JP2014132898A - 果汁および/または野菜汁を含有する容器詰飲料 - Google Patents
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Abstract
【課題】果汁および/または野菜汁を含有する飲料、特に、長期保存性が要求される容器詰飲料に関して、沈殿や凝集を抑制する技術を提供する。
【解決手段】果汁および/または野菜汁を含有する容器詰飲料であって、脂溶性色素を0.0001〜5重量%、カラメル色素を0.001〜0.5重量%含有する飲料。(1)脂溶性色素を飲料に0.0001〜5重量%含有させる工程と(2)カラメル色素を飲料に0.001〜0.5重量%含有させる工程、を含む、果汁および/または野菜汁を含有する容器詰飲料の製造方法。
【選択図】なし
【解決手段】果汁および/または野菜汁を含有する容器詰飲料であって、脂溶性色素を0.0001〜5重量%、カラメル色素を0.001〜0.5重量%含有する飲料。(1)脂溶性色素を飲料に0.0001〜5重量%含有させる工程と(2)カラメル色素を飲料に0.001〜0.5重量%含有させる工程、を含む、果汁および/または野菜汁を含有する容器詰飲料の製造方法。
【選択図】なし
Description
本発明は、果汁および/または野菜汁を含有する容器詰飲料に関する。特に本発明は、脂溶性色素及びカラメル色素を含有する果汁・野菜汁含有容器詰飲料、その製造方法、ならびに、果汁および/または野菜汁を含有する容器詰飲料において沈殿を抑制する方法に関するものである。
果汁および/または野菜汁を含有した容器詰飲料は、果汁や野菜汁に含有される難溶性・不溶性成分(ポリフェノール、繊維質、タンパク質、タンニンやペクチン等のガム質等)が長期保存中に凝集し、沈殿を形成することが知られている。
このような容器詰め飲料の沈殿防止従来技術としては、もともと難溶性・不溶性成分を含有しない透明果汁を使用する方法や、難溶性・不溶性成分を選択的に除去した果汁を使用する方法などが知られている。
例えば、特許文献1には、モルトエキスを添加することにより低温条件下での長期保存時に発生する沈殿を抑制することが記載されており、特許文献2には、ニンジン汁とオレンジ果汁を特定の範囲で含有させることにより沈殿を抑制する方法が記載されている。
また、特許文献3には、柑橘系果汁飲料に対してカロチノイド系色素および/またはフラボノイド系色素とデキストリンを添加することにより沈殿を抑制する方法、特許文献4には、果汁含有飲料に水溶性ヘミセルロース、HMペクチン、カルボキシメチルセルロース、タマリンドシードガム、ローカストビーンガムなどを添加して沈殿を抑制する方法が記載されている。
特許文献1には、果汁含有飲食品にモルトエキスを添加することによる沈殿発生抑制方法が開示されているが、モルトエキスには独特の風味があるため製品の香味に与える影響が大きいうえ、その効果は低温保存時に限定されている。特許文献2には、ニンジン汁とオレンジ果汁を特定の範囲で含有させることにより沈殿を抑制する方法が開示されているが、パプリカ色素を添加して凝集・沈殿を目立ち難くすると記載されているように、完全に沈殿の発生を抑制できているわけではない。特許文献3および4には、デキストリンやヘミセルロースなどを添加して沈殿の発生を抑制する方法が開示されているが、これら添加物には香気成分を吸着する性質や粘性を変化させる性質があり、飲料の香味や物性を変化させてしまうという問題がある。以上のように、従来の方法では、製品の香味・物性に影響を与えずに果汁・野菜汁含有容器詰め飲料の沈殿発生を抑制することは難しかった。
さらに、近年ホット飲料市場が拡大しているが、そのような商品は高温で長期間保存されることが多い。特許文献3には1週間50℃保管時の沈殿発生抑制結果が開示されているが、1週間という比較的短期間においても完全に沈殿発生を抑制できているわけではなく、改善効果が見られたに過ぎない。特に、脂溶性色素を含む飲料においては、沈殿が著しく発生するため、本課題を解決するのは非常に困難であった。
