JP3721671B2 - 車両用故障診断装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、排気中の酸素濃度を検出する酸素濃度検出手段の検出値を利用して排気エミッションを支配するエンジン制御システム構成部品の故障の有無を診断する機能を備えた車両用故障診断装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、ガソリンエンジンでは、排気管中に酸素濃度センサを設置して、この酸素濃度センサの出力信号に基づいて空燃比をストイキ(理論空燃比)にフィードバック制御することで、排気管中に設置した三元触媒の排気浄化効率を高めるようにしている。近年、この酸素濃度センサの出力信号から酸素濃度センサの故障診断や、排気還流装置(EGR)の故障診断を行うものが提案されている。
【0003】
酸素濃度センサの故障診断は、特公平6−35848号公報に示すように、空燃比補正係数の減量・増量の積分値から判定したり、特公平4一52385公報に示すように、エンジン回転数変動から判定したり、特開昭61−212643号公報に示すように、所定時間の酸素センサの変動幅から判定するものが提案されている。
【0004】
また、EGRの故障診断は、特開昭62−159756号公報に示すように、EGRをオン、オフした時の酸素濃度センサの出力信号のシフト量から判定するものが提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述した技術は、いずれもガソリンエンジンについて提案されたものであが、最近、ディーゼルエンジンについても、排気浄化率向上等を狙って、排気管に酸素濃度センサを設置し、この酸素濃度センサの出力に基づいてEGR等の制御を行うことが考えられている。従って、ディーゼルエンジンについても、上述したガソリンエンジンにおける故障診断技術をそのまま転用できれば、ディーゼルエンジンの故障診断システムを容易に構築できる。
【0006】
しかし、ガソリンエンジンは、酸素濃度センサの検出値に基づいて空燃比をストイキ状態に制御するため、故障発生時には酸素濃度センサの検出値の変動によって比較的故障を検知しやすい特徴を持つのに対し、ディーゼルエンジンは、後述する表1に示すように、運転状態が変化する毎に、酸素濃度センサの検出値が大きく変動するために、その検出値の変動だけでは故障を判定できない。しかも、ディーゼルエンジンは、ガソリンエンジンに比べ、低負荷でEGRが作動する特有の問題のために、酸素濃度センサの検出値のみでは酸素濃度センサの故障かEGRの故障かを判別できない。以上のことから、従来のガソリンエンジンの故障診断技術をそのままディーゼルエンジンに転用することはできない。
【0007】
本発明はこのような事情を考慮してなされたものであり、従ってその目的は、ディーゼルエンジン等の内燃機関において、酸素濃度検出手段の検出値に基づいて、エンジン制御システム構成部品の故障診断を精度良く行うことができる車両用故障診断装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1の車両用故障診断装置は、内燃機関から排出される排気中の酸素濃度を検出する酸素濃度検出手段と、排気の一部を吸気系へ還流させる排気還流手段と、前記内燃機関の各気筒毎に燃料噴射量を制御する燃料噴射制御手段とを備えた車両に搭載されるものにおいて、前記排気還流手段が作動していない運転状態の時に、故障診断の対象となる1つの気筒(以下「診断気筒」という)で燃料噴射量を増量又は減量し、他の気筒の燃料噴射量を前記診断気筒の燃料噴射量の増減分をキャンセルするように補正し、その時の前記酸素濃度検出手段の検出値に基づいて前記診断気筒の燃料噴射制御手段の故障の有無を診断し、この故障診断を、診断気筒を順番に替えて全気筒について行う燃料噴射系故障診断手段を備えた構成としたものである。
【0009】
ところで、燃料噴射制御手段の故障診断を行う際に、排気還流手段が作動していると、排気中の酸素濃度が排気還流による影響を受けて変動するため、燃料噴射制御手段の故障診断を行うことはできない。
【0010】
そこで、請求項では、燃料噴射系故障診断手段は、排気還流手段が作動していない運転状態の時に、次のようにして燃料噴射制御手段の故障診断を行う。故障診断の対象となる1つの気筒(以下「診断気筒」という)で燃料噴射量を増量又は減量し、他の気筒の燃料噴射量を前記診断気筒の燃料噴射量の増減分をキャンセルするように補正し、その時の酸素濃度検出手段の検出値に基づいて前記診断気筒の燃料噴射制御手段の故障の有無を診断し、この故障診断を、診断気筒を順番に替えて全気筒について行う。
【0011】
