JP6256943B2 - 車両用空調装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば空気通路を開閉する空気通路開閉装置およびそれを備えた車両用空調装置に係り、特にスライド式ドア機構を備えた車両用空調装置に関する。
一般的に車両用空調装置には、車両外気又は車内気の空気流が、ブロアファンによって必要とされる流速をもった空気流として供給される。空調装置内部は、様々な空気流の通路が構成されており、その中には冷却用熱交換器や加熱用熱交換器などが配置されている。供給された空気流は、装置内部で冷却されたり加熱されたり又は混合されたりして、風速・風量等を調節され、ベント吹出し口やデフロスト吹出し口、足元などの吹出し口から車室に提供されている。車室に提供される空気流は、適度な温度、風量、風速はもちろん、供給口であるベント・足元などの吹出し口の左右に至るまで車室の快適な空気流の供給を要求される。また騒音などもできる限り抑制されることが要求される。
そのために、車両用空調装置内では、様々な空気流の流路が形成されており、それぞれの流路を通過しながら空気流は要求された温度、風量、流速をもつ空気流として生成され、車室への吹出し口へと導かれる仕組みである。要求される適切な混合空気流を生成するために、空調装置内は複数の空気流路が構成されており、それぞれの空気流路の分割口や分枝路には、開口の開閉を調節するための開閉弁機能が用意されている。開閉弁機能として活用されるのが回転弁やスライド式ドア機構などであり、各々は用途によって適所に選択されて使用されている。
スライド式ドア機構は、空気流路に対し通風方向と交差する方向にスライドするドアを備えており、車両用空調装置内での占有容積が少なく、空調装置そのもののコンパクト化に寄与することができる。
特許文献1及び2に開示された通風路切換装置は、曲面状又は平板形状のドア及び回転駆動部により基本的に構成されたものである。回転駆動部は、空気流路の分岐点近傍において外枠であるケースに軸支され、回転軸に円板状の駆動ギヤが所定の間隔を開けて配されている。ドアは、駆動ギヤに対応した部位に、スライド方向に沿って延びる略力線上の従動ギヤが形成されている。駆動ギヤと従動ギヤとは噛み合っており、回転軸の回動が駆動ギヤに伝達される。これにより、ドアは、回転軸に対し径方向にスライド移動する機構となっている。
空調装置の内部の空気は、冷却用熱交換器を通った後、加熱用熱交換器を通じて混合室に至る経路と、冷却用熱交換器を通った後、加熱用熱交換器を迂回して混合室に至る経路とを流れることができる。スライド式ドアを冷却用熱交換器と加熱用熱交換器との間に配置し、ドアを適宜移動させることで、加熱用熱交換器を流れる空気の量と、迂回する空気の量とを調節することができる。
加熱用熱交換器を流れる空気の量を無くし、かつ、冷却用熱交換器で空気を冷却することで、冷風のみを車室に供給することができる。これが、フルクール時(冷房のみ)の空気通流経路である。また、加熱用熱交換器を迂回する空気の量を無くすことで、温風のみを車室に供給することができる。これが、フルホット時(暖房のみ)の空気通流経路である。さらにまた、加熱用熱交換器を流れる空気の量と、加熱用熱交換器を迂回する空気の量とをいずれも無くさず、任意の割合とすることで、温度調和した空気を車室に供給することができる。これが、混合時の空気通流経路である。
これらのフルクール時、フルホット時又は混合時のいずれの空調構造においても、要求された温度・風速・風量の快適な空気流を、騒音の発生がなく静かな状態で車室に供給することが空調装置にとって重要なことは言うまでもない。そのためには、上記車両用空調装置内のあらゆる空気通流経路において、スムースな空気流とその空気圧を阻害する通気抵抗をなくす構造を採用することが技術課題であり、空気流を阻害して通気抵抗を生ずる物体又は構造は騒音発生の原因にもなるため、これらの課題解決のために研究開発が続けられている。
空気流の途中に回転軸等の棒状の物品が配置された場合、回転軸の下流側近傍では、渦巻き状の空気流が発生し、通気抵抗や騒音の増加の原因となっている。さらに、フルクール時やフルホット時には、回転軸が位置する周囲の空間に空気流が集中するため、風速及び空気圧が増し、通気抵抗や騒音が増加しやすくなるという事情がある。
この点、特許文献1においては、回転駆動部の形状に着目し、通気抵抗や騒音の増加を防止する技術思想が開示されている。この回転駆動部の回転軸は断面が扁平形状となるよう形成され、フルクール時およびフルホット時に、扁平形状の長手方向が空気流に沿うように設定されている。これにより回転軸は、空気流を阻害することがなく、通気抵抗や騒音の増加を防止することができるとされている。
特開2011−148380号公報 特開2004−210034号公報
図12は従来例を示すもので、スライド式ドア機構を備えた従来の車両用空調装置の、フルクール時におけるスライド式ドア及び連結軸の配置を示す概略断面図である。冷却用熱交換器の下流側に加熱用熱交換器が配置され、この二つの熱交換器の間にスライド式ドア機構が配置されている。スライド式ドア機構はスライド式ドアと、これを駆動するための駆動部とを有する。駆動部は、略円形の複数の回転駆動部と、回転駆動部を連結する連結軸とを備え、回転駆動部の外周は駆動ギヤとなっている。スライド式ドアは従動ギヤを有し、駆動ギヤと嵌め合わされている。また駆動部は、スライド式ドアの上流側に配置されており、加熱用熱交換器との干渉が防止されている。
