JP6241996B2 - マグネシウムイオン二次電池用正極活物質及びその製造方法並びにマグネシウムイオン二次電池 - Google Patents

マグネシウムイオン二次電池用正極活物質及びその製造方法並びにマグネシウムイオン二次電池 Download PDF

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Description

本発明は、マグネシウムイオン二次電池用正極活物質及びその製造方法並びにマグネシウムイオン二次電池に関する。
近年、携帯電話やノート型パソコン等のポータブル電子機器が多く登場し、急速に需要が拡大している。また、これらの電子機器や電気自動車等の電源として使用される二次電池に対する研究が活発に行われている。二次電池の中でもリチウムイオン二次電池は、近年大きな発展を遂げており、高容量の二次電池としてポータブル機器などに賞用されている。
リチウムイオン二次電池用の正極材料としては、コバルト酸リチウム(LiCoO)やニッケル酸リチウム(LiNiO)、これらのリチウム遷移金属複合酸化物に金属元素を一部置換した複合酸化物などが用いられている。また、スピネル構造を有するマンガン酸リチウム(LiMn)は、高エネルギー密度、高電圧を有する安価なリチウムイオン二次電池用の正極材料として、開発が進められている。
コバルト酸リチウム(LiCoO)は、CoO八面体からなる二次元平面と、その層間にLiが挿入された層状構造を有する。Liは、CoO八面体からなる層間の二次元平面内を拡散し、電極/電解液界面で充放電反応に対応する挿入離脱が進行する。拡散経路が二次元的であることにより、三次元トンネル構造を有するスピネル構造などと比較して、LiCoO中のLiは容易に拡散する。
しかしながら、リチウムは一般に高価な原材料であるため、大容量リチウムイオン二次電池の価格低減を阻害する要因の一つとなっている。しかも、リチウム資源は、塩湖かん水が占める割合が高く、地域的偏在性を有しているため、供給の安定性に難点が有る。
そのため、リチウム以外の元素をキャリアイオンとしたポストリチウムイオン二次電池の実現に大きな期待が集まりつつある。
マグネシウムイオン二次電池は、1993にP.Novakらによりポストリチウムイオン二次電池となる可能性が示された(非特許文献1参照)。マグネシウムイオン二次電池は、リチウムイオン二次電池と比較して安全性が高い。また、マグネシウムは、リチウムと比較して低価格であり、供給不安もなく好ましい。
非特許文献1には、マグネシウムイオン二次電池の正極としてTiS,ZrS,RuO,Co,Vからなるものが記載されている。
また、E.Leviらは、マグネシウムイオン二次電池の技術課題を総括し、起電力及び正極内のキャリアイオンの移動度向上によるレート特性の改善が重要な技術課題であることを示した(非特許文献2参照)。
特許文献としては、マグネシウムイオン二次電池用の正極活物質としてスピネル構造を有する化合物を使用した報告例(例えば、特許文献1及び特許文献2)を挙げることができる。
特開2002−100344号公報 特開2011−165639号公報
P.Novak,et al.,J.Electrochem.Soc.,140(1993)140−144. E.Levi,et al.,Chem.Mater.,22(2010)860−868. T.Motohashi,et al.,Mater.Res.Bull.,44(2009)1899−1905.
しかしながら、従来のマグネシウムイオン二次電池用の正極活物質は、LiCoOのような層状構造を有するものではなく、これを用いた正極を備えるマグネシウムイオン二次電池を製造した場合に、十分な起電力及びレート特性が得られるものではなかった。
本発明は、上記のような問題を解決しようとするものであり、起電力及びレート特性に優れるマグネシウムイオン二次電池を製造可能とするマグネシウムイオン二次電池用の正極活物質及びその製造方法を提供することを課題としている。
また、本発明は、起電力及びレート特性に優れるマグネシウムイオン二次電池を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた。
その結果、Mg2−z・・・(式1)((式1)において、Mは、遷移金属元素であり、xは0<x≦1.2、yは0.8≦y≦1.2、zは0≦z<2の範囲の数である。)で示される組成のマグネシウムイオン二次電池用正極活物質を用いて正極を製造することにより、起電力及びレート特性に優れるマグネシウムイオン二次電池が得られることを見出し、以下に示す本発明を完成するに至った。
(1)下記(式1)で示される組成であることを特徴とするマグネシウムイオン二次電池用正極活物質。
Mg2−z・・・(式1)
(式1)において、Mは、遷移金属元素であり、xは0<x≦1.2、yは0.8≦y≦1.2、zは0≦z<2の範囲の数である。
(2)前記(式1)においてMが、Ti,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Cr,Mo,W,Mn,Fe,Co,Ni,Cuから選ばれる一種以上の元素であることを特徴とする上記(1)に記載のマグネシウムイオン二次電池用正極活物質。
(3)M元素の回りに窒素原子からなる陰イオンが6配位した多面体からなる層または窒素原子及び酸素原子からなる陰イオンが6配位した多面体からなる層と、その層間に挿入されたマグネシウムイオンとからなる層状構造を有することを特徴とする上記(1)または(2)に記載のマグネシウムイオン二次電池用正極活物質。
(4)MgとM元素とを含有する複酸化物からなる中間化合物を生成する工程と、該中間化合物を窒素ガスおよび/またはアンモニアからなる雰囲気中で加熱する工程とを含むことを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載のマグネシウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法。
(5)Mgにイオン交換可能な元素と、Mgにイオン交換可能な元素ではないM元素とを含有する第1中間化合物を生成する工程と、該第1の中間化合物を窒素ガスおよび/またはアンモニアからなる雰囲気中で加熱し第2中間化合物を生成する工程と、該第2中間化合物と、200〜500℃で熔融可能なMg化合物とを混合加熱しイオン交換する工程と、を含むことを特徴とする(1)〜(3)のいずれか一項に記載のマグネシウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法。
