JP6212839B2 - 車軸支持構造 - Google Patents

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Description

本発明は、車体に対して、車輪と一体に回転する車軸を支持する車軸支持構造に関するものである。
従来、モータによって回転する出力軸と、車輪と一体に回転する車軸とを、カップリングを介して屈曲自在に連結した車軸支持構造が知られている(例えば、特許文献1参照)。この車軸支持構造では、内周面にギヤ歯が形成されたカップリングの中間シャフトが、出力軸の一端部と車軸の一端部のそれぞれの外周面のギヤ歯に噛み合うことで回転動力が伝達される。ここで、中間シャフトの軸方向(長手方向)への移動は、出力軸及び車軸の各外周に設けられた止め輪によって規制される。
特開2009-190440号公報
しかしながら、従来の車軸支持構造では、出力軸や車軸に対して中間シャフトを屈曲可能にするために、中間シャフトと止め輪との間に隙間を設けている。そのため、トルク起動時やトルク反動時等において中間シャフトが振動した際、中間シャフトが止め輪に接触し、接触打音が発生するおそれがあった。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、出力軸と車軸とを連結する中間シャフトが振動した際、接触打音の発生を防止することができる車軸支持構造を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の車軸支持構造では、出力軸と、車軸と、中間シャフ
トと、規制部材と、緩衝部材と、を備える。
前記出力軸は、駆動源により回転すると共に、出力軸ギヤ面が形成されている。
前記車軸は、前記出力軸と同軸に配置され、車輪と一体に回転すると共に、車軸ギヤ面
が形成されている。
前記中間シャフトは、前記出力軸ギヤ面に噛合する出力軸噛合面と、前記車軸ギヤ面に
噛合する車軸噛合面と、を有し、前記出力軸と前記車軸との間でトルクを伝達する。
前記規制部材は、前記出力軸及び前記車軸のそれぞれに設けられ、前記中間シャフトの
軸方向変位を規制する。
前記緩衝部材は、前記中間シャフトの軸方向外側に配置され、前記中間シャフトの軸方
向外側端面と、前記規制部材とに当接すると共に、弾性変形する。
そして、前記中間シャフトは、ねじ込み式のリテーナ機構によって軸方向変位が規制される。
本発明の車軸支持構造にあっては、出力軸と車軸の双方に噛合してトルクを伝達する中間シャフトの軸方向外側に、弾性変形する緩衝部材が配置される。
すなわち、中間シャフトの軸方向外側に緩衝部材を配置することで、この中間シャフトの軸方向外側に生じる隙間を、なくす或いは少なくすることができる。これにより、トルク起動時やトルク反転時、無負荷(惰性)回転時等において中間シャフトが振動しても、中間シャフトの軸方向の移動が規制される。そのため、中間シャフトが周辺部品に接触することが防止され、接触打音の発生を防止することができる。
また、中間シャフトの振動時に、中間シャフトが軸方向に移動した場合であっても、中間シャフトに接触した緩衝部材が弾性変形し、この中間シャフトからの衝撃を緩和して受け止めるため、接触打音の発生を防止することができる。
この結果、出力軸と車軸とを連結する中間シャフトが振動した際、接触打音の発生を防止することができる。
実施例1の車軸支持構造が適用されたインホイールモータユニットを示す縦断面図である。 図1に示すインホイールモータユニットの要部を示す拡大図である。 緩衝部材を示す外観斜視図である。 実施例1の車軸支持構造の組立説明図であり、(a)はホイールハブ連結工程を示し、(b)はギヤカップリング軸挿入工程を示し、(c)はリテーナ組付工程を示す。 実施例1の車軸支持構造における緩衝部材の反力作用方向の模式説明図であり、(a)は軸方向一致状態を示し、(b)は中間シャフト揺動状態を示す。 実施例1の車軸支持構造の第1変形例が適用されたインホイールモータユニットの要部を示す拡大縦断面図である。 実施例1の車軸支持構造の第2変形例が適用されたインホイールモータユニットの要部を示す拡大縦断面図である。 実施例1の車軸支持構造の第3変形例を示す要部拡大縦断面図である。
