JP6276981B2 - スタッカクレーン - Google Patents

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Description

本発明は、複数の格納室を有する自動倉庫において、物品の入庫や出庫を行うスタッカクレーンであって、商用電源とキャパシタを利用して、電力供給を最適に制御しつつ、工場や事業場全体での消費電力の最適化を実現するスタッカクレーンに関する。
工場、事業場あるいは配送や流通を担う場所においては、様々な物品や商品(以下、「物品」という)を、多くの格納室に収納する棚が、設置されていることが多い。この棚には、様々な物品が置かれている。必要に応じて、この棚に置かれている様々な物品は、棚から取り出されて別の場所に搬送される。あるいは、別の場所から搬送されてきた物品が、棚のある位置に配置される。例えば、この複数の格納室を有する棚は、自動倉庫と呼ばれることもある。
このような棚に置かれている物品の取り出しおよび移動や、他の場所から棚への物品の配置においては、スタッカクレーンが用いられることが多い。スタッカクレーンは、所定の位置に設けられるステーションを中継地点として、物品の棚からの出庫や棚への入庫を行う。
このスタッカクレーンは、様々な種類を有しているが、一例としてのスタッカクレーンは、モノレールであるレール上を水平走行するフレーム(上下に略平行に延びるマストを中心とした構造体)と、出庫や入庫対象となる物品を乗せるキャリッジを備えている。このキャリッジは、棚の位置に合わせて物品を移動させるので、上下に昇降する。
このフレームの走行とキャリッジの上下昇降との組み合わせによって、スタッカクレーンは、棚の縦横に形成される複数の格納室に対応して、物品を取り出したり配置したりできる。すなわち、スタッカクレーンは、水平方向と上下方向の移動経路を実現できる。言い換えれば、スタッカクレーンは、水平方向に移動する要素と上下方向に移動する要素と、を備えている。この水平方向および上下方向の移動の組み合わせにより、二次元に配列される複数の格納室へのアクセスを行える。
このように、スタッカクレーンは、レール上を水平走行するので、スタッカクレーンのフレームには、レールを走行できる駆動装置が備わっている。また、駆動装置は、電力を必要とし、マストやその他のフレームに取り付けられている。もちろん、駆動装置は、フレームをレール上で往復走行させるだけでなく、キャリッジの昇降動作をも生じさせる。
水平動作を移動するフレームと上下方向に移動するキャリッジを駆動する駆動装置は、その駆動において当然に電力を必要とする。スタッカクレーンは、工場や事業場において設置・使用されるので、商用電源から電力を供給される。スタッカクレーンは、この商用電源からの電力供給により、駆動部を動作させて水平方向および上下方向の移動を実現できる。
一方で、商用電源のみでなく蓄電装置からの電力供給を受ける技術も提案されている。スタッカクレーンではないが、工場などで使用される搬送機に商用電源に加えて蓄電装置を備え、商用電源と蓄電装置との両方からの電力供給を受ける技術が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
特開2011−230864号公報 特開2009−263069号公報
特許文献1は、工業的に用いられる垂直搬送機が、商用電源と蓄電装置とを備え、垂直搬送機の消費電力がピークとなる発進時に蓄電装置からの電力供給を受けることで、ピーク電力値を低減する技術を開示する。特許文献1の図3、図4から明らかな通り、発進時において蓄電装置が垂直搬送機に電力を供給している。結果として、商用電源からの電力供給を低減することができる。特に、消費電力がピークとなる時の商用電源からの電力供給を低減できる。
特許文献2は、複数のクレーンを運転するクレーンシステムを開示する。特許文献2に開示されるクレーンシステムは、商用電源と蓄電部を備え、商用電源からの電力供給を畜電部が補助することで、特許文献1と同様に、商用電源からの電力供給を低減できる。特に、畜電部の残量などのパラメータを把握して、複数のクレーンに最適な電力供給を実現する。
このように、特許文献1,2に代表されるように、従来技術の垂直搬送機やクレーンは、商用電源に加えて蓄電装置を備えることで、商用電源からの電力供給、特に消費電力のピーク時における商用電源からの電力供給を低減することを提案している。
一般的に、垂直搬送機やスタッカクレーンなどの設備を備える工場での電力費用は、電力会社との契約によって定まる。このとき、電力費用は、使用した消費電力量と基本料金との合算で定まる。このように電力費用は、使用した電力量だけではなく、基本料金の要素を有している。この基本料金は、工場や事業場と電力会社との契約の種類で定まる。契約の種類は、工場や事業場でのピーク電力の値で定まる。
このため、工場や事業場で使用される垂直搬送機やクレーンなどの設備のピーク電力値が高くなることは、基本料金を上げてしまうことになる。基本料金は、使用した電力量と関係なく固定額であるから、設備で使用する総電力量を低減させても、工場や事業場が負担する電力料金が下がらないことになってしまう。
特許文献1,2は、蓄電装置を備えることで、垂直搬送機やクレーンなどのピーク消費電力値を低下させる。このピーク消費電力値の低下によって、基本料金を低下させて電力料金を低下させることを目的としている。
しかしながら、特許文献1、2のいずれにおいても、蓄電装置を備える垂直搬送機やクレーンへのピーク時の電力供給の制御のみしか考慮されていない。電力料金は、設備毎に契約されるのではなく、工場や事業場単位で契約される。このため、設備のみで消費電力やピーク電力を考慮するだけでは、実際の電力料金の節減には繋がらない。工場や事業場には、垂直搬送機やクレーン以外の製造設備、あるいは照明や空調機器などの製造設備以外の設備が備わっている。
