JP6239719B2 - 燃料電池 - Google Patents

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Description

本発明は、燃料電池に関する。
従来、燃料極と、空気極と、燃料極と空気極の間に配置される固体電解質層とを備える燃料電池が知られている。
ここで、空気極と固体電解質層の間に高抵抗層が形成されることを抑制するために、空気極と固体電解質層の間にバリア層を介挿させる手法が提案されている(特許文献1参照)。
特開2004−303455号公報
しかしながら、固体電解質層とバリア層の熱膨張率が異なるため、燃料電池の製造時における膨張収縮に伴って生じる応力によってバリア層にクラックが発生するおそれがある。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、バリア層にクラックが発生することを抑制可能な燃料電池の提供を目的とする。
本発明に係る燃料電池は、燃料極と、空気極と、固体電解質層と、バリア層と、中間層とを備える。固体電解質層は、Zrを含み、燃料層と空気極の間に配置される。バリア層は、Ceを含み、空気極と固体電解質層の間に配置される。中間層は、Zrと希土類元素を含み、固体電解質層とバリア層の間に配置される。中間層におけるSr被覆率は、20%未満である。
本発明によれば、バリア層にクラックが発生することを抑制可能な燃料電池を提供することができる。
燃料電池の構成を示す断面図 中間層の断面図
次に、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なっている場合がある。従って、具体的な寸法等は以下の説明を参酌して判断すべきものである。又、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
(燃料電池10の構成)
燃料電池10の構成について、図面を参照しながら説明する。燃料電池10は、いわゆるSOFC(Solid Oxide Fuel Cell:固体酸化物型燃料電池)である。燃料電池10は、縦縞型、横縞型、平板型、燃料極支持型、或いは円筒型など様々な形態を取りうる。
図1は、燃料電池10の構成を示す断面図である。燃料電池10は、燃料極20、固体電解質層30、中間層40、バリア層50及び空気極60を備える。
燃料極20は、燃料電池10のアノードとして機能する。燃料電池10の作動中、燃料極20には燃料ガス(例えば、水素ガス)が供給される。燃料極20は、図1に示すように、燃料極集電層21と燃料極活性層22を有していてもよい。
燃料極集電層21は、ガス透過性に優れる多孔質体である。燃料極集電層21を構成する材料としては、従来SOFCの燃料極集電層に用いられてきた材料を用いることができ、例えばNiO(酸化ニッケル)-8YSZ(8mol%のイットリアで安定化されたジルコニア)やNiO‐Y(イットリア)を用いることができる。燃料極集電層21がNiOを含んでいる場合、燃料電池10の作動中においてNiOの少なくとも一部はNiに還元されてもよい。燃料極集電層21の厚みは、例えば0.1mm〜5.0mmとすることができる。
燃料極活性層22は、燃料極集電層21上に配置される。燃料極活性層22は、燃料極集電層21より緻密な多孔質体である。燃料極活性層22を構成する材料としては、従来SOFCの燃料極活性層に用いられてきた材料を用いることができ、例えばNiO‐8YSZを用いることができる。燃料極活性層22がNiOを含んでいる場合、燃料電池10の作動中においてNiOの少なくとも一部はNiに還元されてもよい。燃料極活性層22の厚みは、例えば5.0μm〜30μmとすることができる。
固体電解質層30は、燃料極20と空気極60の間に配置される。本実施形態において、固体電解質層30は、燃料極20と中間層40に挟まれている。固体電解質層30は、空気極60で生成される酸素イオンを透過させる。固体電解質層30の厚みは、3μm〜20μmとすることができる。
固体電解質層30は、Zr(ジルコニウム)を含む。固体電解質層30は、ZrO(ジルコニア)を含有するジルコニア系材料を主成分として含んでいてもよい。ジルコニア系材料としては、YSZ(イットリア安定化ジルコニア)、ScSZ(スカンジア安定化ジルコニア)及びCaSZ(カルシア安定化ジルコニア)などが挙げられ、YSZが特に好適である。なお、本実施形態において、組成物Xが物質Yを「主成分として含む」とは、組成物X全体のうち、物質Yが70重量%以上を占めることを意味し、90重量%以上であることがより好ましい。