以下、本発明の車軸支持構造を実施するための形態を、図面に示す実施例1に基づいて説明する。
(実施例1)
まず、実施例1の車軸支持構造における構成を、「車軸支持構造の適用例の構成」、「ギヤカップリング軸の構成」、「車軸支持構造の組立手順」に分けて説明する。
[車軸支持構造の適用例の構成]
図1は、実施例1の車軸支持構造が適用されたインホイールモータユニットを示す縦断面図である。図2は、図1に示すインホイールモータユニットの要部を示す拡大図である。以下、図1及び図2に基づいて、実施例1の車軸支持構造の適用例について説明する。
図1に示すインホイールモータユニットMUは、車輪40を駆動・制動する電動モータ(駆動源)20を、車輪40のホイール41の内側に配置したものであり、モータケース10と、電動モータ20と、減速機30と、を有している。
前記モータケース10は、ケース本体11と、カバー12と、を備え、ケース本体11の図1の左側面にカバー12を合体させて構成する。このモータケース10内には、駆動源となる電動モータ20と、この電動モータ20の回転を減速して出力する減速機30とが同軸に配置収納される。また、このモータケース10は、図示しないサスペンション機構を介して、サイドメンバ等の車体に対して揺動可能に保持されている。
前記電動モータ20は、ケース本体11の内側に位置し、環状のステータ21と、このステータ21内に同心に配置したロータ22と、を有している。
前記ステータ21は、コイル21aを巻線して具え、ケース本体11の内周に、外周面を焼き嵌めする等の方法で固定される。
前記ロータ22は、ロータ回転軸22aと、フランジ部22bと、積層鋼板22cと、不図示の永久磁石と、を有している。
前記ロータ回転軸22aは、カバー12に貫通させて形成した開口12aの内側に嵌着された第1ロータ軸受23Aに一端が回転自在に支持され、軸方向中間部が減速機30の後述するキャリア34の内側端に嵌着された第2ロータ軸受23Bに回転自在に支持される。そして、このロータ回転軸22aの第1,第2ロータ軸受け23A,23B間の外周面に、フランジ部22bが突出固定される。このフランジ部22bの外周には積層鋼板22cが固設され、この積層鋼板22cの外周に図示しない永久磁石が埋設される。
なお、このロータ22は、積層鋼板22cの外周に埋設した永久磁石がステータ21の内周面と正対する軸線方向位置に配置され、この位置を保ってロータ回転軸22aが支持される。
前記減速機30は、図1に示すように、ロータ回転軸22a上に形成したサンギヤ31と、ケース本体11の車輪側開口の内側に形成したリングギヤ32と、サンギヤ31に噛合する大径ピニオン部分33a及びリングギヤ32に噛合する小径ピニオン部分33bの一体成形になる3個(ここでは1個のみ図示)の段付きピニオン33と、これら段付きピニオン33を回転自在に支持したキャリア34と、を有する遊星歯車組で構成する。
前記キャリア34は、減速機30の出力メンバであり、駆動源である電動モータ20により回転する出力軸に相当する。このキャリア34は、キャリア軸受35を介して、ケース本体11に固定されたシールリング13の内側に回転自在に支持されている。また、このキャリア34は、両端が開放した中空の中心円筒部34aを有すると共に、この中心円筒部34aの周囲に、3個の段付きピニオン33を円周方向等間隔に配置して回転自在に支持する。ここで、この中心円筒部34aは、一端がケース本体11の内側に配置され、他端がケース本体11から突出している。
そして、ケース本体11の内側に配置された中心円筒部34aの一端開口には、ロータ回転軸22aの先端部22dが挿入されている。中心円筒部34aの内周面とロータ回転軸22aとの間には、隙間36aが形成され、キャリア34の回転とロータ回転軸22aの回転が干渉しないようになっている。
また、ケース本体11から突出した中心円筒部34aの他端開口には、後述するギヤカップリング軸50の一端部50aが挿入されている。この中心円筒部34aの他端開口の内周面には、セレーションからなる第1接続部(出力軸ギヤ面)36bが形成されている。ここで「セレーション」とは、軸方向に沿って延びると共に、周方向に並んだ複数の凹凸である。以下、同様である。
