JP6225701B2 - Egr装置の故障診断装置 - Google Patents

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Description

本発明は、EGR装置の故障診断装置に関し、特に、車両に搭載された内燃機関から排出される排気ガスの一部を吸気通路に還流するEGR装置の故障診断装置に関する。
従来、排気ガス中のNOxを低減することを目的として、排気通路と吸気通路とを連通するEGR通路を備え、そのEGR通路を介して内燃機関から排出された排気ガスの一部を吸気通路に還流させて、再度内燃機関に吸入させるEGR装置が知られている。一般的に、こうしたEGR装置にあっては、吸気通路に還流させる排気ガスの量を調整するためのEGRバルブがEGR通路上に設けられている。
このようなEGR装置では、例えば経年劣化等によりEGRバルブが故障したり、未燃炭化水素等の堆積によってEGR通路に目詰まりが生じたりすることがある。通常、こうした故障や目詰まりは、運転者が把握することはできないため、車両に搭載された故障診断装置によって検出される。
この種のEGR装置の故障診断装置として、例えば特許文献1に記載のような故障診断装置が知られている。この特許文献1に記載の故障診断装置は、EGRバルブを全開状態とし排気ガスの一部を吸気通路に還流しているときの吸入空気量とEGRバルブを全閉状態としたときの吸入空気量との差が所定の閾値以内か否かを判定することで、EGR装置に故障や目詰まりがないかを検出する故障診断を行うようになっている。
また、特許文献1に記載の故障診断装置において、上述のようなEGR装置の故障診断は、車両が減速状態となる等の所定の診断条件が成立した後、所定の遅延時間経過後に実施される。これにより、当該故障診断装置は、EGRバルブを全開状態とする故障診断の実施前に排気通路内に残存する排気ガスを掃気することができる。したがって、当該故障診断装置によれば、故障診断の実施時にEGR通路に設けられたEGRクーラの内部に例えば未燃燃料成分を含む排気ガスが流入することを防止することができ、未燃炭化水素等の堆積によるEGRクーラの内部の詰まりを防止することができる。
特開2010−31749号公報
しかしながら、このような従来のEGR装置の故障診断装置にあっては、所定の診断条件成立後、所定の遅延時間経過後に実際に故障診断を開始するため、故障診断が完了するまでの時間が長くなるという問題があった。
ところで、近年、燃費向上の観点から車両の減速時に内燃機関への燃料供給を停止する、いわゆるフューエルカットが実施される車両も多い。こうした車両に搭載されたEGR装置の故障診断装置は、フューエルカットが実施されている減速時にEGR装置の故障診断を実行することとなる。
したがって、上述のようなフューエルカットを実施可能な車両に、特許文献1に記載のEGR装置の故障診断装置を適用した場合には、次のような問題が生ずる。
すなわち、特許文献1に記載のEGR装置の故障診断装置では、所定の遅延時間の経過によって排気通路内の排気ガスは掃気されるものの、EGR通路内に残存している排気ガスまでは掃気することができない。このため、このEGR装置の故障診断装置では、所定の遅延時間経過後のEGRバルブの全開に伴ってEGR通路内に残存している排気ガスが吸気通路に一気に流入してしまう。
このように、排気ガスが吸気通路に多量に流入している故障診断の開始時に、例えばアクセルが踏み込まれる等の内燃機関の再始動条件が成立すると、吸気通路に排気ガスが多量に導入された状態で内燃機関を始動させることとなってしまう。このような場合、燃焼室内の排気ガス濃度が高まるため、正常な点火を行うことができず、内燃機関が停止してしまう、いわゆるエンジンストールが発生するおそれがある。
そこで、本発明は、従来と比較して早期にEGR装置の故障診断を完了することができ、かつEGR装置の故障診断中に内燃機関を再始動させる際のエンジンストールの発生を抑制することができるEGR装置の故障診断装置を提供することを目的としている。
本発明の第1の態様は、EGR装置の故障診断装置であって、内燃機関の吸気通路と排気通路とを連通し、前記排気通路を流れる排気ガスの一部を前記吸気通路に還流するEGR通路と、前記EGR通路に設けられて前記吸気通路に還流される前記排気ガスの流量を調整するEGRバルブと、前記EGRバルブの開度を調整するEGRバルブ開度調整部と、を備えたEGR装置の故障診断装置であって、前記吸気通路内の空気の状態を表す吸気パラメータを検出する吸気パラメータ検出部と、予め定められたEGR診断条件が成立したことを条件に、前記EGRバルブ開度調整部によって前記EGRバルブを目標とする目標開度まで開いて前記EGR装置の故障診断を行う故障診断部と、を備え、前記EGRバルブ開度調整部は、前記EGR診断条件の成立後、予め定められた継続時間が経過するまで前記EGRバルブの最大開度を前記継続時間中に前記EGR通路内の排気ガスの掃気が完了し、かつ多量の排気ガスが前記吸気通路に一気に流入しない程度の微小開度とし、前記継続時間の経過後に前記EGRバルブの最大開度を前記目標開度とし、前記故障診断部は、前記継続時間が経過するまでの前記吸気パラメータと前記継続時間経過後の前記吸気パラメータとに基づき、前記故障診断を行うことを特徴とするものである。
本発明の第2の態様としては、前記EGRバルブ開度調整部は、前記継続時間の経過後、予め定められた全閉時間が経過するまで前記EGRバルブの最大開度を零とし、前記全閉時間の経過後に前記EGRバルブの最大開度を前記目標開度とし、前記故障診断部は、前記EGRバルブの最大開度が零のときの前記吸気パラメータと前記全閉時間経過後の前記吸気パラメータとに基づき、前記故障診断を行うのが好ましい。