固体電解質層30は、緻密質であることが好ましい。固体電解質層30の気孔率は、中間層40やバリア層50の気孔率より低いことが好ましい。具体的に、固体電解質層30の気孔率は、7%以下とすることができ、5%以下であることが好ましい。固体電解質層30の気孔率は、固体電解質層30の厚み方向における断面の電子顕微鏡(SEM)画像上において、気孔の面積の総和を固体電解質層30の総面積で除することによって算出することができる。
中間層40は、固体電解質層30とバリア層50の間に配置される。中間層40は、ZrとCeを含む。中間層40は、ZrをZrOとして含んでいてもよい。中間層40は、CeをCeOとして含んでいてもよい。特に、中間層40は、YSZとGDC(ガドリニウムドープセリア)を主成分として含むことが好ましい。この場合、ZrOとCeOは固溶体を形成していることが好ましい。これによって、固体電解質層30とバリア層50との接合強度を向上させることができる。さらに、中間層40は、ZrOとCeOの固溶体を主成分として含有することがより好ましい。
中間層40がセリウムとジルコニウムを含む場合、セリウムの濃度D1とジルコニウムの濃度D2は、次の(a)〜(h)のうち1以上の条件を満たしてもよい。
(a)セリウムの濃度D1に対するジルコニウムの濃度D2の比率D2/D1は、0.1≦D2/D1を満たす。
(b)セリウムの濃度D1に対するジルコニウムの濃度D2の比率D2/D1は、D2/D1≦1を満たす。
(c)セリウムの濃度D1は、D1≦80mol%を満たす。
(d)セリウムの濃度D1は、40mol%≦D1を満たす。
(e)ジルコニウムの濃度D2は、D2≦50mol%を満たす。
(f)ジルコニウムの濃度D2は、10mol%≦D2を満たす。
(g)バリア層50におけるセリウムの濃度D3に対する中間層40におけるセリウムの濃度D1の比率は、D1/D3≦0.9を満たす。
(h)固体電解質層30におけるジルコニウムの濃度D4に対する中間層40におけるジルコニウムの濃度D2の比率は、D2/D4≦0.5を満たす。
なお、本実施形態において、各層に含まれる成分の「濃度」とは、特に断らない限り各層全体における濃度(つまり、各層における平均含有量)である。「濃度」は、厚み方向における原子濃度プロファイルによるライン分析、つまりEPMA(Electron Probe Micro Analyzer)による特性X線強度の比較によって得られる。
中間層40は、Sr(ストロンチウム)を含む。中間層40は、SrをSrZrOとして含んでいてもよい。中間層40がSrZrOを含む場合、SrZrOには希土類元素(Y、Gd及びCeの少なくとも1種)が固溶していていることが好ましい。これによって、固体電解質層30とバリア層50との接合強度を向上させることができる。
中間層40にSrを含ませることによって、中間層40の熱膨張率(つまり線膨張率)を低下させることができる。本実施形態では、後述するように、中間層40におけるSr被覆率を制御することによって、中間層40の熱膨張率が固体電解質層30とバリア層50の間の値に調整されている。バリア層50の熱膨張率が固体電解質層30の熱膨張率より高い場合、中間層40の熱膨張率は固体電解質層30より高くバリア層50の熱膨張率より低い。中間層40におけるSr被覆率については後述する。
中間層40は、第1面40Sと第2面40Tを有する。第1面40Sは、固体電解質層30と中間層40の界面である。第2面40Tは、中間層40とバリア層50の界面である。中間層40は、第1面40Sにおいて固体電解質層30と接触し、第2面40Tにおいてバリア層50と接触する。第1面40Sと第2面40Tの厚み方向における間隔は、中間層40の厚みに相当する。
第1面40Sは、固体電解質層30における最大ジルコニウム濃度の85%の濃度を示すラインによって規定される。中間層40は、第1面40Sにおいて最大ジルコニウム濃度と最低セリウム濃度を示す。
第2面40Tは、バリア層50における最大セリウム濃度の85%の濃度を示すラインによって規定される。中間層40は、第2面40Tにおいて最大セリウム濃度と最低ジルコニウム濃度を示す。