この故障診断時には、全気筒の燃料噴射量が気筒別に増減されるが、全気筒の燃料噴射制御手段が正常に機能している場合には、全気筒の燃料噴射量合計値は一定に保たれ、エンジン出力の変動が抑えられると共に、全気筒の燃料噴射が一巡するクランク軸2回転(720℃A)間で平均して見れば、排気中の酸素濃度も変化しない。しかし、診断気筒の燃料噴射制御手段が故障していると、その診断気筒の燃料噴射量を増量又は減量しようとしても、それが実行できない。この場合でも、診断気筒以外の気筒の燃料噴射量は、診断気筒の故障とは関係なく、補正されるため、全気筒の燃料噴射量合計値が変化して、全気筒の燃料噴射が一巡する間の平均的な排気中の酸素濃度が変化する。このような特性を利用することで、燃料噴射量増減補正後の酸素濃度検出手段の検出値に基づいて診断気筒の燃料噴射制御手段の故障の有無を精度良く診断することができる。
【0012】
また、排気還流手段と吸気過給手段(過給機)の双方を搭載した車両では、燃料噴射制御手段の故障診断を行う場合、排気還流手段が作動していなくても、吸気過給手段が作動していると、排気中の酸素濃度が過給空気による影響を受けて変動するため、燃料噴射制御手段の故障診断を精度良く行うことはできない。
【0013】
従って、この場合には、請求項のように、排気還流手段及び吸気過給手段の双方が作動していない運転状態の時に、燃料噴射制御手段の故障診断を実施することが好ましい。このようにすれば、排気還流手段と吸気過給手段の双方を搭載した車両でも、酸素濃度検出手段の検出値に基づいて燃料噴射制御手段の故障診断を精度良く行うことができる。
【0014】
更に好ましくは、請求項のように、排気還流手段及び吸気過給手段の双方が作動していない運転状態で且つ高負荷低回転の時に、燃料噴射制御手段の故障診断を実施すると良い。つまり、高負荷低回転の時には、燃料噴射量が多く(高負荷のため)、診断気筒の燃料噴射量の増減幅を大きく取れると共に、高回転時と比較して、低回転時の方が各気筒の燃料噴射と酸素濃度検出手段の検出値との関係を把握しやすい。従って、高負荷低回転の時に、燃料噴射制御手段の故障診断を実施すれば、故障診断精度を更に向上することができる。
【0015】
この場合、請求項のように、故障診断時に酸素濃度検出手段の検出値の平均値に基づいて診断気筒の燃料噴射制御手段の故障の有無を診断しても良い。前述したように、全気筒の燃料噴射制御手段が正常に機能している場合には、全気筒の燃料噴射量合計値は一定に保たれるが、診断気筒が故障している場合には、全気筒の燃料噴射量合計値が変化する。この燃料噴射量合計値は酸素濃度検出手段の検出値の平均値で評価できるため、酸素濃度検出手段の検出値の平均値に基づいて診断気筒の燃料噴射制御手段の故障診断を精度良く行うことができる。
【0019】
更に、請求項のように、燃料噴射制御手段の故障診断を行った後、吸気過給手段の故障診断を行うようにすると良い。吸気過給手段の作動領域は、高負荷高回転領域であり、燃料噴射量が多い領域で吸気過給手段の故障診断を行うため、燃料噴射制御手段の動作不良があると、その影響が大きい。従って、燃料噴射制御手段の故障診断を行って、燃料噴射制御手段が正常に機能していることを確認してから吸気過給手段の故障診断を行えば、故障診断の信頼性を向上できる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。まず、図1に基づいてエンジン制御システム全体の概略構成を説明する。内燃機関であるディーゼルエンジン11の吸気管12には、吸気過給手段としてターボ過給機13の吸気タービン14が設置されている。このターボ過給機13の吸気タービン14と連結された排気タービン15がディーゼルエンジン11の排気管16内に設置され、この排気タービン15を排気ガスの運動エネルギによって回転駆動することで、吸気タービン14を回転させて過給圧を発生させる。排気タービン15の下流側の排気管16内には、排気中の酸素濃度を検出する酸素濃度検出手段として限界電流式の酸素濃度センサ17が設置されている。
【0021】
吸気タービン14の下流側の吸気管12には、電子スロットル方式の吸気絞り弁18が設けられている。この吸気絞り弁18の下流側の吸気管12と排気タービン15の上流側の排気管16との間にはEGR配管19が接続され、このEGR配管19の途中に電子制御式のEGR弁20が設置され、このEGR弁20の弁開度を調整することで、EGR配管19を通過するEGR流量が制御される。これらEGR配管19、EGR弁20及び吸気絞り弁18から排気還流手段である排気還流装置(EGR装置)21が構成されている。EGR流量を制御するEGR弁20は、電子制御式のものであれば良く、その駆動源は、バキュームポンプの負圧、ステップモータ等のいずれであっても良い。
【0022】
尚、吸気絞り弁18は、アクセル操作とは連動せず、エンジン停止時の振動を低減する目的で、燃料をカットする前に吸気絞り弁18を閉鎖して吸入空気量を大幅に減少させ、噴射した燃料が失火してディーゼルエンジン11が停止してから燃料がカットされる。また、EGR装置21で多量のEGR流量を吸気系へ戻す場合には、吸気絞り弁18の開度を小さくして吸入空気量を減少させ、EGR率を増加させる。ディーゼルエンジン11の各気筒には、燃料噴射制御手段としてインジェクタ22が取り付けられている。