さらに、中心円筒部34aの内部には、ロータ回転軸22aとギヤカップリング軸50との間を区画する区画壁34bが設けられている。この区画壁34bの外周部には、ロータ回転軸22aの先端部22dを囲むフランジ部34cが形成されている。さらに、このフランジ部34cの周囲には、シールリング34dが嵌合する環状溝が形成されている(図2参照)。
また、シールリング13の開口13aに中心円筒部34aが嵌合し、この中心円筒部34aの周面と開口13aとの間には、環状のオイルシール13bが設けられている。前記区画壁34b及び前記オイルシール13bは、モータケース10内に収納され、電動モータ20の冷却や減速機30の潤滑に用いられるオイルが外部に流出することを防止する。
前記車輪40は、インホイールモータユニットMUによって駆動・制動される部材であり、タイヤ40aと、ホイール41と、ホイールハブ42と、を有している。
前記ホイール41は、円板状のディスク部41aと、このディスク部41aの外周を取り囲むとリム部41bと、を有している。前記タイヤ40aは、リム部41bの外側に取り付けられる。
前記ホイールハブ42は、ホイール41のディスク部41aの内側、つまりリム部41bに囲まれた車輪内側空間に配置される軸部材であり、車輪40と一体に回転する車軸に相当する。このホイールハブ42は、キャリア34と同軸に配置され、両端が開放した中空円筒状をなすハブ軸42aと、ハブ軸42aの軸方向中間部から外側に突出したフランジ42bと、を一体に有する。
前記ハブ軸42aは、一端がホイール41のディスク部41aの中心に形成された貫通孔41cに挿入され、他端が車輪内側空間に突出している。この車輪内側空間に突出したハブ軸他端には、環状シール部材46が設けられており、キャリア34の中心円筒部34aに接触している。
このハブ軸42aの内周面には、軸方向中間部にセレーションからなる第2接続部(車軸ギヤ面)42cが形成され、ホイール41側の端部にねじ溝42dが形成されている。そして、このハブ軸42aは、内側にギヤカップリング軸50の他端部50bが挿入され、ホイール41側の開口47に後述するリテーナ本体71がねじ込まれている。
なお、第2接続部42cのセレーション形状は、キャリア34に形成した第1接続部36bと同じ形状である。
また、ハブ軸42aの外周には、ハブベアリング43が組み付けられ、ハブ軸42aは、このハブベアリング43を介して、モータケース10に回転可能に支持されている。
前記フランジ42bは、ホイール41のディスク部41aに対向する円板形状を呈し、周方向に並ぶ複数のボルト穴が形成されている。各ボルト穴には、ホイールハブ42をホイール41のディスク部41aに固定するための複数のハブボルト44が圧入されている。なおここでは、フランジ42bとディスク部41aとの間に、ブレーキ45のブレーキディスク45aが介装されている。
前記ハブベアリング43は、外輪43aと、内輪43bと、転動体43cと、を有している。
前記外輪43aは、モータケース10のケース本体11に、シールリング13と共にボルト固定されている。
前記内輪43bは、ハブ軸42aの外周面に形成された小径部42eに固定されている。
前記転動体43cは、ハブ軸42aの軸周りに配置される多数の金属球体であり、外輪43aと内輪43bとの間に摺動可能に保持された第1列と、外輪43aとハブ軸42aの外周面に形成された転走面42fとの間に摺動可能に保持された第2列と、を有している。各転動体43cは、保持器43dによって間隔が一定に保持される。
[ギヤカップリング軸の構成]
図3は、緩衝部材を示す外観斜視図である。以下、図2及び図3に基づいて、実施例1のギヤカップリング軸の構成について説明する。
実施例1のインホイールモータユニットMUでは、出力軸であるキャリア34と、車軸であるホイールハブ42とは、ギヤカップリング軸50を介して連結されている。
前記ギヤカップリング軸50は、一端部50aの外周面にセレーションからなる出力軸噛合面51が形成され、他端部50bの外周面にセレーションからなる車軸噛合面52が形成されている。
さらに、前記ギヤカップリング軸50は、軸方向に貫通する貫通孔53を有し、両端部50a,50bのそれぞれの軸方向外側端面(軸方向外側面)50cに、軸方向外側に開放した開口53aを有する中空の軸部材である。このギヤカップリング軸50の開口53a,53aには、緩衝部材60がそれぞれ嵌合固定されている。
