JP3804535B2 - 車両用モーターファン制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ラジエーターやコンデンサーに送風する車両用モーターファンの制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ラジエーターやコンデンサーに送風してエンジン冷却水や車両用空調装置(以下、エアコンと呼ぶ)の冷媒を冷却するモーターファンの制御装置が知られている。
【0003】
図8に従来のモーターファン制御装置の構成を示す。モーター50はリレー接点51aを介してバッテリー電源52に接続されており、リレー接点51aが閉路するとバッテリー電源52からモーター50に電力が供給され、モーター50が回転してファン(不図示)を駆動する。リレーコイル51bはイグニッション電源53とコントローラー54に接続され、コントローラー54によりオン、オフされる。なお、イグニッション電源53は車両のイグニッションキー(電気自動車およびハイブリッド車両の場合はメインキー)がON位置に設定されると有効になる電源である。
【0004】
コントローラー54には、エアコン装置55、エアコン冷媒吐出圧力Pdを検出するエアコン冷媒圧力センサー56、車速Vを検出する車速センサー57、エンジン冷却水温Twを検出するエンジン冷却水温センサー58が接続されている。コントローラー54は、エアコン装置55のオン、オフ、エアコン冷媒吐出圧力Pd、車速Vおよびエンジン冷却水温Twに基づいて、リレーコイル51bのオン、オフを行い、モーター50の運転と停止を行う。
【0005】
また、エンジン冷却水温が低く、かつ車速が高いときには、サーモスイッチによりモーターの両端にアクチュエーターコイルを接続し、走行時の車速風(ラム圧)によりファンが回されてモーターが回転すると、モーターの逆起電力をアクチュエーターコイルへ供給し、アクチュエーターにより導風板を開放するようにした車両用モーターファン制御装置が知られている(実開平03−075027号公報参照)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の車両用モーターファン制御装置では、モーターファンを停止しているときは走行時の車速風によりファンが回されてしまい、ファンがラジエーターの通気抵抗にならないために次のような問題が発生する。すなわち、▲1▼ラジエーターおよびコンデンサーへの流入空気量が増加して車両のCd値(空気抵抗係数)が大きくなり、燃費性能が悪化する。▲2▼低外気温時や冷機時に過剰にエンジンルームやラジエーターを冷却してしまうため、エンジンの冷却水温および駆動系の油温が上昇しにくくなり、燃費性能が悪化する。
【0007】
上記▲1▼の問題を解決するために、例えばラジエーターの開口面積を予め小さくするといった方法が考えられるが、ラジエーターや冷却ファンといった冷却系部品の性能向上が必要となり、車両コストが増加する。また、上記▲2▼の問題を解決するためにラジエーターシャッターを設置してラジエーターへの流入空気量を抑制する方法があるが、ラジエーターシャッターを車両に搭載する際のレイアウト上の制約や、車両コストアップの問題がある。
【0008】
本発明の目的は、安価な方法でモーターファン停止時のラジエーターへの流入空気量を抑制することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
(1) 請求項1の発明は、車両走行時の風を受けて熱交換を行う熱交換器に送風するファンと、前記ファンを駆動するモーターと、前記モーターへの電源の供給と停止を行う開閉手段と、前記モーターの端子を短絡する短絡手段と、前記開閉手段により前記モーターへの電源の供給が停止されている間は、前記短絡手段により前記モーターの端子を短絡する制御手段とを備える。