このような状況に鑑み、本発明の課題は、果汁および/または野菜汁を含有する飲料、特に、長期保存性が要求される容器詰飲料に関して、沈殿や凝集を抑制する技術を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねていたところ、果汁および/または野菜汁を含有する飲料において、脂溶性色素及びカラメル色素を特定の範囲に設定することにより、沈殿の発生を効果的に抑制できることを見出して本発明に至った。
具体的には、本発明は、脂溶性色素とカラメル色素を特定の範囲で含有する果汁および/または野菜汁含有容器詰飲料とその製造方法、果汁・野菜汁含有容器詰飲料において沈殿を防止する方法を提供する。
これに限定されるものではないが、本発明は、以下の態様を包含する。
(1) 果汁および/または野菜汁を含有する容器詰飲料であって、脂溶性色素を0.0001〜5重量%、カラメル色素を0.001〜0.5重量%含有する、上記飲料。
(2) 脂溶性色素が、カロチノイド系色素である、(1)に記載の飲料。
(3) 果汁および/または野菜汁の含有量が1〜10重量%である、(1)または(2)に記載の飲料。
(4) 660nmにおける透過度が、65〜95%である、(1)〜(3)のいずれかに記載の飲料。
(5) 少なくとも底面が透明の容器に充填されている、(1)〜(4)のいずれかに記載の飲料。
(6) 容器が、耐熱性樹脂ボトルである、(1)〜(5)のいずれかに記載の飲料。
(7) 果汁がアセロラ果汁である、(1)〜(6)のいずれかに記載の飲料。
(8) (1)脂溶性色素を飲料に0.0001〜5重量%含有させる工程、(2)カラメル色素を飲料に0.001〜0.5重量%含有させる工程、を含む、果汁および/または野菜汁を含有する容器詰飲料の製造方法。
(9) (1)脂溶性色素を飲料に0.0001〜5重量%含有させる工程、(2)カラメル色素を飲料に0.001〜0.5重量%含有させる工程、を含む、果汁および/または野菜汁を含有する容器詰飲料の沈殿抑制方法。
(10) (1)脂溶性色素を飲料に0.0001〜5重量%含有させる工程、(2)カラメル色素を飲料に0.001〜0.5重量%含有させる工程、(3)飲料を容器に充填して容器詰飲料を得る工程、(4)容器詰飲料を50℃以上で保管する工程、を含む、果汁および/または野菜汁を含有する容器詰飲料の提供方法。
(1) 果汁および/または野菜汁を含有する容器詰飲料であって、脂溶性色素を0.0001〜5重量%、カラメル色素を0.001〜0.5重量%含有する、上記飲料。
(2) 脂溶性色素が、カロチノイド系色素である、(1)に記載の飲料。
(3) 果汁および/または野菜汁の含有量が1〜10重量%である、(1)または(2)に記載の飲料。
(4) 660nmにおける透過度が、65〜95%である、(1)〜(3)のいずれかに記載の飲料。
(5) 少なくとも底面が透明の容器に充填されている、(1)〜(4)のいずれかに記載の飲料。
(6) 容器が、耐熱性樹脂ボトルである、(1)〜(5)のいずれかに記載の飲料。
(7) 果汁がアセロラ果汁である、(1)〜(6)のいずれかに記載の飲料。
(8) (1)脂溶性色素を飲料に0.0001〜5重量%含有させる工程、(2)カラメル色素を飲料に0.001〜0.5重量%含有させる工程、を含む、果汁および/または野菜汁を含有する容器詰飲料の製造方法。
(9) (1)脂溶性色素を飲料に0.0001〜5重量%含有させる工程、(2)カラメル色素を飲料に0.001〜0.5重量%含有させる工程、を含む、果汁および/または野菜汁を含有する容器詰飲料の沈殿抑制方法。
