JP2016072218A - 固体酸化物形燃料電池セルスタック - Google Patents

固体酸化物形燃料電池セルスタック Download PDF

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Abstract

【課題】 導電性および酸化物イオン絶縁性(すなわち発電効率)が良好なセラミックインターコネクタを有してなる固体酸化物形燃料電池の提供。【解決手段】 燃料極、固体電解質および空気極が少なくとも順次積層されてなる複数の発電素子と、前記複数の発電素子のうちの隣接する一方の発電素子の空気極と、他方の発電素子の燃料極とを電気的に接続するインターコネクタとを少なくとも有し、前記複数の発電素子が直列に接続されてなる固体酸化物形燃料電池セルスタックであって、前記インターコネクタが、下記式(1):SraLabTi1−c−dNbcFedO3−δ式(1)(式中、a、b、cおよびdは、0.1≦a≦0.8、0.1≦b≦0.8、0.05≦c≦0.2、および0.2≦d≦0.5を満たす正の実数である。)からなるものである、固体酸化物形燃料電池セルスタック。【選択図】図1

Description

本発明は、固体酸化物形燃料電池セルスタックに関する。具体的には、良好なガスシール性および固体電解質との密着性を有し、とりわけ導電性および酸化物イオン絶縁性に優れたインターコネクタを有してなる固体酸化物形燃料電池セルスタックに関する。
燃料電池は、熱エネルギーや運動エネルギーの過程を経由する熱機関と異なり、天然ガスや水素などの燃料を、固体電解質を介して空気中の酸素と反応させ、燃料の持っている化学エネルギーから連続的に直接電気エネルギーを得るエネルギー変換器である。その中で、固体酸化物形燃料電池は、固体電解質として固体酸化物(セラミック)を用い、燃料極を負極、空気極を正極とした電池として作動する燃料電池である。また、固体酸化物形燃料電池は高いエネルギー変換効率が得られるという利点を有するものとして知られている。
固体酸化物形燃料電池は、単電池あたりの出力が小さいため、複数の単電池を直列に接続することによって出力を高めて発電を行っている。隣接する単電池を電気的に接続する部材はインターコネクタと呼ばれている。その材料として、セラミックを用いたインターコネクタ(以下、セラミックインターコネクタとも言う)が知られている。セラミックインターコネクタの特性として、ガスを透過させないガスシール性、導電性、酸化物イオン絶縁性、および固体電解質との密着性が求められている。
一般に、セラミックインターコネクタは厚みが薄くないと(例えば、おおよそ100μm以下)十分な導電性が得られない。しかしながら、十分な導電性を得るためにセラミックインターコネクタの厚みを薄くし、このような厚みの薄いセラミックインターコネクタを多孔質な電極(燃料極や空気極)の表面に形成しようとすると、多孔質な電極にセラミックインターコネクタが取り込まれてしまうおそれがある。これにより、セラミックインターコネクタを形成できないおそれや、形成できたとしても薄いためガスシール性が十分に得られないおそれがある。
セラミックインターコネクタのガスシール性が低いと、燃料ガスがセラミックインターコネクタの燃料極側から空気極側に漏れてしまい、空気と混ざってしまうため好ましくない。セラミックインターコネクタのガスシール性を高めるためには、セラミックインターコネクタの緻密性を高める必要があり、セラミックインターコネクタを緻密に焼結することが求められる。また、セラミックインターコネクタの導電性が低いと、セラミックインターコネクタの抵抗が大きくなり、燃料電池の出力が低下してしまう。さらに、セラミックインターコネクタの酸化物イオン絶縁性が低いと、セラミックインターコネクタの空気極側から燃料極側に酸化物イオンがリークしてしまい、燃料電池の効率が低下してしまう。加えて、固体電解質とセラミックインターコネクタとの密着性が低いと、固体電解質とセラミックインターコネクタとの間にクラック等の隙間が生じてしまい、この隙間から燃料ガスが漏れてしまう。
セラミックインターコネクタの材料として、ランタンクロマイト(LaCrO)系インターコネクタが広く用いられている。このLaCrO系インターコネクタは、一般に導電性は高いが、焼結が困難であることが知られている。また、クロム(Cr)を含むため、いわゆるCr被毒が発生するおそれがある。
また、セラミックインターコネクタの材料として、SrLaTiO3−δで表されるSLT系インターコネクタが広く用いられている。このSLT系インターコネクタは、LaCrO系インターコネクタに比べ、導電性が低いが、焼結性が良好であることが知られている。SLT系インターコネクタは、例えば、絶縁体であるSrTiOの結晶格子中のSrサイトをランタン(La)で置換し、SrLaTiO3−δ(SLT)とすることで、SrLaTiO3−δ(SLT)の結晶格子中のTiサイトのTi4+を一部Ti3+に変化させることによって導電性を発現させている。なお、δは電荷中性条件を満たすように定まる値である。
特開2013-030270号公報(特許文献1)には、チタン酸ストロンチウムを含むインターコネクタを、NiOなどの遷移金属酸化物を含む基材と一体焼成した場合、基材に含まれる遷移金属成分が拡散することで、電荷補償によって導電キャリアが減少し、インターコネクタの導電性が低下してしまうことが報告されている。
また、特開2010-212036号公報(特許文献2)には、電池性能を低下させる元素を含まず、低い還元膨張性と高い導電率とを両立できるインターコネクタの形成を目的として、還元膨張率が段階的に上昇又は低下するように、還元膨張率が異なる部分をLa1−xSrTi1−yFe3−δで表わされるペロブスカイト型酸化物(LSTF酸化物)を用いて組成の異なる2層構造とすることが記載されている。また、この文献によれば、組成の異なる2種のLSTF酸化物を加圧焼成により拡散接合させて2層構造の組成傾斜型インターコネクタを作製したことが記載されている。
しかしながら、本発明者らが知得したところによれば、特許文献2に記載のインターコネクタは鉄の組成比が高いため、酸化物イオン伝導性を発現し、インターコネクタとしての使用は困難である。よって、上記いずれの文献も、とりわけ導電性および酸化物イオン絶縁性が良好なセラミックインターコネクタを有してなる固体酸化物形燃料電池セルスタックの製造を実現するには至っていない。
特開2013-030270号公報 特開2010-212036号公報
本発明者らの行った実験によれば、SLTのチタン(Ti)サイトを導電キャリアとしての鉄(Fe)で置換することによりニッケル(Ni)がSLTに固溶しても導電性が低下しにくいことが見出された。その一方で、TiサイトをFeで置換することにより酸素欠損が生じ、酸化物イオン伝導性が発現してしまう。その結果、酸化物イオンのリークによって燃料が消費され、発電効率が下がることが見出された。
本発明者らは、今般、Feを置換したSLTのTiサイトをニオブ(Nb)でさらに置換することにより、酸素欠損による酸化物イオン伝導性の発現を抑制できるとの知見を得た。また、SLTに置換するFeおよびNbを特定の組成比とすることにより、Niの固溶によるインターコネクタの導電性の低下を抑制しつつ、Feの置換による酸化物イオン伝導性の発現をも抑制できる(すなわち、酸化物イオン絶縁性を得る)との知見を得た。本発明はこれらの知見に基づくものである。
従って、本発明は、とりわけ導電性および酸化物イオン絶縁性が良好なセラミックインターコネクタを有してなる固体酸化物形燃料電池の提供をその目的としている。
そして、本発明による固体酸化物形燃料電池セルスタックは、
燃料極、固体電解質および空気極が少なくとも順次積層されてなる複数の発電素子と、
前記複数の発電素子のうちの隣接する一方の発電素子の空気極と、他方の発電素子の燃料極とを電気的に接続するインターコネクタと
を少なくとも有し、前記複数の発電素子が直列に接続されてなる固体酸化物形燃料電池セルスタックであって、
前記インターコネクタが、下記式(1):
SrLaTi1−c−dNbFe3−δ 式(1)
(式中、a、b、cおよびdは、0.1≦a≦0.8、0.1≦b≦0.8、0.05≦c≦0.2、および0.2≦d≦0.5を満たす正の実数である。)
で表されるペロブスカイト型酸化物からなるものであることを特徴とするものである。
本発明による横縞型固体酸化物形燃料電池セルスタックの正面図である。 本発明による縦縞型固体酸化物形燃料電池セルスタックを構成する縦縞型固体酸化物形燃料電池セルユニットの部分断面図である。 本発明による縦縞型固体酸化物形燃料電池セルスタックを示す斜視図である。 本発明による固体酸化物形燃料電池セルスタックを構成する発電素子近傍の断面模式図である 本発明による固体酸化物形燃料電池セルスタックの一つの態様である。 本発明による固体酸化物形燃料電池セルスタックを構成する発電素子を接続するインターコネクタのSEM写真である。 本発明による固体酸化物形燃料電池セルスタックの製造工程を示すフローチャート図である。 本発明による固体酸化物形燃料電池セルスタックの各製造工程において形成される、隣接する2つの発電素子を含む領域部分の断面図である。 本発明による固体酸化物形燃料電池セルスタックの各製造工程において形成される、隣接する2つの発電素子を含む領域部分の断面図である。
定義
