JP6254798B2 - 加温販売用の容器詰果汁飲料 - Google Patents

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Description

本発明は、加温販売用の容器詰果汁飲料、加温販売用の容器詰果汁飲料を製造する方法、及び容器詰果汁飲料の加温による劣化を抑制する方法に関する。
一般に、清涼飲料の中でも天然果実等の果汁を含有する容器詰果汁飲料は、加熱の影響により、その香味が経時的に劣化することが知られている。こうした劣化を抑制するために、低温での流通、保存、アスコルビン酸等各種の酸化防止剤の添加、あるいは外気を極力遮断した容器を用いる等の方法がとられている。
例えば、特許文献1には、ヤーコンから抽出した抽出物が、柑橘系香味成分の一種であるシトラールが光や熱によって環化反応を起こすのを抑制する方法が記載されている。
また、特許文献2には、加温販売用果汁飲料にショ糖と高甘味度甘味料とを所定の割合で配合することによって、加温による品質の劣化や液色の褐変等の色調変化を抑制する技術が記載されている。
特開2003−231894号 特開2011−72293号
近年、業務店あるいは自動販売機にて、高温(50〜80℃)で保存されて販売に供される、ホット飲料市場が拡大している。加温販売用の容器詰果汁飲料は、高温で長期間保管されることから、通常の常温流通用の容器詰果汁飲料では課題とならない、特有の香味品質の劣化の課題が生じる。
本発明者らの研究により、特にアセロラ果汁においては、常温保存における経時変化はほとんどみられないが、70℃で3日間保管されると、果汁由来の焦げ臭や蒸れ臭が発生し、また果汁感が失われ、商品価値のない香味となることが見出された。
上記のような問題に鑑みて、本発明の課題は、加温販売用の容器詰果汁飲料の香味品質の劣化を抑制する技術を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねていたところ、加温販売用の容器詰果汁飲料において、カロテノイドを所定量含有させ、さらに、飲料中のリンゴ酸含有量に対するクエン酸含有量の比が所定の比になるように調整することにより、香味品質の劣化を効果的に抑制できることを見出して本発明に至った。
具体的には、本発明は、加温販売用の容器詰果汁飲料であって、(i)飲料中のカロテノイドの含有量が0.01〜300mg/Lであり、及び(ii)飲料中のリンゴ酸含有量に対するクエン酸含有量の比が0.4〜5である、上記容器詰果汁飲料、並びにその製造方法、及び劣化抑制方法を提供する。
本発明はこれに限定されるものではないが、以下の態様を包含する。
[1]加温販売用の容器詰果汁飲料であって、
(i)飲料中のカロテノイドの含有量が0.01〜300mg/Lであり、及び
(ii)飲料中のリンゴ酸含有量に対するクエン酸含有量の比が0.4〜5である、
上記容器詰果汁飲料。
[2]50〜80℃で3日以上1ヶ月以内保存された、[1]に記載の容器詰果汁飲料。
[3]果汁がアセロラ果汁を含む、[1]又は[2]に記載の容器詰果汁飲料。
[4]カロテノイドがリコピン色素である、[1]〜[3]のいずれかに記載の容器詰果汁飲料。
[5]飲料中のクエン酸の含有量が0.05〜0.3g/100mLであり、飲料中のリンゴ酸の含有量が0.05〜0.4g/100mLである、[1]〜[4]のいずれかに記載の容器詰果汁飲料。
[6]飲料中の果汁含有量が0.01〜50重量である、[1]〜[5]のいずれかに記載の容器詰果汁飲料。
[7]容器詰果汁飲料の製造方法であって、
(1)下記の果汁含有量、カロテノイド含有量、リンゴ酸含有量に対するクエン酸含有量の比となるように果汁液を調製する工程:
果汁含有量が0.01〜50重量%であり、
カロテノイド含有量が0.01〜300mg/Lであり、及び
リンゴ酸含有量に対するクエン酸含有量の比が0.4〜5である、
