JP6274069B2 - モータ制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、モータ制御装置に関する。
例えば、特許文献1には、車両用冷却ファンを駆動するモータが、走行風によって所定値以上の回転速度で回転させられている場合、インバータの下アームに設けられたMOSFETを所定の周波数でスイッチングさせることにより、モータの発電エネルギーを回生するようにした車両用冷却ファンの制御装置が開示されている。
特開2002−61512号公報
上述した車両用冷却ファンの制御装置では、エンジン制御装置から冷却ファンの駆動指令を受信しておらず、バッテリが満充電状態でないとの条件の下、モータの回転速度が所定値以上の場合に、回生制御を実行するようにしている。つまり、モータ回転速度を判定する所定値を、少なくとも回生制御に費やされるエネルギーよりも大きなエネルギーを回生できる回転速度に定めることで、電力収支が実効的に改善され得るようにしている。このように、モータの回転速度に基づいて回生制御の実行の可否を判定するために、特許文献1の制御装置は、モータの回転子(ロータ)の磁極位置を検出する位置センサを備えている。
しかし、位置センサを設けた場合、部品点数が増加し、コストアップを招くとの問題や、劣悪な環境下での使用が困難である、また耐久性の面で劣る等の問題がある。
一方、モータ駆動時の空きコイルの誘起起電力などに基づいて、センサレスでモータの回転子の磁極位置を検出できることが知られている。そのため、特許文献1の装置において、位置センサを廃止することが考えられる。
しかしながら、位置センサを廃止した場合、特に、以下に説明するような問題が生じることが考えられる。冷却ファンは走行風を受けて回転するため、モータ停止時でありながら、モータも回転することになる。そのため、冷却ファンの制御装置が位置センサを備えていないと、冷却ファンの制御装置は、駆動指令を受けたときに、モータの回転子の磁極位置が判らないことになる。従って、冷却ファンの制御装置は、モータを駆動するために、まず、特定の通電相に通電を行って回転子を所定の角度位置に位置決めする位置決め制御を行い、その後、順番に通電パターンを切り替える強制転流を行う必要が生じる。
その結果、位置センサを廃止した場合、モータの非駆動状態から、モータの駆動状態に遷移させるために長い時間を要することになる。その一方で、冷却ファンの制御装置は、上位のエンジン制御装置から駆動指令を受信した場合、ラジエータ等の冷却対象物の冷却のため、極力早期に冷却ファンの駆動を開始する必要がある。
本発明は、上述した点に鑑みてなされたものであり、モータの停止時にモータが回転することがある場合に、センサレスでありながら、そのモータを駆動するよう指令を受けたとき、極力、早期にモータ駆動を開始することが可能なモータ制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明によるモータ制御装置は、
複数の通電相を持つモータ(2)と、
モータの複数の通電相への通電を個別に制御するためのインバータ(5)と、
インバータを用いて、モータの回転を制御する制御手段(6)と、を備えたモータ制御装置(1)であって、
モータは、駆動を停止しているときでも、回転することがあるものであり、
制御手段は、
モータの回転位置及び回転速度をセンサレスにて検出する検出手段(S110、S140)と、
モータの所定の通電相へ通電を行うことにより、回転子を所定の位置に位置決めする位置決め制御手段(S170)と、
インバータによりモータの複数の通電相を短絡させて、モータを減速させる減速手段(S160、S220)と、
モータを所定の目標速度にて回転させる必要が生じたとき、モータを駆動するための制御を開始する前に、検出手段によって検出されるモータの回転速度が、検出手段による回転位置の検出精度が確保できる第1の所定回転速度(N1)以上であるか、もしくは、第1の所定回転速度よりも小さく、かつ位置決め制御の実行可否を判断するための第2の所定回転速度(N2)以上であるか否かを判定する判定手段(S130、S150)と、を有し、
判定手段によってモータの回転速度が第1の所定回転速度以上であると判定されたとき、位置決め制御手段による位置決め制御を行うことなく、検出手段によって検出されるモータの回転位置に基づき、モータを目標速度にて回転させるための制御を開始し、
判定手段によりモータの回転速度が第1の所定回転速度よりも小さく、かつ第2の所定回転速度以上であると判定されたとき、減速手段によってモータを減速させ、それにより、モータの回転速度が第2の所定回転速度よりも小さいと判定された時点で、位置決め制御手段に位置決め制御を開始させることを特徴とする。
センサレスにてモータの回転位置を検出する検出手段は、概して、モータの停止時や低速回転時には、モータの回転位置を検出できないか、もしくは検出できても、その精度が不十分となる。しかし、モータの回転速度が高くなると、十分な精度をもって、モータの回転位置を検出することができる。
