30によって送信されたデバイスID(又はユーザID)を受信し、該デバイスID(又はユーザID)に対応する印刷ジョブ情報の送信要求を受け付ける(ステップS205)。そして、印刷サーバ50は、印刷ジョブ情報記憶部53からデバイスID(又はユーザID)に対応する印刷ジョブ情報を取得し、取得した印刷ジョブ情報を携帯端末30に対して送信する(ステップS206)。
携帯端末30は、印刷サーバ50によって送信された印刷ジョブ情報を受信し、受信した印刷ジョブ情報の一覧を表示する(ステップS207)。そして、携帯端末30は、印刷ジョブ情報の一覧からの選択と、出力権限の委譲のための操作とを受け付ける(ステップS208)。続いて、携帯端末30は、出力権限の委譲先となる認証デバイス40を探索する(ステップS209)。このとき、携帯端末30は、認証デバイス40を検出できた場合に(ステップS210:Yes)、検出できた認証デバイス40のデバイスIDを取得する(ステップS211)。一方、携帯端末30は、認証デバイス40を検出できない場合に(ステップS210:No)、ステップS209における処理を実行し、認証デバイス40の探索を試みる。なお、携帯端末30は、探索において所定回数タイムアウトした場合には、探索できない旨を表示して処理を終了しても良い。
その後、携帯端末30は、出力権限を委譲する旨を表す委譲情報と、選択された印刷ジョブ情報に対応するジョブIDと、認証デバイス40のデバイスIDとを、印刷サーバ50に対して送信することにより、印刷ジョブの出力権限委譲処理を要求する(ステップS212)。印刷サーバ50は、携帯端末30から出力権限委譲処理の要求を受け付けると、出力権限を委譲するジョブIDと、認証デバイス40のデバイスIDとを、権限委譲記憶部55に追加する(ステップS213)。
[実施の形態1に係る画像処理]
次に、図7を用いて、実施の形態1に係る画像処理の流れを説明する。図7は、実施の形態1に係る画像処理の流れの例を示すシーケンス図である。なお、画像処理とは、主に、画像処理装置60と印刷サーバ50とによる処理を指す。
図7に示すように、画像処理装置60は、印刷ジョブの出力に際し、認証デバイス40を探索して認証を行なうための操作を受け付ける(ステップS301)。そして、画像処理装置60は、認証デバイス40を探索する(ステップS302)。このとき、画像処理装置60は、認証デバイス40を検出できた場合に(ステップS303:Yes)、検出できた認証デバイス40のデバイスIDを取得し、取得したデバイスIDを認証サーバ20に対して送信して、認証処理を要求する(ステップS304)。
一方、画像処理装置60は、認証デバイス40を検出できない場合に(ステップS303:No)、ステップS302における処理を再度実行する。但し、画像処理装置60は、タイムアウト等により認証デバイス40の探索をキャンセルするための操作が行なわれた場合に、処理を終了する。続いて、画像処理装置60は、認証サーバ20によって応答された認証結果を受信し、受信した認証結果をもとに、認証が成功したか否かを判定する(ステップS305)。
このとき、画像処理装置60は、認証が成功した場合に(ステップS305:Yes)、検出した認証デバイス40のデバイスIDに対応する印刷ジョブ情報の送信を印刷サーバ50に対して要求する(ステップS306)。一方、画像処理装置60は、認証が成功していない場合に(ステップS305:No)、認証が失敗したことを表す情報を表示し、操作待ちの状態となる。
印刷サーバ50は、画像処理装置60によって送信されたデバイスIDを受信し、該デバイスIDに対応する印刷ジョブ情報の送信要求を受け付ける(ステップS307)。そして、印刷サーバ50は、権限委譲記憶部55に記憶された、デバイスIDに対応するジョブIDと、印刷ジョブ情報記憶部53に記憶された、デバイスIDに対応するジョブIDとに該当する印刷ジョブ情報を、印刷ジョブ情報記憶部53から取得する(ステップS308)。その後、印刷サーバ50は、取得した印刷ジョブ情報を画像処理装置60に対して送信する(ステップS309)。
画像処理装置60は、印刷サーバ50によって送信された印刷ジョブ情報を受信し、受信した印刷ジョブ情報の一覧を表示する(ステップS310)。そして、画像処理装置60は、印刷ジョブ情報の一覧からの選択と、印刷ジョブを出力するための操作とを受け付ける(ステップS311)。続いて、画像処理装置60は、選択された印刷ジョブ情報のジョブIDと、該ジョブIDに対応する印刷ジョブの要求とを、印刷サーバ50に対して送信する(ステップS312)。
