JP2580336Y2 - 防音床材 - Google Patents

防音床材

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JP2580336Y2
JP2580336Y2 JP11228291U JP11228291U JP2580336Y2 JP 2580336 Y2 JP2580336 Y2 JP 2580336Y2 JP 11228291 U JP11228291 U JP 11228291U JP 11228291 U JP11228291 U JP 11228291U JP 2580336 Y2 JP2580336 Y2 JP 2580336Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、防音性及び荷重たわみ
性に優れる防音床材に関し、住宅(特に集合住宅)等の
フローリング床材等に利用される。
【0002】
【従来の技術】近年、生活習慣の欧米化の為、畳が減少
し、それに代わってコンクリート床に床材を敷設したフ
ローリング床が増大している。しかし最近では、ピア
ノ、ステレオ、子供の足音等のような日常生活の中で発
生する生活騒音に対する苦情が増加しており、特にアパ
ート、マンション等の集合住宅にあっては、上階の床か
ら伝わる子供の飛び跳ね音、椅子の引きずり音、食器の
落下音等が大きな問題になっている。従って、従来では
床を浮き床式にしたり、また床材をコンクリート床面に
直接敷設する直張り式にあっては防音床材を用いること
がなされている。上記直張り式の上記防音床材(第1防
音床材という。)としては、例えば合板層と緩衝層とか
らなり、この合板層としては合板、プラスチック板を用
い、この緩衝層としては発泡ポリエチレン、ゴムスポン
ジ等の発泡体或いは繊維をニードルパンチで絡ませてマ
ット状にした単層不織布を用いたものが知られている。
更に、他の防音床材(第2防音床材という。)として
は、防振シートを合板でサドイッチした積層板の裏面
に発泡プラスチックフォーム或いはゴム等の緩衝層を有
するカーペットを接着し且つ所定形状の2種類の空隙部
を設けたものが知られている(実開昭63−19043
8号公報)。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】上記浮き床式は、床材
をコンクリートの床面から浮かして敷設するものであ
る。浮き床式は、床材表面の位置が高くなるため住宅の
リフォームには適さず、また構造的に高価になるという
欠点がある。一方、上記直張り式防音床材にあっては、
防音床材の厚みも2cm程度に薄くでき、しかも構造的
にも安価なため、新築や住宅のリフォームにも向く利点
がある。しかし、上記第1防音床材において、緩衝層に
発泡体を使用したものでは、歩行音或いは食器の落下音
等のような軽量衝撃音に対する遮音等級がL−55程度
(JIS A−1418 建築物の現場における床衝撃
音レベルの測定方法準拠)であって、十分な防音効果が
得られない。尚、日本建築学会が推薦する遮音等級はL
−45である。また、上記単層不織布を使用した場合
は、歩行時における床面のたわみ量が大になり過ぎ、歩
行感が良いとは言えない問題がある。尚、良好な歩行感
が得られる床面のたわみ量は、通常0.5〜4.8mm
程度とされている。また、上記第2防音床材において
は、その構造が複雑であり、またその厚みが増し、重量
も大きくなるという問題がある。
【0004】本考案は、上記問題点を解決するものであ
り、構造が簡単で、且つ軽量衝撃音に対する防音性及び
歩行感に優れた直張り式の防音床材を提供することを目
的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本第1考案の防音床材
は、合板層と、該合板層の下層に接着層を介して接合さ
れる緩衝層と、を備える防音床材であって、該緩衝層
は、表面の繊維をループ状に立毛させた少なくとも1枚
の立毛型不織布層と、構成繊維間が熱溶着により接合
れた少なくとも1枚の加熱処理型不織布層と、を適宜の
順序及び配置で接合してなることを特徴とする。本第2