(2)果汁液を容器に充填して容器詰果汁飲料を得る工程、及び
(3)容器詰果汁飲料を50℃以上に加温する工程、
を含む、上記製造方法。
[8]加温販売用の容器詰果汁飲料の劣化抑制方法であって、
飲料中にカロテノイドを0.01〜300mg/Lの含有量になるように含有させ、飲料中のリンゴ酸含有量に対するクエン酸含有量の比が0.4〜5になるように調整することを含む、上記劣化抑制方法。
本発明によれば、例えば、50〜80℃の温度、3日以上1ヶ月以内の期間という条件でも香味品質の劣化を抑制できるため、ホット飲料として高温で長期保管した場合でも製品中に香味品質の劣化を生じさせることなく飲料を提供することが出来る。
また、本発明によれば、容器詰果汁飲料の加温による香味品質の劣化を抑制することができ、具体的には、加温に伴う飲料の香味劣化臭(例えば、果汁由来の特有の焦げ臭と蒸れ臭)を抑制し、果汁感を維持することができる。
容器詰果汁飲料
以下に説明する本発明の1態様である容器詰果汁飲料に関する記載は、特に断りがない限り、本発明の別態様である容器詰果汁飲料の製造方法及び劣化抑制方法において言及される容器詰果汁飲料にも該当するものである。
本発明の1態様における容器詰果汁飲料とは、果汁を含有する容器詰め飲料であり、カロテノイドが所定量含有され、さらに、飲料中のクエン酸とリンゴ酸の含有量の比が所定の比になるように調整されたことを特徴とする。 また、本発明における加温販売用の容器詰果汁飲料とは、50〜80℃、好ましくは50℃〜75℃にて、3日以上1ヶ月以内、好ましくは5日以上3週間以内、より好ましくは、1週間以上2週間以内の期間保存された飲料である。上記保存期間では、連続でも断続でもよく、保存された期間の合計をいう。本発明における容器詰果汁飲料には、加温することなく、常温あるいは冷蔵(4〜40℃)にて販売された飲料は含まない。
(果汁)
本発明において果汁飲料とは、果汁を主原料とした飲料をいい、果汁飲料に含まれる果汁は、特に制限なく使用することが出来るが、ビタミンCを含有する果実から搾汁されたものが好ましい。ここでいう果実とは、真果に限定されず、偽果も包含する。本発明における果実としては、例えば、アセロラ、ブドウ、ラズベリー、ブルーベリー、ブラックカラント、サクランボ、イチゴ、ホワイトグレープ、リンゴ、ピーチ、レモン、グレープフルーツ、ピンクグレープフルーツ、オレンジ、ミカン、ライム、ゆず、パイナップル、バナナ、グァバ、マンゴー、パパイヤ、パッションフルーツ、ウメ、ナシ、アンズ、スモモ、プルーン、キウイフルーツ、メロンなどが挙げられ、好ましい果実はアセロラ、グレープフルーツ、レモン、ミカン、キウイフルーツ、グァバ、イチゴ、パパイヤであり、より好ましい果実はアセロラである。
果汁は、単一種類を用いてもよく、複数種類を用いてもよい。アセロラ果汁単一あるいは、アセロラ果汁と他の一種以上の果汁との組み合わせで用いるのが好ましい。
また、本発明に飲料に含まれる果汁は、常法により得ることができ、例えば、搾汁、破砕、磨砕等の処理により、更に所望により裏ごしすることにより、得ることができ、透明果汁及び混濁果汁のいずれを用いてもよい。また、ストレート果汁及び濃縮果汁のいずれを用いてもよい。
本発明の容器詰果汁飲料中の果汁の含有量は特に制限されないが、例えば、飲料全量に対して果汁がストレート換算で0.01〜50重量%を含有することが好ましく、0.1〜30重量%がより好ましく、0.5〜20重量%がさらに好ましい。
(カロテノイド)
本発明の容器詰果汁飲料は、カロテノイドを含有することを特徴とする。
一般に、カロテノイドとは、テルペノイドの一種である一群の化合物群のことをいい、緑黄色野菜などの植物に豊富に含まれる。カロテノイドとしては、β−カロテン、α−カロテン、γ−カロテン、リコペン等のカロテン類;β−クリプトキサンチン、ゼアキサンチン、ルテイン等のキサントフィル類が挙げられる。カロテノイドは、抗酸化作用を有する他、生体内において代謝されてビタミンAになるなどの生理活性を有する。また、カロテノイドは、分子内の共役二重結合により光を吸収し呈色する性質を有するため、色素としても用いられる。