印刷サーバ50は、画像処理装置60から、ジョブIDと、該ジョブIDに対応する印刷ジョブの要求とを受け付ける(ステップS313)。そして、印刷サーバ50は、ジョブIDに対応する印刷ジョブを印刷ジョブ情報記憶部53から取得し、取得した印刷ジョブを画像処理装置60に対して送信する(ステップS314)。これらにより、画像処理装置60は、印刷サーバ50によって送信された印刷ジョブを受信し、受信した印刷ジョブの画像処理を実行することにより印刷を行なう(ステップS315)。
[実施の形態1による効果]
携帯端末30は、出力権限の委譲先となる認証デバイス40を、近距離無線通信等を利用して検出し、認証デバイス40のデバイスIDと、委譲する印刷ジョブのジョブIDとを、印刷サーバ50に送信する。印刷サーバ50は、携帯端末30から受信したデバイスIDとジョブIDとを対応付けて権限委譲記憶部55に格納する。画像処理装置60は、認証デバイス40を所有するユーザによって印刷のための操作が行なわれた場合に、権限委譲記憶部55に記憶されたデバイスIDに対応するジョブIDを特定し、特定したジョブIDに対応する印刷ジョブも含め、出力可能な印刷ジョブ情報を表示する。これらの結果、権限委譲システム1は、印刷ジョブの出力権限を容易に委譲することができる。
(実施の形態2)
上記実施の形態1では、携帯端末30を所有するユーザが、認証デバイス40を所有するユーザに、印刷ジョブの出力権限を委譲する場合を説明した。印刷ジョブの出力権限の委譲後においては、携帯端末30を所有するユーザは該印刷ジョブの出力を望まない場合もある。そこで、実施の形態2では、印刷ジョブの出力権限の委譲後に、委譲元のユーザが出力可能な印刷ジョブ情報の表示に、委譲した印刷ジョブを含めないようにする場合を説明する。なお、実施の形態2に係る権限委譲システム1のシステム構成は、実施の形態1と同様である。
[実施の形態2に係る機能構成]
図8を用いて、実施の形態2に係る各装置の機能構成を説明する。図8は、実施の形態2に係る各装置の機能構成例を示すブロック図である。実施の形態2では、実施の形態1と同様の構成については同一の符号を付し、同様の構成については詳細な説明を省略する場合がある。
図8に示すように、携帯端末30aは、通信部31aと、操作表示部32aと、印刷ジョブ情報取得部33と、探索部34と、生成部35とを有する。なお、上記各部については、これらの一部又は全てがソフトウェア(プログラム)で実現されても良いし、ハードウェア回路で実現されても良い。
操作表示部32aは、印刷ジョブの出力権限の委譲後に、出力権限の委譲元であるユーザが出力可能な印刷ジョブ情報として表示させるか否かを設定するための表示設定を受け付ける。より具体的には、操作表示部32aは、携帯端末30aを所有するユーザが出力可能な印刷ジョブ情報を一覧表示するときに、表示させるか否かを設定するための画面を表示し、表示させるか否かの設定である表示設定を受け付ける。例えば、表示設定は、印刷ジョブの出力を他のユーザに代理で行なわせるために出力権限を委譲する場合に利用され得る。つまり、ユーザは、出力権限を委譲した後は該当する印刷ジョブを出力することはないため、該印刷ジョブに対応する印刷ジョブ情報を一覧表示に表示させないように設定する。
このような表示設定は、出力権限を委譲するための操作が行なわれるときや、任意のタイミングで行なわれれば良い。操作表示部32aは、受け付けた表示設定と、該当するジョブIDとを印刷サーバ50aに対して送信するように通信部31aに依頼する。通信部31aは、操作表示部32aから表示設定を受け付けた場合に、ジョブIDと表示設定とを印刷サーバ50aに対して送信する。これらにより、携帯端末30aによって印刷ジョブ情報の送信要求が行なわれた場合、表示させない表示設定がなされている印刷ジョブ情報については、印刷サーバ50aから送信されないため、印刷ジョブ情報の一覧にも含まれなくなる。
なお、表示設定は、生成した印刷ジョブを印刷サーバ50aに送信するときにクライアント装置10によって行なわれても良い。但し、印刷ジョブを印刷サーバ50aに送信するときに表示設定が行なわれた場合には、ジョブIDが付与されていないため、印刷ジョブとともに表示設定を送信し、印刷ジョブ情報の設定時に、表示設定も登録すれば良い。
また、印刷サーバ50aは、通信部51aと、印刷ジョブ情報取得部52aと、印刷ジョブ情報記憶部53aと、権限委譲処理部54と、権限委譲記憶部55と、印刷ジョブ管理処理部56aとを有する。なお、上記各部については、これらの一部又は全てがソフトウェア(プログラム)で実現されても良いし、ハードウェア回路で実現されても良い。
例えば、通信部51aは、携帯端末30aによって送信された表示設定及びジョブIDを受信し、印刷ジョブ管理処理部56aに対して出力する。印刷ジョブ管理処理部56aは、通信部51aによって出力された表示設定及びジョブIDをもとに、該ジョブIDに対応する表示設定を印刷ジョブ情報記憶部53aに格納する。