前記出力軸噛合面51は、ギヤカップリング軸50の一端部50aがキャリア34の中心円筒部34a内に差し込まれた際、第1接続部36bに噛合する。ここで、この出力軸噛合面51は、セレーションの径方向端面(凸部の上面)の軸方向中央部位が外方に最も膨出した円弧形状となっている。
前記車軸噛合面52は、ギヤカップリング軸50の他端部50bがホイールハブ42のハブ軸42a内に差し込まれた際、第2接続部42cに噛合する。ここで、この車軸噛合面52は、セレーションの径方向端面(凸部の上面)の軸方向中央部位が外方に最も膨出した円弧形状となっている。
なお、出力軸噛合面51のセレーション形状と、車軸噛合面52のセレーション形状は、同一形状とする。つまり、出力軸噛合面51の径方向端面における曲率半径と、車軸噛合面52の径方向端面における曲率半径は、互いに一致している。
そして、出力軸噛合面51がキャリア34の第1接続部36bに噛合し、車軸噛合面52がホイールハブ42の第2接続部42cに噛合することで、例えばキャリア34が回転駆動すると、第1接続部36bから出力軸噛合面51を介してギヤカップリング軸50にトルク伝達がなされる。これにより、ギヤカップリング軸50が回転駆動する。そしてさらに、ギヤカップリング軸50の車軸噛合面52から第2接続部42cを介してホイールハブ42にトルク伝達がなされ、ホイールハブ42が回転駆動する。
すなわち、このギヤカップリング軸50は、キャリア34とホイールハブ42との間でトルクを伝達する中間シャフトに相当する。
前記緩衝部材60は、ここでは、高分子材料(例えば、樹脂、ゴム、ウレタン等)によって形成された弾性変形する部材であり、図3に示すように、嵌合部61と、緩衝部62と、を有している。
前記嵌合部61は、ギヤカップリング軸50の開口53aの内径寸法よりも僅かに小さい外径寸法を有する円柱形状を呈し、この開口53aに嵌合する。これにより、緩衝部材60は、ギヤカップリング軸50の軸方向外側端面50cに接合されることとなる。
前記緩衝部62は、嵌合部61の一端に一体的に形成された円柱形状を呈し、嵌合部61の外径寸法よりも大きく、軸方向外側端面50cの外径寸法よりも小さい外径寸法を有している。これにより、嵌合部61が開口53aに嵌合すると、この緩衝部62は、ギヤカップリング軸50の軸方向外側端面50cから軸方向外側に突出する。
そして、この緩衝部62のギヤカップリング軸50の軸方向外側に面した側面62aは、中心部が最も膨出した湾曲面となっている。この側面62aの曲率半径は、ギヤカップリング軸50が軸方向中央位置Oを中心に回動した際の回動曲率半径に一致する。つまり、ギヤカップリング軸50の両端部50a,50bに形成された出力軸噛合面51及び車軸噛合面52のそれぞれの径方向端面の曲率半径と、緩衝部62の側面62aの曲率半径は一致する。
なお「ギヤカップリング軸50の軸方向中央位置O」とは、図2において破線で示すギヤカップリング軸50の軸線上の長さ方向の中央位置である。
そして、ハブ軸42aのホイール41側の開口47にリテーナ機構70が配置され、前記ギヤカップリング軸50は、このリテーナ機構70によって軸方向変位(軸方向の移動)が規制されていわゆる抜け止めが行われる。ここでは、ギヤカップリング軸50の一端部50aに設けられた緩衝部材60の緩衝部62は、区画壁34bに当接する。また、ギヤカップリング軸50の他端部50bに設けられた緩衝部材60の緩衝部62は、リテーナ機構70に当接する。
前記リテーナ機構70は、リテーナ本体71と、座金72と、を有している。
前記リテーナ本体71は、外周面にねじ溝71aが形成された円柱部材である。このリテーナ本体71は、ハブ軸42aのホイール41側の開口47に対して、ねじ溝71aとねじ溝42dが螺合するねじ嵌合とする。
このリテーナ本体71のギヤカップリング軸50側の端面(以下、内側端面という)71bには、緩衝部材60の緩衝部62の側面62aが当接する。また、このリテーナ本体71のホイール41側の端面(以下、外側端面という)71cには、ホイール41側に突出した突部71dが形成されている。この突部71dは、外側端面71cの中央位置に形成されている。
