JP6250423B2 - Bc圧調整方法およびbc圧調整装置 - Google Patents

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Description

本発明は、鉄道車両におけるブレーキシリンダ圧力の制御に関する。
鉄道車両では、例えば雨天時や下り坂などのブレーキ動作中に、車両の走行速度(並進速度或いは対地速度とも言う)よりも車輪の回転速度が低下する「滑走」が生じ得る。滑走が生じると、車輪・レール間の接触力が低下するため、減速距離が延伸し得る。また、滑走時に車輪固着が発生すると、いわゆるフラット等の傷が車輪踏面に生じる場合があるため、滑走時にはブレーキ力を一時的に弱める滑走制御(例えば、特許文献1参照)を行う。すると、滑走制御によるブレーキ力の減少に伴って、ブレーキ性能が低下し、減速距離が一層延伸し得る。
特許第4794690号公報
ブレーキ制御は、一般的に、ブレーキ制御装置(BCU:Brake Control Unit)が装備された車両ごとに独立して行われる。すなわち、他の車両の状態を把握していないため、編成全体でのブレーキ力の過不足は認識されていない。そのため、編成のどこかの軸(輪軸)で滑走が発生すると、編成全体のブレーキ性能が減少するため、基本的に減速距離が短くなることはなく、減速距離が変化する場合には増加する一方であった。
本発明は上述した課題に鑑みて考案されたものであり、その目的とするところは、局所的なブレーキ制御でもって、鉄道車両全体、ひいては列車編成全体でのブレーキ性能を維持するための新たな技術を実現することである。
以上の課題を解決するための第1の発明は、
鉄道車両におけるブレーキ制御の対象軸のブレーキシリンダ圧力(以下「BC圧」という)を調整するBC圧調整方法であって、
前記対象軸の回転速度を用いて当該対象軸の実測減速度を算出する実測減速度算出ステップ(例えば、図2の実測減速度算出部110による処理)と、
前記対象軸のBC圧を用いて、期待されている当該対象軸の減速度である想定減速度を推測する想定減速度推測ステップ(例えば、図2の想定減速度推測部120による処理)と、
前記実測減速度と前記想定減速度との相対関係に基づいて前記対象軸のBC圧を調整する制御を行う調整制御ステップ(例えば、図2の調整制御部130による処理)と、
を含むBC圧調整方法である。
また、他の発明として、
鉄道車両におけるブレーキ制御の対象軸のBC圧を調整するBC圧調整装置(例えば、図1のBC圧調整装置10)であって、
前記対象軸の回転速度を用いて当該対象軸の実測減速度を算出する実測減速度算出部(例えば、図2の実測減速度算出部110)と、
前記対象軸のBC圧を用いて、期待されている当該対象軸の減速度である想定減速度を推測する想定減速度推測部(例えば、図2の想定減速度推測部120)と、
前記実測減速度と前記想定減速度との相対関係に基づいて前記対象軸のBC圧を調整する制御を行う調整制御部(例えば、図2の調整制御部130)と、
を備えたBC圧調整装置を構成することとしてもよい。
この第1の発明によれば、ブレーキ制御の対象軸の回転速度を用いて当該対象軸の実測減速度を求め、当該対象軸のBC圧を用いて、期待されている当該対象軸の想定減速度を求める。BC圧は、ブレーキノッチなどのブレーキ指令に応じて予め設定されている。また、ブレーキ指令は所望の減速度となるブレーキ力(BC圧)を間接的に指示するものである。そのため、対象軸のBC圧から逆算的に、期待されている当該対象軸の想定減速度を推測することができる。そして、実測減速度と想定減速度との相対関係に基づいて、当該対象軸のBC圧を調整する。すなわち、当該対象軸に係る局所的な状態情報を用いて、当該対象軸のBC圧を調整している。
ここで、対象軸に滑走が生じておらず、想定通り順調に減速している状態であれば、想定減速度と実測減速度とは一致するはずである。もしも対象軸に滑走が生じている場合には、想定減速度よりも実測減速度の方が大きくなるはずであるから、その場合には、BC圧を低下させることができる。