(2) 請求項2の車両用モーターファン制御装置は、車両の周囲温度を検出する周囲温検出手段を備え、前記制御手段によって、前記周囲温度検出値が予め設定した値以上の場合は、前記開閉手段により前記モーターへの電源の供給が停止されている間であっても前記短絡手段により前記モーターの端子を短絡しないようにしたものである。
(3) 請求項3の車両用モーターファン制御装置は、前記モーターを、直流モーターまたは永久磁石同期モーターとしたものである。
(4) 請求項4の発明は、車両走行時の風を受けて熱交換を行う熱交換器に送風する複数のファンと、前記複数のファンをそれぞれ駆動する複数の直流モーターと、前記複数の直流モーターへの電源の供給と停止を行う開閉手段と、前記複数の直流モーターの異極端子どうしを接続して前記複数の直流モーターによる直列の閉回路を形成する直列閉回路形成手段と、前記開閉手段により前記複数の直流モーターへの電源の供給が停止されている間は、前記直列閉回路形成手段により前記複数の直流モーターによる直列の閉回路を形成する制御手段とを備える。
(5) 請求項5の車両用モーターファン制御装置は、車両の周囲温度を検出する周囲温検出手段を備え、前記制御手段によって、前記周囲温度検出値が予め設定した値以上の場合は、前記開閉手段により前記複数の直流モーターへの電源の供給が停止されている間であっても前記直列閉回路形成手段により前記複数の直流モーターによる直列の閉回路を形成しないようにしたものである。
【0010】
【発明の効果】
(1) 請求項1の発明によれば、走行時の車速風によりファンが回されてモーターが回転したときに、モーターの端子に誘起した逆起電力が短絡され、モーターに短絡電流が流れる。これにより、モーターにブレーキ力が発生してモーターの回転が抑制されるため、ラジエーターおよびコンデンサーへの通気抵抗が増加してラジエーターおよびコンデンサーへ流入する空気量の増加が抑制される。したがって、車両のCd値(空気抵抗係数)の増大が防止され、良好な燃費性能を維持することができる。また、ラジエーターの過剰冷却による燃費性能を悪化を防止することができる。さらに、モーターへの電源の供給が停止されている間、モーター端子を短絡するだけの安価な方法で実現できる。
(2) 請求項2の発明によれば、請求項1の上記効果に加え、不必要にモーターを短絡して短絡電流を流すのが避けられ、モーターの長寿命化を図ることができる。
(3) 請求項4の発明によれば、走行時の車速風によりいずれかのモーターに連結されるファンが回されてモーターが回転すると、モーターの両端子に誘起した逆起電力が他のモーターの回転子を介して短絡され、モーターに短絡電流が流れる。この結果、モーターにブレーキ力が発生してモーターの回転が抑制されるため、ラジエーターおよびコンデンサーへの通気抵抗が増加してラジエーターおよびコンデンサーへ流入する空気量の増加が抑制される。したがって、車両のCd値(空気抵抗係数)の増大が防止され、良好な燃費性能を維持することができる。また、ラジエーターの過剰冷却による燃費性能を悪化を防止することができる。さらに、モーターへの電源の供給が停止されている間、モーターの異極端子どうしを接続して直列閉回路を形成するだけの安価な方法で実現できる。
(4) 請求項5の発明によれば、請求項4の上記効果に加え、不必要にモーターを短絡して短絡電流を流すのが避けられ、モーターの長寿命化を図ることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
《発明の第1の実施の形態》
図1は第1の実施の形態の構成を示す。モーター1は直流モーターであり、ラジエーターとコンデンサー(いずれも不図示)のいずれか一方または両方に送風するためのファン(不図示)を駆動する。ラジエーターとコンデンサーは、車両走行時の風を受けて熱交換を行う熱交換器である。なお、ラジエーターとコンデンサーに送風するファンには、カップリングを介してエンジンにより駆動されるファンと、モーターにより駆動されるファンとがある。後者のファンをモーターファンと呼び、本願発明はこのモーターファンの制御装置に関するものである。
【0012】