本発明の第3の態様としては、前記継続時間を設定する時間設定部を備え、前記時間設定部は、前記吸気パラメータ検出部によって検出される前記吸気パラメータの値が大きいほど、前記継続時間を短くするのが好ましい。
本発明の第4の態様としては、前記EGRバルブ開度調整部は、前記EGR診断条件の成立後、前記EGRバルブの開度を前記微小開度まで所定の割合で増加させるのが好ましい。
本発明の第5の態様としては、前記EGRバルブ開度調整部は、前記EGR診断条件の成立後、前記継続時間が経過するまで前記EGRバルブの開度を前記微小開度に維持するのが好ましい。
本発明の第6の態様としては、前記吸気パラメータ検出部は、前記吸気パラメータとして前記内燃機関の吸入空気の圧力である吸気圧を検出する吸気圧検出部で構成されるのが好ましい。
本発明の第7の態様としては、前記吸気パラメータ検出部は、前記吸気パラメータとして前記内燃機関の吸入空気量を検出する吸入空気量検出部で構成されるのが好ましい。
このように、上記の第1の態様によれば、EGR診断条件の成立直後からEGRバルブを微小開度だけ開いて故障診断を開始するので、従来のようにEGR診断条件成立後に排気通路の掃気を行うための時間を設けることなく早期にEGR装置の故障診断を完了することができる。
また、EGR診断条件の成立後、継続時間が経過するまでEGRバルブの最大開度を目標開度よりも小さい微小開度とするので、EGR通路内に残存していた排気ガスが故障診断の開始時に吸気通路に多量に流入してしまうことを防止することができる。したがって、故障診断開始時にあっても燃焼室内の排気ガス濃度を低く抑えているため、例えば故障診断開始直後に内燃機関を再始動する必要が生じた場合でも、その再始動時のエンジンストールの発生を抑制することができる。
上記の第2の態様によれば、EGR装置の故障診断を行うにあたって検出される吸気パラメータの少なくとも一方について、EGRバルブが閉じているときの吸気パラメータを用いるので、当該吸気パラメータを検出する際に内燃機関の回転数変動や負荷変動の影響を回避することができる。したがって、EGR装置の故障診断時に用いられる吸気パラメータのばらつきを抑えることができ、故障診断の精度を向上させることができる。
上記の第3の態様によれば、吸気パラメータの値が大きいほどEGR診断条件成立後の継続時間を短くするようにしている。ここで、吸気パラメータの値が大きくなるような内燃機関の運転状態のときには、EGR通路内の排気ガスの掃気が早く完了する。したがって、EGR通路内の排気ガスの掃気が早く完了するような場合には、EGR診断条件成立後の継続時間を短くすることができる。この結果、内燃機関の運転状態に応じて早期にEGR装置の故障診断を完了することができる。
上記の第4の態様によれば、EGR診断条件の成立後、EGRバルブの開度を目標開度よりも小さい微小開度まで所定の割合で増加させるので、EGR通路内に残存していた排気ガスが故障診断の開始時に吸気通路に多量に流入してしまうことを防止することができる。
上記の第5の態様によれば、EGR診断条件の成立後、継続時間が経過するまでEGRバルブの開度を目標開度よりも小さい微小開度に維持するので、EGR通路内に残存していた排気ガスが故障診断の開始時に吸気通路に多量に流入してしまうことを防止することができる。
上記の第6の態様によれば、例えばEGR通路内の詰まりやEGRバルブの故障に起因して変化する吸気圧に基づき、適切にEGR装置の故障診断を行うことができる。
上記の第7の態様によれば、例えばEGR通路内の詰まりやEGRバルブの故障に起因して変化する吸入空気量に基づき、適切にEGR装置の故障診断を行うことができる。
図1は、本発明の第1実施形態に係るEGR装置の故障診断装置が搭載された車両の要部を示す概略構成図である。 図2は、本発明の第1実施形態に係るECUによって実行されるEGR装置の故障診断の流れを示すフローチャートである。 図3は、本発明の第1実施形態に係るEGR装置の故障診断時の作用を示すタイムチャートである。 図4は、本発明の第1実施形態に係るEGR装置の故障診断中にフューエルカット制御から復帰した場合の作用を示すタイムチャートである。 図5は、本発明の第2実施形態に係るECUによって実行されるEGR装置の故障診断の流れを示すフローチャートである。 図6は、本発明の第2実施形態に係るEGR装置の故障診断時の作用を示すタイムチャートである。 図7は、本発明の第2実施形態に係るEGR装置の故障診断中にフューエルカット制御から復帰した場合の作用を示すタイムチャートである。 図8は、本発明の第3実施形態に係るECUによって実行されるEGR装置の故障診断の流れを示すフローチャートである。 図9は、本発明の第3実施形態に係るEGR装置の故障診断時の作用を示すタイムチャートである。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。
(第1実施形態)
まず、図1〜図4を用いて、本発明の第1実施形態について説明する。
図1に示すように、本実施形態に係る車両1は、内燃機関としてのエンジン2と、吸気装置3と、排気装置4と、EGR装置5と、ECU(Engine Control Unit)10とを含んで構成されている。
エンジン2は、例えば直列4気筒のガソリンエンジンで構成されており、図示しない燃料供給装置や点火装置を備えている。燃料供給装置は、各気筒に対応する燃料噴射弁を有する。なお、エンジン2は、ガソリンエンジンに限らずディーゼルエンジンであってもよいし、直列4気筒に限らず例えばV型エンジン等であってもよい。
また、エンジン2には、冷却水の温度を検出する水温センサ21と、図示しないカムシャフトの回転角度を検出するカム角センサ22と、図示しないクランクシャフトの回転角度を検出するクランク角センサ23とが設けられている。