【0023】
ディーゼルエンジン11の運転状態は、エンジン回転数センサ、アクセルセンサ、車速センサ、エンジン水温センサ等のエンジン運転状態検出手段25によって検出され、このエンジン運転状態検出手段25と酸素濃度センサ17の出力信号は、エンジン制御用コンピュータ26と故障診断用コンピュータ27とに読み込まれる。エンジン制御用コンピュータ26は、エンジン運転状態検出手段25で検出したエンジン運転状態に基づいて、各気筒の燃料噴射量や噴射時期を算出して、その噴射信号を各気筒のインジェクタ22に出力して燃料噴射制御を実行すると共に、酸素濃度センサ17で検出した排気中の酸素濃度が目標酸素濃度と一致するようにEGR装置21のEGR流量(EGR弁20と吸気絞り弁18の弁開度)を制御して、NOx排出量を低減する。
【0024】
一方、故障診断用コンピュータ27に内蔵されたROM(記憶媒体)には、図2乃至図6に示す故障診断用のプログラムが記憶されている。故障診断用コンピュータ27は、これらの故障診断用のプログラムを実行することで、酸素濃度センサ17の出力信号に基づいて、EGR装置21、ターボ過給機13、インジェクタ22及び酸素濃度センサ17の故障診断を行う。この故障診断用コンピュータ27にはデータベース記憶手段28が接続され、このデータベース記憶手段28には、故障診断に用いる各種の判定値や、この判定値を算出するための基礎データが記憶されている。このデータベース記憶手段28は、外付けでも良いが、故障診断用コンピュータ27に内蔵させても良い。
【0025】
更に、故障診断用コンピュータ27には、警告表示器、警告音発生器等の警告手段29が接続され、故障検出時には、警告手段29で故障の警告を行うと共に、故障診断用コンピュータ27に内蔵されたバックアップRAM等の書込み可能な不揮発性メモリ(図示せず)に故障データが記憶される。
【0026】
以下、この故障診断用コンピュータ27が実行する図2乃至図6の故障診断用の各プログラムの内容を説明する。
【0027】
[故障診断メインプログラム]
図2に示す故障診断メインプログラムは、故障診断の順序を制御するプログラムであり、イグニッションスイッチ(図示せず)のオン後に所定時間毎又は所定クランク角毎に繰り返し実行される。この故障診断メインプログラムが起動されると、まずステップ100で、後述する図3の酸素濃度検出センサ故障診断プログラムを実行する。次のステップ200で、後述する図4のEGR故障診断プログラムを実行した後、ステップ300で、後述する図5のインジェクタ故障診断プログラムを実行する。そして、最後のステップ400で、後述する図6のターボ過給機故障診断プログラムを実行する。
【0028】
以上の順序で各故障診断プログラムを実行することで、酸素濃度検出センサ17の故障診断→EGR装置21の故障診断→インジェクタ22の故障診断→ターボ過給機13の故障診断の順序で故障診断が行われる。いずれの故障診断も、酸素濃度センサ17の検出値に基づいて故障を判定するため、酸素濃度センサ17が故障していたのでは、EGR装置21等の故障診断を行うことができない。それ故に、この実施形態では、最初に、酸素濃度センサ17の故障診断を行い、その後に、EGR装置21等の故障診断を行うことで、故障診断の信頼性を向上させる。
【0029】
この故障診断は、次の表1に示すようなエンジン回転数、トルク(負荷)、EGR装置21のオン/オフ、酸素濃度センサ17の検出値の関係を利用して行われる。
【0030】
【表1】
Figure 0003721671
【0031】
図7に示すように、酸素濃度センサ17の検出値は、ある変動幅を持って変動し、その平均検出値と変動幅は、気筒内部での燃料の燃焼条件により変動する。つまり、酸素濃度センサ17の平均検出値と変動幅は、エンジン回転数、トルク、燃料噴射量の変化によって変動することはもとより、気筒内の酸素濃度を低下させて燃焼温度を低下させるために作動されるEGR装置21の作動状態や、吸入空気量を増加させるターボ過給機13の作動状態によっても大きく変化する(表1参照)。同じエンジン回転数で、トルクが増加した場合、その必要トルクを得るために、インジェクタ22の燃料噴射量が増加するため、酸素濃度センサ17の平均検出値が低下し、変動幅は増加する。また、EGR装置21がオンされると、同様に酸素濃度センサ17の平均検出値が低下し、変動幅は増加する。このようにエンジン運転条件によって排気中の酸素濃度が大きく変化する現象は、三元触媒を用いるために排気の空然比を一定に制御するガソリンエンジンでは有り得ない。
【0032】
この実施形態では、エンジン運転条件によって排気中の酸素濃度が大きく変化する現象を利用し、酸素濃度センサ17の検出値に基づいて、排気エミッションを支配する全てのエンジン制御システム構成部品の故障診断を行うものである。[酸素濃度検出センサ故障診断プログラム]