中間層40の平均厚みは、200nm以上2000nm以下とすることができる。中間層40の平均厚みは、1800nm以下であることが好ましい。中間層40の平均厚みは、厚み方向における第1面40Sと第2面40Tの平均間隔である。第1面40Sと第2面40Tの平均距離は、厚み方向における中間層40の断面上の5箇所で測定される距離を算術平均した値である。距離を測定する5箇所は、厚み方向に垂直な面方向において、中間層40を6等分する位置に設定することが好ましい。
中間層40は、燃料極20や空気極60より緻密質である。中間層40の気孔率は、固体電解質層30の気孔率より高くてもよい。これによって、中間層40と固体電解質層30との界面に発生する応力を緩和させることができる。中間層40の気孔率は、15%以下であることが好ましい。
バリア層50は、固体電解質層30と空気極60の間に配置される。本実施形態において、バリア層50は、中間層40と空気極60に挟まれている。バリア層50は、固体電解質層30と空気極60の間に高抵抗層が形成されることを抑制する。バリア層50は、燃料極20や空気極60より緻密質である。
バリア層50は、Ceを含む。バリア層50は、CeをCeOとして含んでいてもよい。バリア層50は、CeO及びCeOに固溶した希土類金属酸化物を含むセリア系材料によって構成することができる。バリア層50は、セリア系材料を主成分として含んでいてもよい。セリア系材料としては、GDC((Ce, Gd)O:ガドリニウムドープセリア)、SDC((Ce, Sm)O:サマリウムドープセリア)などが挙げられる。希土類金属酸化物:セリアの比(mol組成比)は、5:95〜20:80とすることができる。バリア層50は、セリア系材料の他に、添加剤を含んでいてもよい。
バリア層50の平均厚みは、1μm以上30μm以下とすることができ、10μm以下であることが好ましい。
空気極60は、バリア層50上に配置される。空気極60は、燃料電池10のカソードとして機能する。空気極60は、多孔質体である。空気極60の厚みは、例えば10μm〜300μmとすることができる。燃料電池10の作動中、空気極60には酸化剤ガス(例えば、空気)が供給される。空気極60は、酸化剤ガスを透過させる。
空気極60は、一般式ABOで表されるペロブスカイト型複合酸化物を主成分として含有する。このようなペロブスカイト型複合酸化物としては、LSCF((La,Sr)(Co,Fe)O:ランタンストロンチウムコバルトフェライト)、LSF((La,Sr)FeO:ランタンストロンチウムフェライト)、LSC((La,Sr)CoO:ランタンストロンチウムコバルタイト)、LNF(La(Ni,Fe)O:ランタンニッケルフェライト)、LSM((La,Sr)MnO:ランタンストロンチウムマンガネート)などが挙げられるが、これに限られるものではない。
(中間層40におけるSr被覆率)
次に、中間層40におけるSr被覆率について図面を参照しながら説明する。図2は、厚み方向に平行な中間層40の断面図である。
Sr被覆率は、中間層40においてSrがどの程度存在するかを示す。Sr被覆率が大きいほど中間層40の熱膨張率は小さくなり、Sr被覆率が小さいほど中間層40の熱膨張率は大きくなる。
Sr被覆率は、中間層40の断面をTEMによって観察し、Srの元素マッピングを行うことによって測定することができる。具体的には、中間層40の厚み方向における断面において中間層40の第1面40Sに平行な仮想線Lを引き、仮想線L上における固相領域(すなわち、気孔以外の領域)の全長Aに対するSr存在領域の合計長さBの割合をSr被覆率とすることができる。仮想線Lの長さは、3μm〜30μmの範囲に設定すればよい。
また、第1面40Sから第2面40Tに向かって200nm間隔で複数の仮想線Lを引くことができる場合には、複数の仮想線Lごとに算出されるSr被覆率のうち最も大きい値を中間層40におけるSr被覆率とする。
図2に示す例では、3本の仮想線L1〜L3が設定されており、気孔が存在しないものとする。仮想線L1上において、固相領域の全長A1に対するSr存在領域の合計長さB1+B2の割合R1は、((B1+B2)/A1)×100である。仮想線L2上において、固相領域の全長A1に対するSr存在領域の合計長さB3+B4+B5+B6の割合R2は、((B3+B4+B5+B6)/A1)×100である。仮想線L3上において、固相領域の全長A1に対するSr存在領域の合計長さB7+B8+B9の割合R3は、((B7+B8+B9)/A1)×100である。中間層40におけるSr被覆率には、R1〜R3のうち最も大きな値であるR2が採用される。
