JP6275530B2 - 冷却貯蔵庫 - Google Patents
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Description
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、その目的は、隣り合う貯蔵室間での冷気洩れをより確実に防ぐところにある。
凹面の両側縁を構成するL字形をなす分断端縁では、その角部に隙間ができるが、閉鎖部材により同隙間を裏側から塞ぐことができるから、断熱箱体を形成するに当たり発泡樹脂が洩れることが防がれる。
(1)前記金属板における前記各分断端縁が、裏面側と相手側とに二度直角曲げされた段差形状に形成されている一方、前記介在部材が、帯状をなす本体部の両側縁に、前記各分断端縁における互いに対応する方向に突出した突出板が弾性挟持可能に挿入される挿入溝を設けた形状であり、前記閉鎖部材には、前記介在部材の前記挿入溝に挿入されて弾性挟持される被挟持板が設けられている。閉鎖部材は、介在部材に設けられた挿入溝に被挟持板を挿入して弾性挟持させることで装着される。
(3)前記閉鎖部材は、前記分断端縁の前記隙間を塞ぐ一対の閉鎖板が間隔を開けて配され、前記各閉鎖板の互いに直交した2端縁のうち一方の端縁同士の間に連結板が渡されることで前記両閉鎖板が連結されているとともに、前記各閉鎖板の他方の端縁には前記被挟持板が直角をなして突出形成された形状である。部品点数を減少でき、また装着動作も簡易化される。
外殻体の隅部が連結部材で補強されて同外殻体の形状維持性が高められ、ひいては正規寸法並びに正規形状の仕切壁が形成できる。また、連結部材は断熱性を有するから、両仕切板間の熱伝導が抑制される。
(6)前記連結部材が合成樹脂製である。
本発明の実施形態1を図1ないし図9によって説明する。本実施形態では、4ドア式の冷凍冷蔵庫を例示している。
冷凍冷蔵庫の概略構造を図1ないし図3によって説明すると、内部に貯蔵室を有する本体10の上面に機械室11が設けられ、本体10の底面の四隅に設けられた脚体12により支持されている。
本体10は、前面が開口された縦長の方形の断熱箱体15を有しており、この断熱箱体15内が間口方向の中間位置において断熱性の仕切壁20で仕切られ、この仕切壁20を挟んだ左右両側に、冷蔵室22Rと冷凍室22Fとが形成されるようになっている。冷蔵室22Rと冷凍室22Fのそれぞれの天井壁には、図示しない冷凍ユニットを取り付けるための取付開口23が形成されている。断熱箱体15の前面開口部16には、十字形に組まれた断熱性の仕切枠25が装着され、4個の出入口26が区画形成されている。各出入口26には、上段側と下段側とでそれぞれ一対ずつの断熱扉27が、観音開き式の揺動開閉可能に装着されている。
外殻体30は、図3に示すように、共にステンレス鋼板等の金属パネルを組み付けた外箱31と、内箱32とを備えている。外箱31は、前面開口の大型の方形箱状に形成され、一方、内箱32は、詳しくは後記するように、上記の外箱31よりも一回り小さい前面開口の小型の方形箱状に形成されている。
外箱31と内箱32における4辺の開口縁同士の間には、合成樹脂製の化粧板33が装着されて塞がれており、この化粧板33が、断熱箱体15の前面開口部16における4辺の周面を構成するようになっている。
この仕切壁20は、図3に示すように、断熱箱体15の厚さと同程度の厚さ寸法を有するとともに、断熱箱体15内の高さに匹敵する高さ寸法と、同断熱箱体15の奥行に匹敵する奥行寸法とを備えた縦長の薄い直方体状に形成されている。
左右の奥面パネル42R,42Fの外側の側縁には、同様に立ち上がり部45が角にR部45Aが設けられた形態の直角曲げにより形成され、各立ち上がり部45の端縁には結合フランジ46が外向きに直角曲げされて形成されている。一方、同左右の奥面パネル42の上下両縁には、結合フランジ46が直接外側に直角曲げされて形成されている。
左右の側面パネル43とにおける上下両縁と奥縁とには、それぞれ結合フランジ46が直接外側に直角曲げされて形成されている。
ファスナ47は例えば、PVC(ポリ塩化ビニル)等の合成樹脂材の押出成形品であって、断面U字形の帯状に形成され、上記のように結合フランジ46等の重なり部分に嵌められることで、重なり部分を弾性的に挟持して結合するように機能する。