図9は、実施の形態2に係る印刷ジョブ情報記憶部53aに記憶された情報例を示す図である。図9に示すように、印刷ジョブ情報記憶部53aは、ジョブIDと、ジョブ名称と、デバイスIDと、ページ数と、カラー/モノクロと、片面/両面と、部数と、用紙サイズと、ステータスと、印刷済みページと、表示設定とに関する情報を対応付けて記憶する。
例を挙げると、印刷ジョブ情報記憶部53aは、ジョブID「2」と、ジョブ名称「ジョブB」と、デバイスID「D0002」と、ページ数「5」と、カラー/モノクロ「モノクロ」と、片面/両面「両面」と、部数「1」と、用紙サイズ「A4」と、ステータス「印刷中断」と、印刷済みページ「2」と、表示設定「非表示」とを対応付けて記憶する。
また、印刷ジョブ情報取得部52aは、携帯端末30a等から印刷ジョブ情報の取得要求を受け付けた場合に、印刷ジョブ情報記憶部53aに記憶されたジョブIDに対応する印刷ジョブ情報のうち、表示設定が「表示」となっている印刷ジョブ情報を取得する。また、印刷ジョブ管理処理部56aは、出力権限を委譲した印刷ジョブ情報のうち、表示設定が「非表示」となっている情報について、画像処理装置60から印刷が完了した旨の通知を受け付けた場合に、これ以降は利用されることはないため、印刷ジョブ情報記憶部53aから削除しても良い。
また、画像処理装置60は、通信部61と、操作表示部62と、探索部63と、印刷ジョブ情報取得部64と、画像処理部65とを有する。なお、上記各部については、これらの一部又は全てがソフトウェア(プログラム)で実現されても良いし、ハードウェア回路で実現されても良い。また、画像処理装置60は、実施の形態1と同様の構成であるため詳細な説明を省略する。
[実施の形態2に係る出力権限委譲処理]
次に、図10を用いて、実施の形態2に係る出力権限委譲処理の流れを説明する。図10は、実施の形態2に係る出力権限委譲処理の流れの例を示すシーケンス図である。すなわち、図10では、出力権限委譲処理時に、表示設定を行なう場合を例に挙げる。なお、実施の形態1に係る出力権限委譲処理の流れと同様の処理については、詳細な説明を省略する。具体的には、ステップS401〜ステップS407は、ステップS201〜ステップS207における処理と同様である。また、ステップS409〜ステップS411は、ステップS209〜ステップS211における処理と同様である。
図10に示すように、携帯端末30aは、印刷ジョブ情報の一覧からの選択と、表示設定と、出力権限の委譲のための操作とを受け付ける(ステップS408)。そして、認証デバイス40のデバイスIDの取得後、携帯端末30aは、出力権限を委譲する旨を表す委譲情報と、選択された印刷ジョブ情報に対応するジョブIDと、認証デバイス40のデバイスIDと、表示設定とを、印刷サーバ50aに対して送信することにより、印刷ジョブの出力権限委譲処理を要求する(ステップS412)。印刷サーバ50aは、携帯端末30aから出力権限委譲処理の要求を受け付けると、出力権限を委譲するジョブIDと、認証デバイス40のデバイスIDとを、権限委譲記憶部55に追加するとともに、ジョブIDに対応する表示設定を印刷ジョブ情報記憶部53aに格納する(ステップS413)。
[実施の形態2による効果]
権限委譲システム1は、出力権限の委譲後に出力権限を委譲した印刷ジョブ情報を表示させるか否かを設定するための表示設定を受け付け、表示させない設定となっている印刷ジョブ情報を、一覧に表示させないようにする。この結果、権限委譲システム1は、印刷を望まない印刷ジョブを誤って出力してしまうことを抑制できるとともに、印刷ジョブ情報を送受信する際の通信負荷を削減することができる。
(実施の形態3)
上記実施の形態1では、出力権限を委譲された印刷ジョブを出力する場合を説明した。出力権限を委譲する印刷ジョブについては、出力可能な回数を設定することもできる。そこで、実施の形態3では、出力権限を委譲する印刷ジョブの出力回数を設定する場合を説明する。なお、実施の形態3に係る権限委譲システム1のシステム構成は、実施の形態1と同様である。
[実施の形態3に係る機能構成]
図11を用いて、実施の形態3に係る各装置の機能構成を説明する。図11は、実施の形態3に係る各装置の機能構成例を示すブロック図である。実施の形態3では、実施の形態1と同様の構成については同一の符号を付し、同様の構成については詳細な説明を省略する場合がある。
図11に示すように、携帯端末30bは、通信部31bと、操作表示部32bと、印刷ジョブ情報取得部33と、探索部34と、生成部35とを有する。なお、上記各部については、これらの一部又は全てがソフトウェア(プログラム)で実現されても良いし、ハードウェア回路で実現されても良い。