そして、対象軸には滑走が生じていないが、自車の他の軸、或いは、列車編成のどこかの軸で滑走が生じて滑走制御が発動した状態では、編成全体として減速度(実測減速度)が低下する。しかし、対象軸においては滑走が生じていないため、実測減速度よりも想定減速度の方が大きくなり、ブレーキ力に余裕がある状態となっている。そこで、対象軸のブレーキ力を増加させることができる。結果、ある軸のブレーキ力が滑走によって低下したとしても、その低下分を、他の軸が分担することができるため、編成全体のブレーキ性能の低下を抑制することができる。
よって、局所的なブレーキ制御でありながら、鉄道車両全体、ひいては列車編成全体でのブレーキ性能を維持する方向に動作するブレーキ制御を実現することが可能となる。
第2の発明は、
前記調整制御ステップは、
前記実測減速度が前記想定減速度より大きく、且つ、その差の閾値を定めた第1閾値条件(例えば、図2の第1閾値条件135)を満たす場合に前記対象軸のBC圧を低減させる低減調整ステップと、
前記実測減速度が前記想定減速度より小さく、且つ、その差の閾値を定めた第2閾値条件(例えば、図2の第2閾値条件137)を満たす場合に前記対象軸のBC圧を増加させる増加調整ステップと、
を含む、
第1の発明のBC圧調整方法である。
この第2の発明によれば、実測減速度が想定減速度より大きく、且つ、その差の閾値を定めた第1閾値条件を満たす場合に対象軸のBC圧を低減させる。また、実測減速度が想定減速度より小さく、且つ、その差の閾値を定めた第2閾値条件を満たす場合に対象軸のBC圧を増加させる。したがって、実測減速度と想定減速度とが異なることでもって即座にBC圧を調整するのではなく、第1閾値条件或いは第2閾値条件を満たして初めてBC圧を調整するため、頻繁にブレーキ力が変化するような事態を避けることができる。
第3の発明は、
前記低減調整ステップは、前記第1閾値条件を満たした場合に、前記実測減速度と前記想定減速度との差が大きいほど、前記対象軸のBC圧の低減量を大きくするステップを含む、
第2の発明のBC圧調整方法である。
第3の発明によれば、第1閾値条件を満たした場合、実測減速度と想定減速度との差が大きいほど、対象軸のBC圧の低減量を大きくする。第1閾値条件を満たし、対象軸のBC圧を低減させる場合には、対象軸に滑走が生じている可能性が高い。実測減速度と想定減速度との差が大きいことは、滑走の度合いが大きいことを意味する。第3の発明によれば、これに効果的に対処することができる。
第4の発明は、
前記調整制御ステップは、前記第1閾値条件の閾値(例えば、図3のΔD1)を、前記第2閾値条件の閾値(例えば、図3のΔD2)よりも小さい閾値とするステップを含む、
第2又は第3の発明のBC圧調整方法である。
この第4の発明によれば、第1閾値条件の閾値は、前記第2閾値条件の閾値よりも小さくすることができる。すなわち、BC圧を低減させる第1閾値条件の方が、BC圧を増加させる第2閾値条件よりも敏感な(条件を満たし易い)条件とすることができる。これにより、対象軸に滑走が発生した場合には早期に対処することができる。
第5の発明は、
前記第1閾値条件および前記第2閾値条件を、前記鉄道車両の走行速度に応じて変更する閾値条件変更ステップ、
を更に含む、
第2〜第4の何れかの発明のBC圧調整方法である。
この第5の発明によれば、走行速度に応じて第1閾値条件及び第2閾値条件を変更することができる。
第6の発明は、
前記対象軸のBC圧は、車両重量、積載荷重、前記対象軸にかかる輪重或いはこれらの指標値(以下包括して「重量指標値」という)に応じた補正がなされており、
前記想定減速度推測ステップは、更に、前記重量指標値を用いて前記想定減速度を推測する、
第1〜第5の何れかの発明のBC圧調整方法である。
この第6の発明によれば、更に重量指標値を用いて想定減速度を推測できる。BC圧は、ブレーキ指令に対応するBC圧を重量指標値に応じた補正が施されて設定されている。そこで、更に重量指標値を用いて想定減速度を推測することで、より精確に想定減速度を推測することができる。
第7の発明は、
前記鉄道車両の前記対象軸それぞれ、或いは、1台車に係る前記対象軸をまとめて台車毎に、個別に前記BC圧調整方法を実行することで、前記鉄道車両で構成した列車編成全体のブレーキ性能を維持する方向に作動することを特徴とする第1〜第6の何れかの発明のBC圧調整方法である。
この第7の発明によれば、第1〜第6の何れかの発明のBC圧調整方法を、鉄道車両の対象軸それぞれ、或いは、1台車に係る対象軸をまとめて台車毎に、個別に実行することができる。これにより、個別のブレーキ制御は局所的でありながらも、列車編成全体のブレーキ性能を維持する方向に動作するブレーキ制御を実現することができる。
