[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態に係る薬剤管理システム10の概要構成を示すブロック図である。図1に示すように、薬剤管理システム10は、電子カルテサーバ11と、医師用の情報処理端末装置12と、看護師用の情報処理端末装置13と、薬剤監査装置14と、無線基地局15及び公衆通信ネットワーク16を介して通信ネットワーク17に接続された医師用の携帯情報処理端末装置18と、薬剤部サーバ19と、薬剤登録装置20と、を備えている。
電子カルテサーバ11は、電子カルテを管理し、記憶するための装置である。医師用の情報処理端末装置12は、電子カルテの記入などを行うための装置である。看護師用の情報処理端末装置13は、電子カルテサーバ11が管理する電子カルテの参照及び確認を行うための装置である。薬剤監査装置14は、電子カルテに含まれる指示書情報(例えば、処方箋情報)に基づいて薬剤の取り揃え等(計量、混注、混合、製剤、調剤など)の支援及び監査を行うための装置である。薬剤部サーバ19は、薬剤部に配置され薬剤払出等を管理するための装置である。また、薬剤部サーバ19は、薬剤のコード情報に対応付けて薬剤に係る薬剤情報(名称、量など)を登録している。また、薬剤部サーバ19は、薬剤監査装置14において、計量、混注、混合、製剤、調剤などの作業を撮影した画像データを記憶している。
ここで、本実施形態で用いる薬剤について説明する。図2は、薬剤の一例を示す図である。本実施形態で用いる薬剤Mの容器や包装には、図2に示すように第1コードシンボルM1と、第2コードシンボルM2とが付される。また、第1コードシンボルM1の上には、マスキングラベルM3が付される。
第1コードシンボルM1は、温度に反応して色が変化しない非示温部材で印刷された、バーコードや二次元コード等のコードシンボルである。第1コードシンボルM1は、この薬剤Mを識別するための第1薬剤コードを保持する。
第2コードシンボルM2は、温度に反応して色が変化する示温部材で印刷された、バーコードや二次元コード等のコードシンボルである。第2コードシンボルM2は、この薬剤Mを識別するための第2薬剤コードを保持する。なお、第1薬剤コード及び第2薬剤コードには、異なる値が保持されるものとする。
マスキングラベルM3は、温度に反応して色が変化する示温部材で印刷された、第1コードシンボルM1をマスキングするためのラベルである。ここで、第2コードシンボルM2及びマスキングラベルM3の示温部材は、共通する特性を有する。具体的に、第2コードシンボルM2及びマスキングラベルM3の示温部材は、ある設定温度(例えば25℃)未満では無色であり、その設定温度以上では青又は黒のように、後述する読取装置において、読み取ることが可能な有色に変化する。
上記の示温性を実現する示温部材としては、例えば、電子供与性呈色性化合物と電子受容性化合物と有極性有機化合物とを組み合わせた、可逆性インクを用いてもよい。また、非結晶−結晶又は相分離−非相分離によりリライタブル系を利用した不可逆性インクを用いてもよい。なお、可逆性インクや不可逆性インクの実現方法については公知の技術を用いるものとする。
また、第2コードシンボルM2及びマスキングラベルM3の示温部材の設定温度は、対応する薬剤の保管に適した温度(適正温度)に準じるものとする。例えば、10℃以下での保管が適正とされている薬剤には、この温度を設定温度とする示温部材を用いて、第2コードシンボルM2及びマスキングラベルM3が印刷される。
上記の構成により、薬剤Mが適正温度下にあるときに、第1コードシンボルM1が表示され、薬剤Mが非適正温度下にあるときに、第2コードシンボルM2が表示される。つまり、薬剤Mに付されたコードシンボルは、温度に応じて読み取り可能な表示内容が変化する。なお、本実施形態では、設定温度以上で有色に変化する示温部材を用いる形態を説明するが、この逆に、設定温度以上で無色に変化する示温部材を用いる形態としてもよい。この形態を採用する場合、薬剤Mが適正温度下にあるときに、第2コードシンボルM2が表示され、薬剤Mが非適正温度下にあるときに、第1コードシンボルM1が表示されることになる。
図1に戻り、薬剤登録装置20は、手術室に配置され、看護師によって手術中に使用された薬剤、あるいは救急の場などにおいて看護師や薬剤師等によって緊急的に使用された薬剤の登録支援を行うための装置である。
上記構成において、電子カルテサーバ11、情報処理端末装置12、情報処理端末装置13、薬剤監査装置14、薬剤部サーバ19及び薬剤登録装置20は、通信ネットワーク17に接続されている。
図3は、薬剤監査装置14の外観を示す正面図である。薬剤監査装置14は、大別すると、タッチパネルディスプレイ21と、装置本体22と、プリンタ23と、計量器(秤)24と、を備えている。タッチパネルディスプレイ21は、ユーザが各種操作を入力するとともに、薬剤リストや監査結果等の各種情報を表示する。そして、タッチパネルディスプレイ21は、ディスプレイ35及びタッチパネル36とで構成されている。装置本体22は、スキャナ37を有する。
