JP7147509B2 - トルク伝達軸 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車用のステアリング装置などに組み込まれるトルク伝達軸に関する。
図20は、特開2017-25964号公報に記載され、従来から知られた自動車用のステアリング装置を示している。ステアリング装置は、ステアリングホイール1と、ステアリングシャフト2と、ステアリングコラム3と、1対の自在継手4a、4bと、中間シャフト5と、ステアリングギヤユニット6と、1対のタイロッド7とを備えている。
ステアリングホイール1は、ステアリングコラム3の内側に回転自在に支持されたステアリングシャフト2の後端部に取り付けられている。ステアリングシャフト2の前端部は、1対の自在継手4a、4b及び中間シャフト5を介して、ステアリングギヤユニット6のピニオン軸8に接続されている。そして、ピニオン軸8の回転を図示しないラックの直線運動に変換することで、1対のタイロッド7を押し引きし、操舵輪にステアリングホイール1の操作量に応じた舵角を付与する。なお、前後方向とは、ステアリング装置が組み付けられる車体の前後方向をいう。
自在継手4a、4bは、互いに同一直線上に存在しない回転軸である、ステアリングシャフト2と中間シャフト5、並びに、中間シャフト5とピニオン軸8とを、互いにトルク伝達可能に接続するものである。自在継手4a、4bとしては、特開2011-220398号公報などに記載されているように、従来から1対のヨークと十字軸とを備えた十字軸式の自在継手が使用されている。
特開2017-25964号公報 特開2011-220398号公報
ところで、大型の自動車に搭載されるステアリング装置にあっては、ステアリングシャフトからステアリングギヤユニットまでの距離が長くなる。このため、自在継手を構成するヨークに対して、ステアリングシャフトやピニオン軸などの軸を直接固定せずに、エクステンションシャフト(延長軸)とも呼ばれるトルク伝達軸を介して固定することが考えられている。
図21(A)~図21(C)は、本発明者らが先に考えたトルク伝達軸9を示している。トルク伝達軸9は、ヨーク10と、ステアリングシャフトやピニオン軸などの軸11との間に配置され、ヨーク10と軸11とをトルク伝達可能に接続する。また、トルク伝達軸9は、軸方向一方側端部の外周面に雄セレーション12を有し、軸方向他方側端部の内周面に雌セレーション13を有する。トルク伝達軸9の軸方向他方側端部には、トルク伝達軸9の軸方向他方側端部を縮径するためのクランプ部14が一体に設けられている。具体的には、トルク伝達軸9の軸方向他方側端部の円周方向1箇所に不連続部15が形成されており、不連続部15の両側に1対のフランジ部16が配置されている。フランジ部16のそれぞれは、図示しない締付部材を挿入するための取付孔17を有している。
トルク伝達軸9の軸方向一方側端部は、ヨーク10を構成する基部18の内側に挿入される。これにより、雄セレーション12を、基部18の内周面に形成された雌セレーション19にセレーション係合させている。また、トルク伝達軸9と基部18との間を、溶接ビード部20により全周にわたり溶接固定している。
トルク伝達軸9の軸方向他方側端部の内側には、軸11の軸方向一方側端部が挿入される。これにより、雌セレーション13に、軸11の外周面に形成された雄セレーション21をセレーション係合させている。また、前記締付部材の先端部を取付孔17又は図示しないナットに螺合することで、トルク伝達軸9の内周面により軸11の外周面を強く締め付けている。
トルク伝達軸9は、冷間鍛造加工により造られる場合が多く、熱間鍛造加工により造られる場合に比べて、形状精度及び寸法精度は高いが、金属材料の流動が複雑になるクランプ部14が一体に設けられていることなどに起因して、トルク伝達軸9の軸方向両端部に設ける雄セレーション12と雌セレーション13との同軸度を高度に確保することが難しくなる。また、トルク伝達軸9とヨーク10とを溶接固定しているため、熱変形などに起因して、トルク伝達軸9とヨーク10との同軸度が低くなりやすい。このため、図21(C)に示すように、トルク伝達軸9に接続される軸、すなわち、ヨーク10を介して接続される軸11a又は雌セレーション13に接続される軸11の振れ回りが大きくなる可能性がある。この結果、ステアリング装置の一部で、軸の振れ回りに起因した、回転方向の摺動異音、スティックスリップ振動異音などの異音を発生させる可能性がある。
本発明は、上述のような事情に鑑み、トルク伝達軸に接続される軸の振れ回りを抑えることができる、トルク伝達軸の構造を実現すべく発明したものである。
本発明のトルク伝達軸は、シャフトと、該シャフトとは別体のクランプとを備える。
前記シャフトは、中空状に構成されており、軸方向一方側端部に備えられ、他の部材に対してトルク伝達可能に接続される接続部と、軸方向他方側端部に備えられ、軸方向他方側に開口端を有し、軸方向一方側に閉鎖端を有する、軸方向に伸長したスリットと、軸方向他方側端部に備えられた嵌合筒部と、軸方向他方側端部の内周面に備えられた雌セレーションと、を有する。前記接続部は、前記シャフトと一体である。