ブレーキシステムの構成例を示す図。 BC圧調整装置の機能構成を説明するための図。 閾値条件を説明するための図。
以下、図面を参照して、本発明を適用した一実施形態を説明するが、本発明を適用可能な形態は以下の実施形態に限定されるものではない。
図1は、本実施形態のBC圧調整装置10に係る鉄道車両のブレーキシステム1の構成を示す図である。ブレーキシステム1は、制輪子50で輪軸40を制動させる機械ブレーキ式のシステムであり、電磁弁や当該電磁弁の駆動制御器等でなる制御弁部31が駆動指令信号DSに基づいて電磁弁をON/OFF(開閉)駆動することで、空気タンク60からブレーキシリンダ61への空気圧力の給気/排気を制御して制輪子50によるブレーキ力を制御する。従って、制御弁部31に入力する駆動指令信号DSによって、ブレーキ力が制御されることとなる。また、ブレーキ制御の対象軸である輪軸40は、鉄道車両の各軸であり、各軸について個別に本実施形態のブレーキ制御を行う。
駆動指令信号DSは、ブレーキ制御装置20から出力される基本指令信号BSと、BC圧調整装置10から出力される調整指令信号ASとを信号加算器11が加算合成することで生成される。本実施形態では、説明の簡明化のため、基本指令信号BS、調整指令信号ASおよび駆動指令信号DSを電圧信号とし、電圧が大きいほど大きなブレーキ力を発揮させる信号とする。また、調整指令信号ASは正負両方の信号を取り得ることとする。従って、調整指令信号ASがゼロ信号の場合には、基本指令信号BSが駆動指令信号DSとなり、調整指令信号ASが負信号の場合には、信号加算器11によって基本指令信号BSの大きさが低減されて駆動指令信号DSが生成され、調整指令信号ASが正信号の場合には、基本指令信号BSの大きさが増大されて駆動指令信号DSが生成される。
ブレーキ制御装置20は、運転台等の外部から入力されるブレーキ指令に基づいて基本指令信号BSを生成・出力する装置であり、従来公知のブレーキ制御装置を適用することができる。ブレーキシステム1が搭載された鉄道車両が電気車であり、回生ブレーキが作動可能である場合には、ブレーキ制御装置20に入力されるブレーキ指令は、回生ブレーキによるブレーキ力が控除されたブレーキ力の発生を指示する指令となる。
ブレーキ制御装置20は、次の論理で基本指令信号BSを生成する。すなわち、ブレーキ指令に応じたBC圧が定められたブレーキ指令/BC圧対応テーブル21を用いて、現在入力されているブレーキ指令に応じたBC圧を求める。ブレーキ指令は、所望の減速度となるブレーキ力(BC圧)を間接的に指示するものであるため、基本的には、ブレーキ指令に対応するBC圧であれば、所望の減速度となるブレーキとなるはずである。しかし、同一のBC圧であっても、車両重量や積載荷重、輪軸40にかかる輪重等によって減速度が変化する。そこで、ブレーキ指令に対応するBC圧(以下「基礎BC圧」という)を、車両重量、積載荷重、輪軸40にかかる輪重或いはこれらの指標値(以下包括して「重量指標値」という)に基づき補正することで、最終的なBC圧(以下「最終BC圧」という)を決定する。この最終BC圧によって、ブレーキ指令が表す期待する所望の減速度(期待値とも言える)が発揮されるものとなる。基本指令信号BSは、最終BC圧を示す信号である。
重量指標値に基づく補正は、例えば、重量指標値に応じたゲイン(係数)を、ブレーキ指令に対応するBC圧に乗ずるといった方法を採用することができる。
また、ブレーキ制御装置20は、ブレーキ制御の対象となっている輪軸40の回転速度と走行速度とを比較して(より詳細には単位を対地速度に揃えて比較して)輪軸40に滑走が発生しているかを判定し、滑走が発生している場合には基本指令信号BSを一時的に低減させる滑走制御を発動する。輪軸40の回転速度は、輪軸40の車軸に取り付けられた速度発電機35からのPG信号で示される。また、走行速度は、運転台等から入力される。
以上の基本指令信号BSの生成論理および滑走制御は、従来公知のブレーキ制御装置20による信号生成と同じである。生成論理を簡略化する場合には、重量指標値を規定値(例えば車両重量や静止軸重)とし、重量指標値に基づく補正を省略することとしてもよい。また、ブレーキ指令は、例えば、ブレーキノッチ信号とすることもできる。