そこで、本発明によるモータ制御装置では、モータを目標速度にて回転させる必要が生じたときのモータの回転速度が第1の所定回転速度以上であるか否かを判定する。そして、第1所定回転速度以上であれば、位置決め制御を行うことなく、検出手段により検出されるモータの回転位置に基づくモータ制御を開始する。このため、モータを目標速度にて回転させる制御を開始する前に、一旦、モータを停止させる必要がないので、即座にモータ制御を開始することが可能となる。
一方、モータの回転速度が第1の所定回転速度よりも低くなると、検出手段によるモータの回転位置の検出精度が低下するので、そのままでは、センサレスでのモータ駆動制御に移行することはできない。しかし、この場合、無制限に位置決め制御を実行すると、以下に説明するような問題が生じる虞がある。すなわち、モータが回転している場合、固定子巻線には、誘導起電力が発生する。このとき、所定の通電相への通電を行うことで回転子を所定の位置に位置決めする位置決め制御を実行すると、通電のタイミングによっては、所定の通電相への通電電流と、誘導起電力による誘導電流とによって、大きな電流が流れる虞がある。このような大電流が流れると、モータに減磁電流が流れてしまったり、インバータを含むモータの駆動回路が損傷してしまったりする可能性が生じる。
そこで、本発明によるモータ制御装置では、位置決め制御による所定の通電相への通電電流と、誘導起電力による誘導電流とが逆位相となったとしても、許容可能な電流の大きさに収まる第2の所定回転速度を定めている。そして、モータの回転速度が、第1の所定回転速度よりも小さく、かつ、第2の所定回転速度以上であると判定した場合には、モータの複数の通電相の短絡によりモータを減速させる。そして、その減速によりモータの回転速度が第2の所定回転速度よりも小さくなった時点で、位置決め制御を開始する。
これにより、位置決め制御の実行によっても、過大な電流がモータ及びその駆動回路に流れることを抑制することができる。さらに、モータの回転速度が第2の所定回転速度よりも小さくなった時点で位置決め制御を開始することにより、位置決め制御を極力早期に開始でき、モータの非駆動状態から、モータの駆動状態に遷移させるまでの時間を短縮することができる。
上記括弧内の参照番号は、本発明の理解を容易にすべく、後述する実施形態における具体的な構成との対応関係の一例を示すものにすぎず、なんら本発明の範囲を制限することを意図したものではない。
また、上述した特徴以外の、特許請求の範囲の各請求項に記載した技術的特徴に関しては、後述する実施形態の説明及び添付図面から明らかになる。
実施形態によるモータ制御装置の構成の一例を示す構成図である。 モータ制御装置において実行される制御処理を示すフローチャートである。 (a)は、下アームのMOSFETをオンして、ブラシレスモータの各相コイルを短絡したときの電流経路の一例を示す回路図であり、(b)は、(a)の状態から下アームのMOSFETをオフしたときの電流経路の一例を示す回路図である。 ブラシレスモータが電気角で360度回転した場合の、各相電流Iu、Iv、Iw、及び端子電圧Vu、Vv、Vwの変化の様子を示す図である。 図4のパターン1の区間における、各相電流Iu、Iv、Iw、及び端子電圧Vu、Vv、Vwの変化を拡大して示した図である。 (a)は、パターン1の場合に、下アームのMOSFETをオンしたときに、モータ及びインバータを流れる電流の経路を示す図であり、(b)は、(a)の状態から下アームのMOSFETをオフしたときに、モータ及びインバータを流れる電流の経路を示す図である。 図4のパターン2の区間における、各相電流Iu、Iv、Iw、及び端子電圧Vu、Vv、Vwの変化を拡大して示した図である。 (a)は、パターン2の場合に、下アームのMOSFETをオンしたときに、モータ及びインバータを流れる電流の経路を示す図であり、(b)は、(a)の状態から下アームのMOSFETをオフしたときに、モータ及びインバータを流れる電流の経路を示す図である。 図4のパターン3の区間における、各相電流Iu、Iv、Iw、及び端子電圧Vu、Vv、Vwの変化を拡大して示した図である。 (a)は、パターン3の場合に、下アームのMOSFETをオンしたときに、モータ及びインバータを流れる電流の経路を示す図であり、(b)は、(a)の状態から下アームのMOSFETをオフしたときに、モータ及びインバータを流れる電流の経路を示す図である。 各相の端子電圧と仮想中性点電位とを比較するコンパレータの出力の取り込みタイミングについて説明するための図である。
以下、本発明の実施形態によるモータ制御装置について、図面を参照しつつ詳細に説明する。図1は、本実施形態によるモータ制御装置1の構成の一例を示す構成図である。なお、本実施形態では、モータ2は、車両用エアコンの冷媒が通過するコンデンサや、エンジン冷却水が通過するラジエータを冷却する冷却ファン(図示せず)を駆動するものである。そのため、車両が走行したときなど、冷却ファンに風を受けると、駆動を停止している時でも、モータ2が回転することがある。