モーター1の一方の端子1aはリレー接点2aを介してバッテリー電源3に接続され、他方の端子1bはリレー接点4aを介してコモン(車体)に接続される。リレー接点2aはa接点であり、リレーコイル2bが励磁(オン)されると閉路する。リレー接点4aはc接点であり、リレーコイル4bが励磁されるとモーター1の他方の端子1bがコモン(車体)に接続され、リレーコイル4bが釈放(オフ)されるとモーター1の一方の端子1aと他方の端子1bとが接続され、モーター1が短絡される。
【0013】
リレーコイル2b、4bはイグニッション電源5とコントローラー6に接続され、コントローラー6により各リレーコイル2b、4bの励磁と釈放が行われる。なお、イグニッション電源5は車両のイグニッションキー(電気自動車およびハイブリッド車両の場合はメインキー)がON位置に設定されると有効になる電源である。コントローラー6によりリレーコイル2b、4bが励磁されると、バッテリー電源3からリレー接点2aを介してモーター端子1aに電力が供給されるとともに、モーター端子1bがリレー接点4aを介してコモン(車体)に接続される。これにより、モーター1が回転してファン(不図示)を駆動し、ラジエーターとコンデンサーに送風する。
【0014】
コントローラー6はマイクロコンピューターとメモリ(不図示)などの周辺部品から構成され、後述する制御プログラムを実行してリレーコイル2b、4bのオン、オフを制御する。コントローラー6にはエアコン装置(空調装置)7、エアコン冷媒吐出圧力Pdを検出するエアコン冷媒圧力センサー8、車速Vを検出する車速センサー9、エンジン冷却水温Twを検出するエンジン冷却水温センサー10が接続されている。コントローラー6は、エアコン装置のオン、オフ、エアコン冷媒吐出圧力Pd、車速Vおよびエンジン冷却水温Twに基づいてリレーコイル2b、4bを制御し、モーター1の運転と停止を行う。
【0015】
図2は、第1の実施の形態のモーターファン制御プログラムを示すフローチャートである。コントローラー6は、車両のイグニッションキー(電気自動車およびハイブリッド車両の場合はメインキー)がON位置に設定されるとこのモーターファン制御プログラムを繰り返し実行する。
【0016】
ステップ1において、車速センサー9から現在の車速Vを読み込み、予め設定した所定値V1、V2(V2>V1とする)と比較する。ここで、V1を例えば50km/h、V2を例えば80km/hとする。車速VがV1未満の場合はステップ2へ進み、エアコン装置7が運転(オン)されているかどうかを確認する。エアコン装置7が運転されている場合はステップ3へ進み、リレーコイル2b、4bを励磁(オン)してモーター1にバッテリー電源3を供給し、モーター1を運転してファンを回転させる。
【0017】
一方、車速VがV1未満で、且つエアコン装置7が停止(OFF)されている場合はステップ4へ進み、エンジン冷却水温センサー10からエンジン冷却水温Twを読み込み、予め設定した所定値Tw2と比較する。ここで、Tw2を例えば100℃とする。水温TwがTw2以上の場合はステップ3へ進み、リレーコイル2b、4bを励磁(オン)してモーター1にバッテリー電源3を供給し、モーター1を運転してファンを回転させる。一方、水温TwがTw2未満の場合はステップ5へ進み、リレーコイル2b、4bを釈放(オフ)してモーター1を停止する。リレーコイル2b、4bをオフすると、リレー接点4aによりモーター1の両端子1a、1bが短絡される。
【0018】
ステップ1において車速VがV1以上でV2未満であると判別された場合はステップ6へ進み、エアコン装置7が運転(オン)されているかどうかを確認する。エアコン装置7が運転されている場合はステップ7へ進み、エアコン冷媒圧力センサー8からエアコン冷媒吐出圧力Pdを読み込み、予め設定した所定値Pd1と比較する。ここで、Pd1を例えば1.68MPaとする。エアコン冷媒吐出圧力PdがPd1以上の場合はステップ3へ進み、リレーコイル2b、4bを励磁してモーター1にバッテリー電源3を供給し、モーター1を運転してファンを回転させる。