前記座金72は、ハブ軸42a内にねじ込まれたリテーナ本体71の回り止めを行う部材である。この座金72は、リテーナ本体71の外側端面71cを覆う。そして、周縁部がハブ軸42aの外周面に沿って屈曲し、端部がハブ軸42aの外周面に形成された環状溝形状の座金加締め部42gに差し込まれて、加締め固定される。
[車軸支持構造の組立手順]
図4は、実施例1の車軸支持構造の組立説明図であり、(a)はホイールハブ連結工程を示し、(b)はギヤカップリング軸挿入工程を示し、(c)はリテーナ組付工程を示す。以下、図4に基づいて、実施例1の車軸支持構造の組立手順について説明する。
ホイールハブ連結工程では、図4(a)に示すように、まず、モータケース10のケース本体11に対し、ホイールハブ42のハブ軸42aの外周に組み付けられたハブベアリング43を取り付ける。これは、ハブベアリング43の外輪43aの周縁部を、シールリング13を介してモータケース10のケース本体11にボルト固定することで行う。これにより、ホイールハブ42が、ハブベアリング43を介してモータケース10に回転可能に支持される。また、このとき、モータケース10内に予め電動モータ20及び減速機30を内蔵しておく。そのため、キャリア34に向けられたハブ軸42aの先端に設けられた環状シール部材46は、キャリア34の中心円筒部34aに接触する。
そして、モータケース10にハブベアリング43が取り付けられたら、ホイールハブ42のホイール41側の開口47から、キャリア34の中心円筒部34a内にグリースGを充填する。このとき、キャリア34の内部は、区画壁34bによって区画されると共に、シールリング34dによってロータ回転軸22a側にグリースGが漏れ出ることが防止される。さらに、キャリア34とハブ軸42aとの間は、環状シール部材46によってふさがれており、グリースGが漏れ出ることが防止される。
ギヤカップリング軸挿入工程では、図4(b)に示すように、まず、ギヤカップリング軸50の両端部50a,50bに形成された開口53a,53aに、緩衝部材60を嵌合固定する。これは、各開口53aに、緩衝部材60の嵌合部61を嵌合することで行う。これにより、ギヤカップリング軸50と緩衝部材60とが一体的に接合される。
そして、ギヤカップリング軸50に緩衝部材60が接合されたら、ホイールハブ42のホイール41側の開口47から、ホイールハブ連結工程によりグリースGが充填されたキャリア34及びハブ軸42aの内側にギヤカップリング軸50を挿入する。このとき、出力軸噛合面51は、まずハブ軸42aに形成された第2接続部42cと噛合する。その後、ギヤカップリング軸50をキャリア34に向けて押し込むことで、出力軸噛合面51は第2接続部42cから外れ、第1接続部36bと噛合する。一方、車軸噛合面52は、ギヤカップリング軸50をキャリア34に向けて押し込むことで、第2接続部42cと噛合する。
なお、キャリア34内に充填されたグリースGは、ギヤカップリング軸50の挿入時に、ギヤカップリング軸50とキャリア34及びハブ軸42aとの隙間に入り込む。このとき、緩衝部材60がギヤカップリング軸50の開口53aに嵌合しているため、この緩衝部材60によるシール効果により、ギヤカップリング軸50の貫通孔53にグリースGが流入することが防止される。
リテーナ組付工程では、図4(c)に示すように、ギヤカップリング軸挿入工程によりギヤカップリング軸50が挿入されたホイールハブ42のホイール41側の開口47から、リテーナ機構70のリテーナ本体71をねじ込んでいく。このとき、ハブ軸42aのねじ溝42dとリテーナ本体71のねじ溝71aが螺合する。そして、リテーナ本体71は、少なくともギヤカップリング軸50の他端部50bに嵌合固定した緩衝部材60に接触するまでねじ込まれる。
これにより、ギヤカップリング軸50は、ねじ込み式のリテーナ本体71によって軸方向変位が規制される。
そして、リテーナ本体71がねじ込まれたら、このリテーナ本体71の外側端面71cに座金72を取り付け、この座金72の端部を座金加締め部42gに嵌め込んで加締め固定する。これにより、リテーナ本体71が回り止めされ、リテーナ本体71がホイールハブ42に対して固定される。