Sr被覆率が大きいほど、中間層40の熱膨張率は小さくなり固体電解質層30の熱膨張率に近づく。一方、Sr被覆率が小さいほど、中間層40の熱膨張率は大きくなりバリア層50の熱膨張率に近づく。
本実施形態において、中間層40におけるSr被覆率は、20%未満である。これにより、中間層40の熱膨張率は、固体電解質層30の熱膨張率とバリア層50の熱膨張率の間の値になる。このような中間層40が固体電解質層30とバリア層50の間に介挿されることによって、固体電解質層30とバリア層50の熱膨張率差が緩和される。従って、燃料電池10の製造時における膨張収縮に伴ってバリア層50に応力が生じることを抑制できるため、バリア層50にクラックが発生することを抑制できる。中間層40におけるSr被覆率は、15%以下であることがより好ましく、10%以下であることが更に好ましい。
(燃料電池10の製造方法)
次に、燃料電池10の製造方法の一例について説明する。
まず、金型プレス成形法で燃料極集電層用材料粉末を成形することによって、燃料極集電層21の成形体を形成する。
次に、燃料極活性層用材料粉末と造孔剤(例えばPMMA)との混合物にバインダーとしてPVA(ポリビニルアルコール)を添加して燃料極活性層用スラリーを作製する。そして、印刷法などによって燃料極活性層用スラリーを燃料極集電層21の成形体上に印刷することによって、燃料極活性層22の成形体を形成する。以上により燃料極20の成形体が形成される。
次に、Zrを含む固体電解質層用材料粉末にテルピネオールとバインダーを混合して固体電解質層用スラリーを作製する。そして、印刷法などによって固体電解質層用スラリーを燃料極活性層22の成形体上に塗布することによって、固体電解質層30の成形体を形成する。
次に、Zr粉末と希土類元素を含む中間層用材料粉末にSr含有粉末とテルピネオールとバインダーを混合して中間層用スラリーを作製する。この際、中間層40におけるSr被覆率が20%未満になるようにSr含有粉末の混合量を調整する。そして、印刷法などによって中間層用スラリーを固体電解質層30の成形体上に塗布することによって、中間層40の成形体を形成する。
次に、Ceを含むバリア層用材料粉末にテルピネオールとバインダーを混合してバリア層用スラリーを作製する。そして、印刷法などでバリア層用スラリーを中間層40の成形体上に塗布することによってバリア層50の成形体を形成する。
次に、燃料極20、固体電解質層30、中間層40及びバリア層50それぞれの成形体を焼成(1350℃〜1450℃、1時間〜20時間)することによって、燃料極20、固体電解質層30、中間層40及びバリア層50を形成する。
次に、空気極用のペロブスカイト型複合酸化物材料と水とバインダーをボールミルで24時間混合することによって空気極用スラリーを作製する。そして、印刷法などで空気極用スラリーをバリア層50上に塗布することによって空気極60の成形体を形成する。
次に、空気極60の成形体を焼成(1000〜1100℃、1〜10時間)することによって空気極60を形成する。
(他の実施形態)
本発明は以上のような実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない範囲で種々の変形又は変更が可能である。
上記実施形態において、バリア層50は、単層構造であることとしたが、緻密質のバリア層と多孔質のバリア層が積層(順不同)された複層構造であってもよい。
以下において本発明に係る燃料電池の実施例について説明するが、本発明は以下に説明する実施例に限定されるものではない。
(サンプルNo.1〜No.10の作製)
以下のようにして、サンプルNo.1〜No.10に係る燃料電池を作製した。
まず、NiO粉末とY粉末と造孔材(PMMA)の調合粉末とIPAを混合したスラリーを窒素雰囲気下で乾燥させることによって混合粉末を作製した。
次に、混合粉末を一軸プレス(成形圧50MPa)することで縦30mm×横30mm、厚み3mmの板を成形し、その板をCIP(成形圧:100MPa)でさらに圧密することによって燃料極集電層の成形体を作製した。
次に、NiO‐8YSZとPMMAの調合粉末とIPAを混合したスラリーを燃料極集電層の成形体上に塗布することによって燃料極活性層の成形体を作製した。
