JP6229558B2 - トルク伝達ユニット - Google Patents
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Description
尚、本明細書に於いて、前後方向は、自動車の進行方向によるもので、図2、6、8、11、13、19、20を除く各図の左側が「前側」となり、同じく右側が「後側」となる。
このうちのトルク伝達軸は、中空状に造られたもので、一端部の径方向反対側となる2箇所位置に互いに同心に且つ径方向に形成された外径側貫通孔を有する。
又、前記トーションバーは、前記トルク伝達軸の内径側に挿通されると共に、一端部のうち前記両外径側貫通孔と整合する位置に径方向に形成された内径側貫通孔を有する。
又、前記連結ピンは、前記外径側、内径側各貫通孔同士の間に掛け渡す状態で、これら外径側、内径側各貫通孔に挿入されている。尚、この挿入は、嵌合面に締め代を持たせる圧入であっても良いし、嵌合面に締め代を持たせない単なる挿入であっても良い。
又、前記ヨークは、円周方向1箇所に不連続部を有する欠筒状の基部と、この基部のうち前記不連続部を挟む位置に形成された1対のフランジ部と、これら両フランジ部の互いに整合する位置に形成された1対の取付孔とを有する。
又、前記ボルトは、前記ヨークの基部を前記トルク伝達軸の一端部に外嵌した状態で、前記両取付孔に挿通又は螺合させて(具体的には、これら両取付孔を通孔としてこれら両通孔に挿通し、更に先端部に螺合したナットに対して締め付けるか、或いは、前記両取付孔のうちの一方である通孔を挿通し、同じく他方であるねじ孔に螺合し、更に締め付けて)、前記不連続部の幅を狭める事により、前記基部を前記トルク伝達軸の一端部に結合固定するものである。
特に、本発明のトルク伝達ユニットは、前記基部の不連続部の幅寸法が、前記連結ピンの直径寸法以上の大きさになっている。又、前記連結ピンの一端部が、前記ヨークの外部から、前記不連続部(前記両フランジ部同士の間部分を含む)を通じて目視可能(カメラにより撮影可能)な位置に存在している。又、前記連結ピンの両端部と、前記ヨーク又は前記ボルトの一部である変位規制部との係合に基づいて、前記外径側、内径側各貫通孔に対する前記連結ピンの軸方向変位が規制される事により、これら両外径側貫通孔のうちの少なくとも一方の外径側貫通孔と前記内径側貫通孔との間に前記連結ピンが掛け渡された状態が維持される。
特に、本発明の場合には、前記不連続部の幅寸法が前記連結ピンの直径寸法以上の大きさになっており、この不連続部の幅が広くなっている。この為、前記ヨークの外部から、この不連続部を通じて、前記連結ピンの設置部を目視により確認(カメラにより撮影)し易い。これと共に、ボルトを締め付ける際に前記ヨークが撓み易くなり、その分、このボルトを締め付けた状態での、トルク伝達軸の一端部に対する前記ヨークの結合力を大きくできる。
又、本発明の場合には、前記連結ピンの両端部と1対の変位規制部との係合に基づいて、前記両外径側貫通孔のうちの少なくとも一方の外径側貫通孔と前記内径側貫通孔との間に前記連結ピンが掛け渡された状態を維持する事ができる。従って、繰り返しの使用に拘らず、トルク伝達軸の一端部とトーションバーの一端部とを前記連結ピンによりトルク伝達可能に連結した状態を維持する事ができる。
本発明の実施の形態の第1例に就いて、図1〜4を参照しつつ説明する。尚、本例の特徴は、電動アシスト装置を構成する、トルク伝達軸である出力軸12aの前端部と、自在継手5aを構成する一方のヨーク29aとの結合部にある。その他の部分の構造及び作用は、前述の図21〜22に示した従来構造の場合と同様であるから、重複する図示並びに説明はできるだけ省略若しくは簡略にし、以下、本例の特徴部分、並びに、先に説明しなかった部分を中心に説明する。