【0019】
ステップ6でエアコン装置7が停止(オフ)されていると判別された場合、またはステップ7でエアコン冷媒吐出圧力PdがPd1未満であると判別された場合はステップ8へ進み、エンジン冷却水温センサー10からエンジン冷却水温Twを読み込み、予め設定した所定値Tw1(<Tw2)と比較する。ここで、Tw1を例えば95℃とする。エンジン冷却水温TwがTw1以上の場合はステップ3へ進み、リレーコイル2b、4bを励磁してモーター1にバッテリー電源3を供給し、モーター1を運転してファンを回転させる。一方、エンジン冷却水温TwがTw1未満の場合はステップ5へ進み、リレーコイル2b、4bを釈放してモーター1を停止する。このとき、上述したようにモーター1の両端子1a、1bはリレー接点4aにより短絡される。
【0020】
ステップ1において車速VがV2以上であると判別された場合はステップ9へ進み、エンジン冷却水温Twを上記Tw3(>Tw2)と比較する。ここで、Tw3を例えば105℃とする。エンジン冷却水温TwがTw3以上の場合はステップ3へ進み、リレーコイル2b、4bを励磁してモーター1にバッテリー電源3を供給し、モーター1を運転してファンを回転させる。一方、エンジン冷却水温TwがTw3未満の場合はステップ5へ進み、リレーコイル2b、4bを釈放してモーター1を停止する。このとき、上述したようにモーター1の両端子1a、1bはリレー接点4aにより短絡される。
【0021】
以上のコントローラー6によるリレーコイル2b、4bのオン、オフ制御をまとめると次表のようになる。
【表1】
Figure 0003804535
表1において、A/Cはエアコン(空調装置)を表す。
【0022】
なお、エンジン冷却水温Tw、エアコン冷媒吐出圧力Pd、車速Vに基づくモーター1のオン、オフ制御には、図3(a)、(b)、(c)に示すようなヒステリシス特性を設定し、モーター1の頻繁な運転と停止の切り替わりを防止する。
【0023】
このように、第1の実施の形態によれば、車速V、エアコン装置7のオン、オフ、エアコン冷媒吐出圧力Pdおよびエンジン冷却水温Twに基づいてモーター1の運転と停止を制御するとともに、モーター1を停止したときはリレー接点4aによりモーター1の両端子1a、1bを短絡するようにしたので、走行時の車速風(ラム圧)によりファンが回されてモーター1が回転したときに、モーター1の両端子1a、1bに誘起した逆起電力が短絡され、モーター1に短絡電流が流れる。これにより、モーター1にブレーキ力が発生してモーター1の回転が抑制されるため、ラジエーターおよびコンデンサーへの通気抵抗が増加してラジエーターおよびコンデンサーへ流入する空気量の増加が抑制される。したがって、車両のCd値(空気抵抗係数)の増大が防止され、良好な燃費性能を維持することができる。また、ラジエーターの過剰冷却による燃費性能悪化を防止することができる。さらに、モーター停止時にモーター端子を短絡するだけの安価な方法で実現できる。
【0024】
なお、上述した第1の実施の形態では直流モーターを用いた例を示したが、永久磁石回転子を備えた同期モーターを用い、停止時に固定子側の交流巻線端子を短絡することによって、上述した直流モーターを用いた場合と同様な効果が得られる。この場合には、車載バッテリーの直流電力をインバーターにより交流電力に変換して同期モーターへ供給する。
【0025】
《発明の第2の実施の形態》
上述した第1の実施の形態は1台のモーターによりファンを駆動し、ラジエーターとコンデンサーのいずれか一方または両方に送風する例を示したが、2台の直流モーター1A、1Bによりそれぞれファンを駆動し、ラジエーターとコンデンサーのいずれか一方または両方に送風するようにした第2の実施の形態を説明する。
【0026】