図1において、モータ制御装置1は、主として、冷却ファンを回転駆動するブラシレスモータ2と、電子制御ユニット(ECU)3と、駆動回路4とから構成されている。
ブラシレスモータ2は、U相コイル2u、V相コイル2v、W相コイル2wがそれぞれ巻回されてなるステータと、永久磁石が配設されてなるロータとから構成されている。そして、ロータの回転軸には冷却ファンが取り付けられている。また、ステータの各相コイル2u、2v、2wは、それぞれ駆動回路4のインバータ5の各相のアームの中点に接続されている。
ECU3は、例えばエンジンの冷却水温が所定温度以上となったとき、あるいはエアコンがオンされたときに、ブラシレスモータ2の単位時間当りの目標回転数(すなわち、目標速度)を決定して、駆動回路4に出力する。すると、駆動回路4は、ブラシレスモータ2の回転速度が、与えられた目標速度に一致するように、インバータ5をフィードバック制御して、ブラシレスモータ2を回転駆動するための電流を流す。
駆動回路4は、インバータ5と、インバータ5を駆動する駆動信号を生成するIC6とを有し、車載バッテリ21から電源供給を受けて動作する。つまり、駆動回路4のIC6は、イグニッションスイッチ8を介して車載バッテリ21に接続されている。また、インバータ5の各相のアームのハイサイド側が車載バッテリ21の正極に接続され、ローサイド側が負極に接続されている。従って、イグニッションスイッチ8がオンされることにより、IC6は、インバータ5を駆動する駆動信号を出力することが可能となり、その駆動信号に従って、インバータ5の各スイッチング素子がオン又はオフ駆動される。なお、駆動回路4は、電源安定化のため、車載バッテリ21と並列接続されるコンデンサ7も有している。
駆動回路4のIC6は、センサレスにて、ブラシレスモータ2のロータの磁極位置を検出する機能を備えている。例えば、本実施形態によるモータ制御装置1は、120度通電方式にて、ブラシレスモータ2を駆動する。そのため、ブラシレスモータ2の駆動時には、必ず1つのコイルが非通電状態となり、この非通電状態のコイル(以下、空きコイル)は、電気角で60度回転するごとに他のコイルに移り変わる。この空きコイルでは、ロータの回転による誘導起電力を検知することができる。各相のコイルの誘導起電力は、ロータの磁極位置に応じて変化するので、検知した誘導起電力に基づいて、ロータの磁極位置を検出することができる。
以下に、空きコイルにおける誘導起電力を検知するための構成について簡単に説明する。まず、IC6は、ブラシレスモータ2の仮想中性点の電位を入力するとともに、図1において記号Vu、Vv、Vwで示される各相コイル2u、2v、2wの端子電圧を入力する。IC6は、入力された仮想中性点電位と、各相の端子電圧Vu、Vv、Vwとをそれぞれ比較するコンパレータを有している。これらのコンパレータの比較結果に基づき、各相コイル2u、2v、2wの誘導起電力を検知することができ、その結果、ロータの磁極位置を検出することができる。
なお、ロータの磁極位置をセンサレスにて検出するための構成は、上述した構成に限られず、他の構成を採用しても良い。例えば、誘導起電力に応じて各相に流れる誘導電流を検知するように構成し、検出した誘導電流に基づいて、ロータの磁極位置を検出するようにしても良い。
駆動回路4のIC6は、検知した誘導起電力や誘導電流の時間的変化から、ブラシレスモータ2の回転速度を算出する。そして、IC6は、ECU3から与えられる目標速度と、検出された回転速度との差異に基づいて、インバータ5の駆動信号であるPWM信号のデューティ比を決定し、その決定されたデューティ比のPWM信号にて、インバータ5の各相のアームのスイッチング素子をPWM駆動する。これにより、ブラシレスモータ2は、目標速度に一致するように回転駆動される。
駆動回路4のインバータ5は、インバータを構成するスイッチング素子として、Nチャネル型のMOSFET9〜14を備えている。また、各MOSFET9〜14は、それぞれ、還流ダイオード15〜20を有している。なお、本実施形態のようにスイッチング素子としてMOSFETを用いる場合、還流ダイオード15〜20はそれぞれ各MOSFET9〜14内に内蔵されている。
このように、各相のアームのハイサイド側に設けられたMOSFET9〜11と還流ダイオード15〜17とが各相アームの上アームを構成し、ローサイド側に設けられたMOSFET12〜14と還流ダイオード18〜20とが各相アームの下アームを構成している。そして、インバータ5のU相、V相、W相の各アームの中点は、上述したように、ブラシレスモータ2のU相、V相、W相の各コイル2u、2v、2wに接続されている。