本発明の飲料におけるカロテノイドは、果実・野菜由来であっても良いし、食品添加物としての添加であっても良い。食品添加物としては、例えば、リコピン色素、β−カロチン色素、カプサンチン色素、アスタキサンチン色素、アナトー色素、クチナシ黄色色素、トウガラシ色素、トウモロコシ色素、オレンジ色素等が挙げられ、好ましい色素は、リコピン色素である。食品添加物の色素を添加する場合は、分散性をよくするため色素とともに乳化剤を使用することが好ましい。使用する乳化剤としては、食品衛生法上使用可能なものであれば公知の乳化剤を使用することができ、特に限定されるものではないが、好ましくはアラビアガム、ガティガム、ショ糖脂肪酸エステル等を挙げることができる。
飲料中にカロテノイドを含有させることにより、果汁に含まれるビタミンCの分解に何らかの影響を与え、容器詰果汁飲料の香味劣化を抑制する作用が生じると考えられる。しかしながら、本発明はこの理論に拘束されるものではない。
本発明の容器詰果汁飲料中のカロテノイドの含有量の測定は、公知の方法を用いればよく、例えば、特開2011−127905に記載の方法などによって、HPLCなどを用いて定量することができる。
容器詰果汁飲料中のカロテノイドの含有量は、0.01〜300mg/Lであればよく、0.5〜220mg/Lとすることが好ましく、1.2〜110mg/Lとすることがより好ましい。この範囲の含有量であると、加温保存期間中、例えば、70℃の保存条件における香味劣化を効果的に防止することができる。
(クエン酸及びリンゴ酸)
本発明の容器詰果汁飲料は、クエン酸及びリンゴ酸を含有することを特徴とする。
本発明の容器詰果汁飲料中のリンゴ酸含有量に対するクエン酸含有量の比、すなわち、(クエン酸含有量)/(リンゴ酸含有量)の値は、0.4〜5であればよく、0.5〜3とすることが好ましく、0.5〜1.2とすることがより好ましい。
通常、果汁飲料におては、自然な果汁感付与のため、その果汁本来の有機酸の組成と等しくなるように、酸味料を添加するのが当業者の常識である。例えば、アセロラ果汁の場合、果汁に含有する有機酸はリンゴ酸のみなので、通常、アセロラ飲料を製造する場合、添加する酸味料にはリンゴ酸を使用する。しかし、果汁飲料を高温で保存すると、酸味の刺激感が強く感じられるようになり、さらに、カロテノイドが含有されると苦味が増し、酸味の味わいにも変化が生じ、果汁感が損なわれる。そこで、飲料中のリンゴ酸含有量に対するクエン酸含有量の比が上記の範囲になるように調製することにより、加熱により増加した果汁由来の酸味やカロテノイド由来の苦味が抑えられることで、果汁感が維持されるように感じられ、結果として、容器詰果汁飲料の香味劣化が抑制されると考えられる。しかしながら、本発明はこの理論に拘束されるものではない。
飲料中のクエン酸の含有量は、特に限定されないが、0.05〜0.3g/100mLとすることが好ましく、飲料中の有機酸含有量に対するクエン酸含有量の比、すなわち(クエン酸含有量)/(有機酸含有量)の値は、0.1〜0.8とすることが好ましく、0.2〜0.6とすることがより好ましい。一方、飲料中のリンゴ酸含有量は、特に限定されないが、0.05〜0.4g/100mLとすることが好ましく、0.1〜0.3g/100mLとすることがより好ましい。飲料中の有機酸の含有量に対するリンゴ酸含有量の比、すなわち(リンゴ酸含有量)/(有機酸含有量)の値は0.1〜0.3とすることが好ましく、0.2〜0.6とすることがより好ましい。
ここで、飲料中の有機酸とは、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、乳酸の合計であり、これら以外の有機酸、例えばトコフェロール、アスコルビン酸のような抗酸化剤等は含まない。