吸気装置3は、エンジン2に接続され、吸気管31と、吸気マニホールド32とを備えている。吸気管31は、車両1の外部から新気を吸気マニホールド32を介して取り込み、エンジン2に導入するための配管である。
また、吸気管31内には、吸気通路31aが形成されている。この吸気通路31a上には、新気の流入方向上流側からエアクリーナ33、吸入空気量センサ34、スロットルバルブ35、吸気圧センサ36がそれぞれ設けられている。
エアクリーナ33は、車両1の外部から取り込んだ新気の清浄を行うものである。吸入空気量センサ34は、エンジン2に導入される新気の量、すなわち吸入空気量を検出するセンサである。すなわち、吸入空気量センサ34は、本発明に係る吸入空気量検出部を構成する。
スロットルバルブ35は、スロットルモータ35aによって開度が調節されることにより吸入空気量を調節するものである。吸気圧センサ36は、吸入空気の圧力である吸気圧Pinを検出するセンサである。本実施形態に係る吸気圧センサ36は、本発明に係る吸気圧検出部を構成する。
ここで、上述した吸入空気量センサ34および吸気圧センサ36は、吸気通路31a内の空気の状態を表す吸気パラメータとして、それぞれ吸入空気量、吸気圧Pinを検出するものである。したがって、本実施形態に係る吸入空気量センサ34および吸気圧センサ36は、本発明に係る吸気パラメータ検出部を構成する。
排気装置4は、エンジン2に接続され、排気管41と、排気マニホールド42と、触媒装置43と、消音器44とを含んで構成されている。
排気管41は、エンジン2から排出された排気ガスを取り込み、これを車両1の外部に排気マニホールド42を介して排出するための配管である。排気管41内には、排気通路41aが形成されている。
触媒装置43は、排気マニホールド42と消音器44との間の排気通路41a上に設けられている。この触媒装置43は、排気ガス中の一酸化炭素(CO)、炭化水素(CH)および窒素酸化物(NOx)などの有害なガスを二酸化炭素(CO)や水(HO)に浄化する、例えば三元触媒によって構成されている。
また、触媒装置43には、空燃比センサ45およびOセンサ46が設けられている。空燃比センサ45は、触媒装置43に導入される排気ガスにおける空燃比(A/F)を検知するセンサである。空燃比センサ45は、空燃比に対してリニアな出力特性を有する酸素センサである。Oセンサ46は、空燃比に対して理論空燃比を基準にしてリッチ側とリーン側とで出力が急変する出力特性を有する酸素センサである。
消音器44は、排気装置4から車両1の外部に排出される排気ガスによって生ずる騒音を抑制する、いわゆるマフラーである。
EGR装置5は、排気ガスの一部を吸気側に還流させて再度、エンジン2の燃焼室に導入する、いわゆる排気ガス還流装置である。EGR装置5によって排気ガスの一部が燃焼室内に導入されることで、燃焼温度が下がり燃焼室内での窒素酸化物(NOx)の生成が抑制され、排気エミッションが改善される。
このEGR装置5は、EGR通路51aが内部に形成されたEGR配管51と、EGRバルブ52と、EGRクーラ53とを備えている。
EGR配管51は、吸気管31と排気管41とを接続するよう設けられている。また、EGR通路51aは、吸気通路31aと排気通路41aとを連通し、排気通路41aを流れる排気ガスの一部を吸気通路31aに還流する通路である。
EGRバルブ52は、EGR通路51a上に設けられ、吸気通路31aに還流される排気ガスの流量を調整するものである。EGRバルブ52は、ECU10に接続されており、その開度がECU10によって制御されるようになっている。具体的には、後述するように、ECU10のEGRバルブ開度調整部102によってEGRバルブ52の開度が調整される。したがって、EGRバルブ開度調整部102は、EGR装置5の一部として構成される。
EGRクーラ53は、EGR通路51a上に設けられ、EGR通路51aを吸気通路31aに向けて還流する排気ガスを冷却するためのものである。
ECU10は、例えばCPU、RAM、ROM、入出力インターフェース等を備えるマイクロコンピュータを含んで構成されており、CPUは、RAMの一時記憶機能を利用するとともにROMに予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行うようになっている。ROMには、各種制御定数や各種マップ等が予め記憶されている。
また、ECU10の入力側には、前述した水温センサ21、カム角センサ22、クランク角センサ23、吸入空気量センサ34、吸気圧センサ36、空燃比センサ45およびOセンサ46等の各種センサ類が接続されている。一方、ECU10の出力側には、前述したスロットルバルブ35、EGRバルブ52や図示しない燃料噴射弁および点火プラグ等の各種装置が接続されている。
さらに、ECU10は、フューエルカット制御部101と、EGRバルブ開度調整部102と、故障診断部103と、時間設定部104とを備えている。
フューエルカット制御部101は、車両1の減速時に予め定められたフューエルカット条件が成立したことを条件に、エンジン2に対する燃料供給を停止、すなわち燃料噴射弁からの燃料噴射を停止する、いわゆるフューエルカット制御を実行するようになっている。
ここで、上記フューエルカット条件としては、例えばスロットル開度が規定値以下、車速が規定値以上、エンジン回転数が規定値以上であること等が挙げられる。また、フューエルカット制御部101は、これら条件の全てを満足していると判定した場合には、F/CフラグをONにセットするようになっている。