操作表示部32bは、印刷ジョブの出力権限の委譲後に、出力権限の委譲先であるユーザが出力可能な回数を表す回数設定を受け付ける。より具体的には、操作表示部32bは、出力権限を委譲されたユーザが印刷ジョブを出力可能な回数を設定するための画面を表示し、出力可能な回数の値である回数設定を受け付ける。このような回数設定は、出力権限を委譲するための操作が行なわれるときや、出力権限の委譲後の任意のタイミングで行なわれれば良い。操作表示部32bは、受け付けた回数設定と、該当するジョブIDと、デバイスIDとを印刷サーバ50bに対して送信するように通信部31bに依頼する。通信部31bは、操作表示部32bから回数設定を受け付けた場合に、ジョブIDとデバイスIDと回数設定とを印刷サーバ50bに対して送信する。また、回数設定は、出力権限の委譲先であるユーザが複数存在する場合に、以下で説明するように、少なくとも2通りの設定が存在する。
1つ目は、出力権限の委譲先である複数ユーザそれぞれに対して回数設定を行なう場合である。かかる場合、操作表示部32bは、出力権限の委譲先である複数ユーザそれぞれに対する回数設定を受け付ける。2つ目は、出力権限の委譲先である複数ユーザ全てを合わせて回数設定を行なう場合である。かかる場合、操作表示部32bは、出力権限の委譲先である複数ユーザの数に関係なく、回数設定を受け付ける。つまり、2つ目のケースでは、出力権限を委譲されたあるユーザが、設定された回数分の出力を行なうことができるため、出力権限を委譲されている他のユーザが出力できない可能性もある。
また、印刷サーバ50bは、通信部51bと、印刷ジョブ情報取得部52と、印刷ジョブ情報記憶部53bと、権限委譲処理部54bと、権限委譲記憶部55bと、印刷ジョブ管理処理部56bとを有する。なお、上記各部については、これらの一部又は全てがソフトウェア(プログラム)で実現されても良いし、ハードウェア回路で実現されても良い。
例えば、通信部51bは、携帯端末30bによって送信された回数設定、ジョブID及びデバイスIDを受信し、印刷ジョブ管理処理部56bと権限委譲処理部54bとに対して出力する。
印刷ジョブ管理処理部56bは、通信部51bによって出力された回数設定をもとに、出力可能な全回数を導出し、ジョブIDに対応する出力可能全回数を印刷ジョブ情報記憶部53bに格納する。なお、出力可能な全回数の導出は、複数ユーザそれぞれに対して回数設定が行なわれている場合である。また、印刷ジョブ管理処理部56bは、画像処理装置60における印刷処理の経過に伴い、通信部51bを介して、出力権限を委譲したジョブIDに対応する印刷ジョブの出力が行なわれた旨の情報が取得されると、該当するジョブIDに対応する出力回数全回数の値を「1」デクリメントする。
権限委譲処理部54bは、通信部51bによって出力された回数設定、ジョブID及びデバイスIDをもとに、ジョブID及びデバイスIDに対応する回数設定を権限委譲記憶部55bに格納する。また、権限委譲処理部54bは、画像処理装置60における印刷処理の経過に伴い、通信部51bを介して、出力権限を委譲したジョブID及びデバイスIDに対応する印刷ジョブの出力が行なわれた旨の情報が取得されると、該当するジョブID及びデバイスIDに対応する回数設定の値を「1」デクリメントする。
図12は、実施の形態3に係る印刷ジョブ情報記憶部53bに記憶された情報例を示す図である。図12に示すように、印刷ジョブ情報記憶部53bは、ジョブIDと、ジョブ名称と、デバイスIDと、ページ数と、カラー/モノクロと、片面/両面と、部数と、用紙サイズと、ステータスと、印刷済みページと、出力可能全回数とに関する情報を対応付けて記憶する。
ここで、「出力可能全回数」には、「−1」、「0」又は正の整数が格納される。例えば、「−1」は、初期値であり、印刷ジョブの出力権限が委譲されていない状態を表す。この他については、印刷ジョブの出力権限を委譲された全ユーザが出力可能な残り回数を表している。すなわち、「0」は、当初設定されていた回数分の出力が既になされているため出力不可であることを表す。また、「1」や「2」は、その値の回数だけ、印刷ジョブの出力権限を委譲された全ユーザが出力可能であることを表している。
図13は、実施の形態3に係る権限委譲記憶部55bに記憶された情報例を示す図である。図13に示すように、権限委譲記憶部55bは、ジョブIDと、デバイスIDと、回数設定とに関する情報を対応付けて記憶する。
ここで、「回数設定」には、「−1」、「0」又は正の整数が格納される。例えば、「−1」は、無制限に出力可能であることを表す。この他については、印刷ジョブの出力権限を委譲された各ユーザが出力可能な残り回数を表している。すなわち、「0」は、当初設定されていた回数分の出力が既になされているため出力不可であることを表す。また、「1」や「2」は、その値の回数だけ、印刷ジョブの出力権限を委譲された各ユーザが出力可能であることを表している。