図3に示す酸素濃度検出センサ故障診断プログラムは、特許請求の範囲でいう酸素濃度検出系故障診断手段としての役割を果たし、エンジン始動後、EGR装置21が作動する以前のアイドル運転期間中に、酸素濃度センサ17の検出値に基づいて該酸素濃度センサ17の故障の有無を診断する。つまり、エンジン始動後、EGR装置21が作動する以前のアイドル運転期間(アイドル運転期間はターボ過給機13が作動しない)では、ある程度の暖機が行われてエンジン回転数が低回転で安定した後は、燃料噴射量が少なく、燃料噴射の影響による排気中の酸素濃度の変動が比較的少なく安定している(表1参照)。従って、EGR装置21が作動する以前のアイドル運転期間中に、酸素濃度センサ17の検出値が異常な値を示せば、それを酸素濃度センサ17の故障と診断することができる。これを利用し、酸素濃度検出センサ故障診断プログラムは、EGR装置21が作動する以前のアイドル運転期間中に酸素濃度センサ17の故障診断を行うものである。
【0033】
以下、この酸素濃度検出センサ故障診断プログラムの処理の流れを図3のフローチャートに従って説明する。本プログラムが起動されると、まずステップ101で、エンジン始動後のエンジン暖機状態を判定するために、エンジン冷却水温が例えば60℃以上であるか否かを判定し、60℃未満であれば、60℃以上になるまで待機する。その後、エンジン冷却水温が60℃以上になった時点で、ステップ101からステップ102に進み、アクセルがオフか否か、すなわちアイドル運転中か否かを判定し、アクセルが踏み込まれていれば、アクセルがオフになるまで待機する。
【0034】
アクセルがオフであれば、ステップ103に進み、車速ゼロ(停車中)であるか否かを判定し、車速ゼロでなければ、ステップ102に戻って、アクセルオフ、車速ゼロになるまで待機する。アクセルオフ、車速ゼロの場合には、ステップ104に進み、EGR装置21がオフ(作動停止)か否かを判定し、既にEGR装置21がオン(作動中)であれば、以降の故障診断処理を行うことなく、本プログラムを終了する。
【0035】
一方、EGR装置21がオフ(作動停止)であれば、ステップ105に進み、故障診断の判定値を設定する。ここで、判定値の設定方法としては、現在のエンジン運転状態から予測される酸素濃度センサ17の検出値の範囲(予測検出値の最小値と最大値)を判定値として設定する。この判定値は、データベース記憶手段28に記憶されている記憶値を読み込んで設定したり、エンジン運転状態検出手段25で検出した運転状態から算出したり、或は、エンジン運転状態検出手段25とデータベース記憶手段28の双方の信号から算出しても良い。
【0036】
このようにして予測検出値の最小値と最大値を判定値として設定した後、ステップ106に進み、酸素濃度センサ17の検出値(平均検出値が好ましい)をステップ105で設定した最小値と最大値の判定値と比較し、酸素濃度センサ17の検出値が2つの判定値の範囲内であるか否かを判定する。もし、酸素濃度センサ17の検出値が2つの判定値の範囲内にあれば、ステップ107に進み、酸素濃度センサ17が正常と判定して、本プログラムを終了する。
【0037】
これに対し、ステップ106で、酸素濃度センサ17の検出値が2つの判定値の範囲から外れていると判定された場合には、酸素濃度センサ17が排気中の酸素濃度に対応する出力を発生しない状態、すなわち故障状態になっているので、ステップ108に進み、酸素濃度センサ17が故障と判定し、次のステップ109で、警告手段29で故障の警告を行うと共に、故障診断用コンピュータ27に内蔵されたバックアップRAM等の書込み可能な不揮発性メモリ(図示せず)に酸素濃度センサ17の故障データを記憶して、本プログラムを終了する。
【0038】
以上説明した処理では、予測検出値の最小値と最大値の双方を判定値としたが、いずれか一方のみを判定値としても良い。この判定値と比較する酸素濃度センサ17の検出値は、平均値が好ましいが、平均値でなくても良い。
【0039】
[EGR故障診断プログラム]
図4に示すEGR故障診断プログラムは、特許請求の範囲でいう排気還流系故障診断手段としての役割を果たし、上述した図3の酸素濃度検出センサ故障診断プログラムを終了した後に、実行される。
【0040】
まず、EGR装置21の故障診断の概要を説明する。エンジン始動後のEGR装置21が作動していないアイドル運転期間(アイドル運転期間はターボ過給機13が作動しない)では、ある程度の暖機が行われてエンジン回転数が低回転で安定した後は、燃料噴射量が少なく、燃料噴射の影響による排気中の酸素濃度の変動が比較的少なく、しかも、比較的多量の排気還流を行うことが可能である。従って、この運転領域でEGR装置21を短時間作動させて、一時的に多量の排気還流を行うと、排気中の酸素濃度が一時的に大きく低下するが(表1参照)、EGR装置21が故障して排気の還流が行われない場合には、排気還流による酸素濃度低下は起こらない。この性質を利用し、酸素濃度検出センサ故障診断プログラムは、アイドル運転期間中の所定時期にEGR装置21を短時間作動させて、その前後の酸素濃度センサ17の検出値の変化量を見ることで、EGR装置21の故障診断を行うものである。