各段差端縁51における互いに対向した突出板52の裏面には、複数個のボス53が、長さ方向に沿って所定間隔を開けて叩き出しにより形成されている。
介在部材60は合成樹脂材の押出成形により形成されており、平板の帯状をなす本体板61を備え、同本体板61の幅は、形成されるべき凹面70の幅と同一寸法に設定されている。本体板61の裏面には、中央幅位置において支持リブ62が突出形成され、同支持リブ62には、先端縁に係止部64を有する一対の係止板63が、本体板61と平行な背中合わせの姿勢で弾性変位可能に設けられている。この本体板61と係止板63との間に、段差端縁51における互いに対向した突出板52が差し込まれる挿入溝65が構成されている。係止部64は、各係止板63の先端部において本体板61の裏面に達するまで直角曲げされて形成され、同係止部64の先端からは、本体板61から次第に離間するように斜め姿勢をなしてガイド部66が形成されている。
上記と同様にして、左右の奥面パネル42の段差端縁51の間に介在部材60が装着されることにより、縦向きの凹面70Bが形成される。ここで、図8に示すように、横向きの介在部材60Aの奥端の上に、縦向きの介在部材60Bの下端が載る設定となっている。
ここで、凹面70の左右両側面は、図5に示すように、底面パネル41の分断端縁50から奥面パネル42の分断端縁50に亘って形成されたL字形をなす段差端縁51により構成されることになるが、各段差端縁51は、底面パネル41の分断端縁50並びに奥面パネル42の分断端縁50において二度曲げされて形成されることから、特に、左右の底面パネル41の奥縁に設けられたR部45Aを有する立ち上がり部45の分断端縁50には、段差端縁51を形成することが難しい。その結果、左右のL字形をなす段差端縁51における角部には、やむを得ず隙間Sができることになる。
各閉鎖部材80は、金属板をプレス加工することで形成され、2つが同一形状に形成されている。閉鎖部材80は、上記した隙間Sに嵌って同隙間Sを塞ぐ閉鎖板81を備えている。閉鎖板81は詳細には、正方形の一の角部に、図8に示すように、立ち上がり部45の根元のR部45Aを嵌めて逃がす、略1/4円の逃がし部82が切り欠き形成されているとともに、対角の角部にはC面83が形成されている。
閉鎖板81におけるC面83を挟んで互いに直交して隣り合った2端縁からは、全幅に亘り被挟持板84が直角をなして延出形成されている。同被挟持板84は、図9に示すように、凹面70を形成するべく装着された介在部材60の挿入溝65に挿入可能であり、また両被挟持板84の間には、介在部材60の本体板61を嵌めて逃がす逃がし溝85が形成されている。
そのため、図3に示すように、左右一対の側板76の間に断熱材77を挟んで形成された断熱壁75が、同隙間を詰めるようにして装着されるようになっている。
図4に示すように、底面パネル41、奥面パネル42、左右の側面パネル43、及び天面パネル44を組み立てて、ファスナ47で結合することにより、前面開口の方形箱状をなす内箱32が形成される。そのとき図5に示すように、左右の底面パネル41R,41Fの分断端縁50に形成された段差端縁51の間に介在部材60Aが装着されることで横向きの凹面70が形成されるとともに、左右の奥面パネル42R,42Fの段差端縁51の間に介在部材60Bが装着されることで、縦向きの凹面70Bが形成され、結果、内箱32の底面パネル41から奥面パネル42に亘り、L字形をなす凹面70が形成される。このときは上述したように、底面パネル41の分断端縁50から奥面パネル42の分断端縁50に亘って形成されたL字形をなす段差端縁51の角部に、隙間Sができた状態にある。
閉鎖部材80は、閉鎖板81の逃がし部82を立ち上がり部45の根元のR部45Aに沿わせ、また縦向きの介在部材60Bの本体板61の下端部を逃がし溝85に逃がしつつ押し込まれ、図9に示すように、閉鎖板81が介在部材60A,60Bにおける本体板61の側縁に当たったところで押し込みが停止され、両被挟持板84が介在部材60A,60Bの本体板61と係止板63との間で弾性的に挟持されることで保持される。このとき、L字形をなす段差端縁51の角部にできた隙間Sに、閉鎖部材80の閉鎖板81が裏側から嵌って塞がれる。
以上により、内箱32の形成が完了する。
形成された外殻体30は発泡治具にセットされ、同外殻体30内に発泡樹脂からなる断熱材が発泡充填されることで断熱箱体15が形成される。このとき、内箱32に形成されたL字形の凹面70の左右の側面における角部にできた隙間Sは、閉鎖部材80で裏側から塞がれているから、発泡樹脂の洩れは防がれる。