図14A〜図14Cを用いて、出力権限の委譲先である複数ユーザそれぞれに対して回数設定が行なわれた場合における、印刷ジョブ情報記憶部53b及び権限委譲記憶部55bの更新について説明する。図14A〜図14Cは、出力権限の委譲先である複数ユーザそれぞれに対して回数設定が行なわれた場合における、印刷ジョブ情報記憶部53b及び権限委譲記憶部55bの更新例を説明する図である。
図14Aの上方は、回数設定が行なわれる前の印刷ジョブ情報記憶部53bに記憶される情報例である。例えば、印刷ジョブ情報記憶部53bには、ジョブID「3」と、ジョブ名称「ジョブC」と、デバイスID「D0003」と、ページ数「10」と、カラー/モノクロ「カラー」と、片面/両面「片面」と、部数「1」と、用紙サイズ「A4」と、ステータス「印刷完了」と、印刷済みページ「10」と、出力可能全回数「−1」とが対応付けて記憶されている。
上述した状態において、デバイスIDが「D0003」である携帯端末30bを所有するユーザが、デバイスIDが「D0001」である認証デバイス40を所有するユーザと、デバイスIDが「D0002」である認証デバイス40を所有するユーザとに、ジョブIDが「3」である印刷ジョブの出力権限を委譲するとともに、それぞれのユーザに1回の回数設定を行なう場合を例に挙げる。これにより、図14Aの下方に示すように、印刷ジョブ情報記憶部53bは、出力可能全回数が「2」に更新される。また、権限委譲記憶部55bは、回数設定が「1」にそれぞれ更新される。
その後、デバイスIDが「D0001」である認証デバイス40を所有するユーザが、出力権限を委譲されたジョブID「3」に対応する印刷ジョブを出力したものとする。これにより、図14Bに示すように、印刷ジョブ情報記憶部53bは、出力可能全回数が「1」に更新される。また、権限委譲記憶部55bは、ジョブID「3」及びデバイスID「D0001」に対応する回数設定が「0」に更新される。この時点で、デバイスIDが「D0001」である認証デバイス40を所有するユーザは、ジョブIDが「3」である印刷ジョブを出力できなくなる。
さらに、デバイスIDが「D0002」である認証デバイス40を所有するユーザが、出力権限を委譲されたジョブID「3」に対応する印刷ジョブを出力したものとする。これにより、図14Cに示すように、印刷ジョブ情報記憶部53bは、出力可能全回数が「0」に更新される。また、権限委譲記憶部55bは、ジョブID「3」及びデバイスID「D0002」に対応する回数設定が「0」に更新される。この時点で、デバイスIDが「D0002」である認証デバイス40を所有するユーザは、ジョブIDが「3」である印刷ジョブを出力できなくなる。なお、回数設定が「0」となっている情報については適宜削除しても良く、出力可能全回数が「0」となっている情報についても適宜削除しても良い。
次に、図15A及び図15Bを用いて、出力権限の委譲先である複数ユーザ全てを合わせて回数設定が行なわれた場合における、印刷ジョブ情報記憶部53b及び権限委譲記憶部55bの更新について説明する。図15A及び図15Bは、出力権限の委譲先である複数ユーザ全てを合わせて回数設定が行なわれた場合における、印刷ジョブ情報記憶部53b及び権限委譲記憶部55bの更新例を説明する図である。
図15Aの上方は、回数設定が行なわれる前の印刷ジョブ情報記憶部53bに記憶される情報例である。例えば、印刷ジョブ情報記憶部53bには、ジョブID「2」と、ジョブ名称「ジョブB」と、デバイスID「D0001」と、ページ数「5」と、カラー/モノクロ「モノクロ」と、片面/両面「片面」と、部数「1」と、用紙サイズ「A4」と、ステータス「印刷中断」と、印刷済みページ「2」と、出力可能全回数「−1」とが対応付けて記憶されている。
上述した状態において、デバイスIDが「D0001」である携帯端末30bを所有するユーザが、デバイスIDが「D0002」である認証デバイス40を所有するユーザと、デバイスIDが「D0003」である認証デバイス40を所有するユーザとに、ジョブIDが「2」である印刷ジョブの出力権限を委譲するとともに、全ユーザを合わせて1回の回数設定を行なう場合を例に挙げる。これにより、図15Aの下方に示すように、印刷ジョブ情報記憶部53bは、出力可能全回数が「1」に更新される。また、権限委譲記憶部55bは、回数設定が「1」にそれぞれ更新される。