(6)前記Mgにイオン交換可能な元素がFe、Cr、Mn、Co、Niである(5)に記載のマグネシウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法。
(7)少なくとも、負極と、正極と、前記正極と前記負極との間に介在する電解質及び非水電解質溶媒、又は固体電解質とを含み、前記正極が、上記(1)〜(3)のいずれかに記載のマグネシウムイオン二次電池用正極活物質を含有することを特徴とするマグネシウムイオン二次電池。
本発明によれば、高起電力でレート特性に優れたマグネシウムイオン二次電池を提供できる正極活物質を実現できる。
図1は、本発明のマグネシウム二次電池の一例を示した断面図である。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、本発明は、以下に示す例のみに限定されるものではない。
「正極活物質」
本実施形態のマグネシウムイオン二次電池用正極活物質(以下「正極活物質」と略記する。)は、下記(式1)で示される組成であるものである。
Mg2−z・・・(式1)
(式1)において、Mは、遷移金属元素であり、xは0<x≦1.2,yは0.8≦y≦1.2,zは0≦z<2の範囲の数である。当該範囲においてx、y及びzの値を選択できる。
上記(式1)で示される正極活物質は、M元素の回りに窒素原子からなる陰イオンが6配位した多面体からなる層または窒素原子及び酸素原子からなる陰イオンが6配位した多面体からなる層と、その層間に挿入されたマグネシウムイオンとからなるFeWN型の層状構造を有するものである。
上記(式1)において、Mgは、本実施形態の正極活物質を含む正極を備えるマグネシウムイオン二次電池(以下「Mg二次電池」と略記する。)を製造した場合に、キャリアイオンとなる元素である。
上記(式1)で示されるxは0<x≦1.2,yは0.8≦y≦1.2,zは0≦z<2の範囲である。x及びyの値がこの範囲から外れると、層状構造を有する正極活物質に含まれる不純物相の割合が多くなる。このため、本実施形態の正極活物質を含む正極を備えたMg二次電池の電気化学特性が不十分となる。
上記(式1)で示されるx及びyの好ましい範囲は、0.9≦x≦1.1,0.9≦y≦1.1の範囲である。x及びyをこの範囲とすることで、より優れた電気化学特性を有するMg二次電池を製造できる正極活物質となる。
上記(式1)で示されるzの値は、0≦z<2の範囲である。z=2の場合は、正極活物質が窒素を含有しない状態である。正極活物質が窒素を含有しないものである場合、正極活物質を用いて得られた正極において、窒素を含有することに起因するマグネシウムイオンの受ける静電気的拘束力を低減させる効果が得られない。このため、この正極を備えたMg二次電池おいて、正極内のキャリアイオンの移動度が不足し、Mg二次電池おけるレート特性が不十分となる。正極活物質を用いて得られた正極において、マグネシウムイオンの受ける静電気的拘束力を低減させて、十分なレート特性を得るためには、zの値は0≦z≦(2/3)の範囲であることが好ましい。また、正極活物質に含まれる窒素の含有量が(式1)で示される範囲を超えると、6配位した多面体からなる層が十分に得られない。このため、層状構造を有する正極活物質に含まれる不純物相が多くなり、正極活物質を含む正極を備えたMg二次電池の電気化学特性が不十分となる。
上記(式1)で示されるM元素は、遷移金属元素であり、Ti,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Cr,Mo,W,Mn,Fe,Co,Ni,Cuから選ばれる一種以上の元素であることが好ましい。M元素が、Ti,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Cr,Mo,W,Mn,Fe,Co,Ni,Cuから選ばれる一種以上の元素である場合、M元素の回りに陰イオンが6配位した多面体からなる層と、その層間に挿入されたマグネシウムイオンとからなる層状構造を容易に形成できる。
上記(式1)で示されるM元素は、上記の中でもV,Nb,Ta,Cr,Mo,Wから選ばれる1種以上の元素であることがより好ましい。M元素がこれらの元素である場合、正極活物質を含む正極を備えたMg二次電池において、高いレート特性が得られる。より一層高いレート特性を得るために、上記(式1)で示されるM元素は、Moおよび/またはWであることがさらに好ましい。
また、上記(式1)で示されるM元素は、正極活物質を含む正極を備えたMg二次電池において高い起電力を得るために、有効核電荷の大きな元素であるMn,Fe,Co,Ni,Cuから選ばれる1種以上の元素であることが好ましい。
さらに、上記(式1)で示されるM元素は、高いレート特性を得るために好ましい元素(例えばMoおよび/またはW)と、高い起電力を得るために好ましい元素(例えばNi)とを組み合わせたものであってもよい。
上記(式1)で示されるM元素が、Ti,Zr,Hfから選ばれる1種以上の元素を含む場合、必要に応じてV,Nb,Ta,Cr,Mo,W,Mn,Fe,Co,Ni,Cuから選ばれる1種以上の元素と組み合わせることにより、正極活物質の層状構造を安定化させることができ、好ましい。
また、上記(式1)で示されるM元素の価数(v)は、以下に示す(式2)を満たすものであることが好ましい。
v=(6−2x−z)/y・・・(式2)
(式2)において、x,y,zは上記(式1)と同じである。
M元素の価数(v)が(式2)を満たすものである場合、正極活物質の化学的安定性が向上するため好ましい。
なお、M元素が価数の異なる2種以上の元素を含む場合のyは、合計したM元素の原子比である。この場合、価数の異なる2種以上の元素の原子比を調整して(式2)を満たすようにすることで、層状構造を有し、不純物相が少なく、より高起電力でレート特性に優れたMg二次電池を提供できる正極活物質となる。