前記クランプは、欠円筒状で、前記嵌合筒部に外嵌されて、前記スリットの幅寸法を狭めることにより、前記シャフトを縮径させる。前記クランプは、円周方向1箇所に配置された不連続部と、該不連続部を挟んで両側に配置され、締付部材が挿入される取付孔をそれぞれ備えた1対のフランジ部と、該1対のフランジ部同士を円周方向に連結した部分円筒状の連結部と、前記嵌合筒部を挿入する挿入孔と、を有する。
さらに、少なくとも前記クランプにより前記シャフトを縮径する過程で、前記嵌合筒部の軸方向一方側部分の外周面と前記挿入孔の軸方向一方側部分の内周面とを接触させ、前記嵌合筒部の軸方向他方側端部の外周面と前記挿入孔の軸方向他方側端部の内周面との間に環状隙間を存在させる。
本発明では、前記挿入孔を、軸方向他方側端部の内周面に、軸方向一方側に隣接する部分に比べて内径寸法の大きい環状凹溝を有するものとすることができる。
あるいは、前記挿入孔を、少なくとも軸方向他方側端部の内周面を、軸方向一方側から軸方向他方側に向かうほど内径寸法の大きくなるテーパ面とし、残りの部分を円筒面としたものとすることができる。
本発明では、前記嵌合筒部を、軸方向他方側端部に、軸方向一方側に隣接する部分に比べて外径寸法の小さい小径部を有するものとすることができる。
あるいは、前記嵌合筒部を、少なくとも軸方向他方側端部の外周面を、軸方向一方側から軸方向他方側に向かうほど外径寸法の小さくなるテーパ面とし、残りの部分を円筒面としたものとすることができる。
本発明では、前記接続部を、自在継手を構成する二股状のヨーク部とすることができる。
あるいは、前記接続部を、セレーション部若しくはスプライン部、又はキー係合部とすることもできる。
本発明によれば、トルク伝達軸に接続される軸の振れ回りを抑えることができる。
図1は、実施の形態の第1例に係るトルク伝達軸の斜視図である。 図2は、実施の形態の第1例に係るトルク伝達軸の側面図である。 図3の(A)は、図2のA-A断面図であり、図3の(B)は図2のB-B断面図である。 図4は、実施の形態の第1例に係るトルク伝達軸を構成するシャフトの平面図である。 図5は、実施の形態の第1例に係るトルク伝達軸を構成するシャフトの側面図である。 図6は、実施の形態の第1例に係るトルク伝達軸を構成するクランプを軸方向他方側から見た端面図である。 図7は、実施の形態の第1例に係るトルク伝達軸を構成するクランプの斜視図である。 図8は、実施の形態の第1例に係るトルク伝達軸を構成するクランプの部分切断側面図である。 図9は、実施の形態の第1例に係るトルク伝達軸を、該トルク伝達軸を構成するシャフトを縮径する以前の状態で示す断面図である。 図10は、実施の形態の第1例に係るトルク伝達軸に軸を接続し、該トルク伝達軸を構成するシャフトを縮径した状態で示す断面図である。 図11は、実施の形態の第2例を示す、図8に相当する図である。 図12は、実施の形態の第2例を示す、図9に相当する図である。 図13は、実施の形態の第2例を示す、図10に相当する図である。 図14は、実施の形態の第3例を示す、図5に相当する図である。 図11は、実施の形態の第3例を示す、図9に相当する図である。 図12は、実施の形態の第3例を示す、図10に相当する図である。 図17は、実施の形態の第4例を示す、図5に相当する図である。 図18は、実施の形態の第4例を示す、図9に相当する図である。 図19は、実施の形態の第4例を示す、図10に相当する図である。 図20は、従来から知られているステアリング装置を示す部分切断側面図である。 図21の(A)は、本発明者等が先に考えたトルク伝達軸を介して、ヨークと回転軸とを接続した状態を示す斜視図であり、図21の(B)は(A)の分解斜視図であり、図21の(C)は、トルク伝達軸に接続される軸に振れ回りが生じる状態を説明するための模式図である。
[実施の形態の第1例]
実施の形態の第1例について、図1~図10を用いて説明する。
本例のトルク伝達軸22は、例えば大型の自動車のステアリング装置に組み込まれて、互いに同一直線上に存在しない回転軸である、ステアリングシャフトと中間シャフト、又は、中間シャフトとピニオン軸をトルク伝達可能に接続するために使用する。
トルク伝達軸22は、互いに別体に構成された、中空筒状のシャフト23と欠円筒状(略U字状)のクランプ24とから構成されている。なお、以下の説明において、軸方向とは、特に断らない限り、トルク伝達軸22の軸方向をいう。また、軸方向に関して一方側とは、図1、図2、図4、図5、図7、図8、図9及び図10では、左側である。軸方向に関して他方側とは、クランプ24が配置される側をいい、図1、図2、図4、図5、図7、図8、図9及び図10では、右側である。
シャフト23は、例えば炭素鋼鋳鋼材(SC材)などの素材に、鍛造加工(冷間鍛造加工又は熱間鍛造加工)及び切削加工などを施すことにより、全体を一体に造られている。シャフト23は、軸方向一方側端部に二股状のヨーク部25を、軸方向他方側端部乃至中間部に筒部26を備えている。