(10) (1)脂溶性色素を飲料に0.0001〜5重量%含有させる工程、(2)カラメル色素を飲料に0.001〜0.5重量%含有させる工程、(3)飲料を容器に充填して容器詰飲料を得る工程、(4)容器詰飲料を50℃以上で保管する工程、を含む、果汁および/または野菜汁を含有する容器詰飲料の提供方法。
本発明によれば、果汁および/または野菜汁並びに脂溶性色素を含有する容器詰飲料において、凝集や沈殿の発生を抑制することが出来る。特に本発明によれば、例えば、70℃、2週間という条件でも沈殿の発生を抑制できるため、ホット飲料として高温で長期保管した場合でも製品中に凝集・沈殿を発生させることなく飲料を提供することが出来る。
果汁・野菜汁含有容器詰飲料
本発明における果汁・野菜汁含有容器詰飲料とは、果汁および/または野菜汁を含有する容器詰め飲料であり、脂溶性色素とカラメル色素を特定の範囲で含有することを特徴とする。脂溶性色素は保存中に果汁・野菜汁に含有されるポリフェノール類と結合することで沈殿を発生させると考えられるが、カラメル色素を脂溶性色素に対して特定の比率で含有させることにより脂溶性色素とポリフェノール類との結合を阻害し、沈殿の発生を抑制すると考える。しかしながら、本発明はこの理論に拘束されるものではない。
本発明における果汁・野菜汁含有容器詰飲料とは、果汁および/または野菜汁を含有する容器詰め飲料であり、脂溶性色素とカラメル色素を特定の範囲で含有することを特徴とする。脂溶性色素は保存中に果汁・野菜汁に含有されるポリフェノール類と結合することで沈殿を発生させると考えられるが、カラメル色素を脂溶性色素に対して特定の比率で含有させることにより脂溶性色素とポリフェノール類との結合を阻害し、沈殿の発生を抑制すると考える。しかしながら、本発明はこの理論に拘束されるものではない。
本発明の飲料における果汁・野菜汁は、特に制限なく使用することが出来るが、ポリフェノール類を含有する果実や野菜から搾汁されたものが好ましい。本発明において果汁や野菜汁は、単一種類を用いてもよく、複数種類を用いてもよい。
ここでいう果実とは、真果に限定されず、偽果も包含する。本発明における果実としては、例えば、アセロラ、ブドウ、ホワイトグレープ、リンゴ、ピーチ、レモン、グレープフルーツ、オレンジ、ミカン、ライム、パイナップル、バナナ、グァバ、マンゴー、パパイヤ、パッションフルーツ、イチゴ、ベリー、カシス、ウメ、ナシ、アンズ、スモモ、プルーン、キウイフルーツ、メロンなどが挙げられる。好ましい果実はアセロラである。
また、本発明における野菜とは、カメリア・シネンシスの葉など食用可能な植物全般を指す。本発明の野菜汁の原料となる野菜としては、例えば、トマト、ニンジン、パプリカ、ピーマン、トマピー、唐辛子、カボチャ、ごぼう、ナス等が挙げられる。
本発明の果汁・野菜汁含有容器詰飲料における果汁および/または野菜汁の含有量は特に制限されないが、例えば、果汁および/または野菜汁を0.1〜20重量%を含有することが好ましく、0.5〜15重量%がより好ましく、1〜10重量%がさらに望ましい。ここで、本発明における果汁および/または野菜汁の含有量は、ストレート果汁(非濃縮果汁)としての含有量を示す。
本発明に使用する果汁・野菜汁は、非混濁の果汁・野菜汁であることが好ましい。非混濁の果汁や野菜汁は公知の方法により調製することができ、例えば、果実や野菜の搾汁から不溶性固形分などを除去することによって得ることができる。