次に、作用を説明する。
実施例1の車軸支持構造における作用を、「打音発生防止作用」、「がたつき発生時反力相殺作用」、「組立時における特徴的作用」に分けて説明する。
[打音発生防止作用]
駆動源によって回転する出力軸と、車輪と一体に回転する車軸との間に、両端部が各軸にそれぞれ噛合する中間シャフトを介装した場合では、中間シャフトの軸方向のへの移動は、出力軸及び車軸の各外周に設けられた止め輪によって規制される。そのため、中間シャフトが振動したことで、この中間シャフトが止め輪に接触すると、接触打音が発生するおそれがあった。特に、中間シャフトと止め輪が共に金属によって形成されている場合では、金属打音が生じてしまうという問題があった。以下、これを反映する打音発生防止作用を説明する。
実施例1の車軸支持構造では、図2に示すように、ギヤカップリング軸50の両端部50a,50bの各開口53aに、緩衝部材60がそれぞれ嵌合固定されている。そして、この緩衝部材60のうちの一方は、キャリア34の内部を区画する区画壁34bに接触し、他方はホイールハブ42のハブ軸42aにねじ込まれたリテーナ本体71に接触する。
つまり、ギヤカップリング軸50の一方の軸方向外側端面50cと、この一方の軸方向外側端面50cに対向する区画壁34bとの間に、緩衝部材60が介装される。また、ギヤカップリング軸50の他方の軸方向外側端面50cと、この他方の軸方向外側端面50cに対向するリテーナ本体71との間にも、緩衝部材60が介装される。
このため、ギヤカップリング軸50は、緩衝部材60により、このギヤカップリング軸50の軸方向外側にある区画壁34bやリテーナ本体71に直接接触することが防止される。これにより、電動モータ20からトルク伝達されるトルク起動時や、車輪40からトルク伝達されるトルク反転時、さらに無負荷(惰性)回転時等においてギヤカップリング軸50が振動しても、ギヤカップリング軸50が区画壁34bやリテーナ本体71に直接接触することはない。この結果、接触打音の発生を防止することができる。
また、実施例1の車軸支持構造では、リテーナ本体71をハブ軸42aにねじ込むことで、ギヤカップリング軸50は、両端の緩衝部材60と共にキャリア34内の区画壁34bに押圧される。つまり、一方の緩衝部材60は区画壁34bとギヤカップリング軸50に対して圧接され、他方の緩衝部材60はリテーナ本体71とギヤカップリング軸50に対して圧接される。
そのため、区画壁34bとギヤカップリング軸50の間の隙間、及び、リテーナ本体71とギヤカップリング軸50との隙間がそれぞれなくなり、ギヤカップリング軸50が振動することが抑制される。これにより、ギヤカップリング軸50による接触打音の発生を防止することができる。
なお、ギヤカップリング軸50が、キャリア34やホイールハブ42に対して屈曲しても、緩衝部材60が弾性変形するため、この屈曲を阻害することはない。
さらに、経時変化等で区画壁34bとギヤカップリング軸50の間の隙間や、リテーナ本体71とギヤカップリング軸50との隙間が拡大した場合には、ギヤカップリング軸50が振動してしまう。これに対し、緩衝部材60が弾性変形可能であることから、ギヤカップリング軸50が振動した際の衝撃を緩衝部材60が弾性変形して受け止め、衝撃を緩和・吸収することができる。すなわち、ギヤカップリング軸50が振動しても、接触打音の発生を防止することができる。
さらに、緩衝部材60が弾性変形することで、区画壁34bとギヤカップリング軸50の間の隙間寸法や、リテーナ本体71とギヤカップリング軸50との隙間寸法を変動することが可能となる。つまり、ギヤカップリング軸50の軸方向外側に緩衝部材60を配置することによって、初期隙間寸法の管理や初期たわみの管理をルーズに行っても、緩衝部材60が弾性変形してずれを吸収することができる。このため、ギヤカップリング軸50や緩衝部材60等の各部品の軸方向の寸法公差を緩和することができる。
[がたつき発生時反力相殺作用]
図5は、実施例1の車軸支持構造における緩衝部材の反力作用方向の模式説明図であり、(a)は軸方向一致状態を示し、(b)は中間シャフト揺動状態を示す。