考案の防音床材は、合板層と、該合板層の下層に接着層
を介して接合される緩衝層と、を備える防音床材であっ
て、上記緩衝層は、熱溶着繊維を含み表面の繊維をルー
プ状に立毛させた少なくとも1枚の立毛型不織布と熱溶
着繊維を含む少なくとも1枚の加熱処理型不織布とを適
宜の順序及び配置で配列し、更に上記各不織布の間に8
0重量%以上(100重量%を含む。)の熱溶着繊維を
含む接着用不織布を挿置して、これらを一体的に加熱
ることにより上記立毛型不織布、上記加熱処理型不織布
及び上記接着用不織布を熱溶着させるとともに上記各不
織布の構成繊維間を接合させることによって上記各不織
布からそれぞれ立毛型不織布層、加熱処理型不織布層及
接着層を形成させ、且つ上記立毛型不織布層及び上
記加熱処理型不織布層とこれらの各不織布層と接する
記熱接着層と互いに熱溶着させて一体的に接合させた
構成であることを特徴とする。
【0006】(1)合板層本考案における 合板層は、防音性、耐久性のみならず美
観向上のためのもので、従来から床材に使用されている
種々の合板を用いることができる。例えば、合板層の表
面が突板、化粧単板、コルク板である木質系合板及びプ
ラスチック板等である。また、防音性を高めるために、
裏面等に溝加工合板、有孔合板を積層したものや合板層
の中間に制振層を設けた型のものでもよい。この制振層
として、制振シート、緩衝シート、遮音性を有するシー
トを使用しても良いし、その材質には、ゴム、プラスチ
ック、アスファルト又は不織布等を使用しても良い。ま
た、合板層の厚みは、合板層の種類によっても異なるが
通常5〜12mm程度とされる。また、合板層には
音床材同士の連結の為に側面に突条部及び凹溝を加工
成形してもよい。
【0007】(2)緩衝層本考案における 緩衝層は、少なくとも1つの立毛型不織
布層及び少なくとも1つの加熱処理型不織布層を有すれ
ばよく、その各不織布層の積層数は2以上でもよい。ま
、立毛型不織布層の数と加熱処理型不織布層の数
は、同じでもよいし異なってもよい。例えば、図5に示
すように不織布層を3層、又はそれ以上の層数とするこ
ともできる。しかし、不織布層の数を多くすると防音床
材全体が厚くなり過ぎ、また価格も高くなって実用的で
はなくなるため、2〜3層が好ましい。尚、積層数を多
くする場合は、床全体の厚さを軽減するためにその各厚
さを薄くしたり、たわみ量が大きくなり過ぎないように
熱溶着繊維含有量を多くしたりして、その硬度を高めて
おくことができる。
【0008】また、上記立毛型不織布と加熱処理型不
織布の積層の順序、更にその表裏(上下)をどちら側
にするかという配置は、特に問わない。例えば、積層順
序は、どちらの不織布を合板層側にしてもよいし、ま
たどちらの面を上に配置してもよい。即ち、図1に示す
ように合板層、立毛型不織布層、加熱処理型不織布層を
順次積層してもよいし、図2に示すようにこの不織布層
を逆に配置してもよい。また、立毛型不織布層の立毛側
を、図1及び図2に示すように合板層側と反対方向に向
くように配置してもよいし、図3及び図4に示すように
その逆方向に配置してもよい。更に、その他の積層順序
及び配置方向の種々の組合せとすることができる。
【0009】上記立毛型不織布層は、例えば第2考案の
ように「立毛型不織布」から形成される。この立毛型不
織布としては、繊維を絡ませてマット状にし片面から
フォーク針を突き刺すパンチ加工により繊維をループ状
に表面に押し出したもの、又は主繊維と主繊維よりも
融点の低い熱溶着繊維を絡ませてマット状にし、片面か
らフォーク針を突き刺すパンチ加工により繊維をループ
状に表面に押し出した後、全体を熱風中に通して熱溶着
繊維を溶かして主繊維に溶着(融着)させたもの等とす
ることができる。尚、この立毛型不織布は、熱溶着繊維
を含まなくてもよいし、第2考案のように熱溶着繊維を
含んでもよい。また、上記立毛型不織布層を構成するル
ープの高さは2〜4mmが好ましい。これが2mm未満
の場合は防音性が低下し、4mmを越えるとたわみが大
きくなり歩行感が悪くなるからである。
【0010】上記加熱処理型不織布層は、例えば第2考