スキャナ37は、カラーCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサやカラーCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)イメージセンサ等のイメージセンサとLED(Light Emitting Diode)などの光源とを有している。スキャナ37は、看護師ID(IDentification)のコードシンボル、患者IDのコードシンボル、薬剤のコードシンボル、薬剤の画像などの撮像を行う。スキャナ37が所定のフレームレートで順次撮像したフレーム画像(撮像画像)は、後述するRAM(Random Access Memory)33(図4参照)に保存される。プリンタ23は、各種情報をプリントアウトする。計量器(秤)24は、薬剤の計量、混注、混合などを行う際に重量を量る。
なお、スキャナ37は、図3に示すようなテーブル上に載置する形状に限るものではなく、床上に立設させるスタンド形状であってもよい。
また、薬剤監査装置14は、薬剤に付されたRFID(Radio Frequency IDentification)タグとの間でデータの読取り/書込みを行うRFIDリーダライタ等を備えていてもよい。
図4は、薬剤監査装置14のハードウェア構成を示すブロック図である。図4に示すように、薬剤監査装置14は、MPU(Micro Processing Unit)31と、ROM(Read Only Memory)32と、RAM33と、外部記憶装置34と、入出力I/O39と、を有する。MPU31は、薬剤監査装置14全体を制御する。ROM32は、制御プログラムを含む各種データを不揮発的に記憶する。RAM33は、ワークエリアとして機能するとともに、各種データを一時的に記憶する。外部記憶装置34は、データベース等の大容量データを記憶可能なハードディスクドライブ、SSD(Solid State Drive)として構成される。
ここで、入出力I/O39は、ディスプレイ35とタッチパネル36とを有するタッチパネルディスプレイ21と、スキャナ37と、プリンタ23と、通信インタフェース38と、計量器(秤)24と、バス40と、が接続される。このバス40には、MPU31、ROM32、RAM33及び外部記憶装置34が接続されている。通信インタフェース38は、通信インタフェース動作を行う。
次に、薬剤部サーバ19について説明を行う。図5は、薬剤部サーバ19のハードウェア構成を示すブロック図である。図5に示すように、薬剤部サーバ19は、MPU51と、ROM52と、RAM53と、外部記憶装置54と、入出力I/O60と、を有する。MPU51は、薬剤監査装置14全体を制御する。ROM52は、制御プログラムを含む各種データを不揮発的に記憶する。RAM53は、ワークエリアとして機能するとともに、各種データを一時的に記憶する。外部記憶装置54は、データベース等の大容量データを記憶可能なハードディスクドライブ、SSDとして構成される。
入出力I/O60は、ディスプレイ55と、タッチパネル56と、プリンタ58と、通信インタフェース59と、バス61と、が接続される。ディスプレイ55と、タッチパネル56とは、タッチパネルディスプレイ57を構成している。このバス61には、MPU51、ROM52、RAM53及び外部記憶装置54が接続されている。
また、薬剤部サーバ19は、外部記憶装置54に薬剤データベースDB1を有する。薬剤データベースDB1は、薬剤に関する薬剤情報を記憶する。図6は、薬剤データベースDB1のデータフォーマットの一例の説明図である。図6に示すように、薬剤データベースDB1は、各薬剤の薬剤情報として、薬剤名と、容量/規格と、第1及び第2薬剤コードとを関連付けて記憶する。
ここで、薬剤名は、薬剤の名称である。容量/規格は、薬剤の容量や1錠(アンプル)あたりの主成分量である。第1及び第2薬剤コードは、この薬剤に付された第1コードシンボルM1及び第2コードシンボルM2が保持する第1及び第2薬剤コードである。なお、薬剤情報は、図6の例に限らず、薬剤の外観を表した画像データ等を含める形態としてもよい。
このような構成により、薬剤監査装置14のMPU31は、ROM32や外部記憶装置34に記憶された制御プログラムに従って動作することで、使用する薬剤の監査支援を行う。
次に、本実施形態に係る薬剤監査装置14と薬剤部サーバ19とが有する特徴的な機能について説明する。図7は、薬剤監査装置14と薬剤部サーバ19との機能構成を示すブロック図である。
まず、薬剤監査装置14が有する機能構成について説明する。薬剤監査装置14のMPU31は、ROM32や外部記憶装置34に記憶された制御プログラムに従って動作することで、図7に示すように、読取手段311、通信手段312、計量手段313、表示制御手段314、監査手段315及び報知手段316として機能する。
読取手段311は、スキャナ37を介して情報を読み取る。例えば、読取手段311は、使用される薬剤に付されたコードシンボル(第1コードシンボルM1又は第2コードシンボルM2)から薬剤コードを読み取る。また、読取手段311は、看護師IDや、指示書に付されたコードシンボルの監査番号を読み取る。なお、バーコードや二次元コードなどのコードシンボルからコード情報を検出する処理については、従来からある技術であるためここでの説明は省略する。