本発明の実施の形態の第2例に就いて、図5〜6により説明する。本例の場合には、ヨーク29aの外部から目視可能となる連結ピン22の一端部の位置及び範囲が、図1〜2に示した第1例の場合と異なる。
その他の構成及び作用効果は、実施の形態の第1例の場合と同様である。
本発明の実施の形態の第3例に就いて、図7〜8により説明する。本例の場合も、ヨーク29aの外部から目視可能となる連結ピン22の一端部の位置及び範囲が、図1〜2に示した第1例の場合と異なる。
本例の場合には、前記ヨーク29aの基部31aの不連続部33の前端縁部分に於いて、前記連結ピン22の一端部がこの不連続部33の幅方向中央部に位置すると共に、この連結ピン22の一端部の一部である前端部(図7の左端部)が、前記基部31aの前端部の内径側に隠れている。そして、前記連結ピン22の一端部の残部である後端部(図7の右端部)乃至中間部のみが、前記ヨーク29aの外部から、前記不連続部33を通じて目視可能となっている。この様な構成を採用する為に、本例の場合には、実施の形態の第1例の場合に比べて、出力軸12aの前端部の軸方向寸法を少しだけ前方に延長すると共に、前記連結ピン22の設置箇所(外径側貫通孔23の形成箇所)を少しだけ前方にずらせている。更に、前記連結ピン22の一端部が前記不連続部33の幅方向中央部に位置する様に、各部材同士の円周方向に関する位置関係を規制している。又、本例の場合も、前記基部31aの内周面のうち、前記連結ピン22の一端部が軸方向に対向する部分が、この一端部に対する変位規制部となる。
その他の構成及び作用効果は、実施の形態の第1〜2例の場合と同様である。
本発明の実施の形態の第4例に就いて、図9により説明する。本例の場合も、ヨーク29aの外部から目視可能となる連結ピン22の一端部の位置及び範囲が、図1〜2に示した第1例の場合と異なる。
本例の場合には、前記ヨーク29aの基部31aの不連続部33の前端縁部分に於いて、前記連結ピン22の一端部の一部が、前記基部31aの前端部及び他方のフランジ部34bの内径側に隠れている。そして、前記連結ピン22の一端部の残部のみが、前記ヨーク29aの外部から、前記不連続部33を通じて目視可能となっている。又、本例の場合も、前記基部31aの内周面のうち、前記連結ピン22の一端部が軸方向に対向する部分が、この一端部に対する変位規制部となる。
その他の構成及び作用効果は、実施の形態の第1〜3例の場合と同様である。
本発明の実施の形態の第5例に就いて、図10〜12により説明する。本例の場合も、ヨーク29aの外部から目視可能となる連結ピン22の一端部の位置及び範囲が、図1〜2に示した第1例の場合と異なる。
本例の場合には、前記ヨーク29aの基部31aの不連続部33の前後方向中間部に於いて、前記連結ピン22の一端部がこの不連続部33の幅方向中央部に位置すると共に、この連結ピン22の一端部の一部である前端部(図10の左端部)乃至中間部が、ヨーク29aの外部から、前記不連続部33を通じて目視可能となっている。これに対し、前記連結ピン22の一端部の残部である後端部(図10の右端部)が、ボルト39の杆部の内径側に隠れている。この様な構成を採用する為に、本例の場合には、実施の形態の第1例の場合に比べて、出力軸12aの前端部に対する連結ピン22の設置箇所(外径側貫通孔23の形成箇所)を少しだけ後方にずらせている。又、本例の場合には、前記ボルト39の杆部が、前記連結ピン22の一端部に対する変位規制部となる。
その他の構成及び作用効果は、実施の形態の第1〜2例の場合と同様である。
本発明の実施の形態の第6例に就いて、図13により説明する。本例の場合には、1対のフランジ部34a、34bに対するボルト39の設置位置(通孔35、ねじ孔36の形成位置)が、実施の形態の第5例の場合(図11参照)に比べて、前記両フランジ部34a、34bの先端側(図13の右端側)に少しだけずれている。そして、その分、連結ピン22の一端部と、その変位規制部である、前記ボルト39の杆部との対向距離が大きくなっている。
