JP7333439B1 - 電気化学セル - Google Patents

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Abstract

【課題】電解質層の剥離を抑制可能な電気化学セルを提供する。【解決手段】電解セル1は、反応防止層8と、水素極6と、電解質層7と、応力緩和部40とを備える。電解質層7は、反応防止層8及び水素極6の間に配置され、反応防止層8と接触する。応力緩和部40は、反応防止層8及び電解質層7の間に配置される。応力緩和部40は、面方向における反応防止層8の電解質層7に対する所定範囲内での伸縮を許容することによって界面に生じる熱応力を緩和させる。【選択図】図2

Description

本発明は、電気化学セルに関する。
第1電極層、電解質層、反応防止層及び第2電極層が順次積層されたセル本体部を備える電気化学セル(電解セル、燃料電池など)が知られている。電解質層は、反応防止層に接続される。
特開2020-155337号
電気化学セルの作動及び停止を繰り返すと、電解質層が反応防止層から剥離してしまうおそれがある。このような問題は、電解質層が反応防止層に接続されている場合に限らず、電解質層が他の機能層(例えば、第2電極層)と接続されている場合にも共通して生じる。
本発明の課題は、電解質層の剥離を抑制可能な電気化学セルを提供することにある。
本発明の一側面に係る電気化学セルは、所定の機能を有する機能層と、電極層と、電解質層と、応力緩和部とを備える。電解質層は、機能層及び電極層の間に配置され、機能層と接触する。応力緩和部は、機能層及び電解質層の間に配置され、機能層及び電解質層の界面に沿った面方向における機能層の電解質層に対する所定範囲内での伸縮を許容することによって界面に生じる熱応力を緩和させる。
本発明によれば、電解質層の剥離を抑制可能な電気化学セルを提供することができる。
図1は、第1実施形態に係る電解セルの構成を示す断面図である。 図2は、第1実施形態に係る応力緩和部の構成を示す断面図である。 図3は、第2実施形態に係る応力緩和部の構成を示す断面図である。
1.第1実施形態
(電解セル1)
図1は、第1実施形態に係る電解セル1の構成を示す断面図である。電解セル1は、本発明に係る「電気化学セル」の一例である。
電解セル1は、セル本体部10、金属支持体20、及び流路部材30を備える。
[セル本体部10]
セル本体部10は、水素極層6(カソード)、電解質層7、反応防止層8、及び酸素極層9(アノード)を有する。水素極層6、電解質層7、反応防止層8、及び酸素極層9は、この順で金属支持体20側から積層されている。水素極層6、電解質層7、及び酸素極層9は必須の構成であり、反応防止層8は任意の構成である。
また、セル本体部10は、電解質層7及び反応防止層8の間に配置される複数の応力緩和部40を備える。応力緩和部40の詳細な構成については後述する。
[水素極層6]
水素極層6は、金属支持体20と電解質層7との間に配置される。水素極層6は、金属支持体20によって支持される。詳細には、水素極層6は、金属支持体20の第1主面20S上に配置される。水素極層6は、金属支持体20の第1主面20Sのうち複数の供給孔21が設けられた領域を覆う。水素極層6は、各供給孔21内に入り込んでいてよい。水素極層6は、本発明に係る「電極層」の一例である。
水素極層6には、各供給孔21を介して原料ガスが供給される。原料ガスは、CO及びHOを含む。原料ガスは、本発明に係る「気体」の一例である。水素極層6は、下記(1)式に示す共電解の電気化学反応に従って、原料ガスから、H、CO、及びO2-を生成する。
・水素極層6:CO+HO+4e→CO+H+2O2-・・・(1)
水素極層6は、電子伝導性を有する多孔質材料によって構成される。水素極層6は、酸化物イオン伝導性を有していてよい。水素極層6は、例えば、8mol%イットリア安定化ジルコニア(8YSZ)、カルシア安定化ジルコニア(CSZ)、スカンジア安定化ジルコニア(ScSZ)、ガドリニウムドープセリア(GDC)、サマリウムドープセリア(SDC)、(La,Sr)(Cr,Mn)O、(La,Sr)TiO、Sr(Fe,Mo)、(La,Sr)VO、(La,Sr)FeO、及びこれらのうち2つ以上を組み合わせた混合材料、或いは、これらのうち1つ以上とNiOとの複合物によって構成することができる。