図12では、スライド式ドアが可動範囲の下端に位置している。これにより、スライド式ドアの上方にある開口(第1通流開口)が開き、スライド式ドアが位置する開口(第2通流開口)は閉塞される。そして、冷却用熱交換器から流出した空気は、すべてが第1通流開口を通過し、下流側に設けられた各吹出し口へと流れる。
冷却用熱交換器から流出した空気のうち特に下側から流出した空気は、スライド式ドアに向かって流れつつ、流出口を求めて流れの方向を上方に向けて変更し、第1通流開口に向かって流れる。冷却用熱交換器から流出した直後の空間では、空気流の圧力は低く風速も遅いが、流れ方向が変更する空間では、圧力は高く風速も早い(図12内の、太い矢印)。
このように、連結軸の配置される空間は、フルクールのとき、圧力が高く風速も早い空間となっている。連結軸の周囲や下流側近傍では空気の渦流などが発生し、通気抵抗の上昇や騒音増加の要因となっていた。
特許文献1においては、連結軸の断面を工夫して通気抵抗を減じることができるとしても、圧力が高く風速も早い空間に配置されているために、通気抵抗や騒音の増加の抑制効果は限定的であった。
特許文献2においては、連結軸の内部をトラス中空構造とし、空気流の通路にすることによって通気抵抗を減少させる技術を開示している。このトラス中空構造には、回転駆動力を伝達するための軸構造の強度を確保し、同時に空気流に対する通気抵抗を減ずるという一定の相乗効果は認められる。しかし連結軸は、圧力が高く風速も早い空間に配置されていることに変わりがなく、根本的な課題解決に至っていない。
本発明は、フルクール時やフルホット時に、通気抵抗や騒音の増加を、より確実に防止できるスライド式ドア機構を備えた車両用空調装置を提供することを課題とする。
かかる課題を解決するため、本発明に係るスライド式ドア機構を備えた車両用空調装置は、複数の空気通路が内部に形成されたケースと、前記ケース内に前記複数の空気通路を交差してスライド移動可能に配置され、前記複数の空気通路を開閉調整する板形状のスライド式ドアと、前記スライド式ドアの移動方向に沿って前記スライド式ドアに設けられ、前記スライド式ドアを前記移動方向に移動させる従動ギヤと、前記移動方向と交差する回転中心を有し、前記スライド式ドアの上流側複数配置され、前記従動ギヤと噛み合って前記スライド式ドアを駆動する回転駆動ギヤを外周に設けた回転駆動部と、前記回転中心に対して偏芯した位置で複数の前記回転駆動部を連結することで、前記回転駆動部の回転に応じて前記スライド式ドアからの距離が変化する連結軸とを具備して構成される(請求項1)。
連結軸が、回転駆動部の回転中心に対して偏芯した位置とされているので、連結軸の位置を自在に変更でき、フルクール時及び/又はフルホット時、又はそれらの混合時において、連結軸を、風速及び空気圧が増した空間から遠ざけることが可能となる。
ここで、上記スライド式ドアが、上記複数の空気通路のうちのいずれかを略閉じる位置にあるときに、上記連結軸が、上記スライド式ドアに最も近接した位置となるように設定されているとよい(請求項2)。
フルクール時やフルホット時に、連結軸が空気流の途中に配置されないので、通気抵抗や騒音の増加を抑制することができる。
また、上記スライド式ドアが、上記連結軸側の表面に、連結軸の長さに沿って掘り込み溝を有し、上記スライド式ドアが、上記複数の空気通路のうちのいずれかを略閉じる位置にあるときに、上記連結軸が、上記スライド式ドアの上記掘り込み溝に入り込む位置となるように設定されているとよい(請求項3)。
フルクール時やフルホット時に、連結軸が空気流の途中に配置されないので、通気抵抗や騒音の増加を抑制することができる。
また、上記スライド式ドアが、上記複数の空気通路のうちのいずれかを略閉じる位置にあるときに、上記連結軸が、上記スライド式ドアから最も離れた位置となるように設定されていてもよい(請求項4)。
フルクール時やフルホット時に、連結軸を、風速及び空気圧が増した位置から離すことができ、通気抵抗や騒音の増加を抑制することができる。
また、上記スライド式ドアが、上記複数の空気通路のうちのいずれかを略閉じる位置にあるときに、上記連結軸が、上記回転駆動部のうちの最も風速の遅い位置となるように設定されていてもよい(請求項5)。
フルクール時やフルホット時に、連結軸を、風速の遅い位置に配置することができ、通気抵抗や騒音の増加を抑制することができる。
また、上記連結軸を2本有し、上記スライド式ドアが、上記複数の空気通路のうちのいずれかを略閉じる位置にあるときに、一方の連結軸は、上記スライド式ドアに最も近接した位置となるように設定され、他方の連結軸は、上記スライド式ドアから最も離れた位置/あるいは最も風速が遅い位置となるように設定されていてもよい(請求項6)。
フルクール時やフルホット時に、連結軸を通気抵抗や騒音の増加を抑制した位置に配置しつつ、回転駆動部の剛性、特に回転方向に対する剛性を上げることができる。
また、上記連結軸は、断面形状が偏平であって、上記スライド式ドアが、上記複数の空気通路のうちのいずれかを略閉じる位置にあるときに、上記連結軸は、上記偏平の長手方向が、上記連結軸周囲の空気の流れ方向に沿うように配置されていることが好ましい(請求項7)。
フルクール時やフルホット時に、連結軸を通気抵抗や騒音の増加を抑制した位置に配置するだけでなく、より確実に通気抵抗や騒音の増加を抑制できる。
そして、上記スライド式ドアの下流に配置される加熱用熱交換器を備え、上記複数の空気通路は、上記加熱用熱交換器を通過する温風通路と上記加熱用交換器とをバイパスするバイパス通路である車両用空調装置に適用されることで(請求項8)、通気抵抗や騒音の増加を抑制する効果を得ることができる。