ヨーク部25は、十字軸式の自在継手を構成するもので、1対の腕部27a、27bを備えている。腕部27a、27bは、筒部26の軸方向一方側端縁の直径方向反対側となる2箇所位置から軸方向一方側に伸長している。腕部27a、27bのそれぞれは、互いに同軸の円孔28を有している。円孔28の内側には、図示しない軸受カップ及びニードルが配置され、十字軸を構成する軸部が回転自在に支持される。
筒部26は、全体が中空筒状に構成されており、軸方向一方側から順に、大径筒部29と、大径側円すい筒部30と、中径筒部31と、小径側円すい筒部32と、小径筒部33とを備えている。
大径筒部29は、段付円筒状に構成されており、筒部26の軸方向一方側端部に配置されている。大径筒部29の軸方向他方側端縁は、大径側円すい筒部30の軸方向一方側端縁につながっている。大径筒部29の外径寸法及び内径寸法は、大径筒部29の軸方向他方側に存在する、筒部26を構成するその他の部分の外径寸法及び内径寸法よりも大きくなっている。つまり、大径筒部29は、筒部26の中で最も大径に構成されている。
大径側円すい筒部30は、部分円すい筒状に構成されており、外径寸法及び内径寸法が、軸方向他方側に向かうほど小さくなる。大径側円すい筒部30の軸方向他方側端縁は、中径筒部31の軸方向一方側端縁につながっている。
中径筒部31は、円筒状に構成されており、筒部26の軸方向中間部に配置されている。中径筒部31の外径寸法及び内径寸法は、軸方向にわたり一定である。中径筒部31の軸方向他方側端縁は、小径側円すい筒部32の軸方向一方側端縁につながっている。
小径側円すい筒部32は、部分円すい筒状に構成されており、外径寸法及び内径寸法が、軸方向他方側に向かうほど小さくなる。小径側円すい筒部32の軸方向他方側端縁は、小径筒部33の軸方向一方側端縁につながっている。
小径筒部33は、段付円筒状に構成されており、筒部26の軸方向他方側端部に配置されている。小径筒部33は、その軸方向他方側半部に、軸方向一方側に隣接する小径筒部33の軸方向一方側半部に比べて外径寸法が小さくなった嵌合筒部を34を有している。このため、小径筒部33の外周面の軸方向中間部には、軸方向他方側を向いた略円輪状(C字状)の段差面35を有している。本例では、小径筒部33の軸方向他方側半部の外周面に、切削加工を施すことにより、嵌合筒部34及び段差面35を形成している。このため、嵌合筒部34は、単一円筒面状の外周面を有しており、小径筒部33の軸方向一方側半部に比べて、肉厚が小さくなっている。嵌合筒部34の軸方向寸法は、クランプ24の軸方向寸法とほぼ同じである。段差面35は、クランプ24を嵌合筒部34に外嵌する際に、クランプ24の軸方向一方側の端面を突き当てることで、シャフト23に対するクランプ24の軸方向に関する位置決めを図るのに利用する。
小径筒部33の内周面には、雌セレーション36が全長にわたり形成されている。なお、図1では、雌セレーションの図示を省略している。本例では、筒部26の内周面のうち、小径筒部33及び小径側円すい筒部32の内周面にのみ、雌セレーション36を形成している。小径筒部33の内側には、図10に示すように、例えばステアリングシャフトやピニオン軸などの軸37の端部が挿入される。そして、雌セレーション36に対して、軸37の外周面に形成された雄セレーション38をセレーション係合させる。
シャフト23の軸方向中間部から軸方向他方側端部に位置する、中径筒部31から小径筒部33にわたる範囲に、軸方向に伸長したスリット39を形成している。スリット39は、シャフト23の内周面と外周面とを連通しており、ヨーク部25を構成する1対の腕部27a、27bと円周方向に関する位相(周方向位置)が90度ずれた位置に配置されている。スリット39の軸方向一方側は、閉鎖端であり、小径筒部33よりも軸方向一方側に存在する中径筒部31の軸方向他方側端部に位置している。スリット39の軸方向他方側は、開口端であり、嵌合筒部34(シャフト23)の軸方向他方側端縁に開口している。本例では、スリット39の幅寸法は、全長にわたり一定である。このようなスリット39は、例えばカッターなどの回転切削工具を用いた切削加工により形成されている。このため、スリット39の軸方向一方側端部(奥端部)の断面形状は、部分円弧状になっている。また、スリット39は、軸方向一方側端部が閉鎖端であり、軸方向他方側端部が開口端であるため、クランプ24が外嵌される嵌合筒部34の剛性は、スリット39の開口端に近い軸方向他方側部分の剛性よりも、スリット39の閉鎖端に近い軸方向一方側部分の剛性のほうが高くなる。
シャフト23は、嵌合筒部34の軸方向中間部の外周面のうちで、スリット39と周方向の位相が一致する部分に、シャフト23の中心軸O23に対し直交する方向に伸長した係合凹溝40をさらに備えている。すなわち、係合凹溝40は、スリット39と交差するように形成されている。係合凹溝40とスリット39との交差部は、スリット39のうちで交差部の軸方向両側に隣接する部分に比べて幅寸法が大きくなった幅広部となっている。また、係合凹溝40は、部分円筒面状に構成されており、その曲率半径はクランプ24に設けられた後述する取付孔45a(45b)の曲率半径とほぼ同じである。