水素極層6の気孔率は特に制限されないが、例えば5%以上70%以下とすることができる。水素極層6の厚さは特に制限されないが、例えば1μm以上100μm以下とすることができる。
水素極層6の形成方法は特に制限されず、焼成法、スプレーコーティング法(溶射法、エアロゾルデポジション法、エアロゾルガスデポジッション法、パウダージェットデポジッション法、パーティクルジェットデポジション法、コールドスプレー法など)、PVD法(スパッタリング法、パルスレーザーデポジション法など)、CVD法などを用いることができる。
[電解質層7]
電解質層7は、水素極層6及び酸素極層9の間に配置される。電解質層7は、水素極層6の全体を覆う。本実施形態では、電解質層7及び酸素極層9の間に反応防止層8が配置されているため、電解質層7は反応防止層8と接触する。
電解質層7の外縁は、金属支持体20の第1主面20Sに接合される。これによって、水素極層6側と酸素極層9側との間の気密性を確保できるため、金属支持体20と電解質層7との間を別途封止する必要がない。
電解質層7は、水素極層6において生成されたO2-を酸素極層9に伝達させる。電解質層7は、酸化物イオン伝導性を有する緻密質材料によって構成される。電解質層7は、例えば、8YSZ、LSGM(ランタンガレート)などによって構成することができる。
電解質層7は、イオン伝導性を有し且つ電子伝導性を有さない緻密な材料から構成される焼成体である。電解質層7は、例えば、YSZ(8YSZ)、GDC、ScSZ、SDC、LSGM(ランタンガレート)などによって構成することができる。
電解質層7の気孔率は特に制限されないが、例えば0.1%以上7%以下とすることができる。電解質層7の厚さは特に制限されないが、例えば1μm以上100μm以下とすることができる。
[反応防止層8]
反応防止層8は、電解質層7及び酸素極層9の間に配置される。反応防止層8は、電解質層7を介して水素極層6の反対側に配置される。本実施形態において、反応防止層8は、電解質層7に接続される。反応防止層8は、電解質層7と酸素極層9とが反応して電気抵抗の大きい反応層が形成されることを抑制する機能を有する。反応防止層8は、本発明に係る「機能層」の一例である。
反応防止層8は、酸化物イオン伝導性材料によって構成される。反応防止層8は、GDC、SDCなどによって構成することができる。
反応防止層8の気孔率は特に制限されないが、例えば0.1%以上50%以下とすることができる。反応防止層8の厚さは特に制限されないが、例えば1μm以上50μm以下とすることができる。
[酸素極層9]
酸素極層9は、電解質層7を基準として水素極層6の反対側に配置される。本実施形態では、電解セル1が反応防止層8を備えているため、酸素極層9は反応防止層8上に配置される。電解セル1が反応防止層8を備えていない場合、酸素極層9は電解質層7上に配置される。
酸素極層9は、下記(2)式の化学反応に従って、水素極層6から電解質層7を介して伝達されるO2-からOを生成する。
・酸素極層9:2O2-→O+4e・・・(2)
酸素極層9は、酸化物イオン伝導性及び電子伝導性を有する多孔質材料によって構成される。酸素極層9は、例えば(La,Sr)(Co,Fe)O、(La,Sr)FeO、La(Ni,Fe)O、(La,Sr)CoO、及び(Sm,Sr)CoOのうち1つ以上と酸化物イオン伝導材料(GDCなど)との複合物によって構成することができる。
酸素極層9の気孔率は特に制限されないが、例えば20%以上60%以下とすることができる。酸素極層9の厚さは特に制限されないが、例えば1μm以上100μm以下とすることができる。
酸素極層9の形成方法は特に制限されず、焼成法、スプレーコーティング法、PVD法、CVD法などを用いることができる。
[金属支持体20]
金属支持体20は、セル本体部10を支持する。金属支持体20は、板状に形成される。金属支持体20は、平板状であってもよいし、曲板状であってもよい。金属支持体20は電解セル1の強度を保つことができればよく、その厚みは特に制限されないが、例えば0.1mm以上2.0mm以下とすることができる。
金属支持体20は、複数の供給孔21、第1主面20S、及び第2主面20Tを有する。
各供給孔21は、第1主面20Sから第2主面20Tまで金属支持体20を貫通する。各供給孔21は、第1主面20S及び第2主面20Tに開口する。各供給孔21は、第1主面20Sのうち水素極層6に接合される領域に形成される。各供給孔21は、金属支持体20と流路部材30との間に形成される流路30aに繋がる。