本発明による固体酸化物形燃料電池セルスタックとは、インターコネクタの組成が後記する要件を満たすものであること以外は、燃料極、固体電解質および空気極が少なくとも順次積層されてなる複数の発電素子と、これらのうちの隣接する一方の発電素子の空気極と他方の発電素子の燃料極とを電気的に接続する前記インターコネクタとを少なくとも有してなる、当業界において通常固体酸化物形燃料電池セルスタックと分類または理解されるものと同一のものを意味する。また、本発明による固体酸化物形燃料電池セルスタックは、その形状も限定されず、例えば円筒状、内部にガス流路を複数形成した中空板状などであってもよい。
本発明による固体酸化物形燃料電池セルスタックは、いわゆる縦縞型固体酸化物形燃料電池および横縞型固体酸化物形燃料電池の双方を包含する。本発明において、縦縞型固体酸化物形燃料電池とは、1つの支持体の表面に1つの発電素子が形成されている固体酸化物形燃料電池を意味する。なお、支持体は、燃料極又は空気極を兼ねていても良い。例えば、支持体として機能する燃料極の表面に固体電解質、および空気極が順次積層された固体酸化物形燃料電池が挙げられる。横縞型固体酸化物形燃料電池とは、1つの支持体の表面に複数の発電素子が形成されている固体酸化物形燃料電池を意味する。
本発明において、固体酸化物形燃料電池セルスタックとは、発電素子が複数集合したものを意味する。
本発明の固体酸化物形燃料電池セルスタックを用いた固体酸化物形燃料電池システムは、特定のものに限定されず、その製造方法やこれを構成する他の材料等はいずれも公知のものを使用することができる。
発電素子
本発明による固体酸化物形燃料電池セルスタックは複数の発電素子を有し、この発電素子が直列に接続されてなるものである。発電素子は、燃料極、固体電解質、および空気極が順次積層された積層体である。
支持体
本発明による固体酸化物形燃料電池セルスタックは支持体を有していてもよい。縦縞型固体酸化物形燃料電池である場合は、支持体を有していてもよく、有していなくてもよい。横縞型固体酸化物形燃料電池である場合は、支持体を有する。支持体を有する場合、支持体の表面に燃料極、固体電解質、および空気極が順次積層された発電素子が形成される。横縞型固体酸化物形燃料電池である場合、支持体の表面に複数の発電素子が直列に形成される。
本発明では、このような支持体として、多孔質であり、ガス透過性を有し、発電素子を支持するための機械的強度を有し、そして電気絶縁性を有するものであれば、特に限定されず用いることができる。支持体の材料としては、MgO、カルシア安定化ジルコニア(CSZ)、フォルステライトからなる群から選ばれる一種以上を用いることができる。支持体の好ましい厚さは0.5〜2mmである。
内側電極および外側電極
本発明において、燃料極は内側電極であってもよく、外側電極であってもよい。つまり、発電素子は内側電極としての燃料極、固体電解質、および外側電極としての空気極が少なくとも積層された積層体であってもよい。あるいは、発電素子は内側電極としての空気極、固体電解質、および外側電極としての燃料極が少なくとも積層された積層体であってもよい。
本発明の好ましい態様によれば、内側電極は燃料極である。その理由は次の通りである。すなわち、支持体ならびに集電層はガス透過性が良好な多孔質構造を採用する。支持体は発電素子の構造を保持する必要がある。そのため、支持体は導電性だけが要求される集電層より厚くなる。つまり、支持体は集電層よりガスの透過性は悪くなる傾向がある。また、酸素ガスと水素ガスの拡散速度を比較すると、一般に水素ガスの方が酸素ガスより数倍速い。これらのことから、内側電極が空気極である場合は、支持体を水素に比べて透過し難い酸素が透過することとなるので、内側電極が燃料極である場合と比較すると、ガス拡散過電圧が大きくなる。その結果、発電性能が低下する傾向にある。従って、内側電極が燃料極である場合の方が発電性能に優れる。なお、内側電極が燃料極である場合、外側電極は空気極となる。
燃料極
本発明において、燃料極は、燃料ガスを透過させるための多孔性、水素を吸着させる触媒活性(電極活性)、導電性、および酸化物イオン伝導性を有する。また、燃料極の多孔性は支持体のそれより小さくてもよい。
このような燃料極を構成する材料として、例えばNiO/ジルコニウム含有酸化物、NiO/セリウム含有酸化物などが挙げられ、少なくともこれらのいずれかを含んでなる。ここで、NiO/ジルコニウム含有酸化物とは、NiOとジルコニウム含有酸化物とが、所定の比率で均一に混合されたものを意味する。また、NiO/セリウム含有酸化物とは、NiOとセリウム含有酸化物とが、所定の比率で均一に混合されたものを意味する。NiO/ジルコニウム含有酸化物のジルコニウム含有酸化物としては、例えばCaO、Y、Scのうちの1種以上をドープしたジルコニウム含有酸化物などが挙げられる。NiO/セリウム含有酸化物のセリウム含有酸化物としては、一般式Ce1−yLn(但し、LnはLa、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Sc、およびYから選択されるいずれか1種以上の組み合わせであり、0.05≦y≦0.50)などが挙げられる。なお、NiOは燃料雰囲気下で還元されてNiとなるため、前記酸化物はそれぞれNi/ジルコニウム含有酸化物又はNi/セリウム含有酸化物となる。
本発明において、燃料極は単層であっても、又は複層であっても良い。内側電極が複層の燃料極である場合の例としては、支持体側にNi/YSZ(イットリア安定化ジルコニア)を用い、固体電解質側にNi/GDC(Gd−CeO)(すなわち、燃料極触媒層)を用いる。燃料極の好ましい厚さは10〜200μmである。また、燃料極触媒層の好ましい厚さは0〜30μmである。
空気極
本発明において、空気極は、酸素を透過させるための多孔性、酸素を吸着させる又はイオン化する触媒活性(電極活性)、導電性、および酸化物イオン伝導性を有する。また、空気極の多孔性、導電性はそれぞれ集電層のそれより小さくてもよい。
このような空気極を構成する材料として、例えばLa1−xSrCoO(但し、x=0.1〜0.3)及びLaCo1−xNi(但し、x=0.1〜0.6)などのランタンコバルト系酸化物、LaSrFeO系とLaSrCoO系の固溶体であるランタンフェライト系酸化物(La1−mSrCo1−nFe(但し、0.05<m<0.50、0<n<1))などが挙げられる。空気極は、単層であっても、又は複層であっても良い。外側電極が複層の空気極である場合の例としては、固体電解質側にLa0.6Sr0.4Co0.2Fe0.8(すなわち、空気極触媒層)を用い、最表層にLa0.6Sr0.4Co0.8Fe0.2(すなわち、空気極)を用いることができる。空気極の好ましい厚さは0.2〜30μmである。
固体電解質
本発明において、固体電解質は、酸化物イオン伝導性、ガスシール性、および電気絶縁性を有する。このような固体電解質を構成する材料として、ランタンガレート系酸化物、固溶種としてY、Ca、およびScから選択される1種以上を固溶した安定化ジルコニアなどが挙げられる。本発明において好適な固体電解質は、Sr及びMgがドープされたランタンガレート系酸化物であり、より好適には一般式La1−aSrGa1−b−cMgCo3−δ(但し、0.05≦a≦0.3、0<b<0.3、0≦c≦0.15、δは電荷中性条件を満たすように定まる値である)で表されるランタンガレート系酸化物(LSGM)である。LSGMはLaGaO3をベースにLaサイトをSrで置換することで酸化物イオン伝導性を発現する。固体電解質は、単層であってもよく、又は複層であってもよい。固体電解質が複層である場合、例えば、燃料極とLSGMからなる固体電解質の間に、反応抑制層を設けることができる。反応抑制層の具体例としては、Laを固溶させたセリア(Ce1−xLa(但し、0.3<x<0.5))が挙げられる。好適には、Ce0.6La0.4である。固体電解質の好ましい厚さは5〜60μmである。また、反応抑制層の好ましい厚さは0〜20μmである。
集電層
本発明による固体酸化物形燃料電池セルスタックは、外側電極とインターコネクタとを電気的に接続する集電層を有してなる。この集電層は、ガス(酸素)透過性、および空気極より発生した電子をスムーズに流通するための導電性を有する。本発明において、外側電極が空気極である場合、集電層はAgやPtなどの貴金属を含有する導電性ペーストや、La0.6Sr0.4Co0.8Fe0.23−δなどの導電性酸化物を含有するペーストを焼き付けることにより形成できる。また、外側電極が燃料極である場合、集電層は還元されて導電性が得られる、NiOもしくはNiなどの金属酸化物、または金属を含有するペーストを焼き付けることにより形成できる。また、集電層は、ガス透過性を得るために多孔質またはメッシュなどの構造であることが好ましい。集電層の好ましい厚さは10〜200μmである。
インターコネクタ
本発明においてインターコネクタはセラミックインターコネクタを意味する。本発明による固体酸化物形燃料電池セルスタックが有してなるインターコネクタは、複数の発電素子のうちの隣接する一方の発電素子の空気極と、他方の発電素子の燃料極とを電気的に接続する。このインターコネクタは、下記式(1):
SrLaTi1−c−dNbFe3−δ 式(1)
(式中、a、b、cおよびdは、0.1≦a≦0.8、0.1≦b≦0.8、0.05≦c≦0.2、および0.2≦d≦0.5を満たす正の実数である。)
