JP6240573B2 - 遮音床構成材及び遮音床構造 - Google Patents

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Description

本発明は、床衝撃音、例えば、複数階建ての建築物(多層階建築物)における上階からの床衝撃音などを低減するのに有用な遮音床構成材及びこの構成材を用いた遮音床構造に関する。
マンション、ビル、一般住宅などの複数階建ての建築物では、上階からの床衝撃音を低減するための遮音床構造が施工されている。床衝撃音には、スプーンや食器を落とした衝撃音やスリッパで歩く音などにより発生する衝撃音などの軽量衝撃音(比較的高周波域の音波)、子供がソファーから飛び降りる衝撃音や激しい歩行による衝撃音(比較的低周波域の音波)などがあり、幅広い衝撃音に対して遮音性能を有する遮音床構造が望まれている。遮音床構造としては、主として、木質基板の裏面に複数の切り溝を設けて緩衝材と貼り合わせる方法(いわゆる直張りタイプの遮音床材を用いた方法)、制振材(遮音材)を床材と床下地材との間に配設する方法などが知られている。
切り溝と緩衝材とを組み合わせた方法として、例えば、特開2004−44315号公報(特許文献1)には、中密度繊維板の成形原板を厚さ方向に複数に分割して得られ且つ片面に硬質相を有する分割板を硬質層が表面側になるように配置すると共に複数枚の板を積層一体化した合板基材の表面側に上記分割板を積層一体化し、合板基材の最表面側の第1層の厚さを第1層より下の通常の層の半分程度の厚さと薄くし、合板基材の裏面側から第2層まで至るように溝部を穿設して成る防音床材が開示されている。この防音床材では、床に衝撃が加わると、木質基板の裏面に設けた複数の切り溝により木質基板が変形し、変形部分は緩衝材で衝撃を吸収するため、衝撃源の中でも、特に軽量床衝撃源に対して優れた効果を発揮する。さらに、この文献では、表面側に中密度繊維板よりなる硬質部分を合板基材の表面側に設けることにより、床上をキャスターで移動してもキャスターの荷重に耐えられる強度を有することが記載されている。
しかし、切り溝と緩衝材とを組み合わせた方法では、特定の中密度繊維板を表面側に形成しても、人の歩行により負荷された部分の木質基板が局所的に変形する(すなわち、床材が沈み込む)ため、歩行中に踏み心地における違和感を感じる。さらに、切り溝の大きさが充分でなく、空間部の体積が小さいためか、重量床衝撃音(例えば、比較的低周波域の衝撃音)に対する遮音効果が小さい。
一方、床材と床下地材の間に制振材を介在させる方法として、例えば、特許第3013023号公報(特許文献2)には、石油系アスファルト100重量部、熱可塑性エラストマー2〜10重量部、鉱物粒100〜400重量部、鉄粉100〜800重量部及び界面活性剤0.1〜1重量部からなる混合物を、フェルト紙又は不織布からなるシートでサンドイッチして板状に成型してなる床衝撃音緩和のための遮音構成材が開示されている。
しかし、制振材(遮音構成材)を用いた場合は、人の歩行による変形は少なく歩行感は良好であるが、床衝撃音の遮音性能については、切り溝と緩衝材とを組み合わせた遮音床材に比べて低下する。
なお、国際公開WO2007/116676号公報(特許文献3)には、湿熱接着性繊維を含む不織繊維集合体を高温水蒸気で加熱処理することにより、不織繊維構造を有し、かつ厚み方向に均一な接着率で湿熱接着性繊維が融着した硬質の成形体が製造されている。この文献には、前記硬質成形体が建材用ボードとして利用できることが記載されている。しかし、この文献には、床構造や遮音性について記載されていない。
特開2004−44315号公報(請求項1、段落[0010][0012][0014]、図1及び3) 特許第3013023号公報(請求項1、図2及び3) 国際公開WO2007/116676号公報(請求の範囲、実施例)
従って、本発明の目的は、歩行による床材の沈み込みを抑制でき、良好な歩行感が得られるとともに、床衝撃音の遮音性能も高い遮音床構成材及びこの構成材を用いた遮音床構造を提供することにある。
本発明の他の目的は、転倒時の安全性に優れた遮音床構成材及びこの構成材を用いた遮音床構造を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、複数階建ての建築物における上階からの床衝撃音に対して、低周波域を含む幅広い周波域で遮音できる遮音床構成材及びこの構成材を用いた遮音床構造を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、間隔をおいて平行に配設するための複数の根太と、これらの根太と交互に配設され、かつ根太よりも大きい厚みを有する被圧縮層とで構成された遮音床構成材を用いて遮音床構造を形成すると、前記被圧縮層が圧縮されることにより、歩行による床材の沈み込みを抑制でき、良好な歩行感が得られるとともに、床衝撃音の遮音性能も向上できることを見出し、本発明を完成した。
本発明の遮音床構成材は、間隔をおいて平行に配設するための複数の根太と、これらの根太と交互に配設され、かつ根太よりも大きい厚みを有する被圧縮層とで構成されている。前記被圧縮層は、根太と交互に隣接して配設されていてもよい。前記被圧縮層は、緩衝層で構成され、かつこの緩衝層の厚み(非圧縮状態の厚み)が、根太の厚みに対して1.05〜3倍であってもよい。前記被圧縮層は、緩衝層と、この緩衝層の一方の面に積層された非緩衝層とで構成されていてもよい。前記緩衝層(非圧縮状態の厚み)の厚みは、根太の厚みから非緩衝層の厚みを減じた厚みに対して1.05〜3倍であってもよい。前記非緩衝層は、制振材で構成されていてもよく、また空間部(例えば、間隔をおいて制振材を配設することによる形成される隣接する制振材の間の隙間としての空間部)を有していてもよい。床面における前記根太と前記被圧縮層との面積比が、根太/被圧縮層=10/90〜30/70であってもよい。圧縮前の緩衝層は、厚み3〜60mm、見掛け密度0.03〜0.2g/cmの不織繊維構造体で形成されていてもよい。前記不織繊維構造体は、湿熱接着性繊維を含み、かつこの湿熱接着性繊維の融着により繊維が固定されるとともに、繊維接着率が3〜85%であってもよい。
本発明の遮音床構成材は、さらに制振層を含んでいてもよい。この制振層は、アスファルトを含有していてもよい。
本発明の遮音床構成材は、被圧縮層が、根太の厚みにまで圧縮されていてもよく、本発明の遮音床構成材を用いて遮音床構造を形成した状態では、根太の厚みにまで圧縮されている。
本発明の遮音床構成材は、根太が第1の硬質層の一方の面に間隔をおいて平行に配設されていてもよい。この構成材において、根太及び被圧縮層と第1の硬質層とは接着剤又は粘着剤で固着していてもよい。前記根太及び被圧縮層の上に、さらに第2の硬質層が配設され、かつ前記被圧縮層が、前記根太の厚みにまで圧縮されていてもよい。前記根太及び被圧縮層と第2の硬質層とも接着剤又は粘着剤で固着していてもよい。この構成材において、第1の硬質層又は第2の硬質層と、根太及び被圧縮層との間に制振層が介在し、各層間が接着剤又は粘着剤で固着していてもよい。
本発明には、床下地材と床仕上げ層との間に前記遮音床構成材が介在する遮音床構造であって、前記遮音床構成材の被圧縮層が、根太の厚みにまで圧縮されている遮音床構造も含まれる。前記床下地材と前記床仕上げ層との間に制振層が介在していてもよい。この制振層の少なくとも一方の面に硬質層が積層され、接着剤又は粘着剤で固着されていてもよい。本発明の遮音床構造において、前記遮音床構成材は、壁面に対して隙間を有していてもよい。さらに、梁と根太とは平行に配設され、かつ隣り合う根太間に梁が位置するように根太が配設されていてもよい。
なお、本願明細書では、根太(ねだ)とは、木質系ボードや床仕上げ材などの床板を支持するために床下に配設される棒状、ブロック状又は板状の支持材を意味する。また、根太は、さらに遮音性能を向上させるために、支持材の上面及び/又は下面の全部又は一部の面には弾性体などを固着していてもよい。支持材に弾性体などが固着されている場合、根太の厚みは弾性体などを含む総厚みを意味する。すなわち、本願明細書では、例えば、RC建築物におけるコンクリートスラブ素面や木造建築物における床下地材の上に配設する支持材及び/又は弾性体などを固着した支持材も「根太」の意味で用いる。
本発明では、間隔をおいて平行に配設するための複数の根太と、これらの根太と交互に配設され、かつ根太よりも大きい厚みを有する被圧縮層とで構成された遮音床構成材を用いて遮音床構造を形成し、前記被圧縮層を圧縮させるため、歩行による床材の沈み込みを抑制でき、良好な歩行感が得られるとともに、床衝撃音の遮音性能も向上できる。さらに、床の硬さが適度かつ均一であるため、転倒時の安全性にも優れている。