なお、本実施形態では、駆動回路4のIC6は、インバータ5の各相のMOSFET9〜14をPWM駆動する場合、上アームのMOSFET9〜11を通電期間中オンしたままとし、下アームのMOSFET12〜14に対してのみPWM信号を出力するようにしている。ただし、下アームのMOSFET12〜14に代えて上アームのMOSFET9〜11をPWM駆動しても良い。さらに、上アームのMOSFET9〜11と、下アームのMOSFET12〜14との双方をPWM駆動するようにしても良い。
次に、本実施形態によるモータ制御装置1の特徴部分について説明する。ブラシレスモータ2は、冷却ファンと連結されているので、車両走行時などに、冷却ファンが風を受けて回転すると、ブラシレスモータ2も冷却ファンとともに回転する。このようにブラシレスモータ2が回転すると、ブラシレスモータ2の回転に応じて、各相コイル2u、2v、2wに誘起起電力が発生する。従って、ブラシレスモータ2の非駆動時であっても、駆動回路4のIC6において、上述したコンパレータによる比較結果の時間的変化に基づいて、ブラシレスモータ2の回転速度を検出することが可能である。
そこで、本実施形態によるモータ制御装置1では、ブラシレスモータ2の非駆動時に、各相コイル2u、2v、2wに発生する誘起起電力などに基づいて、ブラシレスモータ2の回転速度を検出する。そして、ECU3から目標速度が与えられた時、検出された回転速度に応じて、ブラシレスモータ2のセンサレス駆動へ移行する手順を変えることで、極力早期にセンサレス駆動へ移行できるようにしたことを特徴とするものである。
以下、この特徴部分に関して、モータ制御装置1において実行される制御処理について、図2のフローチャートを参照して説明する。なお、図2のフローチャートに示す処理は、主としてIC6において行われる。
まず、ステップS100では、車両のイグニッションスイッチがオンされたか否かを判定する。イグニッションスイッチがオンされると、上述したように、IC6を含む駆動回路4が動作可能となる。ステップS100にて「Yes」と判定された場合にはステップS110の処理に進み、「No」と判定された場合には図2のフローチャートに示す処理を終了する。
ステップS110では、コンパレータの比較結果の時間的変化に基づいて、ブラシレスモータ2の回転速度を検出する。続くステップS120では、ECU3から目標速度を指令する入力が与えられているか否かを判定する。ステップS120において「Yes」と判定された場合にはステップS130の処理に進み、「No」と判定された場合にはステップS210の処理に進む。
ステップS130では、ステップS110にて検出した回転速度が、第1の所定回転速度N1以上であるか否かを判定する。このステップS130にて「Yes」と判定された場合には、ステップS140の処理に進んで、コンパレータの比較結果に基づいてブラシレスモータ2の回転位置を検出し、ステップS145において、検出した回転位置に基づき、ブラシレスモータ2のセンサレス駆動制御を開始する。
ここで、各相コイル2u、2v、2wに発生する誘導起電力や誘導電流などの信号は、ブラシレスモータ2が停止しているときには検出することができないし、ブラシレスモータ2の回転速度が低い領域では、その信号の大きさが小さくなってしまう。そのため、ブラシレスモータ2の低速回転時には、誘導起電力などの信号は、ノイズなどの影響を受けやすくなるので、コンパレータの比較結果には誤差が生じやすくなる。しかし、ブラシレスモータ2の回転速度が高くなると、信号の大きさも大きくなるので、コンパレータの比較結果の精度も高まる。そして、コンパレータの比較結果は、ロータの磁極位置(ブラシレスモータ2の回転位置)に応じて変化するので、コンパレータの比較結果の精度が高まることは、ブラシレスモータ2の回転位置の検出精度も高まることを意味する。
そこで、本実施形態では、コンパレータの比較結果からブラシレスモータの回転位置を検出する場合に、その回転位置の検出精度が確保できる回転速度として、第1の所定回転速度N1を定めている。そして、検出された回転速度が、第1の所定回転速度N1以上であれば、ブラシレスモータ2の回転位置の検出精度は十分に確保できるので、直接、ブラシレスモータ2のセンサレス駆動を開始するようにした。従って、ブラシレスモータ2を目標速度にて回転させる制御を開始する前に、一旦、ブラシレスモータ2を停止させる必要がないため、ECU3から目標速度の指令を受けたとき、即座にブラシレスモータ2のセンサレス駆動制御を開始することが可能となる。
一方、ステップS130にて「No」と判定された場合には、ステップS150の処理に進む。ステップS150では、検出された回転速度が、上述した第1の所定回転速度N1よりも小さい第2の所定回転速度N2以上であるか否かを判定する。このステップS150にて「Yes」と判定された場合には、ステップS160の処理に進んで、ブラシレスモータ2の各相コイル2u、2v、2wを短絡することにより、ブラシレスモータ2を減速させる(短絡ブレーキの実行)。さらに、ステップS165において、短絡ブレーキにより減速されたブラシレスモータ2の回転速度を検出し、ステップS150の処理に戻る。一方、ステップS150にて「No」と判定された場合には、ステップS170の処理に進んで、ブラシレスモータ2の特定の相に通電して、強制的にロータの位置を所定の初期位置に決める位置決め制御を実行する。