EGRバルブ開度調整部102は、エンジン2の運転状態に応じてEGRバルブ52の開度を制御し、吸気通路31aに向けて還流される排気ガスの流量、すなわちEGR量を調整するようになっている。このEGR量は、ECU10のROMに予め記憶されたEGRマップに従って設定される。EGRマップは、エンジン回転数およびエンジン負荷をパラメータとしてEGR量を決定するもので、予め実験的に求めてROMに記憶されている。
ここで、EGRバルブ開度調整部102は、フューエルカット制御の実行中であって後述するEGR装置5の故障診断が実施されている場合には、上述したEGRマップを参照せずに、後述する条件等に基づきEGRバルブ52の開度を調整するようになっている。
故障診断部103は、予め定められたEGR診断条件が成立したことを条件に、EGRバルブ開度調整部102によってEGRバルブ52を目標とする目標開度まで開いてEGR装置5の故障診断を行うようになっている。
この故障診断部103により上記故障診断が行われる際には、上述したEGRバルブ開度調整部102によってEGRバルブ52の開度が次のように制御されるようになっている。
すなわち、EGRバルブ開度調整部102は、EGR診断条件の成立後、後述する継続時間T1が経過するまでEGRバルブ52の最大開度を上述の目標開度よりも小さい微小開度とし、前述の継続時間T1経過後にEGRバルブ52の最大開度を上述の目標開度とするようになっている。
また、EGRバルブ開度調整部102は、EGRバルブ52の最大開度を微小開度に調整するにあたっては、EGR診断条件の成立後、EGRバルブ52の開度を微小開度まで徐々に、すなわち所定の割合で増加させるようになっている。これにより、EGRバルブ52は、EGR診断条件の成立後から徐々に開かれ、継続時間T1に達したときに微小開度で開かれた状態となる。
一方、故障診断部103は、継続時間T1が経過するまでの吸気圧Pin1と継続時間T1経過後の吸気圧Pin2とに基づき、EGR装置5の故障診断を行うようになっている。
具体的には、故障診断部103は、吸気圧Pin1と吸気圧Pin2との圧力差、つまり吸気圧Pin2から吸気圧Pin1を差し引いた値が予め定められた閾値Pthよりも大きいか否かを判定するようになっている。EGRバルブ52の故障やEGR通路51aに目詰まりがあると、吸気圧Pin1と吸気圧Pin2との間には、圧力差が生じないか、あるいは小さな圧力差しか生じないこととなる。したがって、故障診断部103は、吸気圧Pin2から吸気圧Pin1を差し引いた値が閾値Pthよりも小さいと判定した場合には、EGR装置5に故障があると判定するようになっている。このように、故障診断部103は、例えばEGR通路51a内の詰まりやEGRバルブ52の故障に起因して変化する吸気圧Pinに基づき、適切にEGR装置5の故障診断を行うことができる。
なお、本実施形態においては、EGR診断条件の成立後、継続時間T1が経過するまでの間、所定回数計測された吸気圧Pinの平均値を上述の吸気圧Pin1として用いることとした。
また、吸気圧Pin2は、継続時間T1経過後、予め定められた時間間隔で計測される。なお、吸気圧Pin2は、予め定められた時間間隔で計測された複数の計測値の平均値であってもよいし、その複数の計測値の最小値であってもよい。
ここで、EGR診断条件は、EGR装置5の故障診断を行うのに適した運転状態を規定した条件であり、例えば、「フューエルカット制御が実行中であること」、「スロットル開度が零であること」、「エンジン回転数が予め定められた回転数の範囲内であること」等の条件である。EGRバルブ開度調整部102は、これら条件の全てを満足していると判定した場合には、EGR診断フラグをONにセットするようになっている。なお、上述したEGR診断条件は、例示であって、これに限られるものではなく、上記各条件のいずれか1つを満足することとしてもよいし、上記以外の条件であってもよい。
また、微小開度とは、例えば上述の継続時間T1中にEGR通路51a内に滞留している排気ガスを掃気できる程度に十分な流量の空気を排気通路41aから吸気通路31aに還流させることが可能な開度であり、かつ多量の排気ガスが吸気通路31aに一気に流入しない程度の開度である。
ここで、故障診断部103は、吸気圧Pin1と吸気圧Pin2との圧力差が大きいほど正確な故障診断を行うことができる。したがって、上述の目標開度とは、EGR装置5の故障診断を正確に行うことが可能な圧力差が得られる程度の空気を排気通路41aから吸気通路31aに還流させることが可能な開度である。
また、継続時間T1は、EGR診断条件の成立後、EGRバルブ52を微小開度まで徐々に開いてゆく過程で還流される空気によってEGR通路51a内の排気ガスの掃気が完了する程度の時間に設定されている。
時間設定部104は、予め定められた時間設定マップに基づき上述の継続時間T1を設定するようになっている。具体的には、時間設定部104は、吸気圧センサ36によって検出される吸気圧Pinが大きいほど、継続時間T1を短くするようになっている。EGR装置5の故障診断開始前の吸気圧Pinが大きいと、吸気通路31a内の負圧が大きいため、負圧が小さい場合と比較してEGR通路51aから吸気通路31aに還流される排気ガスの単位時間当たりの流量が多くなる。このため、吸気圧Pinが大きい場合には、EGR通路51a内の排気ガスの掃気が早期に完了する。したがって、時間設定部104は、上述の通り吸気圧Pinが大きいほど継続時間T1を短くすることができる。
時間設定マップは、吸気圧Pinと継続時間T1との関係を予め実験的に求めてECU10のROMに記憶されている。なお、本実施形態では、吸気圧Pinに基づき継続時間T1を設定したが、吸入空気量に基づき継続時間T1を設定してもよい。この場合、時間設定部104は、吸入空気量が大きいほど継続時間T1を短くする。