通信手段312は、通信ネットワーク17に接続された外部装置との間で各種情報の送受信を行う。例えば、通信手段312は、読取手段311が読み取った監査番号に該当する指示書情報を電子カルテサーバ11または薬剤部サーバ19から受信する。また、通信手段312は、薬剤監査装置14から送信される取違履歴データを受信する。
計量手段313は、計量器(秤)24を用いて薬剤の重量を計量する。計量器(秤)24及び計量手段313は、様々な計量に用いられる。例えば、計量器(秤)24及び計量手段313は、指示書情報で指示された薬剤の混合や混注などの際に、液剤や散剤や注射薬などの様々な剤形の薬剤の計量に使用される。または、計量器(秤)24及び計量手段313は、成人ベースの薬剤を小児向けに軽減する際の計量に用いられる。または、計量器(秤)24及び計量手段313は、薬剤ボトルを計量して適量の薬剤が払い出されたことの確認に用いられる。
表示制御手段314は、ディスプレイ35への表示を制御する。例えば、表示制御手段314は、監査業務を支援するための各種GUI(Graphical User Interface)をディスプレイ35に表示する。
監査手段315は、指示書情報に指示された処方薬剤と、取り揃えられた薬剤とを比較することで、両薬剤が一致しているか否かの判定(監査)を行う。なお、指示書情報には、各処方薬剤の第1薬剤コードと、その必要数とが含まれるものとする。
具体的に、監査手段315は、各処方薬剤の第1薬剤コードと、読取手段311が読み取った薬剤コードとを比較することで、取り揃えられた薬剤が何れかの処方薬剤に一致するか否かを判定する。以下、この判定を第1判定という。この第1判定において、取り揃えられた薬剤が何れかの処方薬剤に一致した場合、監査手段315は、表示制御手段314と協働することで、処方薬剤が取り揃えられたことを表示画面に表示する。
また、第1判定において、処方薬剤との不一致により監査エラーと判定した場合、監査手段315は、読取手段311が読み取った薬剤コードを第2薬剤コードとする薬剤を、薬剤データベースDB1から検索する。より具体的には、監査手段315は、読取手段311が読み取った薬剤コードを検索キーとした検索要求を薬剤部サーバ19に送信することで、この検索キーを第2薬剤コードとして含む薬剤情報の検索を薬剤部サーバ19に依頼する。
そして、監査手段315は、検索で得られた薬剤情報に含まれる第1薬剤コードに基づき、この第1薬剤コードに対応(一致)する処方薬剤が指示書情報に存在するか否かを判定する。以下、この判定を第2判定という。
報知手段316は、表示制御手段314と協働することで、監査エラーを報知する報知画面を表示させる。具体的に、報知手段316は、第2判定で対応する処方薬剤が存在すると判定された場合に、取り揃えられた薬剤(処方薬剤)が、適正温度で保管されていなかったことを報知する第1報知画面(図12参照)を表示する。また、報知手段316は、第2判定で対応する処方薬剤が存在しないと判定された場合に、指示書情報で指示された処方薬剤以外の薬剤が取り揃えられたことを報知する第2報知画面(図13参照)を表示する。
次に、薬剤部サーバ19が有する機能構成について説明を行う。薬剤部サーバ19のMPU51は、ROM52や外部記憶装置34に記憶された制御プログラムに従って動作することで、図7に示すように、通信手段511と、検索手段512として機能する。
通信手段511は、通信ネットワーク17に接続された外部装置との間で各種情報の送受信を行う。例えば、通信手段511は、薬剤監査装置14から通知される第2薬剤コードを受信する。また、通信手段511は、検索手段512での検索の結果を薬剤監査装置14に送信する。
検索手段512は、薬剤監査装置14からの要求に応じて、薬剤データベースDB1を検索する。例えば、検索手段512は、薬剤監査装置14から薬剤コードを検索キーとする検索要求を受け付けると、この検索キーを第2薬剤コードとして含む薬剤情報を薬剤データベースDB1から検索する。そして、検索手段512は、検索結果(薬剤情報等)を薬剤監査装置14に提供する。
次に、本実施形態の動作について説明する。医師は、情報処理端末装置12を用いて処方薬剤の指示書情報(例えば、処方箋情報)を含む電子カルテを作成して、電子カルテサーバ11に登録する。指示書情報は、取り揃えの対象となる処方薬剤を特定するための第1薬剤コード、各処方薬剤の必要数、この指示書情報を特定するために割り振られた監査番号等を有する。なお、監査番号は、指示書にバーコード等のシンボルコードとして印刷されていてもよい。
指示書情報に基づいて取り揃えられた薬剤の監査を行う看護師等のオペレータは、指示書とともに監査番号を受け取ると、薬剤監査装置14を用いて当該薬剤の監査作業を行う。
図8は、薬剤監査装置14のMPU31が制御プログラムに従って実行するメイン処理の流れを示すフローチャートである。
まず、薬剤監査装置14のMPU31は、初期状態として、ディスプレイ35にログイン画面(図示せず)を表示する(ステップS11)。薬剤監査装置14の操作が許可されている各オペレータ(看護師)は、IDカードを有し、IDカードの認証により薬剤監査装置14の操作が可能になるものとする。ログイン画面は、IDカードに付されている看護師IDのコードシンボルをスキャナ37に読み込ませることを促すガイド画像などである。