本実施形態の正極活物質は、上記(式1)で示される組成であるため、M元素の回りに陰イオンが6配位した多面体からなる層と、その層間に挿入されたマグネシウムイオンとからなる層状構造を有するものとなる。このため、本実施形態の正極活物質を含む正極を備えるMg二次電池を製造した場合に、キャリアイオンであるマグネシウムイオンが、M元素の回りに陰イオンが6配位した多面体からなる層の間を移動するものとなる。層間におけるマグネシウムイオンの移動は、トンネル構造を有する正極活物質と比較して、容易である。その結果、本実施形態の正極活物質を含む正極を備えたMg二次電池は、正極におけるキャリアイオンの移動度が高く、高起電力でレート特性に優れたものとなる。
しかも、本実施形態の正極活物質を含む正極では、正極活物質に窒素が導入されているため、バンドギャップが狭く、電気伝導度が大きいことから、マグネシウムイオンの受ける静電気的拘束力が低減される。このため、本実施形態の正極活物質を含む正極を備えるMg二次電池は、正極におけるキャリアイオンの移動度が高く、レート特性の優れたものとなる。
より詳細には、Mg二次電池は、キャリアイオンであるマグネシウムイオンがII価のイオンである。このため、配位する陰イオンによる静電気的拘束力が大きく、Mg二次電池のレート特性を向上させる妨げとなっていた。一般に、正極内をキャリアイオンが移動する際の静電気的拘束力は、正極内の電荷移動により低減できる。また、窒化物、酸窒化物は、共有結合性が強く、酸化物と比較して狭いバンドギャップを有している。また、一般に、窒化物、酸窒化物の電気伝導度は、酸化物のそれよりも大きい。したがって、正極活物質として、窒素が導入されているものを用いることにより、これを用いた正極内でマグネシウムイオンの受ける静電気的拘束力を効果的に低減できる。
「正極活物質の第1の製造方法」
次に、本発明の正極活物質の第1の製造方法について説明する。
正極活物質の第1の製造方法は、上記(式1)で示される組成を有する正極活物質を製造する方法であり、MgとM元素とを含有する複酸化物からなる中間化合物を生成する工程と、該中間化合物を窒素ガスおよび/またはアンモニアからなる雰囲気中で加熱(焼成)する工程とを含む。
中間化合物を生成する工程では、まず、Mg酸化物もしくは加熱によりMg酸化物を生成するMg化合物と、M元素の酸化物もしくは加熱によりM元素の酸化物を生成するM化合物とを、所望の比率で混合して原料混合物を作製する。
加熱により酸化物を生成するMg化合物としては、例えば、Mg(OH)(水酸化マグネシウム),Mg (C)・4HO(酢酸マグネシウム),Mg (C)(酢酸マグネシウム),MgCO(basic)(炭酸マグネシウム), Mg(NO・6HO(硝酸マグネシウム), Mg(NO(硝酸マグネシウム),MgC(蓚酸マグネシウム), MgC・2HO(蓚酸マグネシウム), MgSO・xHO(硫酸マグネシウム),MgSO(硫酸マグネシウム), Mg(OCH(ジメトキシマグネシウム), Mg(OC(ジエトキシマグネシウム), Mg(O−n−C(ジ−n−プロポキシマグネシウム), Mg(O−n−C(ジ―n―ブトキシマグネシウム, Mg(O−i−Cジ―i―プロポキシマグネシウム, Mg(O−i−C(ジ−i−ブトキシマグネシウム), Mg(C1119)(ビス(ジピバロイルメタナト)マグネシウム)などが挙げられる。
加熱によりM元素の酸化物を生成するM化合物としては、例えば、M元素の水酸化物、シュウ酸塩、酢酸塩、炭酸塩、塩基性炭酸塩、硝酸塩、硫酸塩、アルコキシドなどが挙げられる。
上記の原料混合物としては、原料混合物となる材料を機械的に混合することにより得られた混合粉末を用いてもよいし、液相を介して原料混合物となる材料を混合する方法により得られたものを用いてもよい。
まず、原料混合物となる材料を機械的に混合して原料混合物である混合粉末を得る場合について説明する。
原料混合物となる材料を機械的に混合する場合、溶媒を用いない乾式ミル法によって混合してもよいし、溶媒を用いる湿式ミル法により混合してもよい。
原料混合物となる材料を機械的に混合する場合に使用するミルの種類としては、特に限定されるものではなく、例えば、ボールミル、振動ミル、アトリッションミル等を用いることができる。設備費用の観点から、ボールミルを用いることが好ましい。
原料混合物となる材料を機械的に混合する場合、原料混合物となる材料を湿式ミル法により溶媒とともに混合して混合スラリーを作製することが好ましい。この場合、得られた混合スラリーを蒸発乾固することにより、短時間で微視的に均一な混合粉末が得られる。
湿式ミル法を用いる場合に使用される溶媒としては、エタノール、メタノール、イソプロパノール、ヘキサン、アセトン、水等が挙げられる。安全性及び製造コストを勘案すると、これらの溶媒の中でも、アセトン、エタノール、ヘキサン、水の何れかを用いることが好ましい。
湿式ミル法を用いる場合における原料混合物となる材料と溶媒との比率は、得られる混合スラリーの粘度によって決定できる。好ましい混合スラリーの粘度は、50〜500cpsである。混合スラリーの粘度が50cpsより小さいと、混合スラリーの乾燥に要するエネルギー量が増大するため好ましくない。一方、混合スラリーの粘度が500cpsを越えると、均一な混合粉末を得るのに長時間を要するため好ましくない。
湿式ミル法により得られた混合スラリーは、乾燥機等に静置して溶媒を蒸発させてもよいし、スプレードライヤーを用いて溶媒を蒸発させてもよい。スプレードライヤーを用いて混合スラリーから溶媒を蒸発させた場合、原料混合物となる材料が再分離することを心配することなく、短時間で溶媒を除去することができ、容易に原料混合物として用いる混合粉末が得られる。また、スプレードライヤーを用いて得られた混合粉末は、粒径が数十〜数百μmの顆粒状を呈しているため、流動性に優れ、取り扱いが容易である。
次に、液相を介して原料混合物となる材料を混合して原料混合物として用いる混合粉末を得る場合について説明する。
原料混合物は、例えばゲル化法(非特許文献3参照)を用いて、液相を介して原料混合物となる材料を混合する方法によっても得られる。
ゲル化法は、水に可溶なMg化合物と水に可溶なM元素化合物をクエン酸と共に水に溶解し、この水溶液を加熱しながら撹拌することで、水溶液中の原料のゲル化を促進し、原料化合物を得る方法である。ゲル化法では、原料混合物がゲル状の形態となる。