各供給孔21は、機械加工(例えば、パンチング加工)、レーザ加工、或いは、化学加工(例えば、エッチング加工)などによって形成することができる。或いは、金属支持体20が多孔質金属によって構成される場合、各供給孔21は多孔質金属内の気孔であってよい。従って、各供給孔21は、第1主面20S及び第2主面20Tに垂直に形成されていなくてよい。
第1主面20Sには、セル本体部10が接合される。第2主面20Tには、流路部材30が接合される。第1主面20Sは、第2主面20Tの反対側に設けられる。
金属支持体20は、金属材料によって構成される。例えば、金属支持体20は、Cr(クロム)を含有する合金材料によって構成される。このような金属材料としては、Fe-Cr系合金鋼(ステンレス鋼など)やNi-Cr系合金鋼などが挙げられる。金属支持体20におけるCrの含有率は特に制限されないが、4質量%以上30質量%以下とすることができる。
金属支持体20は、Ti(チタン)やZr(ジルコニウム)を含有していてもよい。金属支持体20におけるTiの含有率は特に制限されないが、0.01mol%以上1.0mol%以下とすることができる。金属支持体20におけるZrの含有率は特に制限されないが、0.01mol%以上0.4mol%以下とすることができる。金属支持体20は、TiをTiO(チタニア)として含有していてもよいし、ZrをZrO(ジルコニア)として含有していてもよい。
金属支持体20は、金属支持体20の構成元素が酸化することによって形成される酸化皮膜を表面に有していてよい。酸化皮膜としては、例えば酸化クロム膜が代表的である。酸化皮膜は、金属支持体20の表面を部分的又は全体的に覆う。また、酸化皮膜は、各供給孔21の内壁面を部分的又は全体的に覆っていてもよい。
[流路部材30]
流路部材30は、金属支持体20の第2主面20Tに接合される。流路部材30は、金属支持体20との間に流路30aを形成する。流路30aには、原料ガスが供給される。流路30aに供給された原料ガスは、金属支持体20の各供給孔21を介して、セル本体部10の水素極層6に供給される。
流路部材30は、例えば、合金材料によって構成することができる。流路部材30は、金属支持体20と同様の材料によって形成されていてよい。この場合、流路部材30は、金属支持体20と実質的に一体であってよい。
流路部材30は、枠体31及びインターコネクタ32を有する。枠体31は、流路30aの側方を取り囲む環状部材である。枠体31は、金属支持体20の第2主面20Tに接合される。インターコネクタ32は、電解セル1を外部電源又は他の電解セルと電気的に直列に接続する板状部材である。インターコネクタ32は、枠体31に接合される。
このように、本実施形態に係る流路部材30では、枠体31及びインターコネクタ32が別部材となっているが、枠体31及びインターコネクタ32は一体であってよい。
[電解質層7と反応防止層8との界面構造]
次に、電解質層7と反応防止層8との界面構造について説明する。図2は、水素極6及び電解質層7の断面図である。図2には、水素極6及び電解質層7の厚み方向に沿った断面が図示されている。厚み方向とは、金属支持体20の第1主面20Sに垂直な方向である。
図2に示すように、電解質層7及び反応防止層8の間には応力緩和部40が配置されている。応力緩和部40は、面方向における反応防止層8の電解質層7に対する所定範囲内での伸縮を許容する。
具体的には、電解セル1の作動開始時及び作動終了時に、反応防止層8及び電解質層7の熱膨張係数差に起因して反応防止層8が電解質層7に対して面方向に伸縮する際、応力緩和部40は、反応防止層8が電解質層7に対して伸縮することを敢えて許容しつつも、その伸縮を所定範囲内に制限する。これによって、反応防止層8及び電解質層7の界面に生じる熱応力を緩和させながら、面方向において反応防止層8が電解質層7から過剰にずれてしまうことを抑制できるため、電解質層7が反応防止層8から剥離することを抑制できる。
面方向とは、反応防止層8及び電解質層7の界面に沿った方向である。面方向は、金属支持体20の第1主面20Sと実質的に平行であってよい。
応力緩和部40は、セラミック材料によって構成することができる。セラミック材料としては、イオン伝導性を有し且つ電子伝導性を有さない緻密な材料が好適であり、電解質層7に用いられるYSZ(8YSZ)、GDC、ScSZ、SDC、LSGMなどが挙げられる。ただし、セラミック材料はこれらに限られず、CSZ,LDC,LSC、LSCFなどを用いてもよい。