ブラシレスモータ2の回転速度が第1の所定回転速度N1よりも低くなると、上述したコンパレータの比較結果に基づいて検出するブラシレスモータ2の回転位置の検出精度が低下する。そのため、そのままセンサレス駆動制御に移行した場合、ブラシレスモータ2が円滑に回転するよう駆動制御を行うことができない虞がある。従って、この場合は、位置決め制御を実行して、ロータを所定の初期位置に位置決めするとともに、その初期位置からロータを回転させる強制転流を行う必要がある。
しかし、無制限に位置決め制御を実行すると、以下に説明するような問題が生じる虞がある。すなわち、ブラシレスモータ2が回転している場合、各相コイル2u、2v、2wには、誘導起電力が発生する。このとき、位置決め制御により特定の相への通電を行うと、その通電のタイミングによっては、特定の相への通電電流と、誘導起電力による誘導電流とによって、大きな電流が流れる虞がある。このような大電流が流れると、ブラシレスモータ2に減磁電流が流れてしまったり、インバータ5を含むモータの駆動回路4が損傷してしまったりする可能性が生じる。
そのため、本実施形態によるモータ制御装置1では、位置決め制御による特定の相への通電電流と、誘導起電力による誘導電流とによって、上述したような問題が生じない許容可能な大きさしか流れない回転速度として、第2の所定回転速度N2を定める。そして、上記のように、ブラシレスモータ2の回転速度が、第1の所定回転速度N1よりも小さい場合、さらに、第2の所定回転速度N2を超えているか否かを判定し、第2の所定回転速度N2を超えている場合には、短絡ブレーキの実行によりブラシレスモータ2を減速させる。そして、短絡ブレーキにより、ブラシレスモータ2の回転速度が第2の所定回転速度N2よりも小さくなった時点で、位置決め制御を開始するのである。
これにより、位置決め制御の実行によって、過大な電流がブラシレスモータ2や、駆動回路4に流れることを抑制することができる。さらに、ブラシレスモータ2の回転速度が第2の所定回転速度N2よりも小さくなった時点で位置決め制御を開始するので、位置決め制御を極力早期に開始でき、ブラシレスモータ2を、非駆動状態からセンサレス駆動状態に遷移させるまでの時間を短縮することができる。
ここで、短絡ブレーキについて説明する。図3(a)は、ブラシレスモータ2の各相コイル2u、2v、2wを短絡したときの電流経路の一例を示す回路図である。図3(a)に示すように、本実施形態では、上アームのMOSFET9〜11をすべてオフさせ、下アームのMOSFET12〜14をオンさせることで、ブラシレスモータ2の各相コイル2u、2v、2wを短絡させる。このため、ブラシレスモータ2の回転により誘導起電力が発生すると、図3(a)に一例を示すように、下アームのMOSFET12〜14と各相コイル2u、2v、2wとを還流する電流経路が形成される。従って、ブラシレスモータ2の各相コイル2u、2v、2wを短絡させているときには、還流経路中のインピーダンス成分によって電流が消費され、その分だけ、ブラシレスモータ2の回転に対する抵抗力が発生し、ブラシレスモータ2の回転速度が減速される。
さらに、本実施形態では、短絡ブレーキとして、単に、下アームのMOSFET12〜14をオンさせるだけでなく、周期的にオン、オフさせる。これにより、ブラシレスモータ2で発電された電力の回生制御が行われる。以下に、この短絡ブレーキにおける回生制御について説明する。
駆動回路4のIC6は、短絡ブレーキの実行中、上アームのMOSFET9〜11を全てオフとし、下アームのMOSFET12〜14に所定周波数および所定デューティ比を持つ同一のPWM信号を与えて、周期的にオン、オフさせる。下アームのMOSFET12〜14がオンしたとき、図3(a)に示すように、ブラシレスモータ2の回転により生じた誘導起電力により、下アームのMOSFET12〜14と各相コイル2u、2v、2wとを還流する電流が流れる。この電流の向きは、ブラシレスモータ2の回転位置に応じて変化する。
その後、下アームのMOSFET12〜14が同時にオフされると、各相コイル2u、2v、2wは、それまでと同様の電流を流し続けようとする。このため、図3(b)に示すように、電流が、還流ダイオード15〜20を介して、それまでと変わらない向きで各相コイル2u、2v、2wに流れるように、新たな電流経路が形成される。図3(a)、(b)の例で具体的に説明すると、図3(a)に示す例では、下アームのMOSFET12〜14がオンしているとき、その下アームのMOSFET12〜14を介して、ブラシレスモータ2のU相コイル2u及びV相コイル2vからW相コイル2wに電流が流れている。このため、下アームのMOSFET12〜14をオフしたとき、ブラシレスモータ2に同じ向きの電流が流れるように、U相コイル2u及びV相コイル2vには、下アームの還流ダイオード18、19を介して電流が流れ込み、W相コイル2wからは還流ダイオード17を介して電流が流れ出す。