このような状況では、対象とする設備以外の設備を考慮して、工場全体での消費電力の制御を行うことが求められる。全体での消費電力とは、使用される総電力量とピーク電力の両方を意味する。しかしながら、特定の設備のみしか考慮していない特許文献1,2では、工場や事業場全体での消費電力制御を実現することができない。特許文献1、2のそれぞれは、設備が備える蓄電池をピーク電力消費時の補助のみで考慮しているに過ぎない。このため、工場や事業場全体での消費電力の最適化を実現することができない問題を有している。
このように、特許文献1、2に開示される技術は、工場や事業場全体の消費電力の最適化を実現するという、よりマクロな目的を達成できない問題を有している。
また、特許文献1の垂直搬送機は、垂直方向の移動動作しか必要としないので、大きな蓄電装置を備えることができる。しかしながら、自動倉庫において使用されるスタッカクレーンは、水平移動も行う必要があるので、備えることのできる蓄電装置の大きさや重量に制限を有する。このため、特許文献1の蓄電装置による電力供給の補助を、そのままスタッカクレーンに適用することが難しい問題もある。特許文献2も同様である。
このように、特許文献1,2に開示される技術は、スタッカクレーンの電力源としての蓄電装置の適用を解決できないというより細かな技術的問題を有している。
また、従来技術では、スタッカクレーンの電力源としての蓄電装置として、キャパシタを利用することも示唆されている。しかし、従来技術ではキャパシタを利用することを示唆しているのみで、キャパシタを、電力源以外で活用することを示唆していない。また、キャパシタの取り扱いの難しさに対応する機能や構造も示唆しておらず、キャパシタを利用することにおいての検討が殆どなされていない問題もある。
本発明は、自身の消費電力のみならず工場全体での消費電力の最適化を実現するスタッカクレーンを提供することを目的とする。
上記課題に鑑み、本発明のスタッカクレーンは、水平方向および垂直方向の二次元配列される複数の格納室から物品の出庫および入庫の少なくとも一方を行うスタッカクレーンであって、
前記格納室に対して水平方向に移動する水平移動部と、
前記格納室に対して上下方向に移動する上下移動部と、
前記水平移動部を駆動する水平駆動部と、
前記上下移動部を駆動する上下駆動部と、
前記水平駆動部、前記上下駆動部および商用電源と接続されるキャパシタと、
前記水平駆動部および前記上下駆動部への電力供給、および、前記水平駆動部および前記上下駆動部からの電力供給を制御する制御部と、を備え、
前記上下駆動部は、下降動作を行う際に回生電力を発生し、
前記制御部は、
第1条件において、前記商用電源および前記キャパシタからの電力を、前記上下駆動部および前記水平駆動部の少なくとも一方に供給する第1モード、
第2条件において、前記上下駆動部が発生する回生電力を、前記キャパシタに供給する第2モード、
第3条件において、前記上下駆動部が発生する回生電力を、前記商用電源に供給する第3モード、
第4条件において、前記商用電源からの電力を、前記キャパシタに供給する第4モード、
を実行し、
前記第1モードでは、前記制御部は、前記上下移動部の上昇動作の全体に渡って、前記商用電源からの商用電力と前記キャパシタからの蓄電電力とが合算された合算電力を、前記上下駆動部に供給し、
前記第2条件は、前記キャパシタの蓄電電力が第2電力値未満の場合であり、
前記第3条件は、前記キャパシタの蓄電電力が第2電力値以上の場合であり、
前記第4条件は、前記キャパシタの蓄電電力が第1電力値未満の場合であり、
前記第3モードにおいて前記商用電源に供給された回生電力は、前記スタッカクレーン以外の設備に供給される
本発明のスタッカクレーンでは、商用電源だけでなくキャパシタを備え、キャパシタは、スタッカクレーンの水平移動や上下移動の動作において電力を供給できる。この結果、スタッカクレーンが消費する商用電源からの電力を削減できる。
また、スタッカクレーンは、上下移動において下降動作を行う。この下降動作は、電機ブレーキを掛けながら自由落下を行うので、回生電力を発生できる。スタッカクレーンは、キャパシタに蓄電容量が残っている場合においては、発生した回生電力をキャパシタに充電する。一方キャパシタに蓄電容量が残っていない場合には、スタッカクレーンは、商用電源に回生電力を供給する。この結果、発生した回生電力を無駄にすることなく、活用できる。特に、スタッカクレーンの備えるキャパシタに充電できない場合には、商用電源に供給することで、スタッカクレーン以外の様々な設備において回生電力を活用できる。
これらの結果、本発明のスタッカクレーンは、工場や事業場単位での消費電力を最適化できる。
本発明の実施の形態1における倉庫の模式図であり、倉庫を上から見た状態を示している。 本発明の実施の形態1における倉庫100の斜視図である。 本発明の実施の形態1における格納領域の模式図である。 本発明の実施の形態1におけるスタッカクレーンのブロック図である。 本発明の実施の形態1における第1モードでの電力ルートを説明するブロック図である。 本発明の実施の形態1における制御部が供給する電力値を示すグラフである。 本発明の実施の形態1における第2モードでの電力ルートを説明するブロック図である。 本発明の実施の形態1における第3モードでの動作を説明するブロック図である。 本発明の実施の形態1における第4モードでの動作を説明するブロック図である。 本発明の実施の形態2におけるスタッカクレーンのブロック図である。
本発明の第1の発明に係るスタッカクレーンは、水平方向および垂直方向の二次元配列される複数の格納室から物品の出庫および入庫の少なくとも一方を行うスタッカクレーンであって、