重量センサ36は、空気バネ圧を検出して車両重量を検出するセンサや、輪軸40の軸箱支持装置に内蔵された輪重を検出するロードセル等で構成され、重量指標値をブレーキ制御装置20およびBC圧調整装置10に出力する。なお、鉄道車両の諸元として車両重量や静止軸重が予め定められているため、重量センサ36は、検出された重量から積載荷重や軸重変動量を検出することも可能である。また、重量センサ36は、検出した重量そのものを直接又は間接に示す指標値を出力することとしてもよい。
BC圧調整装置10は、ブレーキシリンダ61内の空気圧であるBC圧と、輪軸40の回転速度と、鉄道車両の走行速度とを用いて調整指令信号ASを生成・出力する。BC圧は圧力センサ37によって検出され、輪軸40の回転速度は速度発電機35からのPG信号で示される。また、走行速度は、運転台等から入力される。
図2は、BC圧調整装置10の機能構成を説明するための図である。BC圧調整装置10は、例えば、CPU(Central Processing Unit)や各種の電子回路、メモリ回路などを搭載した制御ボードとして構成される。BC圧調整装置10は、信号加算器11とともに、ブレーキ制御装置20の筐体内に内蔵する構成としてもよい。
BC圧調整装置10は、実測減速度算出部110と、想定減速度推測部120と、調整制御部130とを備える。実測減速度算出部110は、ブレーキ制御の対象軸である輪軸40の回転速度の時間変化から減速度を実測する。以下、この減速度を「実測減速度」RDという。
想定減速度推測部120は、圧力センサ37から入力されるBC圧と、重量センサ36から入力される重量指標値とを用いて、期待されている所望の減速度(期待値とも言える)である想定減速度EDを算出する。
上述した通り、ブレーキ制御装置20は、ブレーキ指令に対応するBC圧(基礎BC圧)を、重量指標値に基づき補正することで最終BC圧を求め、この最終BC圧を示す基本指令信号BSを生成・出力している。想定減速度推測部120は、いわばこの論理を逆算することで想定減速度EDを算出する。すなわち、圧力センサ37から入力されるBC圧は最終BC圧と推定されるため、重量センサ36から入力される重量指標値に基づき逆補正することで、基礎BC圧を推定する。逆補正は、ブレーキ制御装置20が行う重量指標値に基づく補正の逆演算であり、重量指標値に基づく補正が係数の乗算であれば、当該係数による除算となる。そして、BC圧と想定減速度EDとの対応関係を定めたBC圧/想定減速度対応テーブル121を用いて、基礎BC圧から想定減速度EDを求める。
なお、ブレーキ制御装置20の基本指令信号BSの生成論理が、重量指標値を既定値として、重量指標値に基づく補正を省略するものである場合には、想定減速度推測部120は、重量センサ36から入力される重量指標値を用いずに、圧力センサ37から入力されるBC圧から想定減速度EDを求めることができる。また、BC圧/想定減速度対応テーブル121に用いるBC圧を、基礎BC圧とせず、最終BC圧とすることとしてもよい。その場合には、圧力センサ37から入力されるBC圧を用いて、想定減速度EDを求めることができる。
調整制御部130は、実測減速度算出部110が算出した実測減速度RDと、想定減速度推測部120が推測した想定減速度EDと、鉄道車両の走行速度Vとを用いて調整指令信号ASを生成する。調整制御部130は、調整指令生成部131と、閾値条件設定部133とを有する。閾値条件設定部133は、実測減速度RDが、想定減速度EDより大きい第1閾値SH1以上(或いは超える)となることを条件とする第1閾値条件135と、想定減速度EDより小さい第2閾値SH2以下(或いは未満)となることを条件とする第2閾値条件137とを設定する。そして、調整指令生成部131は、実測減速度RDが想定減速度EDより大きく、且つ、その差が第1閾値条件135を満たす場合には、BC圧を低減させる調整指令信号ASを生成する。この場合には、ブレーキ制御の対象軸である輪軸40に滑走が発生している可能性がある。そのため、BC圧を低減させる調整指令信号ASを生成する。