案のように「加熱処理型不織布」を加熱することにより
形成される。この加熱処理型不織布は、主繊維とその主
繊維中に分散させた熱溶着繊維とで構成される。この熱
溶着繊維としては、芯鞘型(芯繊維は高融点のため溶融
せず、鞘部分のみが低融点のため溶融する。)又は消失
型(繊維自体が低融点材料により構成されており、溶融
後は主繊維同士の接触部分に櫛玉として存在し、繊維間
を接合する。)を問わない。この不織布は、通常、それ
らの混合繊維をニードルパンチで絡ませてマット状にし
た後、全体を熱風中に通して熱溶着繊維の表面又はこの
溶着繊維自身を溶融させて主繊維に溶着させたものであ
る。この混合繊維中の熱溶着繊維の含有量は5〜50重
量%(特に10〜20重量%)であるのが好ましい。熱
溶着繊維の含有量が5%未満になると防音床材のたわみ
量が大きくなり過ぎ、一方50%を超えると防音作用が
悪くなる傾向がある。尚、この含有量が10〜20重量
%の場合は両性能のバランスが特に良好となる。そし
て、熱溶着繊維は2〜20デニールのものが好ましい。
尚、上記立毛型不織布熱溶着繊維を含む場合において
も、この熱溶着繊維の好ましい配合割合および好ましい
繊度は、上記加熱処理型不織布の場合と同様である
【0011】上記考案において、上記立毛型不織布層及
び加熱処理型不織布層を構成する繊維の材質は、通常、
ポリプロピレン、ポリエステル繊維等の合成樹脂繊維か
らなるが、これに限定されるものではない。尚、耐熱
性、耐候性等の点ではポリエステル繊維が好ましい。ま
た両不織布層を構成する主繊維及び熱溶着繊維は同一材
質であってもよいし、異なってもよい。更に、この各繊
維の繊度は、2〜110デニールであることが好まし
い。これは、主繊維の繊度を大きく(太く)する程防音
性が大きくなる反面、歩行感が損なわれるためである
上記各不織布層(又はこの不織布層を形成させるために
使用する不織布)は、パンチングにより構成させたもの
に限られず、ラテックス及び他の接着剤又は熱溶着によ
る接着にて構成させたものでもよい。上記緩衝層(両不
織布層、即ち両不織布)の目付け量は、100〜150
0g/mが好ましい。
【0012】緩衝層及び各不織布層の厚みに関しては、
立毛型不織布層の厚みは3〜12mm程度、加熱処理型
不織布層の厚みは2〜12mm程度が好ましい。緩衝層
の厚みは、不織布層の数等によって異なるが、5〜25
mm程度が好ましい。不織布間の接着方法は接着剤若
しくは熱融着による。この接着剤としては、ラテック
ス、ゴム系、ゴム状プラスチック系、酢酸ビニル樹脂
系、エポキシ系、ホットメルト系接着剤等を用いること
ができる。熱融着の場合には、通常、上記熱溶着繊維の
み若しくはこれを含む混合繊維からなる不織布(実用新
案登録請求の範囲に記載の「接着用不織布」に相当す
る。)又は織物を介在させて加熱圧着することにより接
着する。
【0013】(3)合板層と緩衝層の接着 合板層と緩衝層の接着は接着剤で行う。この接着剤と
しては、ラテックス系、ゴム系、ゴム状プラスチック
系、酢酸ビニル樹脂系、エポキシ系、ウレタン系、アク
リル系又はホットメルト樹脂系の接着剤が用いられる。
尚、この接着剤粘着剤をも含む意味でる。
【0014】
【作用】以上のように、本考案の防音床材は複層構造の
緩衝層を有し、その緩衝層は、表面の繊維をループ状に
立毛させた少なくとも一層の立毛型不織布層を備える
上記立毛型不織布層のループ状の繊維が歩行時の加重に
より変形することによって、本考案の防音床材は荷重た
わみ特性に優れ、歩行感を向上させることができる。ま
た、この緩衝層は、構成繊維間が熱溶着により接合され
加熱処理型不織布層を備えるので、たわみ量が大きく
なり過ぎることを防止するとともに、防音性も向上させ
ることができる。従って、本考案の防音床材によると、
防音性を維持しながら、たわみ量を適度なものとし、各
々の性能を相乗的に引き出すことができる。
【0015】
【実施例】以下、実施例により本考案を具体的に説明す
る。 実施例1 本実施例の床材は、図1に示すように、合板層1と、立
毛型不織布層21及び加熱処理型不織布層22からなる
緩衝層(厚み;8mm)目付け;748g/m)2と