クランプ24は、シャフト23の軸方向他方側端部に外嵌されており、シャフト23の軸方向他方側端部を縮径させるために用いられる。具体的には、クランプ24は、シャフト23の嵌合筒部34に外嵌されており、スリット39が形成された中径筒部31の軸方向他方側端部から嵌合筒部34にわたる範囲を縮径させるために用いられる。このようなクランプ24は、シャフト23を構成する材料よりも硬度の高い、例えば機械構造用炭素鋼であるS35Cなどの素材に熱間鍛造加工若しくは切削加工などを施すことにより、あるいは、例えば機械構造用炭素鋼であるS10CやS15Cなどの素材に加工硬化を生じる冷間鍛造加工を施すことにより造られている。
クランプ24は、全体が欠円筒状(略U字状)に構成されており、不連続部41と、それぞれが略矩形板状の1対のフランジ部42と、半円筒状の連結部43と、挿入孔44とを備えている。
不連続部41は、1対のフランジ部42同士の間部分に位置する、クランプ24の円周方向1箇所に設けられている。1対のフランジ部42は、不連続部41を挟んで両側に配置されている。連結部43は、半円筒状に構成されており、クランプ24の直径方向に関して不連続部41の反対側に位置し、1対のフランジ部42同士を円周方向に連結している。挿入孔44は、シャフト23の嵌合筒部34を挿入するためのもので、連結部43の内周面と1対のフランジ部42の径方向内側面とにより構成されている。
クランプ24をシャフト23の嵌合筒部34に固定した状態で、不連続部41とスリット39との周方向位置は、互いに一致している。本例では、クランプ24の自由状態での不連続部41の幅寸法と、シャフト23(嵌合筒部34)の自由状態でのスリット39の幅寸法とを、互いにほぼ同じとしている。
1対のフランジ部42は、互いに整合する部分に、板厚方向に貫通する取付孔45a、45bを同軸に備えている。取付孔45a、45bのそれぞれは、挿入孔44の中心軸O44に対し捩れの位置に形成されており、挿入孔44に開口している。また、1対の取付孔45a、45bのうち、一方の取付孔45aは通孔で、他方の取付孔45bはねじ孔である。クランプ24をシャフト23の嵌合筒部34に固定した状態で、1対の取付孔45a、45bの開口部にそれぞれ対向する位置に、係合凹溝40が位置している。つまり、1対の取付孔45a、45bと係合凹溝40との軸方向位置は一致している。また、1対のフランジ部42の板厚(厚さ寸法)は、互いにほぼ同じである。
挿入孔44は、軸方向他方側端部の内周面に、軸方向一方側に隣接する部分に比べて内径寸法の大きい、すなわち、径方向外側に凹んだ環状凹溝46を有している。このため、挿入孔44の内周面は、段付円筒面状になっている。環状凹溝46は、クランプ24の軸方向他方側端縁及び不連続部41に開口している。また、環状凹溝46は、挿入孔44の全周にわたり形成されている。環状凹溝46の深さ寸法は、円周方向及び軸方向にわたり一定である。また、環状凹溝46の軸方向寸法は、円周方向にわたり一定であり、クランプ24の軸方向寸法の1/6~1/3程度(図示の例ではおよそ1/5)である。なお、挿入孔44の内周面は、連結部43の内周面及び1対のフランジ部42の径方向内側面により構成されているため、これら連結部43の内周面及び1対のフランジ部42の径方向内側面には、環状凹溝46の一部が形成されている。
図9に示すように、嵌合筒部34にクランプ24を外嵌し、クランプ24により嵌合筒部34を縮径する以前の状態では、嵌合筒部34の軸方向一方側端部乃至中間部の外周面と挿入孔44の軸方向一方側端部乃至中間部の内周面とは全周にわたり接触している。これに対し、嵌合筒部34の軸方向他方側端部の外周面と挿入孔44の軸方向他方側端部の内周面(環状凹溝46の底部)との間には、断面略矩形状の環状隙間47が存在している。なお、各図には、環状凹溝46の深さ寸法を、誇張して描いている。環状凹溝46の実際の深さ寸法は、嵌合筒部34にクランプ24を外嵌し、嵌合筒部34を縮径する以前の状態で、環状隙間47の径方向寸法が、数十μm~500μm程度になるように設定している。
本例では、シャフト23とクランプ24とを結合固定している。シャフト23とクランプ24とを結合固定するための構造は特に限定されないが、例えば、シャフト23とクランプ24とを溶接固定する構造を採用することができる。あるいは、シャフト23の外周面に形成した凸状(又は凹状)のシャフト側係合部と、クランプ24の内周面に形成した凹状(又は凸状)のクランプ側係合部とを凹凸係合させるとともに、シャフト側係合部又はクランプ側係合部を塑性変形させる(かしめる)構造などを採用することもできる。いずれにしても、シャフト23とクランプ24とを固定した状態で、シャフト23とクランプ24との相対回転を防止するとともに軸方向に関する相対変位を防止する。
シャフト23とクランプ24とを結合固定するには、先ず、クランプ24の挿入孔44の内側に、シャフト23の軸方向他方側端部を、クランプ24の軸方向一方側から挿入する。そして、クランプ24の不連続部41とシャフト23のスリット39との周方向位置を一致させるとともに、1対の取付孔45a、45bと係合凹溝40との軸方向位置を一致させる。なお、本例では、クランプ24の軸方向一方側端面を段差面35に突き当てることで、1対の取付孔45a、45bと係合凹溝40との軸方向位置が一致するように、各部の寸法が規制されている。