図4は第2の実施の形態の構成を示す。なお、図1に示す機器と同様な機器に対しては同一の符号を付して相違点を中心に説明する。モーター1Aの正極端子1cはリレー接点12aを介してバッテリー電源3に接続され、負極端子1dはリレー接点15aを介してコモン(車体)とモーター1Bの正極端子1eに接続される。モーター1Bの正極端子1eはリレー接点13aを介してバッテリー電源3に接続され、負極端子1fはリレー接点14aを介してモーター1Aの正極端子1cとコモン(車体)に接続される。
【0027】
リレー接点12a、13aはともにa接点であり、それぞれリレーコイル12b、13bが励磁(オン)されると閉路する。リレー接点14aはc接点であり、リレーコイル14bが励磁されるとモーター1Bの負極端子1fがコモン(車体)に接続され、リレーコイル14bが釈放(オフ)されるとモーター1Bの負極端子1fがモーター1Aの正極端子1cに接続される。リレー接点15aはc接点であり、リレーコイル15bが励磁されるとモーター1Aの負極端子1dがコモン(車体)に接続され、リレーコイル15bが釈放されるとモーター1Aの負極端子1dがモーター1Bの正極端子1eに接続される。
【0028】
リレーコイル12b、13b、14b、15bはイグニッション電源5とコントローラー6Aに接続され、コントローラー6Aにより各リレーコイル12b、13b、14b、15bの励磁と釈放が行われる。コントローラー6Aによってすべてのリレーコイル12b、13b、14b、15bが励磁されると、バッテリー電源3からリレー接点12aを介してモーター1Aの正極端子1cに電力が供給されるとともに、モーター1Aの負極端子1dがリレー接点15aを介してコモン(車体)に接続され、モーター1Aにバッテリー電源3から電流が流れて回転する。これにより、モーター1Aに連結された一方のファンが回転し、ラジエーターとコンデンサーに送風する。
【0029】
また同時に、バッテリー電源3からリレー接点13aを介してモーター1Bの正極端子1eに電力が供給されるとともに、モーター1Bの負極端子1fがリレー接点14aを介してコモン(車体)に接続され、モーター1Bにバッテリー電源3から電流が流れて回転する。これにより、モーター1Bに連結された他方のファンが回転し、ラジエーターとコンデンサーに送風する。
【0030】
一方、コントローラー6Aによってすべてのリレーコイル12b、13b、14b、15bが釈放されると、モーター1A、1Bへのバッテリー電源3の供給が停止され、モーター1A、1Bが停止する。同時に、モーター1Aの正極端子1cがリレー接点14aを介してモーター1Bの負極端子1fに接続され、またモーター1Aの負極端子1dがリレー接点15aを介してモーター1Bの正極端子1eに接続される。つまり、モーター1A、1Bの停止時には、2台のモーター1A、1Bの内のいずれか一方のモーターの正極端子が他方のモーターの負極端子へ接続され、一方のモーターの負極端子が他方のモーターの正極端子へ接続される。
【0031】
コントローラー6Aはマイクロコンピューターとメモリ(不図示)などの周辺部品から構成され、後述する制御プログラムを実行してリレーコイル12b、13b、14b、15bをオン、オフ制御する。
【0032】
図5は、第2の実施の形態のモーターファン制御プログラムを示すフローチャートである。なお、図2に示す処理と同様な処理を行うステップに対しては同一の符号を付して相違点を中心に説明する。エアコン装置7の運転または停止、エアコン冷媒吐出圧力Pd、車速Vおよびエンジン冷却水温Twに基づくモーター1A、1Bの運転と停止の条件は、図2に示すモーター1の運転と停止の条件と同様である。モーター1A、1Bの運転が決定されると、ステップ3Aですべてのリレーコイル12b、13b、14b、15bを励磁する。これにより、モーター1A、1Bにバッテリー電源3が供給されてモーター1A、1Bが回転し、各モーター1A、1Bに連結されているファンが回転駆動される。
【0033】