オペレータ(看護師)は、ログイン処理を行うために、自己のIDカードに付された看護師IDのコードシンボルをスキャナ37の前にかざして、看護師IDを読み込ませる。次いで、薬剤監査装置14のMPU31は、看護師IDが認証可能であるか否かを判定する(ステップS12)。
薬剤監査装置14のMPU31は、ログイン処理により看護師IDを認証すると(ステップS12;Yes)、ディスプレイ35の表示画面に監査番号入力画面(図示せず)を表示する(ステップS13)。なお、薬剤監査装置14のMPU31は、看護師IDが認証できない場合(ステップS12;No)、ステップS11に戻り、ログイン画面を再度表示する。
監査番号入力画面は、指示書に付されている監査番号のコードシンボルをスキャナ37に読み込ませることを促すガイド画像などである。オペレータ(看護師)は、監査番号の登録処理を行うために、指示書に付されている監査番号のコードシンボルをスキャナ37の前にかざして、監査番号を読み込ませる。または、オペレータ(看護師)は、手入力にて監査番号を読み込ませる。
薬剤監査装置14のMPU31は、監査番号の入力を受け付けると、この薬剤コードを検索キーとする検索要求を電子カルテサーバ11に送信することで、対応する指示書情報を取得する(ステップS14)。取得した指示書情報に基づいて、薬剤監査装置14のMPU31は、ディスプレイ35の表示画面に、処方薬剤のリストを含む指示内容画面を表示する(ステップS15)。
図10は、指示内容画面の表示例の一例の説明図である。指示内容画面G1は、大別すると、日付情報表示領域G11と、オペレータ名表示領域G12と、患者情報表示領域G13と、監査番号表示領域G14と、施用日表示領域G15と、患者関連情報表示領域G16と、薬剤リスト表示領域G17と、中止ボタンB11と、完了ボタンB12とを備えている。
日付情報表示領域G11は、薬剤の監査処理の日付が表示される領域である。オペレータ名表示領域G12は、ステップS11でログイン処理を行ったオペレータの氏名が表示される領域である。
患者情報表示領域G13は、当該薬剤を処方すべき患者を特定するための情報を表示する領域である。具体的には、処方箋データ(電子カルテ)の患者IDから特定された、患者氏名、患者ID、年齢及び性別等が表示される。監査番号表示領域G14は、ステップS14において認証した監査番号が表示される領域である。
施用日表示領域G15は、当該薬剤を患者に施用(処方)する日付である施用日が表示される領域である。この施用日は、電子カルテにおいて指定されているものである。患者関連情報表示領域G16は、患者に関連する情報が表示される領域である。具体的には、診療科名、担当医師名、病棟名、病室名及び入院区分等が表示される。
薬剤リスト表示領域G17は、処方薬剤の薬剤名を表示する薬剤名表示領域G17aと、処方薬剤の容量/規格(単位)を表示する処方量表示領域G17bと、必要な薬剤数(アンプル数、バイアル数等)が数値で表示される必要数表示領域G17cと、を備えている。
図10の例の場合、例えば、リストの最上部に示すように、薬剤名=「LLL」の処方量/単位は「1.5g」であり、3個必要であることを示す「/3」が必要数表示領域G17cに表示されている。また、リストの最下部に示すように、薬剤名=「AAA」のの処方量/単位は「30mg」であり、3個必要であることを示す「/3」が必要数表示領域G17cに表示されている。ここで、必要数表示領域G17cは、必要数を分母とし、監査を通過した処方薬剤の点数を分子した「0/3」等の形態で監査状況を示す。
また、薬剤リスト表示領域G17は、監査を通過した処方薬剤の点数(個数)を表示する合計点数表示領域G17dを備えている。ここで、薬剤リスト表示領域G17は、各処方薬剤の必要数を合計した合計点数を分母とし、監査を通過した処方薬剤の点数を分子とした「0/8」等の形態で監査状況を示す。
中止ボタンB11は、監査処理を中止させるためのボタンである。完了ボタンB12は、監査処理を終了させるためのボタンである。
図10の指示内容画面G1が表示されている状態で、オペレータは、薬剤の監査処理を行わせるために、取り揃えられた薬剤の容器あるいは包装に表示されているコードシンボル(第1コードシンボル又は第2コードシンボル)をスキャナ37に読み取らせる。薬剤監査装置14のMPU31は、スキャナ37により薬剤のコードシンボルから薬剤コード(第1薬剤コード又は第2薬剤コード)が読み取られると(ステップS16;Yes)、ステップS17の監査処理を実行する。以下、図9を参照して、ステップS17の監査処理について説明する。
図9は、薬剤監査装置14のMPU31が制御プログラムに従って実行する監査処理の流れを示すフローチャートである。薬剤監査装置14のMPU31は、ステップS16で読み取られた薬剤コードに基づき、取り揃えられた薬剤が処方薬剤の何れかに一致するか否かを判定する(ステップS31(第1判定))。取り揃えられた薬剤が処方薬剤の何れかと一致した場合(ステップS31;Yes)、薬剤監査装置14のMPU31は、その処方薬剤の点数を1インクリメントし、図8のステップS18に処理を戻す。