で表されるペロブスカイト型酸化物からなるものである。ここで、「からなる」とは、インターコネクタの主成分が前記式(1)で表されるペロブスカイト型酸化物であることを意味する。すなわち、インターコネクタがその他の成分、例えば後述する拡散元素を含むものである態様を除外するものではない。換言すると、インターコネクタは前記式(1)で表されるペロブスカイト型酸化物を主成分として含んでなるものである。主成分とは、インターコネクタにおいて、前記前記式(1)で表されるペロブスカイト型酸化物が80mol%以上含まれていることを意味する。好ましくは90mol%以上、さらに好ましくは95mol%以上含まれている。さらにより好ましくは、インターコネクタは前記式(1)で表されるペロブスカイト型酸化物のみからなる。
本発明において、前記式(1)で表されるペロブスカイト型酸化物は、SLTのTiサイトが導電キャリアとしてFeで置換されている。Feは燃料極に含まれるNiと反応しないため、Feで置換されたSLTにNiが固溶してもその導電性は低下しない。一方、Feで置換されたSLTは、TiサイトがFeで置換されることにより酸素欠損が生じ、酸化物イオン伝導性が発現してしまう傾向がある。しかし、本発明のインターコネクタに含まれる前記式(1)で表されるペロブスカイト型酸化物において、Feで置換されたSLTのTiサイトに4価のTiよりも原子価が高い5価のNbがさらに置換されているため、酸素欠損による酸化物イオン伝導性の発現を抑制することができる。つまり、SLTのTiサイトをFeで置換することで導電性を向上し、さらにFeで置換されたSLTのTiサイトをNbで置換することで酸化物イオン伝導性の発現を抑制することができる。これにより、導電性と酸化物イオン絶縁性とを両立できるインターコネクタを得ることができる。
SrおよびLaの組成比は、0.1≦a≦0.8、0.1≦b≦0.8の範囲で、酸素量(3−δ)が3.00以下となる組成で構成される。これにより、気孔率が低い、緻密な膜を得ることができる。また、安定なペロブスカイト構造を保つことができ、LaTiのような不純物相が生成されず、焼結阻害による緻密性不良を起こさない。本発明のインターコネクタは、より好ましくは、SrおよびLaの各組成が、酸素量が2.95以上3.00以下となる組成で構成される。酸素量が2.95以上であることにより、安定なペロブスカイト構造を保つことができ、TiOのような不純物相が生成されず、焼結阻害による緻密性不良を起こさない。
本発明において、固体電解質およびインターコネクタの双方がストロンチウムを含むのが好ましい。本発明において、インターコネクタに含まれるストロンチウム量の方が固体電解質に含まれるストロンチウム量よりも多いことがさらに好ましい。すなわち、固体電解質に含まれるストロンチウム量はインターコネクタに含まれるストロンチウム量よりも少ないことがさらに好ましい。インターコネクタにおいて、前記式(1)で表されるペロブスカイト型酸化物は、酸素を除いた元素換算で、組成中にストロンチウムを30mol%以上50mol%以下含むことが好ましい。固体電解質は、酸素を除いた元素換算で、組成中にストロンチウムを15mol%以下含むことが好ましく、2.5mol%以上15mol%以下含むことがより好ましい。すなわち、上述したように固体電解質は、一般式La1−aSraGa1−b−cMgCo3−δ(但し、0.05≦a≦0.3、0<b<0.3、0≦c≦0.15、δは電荷中性条件を満たすように定まる値である)で表されるランタンガレート系酸化物(LSGM)を含んでなることが好ましい。
本発明において、前記式(1)で表されるペロブスカイト型酸化物のNbおよびFeの各組成比は、0.05≦c≦0.2、0.2≦d≦0.5であり、さらに好ましい範囲は、0.1≦c≦0.2、0.2≦d≦0.4である。Tiの組成比は1−c−dで求められる。
本発明において、前記式(1)で表されるペロブスカイト型酸化物は、Feの組成比が特定の範囲に制御されている。これにより、焼成時における固体電解質への元素拡散を制御しつつ、固体電解質との良好な密着性と、良好な導電性とを両立している。さらに、FeとNbの組成比を特定の範囲とすることにより、より優れた固体電解質との密着性および導電性を実現している。
本発明において、インターコネクタは、例えば焼成時に他の部材、すなわち燃料極、空気極および固体電解質からインターコネクタに拡散される元素を不可避成分として含んでいても良い。このような元素としては、Ni、Y、Gd、Ce、Zr、La、Sr、Ga、Mg、Co、Feなどが挙げられる。拡散する元素の量は、各部材の構成材料、結晶構造、焼成温度、焼成の態様(例えば、逐次焼成や共焼成)などに応じて変化する。
本発明の好ましい態様によれば、インターコネクタは、その厚さ方向に、前記式(1)に示される組成範囲内の組成勾配を有するものである。これにより、導電性および酸化物イオン絶縁性を両立することができる。
インターコネクタにおいて、ペロブスカイト型酸化物が含まれているか否かは、X線回折装置(XRD)を用いてインターコネクタを分析することにより、判断することができる。
インターコネクタに含まれるペロブスカイト型酸化物の組成および割合は、以下の方法にて得ることができる。作製した固体酸化物形燃料電池セルスタックからインターコネクタを切り出し、収束イオンビーム−走査型電子顕微鏡(Focused Ion Beam‐Scanning Electron Microscope。以下、FIB−SEMという)を用いて厚みが100nm〜200nmの薄膜に加工する。これを走査透過型電子顕微鏡−エネルギー分散型X線分光法(Scanning Transmission Electron Microscope−Energy Dispersive X−ray spectrometry。以下、STEM−EDXという)により評価することで元素マッピングを得る。この元素マッピングを、薄膜近似法を用いて定量分析することでインターコネクタに含まれるペロブスカイト型酸化物の組成および割合を得ることができる。
本発明の好ましい態様によれば、固体酸化物形燃料電池セルスタックは、インターコネクタと一方の発電素子の固体電解質との間及び/又はインターコネクタと他方の発電素子の固体電解質との間に酸化物イオン絶縁部を有し、かつこの酸化物イオン絶縁部がインターコネクタと一方の発電素子の固体電解質及び/又は他方の発電素子の固体電解質とに接していることが好ましい。これにより、酸化物イオンのリークを抑制することができ、その結果、発電素子の発電出力を向上することができる。この酸化物イオン絶縁部は、式(2):SrLaTiO3−δ(式中、xおよびyは、各々0.8≦x+y≦1.0、および0.01<y≦0.1を満たす正の実数である。)を含むものであることが好ましい。これにより酸化物イオンのリークを抑制することが可能となる。
本発明の好ましい態様によれば、インターコネクタは、燃料極の表面に形成され、特定の組成を有する第一のインターコネクタ前駆体と、当該第一のインターコネクタ前駆体の表面に形成され、当該第一のインターコネクタ前駆体とは異なる特定の組成を有する第二のインターコネクタ前駆体とを共焼成することにより形成される。具体的には、焼成により、第一および第二のインターコネクタ前駆体各々に含まれる元素が相互に拡散し、インターコネクタが形成される。これにより、インターコネクタは、その厚さ方向に、前記式(1)に示される組成範囲内の組成勾配を有することができる。各インターコネクタ前駆体の組成、およびこれらの間で生じる元素の相互拡散については後述する。
第一のインターコネクタ前駆体
第一のインターコネクタ前駆体は、下記式(1’):SrLaTi1−c−dNbFe3−δ(式中、a、b、cおよびdは、0.1≦a≦0.8、0.1≦b≦0.8、0.1≦c≦0.3、および0.3≦d≦0.6を満たす正の実数である。)で表されるペロブスカイト型酸化物からなるものであることが好ましい。ここで、「からなる」とは、第一のインターコネクタ前駆体の主成分が前記式(1’)で表されるペロブスカイト型酸化物であることを意味する。すなわち、第一のインターコネクタ前駆体がその他の成分、例えば後述する拡散元素を含むものである態様を除外するものではない。換言すると、第一のインターコネクタ前駆体は前記式(1’)を主成分として含んでなるものであることが好ましい。主成分とは、第一のインターコネクタ前駆体において、前記式(1’)で表されるペロブスカイト型酸化物が80mol%以上含んでなることを意味する。好ましくは90mol%以上、さらに好ましくは95mol%以上含んでなる。さらにより好ましくは、第一のインターコネクタ前駆体は前記式(1’)で表されるペロブスカイト型酸化物のみからなる。SrおよびLaの各組成比は、酸素量(3−δ)が3.00以下となる組成が好ましい。これにより、気孔率が低い、緻密な膜を得ることができる。また、安定なペロブスカイト構造を保つことができ、LaTiのような不純物相が生成されず、焼結阻害による緻密性不良を起こさない。
本発明において、第一のインターコネクタ前駆体は、例えば製造工程において他の部材、すなわち燃料極、空気極、第二のインターコネクタ前駆体および固体電解質等から第一のインターコネクタ前駆体に拡散される元素を不可避成分として含んでいても良い。このような元素としては、Ni、Y、Gd、Ce、Zr、La、Sr、Ga、Mg、Co、Feなどが挙げられる。拡散する元素の量は、各部材の構成材料、結晶構造、乾燥温度、焼成温度、焼成の態様(例えば、逐次焼成や共焼成)などに応じて変化する。元素拡散のメカニズムは後述する。