また、遮音床構造において、さらに制振層を介在させることにより、床衝撃源からの振動を制振効果により低減させて床衝撃音の遮音性能を向上でき、特に、アスファルトを含有した制振層では高い床衝撃音の遮音性能に加えて、歩行感も向上できる。さらに、緩衝層として、湿熱接着性繊維の融着により繊維が固定された特定の不織繊維構造体を用いることにより、高い床衝撃音(特に軽量床衝撃音)の遮音性を示す緩衝性を保持しつつ耐荷重性を確保することができるとともに、さらに根太及び/又は際根太と組み合わせることにより、床材の強度を向上でき、沈み込みなどを高度に抑制できる。
図1は、本発明の遮音床構造の一例を示す概略断面図である。 図2は、本発明の遮音床構造の他の一例を示す概略断面図である。 図3は、本発明の遮音床構造のさらに他の一例を示す概略断面図である。 図4は、本発明の遮音床構成材の一例を示す概略斜視図である。 図5は、図4の遮音床構成材のA−A線概略断面図である。 図6は、本発明の遮音床構成材の他の例を示す概略斜視図である。 図7は、図6の遮音床構成材のA−A線概略断面図である。
[遮音床構造]
以下、本発明の遮音床構造について、必要に応じて、図面を参照して説明する。図1は、本発明の遮音床構造の一例を示す概略断面図である。本発明の遮音床構造は、図1に示すように、床下地材1の上に、第1の硬質層2、長手方向に垂直な断面形状が長方形状であり、かつ間隔をおいて平行に配設されている棒状根太3、第2の硬質層5、床仕上げ層6が順次重ね合わされており、隣り合う根太3の間には、これらの根太3と交互に隣接して緩衝層4が配設又は挿入されている。なお、図1は、根太3の長手方向に対して垂直な方向の断面図である。
(床下地材)
本発明の遮音床構造は、建築物の種類に応じて、各種の床下地材に利用できる。床下地材としては、例えば、鉄筋コンクリートの建築物におけるコンクリートスラブや軽量発泡コンクリートなどであってもよく、一般的な木造住宅で使用される木造床などであってもよい。さらに、床下地材は、コンクリートスラブや木造床の上に、さらに畳床、プラスチック板、合板、木質系ボード、紙、織布又は不織布シート、無機質ボード(石膏ボード、珪酸カルシウム板など)、金属板などが積層されていてもよい。耐火性能を考慮した場合、石膏ボードを用いるのが好ましい。
(第1の硬質層)
第1の硬質層は、遮音床構造において、機械的強度を付与するために配設され、硬質のボード材、例えば、木質系ボード材、無機質ボード(石膏ボード、珪酸カルシウム板など)、プラスチックボード(アクリル板などのプラスチック板、硬質プラスチック発泡体など)、硬質繊維シート(紙製ボード、熱セットされたニードルフェルトなど)などが使用され、軽量性や施工性に優れる点から、通常、木質系ボード材が使用される。木質系ボード材としては、板状又はシート状の木質材であれば特に限定されず、例えば、無垢材、合板(積層木質ボード)、木質繊維ボード(MDF、パーティクルボード、配向性ストランドボード、インシュレーションボードなど)などが挙げられる。これらのうち、床仕上げ材からの釘を保持する力が高い点から、構造用合板、パーティクルボード、配向性ストランドボードなどが好ましい。なお、後述するように、木質系ボードは制振層と一体化した制振木質系ボード材も利用できる。なお、木質系ボード材は、通常、複数のボード材を組み合わせて使用する。隣接するボード材の面方向における突き合わせ部(すなわち、継ぎ目部分)は強度的に弱いため、突き合わせ部が後述する根太の上に位置するように配設するのが好ましい。
第1の硬質層は、壁面に対して密接させてもよいが、壁面に対して密接させずに隙間をあけて配設するのが好ましい。すなわち、硬質層の端面と壁面との間に隙間を形成することにより、床から壁に伝わる振動を絶縁できるため、遮音効果を向上できる。壁面との間の隙間は、必ずしも必要ではないが、遮音性の点から形成するのが好ましく、例えば、2〜10mm、好ましくは3〜9mm、さらに好ましくは4〜8mm程度である。
第1の硬質層の厚みは、例えば、5〜20mm、好ましくは8〜18mm、さらに好ましくは9〜15mm程度である。
(根太)
根太は、遮音性を向上させるための緩衝層を形成するために配設され、長手方向に垂直な断面形状が長方形状である棒状材を第1の硬質層の上に間隔をおいて平行に配設している。根太は、緩衝層による遮音性を向上させるために、床面積において所定の面積を占めるのが好ましく、緩衝層(被圧縮層)との面積比が、例えば、根太/緩衝層(被圧縮層)=3/97〜50/50、好ましくは5/95〜40/60、さらに好ましくは10/90〜30/70(特に15/85〜20/80)程度である。
根太の形状は、前記面積を占める形状であれば特に限定されないが、作業性などの点から、施工する部屋の一辺の長さに対応する棒状(長尺状)が好ましい。棒状の根太を、間隔をおいて(特に、等間隔で)平行に複数本配設することにより、作業性が優れるとともに、床構造の安定性を向上できる。例えば、部屋の大きさによるが、根太と木質ボードなどとの接合の観点から、幅10〜100mm(特に30〜75mm)程度の棒状根太を、前記面積となるように等間隔で配設してもよい。根太の配設位置は特に限定されないが、等間隔で均一になるように配設することにより、均一な床衝撃音の遮音性能が得られる。
棒状根太の長手方向に垂直な断面形状は、作業性や設置後の安定性の点から、対向する平行な辺を有する形状が好ましく、例えば、四角形状(正方形状、長方形状、台形状など)など挙げられる。正方形状や長方形状などの断面四角形状の棒状根太を用いることにより、施工時のずれを防止し、かつ木質系ボード材や床仕上げ材で被覆した後に固定する際に位置の推測がし易く、施工が容易となる。
根太の材質は、有機材料(木質材、プラスチック材など)、無機材料(石膏、珪酸カルシウム、ガラス、アルミニウム、ステンレススチール、鋼など)のいずれでもよいが、床仕上げ材などを固定する固定具(釘など)の保持強度の点から、木質材が好ましい。木質材としては、無垢材、積層木質材、木質繊維材などが挙げられるが、保持力の点から、積層木質材、木質繊維材が好ましい。根太としては、例えば、後述する木質系ボード材と同様のボード材、例えば、合板、パーティクルボード、配向性ストランドボードを切削加工して利用してもよい。さらに、根太は、根太からの振動の伝達を防止する目的では、木質材の上面及び/又は下面の全部又は一部の面に防振ゴムなどの弾性層を積層してもよい。
また、根太の材質は、歩行感及び遮音性をさらに向上させる観点から、後述する緩衝層の項で記載されている不織繊維構造体のうち、硬質の不織繊維構造体であってもよい。具体的に、硬質の不織繊維構造体は、見掛け密度が、例えば、0.05〜0.4g/cm、好ましくは0.07〜0.35g/cm、さらに好ましくは0.1〜0.3g/cm程度であってもよい。さらに、後述する繊維接着率は、例えば、30〜85%、好ましくは40〜80%、さらに好ましくは50〜75%程度であってもよい。
根太は、諸特性のバランスに優れる点から、前記硬質の不織繊維構造体で形成された層と、他の有機材料又は無機材料(特に木質材)で形成された層と組み合わせた積層構造であってもよく、両層の厚み比は、例えば、前者/後者=5/1〜1/10、好ましくは3/1〜1/8、さらに好ましくは1/1〜1/5(特に1/2〜1/4)程度である。
根太の厚みは、例えば、5〜20mm、好ましくは6〜18mm、さらに好ましくは7〜15mm(特に8〜12mm)程度である。本発明では、根太の厚みをこの範囲にして緩衝層を形成することにより、床衝撃音を効果的に遮音できる。
(緩衝層)
緩衝層は、床構造において、床衝撃音の防振性を向上させるために配設され、弾力性と衝撃吸収性とを有する板状又はシート状材で構成されていれば、特に限定されないが、上下の層(例えば、第1の硬質層と第2の硬質層と)で挟むことにより根太の厚みにまで圧縮可能な層(被圧縮層)が利用される。本発明では、被圧縮層が圧縮された状態で緩衝層として遮音床構造を構成することにより、床衝撃の吸収性に優れるため、衝撃の発生を効果的に抑制でき、階下への伝搬を減少でき、下階の居住快適性を向上できる。さらに、床構造の強度及び安定性も高めることができる。
緩衝層は、例えば、圧縮前の厚み(被圧縮層の厚み)に対して0.95倍以下、好ましくは0.5〜0.95倍、さらに好ましくは0.6〜0.9倍(特に0.7〜0.8倍)程度の厚みに圧縮されていてもよい。
圧縮前の緩衝層(被圧縮層)の厚みは、床衝撃音の遮音性能を発現するために3mm以上であるのが好ましく、床の強度も確保でき、歩行時の沈み込みなども抑制できるとともに、緩衝性、施工性、経済性にも優れる点から、例えば、3〜60mm、好ましくは5〜50mm、さらに好ましくは6〜30mm(特に8〜20mm)程度であってもよい。
圧縮可能な材質としては、例えば、プラスチック発泡体(例えば、発泡スチレン、発泡ウレタン、発泡ポリオレフィンなど)、ゴム又はエラストマー、繊維構造体(織編物、不織布などで構成された構造体)などが利用できる。本発明では、これらの中でも、適度な空隙性を有し、かつ防振性にも優れるため、不織繊維構造体が好ましい。本発明では、不織繊維構造体を圧縮して緩衝層として配設することにより、衝撃の発生を効果的に抑制でき、かつ高周波域の音波の吸音も向上できる。