次に、図2を参照して、本実施形態に係るECU10の故障診断部103により実行されるEGR装置5の故障診断の処理について説明する。
なお、上記故障診断の各処理は、詳細にはECU10が有するフューエルカット制御部101、EGRバルブ開度調整部102、故障診断部103および時間設定部104によって実行されるが、説明の便宜上、図2では各処理の主体をECU10として説明するものとする。
図2に示すように、まず、ECU10は、フューエルカット制御の実行中、すなわちフューエルカット中であるか否かをF/Cフラグに基づき判定する(ステップS1)。ECU10は、フューエルカット中でないと判定した場合には、フューエルカット中となるまで本ステップの処理を繰り返し実行する。
一方、ECU10は、フューエルカット中であると判定した場合には、EGR診断条件が成立したか否かをEGR診断フラグに基づき判定する(ステップS2)。ECU10は、EGR診断条件が成立していないと判定した場合には、EGR診断条件が成立するまでステップS1およびステップS2の処理を繰り返し実行する。
他方、ECU10は、フューエルカット中にEGR診断条件が成立したと判定した場合には、EGRバルブ52の最大開度を微小開度に設定する(ステップS3)。その後、ECU10は、ステップS3で設定された微小開度までEGRバルブ52を徐々に開く(ステップS4)。
次いで、ECU10は、予め定められた時間間隔で吸気圧Pinを計測し、これらの平均値を吸気圧Pin1として用いる(ステップS5)。
次いで、ECU10は、EGR診断条件の成立後、継続時間T1が経過したか否かを判定する(ステップS6)。ECU10は、継続時間T1が経過していないと判定した場合には、継続時間T1が経過するまでステップS4以降の各処理を繰り返し実行する。
一方、ECU10は、継続時間T1が経過したと判定した場合には、EGRバルブ52を目標開度まで開く(ステップS7)。その後、ECU10は、吸気圧Pin2を計測する(ステップS8)。
次いで、ECU10は、吸気圧Pin2から吸気圧Pin1を差し引いた値である吸気圧差圧ΔPin(=Pin2−Pin1)と予め定められた閾値Pthとを比較する(ステップS9)。その後、ECU10は、吸気圧差圧ΔPinが閾値Pthよりも大きいか否かを判定する(ステップS10)。ECU10は、吸気圧差圧ΔPinが閾値Pthよりも大きいと判定した場合には、EGR装置5が故障してないものと判断して正常判定を行って(ステップS11)、本処理を終了する。
一方、ECU10は、吸気圧差圧ΔPinが閾値Pthよりも大きくない、すなわち小さいと判定した場合には、EGR装置5が故障している可能性が高いものと判断して異常判定を行って(ステップS12)、本処理を終了する。異常判定がなされた場合には、ECU10は、例えば車室内に設けられた警告灯等を点灯させることによって運転者にEGR装置5の故障を報知する。
次に、図3を参照して、本実施形態に係るEGR装置5の故障診断時の作用について説明する。
図3に示すように、車両1において、フューエルカット中にEGR診断条件が成立してEGR診断フラグがONになると、EGRバルブ52の開度が微小開度まで徐々に増加される。このとき、吸気通路31a内の排気ガス濃度は、EGRバルブ52を開いた直後から徐々に増加し、その後、EGRバルブ52の開度の増加に伴って徐々に減少する。このときの吸気通路31a内の排気ガス濃度の最大値は、従来のようにEGRバルブ52を故障診断開始時から目標開度まで即座にEGRバルブ52を開く場合と比較して、大幅に低減されている。
その後、継続時間T1が経過すると、EGRバルブ52が目標開度まで開かれる。このとき、エンジン2は、燃焼を停止している。したがって、排気通路41aには、吸気通路31aから導入された新気が排出されている。また、EGR通路51a内の排気ガスは、継続時間T1が経過するまでに掃気されている。よって、EGRバルブ52が目標開度まで開かれても、吸気通路31aには排気通路41a内の新気のみが還流されることとなる。この結果、EGRバルブ52が目標開度で開かれた後は、吸気通路31a内の排気ガス濃度が低減された状態に維持される。
次いで、継続時間T1が経過するまでの吸気圧Pin1と継続時間T1経過後の吸気圧Pin2とに基づき、EGR装置5の故障診断がECU10によって行われる。故障診断終了後は、再度EGRバルブ52が全閉されるとともに、EGR診断フラグがOFFされる。
次に、図4を参照して、本実施形態に係るEGR装置5の故障診断中にフューエルカット制御から復帰した場合の作用について説明する。
図4に示すように、例えばEGR診断条件の成立後、継続時間T1経過前にフューエルカット制御から復帰されると、吸気通路31a内に還流されている排気ガスと車両1の外部から導入された新気とによってエンジン2の燃焼が行われる。このとき、本実施形態では、図3で示したように継続時間T1が経過するまでの吸気通路31a内の排気ガス濃度が大幅に低減されているため、上述のようなフューエルカット制御からの復帰時にも問題なくエンジン2の燃焼を行うことができる。したがって、エンジン2の燃焼状態が悪化することもないので、フューエルカット制御からの復帰に伴ってエンジン2が再始動される際のエンジンストールの発生が抑制される。
以上のように、本実施形態に係るEGR装置5の故障診断装置は、EGR診断条件の成立直後からEGRバルブ52を微小開度だけ開いて故障診断を開始するので、従来のようにEGR診断条件の成立後に排気通路41a内の掃気を行うための時間を設けることなく早期にEGR装置5の故障診断を完了することができる。