ここで、薬剤監査装置14のMPU31は、処理薬剤との一致が確認された薬剤の点数を、該当する処方薬剤の必要数表示領域G17cに表示する。例えば、図11に示すように、処方薬剤「AAA」について、取り揃えられた薬剤との一致を確認すると、薬剤監査装置14のMPU31は、必要数表示領域G17cの表示を「0/3」から「1/3」に更新する。また、薬剤監査装置14のMPU31は、一致を確認した薬剤の数量が必要数に達すると、図11に示すように、該当する処方薬剤の必要数表示領域G17cにその旨を示す情報(図中○印)を表示する。
図9に戻り、処方薬剤との不一致により監査エラーと判定した場合(ステップS31;No)、薬剤監査装置14のMPU31は、読取手段311が読み取った薬剤コードを第2薬剤コードとする薬剤を、薬剤データベースDB1から検索する(ステップS32)。次いで、薬剤監査装置14のMPU31は、ステップS32の検索結果に基づき、該当する薬剤(薬剤情報)が存在するか否かを判定する(ステップS33)。
ステップS33において、薬剤情報が存在すると判定した場合(ステップS33;Yes)、薬剤監査装置14のMPU31は、この薬剤情報に含まれた第1薬剤コードに対応する処方薬剤が、指示書情報に存在するか否かを判定する(ステップS34(第2判定))。ここで、対応する処方薬剤が存在すると判定した場合(ステップS34;Yes)、薬剤監査装置14のMPU31は、第1報知画面を表示する(ステップS35)。
図12は、第1報知画面の表示例の一例の説明図である。図12に示すように、第1報知画面G2は、指示内容画面G1と同様の画面構成を有する。ここで、薬剤監査装置14のMPU31は、監査エラーの発生を報知する第1報知情報G21を表示する。
具体的に、薬剤監査装置14のMPU31は、監査エラーの対象薬剤(処方薬剤)を強調表示する(図中G22)。また、薬剤監査装置14のMPU31は、監査エラーの対象薬剤が適正温度下で保管されていなかった旨を示すメッセージG23を表示する。
図12の第1報知画面G2が表示されている状態で、オペレータは、監査処理を再度行わせるために、新たに取り揃えた薬剤の容器あるいは包装に表示されているコードシンボルをスキャナ37に読み取らせる。薬剤のコードシンボル(薬剤コード)がスキャナ37で読み取られると(ステップS36;Yes)、薬剤監査装置14のMPU31は、ステップS31に戻ることで、処方薬剤との一致判定を再度行う。
また、第1報知画面G2は、中止ボタンB21と、強制実行ボタンB22とを備えている。ここで、中止ボタンB21は、本処理の中止を指示するためのボタンである。また、強制実行ボタンB22は、取り揃えられた薬剤を処方薬剤として処理することを指示するためのボタンである。
図12の第1報知画面G2において、中止ボタンB21の操作を受け付けると(ステップS36;No→ステップS37;Yes)、薬剤監査装置14のMPU31は、図8のメイン処理を終了する。
また、第1報知画面G2において、強制実行ボタンB22の操作を受け付けると(ステップS36;No→ステップS37;No;ステップS38;Yes)、薬剤監査装置14のMPU31は、強調表示した処方薬剤の点数を1インクリメントし、図8のステップS18に処理を戻す。
このように、本実施形態の薬剤監査装置14では、取り揃えられた薬剤が非適正温度下にある場合であっても、処方薬剤と一致する場合には、オペレータからの操作指示に応じて、その薬剤を処方薬剤として処理を進める。これにより、例えば、取り揃えられた薬剤が監査の直前まで適正温度下にあったことが明らかな場合には、処方薬剤として監査業務を進めることができる。なお、強制実行ボタンB22の操作を受け付けた場合には、該当する処方薬剤の監査について、強制実行ボタンB22が操作されたことを記録することが好ましい。
また、図12の第1報知画面G2において、何れの操作も行われない場合、薬剤監査装置14のMPU31は、何れかの操作を受け付けるまで待機する(ステップS36;No→ステップS37;No→ステップS38;No)。
一方、ステップS33で該当する薬剤が存在しないと判定した場合(ステップS33;No)、或いは、ステップS34で対応する処方薬剤が存在しないと判定した場合(ステップS34;No)、薬剤監査装置14のMPU31は、第2報知画面を表示する(ステップS39)。
図13は、第2報知画面の表示例の一例の説明図である。図13に示すように、第2報知画面G3は、指示内容画面G1と同様の画面構成を有する。ここで、薬剤監査装置14のMPU31は、監査エラーを報知する第2報知情報G31を表示する。具体的に、薬剤監査装置14のMPU31は、指示書情報で指示された処方薬剤以外の薬剤が取り揃えられたことを報知するメッセージG32を表示する。
図13の第2報知画面G3が表示されている状態で、オペレータは、監査処理を再度行わせるために、新たに取り揃えた薬剤の容器あるいは包装に表示されているコードシンボルをスキャナ37に読み取らせる。薬剤のコードシンボル(薬剤コード)がスキャナ37で読み取られると(ステップS40;Yes)、薬剤監査装置14のMPU31は、ステップS31に戻ることで、処方薬剤との一致判定を再度行う。
また、第2報知画面G3は、中止ボタンB31を備えている。ここで、中止ボタンB31は、本処理の中止を指示するためのボタンである。第2報知画面G3において、中止ボタンB31の操作を受け付けると(ステップS40;No→ステップS41;Yes)、薬剤監査装置14のMPU31は、図8のメイン処理を終了する。なお、第2報知画面G3において、何れの操作も行われない場合、薬剤監査装置14のMPU31は、何れかの操作を受け付けるまで待機する(ステップS40;No→ステップS41;No)。