またゲル化法では、水に可溶なMg化合物は、前述の加熱により酸化物を生成するMg化合物のうち水に可溶なMg (C)・4HO(酢酸マグネシウム),Mg (C)(酢酸マグネシウム),MgCO(basic)(炭酸マグネシウム), Mg(NO・6HO(硝酸マグネシウム), Mg(NO(硝酸マグネシウム),MgC(蓚酸マグネシウム), MgC・2HO(蓚酸マグネシウム), MgSO・xHO(硫酸マグネシウム),MgSO(硫酸マグネシウム)の他に、塩化マグネシウム(MgCl)等を用いることができる。また水に可溶なM化合物としては、前述のもののうち水に可溶な物質の他に、アンモニウム化合物等を用いることができる。具体的には、例えばM元素としてタングステンを用いる場合に、メタタングステン酸アンモニウム等を用いることができる。また、M元素としてモリブデンを用いる場合には、モリブデン酸アンモニウムを用いることができる。
また液相を介して原料混合物となる材料を混合する方法としては、共沈法や金属アルコキシド法等を用いることもできる。
液相を介して原料混合物となる材料を混合した場合、原料混合物となる材料を機械的に混合した場合よりも、MgとM元素を含有する化合物とが均一に混ざり合った原料混合物が得られる。このため、原料混合物となる材料を機械的に混合した場合よりも、後述する原料混合物のか焼および/または中間化合物の焼成を短時間とすることができる。
次に、このようにして得られた原料混合物を加熱(か焼)して、MgとM元素とを含有する複酸化物からなる中間化合物を生成する。
中間化合物を合成するか焼における加熱温度(か焼温度)は、500〜1400℃であることが好ましく、600〜1200℃であることがより好ましい。か焼温度が1400℃を超えると、生成した中間化合物の粒径が大きくなるため、中間化合物を窒素ガスおよび/またはアンモニアからなる雰囲気中で加熱(焼成)する工程での反応性が低下し、好ましくない。また、か焼温度が500℃未満であると、中間化合物である複酸化物が合成されにくくなる。か焼は、空気中で行うことが好ましい。
ただし原料化合物を、液相を介して得る場合は、中間化合物を生成するための加熱温度は、250〜1000℃であることが好ましい。加熱温度が1000℃を超えると、生成した中間化合物の粒径が大きくなるため、中間化合物を窒素ガスおよび/またはアンモニアからなる雰囲気中で加熱(焼成)する工程での反応性が低下し、好ましくない。また加熱温度が250℃未満であると、中間化合物である複酸化物が合成されにくくなるため好ましくない。液相を介して中間化合物を合成する場合は、乾式や湿式の方法に比べて低温で中間化合物を合成することができる。
次に、このようにして得られた中間化合物を窒素ガスおよび/またはアンモニアからなる雰囲気中で加熱(焼成)する工程を行うことにより正極活物質を生成する。
焼成する中間化合物は、1種類の中間化合物のみであってもよいし、2種類以上の中間化合物の混合物であってもよい。
また、中間化合物を焼成する前に、中間化合物と正極活物質となる原料とを混合して中間化合物を含む混合物とし、これを焼成することにより正極活物質を生成してもよい。中間化合物を含む混合物は、上述した原料混合物となる材料を混合する方法と同様の方法を用いて製造できる。
上記の中間化合物あるいは中間化合物を含む混合物は、嵩密度40%以下の充填率に保持した状態で焼成するとよい。嵩密度とは、粉末の体積充填率であり、一定容器に充填したときの質量と体積との比を化合物の理論密度で割った値である。嵩密度を40%以下の状態に保持したまま焼成すると、中間化合物あるいは中間化合物を含む混合物の周りに自由な空間がある状態で焼成することになる。その結果、中間化合物あるいは中間化合物を含む混合物と雰囲気ガスとの反応性が向上するため、好ましい。
焼成雰囲気は、窒素ガスおよび/またはアンモニアからなる雰囲気とする。窒素ガスおよび/またはアンモニアからなる雰囲気は、中間化合物あるいは中間化合物を含む混合物との反応性が高く、中間化合物あるいは中間化合物を含む混合物を効率よく窒化できるため、アンモニア雰囲気であることが好ましい。窒素ガスおよび/またはアンモニアからなる雰囲気には、必要に応じて水素が含まれていてもよい。
中間化合物あるいは中間化合物を含む混合物は、焼成炉中に雰囲気ガスが充填された状態で焼成してもよいし、雰囲気ガスの気流中で焼成してもよいが、中間化合物あるいは中間化合物を含む混合物と雰囲気ガスとの反応を促進するために、雰囲気ガスの気流中で焼成することが好ましい。雰囲気ガスの気流中で中間化合物あるいは中間化合物を含む混合物を焼成する場合、雰囲気ガスの流量は、10ml/分以上であることが好ましい。
窒素ガスおよび/またはアンモニアからなる雰囲気中で焼成する際の焼成温度は、500℃〜1200℃の温度範囲とすることが好ましい。焼成温度を上記範囲とすることで、容易に中間化合物あるいは中間化合物を含む混合物を窒化でき、所望の正極活物質が得られる。焼成温度が500℃未満であると、正極活物質を得るのに長時間を要するため好ましくない。また、焼成温度が1200℃を超えると、正極活物質の表面において熱分解が始まるため、好ましくない。焼成温度は、600〜1100℃であることが好ましい。
焼成時間は、1時間〜20時間であることが好ましい。焼成時間が1時間未満であると、焼成が不十分となって、中間化合物あるいは中間化合物を含む混合物が十分に窒化されない場合があり、所望の正極活物質が得られにくくなる。焼成時間が20時間を越えると、生産性に支障を来すため好ましくない。
本実施形態においては、必要に応じて、中間化合物あるいは中間化合物を含む混合物を焼成して得られた焼成物を、さらに1回以上焼成してもよい。この場合の焼成条件は、1回目と同じであってもよいし、異なっていてもよい。焼成物を、さらに1回以上焼成することで、より均一な正極活物質が得られる。
また、焼成物を、さらに1回以上焼成する場合には、より均一な正極活物質を得るために、焼成する焼成物を解砕混合してから焼成することが好ましい。
以上の工程により、第1の製造方法を用いて正極活物質が得られる。
本実施形態の正極活物質の製造方法は、MgとM元素とを含有する複酸化物からなる中間化合物を生成する工程と、該中間化合物を窒素ガスおよび/またはアンモニアからなる雰囲気中で加熱(焼成)する工程とを含む方法であり、中間化合物がMgとM元素とが原子レベルで均一に分散されているものであるので、中間化合物を窒素ガスおよび/またはアンモニアからなる雰囲気中で加熱して窒化することにより、容易に上記(式1)で示される組成を有し、不純物相が少なく、層状構造を有する正極活物質が得られる。
これに対し、例えば、原料混合物を窒素ガスおよび/またはアンモニアからなる雰囲気中で焼成した場合には、MgとM元素とが均一に混ざらないために、上記(式1)で示される組成を有する層状構造の正極活物質が得られない場合がある。