本発明の果汁・野菜汁含有容器詰飲料は、脂溶性色素を含有する。ここでいう脂溶性色素とは水に溶けにくく、油に溶けやすい色素をいい、好ましい脂溶性色素としては、例えば、カロテンやキサントフィルなどのカロチノイド(カロテノイド)系色素が挙げられる。カロテンは、炭素と水素からなるカロチノイドであり、橙色や黄色であることが多く、例えば、リコピンやカロチンなどが挙げられる。また、キサントフィルは黄色であることが多く、ヒドロキシル基を有するためカロテンと比較すると極性が大きく、その例としては、アスタキサンチン、カプサンチン、ルテイン、ゼアキサンチン、ネオキサンチン、ビオラキサンチン、クリプトキサンチンなどが挙げられる。本発明において特に好ましい脂溶性色素として、リコピン色素、β−カロチン、カプサンチン、アスタキサンチンが挙げられる。これら脂溶性色素は果実・野菜由来であっても良いし、食品添加物として添加しても良い。脂溶性色素を添加物として飲料に添加する場合は、分散性をよくするため脂溶性色素とともに乳化剤を使用することが好ましい。使用する乳化剤としては、食品衛生法上使用可能なものであれば公知の乳化剤を使用することができ、特に限定されるものではないが、好ましくはアラビアガム、ガティガム、ショ糖脂肪酸エステル等を挙げることができる。
本発明の飲料に含有される脂溶性色素の量は、容器詰飲料の内容物全重量を基準として0.0001〜5重量%であればよく、0.0001〜0.1重量%とすることがより好ましく、0.0002〜0.006重量%とすることがより好ましい。脂溶性色素の含有量がこのような量であると、保存期間中の褐変を効果的に防止することができる。カロチノイドを始めとする脂溶性色素は、例えば、特開2011−127905に記載の方法などによって、HPLCなどを用いて定量することができる。
本発明の飲料にはカラメル色素を使用するが、カラメル色素としては、食用に適する公知のカラメル色素を使用することができる。例えば、砂糖又はブドウ糖に代表される食用炭水化物を熱処理して得られた物、酸もしくはアルカリを加えて食用炭水化物を熱処理したものなどを用いることができる。また、果汁や野菜汁に含まれる糖分をカラメル化して使用することもでき、この場合、加熱処理、酸やアルカリによる処理などによって糖分をカラメル化することができる。
本発明の飲料におけるカラメル色素の含有量は、容器詰飲料の内容物全重量を基準として、0.001〜0.5重量%であればよく、飲料自体の色に影響を与えないという観点から、カラメル色素の含有量を0.001〜0.05重量%とすることが好ましい。
カラメル色素の定量法は公知の方法を用いれば良く、例えばカラメル色素に特有のヒドロキシ化合物を指標として定量することも出来るし、分子量分画により製品中に含まれる他の色素と分離した後、HPLC、分光光度計など一般的な装置で定量することが出来る。例えば、分子量3000以上のものを分画することでカラメル色素以外の色素を除去することが出来る。
果汁・野菜汁含有容器詰飲料のpHは特に限定されるものではないが、微生物増殖防止の観点からpH4.6以下であることが望ましく、果実・野菜本来の味わいを損なわないという観点からpH2.5〜4.0であることが好ましく、pH2.8〜3.8であると程よい酸味が得られることからより好ましい。
本発明の容器詰飲料は、飲料の透過度が65〜95%であることが好ましい。飲料の透過度(T%)は、蒸留水をリファレンスとした場合の660nmにおける飲料の透過度であり、70〜90%であることがより好ましく、75〜85%であることがさらに好ましい。660nmにおける透過度は、例えば、島津製作所製のUV−1600を使用して測定することができる。
また、本発明の果汁・野菜汁含有容器詰飲料は、上記成分の他、水、公知の飲料に含まれる成分、例えば甘味料、酸味料、香料等を、本発明の効果を損なわない範囲で含有してもよい。
水は、飲用に適した水であればよく、例えば、純水、硬水、軟水、イオン交換水、アルカリイオン水等のほか、これらの水を脱気処理した脱気水等を適宜使用することが出来る。
甘味料としては、例えば、ショ糖、果糖ブドウ糖液糖、ファインリカー、グラニュー糖、ブドウ果糖、パラチノース、トレハロース、ラクトース、キシロース、麦芽糖、ソルビトール、キシリトール、エリスリトール、ラクチトール、パラチニット、還元水飴、還元麦芽糖水あめ、アスパルテーム、ソーマチン、スクラロース、アセスルファムK、ステビア等から挙げられる1種以上を、本発明による効果を損なわない範囲で含有してもよい。特に好ましい甘味料は、香味安定性の観点から、還元麦芽糖水飴である。なお、果糖ブドウ糖液糖は、高温での長期保管により香味劣化が生じるため、使用しないことが好ましい。