図2に示すように、反応防止層8は、電解質層側表面8Sと、第1凹部8aとを有する。
電解質層側表面8Sは、反応防止層8の表面のうち電解質層7と接触する領域である。電解質層側表面8Sは、実質的に平坦であってよいが、電解質層側表面8Sを微視的に観察した場合、反応防止層8の構成粒子の外縁に沿った凹凸(テクスチャ)が存在していてもよい。
第1凹部8aは、電解質層側表面8Sに形成される。第1凹部8aは、反応防止層8を貫通しない。すなわち、第1凹部8aは、貫通孔ではなく有底凹部である。第1凹部8aの輪郭形状は特に限られないが、本実施形態において第1凹部8aの輪郭は円弧状である。第1凹部8aのサイズは特に限られず、反応防止層8の構成粒子の外縁に沿った凹凸より大きければよい。
図2に示すように、電解質7は、機能層側表面7Sと、第2凹部7aとを有する。
機能層側表面7Sは、電解質7の表面のうち反応防止層8と接触する領域である。機能層側表面7Sは、実質的に平坦であってよいが、機能層側表面7Sを微視的に観察した場合、電解質7の構成粒子の外縁に沿った凹凸が存在していてもよい。
第2凹部7aは、機能層側表面7Sに形成される。第2凹部7aは、電解質7を貫通しない。すなわち、第2凹部7aは、貫通孔ではなく有底凹部である。第2凹部7aの輪郭形状は特に限られないが、本実施形態において第2凹部7aの輪郭は円弧状である。第2凹部7aのサイズは特に限られず、電解質7の構成粒子の外縁に沿った凹凸より大きければよい。
図2に示すように、応力緩和部40は、第1部分41と、第2部分42とを有する。
第1部分41は、反応防止層8の第1凹部8a内に配置される。第1部分41は、第1凹部8aの内面に接続される。第1部分41は、反応防止層8の伸縮に伴って、反応防止層8とともに面方向に移動する。
本実施形態では、第1部分41が第1凹部8aに埋設されており、第1部分41の輪郭と第1凹部8aの輪郭とが一致している。すなわち、第1部分41の全体が第1凹部8aの内面に接続されている。そのため、反応防止層8に対する第1部分41の接続性を向上させることができる。ただし、第1部分41の少なくとも一部が第1凹部8aの内面に接続されていればよい。
第2部分42は、電解質7の第2凹部7a内に配置される。第2部分42の少なくとも一部は、第2凹部7aの内面から離れている。すなわち、第2部分42と第2凹部7aとの間には空隙が存在する。従って、反応防止層8が伸縮した場合、第2部分42が第2凹部7aの内面に当接するまでは反応防止層8の伸縮が許容されるため、反応防止層8及び電解質層7の界面に生じる熱応力を緩和させることができる。また、第2部分42が第2凹部7aの内面に当接した後は反応防止層8の伸縮が制限されるため、面方向において反応防止層8が電解質層7から過剰にずれてしまうことを抑制できる。その結果、電解質層7が反応防止層8から剥離することを抑制できる。
本実施形態では、第2部分42の全体が第2凹部7aの内面から離れている。そのため、面方向における第2部分42の移動、すなわち、面方向における反応防止層8の伸縮をスムーズに行うことができる。ただし、第2部分42の一部は第2凹部7aの内面に接触していてもよい。
図2に示した界面構造は、次のように形成することができる。まず、水素極層6上に電解質層7の材料スラリーを塗布して電解質層7の成形体を形成する。次に、電解質層7の成形体の表面に造孔材を点状に塗布する。次に、点状に塗布された造孔材の上に粉末状又は塊状のセラミックスを配置する。次に、電解質層7の成形体の表面を覆うように反応防止層8の材料スラリーを塗布して反応防止層8の成形体を形成する。次に、電解質層7及び反応防止層8それぞれの成形体を焼成することによって、電解質層7及び反応防止層8が形成されるとともに、粉末状又は塊状のセラミックスから応力緩和部40が形成される。応力緩和部40の第1部分41は反応防止層8に埋設され、造孔材が焼失することで応力緩和部40の第2部分42は電解質層7から離れる。
2.第2実施形態
第2実施形態に係る応力緩和部50の構成について説明する。応力緩和部50以外の構成については上記第1実施形態に説明したとおりである。
図3は、水素極6及び電解質層7の断面図である。図3には、水素極6及び電解質層7の厚み方向に沿った断面が図示されている。