次いで、1対の取付孔45a、45bと係合凹溝40の内側に、締付ボルト48を配置する。具体的には、締付ボルト48の基端寄り部分を通孔である一方の取付孔45aの内側に挿入するとともに、締付ボルト48の中間部を係合凹溝40の内側に配置する。この状態で、締付ボルト48の先端部を、ねじ孔である他方の取付孔45bに少しだけ、すなわち、嵌合筒部34を縮径させない程度に螺合する。そして、係合凹溝40と、クランプ24に対して両端部が支持された締付ボルト48とを、キー係合させる。これにより、クランプ24がシャフト23から軸方向他方側に抜け出ないようにするとともに、シャフト23とクランプ24とが相対回転しないようにする。そして最後に、溶接などの固定手段により、シャフト23とクランプ24とを結合固定する。
トルク伝達軸22の使用状態では、トルク伝達軸22の軸方向一方側端部に配置されたヨーク部25を、図示しない別のヨーク及び十字軸と組み合わせる。これにより、トルク伝達軸22は、前記別のヨークを備えた中間シャフトなどの軸にトルク伝達可能に接続される。また、小径筒部33の内側に、ステアリングシャフトやピニオン軸などの軸37を挿入し、該軸37の外周面に形成された雄セレーション38を、小径筒部33の内周面に形成された雌セレーション36にセレーション係合させる。これにより、トルク伝達軸22と軸37との相対回転を防止する。また、軸37の先端部外周面に雄セレーション38を周方向に横切るように形成された周方向凹溝49の内側に、係合凹溝40とスリット39との交差部である幅広部を通じて締付ボルト48の中間部を進入させて、周方向凹溝49と締付ボルト48とをキー係合させる。これにより、軸37とトルク伝達軸22とが軸方向に相対移動することを防止する。また、他方の取付孔45bに対する締付ボルト48の螺合量を増やすことにより、不連続部41の幅寸法を小さくし、小径筒部33を縮径する。そして、小径筒部33の内周面により軸37の外周面を強く締め付ける。これにより、トルク伝達軸22とステアリングシャフトやピニオン軸などの軸37とをトルク伝達可能に結合する。
上述のような本例のトルク伝達軸22によれば、トルク伝達軸22に接続される軸の振れ回りを抑えることができる。
すなわち、本例のトルク伝達軸22では、クランプ24を、シャフト23に対して一体に設けずに、シャフト23に対して固定している。このため、シャフト23の軸方向両端部に配置されるヨーク部25と雌セレーション36との同軸度を、高く確保できる。さらに、シャフト23とヨーク部25とは、別体として固定しているのではなく、一体に形成している。このため、溶接時の熱変形の影響を受けずに済み、シャフト23(筒部26)に対するヨーク部25の同軸度を高く確保できる。したがって、ヨーク部25に接続される軸及び雌セレーション36に接続される軸37の振れ回りを抑えることができる。この結果、ステアリング装置の一部で、軸の振れ回りに起因した異音(回転方向の摺動異音、スティックスリップ振動異音など)が発生することを防止できる。また、シャフト23は、中空状であるため、トルク伝達軸22全体としての軽量化を図ることもできる。
また、本例のトルク伝達軸22によれば、シャフト23の軸方向他方側端部に接続された軸37が歳差運動することを抑制でき、シャフト23の雌セレーション36と軸37の雄セレーション38とのセレーション係合部でフレッチング摩耗が生じることを抑制できる。
すなわち、シャフト23に形成されたスリット39は、軸方向一方側端部が閉鎖端であり、軸方向他方側端部が開口端であるため、クランプ24を外嵌する嵌合筒部34の剛性は、スリット39の開口端に近い軸方向他方側部分の剛性よりも、スリット39の閉鎖端に近い軸方向一方側部分の剛性のほうが高くなる。しかも、小径筒部33のうちで、嵌合筒部34よりも軸方向一方側に存在する部分の肉厚は、嵌合筒部34の肉厚よりも大きいため、この面からも、嵌合筒部34は、軸方向他方側部分の剛性よりも軸方向一方側部分の剛性のほうが高くなる。このため、本例とは異なり、挿入孔の内周面に環状凹溝を備えない、すなわち、挿入孔の内周面が単一円筒面状であるクランプを用いて嵌合筒部34を縮径した際には、嵌合筒部34は、軸方向一方側部分よりも軸方向他方側部分のほうが大きく変形する傾向になる。したがって、嵌合筒部34の内周面と軸37の外周面との間の面圧は、軸方向一方側部分(軸37の先端側部分)よりも軸方向他方側部分(軸37の基端側部分)のほうが高くなる。つまり、軸37は、嵌合筒部34の軸方向他方側部分で強く締め付けられ、それよりも軸方向一方側に位置する部分では比較的緩く締め付けられた状態になる。このため、軸37は、嵌合筒部34の軸方向他方側部分によって強く締め付けられた部分を中心に歳差運動しやすくなる。そして、このような歳差運動が生じると、雌セレーション36と雄セレーション38とのセレーション係合部にフレッチング摩耗が発生し、摩耗量が過大になりやすくなる。