酸味料としては、例えば、クエン酸、クエン酸三ナトリウム、アジピン酸、グルコン酸、コハク酸、酒石酸、乳酸、フマル酸、リンゴ酸、又はそれらの塩類を適宜使用することができるが、その中でも、クエン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、乳酸が果汁のさわやかな酸味を創出させるのに好ましい。
香料としては、例えば、柑橘その他果実から抽出した香料、果汁又は果実ピューレ、植物の種実、根茎、木皮、葉等又はこれらの抽出物を適宜使用することができるが、高温での長期保管に耐性のある香料を使用することが好ましい。
本発明の容器詰飲料における容器は特に制限されず、飲料を充填できる容器を使用することができる。具体的には、例えば、アルミ缶やスチール缶などの金属製容器、PETボトルなどの樹脂製容器、紙パックなどの紙容器、ガラス瓶などのガラス製容器などを上げることができる。特に本発明によれば沈殿発生が抑制されるため、内容物が確認できる透明容器に充填された容器詰飲料の商品価値を本発明によって大きく向上させることができる。したがって、飲料容器に関しては、少なくとも底面が透明である包装形態であると本発明の効果を十分に享受できるため好ましく、また、本発明によれば高温保存時の沈殿発生も効果的に抑制されるため、耐熱性の飲料容器(耐熱性の樹脂製容器)を用いる場合に本発明を効果的に適用することができる。特に、耐熱性のPETボトルなどに対して、本発明を好適に適用することができる。
飲料の製造方法
本発明は、ある観点からは、果汁および/または野菜汁を含有する容器詰飲料の製造方法である。本発明に係る果汁・野菜汁含有容器詰飲料は、脂溶性色素とカラメル色素を特定の量になるように、果汁および/または野菜汁を含有する容器詰飲料に配合することによって製造することができる。配合方法や製造装置は特に制限されず、公知のものを使用することができる。
本発明は、ある観点からは、果汁および/または野菜汁を含有する容器詰飲料の製造方法である。本発明に係る果汁・野菜汁含有容器詰飲料は、脂溶性色素とカラメル色素を特定の量になるように、果汁および/または野菜汁を含有する容器詰飲料に配合することによって製造することができる。配合方法や製造装置は特に制限されず、公知のものを使用することができる。
すでに述べたように脂溶性色素は、原料である果汁や野菜汁に含まれるものを利用してもよく、また、飲料に別途添加してもよい。例えば、脂溶性色素を含有しない果汁や野菜汁(または、脂溶性色素の含有量が低い果汁や野菜汁)に、別途、脂溶性色素を添加して、容器詰め飲料中の脂溶性色素含量を調整してもよい。また、カラメル色素についても、カラメル色素を飲料に別途添加してもよく、原料である果汁・野菜汁に含まれる糖分をカラメル化したものを用いてもよい。
このようにして調製した果汁・野菜汁を含む飲料には、必要であれば水、甘味料、酸味料、香料等を、本発明の効果を損なわない範囲で配合し、撹拌することができる。このようにして得られた飲料は、必要に応じて加熱処理を行い、容器に充填することにより容器詰め飲料を製造することができる。加熱処理としては、例えば、プレートヒーター等を用いて60〜150℃で3秒から〜15分間殺菌することができる。
容器詰め飲料の保管温度は特に限定されないが、冷蔵条件、室温条件、加温条件で保管することができる。加温条件で保管する場合は、50℃以上の高温で保管することが可能であり、特に70℃以上の高温で保管することも可能である。保管温度の上限は特にないが、90℃以下とすることが好ましい。
本発明を効果的に適用することができる。特に、耐熱性のPETボトルなどに対して、本発明を好適に適用することができる。