飲料中のクエン酸、リンゴ酸などの有機酸は、酸味料として配合してもよく、これら有機酸の塩類を酸味料として配合してもよく、あるいはこれら有機酸およびその塩類を含有する組成物(例えば、果実及び/又は野菜由来物)として配合されてもよい。飲料中のクエン酸、リンゴ酸などの有機酸は、HPLC法などの公知の方法にて測定できる。
(pH)
容器詰果汁飲料のpHは特に限定されるものではないが、本発明の蒸れ臭の増加抑制の効果及び微生物増殖の観点からpH4.6以下であることが好ましく、pH2.8〜3.8であることがより好ましく、pH3.0〜3.5であるとことがさらに好ましい。
(その他原料)
また、本発明の容器詰果汁飲料は、上記成分の他、水、公知の飲料に含まれる成分、例えば甘味料、酸味料、香料、色素等を、本発明の効果を損なわない範囲で含有してもよい。
水は、飲用に適した水であればよく、例えば、純水、硬水、軟水、イオン交換水、アルカリイオン水等のほか、これらの水を脱気処理した脱気水等を適宜使用することが出来る。
甘味料としては、例えば、グラニュー糖(又はショ糖)、還元麦芽糖水あめ、ファインリカー、ブドウ果糖、パラチノース、トレハロース、ラクトース、キシロース、麦芽糖、ソルビトール、キシリトール、エリスリトール、ラクチトール、パラチニット、還元水飴、アスパルテーム、ソーマチン、スクラロース、アセスルファムK、ステビア等から挙げられる1種以上を、本発明による効果を損なわない範囲で含有してもよい。好ましい甘味料は、ショ糖と還元麦芽糖水あめであり、より好ましいのはショ糖である。甘味料として、果糖ブドウ糖液糖のみ使用している飲料、又は、果糖ブドウ糖液糖及び高甘味度甘味料のみ使用している飲料は、本発明の効果である焦げ臭の抑制を阻害するため、これらの飲料は本発明の容器詰果汁飲料には含まれないものとする。ここで、高甘味度甘味料とは、スクラロース、アセスルファムK、ステビアから挙げられる1種以上の甘味料である。
酸味料としては、上記のリンゴ酸、クエン酸、酒石酸、乳酸及びそれらの塩類の他、アジピン酸、グルコン酸、コハク酸、フマル酸、又はそれらの塩類を適宜使用することができる。
香料としては、例えば、アセロラ果実あるいはその他果実から抽出した香料、果汁又は果実ピューレ、植物の種実、根茎、木皮、葉等又はこれらの抽出物を適宜使用することができるが、高温での長期保存に耐性のある香料を使用することが好ましい。
色素としては、上記のカロテノイド系色素の他、例えば、アントシアニン系色素、カラメル色素、アスタキサンチン色素を使用することができる。
また、本発明の容器詰果汁飲料は、炭酸ガスを含有してもよい。炭酸ガスは公知の方法にて含有させることができる。
(容器)
本発明の容器詰果汁飲料における容器は特に制限されず、飲料を充填できる容器を使用することができる。具体的には、例えば、アルミ缶やスチール缶などの金属製容器、PETボトルなどの樹脂製容器、紙パックなどの紙容器、ガラス瓶などのガラス製容器などを上げることができる。特に、耐熱性の飲料容器(耐熱性の樹脂製容器)を用いる場合に本発明を効果的に適用することができる。
(殺菌処理)
容器詰果汁飲料は、加熱処理することができる。加熱処理は、常法により行うことができる。例えば、プレートヒーター等を用いて60〜150℃で3秒から〜15分間殺菌することができる。
(高温保存)
本発明の容器詰果汁飲料は、加温販売用の飲料、例えば、50〜80℃、好ましくは55〜75℃にて、3日以上1ヶ月以内、好ましくは5日以上3週間以内、より好ましくは、1週間以上2週間以内加温された後に販売されている飲料である。上記保存期間では、連続でも断続でもよく、保存された期間の合計をいう。本発明でいう加温販売用の容器詰果汁飲料とは、加温することなく、常温あるいは冷蔵(4〜40℃程度)にて販売される飲料は含まれない。
容器詰果汁飲料の製造方法