その後、デバイスIDが「D0003」である認証デバイス40を所有するユーザが、出力権限を委譲されたジョブID「2」に対応する印刷ジョブを出力したものとする。これにより、図15Bに示すように、印刷ジョブ情報記憶部53bは、出力可能全回数が「0」に更新される。また、権限委譲記憶部55bは、ジョブID「2」及びデバイスID「D0003」に対応する回数設定が「0」に更新される。この時点で、デバイスIDが「D0003」である認証デバイス40を所有するユーザは、ジョブIDが「2」である印刷ジョブを出力できなくなる。また、デバイスIDが「D0002」である認証デバイス40を所有するユーザは、ジョブID「2」に対応する出力可能全回数が「0」であるため、回数設定が「1」であったとしても、ジョブIDが「2」である印刷ジョブを出力できなくなる。若しくは、デバイスIDが「D0003」である認証デバイス40を所有するユーザがジョブID「2」に対応する印刷ジョブを出力したときに、デバイスID「D0002」及びジョブID「2」に対応する回数設定を「0」に更新しても良い。なお、回数設定が「0」となっている情報については適宜削除しても良く、出力可能全回数が「0」となっている情報についても適宜削除しても良い。このとき、出力可能全回数が「0」となっているジョブIDに対応する権限委譲記憶部55bの情報についても、回数設定が「0」でなかったとしても削除する。
また、画像処理装置60は、通信部61と、操作表示部62と、探索部63と、印刷ジョブ情報取得部64と、画像処理部65とを有する。なお、上記各部については、これらの一部又は全てがソフトウェア(プログラム)で実現されても良いし、ハードウェア回路で実現されても良い。また、画像処理装置60は、実施の形態1と同様の構成であるため詳細な説明を省略する。
[実施の形態3に係る出力権限委譲処理]
次に、図16を用いて、実施の形態3に係る出力権限委譲処理の流れを説明する。図16は、実施の形態3に係る出力権限委譲処理の流れの例を示すシーケンス図である。すなわち、図16では、出力権限委譲時に、回数設定を行なう場合を例に挙げる。なお、実施の形態1に係る出力権限委譲処理の流れと同様の処理については、詳細な説明を省略する。具体的には、ステップS501〜ステップS507は、ステップS201〜ステップS207における処理と同様である。また、ステップS509〜ステップS511は、ステップS209〜ステップS211における処理と同様である。
図16に示すように、携帯端末30bは、印刷ジョブ情報の一覧からの選択と、回数設定と、出力権限の委譲のための操作とを受け付ける(ステップS508)。そして、認証デバイス40のデバイスIDの取得後、携帯端末30bは、出力権限を委譲する旨を表すデバイスIDと、回数設定とを、印刷サーバ50bに対して送信することにより、印刷ジョブの出力権限委譲処理を要求する(ステップS512)。印刷サーバ50bは、携帯端末30bから出力権限委譲処理の要求を受け付けると、出力権限を委譲するジョブIDと、認証デバイス40のデバイスIDと、回数設定の値とを、権限委譲記憶部55bに追加するとともに、ジョブIDに対応する出力可能全回数を印刷ジョブ情報記憶部53bに格納する(ステップS513)。
[実施の形態3による効果]
権限委譲システム1は、出力権限を委譲する印刷ジョブの出力可能な回数を設定するので、用紙やインク等の無駄遣いを削減することができる。
(実施の形態4)
さて、これまで本発明に係る権限委譲システム1の実施の形態について説明したが、上述した実施の形態以外にも種々の異なる形態にて実施されて良いものである。そこで、(1)印刷中断後に出力権限を委譲、(2)構成、(3)プログラム、について異なる実施の形態を説明する。
(1)印刷中断後に出力権限を委譲
上記実施の形態では、出力権限を委譲された印刷ジョブを出力することができる権限委譲システム1を説明した。出力権限を委譲された印刷ジョブの出力においては、委譲元のユーザ等によって既に設定されている印刷設定や印刷状況を引き継ぐこともできる。
図17は、印刷中断後に出力権限を委譲した場合における画像処理の流れの例を示すシーケンス図である。なお、図17は、実施の形態1に係る画像処理(図7参照)のステップS311の後に続く処理である。
図17に示すように、画像処理装置60は、一覧から選択された印刷ジョブ情報の「ステータス」を確認する(ステップS601)。このとき、画像処理装置60は、ステータスが「印刷中断」である場合に(ステップS602:Yes)、中断後の途中のページから印刷を行なうか否かを選択させるための画面を表示する(ステップS603)。一方、画像処理装置60は、ステータスが「印刷中断」でない場合に(ステップS602:No)、上記実施の形態と同様に、選択された印刷ジョブ情報のジョブIDと、該ジョブIDに対応する印刷ジョブの要求とを、印刷サーバ50に対して送信する(ステップS604)。
また、画像処理装置60は、中断後の途中のページから印刷を行なう選択がなされると、中断後の途中のページ情報(「印刷済みページ」の情報)と、選択された印刷ジョブ情報のジョブIDと、該ジョブIDに対応する印刷ジョブの要求とを、印刷サーバ50に対して送信する(ステップS604)。ここで、画像処理装置60は、中断後の途中のページからではなく、全ページの印刷を行なう選択がなされると、上記実施の形態と同様に、選択された印刷ジョブ情報のジョブIDと、該ジョブIDに対応する印刷ジョブの要求とを、印刷サーバ50に対して送信する(ステップS604)。