一方、モーター1A、1Bの停止が決定されると、ステップ5Aですべてのリレーコイル12b、13b、14b、15bを釈放する。これにより、モーター1A、1Bへのバッテリー電源3の供給が停止されるとともに、一方のモーター1Aの正極端子1cが他方のモーター1Bの負極端子1fへ接続され、一方のモーター1Aの負極端子1dが他方のモーター1Bの正極端子1eへ接続される。
【0034】
これにより、走行時の車速風によりモーター1Aに連結されるファンが回されてモーター1Aが回転すると、モーター1Aの両端子1c、1dに誘起した逆起電力が他方のモーター1Bの回転子を介して短絡され、モーター1Aに短絡電流が流れる。この結果、モーター1Aにブレーキ力が発生してモーター1Aの回転が抑制されるため、ラジエーターおよびコンデンサーへの通気抵抗が増加してラジエーターおよびコンデンサーへ流入する空気量の増加が抑制される。したがって、車両のCd値(空気抵抗係数)の増大が防止され、良好な燃費性能を維持することができる。また、ラジエーターの過剰冷却による燃費性能を悪化を防止することができる。さらに、モーター停止時にモーターの異極端子どうしを接続して直列閉回路を形成するだけの安価な方法で実現できる。
【0035】
同様に、走行時の車速風によりモーター1Bに連結されるファンが回されてモーター1Bが回転すると、モーター1Bの両端子1e、1fに誘起した逆起電力が他方のモーター1Aの回転子を介して短絡され、モーター1Bに短絡電流が流れる。この結果、モーター1Bにブレーキ力が発生してモーター1Bの回転が抑制されるため、ラジエーターおよびコンデンサーへの通気抵抗が増加してラジエーターおよびコンデンサーへ流入する空気量の増加が抑制される。したがって、車両のCd値(空気抵抗係数)の増大が防止され、良好な燃費性能を維持することができる。また、ラジエーターの過剰冷却による燃費性能悪化を防止することができる。さらに、モーター停止時にモーターの異極端子どうしを接続して直列閉回路を形成するだけの安価な方法で実現できる。
【0036】
なお、第2の実施の形態では2台のモーター1A、1Bを並列に運転する例を示したが、エアコン装置7の運転または停止、エアコン冷媒吐出圧力Pd、車速Vおよびエンジン冷却水温Twに基づく運転条件によって、2台のモーター1A、1Bを高速運転と低速運転に運転速度を切り換えることができる。具体的には、すべてのリレーコイル12b、13b、14b、15bを励磁した場合には、2台のモーター1A、1Bがバッテリー電源3に並列に接続され、2台のモーター1A、1Bは高速運転を行う。一方、リレーコイル13b、15bのみを励磁した場合には、2台のモーター1A、1Bが直列に接続されてバッテリー電源3に接続され、2台のモーター1A、1Bは低速運転を行う。
【0037】
なお、上述した第2の実施の形態では2台の直流モーターを用いた例を示したが、3台以上の直流モーターにそれぞれファンを連結して駆動するモーターファン制御装置に対しても本願発明を適用することができる。3台以上の直流モーターを用いる場合には、モーター停止時にモーターの異極端子どうしを接続して直列の閉回路を形成すればよい。
【0038】
《発明の第3の実施の形態》
図6は第3の実施の形態の構成を示す。なお、図1に示す構成機器と同様な機器に対しては同一の符号を付して相違点を中心に説明する。外気温センサー11は車両の周囲温度Taを検出する。コントローラー6Bは、エアコン装置7のオン、オフ、エアコン冷媒吐出圧力Pd、車速V、エンジン冷却水温Twおよび外気温Taに基づいてリレーコイル2b、4bのオン、オフ制御を行い、モーター1の運転と停止を行う。
【0039】
図7は、第3の実施の形態のモーターファン制御プログラムを示すフローチャートである。なお、図2に示す処理と同様な処理を行うステップに対しては同一のステップ番号を付して相違点を中心に説明する。コントローラー6Bは、車両のイグニッションキー(電気自動車およびハイブリッド車両の場合はメインキー)がON位置に設定されるとこのモーターファン制御プログラムを繰り返し実行する。
【0040】