本発明によれば、車両用空調装置内の空気流分岐路に設置されるスライド式ドアの構造において、フルクール時やフルホット時に、通気抵抗や騒音の増加を、確実に防止することができるスライド式ドア機構を有する車両用空調装置を提供することができる。
本発明の第1の実施形態に係るスライド式ドア機構を備えた車両用空調装置の全体構成を説明するもので、車両用空調装置の左右方向の略中央部の断面を示す概略図である。 本発明の第1の実施形態に係るスライド式ドア機構を、空気流の上流から見たスライド式ドア機構の斜視図である。 本発明の第2の実施形態に係るスライド式ドア機構を備えた車両用空調装置の、フルクール時におけるスライド式ドア及び連結軸の配置並びに空気流を示す概略断面図である。 本発明の第2の実施形態に係るスライド式ドア機構を備えた車両用空調装置の、フルホット時におけるスライド式ドア及び連結軸の配置並びに空気流を示す概略断面図である。 本発明の第3の実施形態の第1例に係るスライド式ドア機構を備えた車両用空調装置の、フルクール時におけるスライド式ドア及び連結軸の配置を示す概略断面図である。 本発明の第3の実施形態の第2例に係るスライド式ドア機構に関し、スライド式ドアの掘り込み溝に連結軸が入り込む場合を説明するスライド式ドア機構の斜視図である。 本発明の第4の実施形態に係るスライド式ドア機構を備えた車両用空調装置の、フルクール時におけるスライド式ドア及び連結軸の配置を示す概略断面図である。 本発明の第4の実施形態に係るスライド式ドア機構を備えた車両用空調装置の、フルホット時におけるスライド式ドア及び連結軸の配置を示す概略断面図である。 本発明の第7の実施形態の第1例に係るスライド式ドア機構を備えた車両用空調装置の、フルクール時におけるスライド式ドア及び連結軸の配置を示す概略断面図である。 本発明の第7の実施形態の第1例に係るスライド式ドア機構を備えた車両用空調装置の、フルホット時におけるスライド式ドア及び連結軸の配置を示す概略断面図である。 本発明の第7の実施形態の第2例に係るスライド式ドア機構を備えた車両用空調装置の、フルクール時におけるスライド式ドア及び連結軸の配置を示す概略断面図である。 従来のスライド式ドア機構を備えた車両用空調装置の全体構成を説明するもので、車両用空調装置の左右方向の略中央部の断面を示す概略図である。
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態について説明する。なお、以下では本発明の目的を達成するための説明に必要な範囲を模式的に示し、本発明の該当部分の説明に必要な範囲を主に説明することとし、説明を省略する箇所については公知技術によるものとする。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係るスライド式ドア機構を備えた車両用空調装置の全体構成を説明するもので、車両用空調装置の左右方向の略中央部の断面を示す概略図である。図1に示すように、本発明に係るスライド式ドア機構を備えた車両用空調装置1は、内部に複数の空気通路が形成されたケース2を備え、このケース2内に、冷却用熱交換器11、スライド式ドア3、回転駆動部7、連結軸(連結シャフト)8、従動ギヤ9、加熱用熱交換器12、デフロストドア21、ベントドア22、フットドア23が所定の位置に配置されている。
ケース2は、ブロワファン(図示せず)から送られた空気を取り入れる空気取入口(図1のうち、左側の点線部分)と、温度調和された空気を吹出すデフロスト吹出し口18、ベント吹き出し口19、フット吹出し口20とを有する。空気取入口からケース2に送られた空気は、冷却用熱交換器11を通過したのち、加熱用熱交換器12を通って、あるいは迂回して、混合室15に至り、デフロストドア21、ベントドア22、フットドア23の開閉に応じて、デフロスト吹出し口18、ベント吹き出し口19、フット吹出し口20から吹き出される。
冷却用熱交換器11は、公知の冷凍サイクル(図示せず)の一部として構成されるものであり、ブロワファンにより送風された空気と熱媒体との熱を交換することで、空気を冷却することができる。冷凍サイクルを作動しなければ、熱の交換をしないようにすることもできる。
加熱用熱交換器12は、公知の暖房サイクル(図示せず)の一部として構成されるものであり、ブロワファンにより送風された空気と熱媒体との熱を交換することで、空気を加熱することができる。加熱用熱交換器12は、冷却用熱交換器11の下流側に配置されるものであり、この配置により、冷却用熱交換器11で除湿された冷風を加熱することで、除湿暖房運転が可能となる。
また、加熱用熱交換器12は、図1で示されるように、冷却用熱交換器11の下流側の一部を覆うように配置される。この構成を備えることで、後述するスライド式ドア3の位置を適宜変更することにより、冷却用熱交換器11を通過した空気を加熱する/加熱しないの制御が可能となる。なお、加熱用熱交換器12は、暖房サイクルの一部としてではなく、電気発熱式として構成されるものであってもよい。
スライド式ドア3は、冷却用熱交換器11と加熱用熱交換器12との間に配置され、加熱用熱交換器12の前面を閉塞する位置と、加熱用熱交換器12を迂回する通路を閉塞する位置との間を、スライド移動可能に配置されている。スライド式ドア3には、後述するように、スライド式ドアの移動方向に沿って従動ギヤ9が設けられている。
図1では、スライド式ドア3が上方向の端にスライド移動した状態を示している。スライド式ドア3は、冷風通路13内の空気が加熱用熱交換器12へ向けて通流する第2通流開口17を開き、冷風通路13内の空気が加熱用熱交換器12を迂回し通流する第1通流開口16を閉塞している。加熱用熱交換器12の下流側には温風流路14が設けられており、加熱用熱交換器12から流れ出た空気の流路となる。