不織繊維構造体としては、例えば、不織布を機械的圧縮処理(ニードルパンチなど)、部分的な熱圧融着処理(熱エンボス加工など)、バインダー成分による接着又は融着処理などにより固定した成形体が挙げられる。不織布を構成する繊維としては、例えば、ポリオレフィン系繊維、(メタ)アクリル系繊維、ポリビニルアルコール系繊維、塩化ビニル系繊維、スチレン系繊維、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維、ポリカーボネート系繊維、ポリウレタン系繊維などが挙げられる。これらの繊維のうち、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維、又はこれらの繊維を含む複合繊維などが汎用される。
ポリエステル系繊維を構成するポリエステル系樹脂としては、ポリC2−4アルキレンアリレート系樹脂などの芳香族ポリエステル系樹脂(ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなど)、特に、PETなどのポリエチレンテレフタレート系樹脂が好ましい。ポリエチレンテレフタレート系樹脂は、エチレンテレフタレート単位の他に、他のジカルボン酸(例えば、イソフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、フタル酸、4,4′−ジフェニルジカルボン酸、ビス(カルボキシフェニル)エタン、5−ナトリウムスルホイソフタル酸など)やジオール(例えば、ジエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなど)で構成された単位を20モル%以下程度の割合で含んでいてもよい。
ポリアミド系繊維を構成するポリアミド系樹脂としては、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド610、ポリアミド10、ポリアミド12、ポリアミド6−12などの脂肪族ポリアミドおよびその共重合体、芳香族ジカルボン酸と脂肪族ジアミンとから合成された半芳香族ポリアミドなどが好ましい。これらのポリアミド系樹脂にも、共重合可能な他の単位が含まれていてもよい。
不織繊維構造体を構成する繊維の平均繊度は、用途に応じて、例えば、0.01〜100dtex程度の範囲から選択でき、好ましくは0.1〜50dtex、さらに好ましくは0.5〜30dtex(特に1〜10dtex)程度である。平均繊度がこの範囲にあると、遮音及び吸音性に優れる。
不織繊維構造体の見掛け密度は、例えば、0.03〜0.2g/cm(例えば、0.03〜0.15g/cm)、好ましくは0.04〜0.18g/cm、さらに好ましくは0.05〜0.15g/cm(特に0.05〜0.1g/cm)程度である。根太を不織繊維構造体で形成した場合、例えば、見掛け密度は、根太を形成する不織繊維構造体の見掛け密度よりも小さければよく、例えば、0.03〜1g/cm、好ましくは0.04〜0.0.9g/cm、さらに好ましくは0.05〜0.08g/cm程度であってもよい。見かけ密度が低すぎると、遮音性は向上するものの、硬さの低下により歩行感が低下し、逆に高すぎると、遮音性が低下する。
不織繊維構造体の目付は、例えば、50〜10000g/m程度の範囲から選択でき、好ましくは100〜5000g/m、さらに好ましくは200〜3000g/m(特に300〜2000g/m)程度である。目付が小さすぎると、硬さを確保することが難しく、また、目付が大きすぎると、ウェブが厚すぎて湿熱加工において、高温水蒸気が充分にウェブ内部に入り込めず、厚み方向に均一な構造体とするのが困難になる。
不織繊維構造体(又は繊維)は、さらに、慣用の添加剤、例えば、安定剤(銅化合物などの熱安定剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤など)、分散剤、増粘剤、微粒子、着色剤、帯電防止剤、難燃剤、可塑剤、潤滑剤、結晶化速度遅延剤、滑剤、抗菌剤、防虫・防ダニ剤、防カビ剤、つや消し剤、蓄熱剤、香料、蛍光増白剤、湿潤剤などを含有していてもよい。これらの添加剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの添加剤は、構造体表面に担持されていてもよく、繊維中に含まれていてもよい。
特に、本発明では、前記不織繊維構造体の中でも、バインダー成分(特に、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリオレフィン系、ポリビニルアルコール系などの熱接着性樹脂で構成された熱接着性繊維で構成されたバインダー繊維)の融着により固定された繊維構造体が好ましく、遮音性(特に軽量床衝撃音に対する遮音性)と強度とを両立できる点から、湿熱接着性繊維を含み、かつこの湿熱接着性繊維の融着により繊維が固定された構造体(以下、「湿熱接着性繊維を含む不織繊維構造体」と称することがある)が特に好ましい。本発明では、湿熱接着性繊維の融着により繊維が固定された構造体は、高温(過熱又は加熱)水蒸気を利用して接着するために、厚み方向で均一に接着されており、繊維構造を保持しながら、高い強度を確保できる。
この不織繊維構造体において、湿熱接着性繊維は、少なくとも湿熱接着性樹脂で構成されている。湿熱接着性樹脂は、高温水蒸気によって容易に実現可能な温度において、流動又は容易に変形して接着機能を発現可能であればよい。具体的には、熱水(例えば、80〜120℃、特に95〜100℃程度)で軟化して自己接着又は他の繊維に接着可能な熱可塑性樹脂、例えば、エチレン−ビニルアルコール共重合体などのビニルアルコール系重合体、ポリ乳酸などのポリ乳酸系樹脂、(メタ)アクリルアミド単位を含む(メタ)アクリル系共重合体などが挙げられる。さらに、高温水蒸気により容易に流動又は変形して接着可能なエラストマー(例えば、ポリオレフィン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、スチレン系エラストマーなど)などであってもよい。これらの湿熱接着性樹脂は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらのうち、特に、エチレンやプロピレンなどのα−C2−10オレフィン単位を含むビニルアルコール系重合体、特に、エチレン−ビニルアルコール系共重合体が好ましい。
エチレン−ビニルアルコール系共重合体において、エチレン単位の含有量(共重合割合)は、例えば、5〜65モル%(例えば、10〜65モル%)、好ましくは20〜55モル%、さらに好ましくは30〜50モル%程度である。エチレン単位がこの範囲にあることにより、湿熱接着性を有するが、熱水溶解性はないという特異な性質が得られる。エチレン単位の割合が少なすぎると、エチレン−ビニルアルコール系共重合体が、低温の蒸気(水)で容易に膨潤又はゲル化し、水に一度濡れただけで形態が変化し易い。一方、エチレン単位の割合が多すぎると、吸湿性が低下し、湿熱による繊維融着が発現し難くなるため、実用性のある強度の確保が困難となる。エチレン単位の割合が、特に30〜50モル%の範囲にあると、シート又は板状への加工性が特に優れる。
エチレン−ビニルアルコール系共重合体におけるビニルアルコール単位のケン化度は、例えば、90〜99.99モル%程度であり、好ましくは95〜99.98モル%、さらに好ましくは96〜99.97モル%程度である。ケン化度が小さすぎると、熱安定性が低下し、熱分解やゲル化によって安定性が低下する。一方、ケン化度が大きすぎると、繊維自体の製造が困難となる。
エチレン−ビニルアルコール系共重合体の粘度平均重合度は、必要に応じて選択できるが、例えば、200〜2500、好ましくは300〜2000、さらに好ましくは400〜1500程度である。重合度がこの範囲にあると、紡糸性と湿熱接着性とのバランスに優れる。
湿熱接着性繊維の横断面形状(繊維の長さ方向に垂直な断面形状)は、一般的な中実断面形状である丸型断面や異型断面[偏平状、楕円状、多角形状など]に限定されず、中空断面状などであってもよい。湿熱接着性繊維は、少なくとも湿熱接着性樹脂を含む複数の樹脂で構成された複合繊維であってもよい。複合繊維は、湿熱接着性樹脂を少なくとも繊維表面の一部に有していればよいが、接着性の点から、繊維表面において長さ方向に連続する湿熱接着性樹脂を有するのが好ましい。湿熱接着性樹脂の被覆率は、例えば、50%以上、好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上である。
