JP6269929B2 - 車両の燃料装置 - Google Patents
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Description
このような密閉システムでは、燃料タンク内の蒸発ガスは、エンジン運転の機会を利用して処理(燃焼)されるが、給油時はエンジンの運転が停止するため、蒸発ガスの処理が行えない。このため密閉システムの燃料装置は、給油時の対策としてキャニスタを用いる。具体的には、燃料タンク内に設けたレベリングバルブとキャニスタとの間をベーパ通路で連通し、同ベーパ通路に密閉弁を設けた構造を採用している(特許文献1など参照)。これにより、常態のときは、密閉弁の封鎖により、燃料タンク内を密閉し、給油時は、密閉弁の開放により、燃料タンク内の蒸発ガスを、レバリングバルブからキャニスタへ導いて、キャニスタに吸着させ、燃料タンクの給油口から蒸発ガスが大気中へ放出されるのを防いでいる。
しかし、専用の検出構造は、かなり構造的に複雑になる傾向にあるので、コスト的な負担が強いられやすい。
そこで、本発明の目的は、簡単な構造で、レベリングバルブが燃料液面へ没入したことを検出できる車両の燃料装置を提供する。
請求項4に記載の発明に係る態様は、更に、前記レベリングバルブの燃料液面への没入が判定されると、当該没入したことを報知する報知部を有するものとした。
しかも、レベリングバルブの液没の判定が、第1圧力センサおよび第2圧力センサの検出圧力の挙動により高い精度で行える。
請求項2の発明によれば、第1圧力センサおよび第2圧力センサの検出圧力の挙動に基づいて確実にレベルリングバルブの液没が判定できる。
請求項4の発明によれば、レベリングバルブが液没した旨が報知されるので、現在の状況が把握でき、速やかに対応できる。
図1は、本発明を適用した車両、例えば走行用モータとエンジンとを組み合わせたハイブリッド自動車に用いられる燃料装置の概略の構成を示し、図2は同燃料装置における制御を示している。
図1に示される燃料装置を説明すると、1はレシプロエンジン、10は燃料(ガソリンなど液体燃料)を貯留する燃料タンク、30は同燃料タンク10内の蒸発ガスを処理する蒸発ガス処理部、50は同蒸発ガス処理部30に装備される専用(給油時)のキャニスタを示している。
燃料タンク10は、例えば扁平形タンクで形成される。燃料タンク10内の上部には、燃料カットオフバルブ11(例えばフロートバルブで構成)や、当該燃料カットオフバルブ11と、二ウェイバルブ12a(本願の絞り部に相当)を有するベーパ通路12(本願の第2ベーパ通路に相当)を介して、直列に接続されたレベリングバルブ13(例えばフロートバルブで構成)が配設されている。レベリングバルブ13の下部に有る開口(燃料液面で塞がる開口部分)は、燃料タンク10内に収容される燃料の満タン位置に位置決められている。つまり、給油口20から給油が開始されると、燃料タンク10内の蒸散ガスをレベリングバルブ13からキャニスタ50へ追い出しつつ燃料タンク10内の液面が上昇する。液面が上昇するとレベリングバルブ13に備えられたフロートバルブが上昇し開口がフロートバルブによって閉塞される。これにより、燃料タンク10内の空気の追い出し口がふさがれることで、給油量が規制される。燃料カットオフバルブ11の下部に有る開口(燃料液面で塞がる開口部分)は、レベリングバルブ13よりも高い位置に位置決められていて、レベリングバルブ13で燃料タンク10の満タン位置を規制された後であっても、燃料タンク10内の蒸散ガスがカットオフバルブ11を介して少量抜けることで、燃料タンク10内の蒸散ガスが高圧になり燃料タンク内の圧力が過度に上昇することを防止しつつ、車両走行中や、車両が横転したときなどに燃料タンク10の液面が満タン位置の規制を越えて、ベーパ通路12内に進入することを燃料カットオフバルブ11で防止している。
燃料タンク10の上壁には、燃料タンク10の内圧を検出するための圧力センサ24(本願の第2圧力センサに相当)が設けられている。これにて、圧力センサ24は、絞り部となる二ウェイバルブ12aよりも上流に配置される。ちなみに圧力センサ24には、狭域、高精度の特性のセンサが用いられる。
そこで、制御部38には、この急激に変動する圧力に基づき、レベリングバルブ13が液没しているかを判定する機能が設定されている。例えば制御部38には、密閉弁35の開放後、所定時間の間で、初期値の大部分、例えば80%以上の変動(絶対値)があるか否かを判定する機能が設定され、レベリングバルブ13の液没を判定する判定機能としている(本願の没入判定部に相当)。
すなわち、制御部38において、下記式(1)に基づき、圧力センサ24で検出される図5中の第1タンク内圧P1が第1所定圧力Pn1から第2所定圧力Pn2となるまで期間Tnにおける変化率ΔPwを算出。
第1タンク内圧P1が第1所定圧力Pn1となったとき、圧力センサ33で検出される第2タンク内圧P2である第1所定圧力Pn1時の第2タンク内圧Pw1と、第1タンク内圧P1が第2所定圧力Pn2となったとき第2タンク内圧P2である第2所定圧力Pn2時の第2タンク内圧Pw2と、第1タンク内圧P1が第1所定圧力Pn1から第2所定圧力Pn2となるまで期間Tnと下記式(2)とに基づいて、圧力センサ33で検出される第2タンク内圧P2の期間Tnにおける変化率ΔPnを算出。