一方、スライド式ドア3が下方向の端にスライド移動したとき(図示せず)は、スライド式ドア3は、第1通流開口16を開き、第2通流開口17を閉塞する。第1通流開口16および温風通路14の下流には混合室15が設けられている。
次に車両用空調装置の動作について説明する。スライド式ドア3が上方にスライド移動して第1通流開口16を閉鎖している状態を「フルホット」と称する。フルホットの際は、冷風通路13を経た空気流は、第2通流開口17、加熱用熱交換器12、温風通路14を経て、混合室15に入る。
スライド式ドア3が下方にスライド移動して第2通流開口17を閉鎖している状態を「フルクール」と称する。フルクールの際は、冷風通路13を経た空気流は、第1通流開口16を経て、混合室15に入る。
スライド式ドア3が上下方向の略中央部にスライド移動して第2通流開口17と第1通流開口16とを閉塞しないとき、冷風通路13を経た空気流は、二つの流路に分かれて流れる。すなわち、第2通流開口17、加熱用熱交換器12、温風通路14を経て混合室15に入る流路と、第1通流開口16を経て混合室15に入る流路とを流れる。
二つの空気流は、混合室15で混合されて、デフロスト吹出し口18、ベント吹出し口19又はフット吹出し口20へと流れる。デフロスト吹出し口18にはデフロストドア21、ベント吹出し口19にはベントドア22、フット吹出し口20にはフットドア23が設置されている。それぞれのドアは、車室からの操作によって、あるいは周知の空調自動制御装置によって開閉状態が決められ、空気流の流量が調整される。
図2は、本発明の第1の実施形態に係るスライド式ドア機構を、空気流の上流から見たときのスライド式ドア機構の斜視図である。同図に示すように、本実施形態に係るスライド式ドア機構は、2つの回転駆動部7、連結軸8、2つの回転軸10を有する駆動部6と、スライド式ドア3とを備えている。2つの回転駆動部7はそれぞれ連結軸8と接合され、連結軸8が接合する面の反対側の面には、中心に回転軸10が設けられている。また、回転駆動部7は、外周に駆動ギヤ5が設けられている。駆動部6は、ケース2などにより回転軸10が回転可能に支持されることで、回転可能となっている。連結軸8の軸方向は、回転軸10の軸方向と略並行となるように設定されている。スライド式ドア3は、ケース2などにスライド可能に支持されており、両サイドには、スライド方向に沿って従動ギヤ9が設けられている。そして駆動部6の駆動ギヤ5とスライド式ドア3の従動ギヤ9とは噛み合っており、駆動部6の回転軸10が外部動力によって回転駆動されることで、スライド式ドア3を任意の位置にスライド移動することができる。
図2においては円形の回転駆動部7は、2つ示されているがそれ以上であってもよい。また、このスライド式ドア3は、平板形状として記載しているが、連結軸8に向かう方向に又は連結軸8に反返る方向にわん曲していてもよい。また、従動ギヤ9は、スライド式ドア3に一体的に形成されても、別体として形成された後に取り付けられるものであってもよい。
本実施形態に係るスライド式ドア機構は、略円形の回転駆動部7と連結軸8とが接合する位置に特徴を有する。図2に示すように本実施形態に係るスライド式ドア機構の連結軸8は、回転駆動部7の回転中心26に対し、偏った位置(偏芯位置)27において、回転駆動部7と接合している。すなわち、同図に破線で示される回転駆動部7の回転中心26同士を連結した位置に対し、回転駆動部7の外周側にて接合する。この構造により、連結軸8は、駆動部6の回転動作に応じて、スライド式ドア3からの距離を自在に変更することが可能となる。
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態に係るスライド式ドア機構を備えた車両用空調装置について、説明する。本実施形態に係る連結軸8は、回転駆動部7の偏芯位置27において、回転駆動部と接合する。さらに連結軸8は、フルクール時及び/又はフルホット時に、スライド式ドア3に最も近接する位置となるよう設定されている。
図3は、本発明の第2の実施形態に係るスライド式ドア機構を備えた車両用空調装置の、フルクール時におけるスライド式ドア及び連結軸の配置並びに空気流を示す概略断面図である。同図に示すスライド式ドア3は、第1通流開口16を開き、第2通流開口17を閉塞するようにスライド移動しており、相対的に駆動部6の下方に位置している。連結軸8は、スライド式ドア3に最も近接する位置にある。
冷却用熱交換器11を通過した空気流は、図3の矢印(細い矢印および太い矢印)にて示されている。冷却用熱交換器11を通過した空気流のうち、スライド式ドア3よりも上方から流出した空気は、第1通流開口16に向かって直進し、混合室15へと流れる。一方、スライド式ドア3と同じ高さから流出した空気は、スライド式ドア3に向かって流れつつ、流出口を求めて流れの方向を上方に向けて変更し、第1通流開口16を経由して、混合室15へと流れる。冷却用熱交換器11から流出した直後の空間では、空気流の圧力は低く風速も遅いが(細い矢印)、流れの方向が変更する空間では、圧力は高く風速も早い(太い矢印)。
ここで、本実施形態の連結軸8は、回転駆動部7の中心から偏芯した位置で、かつスライド式ドア3に最も近接する位置にある。このように、空気の圧力や風速が高まっている空間に位置しないので、スライドドア機構に由来する通気抵抗の上昇や騒音の増大を、効果的に抑制することができる。
図4は、本発明の一実施形態に係るスライド式ドア機構を備えた車両用空調装置の、フルホット時におけるスライド式ドア及び連結軸の配置並びに空気流を示す概略断面図である。同図に示すスライド式ドア3は、第1通流開口16を閉塞し、第2通流開口17を開くようにスライド移動しており、相対的に駆動部6の上方に位置している。連結軸8は、スライド式ドア3に最も近接する位置にある。