湿熱接着性樹脂が表面を占める複合繊維の横断面構造としては、例えば、芯鞘型、海島型、サイドバイサイド型又は多層貼合型、放射状貼合型、ランダム複合型などが挙げられる。これらの横断面構造のうち、接着性が高い構造である点から、湿熱接着性樹脂が繊維の全表面を被覆する構造である芯鞘型構造(すなわち、鞘部が湿熱接着性樹脂で構成された芯鞘型構造)が好ましい。芯鞘型構造は、他の繊維形成性重合体で構成された繊維の表面に湿熱接着性樹脂をコーティングした繊維であってもよい。
複合繊維の場合、湿熱接着性樹脂同士を組み合わせてもよいが、非湿熱接着性樹脂と組み合わせてもよい。非湿熱接着性樹脂としては、非水溶性又は疎水性樹脂、例えば、ポリオレフィン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリウレタン系樹脂、熱可塑性エラストマーなどが挙げられる。これらの非湿熱接着性樹脂は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
これらの非湿熱接着性樹脂のうち、耐熱性及び寸法安定性の点から、融点が湿熱接着性樹脂(特にエチレン−ビニルアルコール系共重合体)よりも高い樹脂、例えば、ポリプロピレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、特に、耐熱性や繊維形成性などのバランスに優れる点から、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂が好ましい。
湿熱接着性樹脂と非湿熱接着性樹脂(繊維形成性重合体)とで構成された複合繊維の場合、両者の割合(質量比)は、構造(例えば、芯鞘型構造)に応じて選択でき、湿熱接着性樹脂が表面に存在すれば特に限定されないが、例えば、湿熱接着性樹脂/非湿熱接着性樹脂=90/10〜10/90、好ましくは80/20〜15/85、さらに好ましくは60/40〜20/80程度である。湿熱接着性樹脂の割合が多すぎると、繊維の強度を確保し難く、湿熱接着性樹脂の割合が少なすぎると、繊維表面の長さ方向に連続して湿熱接着性樹脂を存在させるのが困難となり、湿熱接着性が低下する。この傾向は、湿熱接着性樹脂を非湿熱接着性繊維の表面にコートする場合においても同様である。
湿熱接着性繊維の平均繊維長は、例えば、10〜100mm程度の範囲から選択でき、好ましくは20〜80mm、さらに好ましくは25〜75mm程度である。平均繊維長がこの範囲にあると、繊維が充分に絡み合うため、繊維構造体の機械的強度が向上する。
湿熱接着性繊維の捲縮率は、例えば、1〜50%、好ましくは3〜40%、さらに好ましくは5〜30%程度である。また、捲縮数は、例えば、1〜100個/25mm、好ましくは5〜50個/25mm、さらに好ましくは10〜30個/25mm程度である。
不織繊維構造体は、前記湿熱接着性繊維に加えて、さらに非湿熱接着性繊維を含んでいてもよい。非湿熱接着性繊維としては、前記複合繊維を構成する非湿熱接着性樹脂で構成された繊維の他、セルロース系繊維(例えば、レーヨン繊維、アセテート繊維など)などが挙げられる。これらの非湿熱接着性繊維は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの非湿熱接着性繊維は、目的の特性に応じて選択でき、レーヨンなどの半合成繊維と組み合わせると、相対的に高密度で機械的特性の高い繊維構造体が得られる。
湿熱接着性繊維と非湿熱接着性繊維との割合(質量比)は、パネルの種類や用途に応じて、湿熱接着性繊維/非湿熱接着性繊維=100/0〜20/80(例えば、99/1〜20/80)、好ましくは100/0〜50/50(例えば、95/5〜50/50)、さらに好ましくは100/0〜70/30程度である。湿熱接着性繊維の割合が少なすぎると、硬度が低下し、繊維構造体としての取り扱い性の保持が困難となる。
湿熱接着性繊維を含む不織繊維構造体は、不織繊維構造を構成する繊維が前記湿熱接着性繊維の融着による繊維接着率は3〜85%(例えば、5〜60%)、好ましくは5〜50%(例えば、6〜40%)、さらに好ましくは6〜35%(特に8〜30%)程度である。本発明では、このような範囲で繊維が接着されているため、各繊維の自由度が高く、高い遮音性を発現できる。さらに、強度を向上させるために、繊維接着率は、例えば、10〜85%、好ましくは20〜80%、さらに好ましくは30〜75%程度であってもよい。
本発明における繊維接着率は、後述する実施例に記載の方法で測定できるが、不織繊維断面における全繊維の断面数に対して、2本以上接着した繊維の断面数の割合を示す。従って、繊維接着率が低いことは、複数の繊維同士が融着する割合(集束して融着した繊維の割合)が少ないことを意味する。
本発明では、さらに、不織繊維構造を構成する繊維は、各々の繊維の接点で接着しているが、できるだけ少ない接点数で大きな曲げ応力を発現するためには、この接着点が、厚み方向に沿って、繊維構造体表面から内部(中央)、そして裏面に至るまで、均一に分布しているのが好ましい。接着点が表面又は内部などに集中すると、優れた機械的特性及び成形性を確保するのが困難となるだけでなく、接着点の少ない部分における形態安定性が低下する。
従って、繊維構造体の厚み方向の断面において、厚み方向に三等分した各々の領域における繊維接着率がいずれも前記範囲にあるのが好ましい。さらに、各領域における繊維接着率の最大値に対する最小値の割合(最小値/最大値)(繊維接着率が最大の領域に対する最小の領域の比率)が、例えば、50%以上(例えば、50〜100%)、好ましくは55〜99%、さらに好ましくは60〜98%(特に70〜97%)程度である。本発明では、繊維接着率が、厚み方向において、このような均一性を有しているため、繊維の接着面積が低いにも拘わらず、硬さや曲げ強度、耐折性や靱性も優れている。さらに、繊維の接着面積が低いため、自由に振動可能な繊維が多く、優れた振動吸収性を有している。そのため、床材を通過してきた音波は、不織繊維構造体により吸音され、固体伝播音を軽減することができる。すなわち、本発明における不織繊維構造体は、ボードとしての機械的特性と、繊維構造体としての吸音性とを両立している。
湿熱接着性繊維を含む不織繊維構造体は、ステープル繊維を用いて得られたウェブ(例えば、セミランダムウェブ、パラレルウェブなど)に対して、温度70〜150℃(特に80〜120℃)程度の高温水蒸気を、圧力0.1〜2MPa(特に好ましくは0.2〜1.5MPa)程度で噴射する方法により得られるが、詳細な製造方法については、国際公開WO2007/116676号公報(特許文献3)に記載の製造方法を利用できる。
なお、不織繊維構造体で構成された緩衝層を接着剤や粘着剤を用いて床下地材又は硬質層と固定する場合、接着剤又は粘着剤が不織繊維構造体に浸透し、緩衝効果を軽減する虞があるため、不織繊維構造体の表面及び/又は裏面に、フィルムや不織布などのシート材を積層することにより、接着剤又は粘着剤の浸透を防止してもよい。
(第2の硬質層)
第2の硬質層も、第1の硬質層と同様に、機械的強度を付与するために配設され、第1の硬質層と同様に、硬質のボード材が使用され、通常、木質系ボード材が使用される。木質系ボード材は、通常、第1の硬質層と同じボード材が使用されるが、用途に応じて異なるボード材を使用してもよい。第1の硬質層と同様に、突き合わせ部が根太の上に位置するように配設するのが好ましく、壁面に対して隙間をあけて配設するのが好ましい。第2の硬質層の厚みも、第1の硬質層と同様の範囲から選択でき、通常、第1の硬質層と同じの厚みであるが、用途に応じて第1の硬質層と異なる厚みであってもよい。
(床仕上げ層)
床仕上げ層には、部屋の種類に応じて、慣用の床仕上げ材、例えば、敷き仕上げ、フローリング、軟質仕上げなどに用いられる慣用の床仕上げ材が利用できる。
敷き仕上げの床仕上げ材としては、例えば、畳表、カーペット、ラグ、ラグマット、じゅうたんなどが挙げられる。フローリングの床仕上げ材には、ムク材系床仕上げ材、合板系床仕上げ材などのフローリング材が含まれる。軟質仕上げの床仕上げ材には、コルク板、軟質プラスチック板などが含まれる。軟質プラスチック板としては、発泡層を有するプラスチックシート(クッションフロア)であってもよい。
これらの床仕上げ材のうち、コルク板、カーペット、畳表を用いると、表面の緩衝効果により軽量衝撃音の遮音性能がさらに向上する。
床仕上げ層も、遮音性を向上させるために、壁面に対して密接させずに隙間をあけて配設するのが好ましい。壁面との間の隙間は、必ずしも必要ではないが、遮音性の点から形成するのが好ましく、例えば、1〜10mm、好ましくは2〜8mm、さらに好ましくは3〜6mm程度である。なお、壁面との隙間を形成した場合、隙間に幅木を施工することにより、床仕上げ材と壁との隙間は露出しない状態とすることができる。幅木についても、床仕上げ層の端面から1〜2mm程度離した状態で施工するのが好ましく、又は幅木下部に合成樹脂などで構成されたシート材が付いた幅木(いわゆる「ヒレ付幅木」)を使用することにより、床仕上げ材から幅木、壁に伝わる振動を絶縁してもよい。