印刷サーバ50は、画像処理装置60から、ページ情報と、ジョブIDと、該ジョブIDに対応する印刷ジョブの要求とを受け付ける(ステップS605)。但し、ページ情報については、中断後の途中のページから印刷を行なう選択がなされた場合に受け付けられる情報である。そして、印刷サーバ50は、ジョブIDに対応する印刷ジョブを印刷ジョブ情報記憶部53から取得する(ステップS606)。
続いて、印刷サーバ50は、中断後の途中のページから印刷を行なう選択がなされたことを表すページ情報が受け付けられている場合に(ステップS607:Yes)、該ページ情報に従って、取得した印刷ジョブのページ情報を編集する(ステップS608)。その後、印刷サーバ50は、ページ情報を編集した印刷ジョブを画像処理装置60に対して送信する(ステップS609)。また、印刷サーバ50は、中断後の途中のページから印刷を行なう選択がなされたことを表すページ情報が受け付けられていない場合に(ステップS607:No)、取得した印刷ジョブを画像処理装置60に対して送信する(ステップS609)。これらにより、画像処理装置60は、印刷サーバ50によって送信された印刷ジョブを受信し、受信した印刷ジョブの画像処理を実行することにより印刷を行なう(ステップS610)。
上記では、印刷ジョブ情報の「ステータス」をもとに「印刷済みページ」を引き継ぐ場合を例に挙げた。この他にも、「カラー/モノクロ」、「片面/両面」、「部数」、「用紙サイズ」等の各印刷設定の情報についても、引き継ぐか否か、また、何れを引き継ぐか等を選択させても良い。
(2)構成
また、上記文書中や図面中等で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメタ等を含む情報は、特記する場合を除いて任意に変更することができる。また、図示した装置の各構成要素は、機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、装置の分散又は統合の具体的形態は、図示のものに限られず、その全部又は一部を各種の負担や使用状況等に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に、分散又は統合することができる。例えば、印刷サーバ50と画像処理装置60とを、1台の情報処理装置として統合しても良いし、何れかの機能をクラウドコンピューティングにより実現しても良い。
図18を用いて、携帯端末30のハードウェア構成を説明する。図18は、携帯端末30のハードウェア構成例を示す図である。図18に示すように、携帯端末30は、バス301に接続された、CPU(Central Processing Unit)302と、RAM(Random Access Memory)303と、ROM(Read Only Memory)304とを有する。加えて、携帯端末30は、バス301に接続された、操作表示部305と、通信I/F306と、近距離通信I/F307とを有する。
CPU302は、携帯端末30の動作を統括的に制御する。CPU302は、RAM303をワークエリア(作業領域)として、ROM304等に格納されたプログラムを実行することで、携帯端末30全体の動作を制御する。操作表示部305は、ユーザ操作に応じた各種の入力を受け付けるとともに、ユーザ操作に応じて各種の情報を表示する。例えば、操作表示部305は、タッチパネル機能を搭載した液晶表示装置(LCD:Liquid Crystal Display)や有機EL(Electro Luminescence)表示装置等である。通信I/F306は、各外部装置と通信するためのインタフェースである。近距離通信I/F307は、認証デバイス40等の情報機器とNFC等による近距離無線通信を行なうためのインタフェースである。
図19を用いて、画像処理装置60のハードウェア構成を説明する。図19は、MFPとしての画像処理装置60のハードウェア構成例を示す図である。図19に示すように、MFPとしての画像処理装置60は、コントローラ610と、エンジン部(Engine)660とを、PCI(Peripheral Component Interface)バスで接続した構成となる。コントローラ610は、MFP全体の制御と描画、通信、図示しない操作部からの入力を制御するコントローラである。エンジン部660は、PCIバスに接続可能なプリンタエンジン等であり、例えば白黒プロッタ、1ドラムカラープロッタ、4ドラムカラープロッタ、スキャナ又はファックスユニット等である。なお、エンジン部660には、プロッタ等のいわゆるエンジン部分に加えて、誤差拡張やガンマ変換等の画像処理部分が含まれる。