冷却用熱交換器11を通過した空気流は、図4の矢印(細い矢印および太い矢印)にて示されている。冷却用熱交換器11を通過した空気流のうち、スライド式ドア3よりも下方から流出した空気は、第2通流開口17に向かって直進し、加熱用熱交換器12、温風通路14を経て、混合室15へと流れる。一方、スライド式ドア3と同じ高さから流出した空気は、スライド式ドア3に向かって直進した後、流出口を求めて流れの方向を下方に向けて変更し、第2通流開口17、加熱用熱交換器12、温風通路14を経由して、混合室15へと流れる。冷却用熱交換器11から流出した直後の空間では、空気流の圧力は低く風速も遅いが(細い矢印)、流れの方向が変更する空間では、圧力は高く風速も早い(太い矢印)。
ここで、本実施形態の連結軸8は、回転駆動部7の中心から偏芯した位置で、かつスライド式ドア3に最も近接する位置にある。このように、空気の圧力や風速が高まっている空間に位置しないので、スライドドア機構に由来する通気抵抗の上昇や騒音の増大を、効果的に抑制することができる。
第1の実施形態及び/又は第2の実施形態のように、フルクール時又はフルホット時に、スライド式ドア3に対する連結軸8の距離を適切な位置とすることは、駆動ギヤ5及び従動ギヤ9のギヤピッチと、スライド式ドア3の移動距離とを適宜検討し、設定することで実現できる。
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態に係るスライド式ドア機構を備えた車両用空調装置について、説明する。本実施形態に係る連結軸8は、回転駆動部7の偏芯位置27において、回転駆動部と接合する。さらに連結軸8は、フルクール時及び/又はフルホット時に、スライド式ドア3に最も近接する位置となるよう設定されている。さらに連結軸8は、スライド式ドア3の上流側表面に形成された掘り込み溝24に収容されるよう設定されている。
図5は、本発明の第3の実施形態の第1例に係るスライド式ドア機構を備えた車両用空調装置の、フルクール時におけるスライド式ドア及び連結軸の配置並びに空気流を示す概略断面図である。同図に示すスライド式ドア3は、第1通流開口16を開き、第2通流開口17を閉塞するようにスライド移動しており、相対的に駆動部6の下方に位置している。スライド式ドア3の空気流の上流側表面かつ上側には、掘り込み溝24が、連結軸8の軸方向に沿って形成されている。
ここで、本実施形態の連結軸8が、掘り込み溝24に収容される動作を説明する。フルクール状態となる直前では、回転駆動部7は駆動部6の回転に伴って回転し、連結軸8はスライド式ドア3に徐々に近づく。スライド式ドア3は、駆動部の回転に伴って下方向に移動する。そしてフルクール状態となったとき、掘り込み溝は上下方向における所定の位置に到達し、連結軸8は掘り込み溝24の最も深い部分に位置する。このようにして連結軸8は、掘り込み溝24に収容される。
フルクール時における空気流は、図3の太い矢印で示したように、流れの方向が変更する空間で、圧力が高く風速も早い。しかし、本実施形態の連結軸8は、スライド式ドア3に設けられた掘り込み溝24に収容されているので、連結軸8が空気の流れる空間に露出しておらず、スライドドア機構に由来する通気抵抗の上昇や騒音の増大を効果的に抑制することができる。
本実施形態に係るスライド式ドア機構は、フルホット時においても、連結軸8が、スライド式ドア3の上流側表面に形成された掘り込み溝24に収容されるよう設定されている。フルホット時の図は省略する。
フルホット時にスライド式ドア3は、第1通流開口16を閉塞し、第2通流開口17を開くようにスライド移動しており、相対的に駆動部6の上方に位置している。スライド式ドア3の空気流の上流側表面かつ下側には、掘り込み溝24が、連結軸8の軸方向に沿って形成されている。
ここで、本実施形態の連結軸8が、掘り込み溝24に収容される動作を説明する。フルホット状態となる直前では、回転駆動部7は駆動部6の回転に伴って回転し、連結軸8はスライド式ドア3に徐々に近づく。スライド式ドア3は、駆動部の回転に伴って上方向に移動する。そしてフルホット状態となったとき、掘り込み溝は上下方向における所定の位置に到達し、連結軸8は掘り込み溝24の最も深い部分に位置する。このようにして連結軸8は、掘り込み溝24に収容される。
フルホット時における空気流は、図4の太い矢印で示したように、流れの方向が変更する空間で、圧力が高く風速も早い。しかし、本実施形態の連結軸8は、スライド式ドア3に設けられた掘り込み溝24に収容されているので、連結軸8が空気の流れる空間に露出しておらず、スライドドア機構に由来する通気抵抗の上昇や騒音の増大を効果的に抑制することができる。
次に、本実施形態に係るスライド式ドア機構の第2例として、フルクール時及び/又はフルホット時における実施例を、図6を用いて説明する。
図6は、本発明の第3の実施形態の第2例に係るスライド式ドア機構に関し、スライド式ドアの掘り込み溝24に連結軸8が入り込む場合を説明するスライド式ドア機構の斜視図である。ドア機構の上部を、空気流の上流側から示したものである。
同図に示すように、スライド式ドア3の上流側表面の上部側には、略半楕円形状の掘り込み溝24が形成されている。また、図示していないが、スライド式ドア3の上流側表面の下部側にも、同様に掘り込み溝24が形成されている。回転駆動部7の側面に設置された駆動ギヤ5は、回転駆動部7の直径より若干小さな直径を有する。