【0041】
以下、このEGR故障診断プログラムの処理の流れを図4のフローチャートに従って説明する。ステップ201〜204の処理は、図3のステップ101〜104の処理と全く同じである。すなわち、エンジン始動後、エンジン冷却水温が例えば60℃以上で、且つアクセルオフ、車速ゼロの場合に、EGR装置21がオフ(作動停止)か否かを判定し、既にEGR装置21がオン(作動中)であれば、以降の故障診断処理を行うことなく、本プログラムを終了する。
【0042】
一方、EGR装置21がオフ(作動停止)であれば、ステップ205に進み、EGR装置21をオンし、EGR弁20を開放し吸気絞り弁18を指定量閉じて排気の還流を行う。この後、ステップ206に進み、現在のエンジン運転状態に対応する故障診断の判定値を設定する。ここで、判定値は、EGR装置21が正常な場合にEGR装置21をオフからオンに切り換えた時の酸素濃度センサ17の検出値(平均検出値が好ましい)の変化量の最小値に相当する値に設定する。この判定値は、データベース記憶手段28に記憶されている記憶値を読み込んで設定したり、エンジン運転状態検出手段25で検出した運転状態から算出したり、或は、エンジン運転状態検出手段25とデータベース記憶手段28の双方の信号から算出しても良い。
【0043】
このようにして判定値を設定した後、ステップ207に進み、EGR装置21をオフからオンに切り換えた時の酸素濃度センサ17の検出値(平均検出値が好ましい)の変化量を上記判定値と比較して、検出値の変化量が判定値以上であれば、ステップ208に進み、EGR装置21が正常と判定し、続くステップ211で、EGR装置21をオフして本プログラムを終了する。
【0044】
これに対し、ステップ207で、酸素濃度センサ17の検出値の変化量が判定値より小さいと判定された場合には、EGR流量が流れない状態、すなわち故障状態になっているので、ステップ209に進み、EGR装置21が故障と判定し、次のステップ210で、警告手段29で故障の警告を行うと共に、故障診断用コンピュータ27に内蔵された書込み可能な不揮発性メモリ(図示せず)にEGR装置21の故障データを記憶し、続くステップ211で、EGR装置21をオフして本プログラムを終了する。
【0045】
尚、上記ステップ205では、EGR装置21をオンしてEGR弁20と吸気絞り弁18の双方を同時に作動させて排気の還流を行うようにしたが、EGR弁20と吸気絞り弁18とを別々に開放、指定量閉じて、EGR弁20と吸気絞り弁18の各々について故障診断を上述と同様の方法で行うようにしても良い。このようにすれば、EGR装置21の故障発生時に、その故障箇所がEGR弁20と吸気絞り弁18のいずれであるか特定できる。この場合、EGR弁20と吸気絞り弁18の双方を同時に作動させてEGR装置21の故障診断を行い、故障と診断された時にEGR弁20と吸気絞り弁18とを別々に開放して故障診断して、故障箇所を特定するようにしても良い。
【0046】
但し、本発明は、吸気絞り弁18を省略して、EGR弁20のみでEGR流量を制御する構成としても良いことは言うまでもない。
【0047】
[インジェクタ故障診断プログラム]
図5に示すインジェクタ故障診断プログラムは、特許請求の範囲でいう燃料噴射系故障診断手段としての役割を果たし、上述した図4のEGR故障診断プログラムを終了した後に、実行される。インジェクタ22の故障診断を行う場合、EGR装置21やターボ過給機13が作動していると、排気中の酸素濃度が排気還流や過給による影響を受けて変動するため、インジェクタ22の故障診断を行うことはできない。
【0048】
そこで、このインジェクタ故障診断プログラムでは、まずステップ301で、EGR装置21とターボ過給機13の双方が作動しない運転領域であるか否かを判定し、もし、EGR装置21やターボ過給機13が作動していれば、以降の故障診断処理を行うことなく、本プログラムを終了する。
【0049】
一方、ステップ301でEGR装置21とターボ過給機13の双方が作動しない運転領域であると判断された場合には、ステップ302に進み、高負荷低回転領域であるかを判定し、高負荷低回転領域でない場合には、以降の故障診断処理を行うことなく、本プログラムを終了し、高負荷低回転領域の場合に限り、ステップ303以降の処理によってインジェクタ22の故障診断を行う。
【0050】