この第3の実施の形態におけるモーター1の停止条件は、図2および表1に示す第1の実施の形態の条件と同様である。車速V、エアコン装置7のオン、オフ、エアコン冷媒吐出圧力Pdおよびエンジン冷却水温Twに基づいて、モーター1を停止する条件が成立すると、ステップ5Aでリレーコイル2bだけを釈放(オフ)し、リレーコイル4bは励磁(オン)のままとする。リレーコイル2bを釈放するからリレー接点2aが開放され、モーター端子1aへのバッテリー電源3の供給が停止される。これにより、モーター1が停止し、ファンの回転駆動は行われない。
【0041】
しかし、このときリレーコイル4bは励磁されたままであるから、モーター1bはコモン(車体)に接続されたままとなり、モーター1の両端子1a、1bは短絡されていない。モーター1の両端子1a、1bが短絡されないと、モーター1のローター(不図示)には上述したブレーキ力が発生せず、モーター1は走行時の車速風により回されることになる。
【0042】
続くステップ10において、外気温センサー11から車両の周囲温度Taを読み込み、予め設定した所定値Ta1と比較する。ここで、Ta1を例えば30℃とする。モーター1の両端子1a、1bを短絡して走行時の車速風によるファンの回転を抑制しない場合には、ラジエーターおよびコンデンサーへ流入する風量が増加するが、車両周囲温度TaがTa1以上の場合はラジエーターのエンジン冷却水やコンデンサーのエアコン冷媒を過剰に冷却するようなことはない。したがって、車両周囲温度TaがTa1以上の場合は、モーター1の両端子1a、1bを短絡せず、ステップ1へ戻る。
【0043】
一方、車両周囲温度TaがTa1未満の場合はステップ11へ進み、リレーコイル4bを釈放(オフ)してモーター1の両端子1a、1bを短絡する。これにより、走行時の車速風によるファンの回転にともなってモーター1が回されると、モーター1に短絡電流が流れ、モーター1にブレーキ力が発生して車速風によるファンの回転を抑制する。したがって、車両周囲温度Taが低いときにラジエーターやコンデンサーへ流入する空気量の増加が抑制され、エンジン冷却水やエアコン冷媒が過剰に冷却されるのを防止することができる。
【0044】
このように第3の実施の形態によれば、車両周囲温度Taが予め設定した所定値Ta1以上の場合はモーターファン停止時にモーター1を短絡せず、車両周囲温度TaがTa1未満の場合のみモーターファン停止時にモーター1を短絡するようにしたので、上述した第1および第2の実施の形態の効果に加え、不必要にモーター1を短絡して短絡電流を流すのが避けられ、モーター1の長寿命化を図ることができる。
【0045】
なお、この第3の実施の形態では1台のモーター1によりファンを駆動する例を示したが、第2の実施の形態で示した複数台のモーターにより複数台のファンを駆動する場合にも、この第3の実施の形態と同様に車両周囲温度に基づいてモーターファンを制御することができる。すなわち、車両周囲温度Taが予め設定した所定値Ta1以上の場合はモーターファン停止時に複数台のモーターによる直列閉回路を形成せず、車両周囲温度TaがTa1未満の場合のみモーターファン停止時に複数台のモーターによる直列閉回路を形成する。
【0046】
特許請求の範囲の構成要素と第1〜第3の実施の形態の構成要素との対応関係は次の通りである。すなわち、車両走行時の風を受けて熱交換を行う熱交換器として、第1〜第3の一実施の形態ではラジエーターとコンデンサーを例に上げて説明したが、ラジエーターとコンデンサー以外の熱交換器に対しても本願発明を適用することができる。また、開閉手段として第1および第3の実施の形態ではリレー接点2aとリレーコイル2bから構成されるリレーを用い、第2の実施の形態ではリレー接点12aとリレーコイル12b、リレー接点13aとリレーコイル13bから成る2個のリレーを用いた。さらに、短絡手段として第1および第3実施の形態ではリレー接点4aとリレーコイル4bから構成されるリレーを用いた。一方、直列閉回路形成手段として第2の実施の形態ではリレー接点14aとリレーコイル14b、リレー接点15aとリレーコイル15bから成る2個のリレーを用いた。制御手段として第1〜第3の一実施の形態ではマイクロコンピューターとその周辺部品を備えたコントローラー6を用いた。さらに、周囲温度検出手段として第3の実施の形態では外気温センサー11を用いた。なお、本発明の特徴的な機能を損なわない限り、各構成要素は上記構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施の形態の構成を示す図である。