本発明を効果的に適用することができる。特に、耐熱性のPETボトルなどに対して、本発明を好適に適用することができる。
飲料の沈殿抑制方法
本発明は、ある観点からは、果汁および/または野菜汁を含有する容器詰飲料の沈殿抑制方法である。本発明に基づいて果汁・野菜汁含有容器詰飲料に脂溶性色素とカラメル色素を特定量配合することで、果汁・野菜汁由来の難溶性・不溶性成分が沈殿することを抑制することができる。
本発明は、ある観点からは、果汁および/または野菜汁を含有する容器詰飲料の沈殿抑制方法である。本発明に基づいて果汁・野菜汁含有容器詰飲料に脂溶性色素とカラメル色素を特定量配合することで、果汁・野菜汁由来の難溶性・不溶性成分が沈殿することを抑制することができる。
飲料の提供方法
また他の観点からは、本発明は飲料の提供方法である。具体的には、本発明に係る果汁および/または野菜汁を含有する容器詰飲料の提供方法は、(1)脂溶性色素を飲料に0.01〜1重量%含有させる工程、(2)カラメル色素を飲料に0.005〜0.1重量%含有させる工程、(3)飲料を容器に充填して容器詰飲料を得る工程、(4)容器詰飲料を50℃以上で保管する工程、を含む。
また他の観点からは、本発明は飲料の提供方法である。具体的には、本発明に係る果汁および/または野菜汁を含有する容器詰飲料の提供方法は、(1)脂溶性色素を飲料に0.01〜1重量%含有させる工程、(2)カラメル色素を飲料に0.005〜0.1重量%含有させる工程、(3)飲料を容器に充填して容器詰飲料を得る工程、(4)容器詰飲料を50℃以上で保管する工程、を含む。
以下に、実施例を用いて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に制限されるものではない。なお、特に記載しないかぎり、本発明における数値範囲はその端点を含むものとする。
実験例1
本発明による沈殿抑制効果を試験するために、表1の配合表に従って果汁含有飲料を調製した。配合表の単位はgであり、蒸留水を加えて5Lとした。果汁としてアセロラ透明果汁(非混濁タイプ、株式会社ニチレイ製)を使用し、果汁の含有量は、ストレート果汁換算で10%とした。脂溶性色素として1重量%のリコピン溶液を使用し、飲料中のリコピン含量を0.00034重量%に調整した。また、カラメル色素は、40重量%のカラメル色素溶液を使用し、飲料中の濃度として0%(比較例)、0.01重量%(実施例1)、0.015重量%(実施例2)、0.02重量%(実施例3)となるように添加した。
本発明による沈殿抑制効果を試験するために、表1の配合表に従って果汁含有飲料を調製した。配合表の単位はgであり、蒸留水を加えて5Lとした。果汁としてアセロラ透明果汁(非混濁タイプ、株式会社ニチレイ製)を使用し、果汁の含有量は、ストレート果汁換算で10%とした。脂溶性色素として1重量%のリコピン溶液を使用し、飲料中のリコピン含量を0.00034重量%に調整した。また、カラメル色素は、40重量%のカラメル色素溶液を使用し、飲料中の濃度として0%(比較例)、0.01重量%(実施例1)、0.015重量%(実施例2)、0.02重量%(実施例3)となるように添加した。
このように調製した果汁含有飲料のブリックスは11.1、pHは3.1〜3.3、透過度(660nmの光を用いて、蒸留水の透過度を100とした場合の果汁含有飲料の透過度)は76.5%であった。
これら果汁含有飲料を、180ml容の透明ガラス瓶に充填・密封後、85℃で10分間殺菌し、冷却して容器詰飲料を調製した。
調製した果汁含有容器詰飲料を5℃〜70℃で1週間〜2週間保存後、沈殿の発生状況を目視で確認した。沈殿の発生状況は、沈殿が多いものから+++>++>+>−の4段階で評価した。結果を表2および図面に示す。