また、本実施形態に係るEGR装置5の故障診断装置は、EGR診断条件の成立後、継続時間T1が経過するまでEGRバルブ52の最大開度を目標開度よりも小さい微小開度とするので、EGR通路51a内に残存していた排気ガスが故障診断の開始時に吸気通路31aに多量に流入してしまうことを防止することができる。したがって、故障診断開始時にあっても燃焼室内の排気ガス濃度を低く抑えているため、例えば故障診断開始直後にフューエルカット制御からの復帰に伴ってエンジン2を再始動する必要が生じた場合でも、その再始動時のエンジンストールの発生を抑制することができる。
また、本実施形態に係るEGR装置5の故障診断装置は、吸気圧Pinが大きいほどEGR診断条件の成立後の継続時間T1を短くするようにしている。ここで、吸気圧Pinが大きくなるようなエンジン2の運転状態のときには、EGR通路51a内の排気ガスの掃気が早く完了する。したがって、EGR通路51a内の排気ガスの掃気が早く完了するような場合には、EGR診断条件の成立後の継続時間T1を短くすることができる。この結果、本実施形態に係るEGR装置5の故障診断装置は、エンジン2の運転状態に応じて早期にEGR装置5の故障診断を完了することができる。
さらに、本実施形態に係るEGR装置5の故障診断装置は、EGR診断条件の成立後、EGRバルブ52の開度を目標開度よりも小さい微小開度まで所定の割合で増加させるので、EGR通路51a内に残存していた排気ガスが故障診断の開始時に吸気通路31aに多量に流入してしまうことを防止することができる。
なお、本実施形態においては、吸気圧センサ36によって吸気圧Pinを検出するようにしたが、例えば吸入空気量センサ34によって検出された吸入空気量に基づき吸気圧Pinを算出するようにしてもよい。この場合、ECU10は、例えば吸入空気量と吸気圧Pinとの関係を予め実験的に求めたマップを参照することにより、吸入空気量から吸気圧Pinを算出することができる。また、この場合、車両1は、吸気圧センサ36を搭載しなくてもよい。
また、本実施形態においては、吸気圧Pinの変化に基づきEGR装置5の故障診断を行うようにしたが、吸入空気量の変化に基づきEGR装置5の故障診断を行うようにしてもよい。具体的には、故障診断部103は、継続時間T1が経過するまでの吸入空気量と継続時間T1経過後の吸入空気量との差分が予め定められた閾値よりも大きいか否かを判定することで、EGR装置5の故障診断を行う。
(第2実施形態)
次に、図5〜図7を用いて、本発明の第2実施形態について説明する。
本実施形態は、上述した第1実施形態とは、EGR装置5の故障診断の処理におけるステップS14の処理内容が異なるが、他の構成および処理内容は第1実施形態と同様である。したがって、以下においては、第1実施形態と同一の構成および処理内容については説明を省略し、第1実施形態と異なる箇所のみ説明する。
本実施形態では、ECU10のEGRバルブ開度調整部102は、EGR診断条件の成立後、微小開度までEGRバルブ52を徐々にではなく、即座に開き、継続時間T1が経過するまでEGRバルブ52の開度を微小開度に維持するようになっている。
図5に示すように、EGR装置5の故障診断のステップS14の処理において、ECU10は、ステップS13で設定された微小開度までEGRバルブ52を徐々にではなく、即座に開く。なお、図5において、ステップS13以外の各処理は、それぞれ第1実施形態のステップS1、ステップS2およびステップS4〜ステップS12と同様である。
また、図6に示すように、本実施形態に係る車両1において、フューエルカット中にEGR診断フラグがONになると、EGRバルブ52の開度が微小開度まで即座に増加される。このときの吸気通路31a内の排気ガス濃度の特性は、第1実施形態と同様であり、その最大値も従来と比較して第1実施形態と同様、大幅に低減されている。なお、これ以降の作用については、第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
さらに、図7に示すように、本実施形態においても、第1実施形態と同様、EGR装置5の故障診断中にフューエルカット制御から復帰した場合であってもエンジン2の燃焼状態が悪化することがない。したがって、フューエルカット制御からの復帰に伴ってエンジン2が再始動される際のエンジンストールの発生が抑制される。
以上のように、本実施形態に係るEGR装置5の故障診断装置は、上述の第1実施形態における効果に加えて、次の効果を有する。
すなわち、本実施形態に係るEGR装置5の故障診断装置は、EGR診断条件の成立後、継続時間T1が経過するまでEGRバルブ52の開度を目標開度よりも小さい微小開度に維持するので、EGR通路31a内に残存していた排気ガスが故障診断の開始時に吸気通路31aに多量に流入してしまうことを防止することができる。
(第3実施形態)
次に、図8および図9を用いて、本発明の第3実施形態について説明する。
本実施形態は、上述した第1実施形態とは、EGR装置5の故障診断の処理において継続時間T1経過後に一旦、EGRバルブ52を閉じる処理を加えた点で異なるが、他の構成および処理内容は第1実施形態と同様である。したがって、以下においては、第1実施形態と同一の構成および処理内容については説明を省略し、第1実施形態と異なる箇所のみ説明する。
本実施形態では、ECU10のEGRバルブ開度調整部102は、EGR診断条件の成立後、継続時間T1の経過後、予め定められた全閉時間T2が経過するまでEGRバルブ52の最大開度を零とするようになっている。これにより、EGRバルブ52は、継続時間T1が経過したタイミングで微小開度の開状態から全閉状態とされる。このEGRバルブ52の全閉状態は、全閉時間T2が経過するまで維持されるようになっている。