「正極活物質の第2の製造方法」
次に、本発明の正極活物質の第2の製造方法について説明する。
正極活物質の第2の製造方法は、上記(式1)で示される組成を有する正極活物質を製造する方法であり、Mgにイオン交換可能な元素と、Mgにイオン交換可能な元素ではないM元素とを含有する第1中間化合物を生成する工程と、該第1の中間化合物を窒素ガスおよび/またはアンモニアからなる雰囲気中で加熱し第2中間化合物を生成する工程と、該第2中間化合物と、Mg化合物とを混合加熱し、Mgにイオン交換可能な元素とMgをイオン交換する工程とを含む。
第1中間化合物を生成する工程では、まず、Mgにイオン交換可能な元素を含有する酸化物(以下、I酸化物という)もしくは加熱によりI酸化物を生成するMgにイオン交換可能な元素を含有する化合物(以下、I化合物という)と、M元素を含有する酸化物もしくは加熱によりM酸化物を生成するM化合物とを、所望の比率で混合して原料混合物を作製する。
加熱によりM元素の酸化物を生成するM化合物としては、第1の製造方法においてM元素として示した元素のうち、Mgにイオン交換可能な元素ではない元素、すなわちTi,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Mo,W,CuをM元素として含むM化合物用いることができる。
Mgにイオン交換可能な元素としては、Fe、Cr、Mn、Co、Ni等が挙げられる。さらに過熱によりI酸化物を生成するI化合物としては、例えば、これらの元素の水酸化物、シュウ酸塩、酢酸塩、炭酸塩、塩基性炭酸塩、硝酸塩、硫酸塩、アルコキシドなどが挙げられる。
この原料混合物となる材料を混合する方法としては第1の製造方法と同一のものを用いることができる。
次に、このようにして得られた原料混合物を加熱して、第1中間化合物を生成する。
第1中間化合物を合成する加熱温度は、第1の製造方法の中間化合物を生成する温度と同様の温度を用いることができる。
生成された第1中間化合物としては具体的に、FeWO、CrWO、CrWO、CrMoO、MnWO、MnMoO、CoWO、CoMoO、NiWO、NiMoO等が挙げられる。
第2中間化合物を生成する工程では、第1中間化合物を窒素ガスおよび/またはアンモニアからなる雰囲気中で加熱することで、第2中間化合物を生成する。
第1中間化合物は、嵩密度40%以下の充填率に保持した状態で焼成するとよい。嵩密度とは、粉末の体積充填率であり、一定容器に充填したときの質量と体積との比を化合物の理論密度で割った値である。嵩密度を40%以下の状態に保持したまま焼成すると、第1中間化合物の周りに自由な空間がある状態で焼成することになる。その結果、第1中間化合物と雰囲気ガスとの反応性が向上するため、好ましい。
焼成雰囲気は、窒素ガスおよび/またはアンモニアからなる雰囲気とする。窒素ガスおよび/またはアンモニアからなる雰囲気は、第1中間化合物との反応性が高く、第1中間化合物を効率よく窒化できるため、アンモニア雰囲気であることが好ましい。窒素ガスおよび/またはアンモニアからなる雰囲気には、必要に応じて水素が含まれていてもよい。
第1中間化合物は、焼成炉中に雰囲気ガスが充填された状態で焼成してもよいし、雰囲気ガスの気流中で焼成してもよいが、第1中間化合物と雰囲気ガスとの反応を促進するために、雰囲気ガスの気流中で焼成することが好ましい。雰囲気ガスの気流中で第1中間化合物を焼成する場合、雰囲気ガスの流量は、容量10Lの容器を用いた場合、10mL/分以上であることが好ましい。
第1中間化合物を窒素ガスおよび/またはアンモニアからなる雰囲気中で焼成する際の焼成温度は、500℃〜1200℃の温度範囲とすることが好ましい。焼成温度を上記範囲とすることで、容易に第1中間化合物を窒化でき、所望の第2中間化合物が得られる。焼成温度が500℃未満であると、第2中間化合物を得るのに長時間を要するため好ましくない。また、焼成温度が1200℃を超えると、正極活物質の表面において熱分解が始まるため、好ましくない。焼成温度は、600〜1100℃であることが好ましい。
焼成時間は、1時間〜20時間であることが好ましい。焼成時間が1時間未満であると、焼成が不十分となって、第1中間化合物が十分に窒化されない場合があり、所望の正極活物質が得られにくくなる。焼成時間が20時間を越えると、生産性に支障を来すため好ましくない。
次に、このようにして得られた第2中間化合物と、Mg酸化物もしくは加熱によりMg酸化物を生成する熔融可能なMg化合物とを混合加熱しイオン交換する工程を行う。これにより得られた生成物を十分に洗浄することにより正極活物質を生成する。なお、ここで「熔融可能なMg化合物」とは、第1の製造方法において記載したMg化合物及び塩化マグネシウムのうち、所定の温度、例えば200〜500℃で熔融する化合物を意味する。
具体例としては、第2中間体としてFeWNが得られた場合、第2中間体と硝酸マグネシウムを混合し、310℃で48時間加熱(焼成)して、正極活物質を製造する。
このとき第2中間物質中のMgにイオン交換可能な元素が、イオン交換によりMgに置換する。具体的には、第2中間化合物であるFeWNなどの窒化物に含有されるFeをイオン交換によりMgで置換する。
第2中間化合物を熔融可能なMg化合物と混合する方法は、第1の製造方法の原料混合物となる材料を混合する方法と同様の方法を用いることができる。
イオン交換する工程の加熱は、粉末の状態で磁製るつぼなどの容器に収容して行っても良いし、加圧成形した成形体を用いて行っても良い。上記の混合物の焼成雰囲気は特に限定されないが、窒素ガスおよび/またはアンモニアからなる雰囲気中が好ましい。
第2中間化合物と、熔融可能なMg化合物とを含む混合物は、焼成炉等の中に雰囲気ガスが充填された状態で焼成してもよいし、雰囲気ガスの気流中で焼成してもよい。上記の混合物と雰囲気ガスとの反応を促進するためには、雰囲気ガスの気流中で混合物を焼成することが好ましい。雰囲気ガスの気流中で上記の混合物を加熱する場合、雰囲気ガスの流量は、容量10Lの容器を用いた場合、10mL/分以上であることが好ましい。
イオン交換する工程の焼成加熱温度は、100〜700℃であることが好ましく、300℃程度がより好ましい。100℃未満であると、目的とする正極活物質を得るのに長時間を要するため好ましくない。また700℃を超えると、Mg酸化物もしくは加熱によりMg酸化物を生成するMg化合物として前記した化合物及び塩化マグネシウムのうち、所定の温度で熔融する化合物とが反応し、第2中間化合物が酸化されてしまう場合があるため好ましくない。