実施例1のギヤカップリング軸50では、出力軸噛合面51及び車軸噛合面52のセレーションの径方向端面(凸部の上面)の軸方向中央部位が、外方に最も膨出した円弧形状となっている。そのため、このギヤカップリング軸50は、キャリア34に対して屈曲可能であると共に、ホイールハブ42に対して屈曲可能となっている。
ここで、ギヤカップリング軸50が屈曲した(がたついた)際、径方向に偏った力がかかると、トルク変動やギヤ摩耗が発生するという問題があった。以下、これを反映するがたつき発生時反力相殺作用を説明する。
実施例1の車軸支持構造では、緩衝部材60を、ギヤカップリング軸50の軸方向の両端部50a,50bのそれぞれに配置し、各緩衝部材60の側面62aを、ギヤカップリング軸50が軸方向中央位置Oを中心に回動した際の回動曲率半径と一致するように湾曲している。
そのため、図5(a)に示すように、ギヤカップリング軸50にがたつきが生じていない場合、すなわち、キャリア34の軸方向と、ギヤカップリング軸50の軸方向と、ホイールハブ42の軸方向とがすべて一致しているときには、一方の緩衝部材60は、キャリア34に対し、最も軸方向外側に膨出した側面62aの中央部Q1が接触する。また、他方の緩衝部材60は、リテーナ本体71に対し、最も軸方向外側に膨出した側面62aの中央部Q2が接触する。
このとき、各緩衝部材60は、リテーナ本体71によって軸方向に押圧されるため、弾性変形によって生じる反力F1,F2は、それぞれギヤカップリング軸50の軸方向中央位置Oに向けられる。つまり、ギヤカップリング軸50の両端部50a,50bに配置された各緩衝部材60の弾性変形によって生じた反力F1,F2は、互いに相殺し合う。これにより、ギヤカップリング軸50が、各緩衝部材60の弾性変形によって生じた反力F1,F2によって軸方向に移動したり、偏った力を受けることが防止され、トルク変動やギヤの摩耗が防止できる。
また、図5(b)に示すように、キャリア34やホイールハブ42にがたつきが生じ、キャリア34及びホイールハブ42に対してギヤカップリング軸50が屈曲した場合には、ギヤカップリング軸50は、軸方向中央位置Oを中心に回動する。ここで、各緩衝部材60の側面62aの曲率半径が、ギヤカップリング軸50回動曲率半径Rに一致するように湾曲している。このため、ギヤカップリング軸50の両端部50a,50bに配置された各緩衝部材60の弾性変形によって生じた反力F1,F2は、それぞれギヤカップリング軸50の軸方向中央位置Oに向けられる。
これにより、キャリア34及びホイールハブ42に対してギヤカップリング軸50が屈曲した際にも、ギヤカップリング軸50の両端部50a,50bに配置された各緩衝部材60の弾性変形によって生じた反力F1,F2は、互いに相殺し合う。そのため、ギヤカップリング軸50に作用する径方向力の発生が相殺され、トルク変動やギヤの摩耗を抑制することができる。
[組立時における特徴的作用]
実施例1の車軸支持構造において、ギヤカップリング軸50を介してキャリア34とホイールハブ42を連結する際、図4(b)に示すように、ギヤカップリング軸50の軸方向外側端面50cに、予め緩衝部材60を接合しておく。つまり、ギヤカップリング軸50の軸方向外側端面50cに形成された軸方向外側に開放した開口53aに、緩衝部材60の嵌合部61を嵌合固定し、ギヤカップリング軸50と緩衝部材60とを一体化しておく。これにより、車軸支持構造の組み立て性を向上することができる。
特に、ギヤカップリング軸50の軸方向外側端面50cに形成された開口53aに、緩衝部材60の嵌合部61を嵌合固定することで、キャリア34内に充填したグリースGが、ギヤカップリング軸50の貫通孔53内に流入することを防止できる。このため、安定した潤滑状態を維持することができる。
そして、図4(c)に示すように、ギヤカップリング軸50の抜け止めは、リテーナ本体71をホイールハブ42のハブ軸42aにねじ込むことで行われる。つまり、ギヤカップリング軸50は、ねじ込み式のリテーナ機構70によって軸方向変位が規制される。
これにより、ギヤカップリング軸50の軸方向変位を規制することで、緩衝部材60が弾性変形して反力が生じても、組み立て性の悪化を抑制することができる。