格納室に対して水平方向に移動する水平移動部と、
格納室に対して上下方向に移動する上下移動部と、
水平移動部を駆動する水平駆動部と、
上下移動部を駆動する上下駆動部と、
水平駆動部、上下駆動部および商用電源と接続されるキャパシタと、
水平駆動部および上下駆動部への電力供給、および、水平駆動部および上下駆動部からの電力供給を制御する制御部と、を備え、
上下駆動部は、下降動作を行う際に回生電力を発生し、
制御部は、
第1条件において、商用電源およびキャパシタからの電力を、上下駆動部および水平駆動部の少なくとも一方に供給する第1モード、
第2条件において、上下駆動部が発生する回生電力を、キャパシタに供給する第2モード、
第3条件において、上下駆動部が発生する回生電力を、商用電源に供給する第3モード、
第4条件において、商用電源からの電力を、キャパシタに供給する第4モード、
を実行する。
この構成により、スタッカクレーンは、電力を消費する電力消費要素である場合と、電力を発生する電力発生要素である場合とに分けた処理を実行できる。結果として、スタッカクレーンの消費電力の最適化と工場全体での消費電力の最適化を実現できる。
本発明の第2の発明に係るスタッカクレーンでは、第1の発明に加えて、水平駆動部は、減速時に回生電力を発生して、第1条件および第4条件の少なくとも一つに従って、回生電力を出力する。
この構成により、スタッカクレーンは、電力発生要素としての機能を発揮できる。
本発明の第3の発明に係るスタッカクレーンでは、第1または第2の発明に加えて、第1モードでは、制御部は、商用電源からの商用電力とキャパシタからの蓄電電力とが合算された合算電力を、上下駆動部および水平駆動部の少なくとも一方に供給する。
この構成により、スタッカクレーンで消費される電力において、ピーク時の消費電力に対応する商用電源からの電力を低減できる。結果として、電力会社との契約基本料金を下げることが出来る。
本発明の第4の発明に係るスタッカクレーンでは、第3の発明に加えて、第1モードでは、制御部は、上下移動部の上昇動作の全体に渡って、合算電力を供給する。
この構成により、スタッカクレーンが消費電力を必要とする上下移動部の上昇動作全体を、キャパシタからの電力で補助できる。この全体に渡った補助により、上昇全体での商用電源による消費電力の総量を低減できる。結果として、電力料金を低減できる。
本発明の第5の発明に係るスタッカクレーンでは、第1から第4のいずれかの発明に加えて、第1条件は、キャパシタの蓄電電力が第1電力値以上の場合である。
この構成により、キャパシタが電力供給の放電が可能な状態で初めて、キャパシタの電力が活用できる。
本発明の第6の発明に係るスタッカクレーンでは、第1から第5のいずれかの発明に加えて、第2条件は、キャパシタの蓄電電力が第2電力値未満の場合である。
この構成により、キャパシタが充電可能な状態において、回生電力によるキャパシタの充電が可能となる。この結果、キャパシタを故障等させない。
本発明の第7の発明に係るスタッカクレーンでは、第1から第6のいずれかの発明に加えて、第3条件は、キャパシタの蓄電電力が第2電力値以上の場合である。
この構成により、スタッカクレーンが電力発生要素の機能を発揮する場合に、商用電源に回生電力を供給して、工場全体での電力の有効活用が更に進む。すなわち、スタッカクレーンのみでなく、スタッカクレーンが設置されている工場などの全体での消費電力の削減や最適化を実現できる。
本発明の第8の発明に係るスタッカクレーンでは、第1から第7のいずれかの発明に加えて、第4条件は、キャパシタの蓄電電力が第1電力値未満の場合である。
この構成により、キャパシタの蓄電電力が低くなっている場合には、スタッカクレーンが電力発生要素となって生じさせる回生電力によって、キャパシタが充電される。この充電によって、キャパシタによるスタッカクレーン動作への電力補助が行われる。
本発明の第9の発明に係るスタッカクレーンでは、第6から第8のいずれかの発明に加えて、第1電力値より第2電力値が高い。
この構成により、キャパシタの保護が図られる。
本発明の第10の発明に係るスタッカクレーンでは、第1から第9のいずれかの発明に加えて、第3モードにおいて商用電源に供給された回生電力は、スタッカクレーン以外の設備に供給される。
この構成により、スタッカクレーンが電力発生要素となる場合に、スタッカクレーンの発生する回生電力が、工場全体での電力消費に用いられる。
本発明の第11の発明に係るスタッカクレーンでは、第1から第10のいずれかの発明に加えて、上下駆動部および水平駆動部の少なくとも一方は、水平移動部および上下移動部の少なくとも一方の現在位置および移動先位置を記憶する記憶部を備え、
商用電源が電力供給不能となった場合には、キャパシタが記憶部に電力を供給する。
この構成により、停電などによる復帰後の動作の簡略化が実現できる。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
(実施の形態1)
実施の形態1におけるスタッカクレーンは、自動倉庫を始めとした複数の格納室を有する棚を有する倉庫において使用される。このような倉庫は、複数の格納室を有しており、スタッカクレーンは、この複数の格納室のいずれかに物品を入庫したり、この複数の格納室のいずれかから物品を出庫したりする。自動倉庫や棚を有する空間など、スタッカクレーンが物品の出庫や入庫に使用される種々の空間を、倉庫との概念で説明する。この倉庫において、スタッカクレーンは使用される。
(倉庫について)
まず、倉庫について説明する。図1は、本発明の実施の形態1における倉庫の模式図であり、倉庫を上から見た状態を示している。倉庫100は、図1に示されるように、格納領域20を備えている。格納領域20は、複数の格納室21を備えている。複数の格納室21は、縦横あるいは奥行きにおいて、種々に区分けされている。