図8に戻り、薬剤監査装置14のMPU31は、ステップS18において、指示書情報で指示された全ての処方薬剤を監査したか否かを判定する(ステップS18)。未監査の処方薬剤が存在する場合(ステップS18;No)、ステップS15に戻り指示内容画面G1を表示する。
指示内容画面G1において、中止ボタンB11の操作を受け付けると(ステップS16;No→ステップS19;Yes)、薬剤監査装置14のMPU31は、メイン処理を終了する。なお、指示内容画面G1において、何れの操作も行われない場合、薬剤監査装置14のMPU31は、何れかの操作を受け付けるまで待機する(ステップS16;No→ステップS19;No)。
一方、ステップS18において、全ての処方薬剤を監査したと判定すると(ステップS18;Yes)、薬剤監査装置14のMPU31は、図14に示すように、指示内容画面G1の完了ボタンB12を有効化する(ステップS20)。次いで、薬剤監査装置14のMPU31は、この完了ボタンB12が操作されるまで待機する(ステップS21;No)。
そして、薬剤監査装置14のMPU31は、完了ボタンB12の操作を受け付けると(ステップS21;Yes)、ステップS14で入力された監査番号の監査が完了したことを薬剤部サーバ19等に通知し(ステップS22)、本処理を終了する。
以上のように、本実施形態の薬剤監査装置14によれば、温度に応じて表示内容が変化するコードシンボル(第1コードシンボルM1又は第2コードシンボルM2)を薬剤から読み取り、読み取った表示内容に基づいて処方薬剤との一致状態を判定(監査)する。これにより、取り揃えられた薬剤が適正温度にあるか否かを判定することができるため、薬剤の温度管理の状態を監査の対象とすることができる。
また、本実施形態の薬剤監査装置14によれば、監査エラーの内容に応じて第1報知画面及び第2報知画面を表示する。これにより、監査エラーの内容をオペレータに報知することができるため、監査業務の利便性を向上させることができる。
また、本実施形態の薬剤監査装置14によれば、取り揃えられた薬剤が非適正温度下にある場合であっても、処方薬剤と一致する場合には、オペレータからの操作指示に応じて、その薬剤を処方薬剤として処理を進める。これにより、薬剤の監査をより柔軟に行うことができるため、監査業務の利便性を向上させることができる。
なお、本実施形態では、第1コードシンボルM1、第2コードシンボルM2及びマスキングラベルM3を薬剤Mに付加する構成としたが、これに限定されないものとする。例えば、設定温度未満(適正温度内)で有色に変化し、且つ設定温度以上(適正温度外)で無色に変化する示温部材で印刷したコードシンボルと、設定温度未満(適正温度内)で無色に変化し、且つ設定温度以上(適正温度外)で有色に変化する示温部材で印刷したコードシンボルと、を薬剤に付加する構成としてもよい。この構成を採用することで、薬剤が保管されている温度に応じて何れか一方のコードシンボルを読み取ることができるため、上記実施形態と同様の効果を奏することができる。
[第2の実施形態]
第1の実施形態では、薬剤に付された二つのコードシンボル(第1コードシンボルM1、第2コードシンボルM2)を用いることで、薬剤の温度管理の状態を判定(監査)する形態を説明した。第2の実施形態では、薬剤に付された一つのコードシンボルを用いて、当該薬剤の温度管理の状態を監査する形態を説明する。なお、第1の実施形態と同様の構成については、同一の符号を付与し説明を省略する。
まず、図15を参照して、本実施形態で用いる薬剤について説明する。図15は、薬剤の一例を示す図である。本実施形態で用いる薬剤Maの容器や包装には、図2に示すように第3コードシンボルM4が付される。
第3コードシンボルM4は、温度に反応して色が変化する示温部材で印刷された、バーコードや二次元コード等のコードシンボルである。第3コードシンボルM4は、この薬剤Mを識別するための薬剤コードを保持する。ここで、第3コードシンボルM4の示温部材は、設定温度以下で第1の色(例えば青色)に変化し、設定温度以上で第2の色(例えば赤)に変化する特性を有する。
また、第3コードシンボルM4の示温部材の設定温度は、対応する薬剤の適正温度に準じるものとする。例えば、10℃以下での保管が適正とされている薬剤には、この温度を設定温度とする示温部材を用いて、第3コードシンボルM4が印刷される。
上記の構成により、薬剤Maが適正温度下にあるときに、第1の色で第3コードシンボルM4が表示され、薬剤Maが非適正温度下にあるときに、第2の色で第3コードシンボルM4が表示される。つまり、薬剤Maに付されたコードシンボルは、温度に応じて読み取り可能な表示色が変化する。
次に、本実施形態の薬剤部サーバ19aについて説明する。図16は、薬剤部サーバ19aのハードウェア構成を示すブロック図である。図16に示すように、薬剤部サーバ19aは、MPU51と、ROM52と、RAM53と、外部記憶装置54aと、入出力I/O60と、を有する。