床仕上げ層の厚みは、種類に応じて選択でき、例えば、フローリング材の厚みは、例えば、2〜20mm、好ましくは3〜15mm、さらに好ましくは5〜15mm程度であってもよく、軟質床仕上げ材の厚みは、例えば、1〜20mm、好ましくは1.5〜10mm、さらに好ましくは2〜8mm程度であってもよい。
なお、本発明の遮音床構造では、床下地材と床仕上げ層との間に、根太と交互かつ平行に配設され、かつ圧縮された緩衝層が介在していればよく、第1及び第2の硬質層は、必須の構成要素ではない。そのため、本発明の遮音床構造は、例えば、床下地材の上に根太及び緩衝層を配設し、この根太及び緩衝層の上に硬質層を配設する態様、第1の硬質層の上に根太及び緩衝層を配設し、この根太及び緩衝層の上に床仕上げ層を配設する態様、床下地材の上に根太及び緩衝層を配設して、この根太及び緩衝層の上に床仕上げ層を配設する態様、これらの態様において、後述するように、制振層を介在させる態様であってもよい。これらの態様のうち、第1及び第2の硬質層のうち、少なくとも一方の硬質層を配設する態様が汎用される。
(制振層)
本発明の遮音床構造は、床衝撃源からの振動を制振効果により低減させて床衝撃音の遮音性能をさらに向上させるため、さらに制振層と組み合わせてもよい。制振層は、床下地材と床仕上げ層との間に介在していればよく、例えば、第1の硬質層と根太及び被圧縮層との間、第1の硬質層と床下地材との間、第2の硬質層と根太及び被圧縮層との間、第2の硬質層と床仕上げ層との間に配設してもよい。また、第1の硬質層又は第2の硬質層の代わりに制振層を配設してもよい。さらに、第1の硬質層と床下地材との間に制振層を配設した場合や第1の硬質層の代わりに制振層を配設した場合、この制振層と床下地材との間にさらに硬質層を配設してもよく、第2の硬質層と床仕上げ層との間に制振層を配設した場合や第2の硬質層の代わりに制振層を配設した場合、この制振層と床仕上げ層との間にさらに硬質層を配設してもよい。なお、後述するように、緩衝層と組み合わせて、隣り合う根太間に非緩衝層としての制振層を配設してもよい。
なお、制振層は、前記硬質層と一体化された制振木質系ボード材に含まれる制振層であってもよい。制振木質系ボード材では、硬質層と制振層とは、接着剤又は粘着剤で固着又は貼り合わされて一体化している。接着剤又は粘着剤としては、根太や制振材の材質に応じて、慣用の接着剤又は粘着剤の中から選択でき、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体などの水系ビニル系接着剤などが汎用される。制振木質系ボード材としては、木質系ボード材の片面に制振材を貼り合わせた非拘束型制振木質系ボード材、制振材の両面に木質系ボード材を貼り合わせた拘束型制振木質系ボード材などを使用できる。制振木質系ボード材を使用することにより、木質系ボード材と制振材とを別個に施工した場合(両者を積層した場合でも、固定具を用いて固着した場合)に比べて、同じ厚みでも遮音性能が向上する。
制振層は、幅広い周波域の床衝撃音を遮音可能であれば、特に限定されないが、高密度かつ高比重の制振材が利用される。制振材としては、通常、バインダー成分とフィラーとの混合物が使用される。バインダー成分としては、例えば、アスファルトなどの瀝青質物質、合成樹脂、ゴムやエラストマーなどが挙げられる。バインダー成分が制振効果を発現するためには、通常、単位面積当たりの質量が4kg/m以上であるのが好ましく、このような高比重を有する点から、バインダー成分は、アスファルトを含有するのが好ましい。アスファルトとしては、特に限定されず、一般的なアスファルト、例えば、天然アスファルト、ストレートアスファルト、ブローンアスファルトなどの石油アスファルトなどが使用できる。これらのアスファルトは、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
さらに、バインダー成分は、制振材に可撓性を付与するために、アスファルトに加えて、軟質樹脂又はエラストマー成分を含んでいてもよい。軟質樹脂又はエラストマー成分としては、例えば、ポリオレフィン、ビニル系重合体(ポリ塩化ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体など)、ポリアミド、ポリエステル、合成ゴム(ポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレン−ブタジエン共重合体など)、天然ゴム、ロジン系樹脂(天然ロジン、変性ロジンなど)などが挙げられる。これらの軟質樹脂又はエラストマー成分は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの軟質樹脂又はエラストマー成分のうち、スチレン−ブタジエンブロック共重合体などのスチレン−ジエン系共重合体が好ましい。
アスファルトを含む制振材において、軟質樹脂又はエラストマー成分の割合は、アスファルト100重量部に対して、例えば、0〜100重量部、好ましくは1〜80重量部、さらに好ましくは3〜50重量部程度である。
フィラーとしては、有機フィラーであってもよいが、高比重である点から、無機フィラーが好ましい。無機フィラーとしては、例えば、鉄、銅、錫、亜鉛、ニッケル、ステンレス鋼などの金属粒子(粉末)、酸化鉄、三二酸化鉄、四三酸化鉄、フェライト、酸化錫、酸化亜鉛、亜鉛華、酸化銅、酸化アルミニウムなどの金属酸化物粒子、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸アルミニウム、亜硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、重炭酸カルシウム、炭酸バリウム、水酸化マグネシウムなどの金属塩粒子、製鋼スラグ、マイカ、クレー、タルク、ウォラストナイト、けい藻土、けい砂、軽石粉などの鉱物粒子などが挙げられる。
これらの無機フィラーは、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの無機フィラーのうち、鉄粒子、各種酸化鉄粒子、製鋼スラグ粒子、(重)炭酸カルシウム粒子などが好ましい。
無機フィラーの形状は、粒子状又は粉末状、不定形状、繊維状などが挙げられるが、粒子状又は粉末状が好ましい。無機フィラーの平均粒径は、例えば、0.5mm以下(例えば、0.01〜0.5mm)、好ましくは0.2mm以下(例えば、0.05〜0.2mm)程度である。このように微粉末化された無機フィラーを使用すると、制振材を製造する際の成形加工性を改善し、アスファルト基材中に多量の無機フィラーを均一に分散配合することができるため、制振材の面密度及び感熱安定性を向上できる。
無機フィラーの割合は、アスファルト100重量部に対して、例えば、100〜2000重量部、好ましくは200〜1800重量部、さらに好ましくは300〜1500重量部程度である。無機充填剤の量が少なすぎると制振遮音効果が低下し、逆に多すぎると全体が脆くなり成形が困難となり、作業性が低下する。制振材の面密度は4.0kg/m以上(特に8.0kg/m以上)となるように調整するのが好ましい。
制振材は、特に限定されず、バインダー成分と無機フィラーとを加熱混合し、板状に成形する方法などにより得ることができる。軟質樹脂又はエラストマー成分を配合する場合は、アスファルトと軟質樹脂又はエラストマー成分を予め混合した混合物に無機フィラーを添加してもよい。
なお、制振材の形状は、作業性などの点から、板状又はシート状材が好ましいが、例えば、半固体状などの不定形状の制振材であってもよい。
制振層の厚みは、例えば、1〜20mm、好ましくは3〜15mm、さらに好ましくは4〜12mm(特に5〜10mm)程度である。制振層の比重は、例えば、2.2〜3.6、好ましくは2.3〜3.5、さらに好ましくは2.5〜3.4程度である。
(非緩衝層)
本発明の遮音床構造は、遮音性を向上させるために、隣り合う根太間において緩衝層と非緩衝層とを組み合わせてもよい。図2は、本発明の遮音床構造の他の例を示す概略断面図である。すなわち、本発明の遮音床構造は、図2に示されるように、図1に示される遮音床構造において、隣り合う根太3の間に、非緩衝層7及び緩衝層4を順次積層して配設してもよい。非緩衝層を緩衝層と組み合わせることにより、緩衝層とは異なる遮音特性を付与できる。
非緩衝層には、高周波域の音波の吸音性を向上させるために、空間部が形成されていてもよい。図3は、本発明の遮音床構造のさらに他の例を示す概略断面図である。すなわち、本発明の遮音床構造は、図3に示されるように、図1に示される遮音床構造において、隣り合う根太3の間に、緩衝層4及び空間部8を有する非緩衝層7を順次積層して配設してもよい。緩衝層の上に根太と平行に非緩衝層及び空間部を形成することにより、非緩衝層の遮音効果に加えて、高周波域の音波も吸音できる。
なお、図2及び図3ともに、図1と同様に根太3の長手方向に対して垂直方向の断面図である。