このとき、インバータ5内には、ブラシレスモータ2の回転により生じた誘導起電力に加え、各相コイル2u、2v、2wに蓄積されたエネルギーによる電流が流れることになる。このため、ブラシレスモータ2は、大きな回生電圧を発生することができ、還流ダイオード17を介して流れる電流により車載バッテリ21を充電することができる。そして、ブラシレスモータ2が発電する電力を車載バッテリ21にて回生することで、ブラシレスモータ2の回転速度を減速させる。
次に、回生制御を伴う短絡ブレーキにより、各相コイル2u、2v、2wに流れる各相電流Iu、Iv、Iw、及び各相コイル2u、2v、2wの端子電圧Vu、Vv、Vwがどのように変化するかを図4〜図10を参照して説明する。
まず、図4は、ブラシレスモータ2が電気角で360度回転した場合の、各相電流Iu、Iv、Iw、及び端子電圧Vu、Vv、Vwの変化の様子を示している。図4に示すように、各相電流Iu、Iv、Iw、及び端子電圧Vu、Vv、Vwの変化は、6つのパターンに分割できる。
その6つのパターンの中のパターン1では、図5に拡大図を示すように、下アームのMOSFET12〜14をオンしたときには、各相のコイル2u、2v、2wが短絡されるので、端子電圧Vu、Vv、Vwは同電位(グランド電位)となる。なお、図6(a)は、パターン1の場合に、下アームのMOSFET12〜14をオンしたときに、モータ2及びインバータ5を流れる電流の経路を示している。
そして、下アームのMOSFET12〜14がオフされると、電流経路は、図6(b)のように変化する。この場合、還流ダイオード15〜20の順方向電圧をVf、車載バッテリ21のバッテリ電圧をVBと表すとすると、U相端子電圧Vu及びV相端子電圧Vvは−Vfとなり、W相端子電圧VwはVB+Vfとなる。その結果、これら各相の端子電圧Vu、Vv、Vwと仮想中性点電位との比較結果は、図4に示すように、U相は「0」、V相も「0」、W相は「1」となる。
次に、パターン2について説明する。図7は、パターン2の区間における、各相電流Iu、Iv、Iw、及び端子電圧Vu、Vv、Vwの変化を拡大して示したものである。図5の場合と同様に、下アームのMOSFET12〜14をオンしたときには、各相のコイル2u、2v、2wが短絡されるので、端子電圧Vu、Vv、Vwは同電位となる。なお、図8(a)は、パターン2の場合に、下アームのMOSFET12〜14をオンしたときに、モータ2及びインバータ5を流れる電流の経路を示している。
この場合、下アームのMOSFET12〜14がオフされると、電流経路は、図8(b)のように変化する。そのため、U相端子電圧Vuは−Vfとなり、V相端子電圧Vv及びW相端子電圧VwはVB+Vfとなる。その結果、これら各相の端子電圧Vu、Vv、Vwと仮想中性点電位との比較結果は、図4に示すように、U相は「0」、V相は「1」、W相も「1」となる。
さらに、パターン3について説明する。図9は、パターン3の区間における、各相電流Iu、Iv、Iw、及び端子電圧Vu、Vv、Vwの変化を拡大して示したものである。図5の場合と同様に、下アームのMOSFET12〜14をオンしたときには、各相のコイル2u、2v、2wが短絡されるので、端子電圧Vu、Vv、Vwは同電位となる。なお、図10(a)は、パターン3の場合に、下アームのMOSFET12〜14をオンしたときに、モータ2及びインバータ5を流れる電流の経路を示している。
この場合、下アームのMOSFET12〜14がオフされると、電流経路は、図10(b)のように変化する。そのため、U相端子電圧Vuは−Vfとなり、V相端子電圧Vv及びW相端子電圧VwはVB+Vfとなる。その結果、これら各相の端子電圧Vu、Vv、Vwと仮想中性点電位との比較結果は、図4に示すように、U相は「0」、V相は「1」、W相は「0」となる。
パターン4〜6の場合も、上述したパターン1〜3と同様に説明できるため、パターン4〜6に関する説明は省略する。なお、図4には、パターン4〜6の場合の、各相の端子電圧Vu、Vv、Vwと仮想中性点電位との比較結果が示されている。
このように、ブラシレスモータ2が電気角で360度回転した場合、60度回転するごとに、各相の端子電圧Vu、Vv、Vwと仮想中性点電位との比較結果が変化する。さらに、その比較結果の組み合わせは、ブラシレスモータ2の回転位置に応じて異なるものとなる。従って、各相の端子電圧Vu、Vv、Vwと仮想中性点電位との比較結果から、ブラシレスモータ2の回転位置を検出することが可能である。
そして、短絡ブレーキとして、下アームのMOSFET12〜14を周期的にオン、オフさせた場合には、上述したように、下アームのMOSFET12〜14がオフされたとき、大きな回生電圧が発生する。換言すると、下アームのMOSFET12〜14がオフされたとき、各相の端子電圧Vu、Vv、Vwは大きく変化する。そのため、IC6のコンパレータにて行われる、端子電圧Vu、Vv、Vwと中性点電位との比較結果の精度を高めることができる。