続いて、仕切壁20の上面と、断熱箱体15の天井面との間の隙間を塞ぐべく、断熱壁75が装着される。
その後、断熱箱体15の前面開口部16に十字形をなす断熱製の仕切枠25が装着される等により、本体10の製造が完了する。
ここで、断熱箱体15内を後から装着した仕切壁20により冷却温度が異なる冷蔵室22Rと冷凍室22Fとに区画した場合、特に仕切壁20の周縁部において両室22R,22F間での冷気洩れが生じるおそれがある。
なお、天井部においても、仕切壁20の上面と断熱箱体15の天井面との間にできた隙間に、断熱壁75が装着されていることにより冷気洩れが最小限に抑えられる。
閉鎖部材80を装着する作業は、被挟持板84を介在部材60の挿入溝65に差し込むだけでよいから、簡単である。閉鎖部材80の装着完了形態は、閉鎖板81が隙間Sに嵌って、段差端縁51の突当板54(図6参照)と面一となるから、装着のずれの有無を目視により確認することができる。
本発明の実施形態2を図10ないし図12によって説明する。この実施形態2では、閉鎖部材80Aの形状に変更が加えられている。
閉鎖部材80Aは、同じく金属板をプレス加工することで形成され、概ね実施形態1に示した一対の閉鎖部材80を連結して一体化した形状となっている。より詳細には、図10に示すように、分断端縁50の角部の隙間Sを覆う2枚の閉鎖板81が、所定間隔(介在部材60の本体板61の幅寸法に匹敵)を開けて配され、両閉鎖板81の奥縁の間に連結板87が渡されて一体化されている。連結板87には、熱伝導性を低下させるために複数の透孔88が開口されている。一方、介在部材60の挿入溝65に挿入される被挟持板84は、各閉鎖板81の下縁にのみ形成されている。
また、当閉鎖部材80Aは、内箱32の誤組立の有無の検知にも利用できる。上述したように、L字形の凹面70を形成する部分の構造においては、図10に示すように、横向きの介在部材60Aの奥端の上に、縦向きの介在部材60Bの下端が載る設定となっている(正規構造)。
一方、図12(B)に示すように、横向きの介在部材60Aの奥端面に、縦向きの介在部材60Bの下端が当てられた非正規構造に組み立てられていた場合は、閉鎖部材80Aは、各閉鎖板81の被挟持板84が、縦向きの介在部材60Bの下端部で邪魔されて、横向きの介在部材60Aの左右の挿入溝65に挿入できない、すなわち正規に装着できない。これにより、内箱32の誤組立が検知される。
本発明の実施形態3を図13ないし図19によって説明する。この実施形態3では、仕切壁20Aの構造に変形が加えられている。
実施形態1に例示した仕切壁20は、一部既述したように、周縁に側板36を立ち上げた浅皿状をなす金属板製の一対の仕切板35が、発泡スチール製のスペーサ37を挟んで所定間隔を開けて互いに向き合った姿勢で組み付けられて外殻体38が形成され、同外殻体38の側面にシールテープ39(図13参照)を貼った形態で発泡治具にセットされ、同外殻体38内に断熱材が発泡充填されることにより、薄い直方体をなす形状に形成される。
上記のような仕切壁20を形成するに当たり、その厚さは、外殻体38を発泡治具内にセットした際のスペーサ37の潰れ具合に依存し、ばらつきが出るおそれがある。また、仕切壁20の形成後に両仕切板35が板面に沿った方向に移動して、直方体が斜めに歪むことも懸念される。この実施形態3の仕切壁20Aは、上記のような不具合を一掃するべく創案されている。
この連結部材90は、図15及び図16に示すように、金属製のアングル材91を備えており、同アングル材91の互いに直交した板部92には、その両端にリベット孔93が開口されている。また、各板部92の中央部には外側に叩き出された段差部94が形成されて、同段差部94に窓孔95が開口されており、軽量化を意図した上で補強が図られている。アングル材91の外周には、肉厚のスポンジテープ96が巻かれている。
一方、各仕切板35における4枚の側板36の両端部には、図18に示すように、それぞれリベット孔36Aが開口されている。
ここで外殻体38は、四隅に連結部材90が装着されていることにより形状維持性に優れたものとなっており、発泡治具にセットされたときも両仕切板35の間隔が一定に保たれ、結果、一定の厚さの仕切壁20Aが得られる。また、仕切壁20Aの形成後に両仕切板35が板面に沿った方向にずれることも防止され、正規の直方体形状に維持される。