ここで、倉庫100の略中央に、レール30が設けられている。格納領域20は、このレール30の両側に設けられ、レール30の両側のそれぞれに設けられる複数の格納室21のそれぞれで、所定物品50の出庫や入庫が行われる。
また、図1は、倉庫100を上から見た模式図であるが、倉庫100の詳細を斜視図として示したものが図2である。図2は、本発明の実施の形態1における倉庫100の斜視図である。図1と同様に、格納領域20に個々の格納室21が備わっており、その間を抜けるように貫くレール30が備わっている。レール30上を、スタッカクレーン1が往復走行する。その両サイド(あるいは片サイド)に作業ステーション10が備わっている。図1では、作業ステーション10は、レール30に重複する位置に設けられているが、図2では、レール30と異なる位置に設けられている。
作業ステーション10は、所定物品50の入庫や出庫における設置作業などに用いられるので、このような設置位置でもよい。また、倉庫100の備える格納室21のそれぞれは、部屋の形態でなくとも、図2に示されるように、骨組みで構成されても良い。このような骨組みで形成される格納室21の間を、スタッカクレーン1の水平移動部2がレール30上を往復走行(水平方向に移動)する。さらにスタッカクレーン1において、上下移動部3が昇降動作(上下方向に移動)する。これによって、所定物品50が、所定の格納室21で入庫や出庫を行われる。
スタッカクレーン1は、このように複数の格納室のいずれかに対応するように、上下方向および水平方向に移動する。上下方向および水平方向の移動によって、X軸およびY軸で形成される平面にある複数の格納室のいずれに対しても、対向できるようになる。
このため、スタッカクレーン1は、格納室21に対して水平方向に移動する水平移動部2と、上下方向に移動する上下移動部3とを、備える。また、図1には図示していないが、スタッカクレーン1は、水平移動部2を駆動する水平駆動部と、上下移動部3を駆動する上下駆動部と、を備えている。
格納領域20のそれぞれは、上述のように、複数の格納室21が備わっており、複数の格納室21は、いわゆる棚のように間仕切りされた空間が、並んでいる。図3は、本発明の実施の形態1における格納領域の模式図である。格納領域20には、図3に示されるように整然と区分された複数の格納室21が備わっている。
もちろん、図3のように複数の格納室21が整然と区分されていなくとも、異なる形状や大きさの格納室21が並んでいてもよい。図3は、格納領域20を正面から見た状態を示している。すなわち、複数の格納室21の入り口側が見えている状態である。複数の格納室21のそれぞれは、様々な目的(製造部品の保管、製造後物品の保管、あるいはこれらの一時的な保管など)に応じて、所定物品50を保管する。もちろん、所定物品50が保管されてない空き状態の格納室21も存在する。
図3では、複数の格納室21の内、格納室21Aに所定物品50Aが保管されており、格納室21Bに所定物品50Bが保管されている。これら所定物品50Aや所定物品50Bのそれぞれは、スタッカクレーン1によって、格納室21Aおよび格納室21Bのそれぞれに入庫されたものである。あるいは、既に保管されているこれら所定物品50Aと所定物品50Bのそれぞれは、スタッカクレーン1によって、格納室21Aおよび格納室21Bから取り出されて出庫されることもある。
倉庫100においては、レール30を走行するスタッカクレーン1が、格納室21へ所定物品50を入庫させたり、格納室21から所定物品50を出庫させたりする。倉庫100は、このようなスタッカクレーン1による出庫・入庫を受ける構成を有している。
なお、作業ステーション10は、倉庫100の両端ないしは一端に設けられており、作業者が、スタッカクレーン1に所定物品50を設置しても良いし、作業者がスタッカクレーン1から所定物品50を受け取ってもよい。作業ステーション10が備わっている場合には、作業者とスタッカクレーン1との共同による出庫・入庫およびこれに付随する作業が容易となる。
このように、本発明のスタッカクレーンは、このような倉庫100に用いられる。
(スタッカクレーンの概要)
実施の形態1におけるスタッカクレーン1の概要を説明する。スタッカクレーン1は、図1〜図3で説明したように自動倉庫などの倉庫100などで用いられる。もちろん、倉庫100に用途が限定されるものではなく、複数の格納室21に対して物品50の出庫や入庫を行う様々な用途に用いられればよい。
図4は、本発明の実施の形態1におけるスタッカクレーンのブロック図である。スタッカクレーン1は、図1〜図3などに示されるような水平方向および垂直方向の二次元配列される複数の格納室21から物品の出庫および入庫の少なくとも一つを行う。
スタッカクレーン1は、水平移動部2、上下移動部3、水平駆動部200、上下駆動部300、キャパシタ9、制御部7を備える。なお、実施の形態においては、キャパシタ9について、リチウムイオンキャパシタ9(以下、「Liキャパシタ9」という)を例として説明する。もちろん、同様の他のキャパシタが用いられることを除外する意図ではない。
ただし、Liキャパシタが用いられることが、様々な点で好適である。エネルギー密度、出力密度、充電性能、保守性、寿命、や重量の点で好適だからである。
ここで、キャパシタとは、バッテリーのような電池とは異なり、いわゆるコンデンサ(容量)に貯められた電荷に基づいて、電力を供給できる部材である。コンデンサを有しているので、電力供給のための放電だけでなく、外部からの充電も可能である。また、バッテリーのような電池と異なり取り扱い(充電容量や放電容量などの制限値)は、デリケートであるが、軽量であり実施の形態1のスタッカクレーン1のように様々に移動する装置に取り付けるには好適である。加えて、キャパシタは、電池よりも短時間での出力特性に優れる。