図3において、前記空間部8は、根太3の長手方向と平行に延びる長尺の非緩衝層7を、緩衝層4の上に間隔をおいて配設することにより形成されているが、所定の面積で空間部が形成される限り、特に限定されず、例えば、長尺の非緩衝層を根太の長手方向と垂直な方向で間隔をおいて配設してもよい。空間部が占める面積は、緩衝層の全面積に対して、例えば、1〜90%、好ましくは5〜80%、さらに好ましくは10〜70%程度である。
本発明の遮音床構造では、前記態様に限定されず、図2の態様において、非緩衝層に空間部が形成されていてもよく、図3の態様において、非緩衝層が空間部を有さない非緩衝層であってもよい。さらに、床下地材が木造床や軽量発泡コンクリートなどの遮音性が低い下地材である場合、緩衝層を複数の層で構成し、緩衝層の間に非緩衝層を介在させて、床衝撃音の遮音性能を向上させてもよい。
非緩衝層の材質としては、有機材料(木質材、プラスチック材など)、無機材料(石膏、珪酸カルシウム、ガラス、アルミニウム、ステンレススチール、鋼など)のいずれであってもよく、例えば、前記第1の硬質層で例示された硬質のボード材などであってもよいが、断熱性などの機能性を付与できる点から、インシュレーションボードなどの木質系ボード材、硬質繊維シートなどが好ましく、制振材が特に好ましい。本発明では、これらの材料を単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの材料のうち、制振材が特に好ましい。非緩衝層を制振材で構成し、制振層として機能させると、床衝撃源からの振動を制振効果により低減させて床衝撃音の遮音性を向上できる。また、非緩衝層が制振材で構成される場合、図2に示す遮音床構造において、第2の硬質層を用いることなく、第1の硬質層の代わりに制振層を用いてもよい。このような構造とすることにより、床衝撃音の遮音性能を向上できる。
非緩衝層の厚みは、例えば、1〜20mm、好ましくは1.5〜15mm、さらに好ましくは2〜10mm(特に3〜8mm)程度である。
本発明の遮音床構造は、良好な歩行感が得られるとともに、床衝撃音の遮音性能も高いだけでなく、床の硬さが適度かつ均一であるため、転倒時の安全性にも優れている。すなわち、本発明の遮音床構造は、JIS A6519に準拠した硬さ(衝撃時加速度G値)が100G以下であり、例えば、10〜100G、好ましくは20〜90G、さらに好ましくは30〜85G(特に40〜80G)程度である。さらに、床構造は、通常、梁間、根太間の上方に位置する部分では柔らかく、梁や根太の上方に位置する部分では硬く、特に、梁と根太とが重複する部分では最も硬くなる傾向を有している。これに対して、本発明の遮音床構造では、最も柔らかい箇所に対する最も硬い箇所の加速度G値の比は、例えば、1.3倍以下であり、好ましくは1.2倍以下、さらに好ましくは1.1倍以下(特に1.05倍以下)であり、床の位置に拘わらず、加速度G値は略均一(1〜1.01倍程度)である。そのため、床構造が均一に踏み心地が良く、安定した歩行感を実現できる。さらに、局所的に硬い部分が存在しないため、転倒した時にも怪我をしにくく、安全性が高い。
[遮音床構造の施工又は製造方法]
本発明の遮音床構造は、層構造に応じて、床下地材の上に、第1の硬質層(及び/又は制振層)、根太を順次積層し、根太間に被圧縮層(緩衝層)を配設又は挿入した後、根太及び被圧縮層の上に、さらに第2の硬質層(及び/又は制振層)、床仕上げ層などを順次積層することにより施工できる。
詳しくは、図1〜3に示す遮音床構造の場合、まず、床下地材の上に第1の硬質層を置き敷きし、根太を施工する。
根太は、前述のように、梁と重複する部分が存在しないように配設するのが望ましい。例えば、梁と根太とを垂直に配設する場合には、両者の交差部で必ず梁と根太との重複部分が存在するため、梁と根太とを平行に配設し、かつ梁の上方に根太が位置しないように根太を配設する(すなわち、隣り合う根太間の上方に梁が位置するように根太を配設する)のが好ましい。
第1の硬質層は、通常、複数の木質系ボード材を使用するが、木質系ボード材の突き合わせ部(隣り合う木質系ボード材の継ぎ目部)に根太を配設するのが好ましい。木質系ボード材の突き合わせ部に、根太を配設すると、硬質層の安定性が向上し、木質系ボード材の突き合わせ部での荷重による沈み込みを抑制できる。また、木質系ボード材の突き合わせ部は、密接させてもよく、木質系ボードの温湿度による伸縮を考慮し1〜20mm(特に5〜15mm)程度の隙間を開けてもよい。
根太の固定方法としては、接着剤又は粘着剤を用いる方法、固定具を用いる方法などが挙げられる。接着剤又は粘着剤としては、根太や硬質層などの材質に応じて、慣用の接着剤又は粘着剤の中から選択できる。接着剤としては、デンプンやカゼインなどの天然高分子系接着剤、ポリ酢酸ビニルやエチレン−酢酸ビニル共重合体などのビニル系接着剤、アクリル系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリアミド系接着剤などの熱可塑性樹脂系接着剤、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂系接着剤などが挙げられる。粘着剤としては、例えば、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤などの熱可塑性樹脂系粘着剤などが挙げられる。固定具としては、ネイル、ネジ、釘、ステープル、針などの係合手段、粘着テープ、面ファスナーなどが挙げられる。
これらの方法のうち、通常、釘などの固定具を用いる方法が汎用される。なお、第1の硬質層を積層せずに、床下地材上に根太を積層する場合も同様の方法で施工できる。
被圧縮層(緩衝層)は、根太間に敷き詰める。その際に、第1の硬質層上に予め前記接着剤又は粘着剤を塗布後、被圧縮層を敷き詰めてもよく、被圧縮層を敷き詰めた後に、前記固定具などで固定してもよい。さらに、被圧縮層として、緩衝層とともに、非緩衝層を緩衝層の上面側又は下面側に挿入してもよい。なお、被圧縮層は、隣り合う根太間に配設されていればよく、適度な空隙を形成して敷き詰めてもよいが、防振効果などを向上できる点から、根太と交互に隣接して配設するのが好ましい。
さらに、根太及び被圧縮層の上に第2の硬質層を形成する。第2の硬質層も、第1の硬質層と同様に、木質系ボード材の突き合わせ部に根太を配設するのが好ましい。第2の硬質層を根太と接触するように積層することにより、被圧縮層が第1の硬質層と第2の硬質層に挟まれて圧縮され、根太の厚みにまで圧縮された緩衝層が形成される。
最後に、床仕上げ材を第2の硬質層の上に配設して床仕上げ層を形成する。第2の硬質層及び床仕上げ層の固定方法としても、前述の接着剤(もしくは粘着剤)又は固定具を用いる方法が利用できるが、床仕上げ層及び硬質層がいずれも硬質であるため、通常、ネイル、ステープル、釘などの係合手段が利用される。これらの係合手段は、遮音性を向上させる点から、緩衝層まで到達しない長さの係合手段を利用するのが好ましい。例えば、床仕上げ材がフローリングの場合、通常、係合手段としてフロアネイルと称される釘を使用するが、フロアネイルが緩衝層や床下地材に到達すると、サウンドブリッジにより床衝撃音の遮音性能が低下する虞がある。従って、根太が釘保持力を有する材質(木質材など)である場合、床仕上げ層から根太までフロアネイルなどの係合手段で一体化するのが好ましい。床仕上げ層から根太まで一体化されると、床自体の剛性が向上し、床衝撃音の遮音性能が向上するだけでなく、歩行感も良好になる。
制振層を床仕上げ層と床下地材との間に介在させる場合、制振材と床下地材、制振材と床仕上げ材、制振材と硬質層、制振材と根太及び被圧縮層は、接着剤又は粘着剤で固定するのが好ましい。接着剤又は粘着剤で固定することにより、床自体の剛性を向上でき、床衝撃音の遮音性能を向上できる。さらに、被圧縮層として、緩衝層とともに非緩衝層として制振層を用いる場合も、同様に接着剤又は粘着剤で固定するのが好ましい。
床暖房を施工する場合は、床仕上げ材の直下に床暖房パネルなどを設置してもよい。なお、制振材を使用している場合は、制振材上に更に木質系パネルや断熱性を有するパネルを設置するのが好ましい。
なお、本発明の遮音床構造は、部屋の全面に施工される態様だけに限定されず、部屋の一部に施工してもよい。例えば、ピアノなどの重量物を載置する部屋に対して、重量物が載置される部分について、根太を略全面に敷き詰める態様、前記緩衝層を耐荷重性の高い木質系ボードなどに置き換える態様などにより、部分的に強度を担保してもよい。
[遮音床構成材]
本発明の遮音床構成材は、前記遮音床構造を形成するために用いられ、間隔をおいて平行に配設するための複数の根太と、これらの根太と交互に配設され、かつ根太よりも大きい厚みを有する被圧縮層とで構成されていればよい。このような遮音床構成材のうち、予め硬質層の一方の面に根太及び被圧縮層を固着した構成材は、建築現場で根太を組む必要がないため、施工が簡便になり、施工のバラツキによる性能の低下も抑制できる。