からなる。そして、この立毛型不織布層21のベース部
211の裏面側と合板層1とが接着(接着層;3)さ
れ、立毛型不織布層21のループ212の先端側と加熱
処理型不織布層22とが接着(接着層;4)されてい
る。
【0016】上記合板層1は、表面に薄い化粧単板を有
する木質化粧合板(厚み;8mm)からなり、その底面
には幅3mm、深さ5mmの溝11が加工され、その一
端部側には連結用突条部12が、他端部側には連結用凹
溝13が形成されている。上記合板層1と緩衝層2との
接着層3は、接着剤(「ボンドE350R」、コニシ株
式会社製)により形成されている。
【0017】更に、この立毛型不織布層21は立毛型不
織布を、加熱処理型不織布層22は加熱処理型不織布を
加熱て形成されたものである。この立毛型不織布層2
1を形成することとなる立毛型不織布は、20〜40
デニールのポリエステル繊維が85%、2〜20デニ
ールの芯鞘型熱溶着繊維が15%で構成され、ニードル
パンチ及びフォーク針で繊維をループ状に押し出す加工
をし、更に熱加工を施した不織布である。なお、立毛型
不織布層21におけるループ212の高さは、約4mm
である。また、加熱処理型不織布層22を形成すること
となる加熱処理型不織布は、20〜40デニールの上
記ポリエステル繊維が25%、70〜110デニール
のポリエステル繊維が60%、2〜20デニールの上
芯鞘型熱溶着繊維が15%で構成され、パンチング及
び熱加工を施した不織布である。両不織布層21、22
を接合する接着層4は、2〜20デニールの上記芯鞘
熱溶着繊維100%からなる接着用不織布を上記立毛
型不織布と上記加熱処理型不織布との間に挿置し、これ
らを一体的に加熱する熱加工により形成されたものであ
り、この熱接着層4により両不織布層21、22が接着
合体さいる尚、上記立毛型不織布および上記加熱
処理型不織布のそれぞれを製造する際の上記熱加工、及
び/又は、上記立毛型不織布と上記加熱処理型不織布と
の間に接着用不織布を挿置してこれらを一体的に加熱す
る上記熱加工によって、各不織布層の構成繊維間が熱溶
着されている。すなわち各不織布層の構成繊維間は、熱
溶着により形成された接合部によって接合されている。
【0018】本実施例の防音床材の性能評価をするため
に、軽量床衝撃音レベル(L数)及び80kg荷重時の
たわみ量を測定した。その結果によれば、図6に示すよ
うに床衝撃音レベルは46dBであり、遮音等級L−4
5性能を示した。また、80kg荷重時のたわみ量は
4.80mmであった。尚、床衝撃音レベル(L数)の
測定は、JIS A−1418 建築物の現場における
床衝撃音レベルの測定方法準拠によった。上記たわみ量
は、(財)日本建築総合試験所による「直張り遮音フロ
ーリングの短期集中荷重による変位量測定方法」により
測定した。即ち、試験体としては鋼板上に450×45
0mmの大きさにフローリングを施工したものを用い、
この試験体を定加速型万能試験機に水平に固定し、2種
類の載荷板(50mmφ、25mmφ)を用いて載荷し
(載荷速度;10mm/分、但し、クッション層の薄い
4体については1〜5mm/分)、荷重−変位チャート
を得、これより80kgf載荷時の変位量を読み取る。
【0019】実施例2 本実施例の床材は、図2に示すように、加熱処理型不織
22の一表面が合板層1と接着され、この加熱処理
型不織布22の他表面が立毛型不織布層21のベース
部211の裏面側と接着されており、立毛型不織布層2
1のループ212の先端側が露出した構成をしている。
尚、この両不織布層からなる緩衝層2の厚みは8mm、
目付けは780g/mである。また、使用する立毛型
不織布は、20〜40デニールの実施例1で用いたポ
リエステル繊維が85%、2〜20デニールの実施例
1で用いた熱溶着繊維が15%で構成されている。更
に、加熱処理型不織布は、20〜40デニールの実施
例1で用いたポリエステル繊維が25%、70〜11
0デニールのポリエステル繊維が60%、2〜20デ
ニールの上記熱溶着繊維が15%で構成されている。上
記以外は、実質上実施例1と同様に構成され、同様に製