本発明の好ましい態様によれば、第一のインターコネクタ前駆体は、式(1’)において、SrおよびLaの各組成比が、酸素量が2.95以上3.00以下となる組成である。酸素量が2.95以上であることにより、安定なペロブスカイト構造を保つことができ、TiOのような不純物相が生成されず、焼結阻害による緻密性不良を起こさない。
本発明の好ましい態様によれば、第一のインターコネクタ前駆体は、式(1’)において、NbおよびFeの各組成比は、0.1≦c≦0.3、0.3≦d≦0.6であり、さらに好ましい範囲は、0.1≦c≦0.25、0.3≦d≦0.5である。Tiの組成比は、1−c−dで求められる。
第二のインターコネクタ前駆体
第二のインターコネクタ前駆体は、下記式(2):SrLaTiO3−δ(式中、xおよびyは、各々0.8≦x+y≦1.0、および0.01<y≦0.1を満たす正の実数である。)で表されるペロブスカイト型酸化物からなるものであることが好ましい。ここで、「からなる」とは、第二のインターコネクタ前駆体の主成分が前記式(2)で表されるペロブスカイト型酸化物であることを意味する。第二のインターコネクタ前駆体がその他の成分、例えば後述する拡散元素を含むものである態様を除外するものではない。換言すると、第二のインターコネクタ前駆体は前記式(2)を主成分として含んでなるものであることが好ましい。主成分とは、第二のインターコネクタ前駆体において、前記式(2)で表されるペロブスカイト型酸化物が80mol%以上含まれていることを意味する。好ましくは90mol%以上、さらに好ましくは95mol%以上含まれている。さらにより好ましくは、第二のインターコネクタ前駆体は前記式(2)で表されるペロブスカイト型酸化物のみからなる。これにより、十分な緻密性と導電性を両立することができる。本発明のより好ましい態様によれば、SrとLaの組成比は、0.8≦x+y≦0.9、0.01<y≦0.1の関係を満たすものであることが好ましい。これにより、緻密性をさらに高めることができる。また、TiをNbで置換してもよい。これにより、導電性をさらに高めることができる。このような酸化物の好ましい具体例として、SrLaTi1−zNb3−δ(0.8≦x+y≦1.0、0.01<y≦0.1、0.05≦z≦0.2)が挙げられる。
本発明において、第二のインターコネクタ前駆体は、例えば製造工程において他の部材、すなわち燃料極、空気極、第一のインターコネクタ前駆体および固体電解質等から第二のインターコネクタ前駆体に拡散される元素を不可避成分として含んでいても良い。このような元素としては、Ni、Y、Gd、Ce、Zr、La、Sr、Ga、Mg、Co、Fe,Nbなどが挙げられる。拡散する元素の量は、各部材の構成材料、結晶構造、乾燥温度、焼成温度、焼成の態様(例えば、逐次焼成や共焼成)などに応じて変化する。元素拡散のメカニズムは後述する。
本発明の好ましい態様によれば、インターコネクタおよび固体電解質は、
燃料極の表面に形成される第一のインターコネクタ前駆体と、
第一のインターコネクタ前駆体の表面に形成される固体電解質の乾燥被膜と、
第一のインターコネクタ前駆体および固体電解質の乾燥被膜の表面に形成される第二のインターコネクタ前駆体とを共焼成することにより、形成される。共焼成により、第一のインターコネクタ前駆体、第二のインターコネクタ前駆体および固体電解質の乾燥被膜の各々に含まれる元素が相互に拡散する。ここで、焼成前、第一のインターコネクタ前駆体および前記第二のインターコネクタ前駆体は、これらの間の一部に固体電解質の乾燥被膜が形成されることにより、互いに接している部分と接していない部分とを有することが好ましい。すなわち、第一のインターコネクタ前駆体および前記第二のインターコネクタ前駆体は、これらの間の一部に隣接する一方の発電素子の固体電解質の乾燥被膜及び/又は他方の発電素子の固体電解質の乾燥被膜が形成されている。これにより、共焼成時において、インターコネクタ前駆体同士が接している部分では両者間で元素が拡散し、インターコネクタ前駆体同士が接していない部分では両者間で元素は拡散しない。インターコネクタ前駆体同士が接していない部分では、各前駆体は固体電解質の乾燥被膜と接触しているので、各前駆体と固体電解質の乾燥被膜との間で元素拡散が起こる。
この態様にあっては、固体電解質の乾燥被膜の表面に、Sr量が多く、固体電解質の乾燥被膜との反応性が高い前記式(2)で表される第二のインターコネクタ前駆体を形成することにより、共焼成時に後述する元素拡散のメカニズムに従って両者が反応して、固体電解質とインターコネクタとの間の密着性を向上することができる。その結果、固体電解質とインターコネクタとの間のガスシール性を向上することができる。
共焼成の温度は、1250℃以上1400℃未満であることが好ましい。これにより、第一のインターコネクタ前駆体、第二のインターコネクタ前駆体および固体電解質の乾燥被膜の各々に含まれる元素が相互に拡散する。
さらに、この態様において、第二のインターコネクタ前駆体における第一のインターコネクタ前駆体と接していない部分が、焼成後も前記式(2)で表されるペロブスカイト型酸化物からなるものであることが好ましい。ここで、「からなる」とは、第二のインターコネクタ前駆体における第一のインターコネクタ前駆体と接していない部分の主成分が前記式(2)で表されるペロブスカイト型酸化物であることを意味する。すなわち、第二のインターコネクタ前駆体における第一のインターコネクタ前駆体と接していない部分がその他の成分、例えば後述する拡散元素を含むものである態様を除外するものではない。換言すると、第二のインターコネクタ前駆体における第一のインターコネクタ前駆体と接していない部分は前記式(2)を主成分として含んでなるものであることが好ましい。主成分とは、第二のインターコネクタ前駆体における第一のインターコネクタ前駆体と接していない部分において、前記前記式(2)で表されるペロブスカイト型酸化物が80mol%以上含まれていることを意味する。好ましくは90mol%以上、さらに好ましくは95mol%以上含まれている。さらにより好ましくは、第二のインターコネクタ前駆体における第一のインターコネクタ前駆体と接していない部分は前記式(2)で表されるペロブスカイト型酸化物のみからなる。これにより、第二のインターコネクタ前駆体における第一のインターコネクタ前駆体と接していない部分が酸化物イオン絶縁部として形成される。その結果、酸化物イオンのリークを抑制することができ、発電素子の発電出力を向上することができる。なお、このようにして形成される酸化物イオン絶縁部は、インターコネクタと隣接する一方の発電素子の固体電解質の間及び/又はインターコネクタと他方の発電素子の固体電解質との間に形成される。
本発明において、焼成による元素拡散のメカニズム、具体的には、第一および第二のインターコネクタ前駆体間の元素拡散、ならびに各インターコネクタ前駆体と固体電解質との間の元素の相互拡散のメカニズムは以下のように考えられるが、本発明はこれに限定されるものではない。
相互拡散のメカニズム
(第一のインターコネクタ前駆体と第二のインターコネクタ前駆体の相互拡散メカニズム)
第一のインターコネクタ前駆体と第二のインターコネクタ前駆体とを接触させて焼成することで、第一のインターコネクタ前駆体および第二のインターコネクタ前駆体に含まれる元素が濃度勾配を駆動力として濃度が高い方から低い方へ熱拡散する。具体的には、Srが第二のインターコネクタ前駆体から第一のインターコネクタ前駆体へ拡散し、Laが第一のインターコネクタ前駆体から第二のインターコネクタ前駆体へ拡散し、Tiが第二のインターコネクタ前駆体から第一のインターコネクタ前駆体へ拡散する。これにより、強固に密着した一体層が形成される。すなわち、気密性に優れたインターコネクタを得ることができる。また、厚さ方向に前記式(1)に示される組成範囲内の組成勾配を有するインターコネクタを得ることができる。さらに、FeおよびNbが第一のインターコネクタ前駆体から第二のインターコネクタ前駆体へ拡散することで、Ni固溶によるインターコネクタの導電率の低下を抑制し、酸化物イオン絶縁性を向上させることができる。
(第二のインターコネクタ前駆体と固体電解質の相互拡散メカニズム)
第二のインターコネクタ前駆体はSrTiOをベースにLaを置換することで導電性を発現する。また、固体電解質はLaGaOをベースにSrを置換することで酸化物イオン伝導性を発現する。第二のインターコネクタ前駆体と固体電解質とを接触させて焼成することで、第二のインターコネクタ前駆体に含まれるLaが固体電解質へ拡散し、安定なSrTiO結晶に近づく。また、固体電解質に含まれるSrが第二のインターコネクタ前駆体へ拡散し、安定なLaGaO結晶に近づく。SrTiOおよびLaGaOはいずれも酸化物イオン絶縁性であるので、第二のインターコネクタと固体電解質において、第二のインターコネクタ前駆体と固体電解質とが接して焼成された部分は、焼成による元素拡散により、酸化物イオン絶縁性になる。
(第一のインターコネクタ前駆体と固体電解質の相互拡散メカニズム)