図4は、本発明の遮音床構成材の一例を示す概略斜視図であり、図5は、図4の遮音床構成材のA−A線概略断面図である。本発明の遮音床構成材10は、施工性を向上させるために、図4及び5に示すように、硬質層15の上に、間隔をおいて根太13を平行に配設して固着し、さらに隣り合う根太間に被圧縮層14を配設して固着している。根太13及び被圧縮層14は、各々接着剤(又は粘着剤)で硬質層15に固着されている。この構成材では、被圧縮層は、建築現場において、床下地材や床仕上げ層などで圧縮して緩衝層を形成する。
被圧縮層(圧縮前の緩衝層)の厚みは、根太の厚みに対して1.05倍以上であり、例えば、1.05〜3倍、好ましくは1.1〜2倍、さらに好ましくは1.2〜1.5倍(特に1.3〜1.4倍)程度である。被圧縮層が緩衝層と非緩衝層とで構成されている場合、被圧縮層(圧縮前の緩衝層)の厚みは、根太の厚みから非緩衝層の厚みを減じた厚みに対して1.05倍以上であり、例えば、1.05〜5倍、好ましくは1.1〜4倍、さらに好ましくは1.3〜3倍(特に1.5〜2倍)程度である。
本発明の遮音床構成材は、硬質層の一方の面に根太及び被圧縮層を固着した構成材に対して、根太及び被圧縮層の上に、さらに硬質層を固着してもよい。図6は、本発明の遮音床構成材の一例を示す概略斜視図であり、図7は、図6の遮音床構成材のA−A線概略断面図である。この遮音床構成材20は、さらに施工性を向上させるために、図6及び7に示すように、図4の遮音床構成材の被圧縮層14及び根太13の上に、さらに硬質層12が配設され、被圧縮層14を根太13の厚みにまで圧縮して固着されている。この構成材では、被圧縮層を圧縮して緩衝層が形成されているため、建築現場では、遮音床構成材を必要に応じて切断して配設するだけの方法で施工できる。
本発明の遮音床構成材において、硬質層と根太との間、又は硬質層の表面に、さらに制振材を固着してもよい。また、硬質層の代わりに制振材を用いてもよい。
さらに、本発明の遮音床構成材では、硬質層、根太及び被圧縮層、制振材の各部材間における固着方法としては、接着剤(又は粘着剤)で固定する方法に限定されず、固定具を用いる方法、これらの方法を組み合わせる方法などであってもよいが、建築現場での切断の容易性など、施工性に優れる点から、接着剤(又は粘着剤)で固定する方法が好ましい。
以下、実施例により、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。実施例における各物性値は、以下に示す方法により測定した。なお、実施例中の「部」及び「%」はことわりのない限り、質量基準である。
(1)目付(g/m2
JIS L1913「一般短繊維不織布試験方法」に準じて測定した。
(2)厚み(mm)、見掛け密度(g/cm
JISL 1913「一般短繊維不織布試験方法」に準じて厚さを測定し、この値と目付けの値とから見かけ密度を算出した。
(3)繊維接着率
走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、構造体断面を100倍に拡大した写真を撮影した。撮影した構造体の厚み方向における断面写真を厚み方向に三等分し、三等分した各領域(表面、内部(中央)、裏面)において、そこに見出せる繊維切断面(繊維端面)の数に対して繊維同士が接着している切断面の数の割合を求めた。各領域に見出せる全繊維断面数のうち、2本以上の繊維が接着した状態の断面の数の占める割合を以下の式に基づいて百分率で表わした。なお、繊維同士が接触する部分には、融着することなく単に接触している部分と、融着により接着している部分とがある。但し、顕微鏡撮影のために構造体を切断することにより、構造体の切断面においては、各繊維が有する応力によって、単に接触している繊維同士は分離する。従って、断面写真において、接触している繊維同士は、接着していると判断できる。
繊維接着率(%)=(2本以上接着した繊維の断面数)/(全繊維断面数)×100
但し、各写真について、断面の見える繊維は全て計数し、繊維断面数100以下の場合は、観察する写真を追加して全繊維断面数が100を超えるようにした。なお、三等分した各領域についてそれぞれ繊維接着率を求め、その最大値に対する最小値の割合(最小値/最大値)も併せて求めた。
(4)床衝撃音の遮音特性
JIS A 1418−1「建築物の床衝撃音遮断性能の測定方法 −第1部:標準軽量衝撃源による方法」に準拠して行った。測定結果は、JIS A 1419−2「建築物および建築部材の遮音性能の評価方法−第2部:床衝撃音遮断性能」に準拠して床衝撃音レベル等級で示した。
(5)最大加速度
JIS A 6519「体育館用鋼製床下地構成材 9.6 床の硬さ試験」に準拠して測定し、測定点としては、硬さの異なる点(梁上や梁間、根太上や根太間の組み合わせ)について加速度Gの最大値を各5回計測して平均値を取り、最も硬い(数字の大きい)箇所(a)と最も柔らかい(数字の小さい)箇所(b)との差(a−b)を比較した。なお、最も硬い箇所は、いずれの実施例及び比較例でも梁上の箇所であり、最も柔らかい箇所(柔軟箇所)は、実施例1〜5及び比較例2では梁間であり、かつ根太間である箇所、比較例1及び3では、梁間の箇所であった。
実施例1
容積が30mのコンクリート製建物の上部開口部(寸法1820×1820mm)の四周に長手方向に垂直な断面が120×200mmの木材を置き桁とし、中央部から455mmの箇所に長手方向に垂直な断面が120×200mmの木材を2本取り付け梁とした。その上に、厚み24mmの構造用合板を、梁と平行となるように150mm間隔で平行に並べて配設し、長さ65mmのビスで取り付けて床下地材を作製した。さらに、床下地材の上に、厚み9mmの構造用合板及び厚み4mmの制振材(アスファルトと鉄系無機粉体とを加熱混合して板状に成形した比重2.8のシート)をこの順序で敷設した。前記制振材の上に、幅寸法50mmに切断した厚み9mmの構造用合板を、梁と平行となるように303mm間隔で平行に並べて配設した後、長さ32mmのビスで固定して、根太とした。次に、根太間に、緩衝層として、厚み12mmで単位面積質量(目付)1000g/mのニードルパンチ方式によるポリエステル不織布(平均繊維径25μm)を挿入し、この不織布の上から、厚み12mmの構造用合板を配設し、長さ32mmのビスで固定した。さらに、前記構造用合板の上に厚み12mmの合板からなるフローリングを施工した。なお、フローリングの固定は、38mmのフロアネイルを使用し、根太上にフロアネイルが位置するように固定した。上記構成において、遮音床構造の全ての端面を壁面から6mm離した状態で施工した。
実施例2
緩衝層として、ポリエステル不織布の代わりに以下の方法で得られた不織繊維構造体Aを使用する以外は、実施例1と同様にして遮音床構造を施工した。
(不織繊維構造体Aの製造方法)
湿熱接着性繊維として、芯成分がポリエチレンテレフタレート、鞘成分がエチレン−ビニルアルコール共重合体(エチレン含有量44モル%、ケン化度98.4モル%)である芯鞘型複合ステープル繊維((株)クラレ製、「ソフィスタ」、繊度3dtex、繊維長51mm、芯鞘質量比=50/50、捲縮数21個/25mm、捲縮率13.5%)を準備した。
この芯鞘型複合ステープル繊維を用いて、カード法により目付約50g/mのカードウェブを作製し、このウェブを17枚重ねて合計目付約850g/mのカードウェブとした。
このカードウェブを、50メッシュ、幅500mmのステンレス製エンドレスネットを装備したベルトコンベアに移送した。尚、このベルトコンベアの金網の上部には同じ金網を有するベルトコンベアが装備されており、それぞれが同じ速度で同方向に回転し、これら両金網の間隔を任意に調整可能なベルトコンベアを使用した。
次いで、下側コンベアに備えられた水蒸気噴射装置ヘカードウェブを導入し、この装置から0.2MPaの高温水蒸気をカードウェブの厚み方向に向けて通過するように(垂直に)噴出して水蒸気処理を施し、不織繊維構造を有する成形体を得た。この水蒸気噴射装置は、下側のコンベア内に、コンベアネットを介して高温水蒸気をウェブに向かって吹き付けるようにノズルが設置され、上側のコンベアにサクション装置が設置されていた。また、この噴射装置のウェブ進行方向における下流側には、ノズルとサクション装置との配置が逆転した組合せである噴射装置がもう一台設置されており、ウェブの表裏両面に対して蒸気処理を施した。
なお、水蒸気噴射ノズルの孔径は0.3mmであり、ノズルがコンベアの幅方向に沿って1mmピッチで1列に並べられた蒸気噴射装置を使用した。加工速度は3m/分であり、ノズル側とサクション側の上下コンベアベルト間の間隔(距離)を、厚み12mmの構造体が得られるように調整した。ノズルはコンベアベルトの裏側にベルトとほぼ接するように配置した。