連結軸8は、回転駆動部7の回転中心26に対し、偏った位置(偏芯位置)で、且つ駆動ギヤ5の直径より外側外周位置において、回転駆動部7と接合している。フルクール時は、連結軸8は、スライド式ドア3の上部側表面に形成された掘り込み溝24の内部に入り込む位置となる(掘り込み溝24に収容される)。フルホット時は、連結軸8は、スライド式ドア3の下部側表面に形成された掘り込み溝24の内部に入り込む位置となる(掘り込み溝24に収容される)。このように、駆動ギヤ5よりも回転駆動部7の直径が大きく、連結軸8を駆動ギヤ5より外側外周位置において回転駆動部7と接合することで、連結軸8を、より深くスライド式ドア3の掘り込み溝24に収容できるので、スライドドア機構に由来する通気抵抗の上昇や騒音の増大を、効果的に抑制することができる。
フルクール時又はフルホット時に、連結軸8が、スライド式ドア3の掘り込み溝24に入り込む(収容される)位置となるよう設定することは、駆動ギヤ5及び従動ギヤ9のギヤピッチと、スライド式ドア3の移動距離とを適宜検討し、設定することで実現できる。
(第4の実施形態)
本発明の第4の実施形態に係るスライド式ドア機構を備えた車両用空調装置について、説明する。本実施形態に係る連結軸8は、回転駆動部7の偏芯位置27において、回転駆動部と接合する。さらに連結軸8は、フルクール時及び/又はフルホット時に、スライド式ドア3から最も離れた位置となるよう設定されている。
図7は、本発明の第4の実施形態に係るスライド式ドア機構を備えた車両用空調装置の、フルクール時におけるスライド式ドア及び連結軸の配置を示す概略断面図である。同図に示すスライド式ドア3は、第1通流開口16を開き、第2通流開口17を閉塞するようにスライド移動しており、相対的に駆動部6の下方に位置している。連結軸8は、スライド式ドア3から最も離れた位置にある。
フルクール時における空気流は、図3の太い矢印で示したように、流れの方向が変更する空間で、圧力が高く風速も早い。しかし、本実施形態の連結軸8は、回転駆動部7の中心から偏芯した位置で、かつスライド式ドア3から最も離れた位置にある。このように、空気の圧力や風速が高まっている空間に位置しないので、スライドドア機構に由来する通気抵抗の上昇や騒音の増大を、効果的に抑制することができる。
図8は、本発明の第4の実施形態に係るスライド式ドア機構を備えた車両用空調装置の、フルホット時におけるスライド式ドア及び連結軸の配置を示す概略断面図である。同図に示すスライド式ドア3は、第1通流開口16を閉塞し、第2通流開口17を開くようにスライド移動しており、相対的に駆動部6の上方に位置している。連結軸8は、スライド式ドア3から最も離れた位置にある。
フルホット時における空気流は、図4の太い矢印で示したように、流れの方向が変更する空間で、圧力が高く風速も早い。しかし、本実施形態の連結軸8は、回転駆動部7の中心から偏芯した位置で、かつスライド式ドア3から最も離れた位置にある。このように、空気の圧力や風速が高まっている空間に位置しないので、スライドドア機構に由来する通気抵抗の上昇や騒音の増大を、効果的に抑制することができる。
(第5の実施形態)
本発明の第5の実施形態に係るスライド式ドア機構を備えた車両用空調装置について、説明する。本実施形態に係る連結軸8は、回転駆動部7の偏芯位置27において、回転駆動部と接合する。さらに連結軸8は、フルクール時及び/又はフルホット時に、前記回転駆動部7のうち最も風速の遅い位置となるよう設定されている。説明図は省略する。
車両用空調装置は前述したように小型化が求められており、小さなケースの内側には複数の空気通流路を有し、ここに冷却用熱交換器、加熱用熱交換器等の機能機器や、本発明に係るスライド式ドアなどの機構が配置設定されている。空気通流路の流速や空気圧は、空気通流路の構造や各種の機能機器等の大きさ・構造・形状・配置場所、又はスライド式ドアの全体形状等に応じて場所によって大きく変化することが一般的となっている。このため、フルクール時及び/又はフルホット時に、空気の流速及び空気圧が最も小さくなる位置は、上記第4の実施形態において説明したようなスライド式ドアから最も離れた位置とならない場合がある。
車両用空調装置のケース内の流速は、気流解析シミュレーションによって予想することができる。フルクール時及び/又はフルホット時に流速及び空気圧が最も小さくなる位置を気流解析シミュレーションで確認することによって、連結軸の位置を設定することができる。例えば、フルクール時及び/又はフルホット時に流速及び空気圧が最も小さくなる位置が、スライド式ドアから最も離れた位置から外れた位置になった場合は、その位置に連結軸が配置されるように駆動ギヤと従動ギヤを設定すればよい。
(第6の実施形態)
本発明の第6の実施形態に係るスライド式ドア機構を備えた車両用空調装置について、説明する。本実施形態に係る駆動部6は、回転駆動部7の偏芯位置27において接合する、2本の連結軸8、8を有する。この2本の連結軸8、8は、フルクール時及び/又はフルホット時に、一方の連結軸は、前記スライド式ドア3に最も近接した位置となるように設定され、他方の連結軸は、前記スライド式ドア3から最も離れた位置、あるいは最も風速が遅い位置となるように設定されている。図は省略する。
連結軸8が回転駆動部7の回転中心から偏芯した位置に連結している構成では、連結軸8が回転中心に位置している構成と比べて、駆動部6の外部から一方の回転軸10に回転力が与えられたとき、連結軸8に回転力を伝達するために、余分なモーメント力が必要となる。また逆回転方向への捩れ応力も発生する。本発明の第6の実施形態に係るスライド式ドア機構は、駆動部6が2本の連結軸8、8を有し、それぞれの連結軸8が、回転駆動部7の回転中心から略対称の偏芯位置にあって、回転駆動部7と接合されている。よって、2本の連結軸8、8は、余分なモーメント力への耐力を増し、与えられた回転力を効率よく伝達することができる。