造及び性能評価がされた。本実施例の防音床材は、床衝
撃音レベルは47dBで、遮音等級L−45相当であ
り、また80kg荷重時のたわみ量は4.70mmであ
った。
【0020】実施例3 本実施例の床材は、図3に示すように、実施例1の立毛
型不織布21を表裏(上下)逆に配置し接着した構
成、即ち立毛型不織布21のループ212の先端側が
合板層1と接着され、且つ立毛型不織布層21のベース
部211の裏面側が加熱処理型不織布22の一表面と
接着された構成をしており、その他は、実施例1と同構
成である。尚、この両不織布層からなる緩衝層2の厚み
は8mm、目付けは750g/mである。また、この
立毛型不織布21のループ表面に接着剤を塗布し、こ
れを乾燥させ、その後加熱圧着して接着するので、ルー
プ先端部のみが合板層1に選択的に接着される。本実施
例の防音床材は、床衝撃音レベルは46dBで、遮音等
級L−45相当であり、また80kg荷重時のたわみ量
は4.70mmであった。
【0021】実施例4 本実施例の床材は、図4に示すように、実施例2の立毛
型不織布21を表裏逆に配置し接着した構成、即ち立
毛型不織布21のループ212の先端側が加熱処理型
不織布22の一表面と接着された構成をしており、そ
の他は、実施例2と同構成である。尚、この両不織布層
からなる緩衝層2の厚みは8mm、目付けは778g/
である。本実施例4の防音床材は、床衝撃音レベル
(L数)は47dBで、遮音等級L−45相当であり、
また80kg荷重時のたわみ量は4.70mmであっ
た。
【0022】比較例1 本比較例の防音床材は、実施例1で用いた木質化粧合板
の裏面に、発泡ポリエチレン(厚み;8mm、密度;3
0kg/m)の緩衝材を貼り合わせた構造の木質系防
音床材である。この接着剤としては、実施例1と同接着
剤を用いた。本比較例の防音床材は、上記床衝撃音レベ
ルが57dBで、遮音等級がL−55であり、80kg
荷重時のたわみ量は2.70mmであった。
【0023】比較例2 本比較例の防音床材は、実施例1で用いた木質化粧合板
の裏面に、ゴムスポンジの緩衝材を、実施例1と同接着
剤を用いて貼り合わせた構造の木質系防音床材である。
このゴムスポンジは、天然ゴムとSBR(スチレン−ブ
タジエンゴム)のブレンドポリマーであり、最大厚みが
8mmで、縦横に凹凸部が形成されるプロファイル加工
(ピッチ単位;約20mm、凹部深さ;約6mm)によ
り厚みを変化させている。本比較例の防音床材は、上記
床衝撃音レベルが55dBで遮音等級がL−55であ
り、80kg荷重時のたわみ量が4.05mmであっ
た。
【0024】比較例3 本比較例の防音床材は、実施例1で用いた木質化粧合板
の裏面に、単層不織布(目付け;408g/m、厚
み;8mm)からなる緩衝材を、実施例1と同接着剤を
用いて貼り合わせた構造の木質系防音床材である。この
単層不織布は、ポリプロピレンの2〜6デニールの繊
維が15%、20〜40デニールの繊維が20%、
40〜60デニールの繊維が65%で構成された繊維を
ニードルパンチで絡ませてマット状にしたものである。
本例の防音床材は、上記床衝撃音レベル(L数)は49
dBで、遮音等級L−50である。80kg荷重時のた
わみ量は6.95mmであった。
【0025】実施例及び比較例の効果 以上の結果より、比較例1、2においては、たわみ量が
2.70及び4.05mmとほぼ満足する値を示すもの
の、床衝撃音レベルが55〜57dBで遮音等級L−5
5程度であり、防音性が大変悪い。また、比較例3にお
いては、床衝撃音レベルが49dBで比較例1及び2の
場合と比べると相当改善されるものの、まだ遮音等級L
−50程度であり防音性が十分でなく、しかもたわみ量
が6.95mmと大き過ぎ、歩行感に優れない。従っ
て、いずれの比較例も防音性及び歩行感のバランスに優
れるものではない。
【0026】一方、実施例1〜4の防音床材は、床衝撃
音レベルが46〜47dBで防音性に優れ、且つ80k
g荷重時のたわみ量も4.7〜4.8mmと良好であ
り、いずれも必要性能を満足し大変バランスの取れたも
のである。また、熱溶着繊維からなる接着用不織布を用
いて他の不織布を一体的に加熱しているので、緩衝層全