下記式(3)に基づき、第1タンク内圧P1の変化率ΔPwと第2タンク内圧P2の変化率ΔPnとの誤差率Erを算出し、誤差率Erが所定値以上か、否かを判別することによって、圧力センサ24,33の異常を検出する。
Er=|(ΔPw−ΔPn)/ΔPn|×100・・・・(3)
但し、図5中、r1は圧力センサ24の計測可能領域、r2は圧力センサ33の計測可能領域を示す。
今、例えば給油するため、ステップS1に示されるようにフュエルドアスイッチ39をオンする。
ステップS3において圧力センサ33に異常がないと判定されると、ステップS4に進む。ステップS4においては、圧力センサ33から検出される圧力が、圧力センサ24の計測領域外の領域(+αkPa以上,−αkPa以下)あることを確認してから、ステップS5のように密閉弁35の開放後に生ずるベーパ通路部分(第1ベーパ通路)内の圧力変動の具合を検出する。
ステップS5は、この急激な圧力変動を捉えるよう、例えば密閉弁35の開放後、所定時間β(例えば0.5s)で、圧力センサ33の検出圧力に急激な変動が有るか否かという判別、例えば初期値の80%以上の絶対変動が有るか否か、といった判別が行われる。
すると、続くステップS7での二つの圧力センサ24と圧力センサ33との相互の監視に基づく圧力センサ33の異常検出の実施や、ステップS8での異常無との判定から、ステップS9のようにドアアクチュエータ22の作動でフュエルドア23の「開」にまで至り、給油が可能となる。フュエルドア23の「開」は、図示はしないが燃料タンク10内の圧力が十分に低下してから行われる。
この結果を受けて、続くステップS11のように二つの圧力センサ24と圧力センサ33との相互の監視に基づく圧力センサ33の異常検出の実施を禁止したり、ステップS3からステップS12へ向かうルーチンにより、フュエルドア23および密閉弁35の「閉」を継続して給油の要求を拒否したり、ディスプレイ装置38aを通じて、給油要求拒否の要因が液没にある旨を外部に報知する。
それ故、簡単な構造で、レベリングバルブ13の液没検出ができ、燃料装置の複雑化やコスト高が抑えられる。
そのうえ、ディスプレイ装置38aで、レベリングバルブ13が液没した旨が報知されるので、現在の状況が把握でき、速やかに対応できる。
図6は、本発明の第2の実施形態を示す。
但し、図6において、第1の実施形態と同一部分には同一符号を付して、その説明を省略した。
11 燃料カットオフバルブ
12 ベーパ通路(第2ベーパ通路)
12a 二ウェイバルブ(絞り部)
13 レベリングバルブ
24 圧力センサ(第2圧力センサ)
31 ベーパ通路(第1ベーパ通路)
33 圧力センサ(第1圧力センサ)
35 密閉弁
38 制御部(没入判定部)
50 キャニスタ
Claims (4)
- 燃料が給油される燃料タンクと、
燃料タンク内に発生する燃料の蒸発ガスを吸着するキャニスタと、
前記燃料タンク内に設けられ、前記燃料タンクに前記燃料が給油されることを規制するレベリングバルブと、
前記レベリングバルブと前記キャニスタとを連通し、前記燃料タンク内の蒸発ガスを前記キャニスタへ導く第1ベーパ通路と、
前記ベーパ通路を封鎖して前記燃料タンク内を密閉状態にする密閉弁と、
前記密閉弁と前記レベリングバルブとの間のベーパ通路部分に設けられ、前記燃料タンク内の圧力を検出する第1圧力センサと、
前記燃料タンクに設けられ、前記第1圧力センサとは異なる位置で前記燃料タンク内の圧力を検出する第2圧力センサと、
前記密閉弁の開放時における前記第1圧力センサおよび前記第2圧力センサの検出圧力の変動に基づき前記レベリングバルブの前記燃料タンク内の燃料への没入を判定する没入判定部と
を有することを特徴とする車両の燃料装置。 - 前記燃料タンクは、前記レベリングバルブよりも高い位置に配置され前記燃料タンクから前記燃料が流出することを防止する燃料カットオフバルブと、
前記燃料カットオフバルブと前記レベリングバルブとを連通し、前記燃料タンク内の蒸発ガスを前記レベリングバルブを中継して前記キャニスタへ導く第2ベーパ通路と、
前記第2ベーパ通路に配置される絞り部とを有し、
前記第2圧力センサは前記絞り部よりも上流に配置される
ことを特徴とする請求項1に記載の車両の燃料装置。 - 前記燃料タンクは、
燃料を燃料タンク内へ給油する給油口と、
前記給油口の開口を開閉する扉体と、前記レベリングバルブの燃料液面への没入が判定されると前記扉体をロックする扉アクチュエータとを有する
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両の燃料装置。 - 更に、前記レベリングバルブの燃料液面への没入が判定されると、当該没入したことを報知する報知部を有する
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一つに記載の車両の燃料装置。
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