従来技術では、水平動作を必要としない装置であることで、バッテリーなどの重たい蓄電池を備えることができるものもある。しかし、実施の形態1におけるスタッカクレーン1は、図1〜3で説明したように、水平動作も行うので、重たい蓄電池を備えて運搬することは、作業性・省エネの面から好ましくない。このため、バッテリーとは異なるキャパシタが用いられる。
このキャパシタは、充電による蓄電と電力供給のための放電とを行えるが、その取り扱いはデリケートである。また、充電と放電を切り替えることも可能である。しかしながら、従来技術では、このような取り扱いや活用を想定出来なかった。実施の形態1におけるスタッカクレーン1は、このデリケートな取り扱いを考慮しつつ、様々な活用を想定することで、スタッカクレーン1を電力消費だけではなく電力生成の要素としても取り扱うことができ、スタッカクレーン1のような装置のみの電力削減だけではなく、装置が設置される工場や事業場全体での、消費電力や電力料金の最適化を実現できるものである。
水平移動部2は、格納室21に対して水平方向に移動する。図1などでは、例えば倉庫100の床面にレール30が設けられており、水平移動部2は、このレール30に沿って移動することで、水平方向の移動を行える。水平駆動部200は、この水平移動部2を駆動する。水平駆動部200によって、水平移動部2が、実際に水平方向に移動できる。例えば、水平移動部2は、レール30を移動できるフレームや動輪であり、水平駆動部200は、このフレームや動輪を動作させる。
上下移動部3は、格納室21に対して上下方向に移動する。たとえばキャリッジなどの要素で上下移動部3は構成されている。上下移動部3は、ある格納室21での上下方向の位置を合わせたり、上下方向に並ぶ複数の格納室21のいずれかに位置を合わせたりするために、上下方向に移動する。上下駆動部300は、この上下移動部3を上下方向に駆動する。すなわち、上下駆動部300が、上下移動部3の駆動源となる。
上下駆動部300は、上下移動部3を上下移動させる。上下移動部3が上昇するときは、上下駆動部300は、上下移動部3に電力を与える。すなわち、上下移動部3は、電力を消費している状態である。これに対して、上下移動部3が下降する際には、上下移動部3(および上下駆動部300)には電気ブレーキが生じている。この電気ブレーキによって、回生電力が発生する。すなわち、上下駆動部300は、上下移動部3の下降時に、回生電力を生じさせる。上下駆動部300は、上下移動部3の上下移動において電力を消費するだけでなく、回生電力としての電力を発生することもできる。
スタッカクレーン1は、電力で動作する。特に、上下駆動部300、水平駆動部200は、電力を動力源として駆動して、上下移動部3と水平移動部2とを動作させる。このため、スタッカクレーン1は、Liキャパシタ9を備える。Liキャパシタ9は、電力を蓄積して、水平駆動部200、上下駆動部300へ電力を供給できる。
また、スタッカクレーン1は、商標電源との接続部8も備えている。この接続部8に商用電源からの電力線路が接続されて、スタッカクレーン1に商用電源からの電力が供給される。あるいは、スタッカクレーン1からの電力が、商用電源に供給できるようになる。また、Liキャパシタ9は、接続部8と電気的に接続されており、商用電源とLiキャパシタ9とが電気的に接続される。
また、Liキャパシタ9は、水平駆動部200および上下駆動部300と、電気的に接続される。
制御部7は、水平駆動部200および上下駆動部300のそれぞれへの電力供給を制御する。加えて、制御部7は、水平駆動部200および上下駆動部300の少なくとも一方からの電力供給を制御する。すなわち、制御部7は、水平駆動部200および上下駆動部300を基準として、電力の入力/出力のいずれかを制御する。
ここで、制御部7は、次の第1モード〜第4モードのいずれかで、電力供給を制御する。
第1モード:第1条件において、商用電源およびLiキャパシタ9からの電力を、水平駆動部200および上下駆動部300の少なくとも一方に供給する。
第2モード:第2条件において、上下駆動部300が発生する回生電力をLiキャパシタ9に供給する。
第3モード:第3条件において、上下駆動部300が発生する回生電力を商用電源に供給する。
第4モード:第4条件において、商用電源からの電力を、Liキャパシタ9に供給する。
なお、商用電源との電力のやり取りは、スタッカクレーン1の接続部8が商用電源と電力線路で接続されることで実現されればよい。
このように、制御部7は、第1モード〜第4モードのいずれかで、電力供給のルート制御を行う。商用電源にLiキャパシタ9からの電力を加えることで、スタッカクレーン1の上下移動部や水平移動部のピーク電力使用時の商用電源からの電力を抑えることができる。あるいは、上下駆動部300は、上下移動部3の下降時に回生電力を生じさせる。この回生電力は、Liキャパシタ9タに供給されたり、商用電源に供給されたりする。すなわち、スタッカクレーン1は、単なる電力消費する装置ではなく、電力生成の装置としての位置づけとしても扱われる。
このように、制御部7は、スタッカクレーン1が電力を消費する際の電力供給ルートを、商用電源による電力供給を最小化(最適化)出来るように制御する。あるいは、制御部7は、スタッカクレーン1が電力を発生する際の電力供給ルートを、スタッカクレーン1が使用するLiキャパシタ9もしくはスタッカクレーン1が設置されている工場などの商用電源に切り替える。この場合には、スタッカクレーン1が発生する回生電力を、スタッカクレーン1にて使用することも、スタッカクレーン1以外の工場内部の装置で活用することもできる。