第一のインターコネクタ前駆体はSrTiOをベースにSrサイトをLaで、TiサイトをNb、Feで置換することで導電性を発現する。また、固体電解質はLaGaOをベースにLaサイトをSrで置換することで酸化物イオン伝導性を発現する。第一のインターコネクタ前駆体と固体電解質とを接触させて焼成することで、第一のインターコネクタ前駆体に含まれるLaが固体電解質へ拡散し、安定なSrTiO結晶に近づく。また、固体電解質に含まれるSrが第一のインターコネクタ前駆体へ拡散し、安定なLaGaO結晶に近づく。さらに、FeおよびNbが濃度勾配を駆動力として第一のインターコネクタ前駆体から固体電解質へ熱拡散する。SrTiOおよびLaGaOはいずれも酸化物イオン絶縁性であるので、第一のインターコネクタ前駆体と固体電解質において、第一のインターコネクタ前駆体と固体電解質とが接して焼成された部分は、焼成による元素拡散により、酸化物イオン絶縁性になる。
本発明において、インターコネクタの700℃大気雰囲気下における導電率の下限が0.05S/cm以上であることが好ましく、より好ましくは0.1S/cm以上である。導電率は高ければ高いほど良いため上限は無いが、好ましくは0.16S/cm以下である。これによりインターコネクタの導電性を向上させ、固体酸化物形燃料電池セルスタックの発電性能を向上させることが可能となる。
本発明において、インターコネクタの気孔率の上限が1%以下であることが好ましく、0.1%以下であることがさらに好ましい。また、下限は0%以上であることが好ましい。これによりインターコネクタのガスシール性を確保し、固体酸化物形燃料電池セルスタックの発電効率を向上させることが可能となる。さらに、インターコネクタの好ましい厚さは5〜50μmである。
本発明において、気孔率の測定は、以下の方法を用いて行うことができる。
<SEM画像から得る方法>
作製した固体酸化物形燃料電池セルスタックからインターコネクタを含むように切り出し、このインターコネクタを走査型電子顕微鏡(例えば日立製作所製S−4100)により、加速電圧15kV、2次電子画像、倍率100〜10000倍で観察し、SEM画像を得る。このSEM画像を画像処理ソフト(例えばWinroofver6.5.1、MITANI CORPORATION社製)によって評価する。これにより、横軸が輝度、縦軸が出現頻度であるヒストグラムを得る。このヒストグラムにおいて、輝度の最小値と最大値の平均値より輝度が低い領域を低輝度領域、平均値より輝度が高い領域を高輝度領域とする。この低輝度領域を気孔と判定し、気孔以外の高輝度領域をインターコネクタと判定することで2値化処理する。その後、下記式から気孔率を得ることができる。
気孔率(%)=低輝度領域の積分値÷全体の出現頻度の積分値×100
本発明において、インターコネクタが上記方法によって得られる所望の気孔率を有するものであることを確認するために、以下の方法により求められる気孔率を一つの指標とすることができる。
<アルキメデス法にて測定して得る方法>
インターコネクタの原料粉末を900kgf/cmの荷重にて一軸プレスし、1300℃で2時間、大気雰囲気下で焼成することにより試験片を得る。この試験片をJIS R 1634の規定に基づき、アルキメデス法により測定し、気孔率を得る。
本発明において、導電率は以下の方法により測定することができる。
<端子間電圧を測定して得る方法>
固体酸化物形燃料電池セルスタックを作製する。燃料極側の集電は、隣接する一方の発電素子の燃料極の露出部に集電金属を銀ペーストで張り合わせて焼き付けて行う。インターコネクタを含んだ空気極側の集電は、隣接する他方の発電素子の燃料極の露出部に集電金属を銀ペーストで張り合わせて焼き付けて行う。インターコネクタを含まない空気極側の集電は、隣接する一方の発電素子の空気極に集電金属を銀ペーストで張り合わせて焼き付けて行う。その後、以下の発電条件において、隣接する一方の発電素子の燃料極と他方の発電素子の燃料極にそれぞれ電位線と電流線を、空気極に電位線を接続することにより、端子間の電圧を測定する。
燃料ガス :(H+3%HO)とNの混合ガス(混合比はH:N=7:4(vol:vol))
燃料利用率:7%
酸化ガス :空気
運転温度 :700℃
電流密度 :0.4A/cm
一方の発電素子の燃料極と他方の発電素子の燃料極に接続された端子間電圧(V)と一方の発電素子の燃料極と空気極に接続された端子間電圧(V’)を測定する。これらを用いて、以下の式でインターコネクタの導電率を算出する。
導電率=電流密度×空気極の面積÷(V’−V)×(インターコネクタの膜厚)÷(インターコネクタの面積)
なお、インターコネクタおよび空気極の面積は、発電試験後の固体酸化物形燃料電池セルスタックからインターコネクタと空気極とを剥ぎ取り、ノギス等を用いて、求められる。
本発明において、インターコネクタが端子間電圧を測定して得られる所望の導電率を有するものであることを確認するために、以下の方法により求められる導電率を一つの指標とすることができる。
<4端子法にて測定して得る方法>
導電率を測定するための試験片を、インターコネクタの原料粉末を900kgf/cmの荷重にて一軸プレスして、1300℃で2時間、大気雰囲気下で焼成することにより作製する。この試験片の導電率をJIS R 1650−2の規定に基づき、直流4端子法によって、大気雰囲気下700℃で測定する。
固体酸化物形燃料電池セルスタックの構造
図1は、本発明の一つの態様として、横縞型固体酸化物形燃料電池セルスタックを示す正面図である。横縞型固体酸化物形燃料電池セルスタック210は、支持体201に13個の発電素子10が直列に接続されている。
図2は、本発明の一つの態様である縦縞型固体酸化物形燃料電池セルスタックを構成する縦縞型固体酸化物形燃料電池セルユニットの部分断面図である。縦縞型固体酸化物形燃料電池セルユニット16は、燃料電池セル84と、この燃料電池セル84の上下方向端部にそれぞれ接続された内側電極端子86とを備えてなる。燃料電池セル84は、上下方向に延びる管状構造体であり、内部に燃料ガス流路88を形成する円筒形の多孔質支持体91表面に内側電極層90と、外側電極層92と、内側電極層90と外側電極層92との間にある固体電解質94とを備えてなる。また、縦縞型固体酸化物形燃料電池セルスタックでは、例えばAgなどの金属や導電性セラミックスでインターコネクタと空気極とを接続させる。
燃料電池セル84の上端側と下端側に取り付けられた内側電極端子86は、同一構造であるため、ここでは、上端側に取り付けられた内側電極端子86について具体的に説明する。内側電極層90の上部90aは、固体電解質94と外側電極層92に対して露出された外周面90bと上端面90cとを備える。内側電極端子86は、導電性のシール材96を介して内側電極層90の外周面90bと接続され、さらに、内側電極層90の上端面90cとは直接接触することにより、内側電極層90と電気的に接続されている。内側電極端子86の中心部には、内側電極層90の燃料ガス流路88と連通する燃料ガス流路98が形成されている。
図3は、本発明の一つの態様として、縦縞型固体酸化物形燃料電池セルスタックを示す斜視図である。縦縞型固体酸化物形燃料電池セルスタック14は、16本の縦縞型固体酸化物形燃料電池セルユニット16を備え、これら縦縞型固体酸化物形燃料電池セルユニット16の下端側及び上端側が、それぞれセラミック製の下支持板68及び上支持板100により支持されている。これら下支持板68及び上支持板100には、内側電極端子86が貫通可能な貫通穴68a及び100aがそれぞれ形成されている。
縦縞型固体酸化物形燃料電池セルユニット16には、集電体102及び外部端子104が取り付けられている。この集電体102は、燃料極である内側電極層90に取り付けられた内側電極端子86と電気的に接続される燃料極用接続部102aと、空気極である外側電極層92の外周面全体と電気的に接続される空気極用接続部102bとにより一体的に形成されている。空気極用接続部102bは、外側電極層92の表面を上下方向に延びる鉛直部102cと、この鉛直部102cから外側電極層92の表面に沿って水平方向に延びる多数の水平部102dとから形成されている。また、燃料極用接続部102aは、空気極用接続部102bの鉛直部102cから燃料電池セルユニット16の上下方向に位置する内側電極端子86に向って斜め上方又は斜め下方に向って直線的に延びている。
縦縞型固体酸化物形燃料電池セルスタック14の端(図3では左端の奥側及び手前側)に位置する2個の縦縞型固体酸化物形燃料電池セルユニット16の上側端及び下側端の内側電極端子86には、それぞれ外部端子104が接続されている。これらの外部端子104は、隣接する縦縞型固体酸化物形燃料電池セルスタック14の端にある縦縞型固体酸化物形燃料電池セルユニット16の外部端子104(図示せず)に接続され、上述したように、16本の縦縞型固体酸化物形燃料電池セルユニット16の全てが直列接続されるようになっている。
図4は、本発明による横縞型固体酸化物形燃料電池セルスタック210の一つの態様を示す模式図であり、横縞型固体酸化物形燃料電池セルスタックにおいて発電素子10近傍を示す。図4では、内側電極を燃料極としたタイプについて示す。固体酸化物形燃料電池セルスタック210は、支持体201と、(第一/第二)燃料極202(すなわち、燃料極層202aと燃料極触媒層202b)と、(第一/第二)固体電解質203(すなわち、反応抑制層203aと固体電解質層203b)と、空気極204と、集電層205と、インターコネクタ206とから構成されている。ここで、(第一/第二)とは、単層又は二層であって、二層の場合は第一層と第二層とを有することを意味する。