そのため、後述するように、ECU3から目標速度を指示する入力がおこなわれていないとき、上述した短絡ブレーキによる回生制御を実行することが好ましい。これにより、回転速度の検出を高精度に行うことが可能となるとともに、車載バッテリ21を充電することができる。
なお、短絡ブレーキとして、下アームのMOSFET12〜14を周期的にオン、オフさせる場合には、MOSFET12〜14がオフされたときに、各相の端子電圧Vu、Vv、Vwが変化するので、そのタイミングで、コンパレータによる比較が行われる。ただし、図11に示すように、MOSFET12〜14がオフされた直後は、電圧が変化する過程である場合がある。このような変化過程の電圧に基づいて、コンパレータが比較を行ってしまうと、誤った比較結果を出力する虞がある。
そのため、MOSFET12〜14がオンからオフに切り換えられた後、所定時間は、コンパレータの出力の読み取りを禁止し、所定時間経過後に読み取りを行ったり、さらに、所定時間経過後に、コンパレータの出力を複数回読み取って、その平均値を算出したりすることが望ましい。
再び、図2のフローチャートに戻り、説明を続ける。
ステップS170における位置決め制御では、例えば、U相、V相、W相の内、特定の二相に通電して強制的にロータの回転位置を所定の初期位置に定める。そして、ステップS180において、その初期位置からロータを回転させるように、順番に通電パターンを切り替える強制転流駆動を行う。これにより、ブラシレスモータ2は、回転し始めて、その回転速度を上昇させる。ステップS185では、この強制転流駆動によって上昇される回転速度を検出する。
続くステップS190では、ブラシレスモータ2の回転速度が十分に上昇し、センサレス駆動に移行可能かどうかを見極めるために、ブラシレスモータ2の回転速度が、第3の所定回転速度N3以上であるか否かを判定する。この第3の所定回転速度N3は、第1の所定回転速度N1と同じ速度であっても良いし、強制転流時に適した速度として、異なる速度であっても良い。ステップS190にて「Yes」と判定されると、ステップS200の処理に進む。一方、ステップS190にて「No」と判定された場合には、強制転流に失敗した可能性が高いため、ステップS170の位置決め制御からやり直す。
ステップS200では、コンパレータの比較結果に基づいてブラシレスモータ2の回転位置を検出し、ステップS205において、検出した回転位置に基づき、ブラシレスモータ2のセンサレス駆動制御を開始する。
ステップS120にて「No」と判定された場合に実行されるステップS210では、ECU3からブレーキ指令を受けているか否かを判定する。ECU3は、例えば、バッテリ21が満充電状態ではなく、ブラシレスモータ2が回転しているとき、ブレーキ指令を出力する。ステップS210において「Yes」と判定されると、ステップS220に進んで、上述した下アームのMOSFET12〜14を周期的にオン、オフさせることにより回生制御を伴う短絡ブレーキを実行する。これにより、ブラシレスモータ2の回転速度を減速させつつ、電力の回生が行われる、さらに、ブラシレスモータ2の回転位置の検出精度を高めることができる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態になんら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で、種々変形して実施することが可能である。
例えば、上述した実施形態では、コンパレータの比較結果の時間的変化に基づいて、ブラシレスモータ2の回転速度を検出し、また、コンパレータの比較結果の組み合わせから、ブラシレスモータ2の回転位置を検出する例について説明した。すなわち、上述した実施形態では、同じコンパレータの比較結果から、ブラシレスモータ2の回転速度及び回転位置を検出した。しかしながら、ブラシレスモータ2の回転速度及び回転位置は、異なる構成によって検出するようにしても良い。例えば、ブラシレスモータ2の回転速度は、インバータ5に接続された母線の電流変化や電圧変化の周期から検出しても良いし、ブラシレスモータ2の中性点電位の変動周期から検出しても良い。
また、上述した実施形態では、ECU3から目標速度の指令入力が与えられていない場合に、ブレーキ指令を受けると、回生制御を伴う短絡ブレーキを行っていたが、この回生制御は必須のものではなく、回生制御を行わないようにしても良い。
さらに、上述した実施形態では、図2のフローチャートのステップS160において、電力回生を伴う短絡ブレーキを実行する例について説明した。しかし、そのステップS160において、電力回生を伴わない短絡ブレーキ、すなわち、ブラシレスモータの各相コイルの短絡を継続的に行う短絡ブレーキを行うようにしても良い。
1 モータ制御装置
2 ブラシレスモータ