この電力供給のルート制御によって、スタッカクレーン1は、単体としての省電力を実現できる。加えて、スタッカクレーン1単体だけでなく、スタッカクレーン1を始めとした様々な電力を消費する設備(製造装置、運搬装置、照明装置、空調装置など様々)全体の消費電力の最適化を実現できる。言い換えれば、工場や事業場単位での消費電力の最適化を実現できる。
(各モードでの電力ルートと、各部動作の説明)
図5は、本発明の実施の形態1における第1モードでの電力ルートを説明するブロック図である。図4と同じ符号は同じ要素である。
第1条件は、Liキャパシタ9の蓄電電力が第1電力値以上の場合である。第1電力値は、Liキャパシタ9が、水平駆動部200や上下駆動部300に対して電力を供給可能であって、Liキャパシタ9が電力放出を行うことに問題のない下限値に対応する。この下限値に対応する第1電力値以上の蓄電を残している状態であれば、Liキャパシタ9は、水平駆動部200や上下駆動部300に対して電力を供給可能である。
このような第1条件において、制御部7は、商用電源およびLiキャパシタ9からの電力のそれぞれが合算された合算電力を、水平駆動部200および上下駆動部300の少なくとも一方に供給する。
ここで、合算電力は、商用電源からの電力にLiキャパシタ9からの電力が合算されたものである。図6は、本発明の実施の形態1における制御部が供給する電力値を示すグラフである。図6のグラフでは、上下駆動部300が上下移動部3をある位置から目的位置まで上昇させる上昇期間での電力値を示している。
第1モードでは、この上昇期間において、Liキャパシタ9からの電力である電力Aと、商用電源からの電力である電力Bとを合算した合算電力を、制御部7は上下駆動部300に供給する。ここで、図6のグラフから明らかな通り、制御部7は、上下駆動部300の上昇期間(上昇動作)の全体に渡って、電力Aと電力Bが合算された合算された電力を供給する。
特に、制御部7は、上昇期間の全体に渡って、Liキャパシタ9からの電力Aを合わせて上下駆動部300に供給する。この電力Aは、上下駆動部300が必要とする電力値に、いわゆるげたを履かせた状態である。この電力Aは、上下駆動部300が、上下移動部3の上昇期間に必要な電力値を補うことが出来る。
特に、図6のグラフから明らかなように、上下移動部の上昇期間においては、上昇加速時により大きな電力を必要とする。スタッカクレーン1としては、この上昇加速時の最大電力が、ピーク電力値となりうる。このピーク電力値が、商用電源だけで賄われてしまうと、スタッカクレーン1が設置されている工場などでの、電力会社との電力契約の基本料金を増加させる要因となってしまう。
これに対して、第1モードでは、この上昇加速時にLiキャパシタ9からの電力補助があることで、商用電源のみで対応しなければならない電力である電力B1を、相対的に減少させることが出来る。この結果、商用電源に必要とされるピーク電力値を下げて、契約料金を低下させることができる。
加えて、第1モードでは、制御部7は、従来技術と異なり、上昇期間全体においてLiキャパシタ9からの補助的な電力である電力Aが供給される。このため、工場内部に複数のスタッカクレーン1が設置されたり、他の設備が設置されたりする場合であっても、上下駆動部300による上下移動部3の上昇動作での消費電力が削減できる。
また、Liキャパシタ9からの補助的な電力Aが供給されることで、商用電源のトラブル(停電や電力低下など)が生じる場合でも、スタッカクレーン1は、瞬間停止などのトラブルから守られやすくなる。
また、ピーク電力値を下げることの波及効果として、工場などでの受電設備の耐圧電圧を抑えることができる。工場設備を増設する場合には、ピーク電力値が増加するために、受電設備を更新しなければならない場合がある。しかし、実施の形態1におけるスタッカクレーン1は、ピーク電力値を下げることが出来る上、商用電源への電力供給もできるので、このような受電設備の更新や入れ替えを、低減できるメリットも有する。
(第2モード)
第2モードでは、第2条件の場合に、上下駆動部300が発生する回生電力を、制御部7が、Liキャパシタ9に供給する。図7は、本発明の実施の形態1における第2モードでの電力ルートを説明するブロック図である。図7の矢印Cは、第2モードでの電力の移動ルートを示す。
第2条件は、Liキャパシタ9の蓄電電力が第2電力値未満の場合である。第2電力値は、Liキャパシタ9が外部から充電を受けることを許容できる状態である。すなわち、Liキャパシタ9の蓄電電力が下がっており、外部から電力供給を受けると充電可能となる状態である。
また、上下駆動部300が回生電力を発生するメカニズムについては既述した通りである。上下移動部3が下降する際には、電気ブレーキが生じることで、回生電力が発生する。上下駆動部300は、この回生電力をスタッカクレーン1において有効活用することができる。すなわち、この状態では、スタッカクレーン1は、電力消費要素というよりも電力発生要素であるといえる。
この第2条件において、制御部7は、上下駆動部300で発生した回生電力を、Liキャパシタ9に供給する。Liキャパシタ9は、充電可能な第2電力値未満の状態であるので、回生電力が供給されれば、Liキャパシタ9は、自身を充電できる。Liキャパシタ9は、第1モードで説明したように、スタッカクレーン1の動作の電力源として使用される。スタッカクレーン1が、電力発生要素となる場合に、発生された回生電力がスタッカクレーン1を動作させるための電力源として、Liキャパシタ9にて活用される。
Liキャパシタ9に蓄電された回生電力は、当然ながら、スタッカクレーン1が上下駆動部300や水平駆動部200を駆動させる際に用いられる。このようにして、第2モードでは、スタッカクレーン1の消費電力を低減しつつ、最適化できる。