図3に示すように、電解質層7及び反応防止層8の間には応力緩和部50が配置されている。応力緩和部50は、面方向における反応防止層8の電解質層7に対する所定範囲内での伸縮を許容する。
具体的には、電解セル1の作動開始時及び作動終了時に、反応防止層8及び電解質層7の熱膨張係数差に起因して反応防止層8が電解質層7に対して面方向に伸縮する際、応力緩和部50は、反応防止層8が電解質層7に対して伸縮することを敢えて許容しつつも、その伸縮を所定範囲内に制限する。これによって、反応防止層8及び電解質層7の界面に生じる熱応力を緩和させながら、面方向において反応防止層8が電解質層7から過剰にずれてしまうことを抑制できるため、電解質層7が反応防止層8から剥離することを抑制できる。
応力緩和部50は、内部に空隙50aを有する。応力緩和部50に外力がかかると、空隙50aの幅は狭くなったり広がったりする。このように、応力緩和部50自体が伸縮可能である。空隙50aの数、位置、サイズなどは適宜変更可能である。
応力緩和部50は、セラミックス材料によって構成することができる。セラミックス材料としては、イオン伝導性を有し且つ電子伝導性を有さない材料が好適であり、電解質層7に用いられるYSZ(8YSZ)、GDC、ScSZ、SDC、LSGMなどが挙げられる。ただし、セラミックス材料はこれらに限られず、CSZ,LDC,LSC、LSCFなどを用いてもよい。
図3に示すように、反応防止層8は、電解質層側表面8Tと、第1凹部8bとを有する。
電解質層側表面8Tは、反応防止層8の表面のうち電解質層7と接触する領域である。電解質層側表面8Tは、実質的に平坦であってよいが、電解質層側表面8Tを微視的に観察した場合、反応防止層8の構成粒子の外縁に沿った凹凸が存在していてもよい。
第1凹部8bは、電解質層側表面8Tに形成される。第1凹部8bは、反応防止層8を貫通しない。すなわち、第1凹部8bは、貫通孔ではなく有底凹部である。第1凹部8bの輪郭形状は特に限られないが、本実施形態において第1凹部8bの輪郭は円弧状である。第1凹部8bのサイズは特に限られず、反応防止層8の構成粒子の外縁に沿った凹凸より大きければよい。
図3に示すように、電解質7は、機能層側表面7Tと、第2凹部7bとを有する。
機能層側表面7Tは、電解質7の表面のうち反応防止層8と接触する領域である。機能層側表面7Tは、実質的に平坦であってよいが、機能層側表面7Tを微視的に観察した場合、電解質7の構成粒子の外縁に沿った凹凸が存在していてもよい。
第2凹部7bは、機能層側表面7Tに形成される。第2凹部7bは、電解質7を貫通しない。すなわち、第2凹部7bは、貫通孔ではなく有底凹部である。第2凹部7bの輪郭形状は特に限られないが、本実施形態において第2凹部7bの輪郭は円弧状である。第2凹部7bのサイズは特に限られず、電解質7の構成粒子の外縁に沿った凹凸より大きければよい。
図3に示すように、応力緩和部50は、第1部分51と、第2部分52とを有する。
第1部分51は、反応防止層8の第1凹部8b内に配置される。第1部分51は、第1凹部8bの内面に接続される。本実施形態では、第1部分51が第1凹部8bに埋設されており、第1部分51の輪郭と第1凹部8bの輪郭とが一致している。すなわち、第1部分51の全体が第1凹部8bの内面に接続されている。そのため、反応防止層8に対する第1部分51の接続性を向上させることができる。ただし、第1部分51の少なくとも一部が第1凹部8bの内面に接続されていればよい。
第2部分52は、電解質7の第2凹部7b内に配置される。そのため、第2部分52は、第2凹部7bに係止されている。そして、上述の通り、応力緩和部50の内部には空隙50aが形成されているため、応力緩和部50自体が伸縮可能である。従って、反応防止層8が伸縮した場合、応力緩和部50の伸縮が限界に到達するまでは反応防止層8の伸縮が許容されるため、反応防止層8及び電解質層7の界面に生じる熱応力を緩和させることができる。また、応力緩和部50の伸縮が限界に到達した後は反応防止層8の伸縮が制限されるため、面方向において反応防止層8が電解質層7から過剰にずれてしまうことを抑制できる。その結果、電解質層7が反応防止層8から剥離することを抑制できる。
本実施形態において、第2部分52は、第2凹部7bの内面に接続される。第2部分52が第2凹部7bに埋設されており、第2部分52の輪郭と第2凹部7bの輪郭とが一致している。すなわち、第2部分52の全体が第2凹部7bの内面に接続されている。ただし、第2部分52の少なくとも一部は、第2凹部7bの内面から離れていてもよい。これによって、上記第1実施形態で説明したとおり、第2部分52自体を面方向に移動させることができるため、反応防止層8及び電解質層7の界面に生じる熱応力をより緩和させることができる。