そして、フルクール時及び/又はフルホット時に、一方の連結軸は、スライド式ドアに最も近接した位置となるように設定され、他方の連結軸は、前記スライド式ドアから最も離れた位置となるように設定されている。よって、上記第2の実施形態及び第4の実施形態で説明したように、2本の連結軸は、両方とも空気の圧力や風速が高まっている空間に位置しないので、スライドドア機構に由来する通気抵抗の上昇や騒音の増大を、効果的に抑制することができる。
また、フルクール時及び/又はフルホット時に、スライド式ドアに最も近接した位置となるように設定された連結軸は、上記第3の実施形態で説明したように、スライド式ドアの掘り込み溝に入り込み位置に設定されるようにしてもよい。
また同様に、フルクール時及び/又はフルホット時に、スライド式ドアから最も離れた位置となるように設定された連結軸は、上記第5の実施形態で説明したように、気流解析シミュレーションによって導き出される空気流の流速及び空気圧が最も小さくなる位置に設定されるようにしてもよい。2本の連結軸は、両方とも空気の圧力や風速が高まっている空間に位置しないので、スライドドア機構に由来する通気抵抗の上昇や騒音の増大を、効果的に抑制することができる。
(第7の実施形態)
本発明の第7の実施形態に係るスライド式ドア機構を備えた車両用空調装置について、説明する。本実施形態に係る駆動部6は、回転駆動部7の偏芯位置27において、回転駆動部と接合する。さらに連結軸8は、スライド式ドア3の上流側表面に形成された掘り込み溝24に収容されるよう設定されている。
図9は、第7の実施形態の第1例に係るスライド式ドア機構を備えた車両用空調装置の、フルクール時におけるスライド式ドア及び連結軸の配置を示す概略断面図である。同図に示すスライド式ドア3は、第1通流開口16を開き、第2通流開口17を閉塞するようにスライド移動しており、相対的に駆動部6の下方に位置している。
同図に示すように、連結軸8は、略偏平な断面形状のうち長手方向が空気流に沿うような状態に設定されている。連結軸8は、スライド式ドア3に近接する位置に設定された場合、又はスライド式ドア3から最も離れた位置に設定された場合、並びに最も風速が遅い位置に設定された場合のいずれであっても、略偏平形状の長手方向が空気流に沿うように設定される。
図11は、第7の実施形態の第2例に係るスライド式ドア機構を備えた車両用空調装置の、フルクール時におけるスライド式ドア及び連結軸の配置を示す概略断面図である。
同図に示すように、フルクール時に略偏平形状である連結軸8が、スライド式ドア3の上部側の表面に形成された掘り込み溝24の内部に入り込む(収容される)ように設定されていてもよい。この場合、連結軸8の略偏平形状は、掘り込み溝24の形状に近似しており、最も通気抵抗を減じた構造であると言える。
連結軸8は、空気の圧力や風速が高まっている空間に位置しないうえ、断面形状が略偏平形状であり、その長手方向が空気流に沿うように設定されるので、スライドドア機構に由来する通気抵抗の上昇や騒音の増大を、効果的に著しく抑制することができる。
図10は、本発明の第7の実施形態の第1例に係るスライド式ドア機構を備えた車両用空調装置の、フルホット時におけるスライド式ドア及び連結軸の配置を示す概略断面図である。同図に示すスライド式ドア3は、第1通流開口16を閉塞し、第2通流開口17を開くようにスライド移動しており、相対的に駆動部6の上方に位置している。
同図に示すように、連結軸8は、略偏平な断面形状のうち長手方向が空気流に沿うような状態に設定されている。連結軸8は、スライド式ドア3に近接する位置に設定された場合、又はスライド式ドア3から最も離れた位置に設定された場合、並びに最も風速が遅い位置に設定された場合のいずれであっても、略偏平形状の長手方向が空気流に沿うように設定される。
さらにフルホット時において、略偏平形状である連結軸8が、スライド式ドア3の下部側の表面に形成された掘り込み溝24の内部に入り込む(収容される)ように設定されていてもよい。
また、上記第6の実施形態のように2本の連結軸が、フルクール時及び/又はフルホット時に、一方の連結軸がスライド式ドアに最も近接した位置となるように設定され、他方の連結軸がスライド式ドアから最も離れた位置又は最も風速が遅い位置となるように設定されている場合に、連結軸8の断面形状を略偏平形状とし、その長手方向が空気流に沿うような状態で設定してもよい。第6の実施形態において説明した効果に加えて、スライドドア機構に由来する通気抵抗の上昇や騒音の増大を、効果的に著しく抑制することができる。
以上、本発明の第1乃至第7の実施形態に係るスライド式ドア機構を備えた車両用空調装置のスライド式ドアについて説明した。駆動部6の長手方向のうち、連結軸8の占める割合が多く、回転軸10の占める割合が少ないほど、本発明の効果が得やすくなる。
ところで、以上までの実施形態の説明は、全てフルクール時及び/又はフルホット時におけるスライド式ドア機構の構造・形態についての説明である。つまり、冷風通路から温風通路を経て混合室へ向かう空気通路と冷風通路から直接混合室に向かう空気通路との2つの空気通路を開閉調整する機能としての本発明の係るスライド式ドアについての説明である。
しかし、図1に示したように、車両用空調装置の内部構造の中には、デフロスト吹出し口18、ベント吹出し口19、フット吹出し口20など多数の空気流分割口が存在している。また車両用空調機の空気流調整の種類は、温度調節や湿度調整の他に風向調整や風量調整、外内気調整等様々な調整がある。よって、これら様々な空気流調整のためには、各吹出し口等を含めたすべての空気通路の分枝開口部において開閉調節が必要とされる場合がある。