(第3モード)
第3条件では、制御部7は、第3モードに従った動作を行う。図8は、本発明の実施の形態1における第3モードでの動作を説明するブロック図である。
第3条件は、Liキャパシタ9の蓄電電力が第2電力値以上の場合である。すなわち、第2モードで説明した通り第2電力値以上の場合には、Liキャパシタ9は、充電を受け付けることが出来ない状態である(あるいは、これに近い状態である)。言い換えれば、第2電力値以上の場合には、Liキャパシタ9は、充電されなくとも電力供給のための放電が可能な状態である。
第2モードでも説明した通り、上下駆動部300は、上下移動部3が下降する際に回生電力を発生する。この回生電力は、第2モードではスタッカクレーン1そのものが使用するために、Liキャパシタ9に蓄電された。しかしながら、スタッカクレーン1は、位置が固定されている装置と異なり、水平方向にも移動しなければならない。
この水平方向の移動に際して、スタッカクレーン1は、Liキャパシタ9を併せて運搬する。このため、スタッカクレーン1が備えることが出来るLiキャパシタ9の重量は、制限される。重量が制限されれば、当然にLiキャパシタ9の容量が制限されてしまう。このため、Liキャパシタ9は、充電可能な第2電力値を超えてしまっていることもありえる。
この場合には、上下駆動部300で発生する回生電力は、Liキャパシタ9に充電されても無駄となってしまう。場合によっては、Liキャパシタ9の故障などを生じさせてしまう可能性もある。
第3モードでは、制御部7は、上下駆動部300で生じた回生電力を、接続部8を介して、商用電源に供給する。図8の矢印Dは、この電力供給ルートを示す。制御部7は、矢印Dに従って、回生電力を商用電源に供給している。
商用電源は、スタッカクレーン1が設置されている工場や事業場全体の電力供給に対応している。このため、商用電源に回生電力が供給されれば、商用電源は、発電所を基点に外部から供給される電力だけでなく、回生電力をも利用できる。この結果、商用電源は、通常の外部からの電力に加えて回生電力を、工場や事業場全体での電力使用に供給できる。
すなわち、スタッカクレーン1が回生電力を発生するという電力発生要素となる場合に、スタッカクレーン1は(制御部7は)、工場や事業場単位での消費電力の低減(最適化)を図ることができる。すなわち、工場や事業場全体で、いわゆる電力会社から供給を受ける電力量(総量であったりピーク電力であったりする)を、低減できる。
なお、商用電源に供給された電力(上下駆動部300で発生した回生電力)は、商用電源の電源線路にそって、スタッカクレーン1以外の設備や装置に用いられる。例えば、他の製造装置、運送装置、照明装置、空調装置などに使用される。
なお、第2条件での第2電力値と第3条件の第2電力値は、同一の値でもよいが、幅のある値であってもよい。
また、第1電力値と第2電力値は、同じ値が用いられても別の値が用いられてもよい。基本的には、第2電力値は、Liキャパシタ9への充電可能な上限値であり、第1電力値は、Liキャパシタ9からの電力供給が可能な下限値である。このため、第1電力値よりも第2電力値が高い値であることが適当である。
(第4モード)
第4条件において、制御部7は、第4モードに従った電力供給ルートを実現する。図9は、本発明の実施の形態1における第4モードでの動作を説明するブロック図である。
第4条件は、Liキャパシタ9の蓄電電力が第1電力値未満の場合である。第1モードで説明した通り、第1電力値は、Liキャパシタ9が、スタッカクレーン1の電力源として電力を供給できる(放出できる)下限値である。この下限値未満であれば、Liキャパシタ9は、スタッカクレーン1の上下駆動部300や水平駆動部200などへの電力供給を行えない。
このため、Liキャパシタ9の蓄電電力が第1電力値未満の場合には、Liキャパシタ9を充電することが求められる。このため、制御部7は、図9の矢印Eのように、商用電源からの電力をLiキャパシタ9に供給する。実際には、商用電源と繋がっている接続部8から、電力がLiキャパシタ9に供給される。この供給ルートによって、Liキャパシタ9が充電される。
この充電によってLiキャパシタ9が、第1モードのように、商用電源と共にスタッカクレーン1の電力源として使用されることができる。
第4モードによって、Liキャパシタ9が使用できなくなる状況の発生を低減できる。図5のグラフにあるように、上昇動作においては、加速時に電力消費がピークとなる。このピーク消費電力に、Liキャパシタ9からの電力が補助されることで、商用電源の契約基本料金を下げることが出来る。すなわち、第4モードによって、契約基本料金を低減できる素地が整えられる。
なお、第1モード〜第4モードは、それぞれが排他的に生じる必要はなく、複数のモードが同一期間において重複して生じてもよい。
以上のように、スタッカクレーン1は、第1モード〜第4モードのそれぞれで、電力供給ルートを変化させることで、スタッカクレーン1のみでなく、商用電源全体がカバーする工場などの消費電力の最適化を実現できる。一つには、ピーク時の電力値を抑えることができるので、電力会社と契約する基本料金を低減できる。加えて、スタッカクレーン1が回生電力を生じさせる場合には、スタッカクレーン1を電力発生要素とみなして、Liキャパシタ9のみならず工場全体で使用される商用電源に還流する。
これらが相まって、スタッカクレーン1のみでなく、工場や事業場全体の消費電力や契約電力の最適化を実現できる。
なお、回生電力は、上下駆動部300での下降動作だけでなく、水平駆動部200の減速時にも生じうる。この水平駆動部200からの回生電力も、第2モード、第3モードによって、Liキャパシタ9もしくは商用電源に供給されうる。