尚、本例の場合には、前記ボルト39の杆部が、出力軸12aの前端部外周面の係止溝40(例えば図12参照)と係合しない為、この係止溝40を省略する事もできる。
その他の構成及び作用効果は、実施の形態の第5例の場合と同様である。
本発明の実施の形態の第7例に就いて、図14により説明する。本例の場合も、ヨーク29aの外部から目視可能となる連結ピン22の一端部の位置及び範囲が、図1〜2に示した第1例の場合と異なる。
本例の場合には、前記ヨーク29aの基部31aの不連続部33の後端部に於いて、前記連結ピン22の一端部の一部である後端部(図13の右端部)乃至中間部が、前記ヨーク29aの外部から、前記不連続部33を通じて目視可能となっている。これに対し、前記連結ピン22の一端部の残部である前端部(図13の左端部)が、ボルト39の杆部の内径側に隠れている。本例の場合も、このボルト39の杆部が、前記連結ピン22の一端部に対する変位規制部となる。
その他の構成及び作用効果は、実施の形態の第1例、第2例、第5例、及び第6例の場合と同様である。
本発明の実施の形態の第8例に就いて、図15により説明する。本例の場合も、ヨーク29aの外部から目視可能となる連結ピン22の一端部の位置及び範囲が、図1〜2に示した第1例の場合と異なる。
本例の場合には、前記ヨーク29aの基部31aの不連続部33の後端部に於いて、前記連結ピン22の一端部の一部が、ボルト39の杆部及び他方のフランジ部34bの内径側に隠れている。そして、前記連結ピン22の一端部の残部のみが、前記ヨーク29aの外部から、前記不連続部33を通じて目視可能となっている。本例の場合には、前記ボルト39の杆部と、前記基部31aの内周面とのうち、前記連結ピン22の一端部との対向距離が短い方が、この一端部に対する変位規制部となる。
その他の構成及び作用効果は、実施の形態の第1例、第2例、及び第7例の場合と同様である。
本発明の実施の形態の第9例に就いて、図16により説明する。本例の場合も、ヨーク29aの外部から目視可能となる連結ピン22の一端部の位置及び範囲が、図1〜2に示した第1例の場合と異なる。
本例の場合には、前記ヨーク29aの基部31aの不連続部33の後端縁部分に於いて、前記連結ピン22の一端部の前半部(図16の左半部)の幅方向片半部(図15の上半部)が、他方のフランジ部34bの内径側に隠れている。又、前記連結ピン22の前半部の幅方向他半部(図16の下半部)が、前記ヨーク29aの外部から、前記不連続部33を通じて目視可能となっている。更に、前記連結ピン22の後半部(図15の右半部)が、前記基部31aよりも後方に位置して外部に露出し、目視可能となっている。又、本例の場合には、前記連結ピン22の他端部の後半部も、前記基部31aよりも後方に位置して外部に露出し、目視可能となっている。本例の場合には、前記基部31aの内周面のうち、前記連結ピン22の一端部が軸方向に対向する部分が、この一端部に対する変位規制部となる。
その他の構成及び作用効果は、実施の形態の第1〜2例の場合と同様である。
本発明の実施の形態の第10例に就いて、図17〜18により説明する。本例の場合には、出力軸12aの前端部に小径部41を設け、この小径部41に1対の外径側貫通孔23を形成している。
その他の構成及び作用効果は、図9に示した実施の形態の第4例の場合と同様である。
又、本発明のトルク伝達ユニットを組み込んで使用するパワーステアリング装置は、電動式に限らず、油圧式であっても良い。又、この場合に、ステアリング装置内での補助動力を付与する位置は、特に問わない。
つまり、本発明のトルク伝達ユニットは、従来から知られている各種構造の電動式又は油圧式のパワーステアリング装置に於ける、適宜の位置に組み込んで使用する事ができる。