本発明は、別の観点からは、容器詰果汁飲料の製造方法に関する。具体的には、本発明の1態様である製造方法は、(1)次の果汁含有量、カロテノイド含有量、リンゴ酸含有量に対するクエン酸含有量の比となるように果汁液を調製する工程:果汁含有量が0.01〜50重量%であり、カロテノイド含有量が0.01〜300mg/Lであり、及びリンゴ酸含有量に対するクエン酸含有量の比が0.4〜5である、(2)果汁液を容器に充填して容器詰果汁飲料を得る工程、(3)容器詰果汁飲料を50℃以上に加温する工程、を含む。 工程(1)において、果汁、カロテノイド、クエン酸及び/又はリンゴ酸を含有させる方法及び順番は特に限定されず、上記の果汁及びカロテノイド含有量、並びにリンゴ酸含有量に対するクエン酸含有量の比となるように、製造工程の任意のタイミングで果汁液に含有させることができる。
ここで、その他の原料や成分も、任意の方法及び順番で適宜含有させることができる。
工程(2)における充填方法は、常法により行うことができ、殺菌処理等を適宜行うことができる。本工程において用いる容器は、容器詰果汁飲料に関して記載した容器を用いることができる。
工程(3)における加温工程は、上記所定の温度に加温することにより行われ、加温方法は特に限定されない。
容器詰果汁飲料の香味劣化の抑制方法
本発明は、さらに別の観点からは、加温販売用の容器詰果汁飲料の劣化抑制方法に関する。本方法は、容器詰果汁飲料にカロテノイドを0.01〜300mg/L含有させ、さらに、容器詰果汁飲料中のリンゴ酸含有量に対するクエン酸含有量の比が0.4〜5になるように調整することで、容器詰果汁飲料の加温による劣化を抑制することができ、特に、容器詰果汁飲料の加温による香味品質の劣化、さらには、果汁由来の香味劣化臭を抑制することができる。なお、本発明における香味品質の劣化とは、果汁飲料の高温加熱により発生する香味劣化臭の増加、より具体的には果汁由来の特有の焦げ臭と蒸れ臭の増加、及び果汁感の減少をいう。すなわち、本発明でいう加温販売用の容器詰果汁飲料の劣化抑制とは、加温に伴う飲料の香味劣化臭を抑制し、果汁感を維持することなどを意味する。
(官能評価)
本発明における容器詰果汁飲料の香味品質の評価は、例えば、「焦げ臭」と「蒸れ臭」、及び「果汁感」について評価することにより行うことができる。「焦げ臭」および「蒸れ臭」は、高温保存による香味品質の劣化指標となる。
以下に、実施例を用いて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に制限されるものではない。
参考例1: 保存温度による香味劣化の比較
<容器詰果汁飲料の調製>
表1の配合に従って、アセロラ果汁含有飲料を1L調製した。これを280mLPETボトルに充填した後、120℃で10秒の加熱殺菌を行い、容器詰果汁飲料を3本作製した。各飲料の果汁含有量、カロテノイド含有量、クエン酸及びリンゴ酸の含有量、リンゴ酸含有量に対するクエン酸含有量の比は、表1に示した。
<評価方法及び評価結果>
上記で製造した容器詰果汁飲料のうち、1本は5℃で保存して官能評価の基準品とし、1本は23℃で6ヶ月保存し、1本は70℃で3日間保存し、各評価サンプルを調製した。
官能評価は、専門パネル(5名)により、「焦げ臭」「蒸れ臭」「果汁感」の3項目について以下の指標に基づき、5点満点の点数評価法により評価した。また、総合評価として、3項目の平均点が4点以上を○(良好)、3点以上を△(許容範囲)、3点未満を×(不可)とした。結果を表2に示す。
・焦げ臭
5点:基準品と比較して、ほとんど差がない
4点:基準品と比較して、焦げ臭が少しある
3点:基準品と比較して、焦げ臭がある
2点:基準品と比較して、焦げ臭がかなりあるが、許容範囲内
1点:焦げ臭が強く、商品価値がない
・蒸れ臭
5点:基準品と比較して、ほとんど差がない
4点:基準品と比較して、蒸れ臭が少しある
3点:基準品と比較して、蒸れ臭がある