これに対し本例では、挿入孔44の軸方向他方側端部の内周面に環状凹溝46を形成しており、クランプ24を嵌合筒部34に外嵌し、クランプ24により嵌合筒部34を縮径する以前の状態で、嵌合筒部34の軸方向一方側端部乃至中間部の外周面と挿入孔44の軸方向一方側端部乃至中間部の内周面とが接触し、嵌合筒部34の軸方向他方側端部の外周面と挿入孔44の軸方向他方側端部の内周面との間に環状隙間47を存在させている。そして、クランプ24により嵌合筒部34を縮径した際には、縮径が進行するのに従って、環状凹溝46の底部が、軸方向一方側から軸方向他方側へと徐々に嵌合筒部34の外周面に接触する。したがって、クランプ24により嵌合筒部34を縮径する過程において、嵌合筒部34の軸方向一方側端部乃至中間部の外周面と挿入孔44の軸方向一方側端部乃至中間部の内周面とが接触し、嵌合筒部34の軸方向他方側端部の外周面と挿入孔44の軸方向他方側端部の内周面との間に環状隙間47が存在した状態となる。そして最終的に、図10に示したように、環状凹溝46の底部の軸方向他方側部分と嵌合筒部34の外周面との間に環状隙間47(の一部)が残存した状態になるか、又は、環状凹溝46の底部全体が嵌合筒部34の外周面に接触した状態(環状隙間47は完全に消滅した状態)になる。
そして、いずれの場合にも、クランプ24から剛性の高い嵌合筒部34の軸方向一方側部分に大きな締付け力を付与することができる。また、クランプ24から剛性の低い嵌合筒部34の軸方向他方側部分に付与する締付け力を、環状凹溝46を備えない場合に比べて小さくすることができる。このため、クランプ24により嵌合筒部34を縮径した際に、嵌合筒部34に生じる変形量を、軸方向一方側部分と軸方向他方側部分とで互いに近づけることができる。したがって、嵌合筒部34の内周面と軸37の外周面との間の面圧も、軸方向一方側部分と軸方向他方側部分とで互いに近づけることができる。この結果、シャフト23の軸方向他方側端部に接続された軸37に歳差運動が生じることを抑制できる。このため、雌セレーション36と雄セレーション38とのセレーション係合部に、フレッチング摩耗が生じることを抑制できる。これにより、シャフト23と軸37との間にがたつきが生じることを防止できるとともに、がたつきに起因した異音が発生することを防止することもできる。
[実施の形態の第2例]
実施の形態の第2例について、図11~図13を用いて説明する。
本例では、シャフト23の嵌合筒部34に外嵌するクランプ24aの形状のみを、実施の形態の第1例の構造とは異ならせている。すなわち、本例では、クランプ24aを構成する挿入孔44aの内周面の全体を、軸方向一方側から軸方向他方側に向かうほど内径寸法の大きくなるテーパ面としている。
図12に示すように、嵌合筒部34にクランプ24aを外嵌し、クランプ24aにより嵌合筒部34を縮径する以前の状態では、嵌合筒部34の軸方向一方側端部の外周面と挿入孔44aの軸方向一方側端部の内周面とは全周にわたり接触しているが、嵌合筒部34の軸方向他方側端部乃至中間部の外周面と挿入孔44aの軸方向他方側端部乃至中間部の内周面との間には、断面くさび形状の環状隙間47aが存在している。なお、各図には、挿入孔44aの内周面の傾斜角度を、誇張して描いている。挿入孔44aの内周面の実際の傾斜角度の大きさは、嵌合筒部34にクランプ24aを外嵌し、嵌合筒部34を縮径する以前の状態で、環状隙間47aの軸方向他方側端部の径方向寸法が、数十μm~500μm程度になるように設定している。
そして、クランプ24aにより嵌合筒部34を縮径した際には、縮径が進行するのに従って、挿入孔44aの内周面が、軸方向一方側から軸方向他方側へと徐々に嵌合筒部34の外周面に接触する。したがって、クランプ24aにより嵌合筒部34を縮径する過程で、嵌合筒部34の軸方向一方側部分の外周面と挿入孔44aの軸方向一方側部分の内周面とが接触し、嵌合筒部34の軸方向他方側端部の外周面と挿入孔44aの軸方向他方側端部の内周面との間に環状隙間47aが存在する状態となる。そして最終的に、図12に示したように、嵌合筒部34の軸方向他方側端部の外周面と挿入孔44aの軸方向他方側端部の内周面との間に環状隙間47a(の一部)が残存した状態になるか、又は、挿入孔44aの内周面の全体が嵌合筒部34の外周面に接触した状態(環状隙間47aが完全に消滅した状態)になる。そして、いずれの場合にも、クランプ24aから剛性の高い嵌合筒部34の軸方向一方側部分に大きな締付け力を付与することができる。また、クランプ24aから剛性の低い嵌合筒部34の軸方向他方側部分に付与する締付け力を、挿入孔の内周面を単一円筒面状とした場合に比べて小さくすることができる。
以上のような本例では、クランプ24aにより嵌合筒部34を縮径した際に、挿入孔44aの内周面と嵌合筒部34の外周面との間の面圧を、軸方向一方側から軸方向他方側に向けて徐々に低くすることができる。このため、嵌合筒部34に生じる変形量を、軸方向一方側部分と軸方向他方側部分とでより近づけやすくすることができる。
その他の構成及び作用効果については、実施の形態の第1例と同じである。
[実施の形態の第3例]
実施の形態の第3例について、図14~図16を用いて説明する。