3 電子制御ユニット
4 駆動回路
5 インバータ
6 IC
7 コンデンサ
8 イグニッションスイッチ

Claims (9)

  1. 複数の通電相を持つモータ(2)と、
    前記モータの複数の通電相への通電を個別に制御するためのインバータ(5)と、
    前記インバータを用いて、前記モータの回転を制御する制御手段(6)と、を備えたモータ制御装置(1)であって、
    前記モータは、駆動を停止しているときでも、回転することがあるものであり、
    前記制御手段は、
    前記モータの回転位置及び回転速度をセンサレスにて検出する検出手段(S110、S140)と、
    前記モータの所定の通電相へ通電を行うことにより、回転子を所定の位置に位置決めする位置決め制御手段(S170)と、
    前記インバータにより前記モータの複数の通電相を短絡させて、前記モータを減速させる減速手段(S160、S220)と、
    前記モータを所定の目標速度にて回転させる必要が生じたとき、前記モータを駆動するための制御を開始する前に、前記検出手段によって検出される前記モータの回転速度が、前記検出手段による回転位置の検出精度が確保できる第1の所定回転速度(N1)以上であるか、もしくは、前記第1の所定回転速度よりも小さく、かつ前記位置決め制御の実行可否を判断するための第2の所定回転速度(N2)以上であるか否かを判定する判定手段(S130、S150)と、を有し、
    前記判定手段によって前記モータの回転速度が前記第1の所定回転速度以上であると判定されたとき、前記位置決め制御手段による位置決め制御を行うことなく、前記検出手段によって検出される前記モータの回転位置に基づき、前記モータを前記目標速度にて回転させるための制御を開始し、
    前記判定手段により前記モータの回転速度が前記第1の所定回転速度よりも小さく、かつ前記第2の所定回転速度以上であると判定されたとき、前記減速手段によって前記モータを減速させ、それにより、前記モータの回転速度が前記第2の所定回転速度よりも小さいと判定された時点で、前記位置決め制御手段に前記位置決め制御を開始させることを特徴とするモータ制御装置。
  2. 前記減速手段は、前記インバータにより、前記モータの複数の通電相を断続的に短絡させて、前記モータを減速させ、
    前記検出手段は、前記減速手段による前記短絡が断たれたとき、前記モータの各通電相に生じる電流又は電圧に基づいて、前記モータの回転位置及び回転数を検出することを特徴とする請求項1に記載のモータ制御装置。
  3. 前記第2の所定回転速度は、前記位置決め制御を実行しても前記モータに減磁電流が流れる虞がない回転速度以下に設定されることを特徴とする請求項2に記載のモータ制御装置。
  4. 前記モータは、ファンを駆動するものであり、当該ファンが、そのファンに当たる風によって回転すると、前記制御手段は、前記減速手段により前記モータを減速させることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のモータ制御装置。
  5. 前記インバータを構成する各スイッチング素子(9〜14)には、それぞれ、並列に還流ダイオード(15〜20)が接続されており、
    前記減速手段は、前記モータを減速させるために前記各スイッチング素子の一部(12〜14)を周期的にオン、オフ駆動するものであって、前記各スイッチング素子の一部がオンされるとき、前記モータの複数の通電相が短絡されて、前記モータが減速され、前記各スイッチング素子の一部がオフされるとき、前記還流ダイオードを通じて、前記インバータに接続された蓄電手段(20)に向けて電流が通電され、電力の回生が行われることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のモータ制御装置。
  6. 前記減速手段が周期的にオン、オフ駆動する前記各スイッチング素子の一部は、前記インバータを構成する各スイッチング素子の内、ローサイドに接続されたスイッチング素子であることを特徴とする請求項5に記載のモータ制御装置。
  7. 前記減速手段が周期的にオン、オフ駆動する前記各スイッチング素子の一部は、前記インバータを構成する各スイッチング素子の内、ハイサイドに接続されたスイッチング素子であることを特徴とする請求項5に記載のモータ制御装置。
  8. 前記検出手段は、前記モータの複数相の中性点電位と、各通電相に印加される電圧とをそれぞれ比較する比較手段を備え、比較手段における比較結果の組み合わせから、前記モータの回転位置及び回転速度を検出することを特徴とする請求項6又は7に記載のモータ制御装置。
  9. 前記検出手段は、前記各スイッチング素子の一部がオフされてから所定時間経過したとき、前記比較手段における比較結果を取得することを特徴とする請求項8に記載のモータ制御装置。
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