ここで、外部記憶装置54aは、薬剤データベースDB2を有する。薬剤データベースDB2は、薬剤に関する薬剤情報を記憶する。図17は、薬剤データベースDB2のデータフォーマットの一例の説明図である。図17に示すように、薬剤データベースDB2は、各薬剤の薬剤情報として、薬剤名と、容量/規格と、薬剤コードと、表示色とを関連付けて記憶する。
薬剤名は、薬剤の名称である。容量/規格は、薬剤の容量や1錠(アンプル)あたりの主成分量である。薬剤コードは、この薬剤に付された第3コードシンボルM4が保持する薬剤コードである。表示色は、温度に応じて第3コードシンボルM4が発色する第1の色と、第2の色とに区分けされており、各色に適正温度下にあるか否かを識別するためのフラグ情報が格納される。より具体的には、適正温度下で表示される色区分に、適正温度下にあることを示すフラグ情報(図中○印)が格納される。また、非適正温度下で表示される色区分に、非適正温度下にあることを示すフラグ情報(図中×印)が格納される。
次に、本実施形態に係る薬剤監査装置14aと薬剤部サーバ19aとが有する特徴的な機能について説明する。図18は、薬剤監査装置14aと薬剤部サーバ19aとの機能構成を示すブロック図である。
まず、薬剤監査装置14aが有する機能構成について説明する。薬剤監査装置14aのMPU31は、ROM32や外部記憶装置34に記憶された制御プログラムに従って動作することで、図18に示すように、読取手段311a、通信手段312、計量手段313、表示制御手段314、監査手段315a及び報知手段316aとして機能する。
読取手段311aは、スキャナ37を介して情報を読み取る。例えば、読取手段311aは、薬剤に付されたコードシンボル(第3コードシンボルM4)から薬剤コードと、そのコードシンボルの表示色を表す色情報とを読み取る。また、読取手段311aは、看護師IDや、指示書に付されたコードシンボルの監査番号を読み取る。
監査手段315aは、指示書情報に指示された処方薬剤と、取り揃えられた薬剤とを比較することで、両薬剤が一致しているか否かの判定(監査)を行う。なお、指示書情報には、各処方薬剤の薬剤コードと、その必要数とが含まれるものとする。
具体的に、監査手段315aは、各処方薬剤の薬剤コードと、読取手段311aが読み取った薬剤コードとを比較することで、取り揃えられた薬剤が何れかの処方薬剤に一致するか否かを判定する。ここで、何れの処方薬剤とも一致しない場合には、監査手段315aは、監査エラーと判定する。
また、取り揃えられた薬剤が何れかの処方薬剤に一致すると判定した場合、監査手段315aは、読取手段311aが読み取った色情報に対応するフラグ情報の状態を確認する。より具体的には、監査手段315aは、読取手段311aが読み取った薬剤コードと色情報との組を検索キーとした検索要求を薬剤部サーバ19aに送信することで、該当するフラグ情報の検索を薬剤部サーバ19aに依頼する。そして、監査手段315aは、この検索で得られたフラグ情報が、適正温度下にあることを示すか否かを判定する。
この判定において、フラグ情報が適正温度下にあることを示す場合、監査手段315aは、表示制御手段314と協働することで、処方薬剤が取り揃えられたことを表示画面に表示する。また、フラグ情報が非適正温度下にあることを示す場合、監査手段315aは、監査エラーと判定する。
報知手段316aは、表示制御手段314と協働することで、監査エラーを報知する報知画面を表示させる。具体的に、報知手段316aは、フラグ情報が非適正温度下を示していると判定された場合に、上述した第1報知画面(図12参照)を表示する。また、報知手段316aは、取り揃えられた薬剤が何れの処方薬剤とも一致しないと判定された場合に、上述した第2報知画面(図13参照)。
次に、薬剤部サーバ19aが有する機能構成について説明を行う。薬剤部サーバ19aのMPU51は、ROM52や外部記憶装置34に記憶された制御プログラムに従って動作することで、図18に示すように、通信手段511と、検索手段512aとして機能する。
ここで、検索手段512aは、薬剤監査装置14aからの要求に応じて、薬剤データベースDB2を検索する。例えば、検索手段512aは、薬剤監査装置14から薬剤コードと色情報との組を検索キーとする検索要求を受け付けると、この検索キーに該当するフラグ情報を薬剤データベースDB2から検索する。そして、検索手段512aは、検索結果(フラグ情報等)を薬剤監査装置14aに提供する。
次に、本実施形態の動作について説明する。図19は、薬剤監査装置14aのMPU31が制御プログラムに従って実行する監査処理の流れを示すフローチャートである。本処理は、図9の監査処理に代えて、図8のメイン処理のステップS17で実行されるものである。なお、メイン処理のステップS16では、薬剤の第3コードシンボルから薬剤コードとともに色情報が読み取られるものとする。
まず、薬剤監査装置14aのMPU31は、ステップS16で読み取られた薬剤コードに基づき、取り揃えられた薬剤が処方薬剤の何れかに一致するか否かを判定する(ステップS51)。ここで、取り揃えられた薬剤が処方薬剤と一致した場合(ステップS51;Yes)、薬剤監査装置14aのMPU31は、ステップS16で読み取られた色情報(表示色)に対応するフラグ情報の状態を確認する(ステップS52)。