連結部材90はスポンジテープ96が巻かれて断熱性を有するから、両仕切板35間の熱伝導が抑制される。
図20及び図21は実施形態4を示す。実施形態4では、仕切壁20Aの外殻体38の形状維持を担保するために機能する他の連結部材100を例示している。
連結部材100は、図20に示すように、硬質樹脂によりやや肉厚の帯板状に形成されている。連結部材100の両端部にはリベット孔101が開口されている。そして、図21に示すように、外殻体38の四隅において、連結部材100が2枚ずつ、対向した仕切板35の側板36の裏面に渡されてリベット98により固定されている。
同様に、連結部材100で補強された形態となって形状維持性に優れた外殻体38を形成でき、また、連結部材100は合成樹脂製で断熱性を有するから、両仕切板35間の熱伝導を抑制することに寄与し得る。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)実施形態1,2に例示した閉鎖部材は、合成樹脂製としてもよい。
(2)上記実施形態では、断熱箱体の内面のうち底面と奥面とに凹面を形成した場合を例示したが、天井面にも続いて凹面が形成されていてもよい。また、奥面から天井面に亘ってL字形の凹面が形成されたものにも、同様に適用可能である。
(3)冷蔵室と冷凍室とが水平姿勢をなす仕切壁によって上下に区画形成されたものであってもよく、その場合は、断熱箱体の奥面と左右の側面のうち任意の面に凹面を形成すればよい。
(4)本発明は冷凍冷蔵庫に限らず、冷却温度が互いに異なる2以上の複数の貯蔵室が仕切壁により区画形成された冷却貯蔵庫全般に広く適用することができる。
Claims (7)
- 金属板製の外箱と内箱とを間隔を開けて配した外殻体内に断熱材を発泡充填してなる前面開口の断熱箱体と、この断熱箱体内を複数の貯蔵室に区画形成するべく前記断熱箱体内に装着される仕切壁と、前記仕切壁の互いに直交した2辺の端部を嵌めるべく前記断熱箱体における互いに直交した2つの内面に亘って形成されたL字形をなす凹面と、が設けられ、
前記凹面は、前記内箱を構成する前記金属板が互いに直交した2面に亘って分断されることで形成されたL字形をなす両分断端縁の間に、合成樹脂製の介在部材が介設されることで形成されているとともに、
前記各分断端縁の角部に構成された隙間を裏側から塞いで装着される閉鎖部材が設けられていることを特徴とする冷却貯蔵庫。 - 前記金属板における前記各分断端縁が、裏面側と相手側とに二度直角曲げされた段差形状に形成されている一方、
前記介在部材が、帯状をなす本体部の両側縁に、前記各分断端縁における互いに対応する方向に突出した突出板が弾性挟持可能に挿入される挿入溝を設けた形状であり、
前記閉鎖部材には、前記介在部材の前記挿入溝に挿入されて弾性挟持される被挟持板が設けられていることを特徴とする請求項1記載の冷却貯蔵庫。 - 前記閉鎖部材が、前記分断端縁の前記隙間を塞ぐ閉鎖板における互いに直交した2端縁に、それぞれ前記被挟持板が直角をなして突出形成された形状であることを特徴とする請求項2記載の冷却貯蔵庫。
- 前記閉鎖部材は、前記分断端縁の前記隙間を塞ぐ一対の閉鎖板が間隔を開けて配され、前記各閉鎖板の互いに直交した2端縁のうち一方の端縁同士の間に連結板が渡されることで前記両閉鎖板が連結されているとともに、前記各閉鎖板の他方の端縁には前記被挟持板が直角をなして突出形成された形状であることを特徴とする請求項2記載の冷却貯蔵庫。
- 前記仕切壁が、周縁に側板を立ち上げた浅皿状をなす金属板製の一対の仕切板が、断熱材からなるスペーサを介して所定間隔を開けて互いに向き合った姿勢で配されることで外殻体が形成され、同外殻体内に断熱材が発泡充填されることにより形成されたものであって、
前記外殻体の隅部において、前記各仕切板の前記側板の間には、断熱性を有する連結部材が渡されて固定されていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の冷却貯蔵庫。 - 前記連結部材が、金属製のアングル材の外周にスポンジテープが巻かれて形成されていることを特徴とする請求項5記載の冷却貯蔵庫。
- 前記連結部材が合成樹脂製であることを特徴とする請求項5記載の冷却貯蔵庫。
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