図3に示した界面構造は、次のように形成することができる。まず、水素極層6上に電解質層7の材料スラリーを塗布して電解質層7の成形体を形成する。次に、電解質層7の成形体の表面に塊状の多孔質セラミックスを配置する。次に、電解質層7の成形体の表面を覆うように反応防止層8の材料スラリーを塗布して反応防止層8の成形体を形成する。次に、電解質層7及び反応防止層8それぞれの成形体を焼成することによって、電解質層7及び反応防止層8が形成されるとともに、塊状の多孔質セラミックスから応力緩和部50が形成される。
(実施形態の変形例)
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
[変形例1]
上記実施形態において、水素極層6はカソードとして機能し、酸素極層9はアノードとして機能することとしたが、水素極層6がアノードとして機能し、酸素極層9がカソードとして機能してもよい。この場合、水素極層6と酸素極層9の構成材料を入れ替えるとともに、水素極層6の外表面に原料ガスを流す。
[変形例2]
上記実施形態では、電気化学セルの一例として電解セル1について説明したが、電気化学セルは電解セルに限られない。電気化学セルとは、電気エネルギーを化学エネルギーに変えるため、全体的な酸化還元反応から起電力が生じるように一対の電極が配置された素子と、化学エネルギーを電気エネルギーに変えるための素子との総称である。従って、電気化学セルには、例えば、酸化物イオン或いはプロトンをキャリアとする燃料電池が含まれる。
[変形例3]
上記実施形態では、電解セル1が反応防止層8を備えているため、反応防止層8が電解質層7に接続される機能層であることとしたが、電解セル1が反応防止層8を備えていない場合、酸素極層9が電解質層7に接続される機能層となる。
1 セル
6 水素極層
7 電解質層
7S,7T 機能層側表面
7a,7b 第2凹部
8 反応防止層
8S,8T 電解質層側表面
8a,8b 第1凹部
9 酸素極層
10 セル本体部
20 金属支持体
21 供給孔
30 流路部材
30a 流路
40,50 応力緩和部
41,51 第1部分
42,52 第2部分

Claims (3)

  1. 所定の機能を有する機能層と、
    電極層と、
    前記機能層及び前記電極層の間に配置され、前記機能層と接触する電解質層と、
    前記機能層及び前記電解質層の間に配置され、前記機能層及び前記電解質層の界面に沿った面方向における前記機能層の前記電解質層に対する所定範囲内での伸縮を許容することによって前記界面に生じる熱応力を緩和させる応力緩和部と、
    を備え、
    前記機能層は、電解質層側表面に形成された第1凹部を有し、
    前記電解質層は、機能層側表面に形成された第2凹部を有し、
    前記応力緩和部は、前記第1凹部内に配置される第1部分と、前記第2凹部内に配置される第2部分とを有し、
    前記第1部分の少なくとも一部は、前記第1凹部の内面に接続され、
    前記第2部分の少なくとも一部は、前記第2凹部の内面から離れている、
    電気化学セル。
  2. 所定の機能を有する機能層と、
    電極層と、
    前記機能層及び前記電極層の間に配置され、前記機能層と接触する電解質層と、
    前記機能層及び前記電解質層の間に配置され、前記機能層及び前記電解質層の界面に沿った面方向における前記機能層の前記電解質層に対する所定範囲内での伸縮を許容することによって前記界面に生じる熱応力を緩和させる応力緩和部と、
    を備え、
    前記機能層は、電解質層側表面に形成された第1凹部を有し、
    前記電解質層は、機能層側表面に形成された第2凹部を有し、
    前記応力緩和部は、前記第1凹部内に配置される第1部分と、前記第2凹部内に配置される第2部分とを有し、
    前記応力緩和部は、内部に空隙を有する、
    電気化学セル。
  3. 前記電極層を支持し、複数の供給孔を有する板状の金属支持体をさらに備える、
    請求項1又は2に記載の電気化学セル。
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