ここで、高負荷低回転領域で故障診断を行う理由は、高負荷低回転領域では、燃料噴射量が多く(高負荷のため)、故障診断の対象となる1つの気筒の燃料噴射量の増加量(ひいては他の気筒の燃料噴射量の減少量)を大きく取れると共に、高回転時と比較して、低回転時の方が各気筒の燃料噴射と酸素濃度センサ17の検出値との関係を把握しやすいためである。更に、高負荷時には、燃料噴射量が多くなることで、排気中の酸素濃度が低くなるため、排気中の酸素濃度が高くなる低負荷時と比較して、酸素濃度センサ17の検出精度が高くなるという酸素濃度センサ17の検出特性もある。
【0051】
ステップ303以降で行う故障診断処理は、次のようにして行われる。まず、ステップ303で、故障診断の対象となる1つの気筒(以下「診断気筒」という)のみ燃料噴射量を所定量Fだけ増量し、他の5気筒(6気筒エンジンの場合)の燃料噴射量をそれぞれF/5ずつ減量する。一般に、N気筒エンジンで、1気筒のみ燃料噴射量を所定量Fだけ増量する場合には、他の(N−1)気筒の燃料噴射量をそれぞれF/(N−1)ずつ減量する。
【0052】
これにより、全気筒の燃料噴射量が気筒別に増減されるが、全気筒のインジェクタ22が正常に機能している場合には、全気筒の燃料噴射量合計値は一定に保たれ、エンジン出力の変動が抑えられると共に、全気筒の燃料噴射が一巡するクランク軸2回転(720℃A)間で平均して見れば、排気中の酸素濃度も変化しない。しかし、診断気筒のインジェクタ22が故障していると、その診断気筒の燃料噴射量を増量しようとしても、それが実行できない。この場合でも、診断気筒以外の気筒の燃料噴射量は、診断気筒の故障とは関係なく、減量補正されるため、全気筒の燃料噴射量合計値が減少して、全気筒の燃料噴射が一巡する間の平均的な排気中の酸素濃度が増加する。このような特性を利用することで、燃料噴射量増減補正後の酸素濃度センサ17の検出値に基づいて診断気筒のインジェクタ22の故障の有無を精度良く診断するものである。
【0053】
前述したように、ステップ303で、各気筒の燃料噴射量を増減した後、ステップ304で、酸素濃度センサ17の平均検出値が現在のエンジン運転状態から予測される許容範囲内であるか否かを判定する。ここで、平均検出値(検出値の平均値)を用いる理由は、次の通りである。すなわち、全気筒のインジェクタ22が正常に機能している場合には、ステップ303で、各気筒の燃料噴射量を増減しても、全気筒の燃料噴射量合計値は一定に保たれるが、診断気筒が故障している場合には、全気筒の燃料噴射量合計値が変化する。この燃料噴射量合計値はインジェクタ22の平均検出値で評価できるため、図7に示すように、各気筒毎に酸素濃度センサ17の検出値(燃料噴射量)が変動しても、その平均検出値(燃料噴射量合計値に対応)を用いることで、診断気筒のインジェクタ22の故障診断を精度良く行うことができる。
【0054】
尚、上述した現在のエンジン運転状態から予測される許容範囲は、データベース記憶手段28に記憶されている記憶値を読み込んで設定したり、エンジン運転状態検出手段25で検出した運転状態から算出したり、或は、エンジン運転状態検出手段25とデータベース記憶手段28の双方の信号から算出しても良い。
【0055】
前述したステップ304で、酸素濃度センサ17の平均検出値が許容範囲外と判定された場合には、燃料噴射量合計値が変化したことを意味し、燃料噴射量合計値の変化は、診断気筒のインジェクタ22の故障を意味するため、この場合には、ステップ305に進み、診断気筒のインジェクタ22が故障と判定し、続くステップ306で、警告手段29で故障気筒の警告を行うと共に、故障診断用コンピュータ27に内蔵された書込み可能な不揮発性メモリ(図示せず)に故障気筒のデータを記憶する。
【0056】
一方、前述したステップ304で、酸素濃度センサ17の平均検出値が許容範囲内と判定された場合には、燃料噴射量合計値が一定であることを意味するため、ステップ307に進み、診断気筒のインジェクタ22が正常と判定する。このようにして、診断気筒のインジェクタ22の正常/故障を判定した後、ステップ308に進み、全気筒の故障診断が終了したか否かを判定し、終了していなければ、ステップ301に戻り、EGR装置21とターボ過給機13の双方が作動していない運転状態で且つ高負荷低回転の時に、診断気筒を替えてインジェクタ22の故障診断を繰り返す。この後、全気筒の故障診断が終了した時、又は、ステップ301,302のいずれかの判定が「No」となった時に、本プログラムを終了する。
【0057】
尚、上記ステップ303では、診断気筒の燃料噴射量を増量するようにしたが、これを減量し、他の気筒の燃料噴射量を診断気筒の燃料噴射量の減量分をキャンセルするように増量補正するようにしても良い。
【0058】