焼成加熱時間は、1時間〜96時間であることが好ましい。焼成時間が1時間以上であれば、十分にイオン交換反応が進行するため、所望の正極活物質が得られる。焼成加熱時間が96時間を越えても、焼成後に得られる正極活物質に違いは生じないため、必要以上の長時間加熱は不経済である。
本実施形態においては、必要に応じて、第2中間化合物と熔融可能なMg化合物とを含む混合物を焼成加熱して得られた生成物を、さらに1回以上加熱してもよい。この場合の加熱条件は、上記の焼成加熱と同じであってもよいし、異なっていてもよい。焼成加熱して得られた生成物を、さらに1回以上加熱することで、より均一な正極活物質が得られる。また、焼成加熱して得られた生成物を、さらに1回以上加熱する場合には、より均一な正極活物質を得るために、加熱する生成物を解砕混合してから加熱することが好ましい。
以上の工程により、第2の製造方法を用いて正極活物質が得られる。
なお、本実施形態の正極活物質は、本実施形態の製造方法により製造されたものに限定されない。例えば、液相法などにより、MgとM元素を含有する化合物とが十分均一に混ざり合った原料混合物が得られる場合は、原料混合物を窒素ガスおよび/またはアンモニアからなる雰囲気中で焼成することにより、本発明の正極活物質を得ることができる。
「Mg二次電池」
次に、本発明のMg二次電池について例を挙げて説明する。図1は、本発明のMg二次電池の一例を示した断面図である。
本実施形態のMg二次電池1は、図1に示すように、正極2と、負極3と、正極2と負極3との間に介在する電解液6と、セパレータ7とを含むものである。正極2と負極3の外面側には、それぞれ集電体4、5が配置されている。
本実施形態のMg二次電池1の正極2は、上述した実施形態の正極活物質を含むものであり、結合剤により正極活物質が固定された正極活物質層からなるものである。
結合剤としては、例えば、従来の二次電池の正極活物質層の結合剤として通常用いられている公知の樹脂材料等を用いることができる。具体的には、例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素含有樹脂や、スチレンブタジエンゴム、カルボキシメチルセルロース等の樹脂材料を例示できる。
また、正極2は、導電助剤を含むものであっても良い。導電助剤としては、公知の導電助剤等を用いることができる。具体的には例えば導電助剤として、無定型炭素、天然黒鉛(鱗片状黒鉛など)、人造黒鉛などの黒鉛、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラックなどのカ−ボンブラックなどの炭素質物質を例示できる。
導電助剤は、正極活物質に、炭素質物質の前駆体である石油ピッチ、フェノール樹脂、フラン樹脂、炭水化物等を添加した後、非酸化性雰囲気中で加熱することにより、正極活物質に担持させたものであっても良い。このような導電助剤は、正極活物質の表面において、正極活物質と化学的に結合されていることが好ましい。
なお、正極活物質に炭素質物質の前駆体を添加する方法としては、例えば、液相を介して炭素質物質の前駆体を正極活物質に均一に付着させる方法などが挙げられる。
なお、導電助剤は、上記の炭素質物質に限定されるものではなく、導電性を有する材料であれば、金属材料や導電性高分子などであってもよいし、これらを上記の炭素質物質と組み合わせて使用しても良い。
正極2は、例えば、正極活物質、結合剤および導電助剤を、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、N,N−ジメチルホルムアミド等などの公知の溶剤に分散させて混練し、ペースト状やスラリー状の正極合剤含有組成物とし、これを集電体4上に塗布し、乾燥させて正極活物質層を形成する方法などによって得られる。
電解液6は、電解質と電解質溶媒とからなるものである。
電解質としては、公知の電解質を用いることができる。例えば、電解質として、Mg(ClO、MgBr等のハロゲン化マグネシウム、Mg(SOCF等を使用できる。また、電解質として、ホウフッ化マグネシウム(Mg(BF)、トリフルオロメチルスルホン酸マグネシウム(Mg(CFSO)、ヘキサフルオロ燐酸マグネシウム(Mg(PF)などを使用してもよい。
電解質溶媒としては、公知の非水電解質溶媒を用いることができる。非水電解質溶媒としては、例えば、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネート、γ−ブチルラクトン、スルホラン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、2−メチルテトラヒドロフラン、3−メチル1,3−ジオキソラン、プロピオン酸メチル、酪酸メチル、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジプロピルカーボネート等を使用することができる。
特に、電圧安定性の点から、非水電解質溶媒として、プロピレンカーボネート、ビニレンカーボネート等の環状カーボネート類、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジプロピルカーボネート等の鎖状カーボネート類を使用することが好ましい。また、このような非水電解質溶媒は、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
また、電解質として固体電解質を用いても良い。固体電解質は、正極と負極の間に配置され、両極を電気的に絶縁すると共に、マグネシウムイオンが固体電解質中を移動する。固体電解質を用いた全固体電池は、可燃性の非水電解質溶媒を用いる必要がないことから、電池の安全性を飛躍的に向上させることができる。
負極3としては、例えば、集電体5の表面に、負極活物質を含む負極活物質層が形成されたものを用いることができる。負極活物質層は、負極活物質と結合剤とを含むものとすることができる。負極活物質層は、負極活物質が金属からなるものである場合、金属箔とすることができる。
負極活物質としては、マグネシウムの溶解・析出可能なものが用いられる。具体的には、負極活物質として、金属マグネシウム、金属マグネシウムとアルカリ金属との合金等の他、マグネシウムと合金化可能な金属や、これらの金属を含む合金などが挙げられる。さらに、例えばPtなどのように、マグネシウムを含まない金属を負極活物質として用いることもできる。