次に、表1に示すZrを含む固体電解質層用材料粉末にテルピネオールとバインダーを混合して固体電解質層用スラリーを作製した。そして、固体電解質層用スラリーを燃料極活性層の成形体上に塗布することによって固体電解質層の成形体を形成した。
次に、表1に示すZrとCeを含む中間層用材料粉末にSr含有粉末とテルピネオールとバインダーを混合して中間層用スラリーを作製した。この際、後述する焼成後の中間層におけるSr被覆率をサンプルごとに変更するために、Sr含有粉末の添加量をサンプルごとに調整した。
次に、中間層用スラリーを固体電解質層の成形体上に塗布することによって中間層の成形体を形成した。この際、後述する中間層の厚みをサンプルごとに変更するために、中間層用スラリーの塗布量及び塗布回数をサンプルごとに調整した。
次に、表1に示すCeを含むバリア層用材料粉末にテルピネオールとバインダーを混合してバリア層用スラリーを作製した。そして、バリア層用スラリーを中間層の成形体上に塗布することによってバリア層の成形体を作製した。
次に、燃料極、固体電解質層、中間層及びバリア層の成形体を焼成(1450℃、5時間)して、燃料極、固体電解質層、中間層及びバリア層を形成した。
次に、LSCF粉末にテルピネオール及びバインダーと混合することによって空気極用スラリーを作製した。そして、空気極用スラリーをバリア層上に塗布することによって空気極の成形体を作製した。
次に、空気極の成形体を焼成(1100℃、1時間)して空気極を形成した。
(焼成後の中間層におけるSr被覆率)
まず、TEMを用いて200kVの電子線をセル断面に照射し、固体電解質層、中間層及びバリア層を含む3.5μm×3.5μmの正方形範囲を倍率30,000倍で観察した。そして、正方形範囲の内側において、ZrとSrの元素マッピングを実施した。
次に、TEMで観察した正方形範囲内において、固体電解質層における最大ジルコニウム濃度の85%の濃度を示すラインを中間層の固体電解質層側表面(第1表面)に規定し、バリア層における最大セリウム濃度の85%の濃度を示すラインを中間層のバリア層側表面(第2表面)に規定した。そして、TEMで観察した正方形範囲において、固体電解質層側表面とバリア層側表面の距離を5箇所で測定し、測定された値を算術平均することによって中間層の平均厚みを得た。距離を測定した5箇所は、面方向において中間層40を6等分する位置に設定した。
次に、中間層の固体電解質層側表面からバリア層側表面まで、200nmごとに固体電解質層側表面に平行な複数の仮想線を引いた。そして、各仮想線上において固相領域の全長に対するSr存在領域の合計長さの割合を算出し、最も値の大きい割合を中間層におけるSr被覆率とした。焼成後の中間層におけるSr被覆率を表1にまとめて示す。
(焼成後の中間層におけるクラック)
燃料電池の作製後、各サンプルの中間層の断面を顕微鏡で観察することによって、断面におけるクラックの有無を確認した。顕微鏡によるクラックの観察視野は、3mm×3mmとした。表1では、クラックが3個未満のサンプルを“○(良)”と評価し、クラックが3個以上のサンプルを“×(否)”と評価した。
Figure 0006239719
表1に示されるように、中間層におけるSr被覆率を20%未満としたサンプルNo.1〜9では、中間層におけるクラックの発生を抑制することができた。これは、中間層によって固体電解質層とバリア層の熱膨張率差を緩和することができたため、焼成時の膨張収縮に伴ってバリア層に応力が生じることを抑制できたためである。
10 燃料電池
20 燃料極
30 固体電解質層
40 中間層
50 バリア層
60 空気極

Claims (2)

  1. 燃料極と、
    空気極と、
    Zrを含み、前記燃料層と前記空気極の間に配置される固体電解質層と、
    Ceを含み、前記空気極と前記固体電解質層の間に配置されるバリア層と、
    ZrとCeを含み、前記固体電解質層と前記バリア層の間に配置される中間層と、
    を備え、
    前記中間層におけるSr被覆率は、0.8%以上20%未満であり、
    前記中間層は、Ce、Gd及びYのうち少なくとも1種が固溶したSrZrOを含
    前記中間層の熱膨張率は、前記固体電解質層の熱膨張率と前記バリア層の熱膨張率の間の値である、
    燃料電池。
  2. 前記中間層は、ZrOとCeOの固溶体を主成分として含有する、
    請求項1に記載の燃料電池。
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