コントローラ610は、CPU611と、ノースブリッジ(NB)613と、システムメモリ(MEM−P)612と、サウスブリッジ(SB)614と、ローカルメモリ(MEM−C)617と、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)616と、ハードディスクドライブ(HDD)618とを有し、ノースブリッジ613とASIC616との間をAGP(Accelerated Graphics Port)バス615で接続した構成となる。また、MEM−P612は、ROM(Read Only Memory)612aと、RAM(Random Access Memory)612bとをさらに有する。
CPU611は、MFPの全体制御を行なうものであり、ノースブリッジ613、MEM−P612及びサウスブリッジ614からなるチップセットを有し、このチップセットを介して他の機器と接続される。
ノースブリッジ613は、CPU611とMEM−P612、サウスブリッジ614、AGPバス615とを接続するためのブリッジであり、MEM−P612に対する読み書き等を制御するメモリコントローラと、PCIマスタ及びAGPターゲットとを有する。
MEM−P612は、プログラムやデータの格納用メモリ、プログラムやデータの展開用メモリ、プリンタの描画用メモリ等として用いるシステムメモリであり、ROM612aとRAM612bとからなる。ROM612aは、プログラムやデータの格納用メモリとして用いる読み出し専用のメモリであり、RAM612bは、プログラムやデータの展開用メモリ、プリンタの描画用メモリ等として用いる書き込み及び読み出し可能なメモリである。
サウスブリッジ614は、ノースブリッジ613とPCIデバイス、周辺デバイスとを接続するためのブリッジである。このサウスブリッジ614は、PCIバスを介してノースブリッジ613と接続されており、このPCIバスには、ネットワークインタフェース(I/F)部等も接続される。
ASIC616は、画像処理用のハードウェア要素を有する画像処理用途向けのIC(Integrated Circuit)であり、AGPバス615、PCIバス、HDD618及びMEM−C617をそれぞれ接続するブリッジの役割を有する。このASIC616は、PCIターゲット及びAGPマスタと、ASIC616の中核をなすアービタ(ARB)と、MEM−C617を制御するメモリコントローラと、ハードウェアロジック等により画像データの回転等を行なう複数のDMAC(Direct Memory Access Controller)と、エンジン部660との間でPCIバスを介してFCU(Facsimile Control Unit)630、USB(Universal Serial Bus)640、IEEE1394(the Institute of Electrical and Electronics Engineers 1394)インタフェース650が接続される。操作表示部620は、ASIC616に直接接続されている。
MEM−C617は、コピー用画像バッファ、符号バッファとして用いるローカルメモリであり、HDD(Hard Disk Drive)618は、画像データの蓄積、プログラムの蓄積、フォントデータの蓄積、フォームの蓄積を行なうためのストレージである。
AGPバス615は、グラフィック処理を高速化するために提案されたグラフィックスアクセラレータカード用のバスインタフェースである。また、AGPバス615は、MEM−P612に高スループットで直接アクセスすることにより、グラフィックスアクセラレータカードを高速にするものである。
(3)プログラム
また、携帯端末30で実行される権限委譲プログラムは、一つの様態として、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。また、携帯端末30で実行される権限委譲プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するようにしても良い。また、携帯端末30で実行される権限委譲プログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供又は配布するように構成しても良い。また、携帯端末30で実行される権限委譲プログラムを、ROM等に予め組み込んで提供するように構成しても良い。
携帯端末30で実行される権限委譲プログラムは、上述した各部(探索部34、生成部35、通信部31)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が記憶媒体から権限委譲プログラムを読み出して実行することにより、上記各部が主記憶装置上にロードされ、探索部34、生成部35、通信部31が主記憶装置上に生成されるようになっている。