体の一体性に優れる。更に、熱溶着繊維の含有量、各不
織布の厚さ、積層数により所望の性能を有する防音床材
を容易に製造できる。
【0027】尚、本考案においては、上記具体的実施例
に示すものに限られず、目的、用途に応じて本考案の範
囲内で種々変更した実施例とすることができる。
【0028】
【考案の効果】以上のように、本考案の防音床材は、防
音性及び歩行感が共に優れ、大変バランスが良く、日本
建築学会の基準で1級品質を確保できるので、建築物が
集合住宅の場合においても安心して使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1に係わる防音床材の説明断面図であ
る。
【図2】実施例2に係わる防音床材の説明断面図であ
る。
【図3】実施例3に係わる防音床材の説明断面図であ
る。
【図4】実施例4に係わる防音床材の説明断面図であ
る。
【図5】緩衝層として3層の不織布層を設けた防音床材
の説明断面図である。
【図6】実施例1に係わる防音床材の床衝撃音遮断性能
を示すグラフである。
【符号の説明】
1;合板層、11;溝、12;連結用突条部、13;連
結用凹溝、2;緩衝層、21;立毛型不織布層、22;
加熱処理型不織布層、211;立毛型不織布層のベース
部、212;立毛型不織布層のループ、3;接着層
4;熱接着層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 近藤 敏 愛知県安城市今池町3丁目1番36号 株 式会社イノアックコーポレーション 安 城事業所内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) E04F 15/04 601 E04F 15/18 602 B32B 5/02 B32B 21/10

Claims (5)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 合板層と、該合板層の下層に接着層を介
    して接合される緩衝層と、を備える防音床材であって、 該緩衝層は、表面の繊維をループ状に立毛させた少なく
    とも1枚の立毛型不織布層と、構成繊維間が熱溶着によ
    接合された少なくとも1枚の加熱処理型不織布層と、
    を適宜の順序及び配置で接合してなることを特徴とする
    防音床材。
  2. 【請求項2】 合板層と、該合板層の下層に接着層を介
    して接合される緩衝層と、を備える防音床材であって、 上記緩衝層は、 熱溶着繊維を含み表面の繊維をループ状に立毛させた少
    なくとも1枚の立毛型不織布と熱溶着繊維を含む少なく
    とも1枚の加熱処理型不織布とを適宜の順序及び配置で
    配列し、更に上記各不織布の間に80重量%以上(10
    0重量%を含む。)の熱溶着繊維を含む接着用不織布を
    挿置して、これらを一体的に加熱することにより上記立
    毛型不織布、上記加熱処理型不織布及び上記接着用不織
    布を熱溶着させるとともに上記各不織布の構成繊維間を
    接合させることによって上記各不織布からそれぞれ立毛
    型不織布層、加熱処理型不織布層及び接着層を形成
    せ、且つ上記立毛型不織布層及び上記加熱処理型不織布
    層とこれらの各不織布層と接する上記熱接着層と互い
    に熱溶着させて一体的に接合させた構成であることを特
    徴とする防音床材。
  3. 【請求項3】 上記立毛型不織布及び上記加熱処理型不
    織布を構成する上記熱溶着繊維の含有量は、いずれも5
    〜50重量%である請求項2記載の防音床材。
  4. 【請求項4】 上記立毛型不織布層及び加熱処理型不織
    布層を構成する繊維の繊度は、2〜110デニールであ
    る請求項1からのいずれか一項記載の防音床材。
  5. 【請求項5】 上記立毛型不織布層を構成するループの
    高さは2〜4mmである請求項1からのいずれか一項
    記載の防音床材。
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