前者{図19の(A)〜(C)及び図12}の場合には、前記外径側貫通孔23の開口部から見える連結ピン22の端面と、前記雄セレーション部37の表面との光の反射方向が大きく異なる為、前記連結ピン22の端面を目視により確認し易い(カメラで撮影して画像診断により確認し易い)と言った利点がある。この場合の確認のし易さをより顕著にする為に、前記連結ピン22の端面を平滑面にする加工(例えば鏡面仕上げ加工)を施しておく事が好ましい。
尚、図20の(B)に示す様に、係止溝40の底面に前記外径側貫通孔23の端部を開口させる構造を採用できるのは、ボルトを避ける様に斜めから覗くと、当該開口から連結ピン22の端面を目視できる場合に限られる。
2 ステアリングシャフト
3 ステアリングコラム
4 電動アシスト装置
5a、5b 自在継手
6 中間シャフト
7 ステアリングギヤユニット
8 入力軸
9 タイロッド
10 電動モータ
11 ハウジング
12、12a 出力軸
13 トーションバー
14 トルク検出器
15 ウォーム式減速機
16 蓋体
17 本体
18 ボルト
19 玉軸受
20 玉軸受
21 連結孔部
22 連結ピン
23 外径側貫通孔
24 内径側貫通孔
25 トルク検出用凹凸部
26 トルク検出用スリーブ
27 トルク検出用コイルユニット
28 ウォームホイール
29、29a ヨーク
30 ヨーク
31、31a 基部
32 腕部
33 不連続部(スリット)
34a、34b フランジ部
35 通孔
36 ねじ孔
37 雄セレーション部
38 雌セレーション部
39 ボルト
40 係止溝
41 小径部
Claims (2)
- トルク伝達軸と、トーションバーと、連結ピンと、自在継手のヨークと、ボルトとを備え、
このうちのトルク伝達軸は、中空状に造られたもので、一端部の径方向反対側となる2箇所位置に互いに同心に且つ径方向に形成された外径側貫通孔を有しており、
前記トーションバーは、前記トルク伝達軸の内径側に挿通されると共に、一端部のうち前記両外径側貫通孔と整合する位置に径方向に形成された内径側貫通孔を有しており、
前記連結ピンは、前記外径側、内径側各貫通孔同士の間に掛け渡す状態で、これら外径側、内径側各貫通孔に挿入されており、
前記ヨークは、円周方向1箇所に不連続部を有する欠筒状の基部と、この基部のうち前記不連続部を挟む位置に形成された1対のフランジ部と、これら両フランジ部の互いに整合する位置に形成された1対の取付孔とを有しており、
前記ボルトは、前記ヨークの基部を前記トルク伝達軸の一端部に外嵌した状態で、前記両取付孔に挿通又は螺合させて、前記不連続部の幅を狭める事により、前記基部を前記トルク伝達軸の一端部に結合固定するものである、
トルク伝達ユニットであって、
前記基部の不連続部の幅寸法が、前記連結ピンの直径寸法以上の大きさになっており、
前記連結ピンの一端部が、前記ヨークの外部から、前記不連続部を通じて目視可能な位置に存在しており、
前記連結ピンの両端部と、前記ヨーク又は前記ボルトの一部である変位規制部との係合に基づいて、前記外径側、内径側各貫通孔に対する前記連結ピンの軸方向変位が規制される事により、これら両外径側貫通孔のうちの少なくとも一方の外径側貫通孔と前記内径側貫通孔との間に前記連結ピンが掛け渡された状態が維持される事を特徴とする、
トルク伝達ユニット。 - 前記連結ピンの一端部に対する前記変位規制部が、前記基部の内周面と前記両フランジ部のうちの何れか一方のフランジ部の内側面と前記ボルトの杆部とのうちの何れかであり、前記連結ピンの他端部に対する前記変位規制部が、前記基部の内周面である、
請求項1に記載したトルク伝達ユニット。
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