図5は、本発明による固体酸化物形燃料電池セルスタックの一つの好ましい態様である。一方の発電素子の固体電解質304とインターコネクタ306との間に酸化物イオン絶縁部308が形成されており、かつ酸化物イオン絶縁部308はインターコネクタ306及び一方の発電素子の固体電解質304に接触している。また、他方の発電素子の固体電解質304とインターコネクタ306との間に酸化物イオン絶縁部308が形成されており、かつ酸化物イオン絶縁部308はインターコネクタ306及び他方の発電素子の固体電解質304に接触している。これにより、酸化物イオンのリークを抑制することができ、その結果、発電素子の発電出力を向上することができる。図5では、2つの酸化物イオン絶縁部が形成されている態様を示しているが、本発明の範囲にはいずれか一方のみ形成されている態様も含まれる。
固体酸化物形燃料電池セルスタックの製造方法
本発明による固体酸化物形燃料電池セルスタックの製造方法は、特定のものに限定されるものではない。本発明による固体酸化物形燃料電池セルスタックは、例えば、以下のようにして製造される。なお、以下の説明においては、内側電極が燃料極であり、外側電極が空気極である場合を例として説明する。
支持体301は例えば以下のように作製することができる。先ず、原料粉体に、溶媒(水、アルコールなど)を添加して坏土を作製する。このとき、任意成分として、分散剤、バインダー、消泡剤もしくは造孔剤またはこれらの組合せ等を添加してもよい。坏土の成形には、シート成形法、プレス成形法、押出成形法などが用いられるが、内部にガス流路が形成される支持体を成形する場合は、押出成形法を用いるのが好ましい。複層の支持体を成形する場合は、複層を一体的に押出成形する多層押出成形の他、上層をコーティングや印刷により成形する方法を用いることもできる。コーティング方法の具体例としては、原料スラリーをコーティングするスラリーコート法、テープキャスティング法、ドクターブレード法、転写法などが挙げられる。印刷方法の具体例としては、スクリーン印刷法やインクジェット印刷方法などが挙げられる。次いで、作製した坏土を成形し、乾燥して支持体前駆体を得る。この支持体前駆体は、好ましくは、次いで仮焼(800℃以上1100℃未満)して多孔質な支持体の仮焼体を得て、その後支持体の仮焼体を、単独で焼成して支持体を得てもよく、又は、少なくとも燃料極等と共に焼成して支持体を得てもよい。焼成温度は、1100℃以上1400℃未満が好ましい。
インターコネクタ306は例えば以下のように作製することができる。まず、原料粉末を作製する。原料粉末の作製は、例えば固相法により行うことができる。すなわち、原料となる金属酸化物の粉末を所望の組成比となるように秤量し、溶液中で混合した後に溶媒を除去して得られた粉末を、例えば1150℃で焼成、そして粉砕して原料粉末を作製する。この原料粉末に、溶媒(水、アルコールなど)、必要に応じて分散剤、バインダー等の成形助剤を添加して、スラリー又はペーストを作製する。このスラリー又はペーストをコーティングし、乾燥(80℃以上1100℃以下、好ましくは300℃以上1100℃以下)することで得られる乾燥被膜を形成した後、焼成(1100℃以上1400℃未満、好ましくは1250℃以上1400℃未満)することによってインターコネクタを得ることができる。コーティングは、既に説明したのと同様の方法を用いることができる。あるいは、各乾燥被膜は、予め転写シートとして形成し、転写フィルムを被積層体に貼り付けることにより設けても良い。
燃料極302、固体電解質304および空気極307は例えば以下のように作製することができる。各原料粉末に、溶媒(水、アルコールなど)、必要に応じて分散剤、バインダー等の成形助剤を添加して、スラリー又はペーストを作製する。このスラリー又はペーストをコーティングし、乾燥(80℃以上1100℃以下、好ましくは300℃以上1100℃以下)することで得られる乾燥被膜を形成した後、焼成(1100℃以上1400℃未満、好ましくは1250℃以上1400℃未満)することによって燃料極302、固体電解質304および空気極307を得ることができる。コーティングは、既に説明したのと同様の方法を用いることができる。あるいは、各乾燥被膜は、予め転写シートとして形成し、転写フィルムを被積層体に貼り付けることにより設けても良い。
本発明の製造方法の好ましい態様によれば、焼成は、各層を形成する都度行うことが好ましい。つまり、本態様によれば、支持体301又はその仮焼体の表面に、燃料極302の乾燥被膜を形成後、焼成して燃料極302を形成する工程と、インターコネクタ306の乾燥被膜を形成後、焼成してインターコネクタ306を形成する工程と、固体電解質304の乾燥被膜を形成後、焼成して固体電解質304を形成する工程と、空気極307の乾燥被膜を形成後、焼成して空気極307を形成する工程とを少なくとも含んでなる。また、集電層の形成は、空気極307の形成後に行う。
本発明の製造方法の好ましい態様によれば、インターコネクタ306は、第一のインターコネクタ前駆体303と第二のインターコネクタ前駆体305を形成後、これらを共焼成(1250℃以上1400℃未満)することにより形成する。
第一のインターコネクタ前駆体303および第二のインターコネクタ前駆体305は例えば以下のように作製することができる。まず、原料粉末を作製する。原料粉末の作製は、例えば固相法により行うことができる。すなわち、原料となる金属酸化物の粉末を所望の組成比となるように秤量し、溶液中で混合した後に溶媒を除去して得られた粉末を、例えば1150℃で焼成、そして粉砕して原料粉末を作製する。この原料粉末に、溶媒(水、アルコールなど)、必要に応じて分散剤、バインダー等の成形助剤を添加して、スラリー又はペーストを作製する。このスラリー又はペーストをコーティングし、乾燥(80℃以上1100℃以下、好ましくは300℃以上1100℃以下)することで各インターコネクタ前駆体を形成することができる。コーティングは、既に説明したのと同様の方法を用いることができる。あるいは、各乾燥被膜は、予め転写シートとして形成し、転写フィルムを被積層体に貼り付けることにより設けても良い。
本発明の製造方法の好ましい態様によれば、インターコネクタ306と固体電解質304は、第一のインターコネクタ前駆体303と第二のインターコネクタ前駆体305と固体電解質304の乾燥被膜を形成後、これらを共焼成(1250℃以上1400℃未満)することにより形成する。具体的には、インターコネクタ306と固体電解質304は、第一のインターコネクタ前駆体303を形成する工程と、第一のインターコネクタ前駆体303の表面に固体電解質304の乾燥被膜を形成する工程と、第一のインターコネクタ前駆体および固体電解質304の乾燥被膜の表面に第二のインターコネクタ前駆体305を形成する工程と、第一のインターコネクタ前駆体303と固体電解質304の乾燥被膜と第二のインターコネクタ前駆体305とを共焼成(1250℃以上1400℃未満)し、インターコネクタ306と固体電解質304とを形成する工程、により形成される。このような製造方法とすることで、共焼成時において、インターコネクタ前駆体に含まれている元素と固体電解質に含まれている元素が相互に拡散し合う。すなわち、インターコネクタ前駆体に含まれている元素と固体電解質に含まれている元素が同じ場合、相互に拡散し合う。このような元素としては、ストロンチウムやランタンが挙げられる。これにより、インターコネクタと固体電解質との密着性を向上することができる。
本発明の製造方法の好ましい態様によれば、支持体301を作製する工程(工程1)、燃料極302の乾燥被膜を形成する工程(工程2)、第一のインターコネクタ前駆体303の乾燥被膜を形成する工程(工程3)、固体電解質304の乾燥被膜を形成する工程(工程4)、第二のインターコネクタ前駆体305の乾燥被膜を形成する工程(工程5)、次いで支持体301、燃料極302、第一のインターコネクタ前駆体303、固体電解質304および第二のインターコネクタ前駆体305の乾燥被膜からなる積層体を共焼成(1250℃以上1400℃未満)する工程(工程6)、その後空気極307の乾燥被膜を形成する工程(工程7)、そしてこれら全体を焼成(1100℃以上1400℃未満、好ましくは1250℃以上1400℃未満)する工程(工程8)を含んでなる。この製造工程のフローチャートを図7に示す。また、各工程の一例を図8および図9に示す。
本発明による製造方法の上記態様にあっては、支持体301またはその仮焼体に燃料極302、第一のインターコネクタ前駆体303、固体電解質304および第二のインターコネクタ前駆体305の各乾燥被膜を形成後、これらからなる積層体を一度に焼成する共焼成を行っている。この態様にあっては、固体電解質304や第一および第二のインターコネクタ前駆体(303および305)がドーパントの拡散等により変性しないように、焼成は酸化雰囲気下で行なうことが好ましい。より好適には、空気と酸素の混合ガスを用い、酸素濃度は20質量%以上30質量%以下の雰囲気で焼成を行う。
本発明による製造方法の上記態様にあっては、少なくとも第一のインターコネクタ前駆体303、固体電解質304の乾燥被膜、および第二のインターコネクタ前駆体305を共焼成(1250℃以上1400℃未満)することが好ましい。