また、EGRバルブ開度調整部102は、上述の全閉時間T2が経過したこと、あるいはEGR診断条件の成立後、継続時間T1に全閉時間T2を加えた合計時間T3が経過したことを条件に、EGRバルブ52を目標開度まで開くようになっている。なお、全閉時間T2は、EGRバルブ52を全閉状態としてからEGRバルブ52を目標開度まで開くまでの時間である。
一方、故障診断部103は、EGRバルブ52の開度が零のときの吸気圧Pin1と全閉時間T2経過後の吸気圧Pin2とに基づき、EGR装置5の故障診断を行うようになっている。なお、本実施形態における吸気圧Pin1と吸気圧Pin2とに基づく故障診断の手法は第1実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
ただし、本実施形態においては、EGRバルブ52の開度が零となった後、全閉時間T2が経過するまでの間、予め定められた回数計測された吸気圧Pinの平均値を上述の吸気圧Pin1として用いることとした。
また、吸気圧Pin2は、全閉時間T2経過後、予め定められた時間間隔で計測される。なお、吸気圧Pin2は、予め定められた時間間隔で計測された複数の計測値の平均値であってもよいし、その複数の計測値の最小値であってもよい。
次に、図8を参照して、本実施形態に係るECU10の故障診断部103により実行されるEGR装置5の故障診断の処理について説明する。図8においても、第1実施形態と同様に各処理の主体をECU10として説明するものとする。
図8に示すように、まず、ECU10は、フューエルカット中であるか否かをF/Cフラグに基づき判定する(ステップS31)。ECU10は、フューエルカット中でないと判定した場合には、フューエルカット中となるまで本ステップの処理を繰り返し実行する。
一方、ECU10は、フューエルカット中であると判定した場合には、EGR診断条件が成立したか否かをEGR診断フラグに基づき判定する(ステップS32)。ECU10は、EGR診断条件が成立していないと判定した場合には、EGR診断条件が成立するまでステップS31およびステップS32の処理を繰り返し実行する。
他方、ECU10は、フューエルカット中にEGR診断条件が成立したと判定した場合には、EGRバルブ52の最大開度を微小開度に設定する(ステップS33)。その後、ECU10は、ステップS33で設定された微小開度までEGRバルブ52を徐々に開く(ステップS34)。
次いで、ECU10は、EGR診断条件の成立後、継続時間T1が経過したか否かを判定する(ステップS35)。ECU10は、継続時間T1が経過していないと判定した場合には、継続時間T1が経過するまでステップS35の処理を繰り返し実行する。
一方、ECU10は、継続時間T1が経過したと判定した場合には、EGRバルブ52を閉じる、すなわち全閉状態とする(ステップS36)。
次いで、ECU10は、EGRバルブ52が全閉状態とされた後、全閉時間T2が経過するまでの間、予め定められた時間間隔で吸気圧Pinを計測し、これらの平均値を吸気圧Pin1として用いる(ステップS37)。
その後、ECU10は、全閉時間T2が経過したか否かを判定する(ステップS38)。ECU10は、全閉時間T2が経過していないと判定した場合には、全閉時間T2が経過するまでステップS38の処理を繰り返し実行する。
一方、ECU10は、全閉時間T2が経過したと判定した場合には、EGRバルブ52を目標開度まで開く(ステップS39)。その後、ECU10は、吸気圧Pin2を計測する(ステップS40)。
次いで、ECU10は、吸気圧Pin2から吸気圧Pin1を差し引いた値である吸気圧差圧ΔPin(=Pin2−Pin1)と予め定められた閾値Pthとを比較する(ステップS41)。その後、ECU10は、吸気圧差圧ΔPinが閾値Pthよりも大きいか否かを判定する(ステップS42)。ECU10は、吸気圧差圧ΔPinが閾値Pthよりも大きいと判定した場合には、EGR装置5が故障してないものと判断して正常判定を行って(ステップS43)、本処理を終了する。
一方、ECU10は、吸気圧差圧ΔPinが閾値Pthよりも大きくない、すなわち小さいと判定した場合には、EGR装置5が故障している可能性が高いものと判断して異常判定を行って(ステップS44)、本処理を終了する。異常判定がなされた場合には、ECU10は、例えば車室内に設けられた警告灯等を点灯させることによって運転者にEGR装置5の故障を報知する。
次に、図9を参照して、本実施形態に係るEGR装置5の故障診断時の作用について説明する。
図9に示すように、本実施形態に係る車両1において、フューエルカット中にEGR診断条件が成立してEGR診断フラグがONになると、EGRバルブ52の開度が微小開度まで徐々に増加される。このとき、吸気通路31a内の排気ガス濃度は、EGRバルブ52を開いた直後から徐々に増加し、その後、EGRバルブ52の開度の増加に伴って徐々に減少する。このときの吸気通路31a内の排気ガス濃度の最大値は、従来のようにEGRバルブ52を故障診断開始時から目標開度まで即座にEGRバルブ52を開く場合と比較して、大幅に低減されている。
その後、継続時間T1が経過すると、EGRバルブ52が一旦、閉じられる。EGRバルブ52の全閉状態は、全閉時間T2が経過するまで継続される。その後、EGRバルブ52が閉じられた後、全閉時間T2が経過、あるいはEGR診断条件の成立後、合計時間T3が経過すると、EGRバルブ52が目標開度まで開かれる。
このとき、エンジン2は、燃焼を停止している。したがって、排気通路41aには、吸気通路31aから導入された新気が排出されている。また、EGR通路51a内の排気ガスは、継続時間T1が経過するまでに掃気されている。よって、EGRバルブ52が目標開度まで開かれても、吸気通路31aには排気通路41a内の新気のみが還流されることとなる。この結果、EGRバルブ52が目標開度で開かれた後は、吸気通路31a内の排気ガス濃度が低減された状態に維持される。