本例では、上述した実施の形態の第1例及び第2例の構造とは異なり、トルク伝達軸22aを構成するクランプ24bとして、挿入孔44bの内径寸法が軸方向にわたり一定で、挿入孔44bの内周面が単一円筒面状のものを使用している。本例では、このようなクランプ24bを外嵌するシャフト23aの嵌合筒部34aの形状を工夫している。具体的には、嵌合筒部34aの軸方向他方側端部に、軸方向一方側に隣接する部分に比べて外径寸法の小さい小径部50を形成している。小径部50は、嵌合筒部34aのうちで係合凹溝40よりも軸方向他方側に位置する部分に形成されており、円筒面状の外周面を有している。小径部50の外径寸法は、軸方向にわたり一定である。
図15に示すように、嵌合筒部34aにクランプ24bを外嵌し、クランプ24bにより嵌合筒部34aを縮径する以前の状態では、嵌合筒部34aの軸方向一方側端部乃至中間部の外周面と挿入孔44bの軸方向一方側端部乃至中間部の内周面とは全周にわたり接触しているが、嵌合筒部34aの軸方向他方側端部、すなわち、小径部50の外周面と挿入孔44bの軸方向他方側端部の内周面との間には、断面略矩形状の環状隙間47bが存在している。なお、各図には、小径部50の外径寸法を、誇張して描いている。小径部50の実際の外径寸法は、嵌合筒部34aにクランプ24bを外嵌し、嵌合筒部34aを縮径する以前の状態で、環状隙間47bの径方向寸法が、数十μm~500μm程度になるように設定している。
そして、クランプ24bにより嵌合筒部34aを縮径した際には、縮径が進行するのに従って、小径部50の外周面が、軸方向一方側から軸方向他方側へと徐々に挿入孔44bの内周面に接触する。したがって、クランプ24bにより嵌合筒部34aを縮径する過程において、嵌合筒部34aの軸方向一方側端部乃至中間部の外周面と挿入孔44bの軸方向一方側端部乃至中間部の内周面とが接触し、嵌合筒部34aの軸方向他方側端部(小径部50)の外周面と挿入孔44の軸方向他方側端部の内周面との間に環状隙間47bが存在した状態となる。そして最終的に、図16に示したように、小径部50の外周面の軸方向他方側部分と挿入孔44bの内周面との間に環状隙間47b(の一部)が残存した状態になるか、又は、小径部50の外周面の全体が挿入孔44bの内周面に接触した状態(環状隙間47bが完全に消滅した状態)になる。そして、いずれの場合にも、クランプ24bから剛性の高い嵌合筒部34aの軸方向一方側部分に大きな締付け力を付与することができる。また、クランプ24bから剛性の低い嵌合筒部34aの軸方向他方側部分(小径部50)に付与する締付け力を、小径部50を備えない場合に比べて小さくすることができる。
以上のような本例では、シャフト23aの嵌合筒部34aの外周面形状を工夫している。シャフト23aの外周面には、小径部50を形成する以外にも切削加工が施されるため、小径部50を形成するのに伴って、加工工数や段取工数が増加することを抑制できる。したがって、シャフト23a、延いてはトルク伝達軸22aのコスト上昇を抑えることができる。
その他の構成及び作用効果については、実施の形態の第1例と同じである。
[実施の形態の第4例]
実施の形態の第4例について、図17~図19を用いて説明する。
本例では、嵌合筒部34bの外周面の形状のみを、実施の形態の第3例の構造とは異ならせている。すなわち、本例では、嵌合筒部34bの外周面の全体を、軸方向一方側から軸方向他方側に向かうほど外径寸法の小さくなるテーパ面としている。
図18に示すように、嵌合筒部34bにクランプ24bを外嵌し、クランプ24bにより嵌合筒部34bを縮径する以前の状態では、嵌合筒部34bの軸方向一方側端部の外周面と挿入孔44bの軸方向一方側端部の内周面とは全周にわたり接触しているが、嵌合筒部34bの軸方向他方側端部乃至中間部の外周面と挿入孔44bの軸方向他方側端部乃至中間部の内周面との間には、断面くさび形状の環状隙間47cが存在している。なお、各図には、嵌合筒部34bの外周面の傾斜角度を、誇張して描いている。嵌合筒部34bの外周面の実際の傾斜角度の大きさは、嵌合筒部34bにクランプ24bを外嵌し、嵌合筒部34bを縮径する以前の状態で、環状隙間47cの軸方向他方側端部の径方向寸法が、数十μm~500μm程度になる傾斜角度である。
そして、クランプ24bにより嵌合筒部34bを縮径した際には、縮径が進行するのに従って、嵌合筒部34bの外周面が、軸方向一方側から軸方向他方側へと徐々に挿入孔44bの内周面に接触する。したがって、クランプ24bにより嵌合筒部34bを縮径する過程で、嵌合筒部34bの軸方向一方側部分の外周面と挿入孔44bの軸方向一方側部分の内周面とが接触し、嵌合筒部34bの軸方向他方側端部の外周面と挿入孔44bの軸方向他方側端部の内周面との間に環状隙間47cが存在する状態となる。そして最終的に、図19に示したように、嵌合筒部34bの軸方向他方側端部の外周面と挿入孔44bの軸方向他方側端部の内周面との間に環状隙間47c(の一部)が残存した状態になるか、又は、嵌合筒部34bの外周面の全体が挿入孔44bの内周面に接触した状態(環状隙間47cが完全に消滅した状態)になる。そして、いずれの場合にも、クランプ24bから剛性の高い嵌合筒部34bの軸方向一方側部分に大きな締付け力を付与することができる。また、クランプ24bから剛性の低い嵌合筒部34bの軸方向他方側部分に付与する締付け力を、嵌合筒部の外周面を単一円筒面状とした場合に比べて小さくすることができる。