ステップS52において、フラグ情報が適正温度下にあることを示す場合(ステップS53;Yes)、薬剤監査装置14aのMPU31は、その処方薬剤の点数を1インクリメントし、図8のステップS18に処理を戻す。また、ステップS53において、フラグ情報が非適正温度下にあることを示す場合(ステップS53;No)、薬剤監査装置14aのMPU31は、第1報知画面G2を表示する(ステップS54)。
第1報知画面G2が表示されている状態で、オペレータは、監査処理を再度行わせるために、新たに取り揃えた薬剤の容器あるいは包装に表示されているコードシンボルをスキャナ37に読み取らせる。薬剤のコードシンボルがスキャナ37で読み取られると(ステップS55;Yes)、薬剤監査装置14aのMPU31は、ステップS51に戻ることで、処方薬剤との一致判定を再度行う。
また、第1報知画面G2において、中止ボタンB21の操作を受け付けると(ステップS55;No→ステップS56;Yes)、薬剤監査装置14aのMPU31は、図8のメイン処理を終了する。また、第1報知画面G2において、強制実行ボタンB22の操作を受け付けると(ステップS55;No→ステップS56;No;ステップS57;Yes)、薬剤監査装置14aのMPU31は、該当する処方薬剤の点数を1インクリメントし、図8のステップS18に処理を戻す。
また、第1報知画面G2において、何れの操作も行われない場合、薬剤監査装置14aのMPU31は、何れかの操作を受け付けるまで待機する(ステップS55;No→ステップS56;No→ステップS57;No)。
一方、ステップS51において、取り揃えられた薬剤が何れの処方薬剤とも一致しないと判定した場合(ステップS51;No)、薬剤監査装置14aのMPU31は、第2報知画面G3を表示する(ステップS58)。
第2報知画面G3が表示されている状態で、オペレータは、監査処理を再度行わせるために、新たに取り揃えた薬剤の容器あるいは包装に表示されているコードシンボルをスキャナ37に読み取らせる。薬剤のコードシンボルがスキャナ37で読み取られると(ステップS59;Yes)、薬剤監査装置14aのMPU31は、ステップS51に戻ることで、処方薬剤との一致判定を再度行う。
また、第2報知画面G3において、中止ボタンB31の操作を受け付けると(ステップS59;No→ステップS60;Yes)、薬剤監査装置14のMPU31は、図8のメイン処理を終了する。なお、第2報知画面G3において、何れの操作も行われない場合、薬剤監査装置14のMPU31は、何れかの操作を受け付けるまで待機する(ステップS59;No→ステップS60;No)。
以上のように、本実施形態の薬剤監査装置14aによれば、温度に応じて表示色が変化するコードシンボル(第3コードシンボルM4)を薬剤から読み取り、読み取った表示内容及び表示色に基づいて処方薬剤との一致状態を判定(監査)する。これにより、取り揃えられた薬剤が適正温度にあるか否かを判定することができるため、薬剤の温度管理の状態を監査の対象とすることができる。
また、本実施形態の薬剤監査装置14aによれば、監査エラーの内容に応じて第1報知画面及び第2報知画面を表示する。これにより、監査エラーの内容をオペレータに報知することができるため、監査業務の利便性を向上させることができる。
また、本実施形態の薬剤監査装置14aによれば、取り揃えられた薬剤が非適正温度下にある場合であっても、処方薬剤と一致する場合には、オペレータからの操作指示に応じて、その薬剤を処方薬剤として処理を進める。これにより、薬剤の監査をより柔軟に行うことができるため、監査業務の利便性を向上させることができる。
以上、本発明に係る実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、組み合わせを行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
例えば、上記実施形態では、薬剤データベースDB1(薬剤データベースDB2)を、薬剤部サーバ19(薬剤部サーバ19a)に記憶する形態を説明したが、これに限らないものとする。他の例としては、薬剤データベースDB1(薬剤データベースDB2)の全ての用途又は一部の要素を、電子カルテサーバ11等の他の外部装置や薬剤監査装置14(薬剤監査装置14a)のローカルに記憶してもよい。
また、上記実施形態では、薬剤監査装置14を例に本発明に係る実施形態を説明したが、本発明の適用対象は薬剤監査装置14に限らないものとする。例えば、薬剤登録装置20に適用することで、登録対象となる薬剤の温度管理の状態を判定(監査)する形態としてもよい。
また、上記実施形態の各装置で実行されるプログラムは、各装置が備える記憶媒体(ROM又は記憶部)に予め組み込んで提供するものとするが、これに限らず、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。さらに、記憶媒体は、コンピュータ或いは組み込みシステムと独立した媒体に限らず、LANやインターネット等により伝達されたプログラムをダウンロードして記憶又は一時記憶した記憶媒体も含まれる。
また、上記実施形態の各装置で実行されるプログラムをインターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよく、インターネット等のネットワーク経由で提供又は配布するように構成してもよい。