また、上記ステップ304では、酸素濃度センサ17の平均検出値が許容範囲内であるか否かで、正常/故障の判定を行うようにしたが、酸素濃度センサ17の平均検出値を判定値と比較して正常/故障の判定を行うようにしても良い。この場合、判定値の設定方法としては、現在のエンジン運転状態から予測される酸素濃度センサ17の平均検出値の最小値(診断気筒の燃料噴射量を減量する場合には予測平均検出値の最大値)を判定値として設定すれば良い。この判定値は、データベース記憶手段28に記憶されている記憶値を読み込んで設定したり、エンジン運転状態検出手段25で検出した運転状態から算出したり、或は、エンジン運転状態検出手段25とデータベース記憶手段28の双方の信号から算出しても良い。
【0059】
また、酸素濃度センサ17の平均検出値を用いたが、酸素濃度センサ17の検出値の積分値(積算値)を用いても、同様の効果が得られる。
【0060】
[ターボ過給機故障診断プログラム]
図6に示すターボ過給機故障診断プログラムは、特許請求の範囲でいう吸気過給系故障診断手段としての役割を果たし、上述した図5のインジェクタ故障診断プログラムを終了した後に、実行される。
【0061】
まず、ターボ過給機13の故障診断の概要を説明する。ターボ過給機13が正常に機能している場合には、過給時の排気中の酸素濃度は過給効果により上昇し且つ比較的安定しているが、ターボ過給機13が故障している場合には、このような過給効果による酸素濃度上昇は起こらず、吸入空気量が変動して排気中の酸素濃度の変動幅が大きくなる傾向がある。従って、EGR装置21が作動しない運転領域、つまりEGR装置21の影響を受けない領域で、ターボ過給機13が作動している時に、排気中の酸素濃度を酸素濃度センサ17で検出して、その検出値の変動幅に基づいてターボ過給機13の故障の有無を診断すれば、従来の三元触媒を用いるガソリンエンジンでは行うことができなかったターボ過給機13の故障診断を精度良く行うことができる。
【0062】
以下、このターボ過給機故障診断プログラムの処理の流れを図6のフローチャートに従って説明する。本プログラムが起動されると、まずステップ401で、エンジン始動後のエンジン暖機状態を判定するために、エンジン冷却水温が例えば80℃以上であるか否かを判定し、80℃未満であれば、80℃以上になるまで待機する。その後、エンジン冷却水温が80℃以上になった時点で、ステップ401からステップ402に進み、ターボ過給機13の作動領域であるか否かを判断するために、エンジン回転数が例えば2000rpm以上であるか否かを判定し、2000rpm未満の場合には2000rpm以上になるまで待機する。
【0063】
その後、2000rpm以上になれば、ステップ403に進み、EGR装置21がオフ(作動停止)か否かを判断し、EGR装置21がオン(作動中)であれば、ステップ402に戻り、2000rpm以上で且つEGR装置21がオフとなるまで待機する。
【0064】
その後、2000rpm以上で且つEGR装置21がオフになれば、ステップ404に進み、現在のエンジン運転状態に対応する故障診断の判定値を設定する。ここで、判定値は、ターボ過給機13が正常な場合の酸素濃度センサ17の検出値の変動幅の最大値に相当する値に設定する。この判定値は、データベース記憶手段28に記憶されている記憶値を読み込んで設定したり、エンジン運転状態検出手段25で検出した運転状態から算出したり、或は、エンジン運転状態検出手段25とデータベース記憶手段28の双方の信号から算出しても良い。
【0065】
このようにして判定値を設定した後、ステップ405に進み、酸素濃度センサ17の検出値の変動幅(図7に示す検出値の最大値と最小値の差)を上記判定値と比較して、検出値の変動幅が判定値以下であれば、ステップ408に進み、ターボ過給機13が正常と判定し、本プログラムを終了する。
【0066】
これに対し、ステップ405で、酸素濃度センサ17の検出値の変動幅が判定値を越えていると判定された場合には、ステップ406に進み、ターボ過給機13が故障と判定し、次のステップ407にて、警告手段29で故障の警告を行うと共に、故障診断用コンピュータ27に内蔵された書込み可能な不揮発性メモリ(図示せず)にターボ過給機13の故障データを記憶して本プログラムを終了する。
【0067】
尚、上記ステップ405では、酸素濃度センサ17の検出値の変動幅が判定値を越えているか否かで、ターボ過給機13の故障/正常を判定するようにしたが、酸素濃度センサ17の平均検出値が現在のエンジン運転状態から予測される許容範囲内であるか否かで、ターボ過給機13の正常/故障を判定するようにしても良い。また、酸素濃度センサ17の平均検出値と変動幅を用いて判定し、いずれか一方が許容範囲、判定値を越えた場合にターボ過給機13が故障と判定するようにしても良い。勿論、平均検出値と変動幅の双方が許容範囲、判定値を越えた場合にターボ過給機13が故障と判定するようにしても良い。
【0068】
ところで、ターボ過給機13の作動領域は、高負荷高回転領域であり、燃料噴射量が多い領域で、ターボ過給機13の故障診断を行うため、インジェクタ22の動作不良があると、その影響が大きい。
【0069】