以上のような本例では、クランプ24bにより嵌合筒部34bを縮径した際に、挿入孔44bの内周面と嵌合筒部34bの外周面との間の面圧を、軸方向一方側から軸方向他方側に向けて徐々に低くすることができる。このため、嵌合筒部34bに生じる変形量を、軸方向一方側部分と軸方向他方側部分とでより近づけやすくすることができる。
その他の構成及び作用効果については、実施の形態の第1例、第2例及び第3例と同じである。
本発明を実施する場合に、挿入孔の内周面に形成する環状凹溝の軸方向寸法や嵌合筒部に形成する小径部の軸方向寸法は、実施の形態の各例の構造に限定されない。また、実施の形態の各例では、挿入孔の内周面の全体及び嵌合筒部の外周面の全体をテーパ面とする構造について説明したが、挿入孔の内周面の軸方向他方側端部及び嵌合筒部の外周面の軸方向他方側端部のみをテーパ面とする構成を採用することもできる。さらに、実施の形態の各例の構造では、嵌合筒部にクランプを外嵌し、クランプにより嵌合筒部を縮径する以前の状態で、嵌合筒部の軸方向一方側部分の外周面と挿入孔の軸方向一方側部分の内周面とを接触させる場合について説明した。ただし、嵌合筒部の軸方向一方側部分の外周面と挿入孔の軸方向一方側部分の内周面とは、嵌合筒部が縮径する過程で接触すれば足り、嵌合筒部を縮径させる以前の状態では接触していなくても良い。また、クランプに設ける1対の取付孔をそれぞれ通孔とし、ナットと組み合わせて使用することもできる。さらに、本発明を実施する場合に、前述した実施の形態の各例の構造は、矛盾が生じない限りにおいて、適宜組み合わせて実施することができる。
1 ステアリングホイール
2 ステアリングシャフト
3 ステアリングコラム
4a、4b 自在継手
5 中間シャフト
6 ステアリングギヤユニット
7 タイロッド
8 ピニオン軸
9 トルク伝達軸
10 ヨーク
11、11a 軸
12 雄セレーション
13 雌セレーション
14 クランプ部
15 不連続部
16 フランジ部
17 取付孔
18 基部
19 雌セレーション
20 溶接ビード部
21 雄セレーション
22、22a トルク伝達軸
23、23a シャフト
24、24a、24b クランプ
25 ヨーク部
26 筒部
27a、27b 腕部
28 円孔
29 大径筒部
30 大径側円すい筒部
31 中径筒部
32 小径側円すい筒部
33 小径筒部
34、34a、34b 嵌合筒部
35 段差面
36 雌セレーション
37 軸
38 雄セレーション
39 スリット
40 係合凹溝
41 不連続部
42 フランジ部
43 連結部
44、44a、44b 挿入孔
45a、45b 取付孔
46 環状凹溝
47、47a、47b、47c 環状隙間
48 締付ボルト
49 周方向凹溝
50 小径部

Claims (6)

  1. 軸方向一方側端部に備えられ、他の部材に対してトルク伝達可能に接続される接続部と、軸方向他方側端部に備えられ、軸方向他方側に開口端を有し、軸方向一方側に閉鎖端を有する軸方向に伸長したスリットと、軸方向他方側端部に備えられた嵌合筒部と、軸方向他方側端部の内周面に備えられた雌セレーションと、を有する中空状のシャフトと、
    前記嵌合筒部に外嵌されて前記シャフトを縮径させるもので、円周方向1箇所に配置された不連続部と、該不連続部を挟んで両側に配置され、締付部材が挿入される取付孔をそれぞれ備えた1対のフランジ部と、該1対のフランジ部同士を円周方向に連結した部分円筒状の連結部と、前記嵌合筒部を挿入する挿入孔と、を有する欠円筒状のクランプと、
    を備え、
    少なくとも前記クランプにより前記シャフトを縮径する過程で、前記嵌合筒部の軸方向一方側部分の外周面と前記挿入孔の軸方向一方側部分の内周面とが接触し、前記嵌合筒部の軸方向他方側端部の外周面と前記挿入孔の軸方向他方側端部の内周面との間に環状隙間が存在する、
    トルク伝達軸。
  2. 前記挿入孔は、軸方向他方側端部の内周面に、軸方向一方側に隣接する部分に比べて内径寸法の大きい環状凹溝を有している、請求項1に記載したトルク伝達軸。
  3. 前記挿入孔は、少なくとも軸方向他方側端部の内周面を、軸方向一方側から軸方向他方側に向かうほど内径寸法の大きくなるテーパ面としている、請求項1に記載したトルク伝達軸。
  4. 前記嵌合筒部は、軸方向他方側端部に、軸方向一方側に隣接する部分に比べて外径寸法の小さい小径部を有している、請求項1~3のうちのいずれか1項に記載したトルク伝達軸。
  5. 前記嵌合筒部は、少なくとも軸方向他方側端部の外周面を、軸方向一方側から軸方向他方側に向かうほど外径寸法の小さくなるテーパ面としている、請求項1~3のうちのいずれか1項に記載したトルク伝達軸。
  6. 前記接続部は、ヨーク部である、請求項1~5のうちのいずれか1項に記載したトルク伝達軸。
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