また、Liキャパシタ9による電力供給の補助(第1モード)は、上下駆動部300だけでなく、水平駆動部200にも供給されてもよい。
(実施の形態2)
次に、実施の形態2について説明する。
実施の形態2では、商用電源からの電力供給が不足もしくは不能となった場合の対応を説明する。
商用電源は、電力会社との契約に基づき、外部から電力を供給する。スタッカクレーン1は、Liキャパシタ9による補助を除けば、商用電源からの電力供給を受けて動作する。
しかしながら、停電などの事情により、商用電源からの電力供給が不能(不能とまでは行かなくとも不十分になる)になることもありえる。このような場合には、スタッカクレーン1は、商用電源からの電力供給が復帰されてから動作を再開できる。
この再開においては、従来技術においては、スタッカクレーン1が、初期位置に戻ってから動作を再開させていた。例えば、図1に示される作業ステーション10にスタッカクレーン1が戻ってから、目的の位置に再度移動していた。
しかしながら、このような初期位置に戻ってからの再開は、動作時間も掛かる上、当然に消費電力も大きくなってしまう問題を有していた。
実施の形態2におけるスタッカクレーン1は、この停電などにおける商用電源からの電力供給が不能となった場合の復帰の容易性の機能を有する。上下駆動部300および水平駆動部200の少なくとも一方は、水平移動部2および上下移動部3の少なくとも一方の現在位置および移動先位置を記憶する記憶部を備える。図10は、本発明の実施の形態2におけるスタッカクレーンのブロック図である。
図10に示されるスタッカクレーン1は、上述の記憶部11を備える。記憶部11が、現在位置および移動先位置を記憶することで、商用電源からの電力供給が不能となった場合に、記憶部11が記憶している現在位置および移動先位置が、記憶されたまま残る。このため、商用電源からの電力供給が不能となった場合には、Liキャパシタ9が記憶部11に電力を供給し、記憶を維持させる。
水平駆動部200および上下駆動部300のそれぞれは、この記憶部11が記憶している現在位置および移動先位置に従って、電力供給が再開された後で、移動途中であった現在位置から移動先位置に、水平移動部2および上下移動部3を移動させる。
このように、記憶部11を備えると共に、商用電源からの電力供給が不能となった場合でも、記憶部11が記憶を維持できることで、再開時の動作時間や動作に係る消費電力を低減できる。
なお、実施の形態1〜2で説明されたスタッカクレーンは、本発明の趣旨を説明する一例であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲での変形や改造を含む。
1 スタッカクレーン
2 水平移動部
200 水平駆動部
3 上下移動部
300 上下駆動部
7 制御部
8 接続部
9 Liイオンキャパシタ(Liキャパシタ)
10 作業ステーション
20 格納領域
21 格納室
30 レール
50 所定物品
100 倉庫

Claims (5)

  1. 水平方向および垂直方向の二次元配列される複数の格納室から物品の出庫および入庫の少なくとも一方を行うスタッカクレーンであって、
    前記格納室に対して水平方向に移動する水平移動部と、
    前記格納室に対して上下方向に移動する上下移動部と、
    前記水平移動部を駆動する水平駆動部と、
    前記上下移動部を駆動する上下駆動部と、
    前記水平駆動部、前記上下駆動部および商用電源と接続されるキャパシタと、
    前記水平駆動部および前記上下駆動部への電力供給、および、前記水平駆動部および前記上下駆動部からの電力供給を制御する制御部と、を備え、
    前記上下駆動部は、下降動作を行う際に回生電力を発生し、
    前記制御部は、
    第1条件において、前記商用電源および前記キャパシタからの電力を、前記上下駆動部および前記水平駆動部の少なくとも一方に供給する第1モード、
    第2条件において、前記上下駆動部が発生する回生電力を、前記キャパシタに供給する第2モード、
    第3条件において、前記上下駆動部が発生する回生電力を、前記商用電源に供給する第3モード、
    第4条件において、前記商用電源からの電力を、前記キャパシタに供給する第4モード、
    を実行し、
    前記第1モードでは、前記制御部は、前記上下移動部の上昇動作の全体に渡って、前記商用電源からの商用電力と前記キャパシタからの蓄電電力とが合算された合算電力を、前記上下駆動部に供給し、
    前記第2条件は、前記キャパシタの蓄電電力が第2電力値未満の場合であり、
    前記第3条件は、前記キャパシタの蓄電電力が第2電力値以上の場合であり、
    前記第4条件は、前記キャパシタの蓄電電力が第1電力値未満の場合であり、
    前記第3モードにおいて前記商用電源に供給された回生電力は、前記スタッカクレーン以外の設備に供給される、
    スタッカクレーン。
  2. 前記水平駆動部は、減速時に回生電力を発生して、前記第1条件および前記第4条件の少なくとも一つに従って、前記回生電力を出力する、請求項1記載のスタッカクレーン。
  3. 前記第1条件は、前記キャパシタの蓄電電力が第1電力値以上の場合である、請求項1又は2記載のスタッカクレーン。
  4. 前記第1電力値より前記第2電力値が高い、請求項記載のスタッカクレーン。
  5. 前記上下駆動部および前記水平駆動部の少なくとも一方は、前記水平移動部および前記上下移動部の少なくとも一方の現在位置および移動先位置を記憶する記憶部を備え、
    前記商用電源が電力供給不能となった場合には、前記キャパシタが前記記憶部に電力を供給する、請求項1からのいずれか記載のスタッカクレーン。
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