表に示されるように、カラメル色素を添加しない場合、透明果汁を用いたにもかかわらず、70℃・1週間の保管でも沈殿が発生し、2週間保管すると沈殿の発生が増大した。一方、カラメル色素を添加した実施例ではいずれの場合も沈殿の発生は見られなかった。
また、本発明の実施例の果汁含有飲料は、二週間保存後であっても、660nmの光の透過度が76.5%であり、きれいな液色を維持していた。
実験例2
実施例1と同様にして、表3の配合表に従って果汁含有飲料を調製した。ただし本実験では、果汁であるアセロラ透明果汁の含有量を、ストレート果汁換算で1〜10%の範囲で変化させた。また、脂溶性色素として1重量%のリコピン溶液を使用し、飲料中のリコピン含量を0.00034重量%(比較例、実施例1〜5)、0.0058重量%(実施例6)に調整した。さらに、カラメル色素は、40重量%のカラメル色素溶液を使用し、飲料中の濃度として0%(比較例)、0.01重量%(実施例1〜4)、0.004重量%(実施例5・6)となるように添加した。
実施例1と同様にして、表3の配合表に従って果汁含有飲料を調製した。ただし本実験では、果汁であるアセロラ透明果汁の含有量を、ストレート果汁換算で1〜10%の範囲で変化させた。また、脂溶性色素として1重量%のリコピン溶液を使用し、飲料中のリコピン含量を0.00034重量%(比較例、実施例1〜5)、0.0058重量%(実施例6)に調整した。さらに、カラメル色素は、40重量%のカラメル色素溶液を使用し、飲料中の濃度として0%(比較例)、0.01重量%(実施例1〜4)、0.004重量%(実施例5・6)となるように添加した。
このように調製した各果汁含有飲料のブリックスは11.1、pHは3.1〜3.3であった。これら果汁含有飲料を、180ml容の透明ガラス瓶に充填・密封後、85℃で10分間殺菌し、冷却して容器詰飲料を調製した。
調製した果汁含有容器詰飲料を5℃〜70℃で2週間保存後、沈殿の発生状況を実験1と同様の方法で評価した。結果を表4に示す。
表に示されるように、カラメル色素を添加しない場合、果汁1%であっても、70℃・2週間の保管で沈殿が発生した。一方、カラメル色素を添加した実施例ではいずれの場合も沈殿の発生は見られなかった。また、香味の点においても、良好であった。
Claims (10)
- 果汁および/または野菜汁を含有する容器詰飲料であって、脂溶性色素を0.0001〜5重量%、カラメル色素を0.001〜0.5重量%含有する、上記飲料。
- 脂溶性色素が、カロチノイド系色素である、請求項1に記載の飲料。
- 果汁および/または野菜汁の含有量が1〜10重量%である、請求項1または2に記載の飲料。
- 660nmにおける透過度が、65〜95%である、請求項1〜3のいずれかに記載の飲料。
- 少なくとも底面が透明の容器に充填されている、請求項1〜4のいずれかに記載の飲料。
- 容器が、耐熱性樹脂ボトルである、請求項1〜5のいずれかに記載の飲料。
- 果汁がアセロラ果汁である、請求項1〜6のいずれかに記載の飲料。
- (1)脂溶性色素を飲料に0.0001〜5重量%含有させる工程、
(2)カラメル色素を飲料に0.001〜0.5重量%含有させる工程、
を含む、果汁および/または野菜汁を含有する容器詰飲料の製造方法。 - (1)脂溶性色素を飲料に0.0001〜5重量%含有させる工程、
(2)カラメル色素を飲料に0.001〜0.5重量%含有させる工程、
を含む、果汁および/または野菜汁を含有する容器詰飲料の沈殿抑制方法。 - (1)脂溶性色素を飲料に0.0001〜5重量%含有させる工程、
(2)カラメル色素を飲料に0.001〜0.5重量%含有させる工程、
(3)飲料を容器に充填して容器詰飲料を得る工程、
(4)容器詰飲料を50℃以上で保管する工程、
を含む、果汁および/または野菜汁を含有する容器詰飲料の提供方法。
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