例えば、混合室15において調整された空気流をデフロスト吹出し口18とベント吹出し口19とに分割したり又は一方に限定したりする調整においても、本発明の実施形態のひとつであるスライド式ドア3の活用が可能である。この場合は、上記スライド式ドア機構を、デフロスト吹出し口18とベント吹出し口19との開口部に交差して設置すればよい。各構造及び機能は、上記の実施形態1乃至7と同様であることは言うまでもない。
つまり本発明に係るスライド式ドア機構を備えた車両用空調装置のスライド式ドアは、冷風通路から温風通路を経て混合室へ向かう空気通路と冷風通路から直接混合室に向かう空気通路との2つの空気通路を開閉調整する機能のみに限定されない。本発明に係るスライド式ドア機構を備えた車両用空調装置のスライド式ドアは、空調装置内部に有する多数の空気流分割口において各空気流路の開口割合を調節するためのスライド式ドアとしても適用できるものであり、いずれの形態も本技術思想の範囲内のものである。
さらに、本発明の一実施形態に係るスライド式ドアを備えた車両用空調装置のスライド式ドアの形状は、平板形状を前提に図等に記載したが、例えば連結軸に向かう方向に又は連結軸に反返る方向にわん曲していてもよく、空気流を2方向に分割する複数の空気流開口を有効に閉鎖または開口できる形状であればよいことは言うまでもない。これらはすべて、本発明の技術思想の一部である。
上述したように、本願に係る発明によれば、通気抵抗や騒音の増加を、確実に防止することができる車両用空調装置を提供することができる。
本発明は、車両用の空調装置に係るあらゆる素材、部品、金型及び製造産業に対しても影響を及ぼし、自動車産業だけではなく広く一般消費者に対しても大きな有益性をもたらすものである。産業の利用可能性は非常に高い。
1 車両用空調装置
2 ケース
3 スライド式ドア
5 駆動ギヤ
6 駆動部
7 回転駆動部
8 連結軸(連結シャフト)
9 従動ギヤ
10 回転軸
11 冷却用熱交換器
12 加熱用熱交換器
13 冷風通路
14 温風通路
15 混合室
16 第1通流開口
17 第2通流開口
18 デフロスト吹出し口
19 ベント吹出し口
20 フット吹出し口
21 デフロストドア
22 ベントドア
23 フットドア
24 掘り込み溝
26 回転中心
27 偏芯位置

Claims (8)

  1. 複数の空気通路が内部に形成されたケースと、
    前記ケース内に、前記複数の空気通路を交差してスライド移動可能に配置され、前記複数の空気通路を開閉調整する板形状のスライド式ドアと、
    前記スライド式ドアの移動方向に沿って前記スライド式ドアに設けられ、前記スライド式ドアを前記移動方向に移動させる従動ギヤと、
    前記移動方向と交差する回転中心を有し、前記スライド式ドアの上流側複数配置され、前記従動ギヤと噛み合って前記スライド式ドアを駆動する回転駆動ギヤを外周に設けた回転駆動部と、
    前記回転中心に対して偏芯した位置で複数の前記回転駆動部を連結することで、前記回転駆動部の回転に応じて前記スライド式ドアからの距離が変化する連結軸とを具備する車両用空調装置。
  2. 前記スライド式ドアが、前記複数の空気通路のうちのいずれかを略閉じる位置にあるときに、前記連結軸が、前記スライド式ドアに最も近接した位置となるように設定されていることを特徴とする請求項1記載の車両用空調装置。
  3. 前記スライド式ドアが、前記連結軸側の表面に、前記連結軸の長さに沿って掘り込み溝を有し、
    前記スライド式ドアが、前記複数の空気通路のうちのいずれかを略閉じる位置にあるときに、前記連結軸が、前記スライド式ドアの前記掘り込み溝に入り込む位置となるように設定されていることを特徴とする請求項1もしくは2記載の車両用空調装置。
  4. 前記スライド式ドアが、前記複数の空気通路のうちのいずれかを略閉じる位置にあるときに、前記連結軸が、前記スライド式ドアから最も離れた位置となるように設定されていることを特徴とする請求項1記載の車両用空調装置。
  5. 前記スライド式ドアが、前記複数の空気通路のうちのいずれかを略閉じる位置にあるときに、前記連結軸が、前記回転駆動部のうちの最も風速の遅い位置となるように設定されていることを特徴とする請求項1記載の車両用空調装置。
  6. 前記連結軸を2本有し、
    前記スライド式ドアが、前記複数の空気通路のうちのいずれかを略閉じる位置にあるときに、一方の連結軸は、前記スライド式ドアに最も近接した位置となるように設定され、他方の連結軸は、前記スライド式ドアから最も離れた位置/あるいは最も風速が遅い位置となるように設定されていることを特徴とする請求項1乃至3のうち1項記載の車両用空調装置。
  7. 前記連結軸は、断面形状が偏平であって、
    前記スライド式ドアが、前記複数の空気通路のうちのいずれかを略閉じる位置にあるときに、前記連結軸は、前記偏平の長手方向が、前記連結軸周囲の空気の流れ方向に沿うように配置されていることを特徴とする請求項1乃至6のうちの1項記載の車両用空調装置。
  8. 前記スライド式ドアの下流に配置される加熱用熱交換器を備え、
    前記複数の空気通路は、前記加熱用熱交換器を通過する温風通路と前記加熱用交換器とをバイパスするバイパス通路であることを特徴とする請求項1乃至7のうちの1項記載の車両用空調装置。
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