次いで、全閉時間T2の間の吸気圧Pin1と全閉時間T2経過後の吸気圧Pin2とに基づき、EGR装置5の故障診断がECU10によって行われる。このとき、例えばEGR通路51aに目詰まりが生じている閉塞異常時は、図中、破線で示すように、吸気圧Pin2が図中、実線で示す正常時と比較して大幅に低下した状態となる。このため、閉塞異常時は、図中、破線で示すように、吸気圧差圧ΔPinも閾値Pthよりも低い状態となる。故障診断終了後は、再度EGRバルブ52が全閉されるとともに、EGR診断フラグがOFFされる。
以上のように、本実施形態に係るEGR装置5の故障診断装置は、上述の第1実施形態における効果に加えて、次の効果を有する。
すなわち、本実施形態に係るEGR装置5の故障診断装置は、EGR装置5の故障診断を行うにあたって検出される吸気圧Pinの少なくとも一方について、EGRバルブ52が閉じているときの吸気圧Pin1を用いるので、当該吸気圧Pin1を検出する際にエンジン2の回転数変動や負荷変動の影響を回避することができる。したがって、本実施形態に係るEGR装置5の故障診断装置は、EGR装置5の故障診断時に用いられる吸気圧Pinのばらつき、ひいては吸気圧差圧ΔPinのばらつきを抑えることができ、故障診断の精度を向上させることができる。
なお、本実施形態において、EGRバルブ開度調整部102は、EGR診断条件の成立後、微小開度までEGRバルブ52を徐々に開くようにしたが、EGR診断条件の成立後、EGRバルブ52を微小開度まで即座に開き、継続時間T1が経過するまで微小開度に維持する構成としてもよい。
上述の通り、本発明の実施形態を開示したが、当業者によっては本発明の範囲を逸脱することなく変更が加えられうることは明白である。すべてのこのような修正及び等価物が次の請求項に含まれることが意図されている。
1 車両
2 エンジン(内燃機関)
3 吸気装置
4 排気装置
5 EGR装置
10 ECU
31a 吸気通路
34 吸入空気量センサ(吸気パラメータ検出部、吸入空気量検出部)
36 吸気圧センサ(吸気パラメータ検出部、吸気圧検出部)
41a 排気通路
51a EGR通路
52 EGRバルブ
101 フューエルカット制御部
102 EGRバルブ開度調整部
103 故障診断部
104 時間設定部

Claims (7)

  1. 内燃機関の吸気通路と排気通路とを連通し、前記排気通路を流れる排気ガスの一部を前記吸気通路に還流するEGR通路と、前記EGR通路に設けられて前記吸気通路に還流される前記排気ガスの流量を調整するEGRバルブと、前記EGRバルブの開度を調整するEGRバルブ開度調整部と、を備えたEGR装置の故障診断装置であって、
    前記吸気通路内の空気の状態を表す吸気パラメータを検出する吸気パラメータ検出部と、
    予め定められたEGR診断条件が成立したことを条件に、前記EGRバルブ開度調整部によって前記EGRバルブを目標とする目標開度まで開いて前記EGR装置の故障診断を行う故障診断部と、を備え、
    前記EGRバルブ開度調整部は、前記EGR診断条件の成立後、予め定められた継続時間が経過するまで前記EGRバルブの最大開度を前記継続時間中に前記EGR通路内の排気ガスの掃気が完了し、かつ多量の排気ガスが前記吸気通路に一気に流入しない程度の微小開度とし、前記継続時間の経過後に前記EGRバルブの最大開度を前記目標開度とし、
    前記故障診断部は、前記継続時間が経過するまでの前記吸気パラメータと前記継続時間経過後の前記吸気パラメータとに基づき、前記故障診断を行うことを特徴とするEGR装置の故障診断装置。
  2. 前記EGRバルブ開度調整部は、前記継続時間の経過後、予め定められた全閉時間が経過するまで前記EGRバルブの最大開度を零とし、前記全閉時間の経過後に前記EGRバルブの最大開度を前記目標開度とし、
    前記故障診断部は、前記EGRバルブの最大開度が零のときの前記吸気パラメータと前記全閉時間経過後の前記吸気パラメータとに基づき、前記故障診断を行うことを特徴とする請求項1に記載のEGR装置の故障診断装置。
  3. 前記継続時間を設定する時間設定部を備え、
    前記時間設定部は、前記吸気パラメータ検出部によって検出される前記吸気パラメータの値が大きいほど、前記継続時間を短くすることを特徴とする請求項1または2に記載のEGR装置の故障診断装置。
  4. 前記EGRバルブ開度調整部は、前記EGR診断条件の成立後、前記EGRバルブの開度を前記微小開度まで所定の割合で増加させることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のEGR装置の故障診断装置。
  5. 前記EGRバルブ開度調整部は、前記EGR診断条件の成立後、前記継続時間が経過するまで前記EGRバルブの開度を前記微小開度に維持することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のEGR装置の故障診断装置。
  6. 前記吸気パラメータ検出部は、前記吸気パラメータとして前記内燃機関の吸入空気の圧力である吸気圧を検出する吸気圧検出部で構成されることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のEGR装置の故障診断装置。
  7. 前記吸気パラメータ検出部は、前記吸気パラメータとして前記内燃機関の吸入空気量を検出する吸入空気量検出部で構成されることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のEGR装置の故障診断装置。
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