また、実測減速度RDが想定減速度EDより小さく、且つ、その差が第2閾値条件137を満たす場合には、BC圧を増加させる調整指令信号ASを生成する。この場合、ブレーキ制御の対象軸である輪軸40に滑走が発生している可能性はなく、むしろブレーキ力に余裕がある状態と言える。また、実測減速度RDが想定減速度EDと同一ではなく、小さくなっていることから、列車編成(或いは鉄道車両)のどこかの軸で滑走が発生して滑走制御が発動し、列車編成全体のブレーキ力が低下した状態と考えられる。そこで、ブレーキ力に余裕がある輪軸40のブレーキ力を増加させる調整をすることで、列車編成全体のブレーキ性能の低下を抑制する。すなわち、各軸ごとの局所的なブレーキ制御でありながら、列車編成全体のブレーキ性能を維持する方向に動作するブレーキ制御を実現する。
具体的に図3を参照して説明する。図3は、閾値条件を説明するための図であり、想定減速度EDを基準とした場合の、実測減速度RDと想定減速度EDとの相対関係に基づく閾値条件である第1閾値SH1、第2閾値SH2を表す。
閾値条件設定部133は、第1閾値SH1を、想定減速度EDよりΔD1だけ大きい減速度に設定し、このΔD1を走行速度Vが高速になるほど小さくなるようにする。また、第2閾値SH2を、想定減速度EDよりΔD2だけ小さい減速度に設定し、このΔD2を走行速度Vが高速になるほど小さくなるようにする。
例えば、走行速度Vが“V1”で実測減速度RDが“RD1”であるサンプルS1においては、“RD1”が第1閾値SH1より大きいため、第1閾値条件135を満たすこととなる。一方、走行速度Vが“V3”で実測減速度RDが“RD3”であるサンプルS3においては、“RD3”が第2閾値SH2より小さいため、第2閾値条件137を満たすこととなる。また、走行速度Vが“V2”で実測減速度RDが“RD2”であるサンプルS2においては、“RD2”が第1閾値SH1以下であり、且つ、第2閾値SH2以上であるため、第1閾値条件135及び第2閾値条件137の何れも満たさないこととなる。
なお、図3では、走行速度Vと、第1閾値SH1及び第2閾値SH2との関係が連続的な相関関係として示したが、走行速度Vを複数の速度域に分け、各速度域に対応する第1閾値SH1及び第2閾値SH2を定めるようにしてもよい。
走行速度Vが高速になるほどΔD1,ΔD2を小さくするのは、高速であるほど、ブレーキ力の調整を敏感に行うため、第1閾値条件135及び第2閾値条件137を満足し易くしたものである。
また、ΔD1はΔD2よりも小さく設定する。ブレーキ制御の対象軸である輪軸40に滑走が発生した場合に早期に対処するため、BC圧を低減させる第1閾値条件135の方が、BC圧を増加させる第2閾値条件137よりも敏感な(条件を満たし易い)条件とするものである。
調整指令生成部131は、第1閾値条件135を満たした場合には、BC圧を低減させる調整指令信号ASを生成して出力し、第2閾値条件137を満たした場合には、BC圧を増加させる調整指令信号ASを生成して出力する。また、第1閾値条件135を満たした場合には、実測減速度RDと想定減速度EDとの差が大きいほど、BC圧の低減量を大きくするように調整指令信号ASを生成する。第1閾値条件135を満たした場合には、輪軸40に滑走が生じている可能性が高い。実測減速度RDと想定減速度EDとの差が大きいほど、滑走の度合いも大きいため、差が大きいほど、BC圧の低減量を大きくするのである。
また、調整指令生成部131は、第1閾値条件135及び第2閾値条件137の両方を満たさない場合には、基本指令信号BSを駆動指令信号DSとすべく、調整指令信号ASをゼロ信号とする。
以上、本実施形態によれば、輪軸40の回転速度を用いて輪軸40の実測減速度RDを求め、輪軸40のBC圧を用いて、期待されている輪軸40の想定減速度EDを求めることができる。そして、実測減速度RDと想定減速度EDとの相対関係に基づいて、輪軸40のBC圧を調整することができる。
輪軸40に滑走が生じておらず、想定通り順調に減速している状態であれば、実測減速度RDと想定減速度EDとは一致するはずである。もしも輪軸40に滑走が生じている場合には、想定減速度EDよりも実測減速度RDの方が大きくなるはずであるから、その場合には、BC圧を低下させることができる。