得られた不織繊維構造体(成形体)Aは、ボード状の形態を有し、一般的な不織布に比べて非常に硬質であった。見掛け密度は、0.07g/cmであった。さらに、繊維接着率は、表面側で11%、中央部で10%、裏面側で10%であった。この不織繊維構造体Aを、切断加工して、緩衝層として利用した。
実施例3
床下地材上に、厚み9mmの構造用合板を敷設し、この合板の上から、幅寸法50mmに切断した厚み9mmの構造用合板を、梁と平行となるように303mm間隔で平行に並べて配設した後、長さ32mmのビスで固定して、根太とした。次に、根太間に、緩衝層として、厚み12mmで単位面積質量(目付)1000g/mのニードルパンチ方式によるポリエステル不織布(平均繊維径25μm)、及び非緩衝層として、厚み4mmの制振材(アスファルトと鉄系無機粉体とを加熱混合して板状に成形した比重2.8のシート)をこの順序で挿入した以外は実施例1と同様にして遮音床構造を施工した。
実施例4
予め、厚み9mmの構造用合板、厚み4mmの制振材(アスファルトと鉄系無機粉体とを加熱混合して板状に成形した比重2.8のシート)、厚み9mmの構造用合板をこの順序で順次積層するとともに、エチレン−酢酸ビニル共重合体からなる水系接着剤を用いて接着して拘束型制振木質系ボード材を作製した。
床下地材上に、幅寸法50mmに切断した厚み9mmの構造用合板を、梁と平行となるように303mm間隔で平行に並べて配設した後、長さ32mmのビスで固定して、根太とした。次に、根太間に、緩衝層として、厚み12mmで単位面積質量(目付)1000g/mのニードルパンチ方式によるポリエステル不織布(平均繊維径25μm)を挿入し、この不織布の上から、前記拘束型制振木質系ボード材を配設し、長さ32mmのビスで固定した以外は実施例1と同様にして遮音床構造を施工した。
実施例5
予め、厚み9mmで寸法が910mm×910mmの構造用合板上に、厚み4mmで寸法が910mm×910mmの制振材(アスファルトと鉄系無機粉体とを加熱混合して板状に成形した比重2.8のシート)をエチレン−酢酸ビニル共重合体からなる水系接着剤を用いて固定した。前記制振材の上に、前記水系接着剤を塗布し、厚み9mmで寸法が50mm×910mmの構造用合板を、前記制振材の端部及び端部から303mmの箇所に位置するように、303mm間隔で平行に並べて配設して根太とした後、これらの根太の間に、実施例2と同様の厚み12mmの不織繊維構造体を配設した。さらに、前記水系接着剤を塗布した厚み9mmで寸法が910mm×910mmの構造用合板を、根太及び不織繊維構造体側にその接着面が位置するように配設し、接着剤が乾燥するまで荷重をかけて静置し、遮音床構成材を作製した。
この遮音床構成材を床下地材上に4個配設し、長さ45mmのビスを用いて150mm間隔で固定した以外は実施例1と同様にして遮音床構造を施工した。
実施例6
予め、幅寸法50mmに切断した厚み9mmの構造用合板に、以下の方法で得られた不織繊維構造体Bを接着剤で固定し、根太を作製した。
(不織繊維構造体Bの製造方法)
不織繊維構造体Aの製造方法において、ウェブの積層枚数を9枚、合計目付約450g/mのカードウェブを使用し、上下コンベアベルト間の間隔を調整することにより、厚み3mmの不織繊維構造体Bを製造した。見掛け密度は、0.15g/cmであった。さらに、繊維接着率は、表面側で17.4%、中央部で16.2%、裏面側で20.9%であった。この不織繊維構造体Bを、幅寸法50mmに切断加工して、根太の一部として利用した。
次に、実施例1と同様にして作製した床下地材上に、厚み8mmの制振材(アスファルトと鉄系無機粉体とを加熱混合して板状に成形した比重2.8のシート)を敷設した。この制振材の上に、前記根太を、不織繊維構造体Bが制振材と接触する配置で、梁と平行となるように303mm間隔で平行に並べて、配設した後、長さ32mmのビスで固定した。
次に、根太間に、緩衝層として、厚み6mmで単位面積質量(目付)300g/mの不織繊維構造体A(平均繊維径25μm)、及び非緩衝層として、厚み8mmの制振材(アスファルトと鉄系無機粉体とを加熱混合して板状に成形した比重2.8のシート)を、この順序で挿入し、この上に、厚み12mmの合板からなるフローリングを施工した。なお、根太と緩衝層及び非緩衝層との間には20mmの隙間をあけた。また、フローリングの固定は、38mmのフロアネイルを使用し、根太上にフロアネイルが位置するように固定した。上記構成において、遮音床構造の全ての端面を壁面から6mm離した状態で施工した。
比較例1
床下地材の上に、厚み12mmの合板からなるフローリングを施工した。
比較例2
根太間の緩衝層を使用しないことを除いて実施例1と同様にして遮音床構造を施工した。
比較例3
床下地材の上に、厚み8mmの制振材(アスファルトと鉄系無機粉体とを加熱混合して板状に成形した比重2.8のシート)を敷き設し、この制振材の上に、厚み12mmの合板からなるフローリングを施工した。
実施例及び比較例で得られた床構造について、床衝撃音の遮音特性を測定した結果を表1に示す。
Figure 0006240573
表1の結果から明らかなように、実施例の遮音床構造が優れた遮音性を示すのに対して、比較例の遮音床構造は遮音性が低く、最大加速度Gの差も大きい。
本発明の遮音床構造は、マンション、ビル、一般住宅などの建築物の床構造に利用でき、特に、マンション、ビル、一般住宅などの複数階建ての建築物(多層階建築物)における2階以上のフロアにおける床構造として有用である。
1…床下地材
2…第1の硬質層
3,13…根太
4…緩衝層
5…第2の硬質層
6…床仕上げ層
7…制振層
8…空間部
10,20…遮音床構成材
14…被圧縮層(緩衝層)
12,15…硬質層

Claims (19)

  1. 床下地材と床仕上げ層との間に遮音床構成材が介在する遮音床構造であって、
    前記遮音床構成材が、間隔をおいて平行に配設するための複数の根太と、これらの根太と交互に配設され、かつ根太の厚みにまで圧縮されている被圧縮層とで構成され、
    前記根太及び前記被圧縮層と前記床仕上げ層との間に第2の硬質層が配設され、
    前記被圧縮層が、圧縮前の厚みに対して0.5〜0.95倍に圧縮され、
    圧縮前の前記被圧縮層が、見掛け密度0.03〜0.2g/cmの不織繊維構造体で形成され
    記床仕上げ層が、畳表、カーペット、ラグ、ラグマット、じゅうたん、合板系床仕上げ材、コルク板、又は軟質プラスチック板であり、かつ
    前記第2の硬質層が、構造用合板である遮音床構造。
  2. 被圧縮層が、根太と交互に隣接して配設されている請求項1記載の遮音床構造。
  3. 根太の厚みが5〜20mmである請求項1又は2記載の遮音床構造。
  4. 被圧縮層が、緩衝層と、この緩衝層の一方の面に積層された非緩衝層とで構成され、かつ前記緩衝層が、圧縮前の厚みに対して0.5〜0.95倍に圧縮されている請求項1〜3のいずれかに記載の遮音床構造。
  5. 非緩衝層が制振材で構成されている請求項4記載の遮音床構造。
  6. 非緩衝層が空間部を有する請求項4又は5記載の遮音床構造。
  7. 床面における根太と被圧縮層との面積比が、根太/被圧縮層=10/90〜30/70である請求項1〜6のいずれかに記載の遮音床構造。
  8. 圧縮前の緩衝層が、厚み3〜60mmの不織繊維構造体で形成されている請求項1〜7のいずれかに記載の遮音床構造。
  9. 不織繊維構造体が、湿熱接着性繊維を含み、かつこの湿熱接着性繊維の融着により繊維が固定されるとともに、繊維接着率が3〜85%である請求項8記載の遮音床構造。
  10. 遮音床構成材が、さらに制振層を含む請求項1〜9のいずれかに記載の遮音床構造。
  11. 制振層がアスファルトを含有する請求項10記載の遮音床構造。
  12. 根太が、第1の硬質層の一方の面に間隔をおいて平行に配設されている請求項1〜11のいずれかに記載の遮音床構造。
  13. 根太及び被圧縮層と第1の硬質層とが接着剤又は粘着剤で固着している請求項12記載の遮音床構造。
  14. 根太及び被圧縮層と第2の硬質層とが接着剤又は粘着剤で固着している請求項1〜13のいずれかに記載の遮音床構造。
  15. 第1の硬質層又は第2の硬質層と、根太及び被圧縮層との間に制振層が介在し、各層間が接着剤又は粘着剤で固着している請求項12〜14のいずれかに記載の遮音床構造。
  16. 床下地材と床仕上げ層との間に制振層が介在している請求項1〜15のいずれかに記載の遮音床構造。
  17. 制振層の少なくとも一方の面に硬質層が積層され、接着剤又は粘着剤で固着されている請求項16記載の遮音床構造。
  18. 遮音床構成材が、壁面に対して隙間を有する請求項1〜17のいずれかに記載の遮音床構造。
  19. 梁と根太とが平行に配設され、かつ隣り合う根太間に梁が位置するように根太が配設されている請求項1〜18のいずれかに記載の遮音床構造。
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