また、負極活物質として、黒鉛(天然黒鉛;熱分解炭素類、MCMB、炭素繊維などの易黒鉛化炭素を2800℃以上で黒鉛化処理した人造黒鉛;など)や、熱分解炭素類、コークス類、ガラス状炭素類、有機高分子化合物の焼成体、メソカーボンマイクロビーズ、炭素繊維、活性炭などの炭素材料を使用してもよい。
セパレータ7としては、公知のセパレータを用いることができる。セパレータとして、例えば、通常リチウムイオン電池に使用されるポリプロピレンなどの高分子フィルム材料からなるものなどを用いることができる。なお、セパレータの厚みはできるだけ薄いことが好ましい。具体的には、セパレータの厚みは、例えば50μm以下であることが好ましい。
集電体4、5としては、特に限定されるものではないが、アルミニウム箔や銅箔などの導体箔や導体薄板などを用いることができる。
本実施形態のMg二次電池は、正極活物質として上述した実施形態の正極活物質を用いて、公知の従来方法により製造できる。
本実施形態のMg二次電池1は、正極2と、負極3と、正極2と負極3との間に介在する電解液6とを含むものであり、正極2が、上述した実施形態の正極活物質を含むものであるので、高起電力でレート特性に優れたものとなる。
以下、本発明の実施例について説明する。なお、以下に示す実施例では、具体的な数値を挙げて説明するが、本発明はこれに限定されるものではないことは言うまでもない。
<実施例1>
まず、水酸化マグネシウムと酸化モリブデン粉末とを混合して原料混合物を作製した。
具体的には、上記(式1)において、x及びyがそれぞれ1となるように、水酸化マグネシウムと酸化モリブデン粉末とを秤取し、溶媒としてアセトンを用いた湿式ボールミルにより均一に混合し、混合スラリーとした。次に、得られた混合スラリーを、スプレードライヤーを用いて蒸発乾固し、混合粉末(原料混合物)とした。
その後、この混合粉末を解砕した粉末をアルミナ製容器に配置し、空気中、1000℃で6時間加熱するか焼を行い、中間化合物を合成した。
次に、得られた中間化合物をアルミナ製ボートに配置し、アンモニア気流中700℃で6時間加熱(焼成)して、正極活物質MgMoO0.31.7を合成した。
このようにして得られた正極活物質と、導電助剤(アセチレンブラック)と、結合剤(ポリフッ化ビニリデン)とを、N−メチル−2−ピロリドンを溶剤として用いて混練し、ペースト状の正極合剤含有組成物とした。次に、この正極合剤含有組成物を集電体上に塗布し、乾燥アルゴン気流中、100℃で1時間の乾燥を行なって、正極を得た。
また、負極としては、金属マグネシウム板を用いた。
そして、負極と正極との間に、セパレータとしてポリプロピレン製多孔質膜を配置し、電解液として、電解質(Mg(ClO)を1mol/lの濃度で非水電解質溶媒(アセトニトリル)に溶解させたものを用いて、Mg二次電池を作製した。
<実施例2、3>
酸化モリブデン粉末に代えて、酸化タングステン粉末(実施例2)、酸化ニッケル粉末及び酸化タングステン粉末(実施例3)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、中間化合物を合成した。
尚、実施例3において、酸化ニッケル粉末と酸化タングステン粉末は、金属元素の比率が1:1となるよう調整した。
次に、得られた中間化合物を用いて実施例1と同様にして、正極活物質MgWO0.31.7(実施例2)、MgW0.5Ni0.50.41.6(実施例3)を合成した。
このようにして得られた正極活物質を用いて実施例1と同様にして、Mg二次電池を作製した。
<実施例4、5>
正極活物質を合成するための焼成(加熱)条件を、アンモニア気流中750℃で12時間加熱(焼成)とし、その他の条件については、実施例4は実施例1と同様に、実施例5は実施例2と同様にして、それぞれ正極活物質MgMoN(実施例4)、MgWN2(実施例5)を合成した。
このようにして得られた正極活物質を用いて実施例1と同様にして、Mg二次電池を作製した。
<実施例6>
上記(式1)において、x及びyがそれぞれ1となるように、塩化マグネシウム粉末とメタタングステン酸アンモニウム粉末とを秤取し、マグネシウム及びタングステンのモル数と同量のクエン酸と共に水に溶解した。得られた水溶液を加熱しながら撹拌してゲル状とした後、空気中350℃で1時間加熱して中間化合物として前駆体粉末とした。
次に、得られた前駆体粉末をアルミナ製ボートに配置し、アンモニア気流中750℃で12時間加熱(焼成)して、正極活物質MgWN2を合成した。
このようにして得られた正極活物質を用いて実施例1と同様にして、Mg二次電池を作製した。
<実施例7〜9>
実施例7は、塩化マグネシウム粉末とメタタングステン酸アンモニウム粉末に代えて、マグネシウム、タングステン及びコバルトのモル比として、Mg:W:Co=1:0.8:0.2となるよう秤取した塩化マグネシウム粉末、メタタングステン酸アンモニウム粉末及び塩化コバルト粉末を用いたこと以外は実施例6と同様にして正極活物質MgW0.8Co0.2を合成した。実施例8は、マグネシウム、タングステン及び銅のモル比として、Mg:W:Cu=1:0.8:0.2となるよう秤取した塩化マグネシウム粉末、メタタングステン酸アンモニウム粉末及び硝酸第二銅粉末を用いたこと以外は実施例6と同様にして正極活物質MgW0.8Cu0.2を合成した。実施例9は、マグネシウム、タングステン及びマンガンのモル比として、Mg:W:Mn=1:0.8:0.2となるよう秤取した塩化マグネシウム粉末、メタタングステン酸アンモニウム粉末及び塩化マンガン粉末を用いたこと以外は実施例6と同様にして正極活物質MgW0.8Mn0.2を合成した。
このようにして得られた正極活物質を用いて実施例1と同様にして、Mg二次電池を作製した。
<実施例10>
第2の製造方法を用いて、正極活物質を作製した。具体的には、後述のか焼による第一中間体のFe、Wの比率が等しくなるように、酸化鉄と酸化タングステンとを秤取し、実施例1の原料混合物と同様の混合方法でこれらを混合し、この混合粉末を解砕した粉末をアルミナ製容器に配置し、空気中、1000℃で6時間加熱するか焼を行い、第1中間化合物であるFeWOを合成した。次に、得られた第1中間化合物をアルミナ製ボートに配置し、アンモニア気流中750℃で12時間加熱(焼成)して、第2中間化合物であるFeWNを合成した。