本発明において、積層体は、固体電解質304(例えば、LSGM)の乾燥被膜の表面に、Sr量が多く、LSGMとの反応性が高いSLTからなる第二のインターコネクタ前駆体305が形成されてなるものであるため、第二のインターコネクタ前駆体305と固体電解質304の乾燥被膜との間で焼成によって起こる元素拡散により、両者が反応して、密着性が向上し、その結果、固体電解質304とインターコネクタ306との間のガスシール性を向上することができる。
本発明による製造方法の別の態様によれば、焼成は、第一のインターコネクタ前駆体303、固体電解質304の乾燥被膜、および第二のインターコネクタ前駆体305以外の各部材の乾燥被膜を形成する都度行うことが好ましい。つまり、本態様によれば、支持体301の乾燥被膜又はその仮焼体の表面に、燃料極302の乾燥被膜を形成後、焼成(1100℃以上1400℃未満、好ましくは1250℃以上1400℃未満)して燃料極302を形成する工程と、第一のインターコネクタ前駆体303、固体電解質304の乾燥被膜、および第二のインターコネクタ前駆体305からなる積層成形体を形成後、共焼成(好ましくは1250℃以上1400℃未満)して積層焼成体を形成する工程と、空気極307の乾燥被膜を形成し、これを積層焼成体とともに焼成(1100℃以上1400℃未満、好ましくは1250℃以上1400℃未満)して空気極を形成する工程とを少なくとも含んでなる。また、集電層の形成は、空気極307の形成後に行う。
本発明を以下の実施例および比較例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。
実施例1
(支持体用坏土Aの作製)
高純度フォルステライト(0.05質量%のCaOを含むMgSiO)原料粉末を平均粒子径が0.7μmとなるよう調節した。この粉末100重量部と、溶媒(水)20重量部、バインダー(メチルセルロース)8重量部、潤滑剤0.5重量部、及び造孔剤(平均粒子径5μmのアクリル系樹脂粒子)15重量部とを高速ミキサーで混合後、混練機(ニーダー)で混練し、真空土練装置で脱気し、押し出し成形用の坏土を調製した。ここで、平均粒子径はJIS R1629の規定に基づき測定し、50%径にて示した値である(以下同様)。
(燃料極用スラリーの作製)
NiO粉末と10YSZ(10mol%Y−90mol%ZrO)粉末とを重量比65:35で湿式混合し、乾燥粉末を得た。得られた乾燥粉末の平均粒子径は0.7μmとなるよう調節した。この粉末150重量部と、溶媒(カルビトール)100重量部、バインダー(可溶性高分子)6重量部、分散剤(ノニオン性界面活性剤)2重量部、及び消泡剤(有機高分子系)2重量部とを混合した後、十分攪拌してスラリーを調製した。
(燃料極触媒層用スラリーの作製)
NiO粉末とGDC10(10mol%GdO1.5−90mol%CeO)粉末との混合物を共沈法で作製後、熱処理を行い、燃料極触媒層用粉末を得た。NiO粉末とGDC10粉末の混合比は重量比で50/50とした。得られた燃料極触媒層用粉末の平均粒子径は0.5μmとなるよう調節した。この粉末100重量部と、溶媒(カルビトール)100重量部、バインダー(可溶性高分子)5重量部、分散剤(ノニオン性界面活性剤)2重量部、及び消泡剤(有機高分子系)2重量部とを混合した後、十分攪拌してスラリーを調製した。
(反応抑制層用スラリーの作製)
反応抑制層の材料として、セリウム系複合酸化物LDC40(40mol%LaO1.5−60mol%CeO)の粉末50重量部を用いた。この材料粉末に、焼結助剤としてGa粉末0.04重量部を混合し、さらに溶媒(カルビトール)100重量部、バインダー(可溶性高分子)4重量部、分散剤(ノニオン性界面活性剤)1重量部、及び消泡剤(有機高分子系)1重量部を混合した後、十分攪拌してスラリーを調製した。
(固体電解質用スラリーの作製)
固体電解質の材料として、La0.9Sr0.1Ga0.8Mg0.2の組成のLSGM粉末を用いた。このLSGM粉末50重量部を、溶媒(カルビトール)100重量部、バインダー(可溶性高分子)4重量部、分散剤(ノニオン性界面活性剤)1重量部、及び消泡剤(有機高分子系)1重量部と混合した後、十分攪拌してスラリーを調製した。
(空気極用スラリーの作製)
空気極の材料として、La0.6Sr0.4Co0.2Fe0.8の組成の粉末を用いた。この粉末40重量部を、溶媒(カルビトール)100重量部、バインダー(可溶性高分子)2重量部、分散剤(ノニオン性界面活性剤)1重量部、及び消泡剤(有機高分子系)1重量部と混合した後、十分攪拌してスラリーを調製した。
(第一のインターコネクタ前駆体用原料粉末の作製)
第一のインターコネクタ前駆体用原料粉末の作製は、固相法により行った。ストロンチウムとランタンとチタンとニオブと鉄とがSr0.37La0.52Ti0.50Nb0.10Fe0.403−δに示されるペロブスカイト型酸化物の組成比となるように、原料となる金属酸化物の粉末を秤量し、溶液中で混合した後、溶媒を除去して得られた粉末を、1050℃で焼成、そして粉砕して第一のインターコネクタ前駆体用原料粉末を作製した。
(第一のインターコネクタ前駆体用スラリーの作製)
第一のインターコネクタ前駆体の材料として、Sr0.37La0.52Ti0.50Nb0.10Fe0.403−δの組成の第一のインターコネクタ前駆体用原料粉末を用いた。この粉末40重量部を溶媒(カルビトール)100重量部、バインダー(可溶性高分子)4重量部、分散剤(ノニオン性界面活性剤)1重量部、及び消泡剤(有機高分子系)1重量部と混合した後、十分攪拌してスラリーを調製した。
(第二のインターコネクタ前駆体用原料粉末の作製)
第二のインターコネクタ前駆体用原料粉末の作製は、固相法により行った。ストロンチウムとランタンとチタンとがSr0.90La0.04TiO3−δに示されるペロブスカイト型酸化物の組成比となるように、原料となる金属酸化物の粉末を秤量し、溶液中で混合した後に溶媒を除去して得られた粉末を、1050℃で焼成、および粉砕して第二のインターコネクタ前駆体用原料粉末を作製した。
(第二のインターコネクタ前駆体用スラリーの作製)
第二のインターコネクタ前駆体の材料として、Sr0.90La0.04TiO3−δの組成の第二のインターコネクタ前駆体用原料粉末を用いた。この粉末40重量部を、溶媒(カルビトール)100重量部、バインダー(可溶性高分子)4重量部、分散剤(ノニオン性界面活性剤)1重量部、及び消泡剤(有機高分子系)1重量部と混合した後、十分攪拌してスラリーを調製した。
(固体酸化物形燃料電池セルスタックの作製)
上記のようにして得られた坏土および各スラリーを用いて、以下の方法で固体酸化物形燃料電池セルスタックを作製した。
多孔質である支持体用坏土Aから押出し成形法によって円筒状成形体を作製した。室温で乾燥した後、1100℃で2時間熱処理して支持体の仮焼体を作製した。この支持体表面に、スラリーコート法により燃料極、燃料極触媒層、第一のインターコネクタ前駆体、反応抑制層、固体電解質、第二のインターコネクタ前駆体の順番で成膜し、乾燥させて乾燥被膜が積層された積層成形体を得た。この積層成形体を1300℃で2時間共焼成した。この焼成時に、第一および第二のインターコネクタ前駆体間、ならびに各インターコネクタ前駆体と固体電解質との間で元素の相互拡散が起こると考えられる。
次に、固体電解質の表面に空気極を成形し、1100℃で2時間焼成し、固体酸化物形燃料電池セルスタックを作製した。なお、支持体は、共焼成後の寸法で、外径10mm、肉厚1mmとした。作製した固体酸化物形燃料電池セルスタックは、燃料極の厚さが100μmであり、燃料極触媒層の厚さが10μmであり、反応抑制層の厚みが10μmであり、固体電解質の厚みが30μmであり、インターコネクタの厚みが15μmであり、空気極の厚みが20μmであった。また、支持体の外径は成膜していない個所をマイクロメータで測定した。各部材の厚みは作製した固体酸化物形燃料電池セルスタックを切断して、断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で30〜2000倍の任意の倍率にて3回観察し、得られた厚みのうち最大値と最小値を足して2で割ったものである。切断箇所は空気極を成膜した部分の中央部とした。図6は、下から燃料極、インターコネクタおよび空気極の順で形成された積層構造を示すSEM画像である。図中、点線の上側が第二のインターコネクタ前駆体に由来する部分であり、点線の下側が第一のインターコネクタ前駆体に由来する部分である。また、得られた固体酸化物形燃料電池セルスタックについて、以下の各評価を行った。結果を表1に示す。
実施例2〜13
実施例1に対して、第一のインターコネクタ前駆体、第二のインターコネクタ前駆体の組成を表1に記載の組成とした以外は同様に行い、固体酸化物形燃料電池セルスタックを得た。得られた固体酸化物形燃料電池セルスタックについて、以下の各評価を行った。結果を表1に示す。
比較例1
実施例1に対して、第一のインターコネクタ前駆体を設けず、第二のインターコネクタ前駆体の組成をSr0.55La0.30TiO3−δとした以外は同様に行い、固体酸化物形燃料電池セルスタックを得た。得られた固体酸化物形燃料電池セルスタックについて、以下の各評価を行った。結果を表1に示す。
比較例2
実施例1に対して、第一のインターコネクタ前駆体の組成をSr0.40La0.55Ti0.50Fe0.503−δとした以外は同様に行い、固体酸化物形燃料電池セルスタックを得た。得られた固体酸化物形燃料電池セルスタックについて、以下の各評価を行った。結果を表1に示す。