また、輪軸40には滑走が生じていないが、自車の他の軸、或いは、列車編成のどこかの軸で滑走が生じて滑走制御が発動した状態では、編成全体として減速度(実測減速度RD)が低下する。しかし、輪軸40においては滑走が生じていないため、実測減速度RDよりも想定減速度EDの方が大きくなり、ブレーキ力に余裕がある状態となっている。そこで、輪軸40のブレーキ力を増加させることができる。結果、ある軸のブレーキ力が滑走によって低下したとしても、その低下分を、他の軸が分担することができるため、編成全体のブレーキ性能の低下を抑制することができる。
よって、ブレーキ制御の対象軸は個別(局所的)でありながらも、鉄道車両全体、ひいては列車編成全体でのブレーキ性能を維持する方向に動作するブレーキ制御を実現することができる。
以上、本発明を適用した一実施形態を説明したが、本発明が適用可能な形態は上述した実施形態に限らない。
例えば、各軸を個別に本実施形態のブレーキ制御の対象軸とすることとして説明したが、1台車に係る複数軸を纏めて対象軸とし、各台車毎に本実施形態のブレーキ制御を適用することとしてもよい。
また、BC圧調整装置10と信号加算器11とを別体として説明したが、BC圧調整装置10が信号加算器11を有するように構成してもよい。
10 BC圧調整装置
110 実測減速度算出部
120 想定減速度推測部
130 調整制御部
131 調整指令生成部
133 閾値条件設定部
11 信号加算器
20 ブレーキ制御装置
31 制御弁部
35 速度発電機
37 圧力センサ
40 輪軸
50 制輪子
61 ブレーキシリンダ

Claims (6)

  1. 鉄道車両におけるブレーキ制御の対象軸のブレーキシリンダ圧力(以下「BC圧」という)を調整するBC圧調整方法であって、
    前記対象軸の回転速度を用いて当該対象軸の実測減速度を算出する実測減速度算出ステップと、
    前記対象軸のBC圧を用いて、期待されている当該対象軸の減速度である想定減速度を推測する想定減速度推測ステップと、
    前記実測減速度が前記想定減速度より大きく、且つ、その差の閾値を定めた第1閾値条件を満たす場合に前記対象軸のBC圧を低減させる低減調整ステップと、
    前記実測減速度が前記想定減速度より小さく、且つ、その差の閾値を定めた第2閾値条件を満たす場合に前記対象軸のBC圧を増加させる増加調整ステップと、
    を含み、前記第1閾値条件の閾値が前記第2閾値条件の閾値よりも小さい閾値に設定された、BC圧調整方法。
  2. 前記低減調整ステップは、前記第1閾値条件を満たした場合に、前記実測減速度と前記想定減速度との差が大きいほど、前記対象軸のBC圧の低減量を大きくするステップを含む、
    請求項に記載のBC圧調整方法。
  3. 前記第1閾値条件および前記第2閾値条件を、前記鉄道車両の走行速度に応じて変更する閾値条件変更ステップ、
    を更に含む、
    請求項1又は2に記載のBC圧調整方法。
  4. 前記対象軸のBC圧は、車両重量、積載荷重、前記対象軸にかかる輪重或いはこれらの指標値(以下包括して「重量指標値」という)に応じた補正がなされており、
    前記想定減速度推測ステップは、更に、前記重量指標値を用いて前記想定減速度を推測する、
    請求項1〜の何れか一項に記載のBC圧調整方法。
  5. 前記鉄道車両の前記対象軸それぞれ、或いは、1台車に係る前記対象軸をまとめて台車毎に、個別に前記BC圧調整方法を実行することで、前記鉄道車両で構成した列車編成全体のブレーキ性能を維持する方向に作動することを特徴とする請求項1〜の何れか一項に記載のBC圧調整方法。
  6. 鉄道車両におけるブレーキ制御の対象軸のBC圧を調整するBC圧調整装置であって、
    前記対象軸の回転速度を用いて当該対象軸の実測減速度を算出する実測減速度算出部と、
    前記対象軸のBC圧を用いて、期待されている当該対象軸の減速度である想定減速度を推測する想定減速度推測部と、
    前記実測減速度が前記想定減速度より大きく、且つ、その差の閾値を定めた第1閾値条件を満たす場合には前記対象軸のBC圧を低減させ、前記実測減速度が前記想定減速度より小さく、且つ、その差の閾値を定めた第2閾値条件を満たす場合には前記対象軸のBC圧を増加させる制御を行う調整制御部と、
    を備え、前記第1閾値条件の閾値を前記第2閾値条件の閾値よりも小さい閾値に設定したBC圧調整装置。
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