次に、得られた第2中間化合物と硝酸マグネシウムを、FeとMgが、原子比として1:1.1となるように秤取し、メノー乳鉢で混合した。その後、磁製るつぼ中に配置し、窒素ガス気流中310℃で48時間加熱(焼成)して、正極活物質MgWNを合成した。
このようにして得られた正極活物質を用いて実施例1と同様にして、Mg二次電池を作製した。
<比較例1>
水酸化マグネシウム粉末、酸化マンガン粉末及び酸化ケイ素粉末を用いて、以下に示す方法により正極活物質を合成した。
まず、水酸化マグネシウム、酸化マンガン及び酸化ケイ素を構成する金属元素が1:1:1の比率となるよう水酸化マグネシウム粉末、酸化マンガン粉末及び酸化ケイ素粉末を秤取した。そして、溶媒としてアセトンを用いた湿式ボールミルにより、水酸化マグネシウム粉末、酸化マンガン粉末及び酸化ケイ素粉末を均一に混合し、混合スラリーとした。 次に、得られたスラリーを蒸発乾固して混合粉末とした。
その後、得られた混合粉末を解砕し、アルミナ製容器に配置して、アルゴン気流中、900℃で6時間焼成し、正極活物質MgMnSiOを合成した。
このようにして得られた正極活物質を用いて実施例1と同様にして、Mg二次電池を作成した。
以上実施例1〜10、比較例1における原料、か焼条件、焼成条件について、表1にまとめて示す。
<中間化合物及び正極活物質の粉末X線回折装置による解析>
実施例1〜3の中間化合物、および実施例1〜10、比較例1の正極活物質をメノー乳鉢で解砕し、粉末X線装置により生成相を調べたところ、それぞれ表1に示す組成となった。
また、正極活物質については、実施例1〜10は共にFeWN型の層状構造であることがわかった。一方、比較例1はFeWN型の層状構造を有するものではなかった。
さらに、実施例1〜10の正極活物質のM元素(W)の価数(v)は、上記(式2)を満たすことを確認した。
<CV特性の測定>
実施例1〜10、比較例1で得られたMg二次電池について、ポテンシオガルバノスタットを用いてCV特性を測定したところ、それぞれ表1に示す電位でMgの挿入脱離に対応するピークが観測された。
<容量維持率の測定>
実施例1〜10、比較例1で得られたMg二次電池において、充電電圧をそれぞれ表1に示した値に設定して充電した電池セルについて、理論容量に対する放電レートを0.01Cと、0.05C、0.1Cして放電試験を行ったところ、それぞれ表1に示す容量維持率となった。
尚、0.05C,0.1Cは単位時間あたりの放電容量であり、理論容量を放電するのに要する時間が、それぞれ20(1/0.05)時間、10(1/0.1)時間であることを示す。
Figure 0006241996
レート特性に優れる場合は、放電レートを上げても容量維持率の低下がわずかである。
実施例1〜3では、比較例1と比較して放電レートを0.05C,0.1Cとした場合の容量維持率の低下が少なく、レート特性に優れている。
また、実施例1〜3、比較例1の結果から、実施例1〜3の正極活物質を用いたMg二次電池では、比較例1と比較して十分に高い起電力が得られることがわかった。特に、実施例3の正極活物質を用いたMg二次電池では、高い起電力が得られることがわかった。
本発明の正極活物質を用いることにより、十分に高い起電力を有し、レート特性に優れるMg二次電池を提供できる。
1…Mg二次電池、2…正極、3…負極、4、5…集電体、6…電解液、7…セパレータ。

Claims (6)

  1. 下記(式1)で示される組成であることを特徴とするマグネシウムイオン二次電池用正極活物質。
    Mg2−z・・・(式1)
    (式1)において、Mは、遷移金属元素であり、xは0<x≦1.2、yは0.8≦y≦1.2、zは0≦z<2の範囲の数である。
  2. 前記(式1)においてMが、Ti,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Cr,Mo,W,Mn,Fe,Co,Ni,Cuから選ばれる一種以上の元素であることを特徴とする請求項1に記載のマグネシウムイオン二次電池用正極活物質。
  3. 前記M元素のりに窒素原子からなる陰イオンが6配位した多面体からなる層または前記M元素の周りに窒素原子及び酸素原子からなる陰イオンが6配位した多面体からなる層と、その層間に挿入されたマグネシウムイオンとからなる層状構造を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のマグネシウムイオン二次電池用正極活物質。
  4. Mgと前記M元素とを含有する複酸化物からなる中間化合物を生成する工程と、該中間化合物を窒素ガスおよび/またはアンモニアからなる雰囲気中で加熱する工程とを含むことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のマグネシウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法。
  5. Fe、Cr、Mn、Co、Niから選ばれる一種以上の元素と、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Mo、W、Cuから選ばれる一種以上の元素とを含有する第1中間化合物を生成する工程と、
    該第1の中間化合物を窒素ガスおよび/またはアンモニアからなる雰囲気中で加熱し第2中間化合物を生成する工程と、
    該第2中間化合物と、200〜500℃で熔融可能なMg化合物とを混合加熱し、前記Fe、Cr、Mn、Co、Niから選ばれる一種以上の元素をMgにイオン交換する工程と、
    を含むことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のマグネシウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法。
  6. 少なくとも、負極と、正極と、前記正極と前記負極との間に介在する電解質及び非水電解質溶媒、又は固体電解質とを含み、
    前記正極が、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のマグネシウムイオン二次電池用正極活物質を含有することを特徴とするマグネシウムイオン二次電池。
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