JP6233643B2 - シール装置及びこれを備える回転機械 - Google Patents
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Description
ダンパーシールはラビリンスシールと比較して減衰効果が大きく、回転軸の振動の安定化の点で優位である一方、ラビリンスシールはダンパーシールと比較して流体の漏れ量をより低減できる。
本発明の第一の態様におけるシール装置は、回転軸の外周面上で前記回転軸の軸線に沿う方向の流体の流れを前記回転軸の外周面の全周にわたって封止するシール装置であって、前記回転軸の外周面に面し、前記回転軸の周方向に一様に形成される第一シール部と、前記回転軸の外周面に面し、前記回転軸の周方向に構造を変化するよう形成される第二シール部と、を備え、前記第二シール部は、前記第一シール部の軸線方向の少なくとも一方側に設けられ、前記第二シール部は、前記回転軸の周方向に複数並んで配置され、前記回転軸の外周面に向かって延びるフィン部を有し、前記フィン部は、前記回転軸の周方向に隣接する前記フィン部同士の間隔を前記回転軸の周方向に変化させるように設けられる。
また、このようなシール装置によれば、周方向に隣接するフィン部同士の間隔を周方向に変化させることで、フィン部が配置されている数が周方向で異なることとなる。そのため、フィン部の数の少ない位置では、漏れ旋回流れを遮るフィン部が少ないため、漏れ旋回流速の低減効果が低くなる。一方、フィン部の数が多い位置では、漏れ旋回流れを遮るフィン部が多いため、漏れ旋回流速の低減効果が高くなる。つまり、フィン部の少ない位置では回転軸の外周面付近の漏れ旋回流速が小さく、フィン部の多い位置では回転軸の外周面付近の漏れ旋回流速が大きくなる。したがって、漏れ旋回流れによって回転軸に作用する剛性に異方性を生じさせることができる。したがって、容易に異方性を有する第二シール部を形成することができる。
以下、本発明に係る第一実施形態のシール装置51を備えた回転機械1について図1から図3を参照して説明する。
本実施形態における回転機械1は、複数のインペラ4を備えた多段式遠心圧縮機である。
軸受3は、回転軸2の両端部に一つずつ設けられ、回転軸2を回転可能に支持している。これらの軸受3は、それぞれケーシング6に取り付けられている。
ディスク4aは、それぞれ回転軸2における軸線P方向の中央位置Cに向かって、軸線Pの径方向外側に漸次拡径する円盤状に形成されている。
ブレード4cは、ディスク4aから軸線P方向における中央位置Cとは反対側の端部側に突出するように形成されている。ブレード4cは、軸線Pの周方向に所定間隔をあけて複数形成されている。
カバー4bは、軸線P方向における端部側から複数のブレード4cを覆う。カバー4bは、ディスク4aに対向する円盤状に形成されている。
三段式インペラ群4Bによって圧縮されたプロセスガスGは、排出流路6dBを介して排出口6eBからケーシング6の外部に排出される。
そこで、この実施形態におけるシール装置51は、高圧側である三段式インペラ群4Bから低圧側である三段式インペラ群4AへのプロセスガスGの流れを抑制するために、中央位置C付近に設けられている。
上記のような回転機械1では、流体であるプロセスガスGを圧縮することで、回転軸2の外周面2aと第二シール部512の第二内周面512aや第一シール部511の第一内周面511aとの間の隙間S1、S2にもプロセスガスGの一部が流入し、回転軸2の外周面2aの周りにらせん状をなして軸線P方向に向かう漏れ流れが生じる。この漏れ流れは、回転軸2の回転方向Rに向かう周方向の成分である漏れ旋回流れと、回転軸2の軸線P方向に向かう成分である漏れ軸線方向流れとによって構成されている。そして、本実施形態の回転機械1では、この漏れ流れを生じさせているプロセスガスGが、軸線P方向の高圧側から第二内周面512aと外周面2aとの間の隙間S2、第一内周面511aと外周面2aとの間の隙間S1、第二内周面512aと外周面2aとの間の隙間S2に順に流入することで、回転軸2の軸線P方向に沿って上流側から下流側に向かってプロセスガスGが流出してしまうことが抑制されている。
次に、図4及び図5を参照して第二実施形態のシール装置52について説明する。
第二実施形態においては第一実施形態と同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。この第二実施形態のシール装置52は、第二シール部522の構成について、第一実施形態と相違する。
次に、図6から図8を参照して第三実施形態のシール装置53について説明する。
第三実施形態においては第一実施形態及び第二実施形態と同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。この第三実施形態のシール装置53は、第二シール部532の構成について、第一実施形態及び第二実施形態と相違する。
次に、図9から図11を参照して第四実施形態のシール装置54について説明する。
第四実施形態においては第一実施形態から第三実施形態と同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。この第四実施形態のシール装置54は、第二シール部542の構成について、第一実施形態から第三実施形態と相違する。
そして、第二シール部542は、図11に示すように、第二内周面542aの表面粗さが鉛直方向の上端又は下端の位置から水平方向の両端の位置に向かうにしたがって徐々に粗くなるように形成されている。即ち、第二内周面542aは、鉛直方向の上端及び下端の位置で最も面の凹凸が小さくなるように形成され、水平方向の両端の位置で最も面の凹凸が大きくなるように形成されている。例えば、本実施形態の第二内周面542aは、水平方向の両端の位置では機械加工後に研磨等を行わない状態として粗く形成し、鉛直方向の上端及び下端の位置では研磨等を行って表面を鏡面のように滑らかに形成する。
また、インペラ4はクローズ型のインペラに限られず、オープン型のインペラであっても良い。
Claims (5)
- 回転軸の外周面上で前記回転軸の軸線に沿う方向の流体の流れを前記回転軸の外周面の全周にわたって封止するシール装置であって、
前記回転軸の外周面に面し、前記回転軸の周方向に一様に形成される第一シール部と、
前記回転軸の外周面に面し、前記回転軸の周方向に構造を変化するよう形成される第二シール部と、を備え、
前記第二シール部は、前記第一シール部の軸線方向の少なくとも一方側に設けられ、
前記第二シール部は、前記回転軸の周方向に複数並んで配置され、前記回転軸の外周面に向かって延びるフィン部を有し、
前記フィン部は、前記回転軸の周方向に隣接する前記フィン部同士の間隔を前記回転軸の周方向に変化させるように設けられるシール装置。 - 前記第二シール部は、前記第一シール部の高圧側に設けられている請求項1に記載のシール装置。
- 前記第二シール部は、前記回転軸の外周面との距離を前記回転軸の周方向に変化させるように形成される請求項1又は請求項2に記載のシール装置。
- 前記第二シール部は、前記軸線方向の長さを前記回転軸の周方向に変化させる請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のシール装置。
- 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のシール装置を備える回転機械。
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