評価
(インターコネクタに含まれるペロブスカイト型酸化物の組成および割合の分析)
インターコネクタの組成は、以下の方法にて特定した。作製した固体酸化物形燃料電池セルスタックからインターコネクタを切り出し、FIB‐SEMによって100nm〜200nmの薄膜に加工した。この薄膜をSTEM−EDXにより評価することで元素マッピングを得た。この元素マッピングを、薄膜近似法を用いて定量分析することでインターコネクタに含まれるペロブスカイト型酸化物の組成比および割合を特定した。結果を表1に示す。インターコネクタの組成の主成分は原料粉末の組成と同じであった。
(OCVの測定)
得られた固体酸化物形燃料電池セルスタックを用いて、発電試験を行った。燃料極側の集電は、燃料極の露出部に集電金属を銀ペーストで張り合わせて焼き付けた。空気極側の集電は、隣接する燃料極の露出部に集電金属を銀ペーストで張り合わせて焼き付けた。
以下の発電条件で発電試験を行い、運転0時間後の起電力;OCV(V)を測定した。結果を表1に示す。
燃料ガス:(H+3%HO)とNの混合ガス(混合比はH:N=7:4(vol:vol))
酸化ガス:空気
運転温度:700℃
(限界燃料利用率の測定)
上述の発電試験の条件において、電流密度0.4A/cmで通電し発電試験を行った。その後、燃料ガスの供給量を徐々に減らし、電位が急降下する直前の水素供給量を測定し、次式から限界燃料利用率を算出した。結果を表1に示す。
限界燃料利用率=(発電に使用される水素量)/(電位が急降下する直前の水素供給量)×100
なお、発電に使用される水素量は、電流量(C/s)×60(s)×22.4(L/mol)÷ファラデー定数(C/mol)×1/2(価数)×発電素子数で求められる。
(端子電圧の測定)
以下の発電条件において、隣接する一方の発電素子の燃料極と隣接する他方の発電素子の燃料極に電位線および電流線を接続することにより、端子間の電圧を測定した。結果を表1に示す。
燃料ガス :(H+3%HO)とNの混合ガス(混合比はH:N=7:4(vol:vol))
燃料利用率:7%
酸化ガス :空気
運転温度 :700℃
電流密度 :0.4A/cm
10:発電素子、210:固体酸化物形燃料電池セルスタック、301:支持体、302:燃料極、303:第一のインターコネクタ前駆体、304:固体電解質、305:第二のインターコネクタ前駆体、306:インターコネクタ、307:空気極、308:酸化物イオン絶縁部

Claims (12)

  1. 燃料極、固体電解質および空気極が少なくとも順次積層されてなる複数の発電素子と、
    前記複数の発電素子のうちの隣接する一方の発電素子の空気極と、他方の発電素子の燃料極とを電気的に接続するインターコネクタと
    を少なくとも有し、前記複数の発電素子が直列に接続されてなる固体酸化物形燃料電池セルスタックであって、
    前記インターコネクタが、下記式(1):
    SrLaTi1−c−dNbFe3−δ 式(1)
    (式中、a、b、cおよびdは、0.1≦a≦0.8、0.1≦b≦0.8、0.05≦c≦0.2、および0.2≦d≦0.5を満たす正の実数である。)
    で表されるペロブスカイト型酸化物からなるものである、固体酸化物形燃料電池セルスタック。
  2. 前記インターコネクタが、その厚さ方向に前記式(1)に示される組成範囲内の組成勾配を有するものである、請求項1に記載の固体酸化物形燃料電池セルスタック。
  3. 前記インターコネクタと一方の発電素子の固体電解質との間及び/又は前記インターコネクタと他方の発電素子の固体電解質との間に酸化物イオン絶縁部を有し、かつ、当該酸化物イオン絶縁部が前記インターコネクタと前記一方の発電素子の固体電解質及び/又は前記他方の発電素子の固体電解質とに接している、請求項1または2に記載の固体酸化物形燃料電池セルスタック。
  4. 前記酸化物イオン絶縁部が、SrLaTiO3−δ 式(2)
    (式中、xおよびyは、0.8≦x+y≦1.0、および0.01<y≦0.1を満たす正の実数である。)
    を含むものである、請求項3に記載の固体酸化物形燃料電池セルスタック。
  5. 前記固体電解質がSrおよびMgがドープされたランタンガレート系酸化物である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の固体酸化物形燃料電池セルスタック。
  6. 前記インターコネクタが、
    前記燃料極の表面に形成され、下記式(1’):
    SrLaTi1−c−dNbFe3−δ 式(1’)
    (式中、a、b、cおよびdは、0.1≦a≦0.8、0.1≦b≦0.8、0.1≦c≦0.3、および0.3≦d≦0.6を満たす正の実数である。)
    からなる第一のインターコネクタ前駆体と、
    前記第一のインターコネクタ前駆体の表面に形成され、下記式(2):
    SrLaTiO3−δ 式(2)
    (式中、xおよびyは、0.8≦x+y≦1.0、および0.01<y≦0.1を満たす正の実数である。)
    からなる第二のインターコネクタ前駆体とを共焼成することにより形成されたものである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の固体酸化物形燃料電池セルスタック。
  7. 前記インターコネクタおよび前記固体電解質が、
    前記燃料極の表面に形成される前記第一のインターコネクタ前駆体と、
    前記第一のインターコネクタ前駆体の表面に形成される固体電解質の乾燥被膜と、
    前記第一のインターコネクタ前駆体および前記固体電解質の乾燥被膜の表面に形成される前記第二のインターコネクタ前駆体とを共焼成して形成されるものであり、
    前記第一のインターコネクタ前駆体および前記第二のインターコネクタ前駆体は、これらの間の一部に前記一方の発電素子の固体電解質の乾燥被膜及び/又は前記他方の発電素子の固体電解質の乾燥被膜が形成されることにより、互いに接している部分と接していない部分とを有してなる、請求項1〜6のいずれか一項に記載の固体酸化物形燃料電池セルスタック。
  8. 前記第二のインターコネクタ前駆体における前記第一のインターコネクタ前駆体と接していない部分が、焼成後も前記式(2)からなるものである、請求項6または7に記載の固体酸化物形燃料電池セルスタック。
  9. 燃料極、固体電解質および空気極が少なくとも順次積層されてなる複数の発電素子と、
    前記複数の発電素子のうちの隣接する一方の発電素子の空気極と、他方の発電素子の燃料極とを電気的に接続するインターコネクタと
    を少なくとも有し、前記複数の発電素子が直列に接続されてなる、固体酸化物形燃料電池セルスタックの製造方法であって、
    前記燃料極を形成する工程と、
    前記インターコネクタを形成する工程と、
    前記固体電解質を形成する工程と、
    前記空気極を形成する工程とを少なくとも含んでなり、
    前記インターコネクタは、
    下記式(1):
    SrLaTi1−c−dNbFe3−δ 式(1)
    (式中、a、b、cおよびdは、0.1≦a≦0.8、0.1≦b≦0.8、0.05≦c≦0.2、および0.2≦d≦0.5を満たす正の実数である。)
    で表されるペロブスカイト型酸化物からなるものである、固体酸化物形燃料電池セルスタックの製造方法。
  10. 前記燃料極の表面に、下記式(1’):
    SrLaTi1−c−dNbFe3−δ 式(1’)
    (式中、a、b、cおよびdは、0.1≦a≦0.8、0.1≦b≦0.8、0.1≦c≦0.3、および0.3≦d≦0.6を満たす正の実数である。)
    からなる第一のインターコネクタ前駆体を形成する工程と、
    前記第一のインターコネクタ前駆体の表面に、下記式(2):
    SrLaTiO3−δ 式(2)
    (式中、xおよびyは、0.8≦x+y≦1.0、および0.01<y≦0.1を満たす正の実数である。)
    からなる第二のインターコネクタ前駆体を形成する工程と、
    前記第一のインターコネクタ前駆体と前記第二のインターコネクタ前駆体とを共焼成し、前記インターコネクタを形成する工程と
    を含んでなる、請求項9に記載の固体酸化物形燃料電池セルスタックの製造方法。
  11. 前記第一のインターコネクタ前駆体の表面に前記固体電解質の乾燥被膜を形成する工程と、
    前記第一のインターコネクタ前駆体および前記固体電解質の乾燥被膜の表面に前記第二のインターコネクタ前駆体を形成する工程と、
    前記第一のインターコネクタ前駆体と前記固体電解質の乾燥被膜と前記第二のインターコネクタ前駆体とを共焼成し、前記インターコネクタおよび前記固体電解質を形成する工程と
    を含んでなる、請求項10に記載の固体酸化物形燃料電池セルスタックの製造方法。
  12. 前記第一のインターコネクタ前駆体および前記第二のインターコネクタ前駆体は、これらの間の一部に隣接する一方の発電素子の固体電解質の乾燥被膜及び/又は他方の発電素子の固体電解質の乾燥被膜が形成されることにより、互いに接している部分と接していない部分とを有してなる、請求項11に記載の固体酸化物形燃料電池セルスタックの製造方法。
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