【図2】 第1の実施の形態のモーターファン制御プログラムを示すフローチャートである。
【図3】 第1の実施の形態のエンジン冷却水温Tw、エアコン冷媒吐出圧力Pd、車速Vに基づくモーターのオン、オフ制御のヒステリシス特性を示す図である。
【図4】 第2の実施の形態の構成を示す図である。
【図5】 第2の実施の形態のモーターファン制御プログラムを示すフローチャートである。
【図6】 第3の実施の形態の構成を示す図である。
【図7】 第3の実施の形態のモーターファン制御プログラムを示すフローチャートである。
【図8】 従来のモーターファン制御装置の構成を示す図である。
【符号の説明】
1 モーター
2a、4a リレー接点
2b、4b リレーコイル
3 バッテリー電源
5 イグニッション電源
6、6A、6B コントローラー
7 エアコン装置
8 エアコン冷媒圧力センサー
9 車速センサー
10 エンジン冷却水温センサー
11 外気温センサー
12a、13a、14a、15a リレー接点
12b、13b、14b、15b リレーコイル

Claims (5)

  1. 車両走行時の風を受けて熱交換を行う熱交換器に送風するファンと、
    前記ファンを駆動するモーターと、
    前記モーターへの電源の供給と停止を行う開閉手段と、
    前記モーターの端子を短絡する短絡手段と、
    前記開閉手段により前記モーターへの電源の供給が停止されている間は、前記短絡手段により前記モーターの端子を短絡する制御手段とを備えることを特徴とする車両用モーターファン制御装置。
  2. 請求項1に記載の車両用モーターファン制御装置において、
    車両の周囲温度を検出する周囲温検出手段を備え、
    前記制御手段は、前記周囲温度検出値が予め設定した値以上の場合は、前記開閉手段により前記モーターへの電源の供給が停止されている間であっても前記短絡手段により前記モーターの端子を短絡しないことを特徴とする車両用モーターファン制御装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の車両用モーターファン制御装置において、
    前記モーターは直流モーターまたは永久磁石同期モーターであることを特徴とする車両用モーターファン制御装置。
  4. 車両走行時の風を受けて熱交換を行う熱交換器に送風する複数のファンと、
    前記複数のファンをそれぞれ駆動する複数の直流モーターと、
    前記複数の直流モーターへの電源の供給と停止を行う開閉手段と、
    前記複数の直流モーターの異極端子どうしを接続して前記複数の直流モーターによる直列の閉回路を形成する直列閉回路形成手段と、
    前記開閉手段により前記複数の直流モーターへの電源の供給が停止されている間は、前記直列閉回路形成手段により前記複数の直流モーターによる直列の閉回路を形成する制御手段とを備えることを特徴とする車両用モーターファン制御装置。
  5. 請求項4に記載の車両用モーターファン制御装置において、
    車両の周囲温度を検出する周囲温検出手段を備え、
    前記制御手段は、前記周囲温度検出値が予め設定した値以上の場合は、前記開閉手段により前記複数の直流モーターへの電源の供給が停止されている間であっても前記直列閉回路形成手段により前記複数の直流モーターによる直列の閉回路を形成しないことを特徴とする車両用モーターファン制御装置。
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