この点を考慮し、本実施形態では、インジェクタ22の故障診断を行って、インジェクタ22が正常に機能していることを確認してからターボ過給機13の故障診断を行なうので、ターボ過給機13の故障診断の信頼性を向上できる。
【0070】
以上説明したように故障診断を行えば、酸素濃度センサ17の検出値に基づいて、排気エミッションを支配する全てのエンジン制御システム構成部品の故障診断が可能となる。
【0071】
尚、故障診断の順序は、上述した酸素濃度検出センサ17→EGR装置21→インジェクタ22→ターボ過給機13の順序が最も精度良く故障診断できるが、これと異なる順序で故障診断を行うようにしても良い。また、必ずしも、これら全て部品の故障診断を行う必要はなく、一部でも実施可能である。
【0072】
また、図3〜図6の各故障診断プログラムは、1回でも故障と判定すると、直ちに故障の警告が行われるが、故障の判定が所定回数連続した時に、最終的に故障と診断して故障の警告を行うようにしても良い。
【0073】
また、図1のシステム構成例では、エンジン制御用コンピュータ26と故障診断用コンピュータ27とを別々に設けたが、1つのコンピュータにエンジン制御と故障診断の双方の機能を持たせても良い。
【0074】
その他、本発明を適用可能な内燃機関は、ディーゼルエンジンに限定されず、筒内噴射(直噴)式ガソリンエンジン、ガソリンリーンバーンエンジン等にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すエンジン制御システム全体の構成図
【図2】故障診断メインプログラムの処理の流れを示すフローチャート
【図3】酸素濃度センサ故障診断プログラムの処理の流れを示すフローチャート
【図4】EGR故障診断プログラムの処理の流れを示すフローチャート
【図5】インジェクタ故障診断プログラムの処理の流れを示すフローチャート
【図6】ターボ過給機故障診断プログラムの処理の流れを示すフローチャート
【図7】酸素濃度センサの出力波形を示すタイムチャート
【符号の説明】
11…ディーゼルエンジン(内燃機関)、12…吸気管、13…ターボ過給機(吸気過給手段)、16…排気管、17…酸素濃度センサ(酸素濃度検出手段)、18…吸気絞り弁、19…EGR配管、20…EGR弁、21…EGR装置(排気還流手段)、22…インジェクタ(燃料噴射制御手段)、25…エンジン運転状態検出手段、26…エンジン制御用コンピュータ、27…故障診断用コンピュータ(排気還流系故障診断手段,燃料噴射系故障診断手段,吸気過給系故障診断手段,酸素濃度検出系故障診断手段)、28…データベース記憶手段、29…警告手段。

Claims (5)

  1. 内燃機関から排出される排気中の酸素濃度を検出する酸素濃度検出手段と、排気の一部を吸気系へ還流させる排気還流手段と、前記内燃機関の各気筒毎に燃料噴射量を制御する燃料噴射制御手段とを備えた車両に搭載される車両用故障診断装置において、
    前記排気還流手段が作動していない運転状態の時に、故障診断の対象となる1つの気筒(以下「診断気筒」という)で燃料噴射量を増量又は減量し、他の気筒の燃料噴射量を前記診断気筒の燃料噴射量の増減分をキャンセルするように補正し、その時の前記酸素濃度検出手段の検出値に基づいて前記診断気筒の燃料噴射制御手段の故障の有無を診断し、この故障診断を、診断気筒を順番に替えて全気筒について行う燃料噴射系故障診断手段を備えていることを特徴とする車両用故障診断装置。
  2. 請求項に記載の車両用故障診断装置において、
    前記内燃機関の吸気系に過給圧を作用させる吸気過給手段を備え、
    前記燃料噴射系故障診断手段は、前記排気還流手段及び前記吸気過給手段の双方が作動していない運転状態の時に、前記燃料噴射制御手段の故障診断を実施することを特徴とする車両用故障診断装置。
  3. 請求項に記載の車両用故障診断装置において、
    前記燃料噴射系故障診断手段は、前記排気還流手段及び前記吸気過給手段の双方が作動していない運転状態で且つ高負荷低回転の時に、前記燃料噴射制御手段の故障診断を実施することを特徴とする車両用故障診断装置。
  4. 請求項乃至のいずれかに記載の車両用故障診断装置において、
    前記燃料噴射系故障診断手段は、故障診断時に前記酸素濃度検出手段の検出値の平均値に基づいて前記診断気筒の燃料噴射制御手段の故障の有無を診断することを特徴とする車両用故障診断装置。
  5. 請求項2又は3のいずれかに記載の車両用故障診断装置において、
    前記排気還流手段が作動しない運転領域で、前記吸気過給手段が作動している時に、前記酸素濃度検出手段の検出値に基づいて前記吸気過給手段の故障の有無を診断する吸気過給系故障診断手段を備え、
    前記燃料噴射系故障診断手段により前記燃料噴射制御手段の故障診断を行った後、前記吸気過給系故障診断手段により前記吸気過給手段の故障診断を行うことを特徴とする車両用故障診断装置。
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