2点:基準品と比較して、蒸れ臭がかなりあるが、許容範囲内
1点:蒸れ臭が強く、商品価値がない
・果汁感
5点:基準品と比較して、同程度の果汁感
4点:基準品と比較して、果汁感が少し弱い
3点:基準品と比較して、果汁感が弱い
2点:基準品と比較して、果汁感がかなり弱いが、許容範囲内
1点:果汁感がなく、商品価値がない
表2に示すように、アセロラ果汁含有の容器詰果汁飲料において、常温流通に相当する、23℃6ヶ月保存された飲料の香味劣化は許容範囲であったが、加温販売に相当する、70℃3日保存された飲料の香味劣化は著しく、商品価値のない品質であった。
実験例
参考例1と同様の手法で、表3の配合に従って、各種アセロラ果汁含有飲料を調製し280mLPETボトルに充填し、加熱殺菌の後、各種容器詰果汁飲料を各2本ずつ作製した。各飲料の果汁含有量、カロテノイド含有量、クエン酸及びリンゴ酸の含有量、リンゴ酸含有量に対するクエン酸含有量の比は、表3に示した。
上記で製造した各種容器詰果汁飲料のうち、1本は5℃で保存して官能評価の基準品とし、1本は70℃で3日間保存した。
官能評価は、参考例1と同様の手法で行った。結果を表3に示す。
表3で示されるように、飲料中のカロテノイドの含有量が0.01〜300mg/Lであり、かつ飲料中のリンゴ酸含有量に対するクエン酸含有量の比が0.4〜3である飲料において、香味劣化の抑制効果が得られることが確認できた。

Claims (8)

  1. 50〜80℃で3日以上1ヶ月以内保存された、加温販売用の容器詰果汁飲料であって、
    該果汁は、アセロラ、グレープフルーツ、レモン、ミカン、キウイフルーツ、グァバ、イチゴ、及びパパイヤから選ばれる果実の果汁を含み、
    (i)飲料中のカロテノイドの含有量が0.01〜300mg/Lであり、及び
    (ii)飲料中のリンゴ酸含有量に対するクエン酸含有量の比が0.4〜5である、
    上記容器詰果汁飲料。
  2. 果汁がアセロラ果汁を含む、請求項に記載の容器詰果汁飲料。
  3. カロテノイドがリコピン色素である、請求項1又は2に記載の容器詰果汁飲料。
  4. 飲料中のクエン酸の含有量が0.05〜0.3g/100mLであり、飲料中のリンゴ酸の含有量が0.05〜0.4g/100mLである、請求項1〜のいずれか1項に記載の容器詰果汁飲料。
  5. 飲料中の果汁含有量が0.01〜50重量である、請求項1〜のいずれか1項に記載の容器詰果汁飲料。
  6. 容器詰果汁飲料の製造方法であって、
    (1)下記の果汁含有量、カロテノイド含有量、リンゴ酸含有量に対するクエン酸含有量の比となるように果汁液を調製する工程:
    果汁含有量が0.01〜50重量%であり、該果汁は、アセロラ、グレープフルーツ、レモン、ミカン、キウイフルーツ、グァバ、イチゴ、及びパパイヤから選ばれる果実の果汁を含む、
    カロテノイド含有量が0.01〜300mg/Lであり、及び
    リンゴ酸含有量に対するクエン酸含有量の比が0.4〜5である、
    (2)果汁液を容器に充填して容器詰果汁飲料を得る工程、及び
    (3)容器詰果汁飲料を50〜80℃に加温し、3日以上1ヶ月以内保存する工程、
    を含む、上記製造方法。
  7. 加温販売用の容器詰果汁飲料の劣化抑制方法であって、
    該果汁が、アセロラ、グレープフルーツ、レモン、ミカン、キウイフルーツ、グァバ、イチゴ、及びパパイヤから選ばれる果実の果汁を含み、
    飲料中にカロテノイドを0.01〜300mg/Lの含有量になるように含有させ、飲料中のリンゴ酸含有量に対するクエン酸含有量の比が0.4〜5になるように調整することを含む、上記劣化抑制方法。
  8. 容器詰果汁飲料を50〜80℃で3日以上1ヶ月以内保存することをさらに含む、請求項7に記載の劣化抑制方法。
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