すなわち、嵌合式のリテーナ機構では緩衝部材60の反力によって軸方向に位置ずれし、組み立て性が悪化することが考えられる。しかし、ねじ込み式のリテーナ機構70では、緩衝部材60の反力に抗してリテーナ本体71をねじ込むことが可能であるため、リテーナ本体71を確実に組み付け、組み立て性の悪化を解消できる。しかも、実施例1では、座金72を、加締め固定してリテーナ本体71の回り止めを行うので、さらにリテーナ本体71の組み立て性を向上することができる。
しかも、リテーナ本体71のねじ込み量に応じて、緩衝部材60に作用する軸方向の押圧力を調整することができ、緩衝部材60に生じる弾性変形の反力を容易に調整することができる。
次に、効果を説明する。
実施例1の車軸支持構造にあっては、下記に挙げる効果を得ることができる。
(1) 駆動源(電動モータ)20により回転すると共に、出力軸ギヤ面(第1接続部)36bが形成された出力軸(キャリア)34と、
前記出力軸(キャリア)34と同軸に配置され、車輪40と一体に回転すると共に、車軸ギヤ面(第2接続部)42cが形成された車軸(ホイールハブ)42と、
前記出力軸ギヤ面(第1接続部)36bに噛合する出力軸噛合面51と、前記車軸ギヤ面(第2接続部)42cに噛合する車軸噛合面52と、を有し、前記出力軸(キャリア)34と前記車軸(ホイールハブ)42との間でトルクを伝達する中間シャフト(ギヤカップリング軸)50と、
前記中間シャフト(ギヤカップリング軸)50の軸方向外側に配置されると共に、弾性変形する緩衝部材60と、
を備えた構成とした。
このため、出力軸(キャリア)34と車軸(ホイールハブ)42とを連結する中間シャフト(ギヤカップリング軸)50が振動した際、接触打音の発生を防止することができる。
(2) 前記緩衝部材60を、前記中間シャフト(ギヤカップリング軸)50の軸方向外側面(軸方向外側端面)50cに接合した構成とした。
このため、ギヤカップリング軸50の組み立て時に、予めギヤカップリング軸50と緩衝部材60を一体化しておくことができ、車軸支持構造における組み立て性を向上することができる。
(3) 前記出力軸ギヤ面(第1接続部)36bと出力軸噛合面51、及び、前記車軸ギヤ面(第2接続部)42cと車軸噛合面52は、それぞれ揺動可能に噛み合い、
前記緩衝部材60を、前記中間シャフト(ギヤカップリング軸)50の軸方向の両端部50a,50bにそれぞれ配置すると共に、
各緩衝部材60,60は、弾性変形した際に生じる反力を、前記中間シャフト(ギヤカップリング軸)50の軸方向中央位置Oに向ける反力制御機構(側面62a,62a)を有する構成とした。
このため、ギヤカップリング軸50の両端で発生する径方向力を相殺し、トルク変動やギヤの摩耗を抑制することができる。
(4) 前記反力制御機構は、前記中間シャフト(ギヤカップリング軸)50の軸方向外側に面し、前記中間シャフト(ギヤカップリング軸)50が軸方向中央位置Oを中心に回動した際の回動曲率半径Rと一致するように湾曲した前記緩衝部材60の側面62aとした構成とした。
このため、簡易な構成で、緩衝部材60,60が弾性変形した際に生じる反力をギヤカップリング軸50の軸方向中央位置Oに向けることができる。
(5) 前記中間シャフト(ギヤカップリング軸)50は、軸方向外側に開放した開口53aを有し、
前記緩衝部材60を、前記開口53aに嵌合固定した構成とした。
このため、緩衝部材60によってギヤカップリング軸50の貫通孔53内へのグリースGの流出を防止し、安定した潤滑を維持することができる。
(6) 前記中間シャフト(ギヤカップリング軸)50は、ねじ込み式のリテーナ機構70によって軸方向変位が規制される構成とした。
このため、緩衝部材60が弾性変形した際の反力による車軸支持構造の組み立て性の悪化を抑制することができる。
以上、本発明の車軸支持構造を実施例1に基づき説明してきたが、具体的な構成については、この実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
実施例1では、緩衝部材60を、ギヤカップリング軸50の両端部50a,50bに嵌合した例を示した。しかしながら、これに限らず、緩衝部材を、図6に示すように、区画壁34bからギヤカップリング軸50の軸方向外側端面50cに向けて突出した環状のラバー(ゴム)壁81と、抜け止めキャップ73からギヤカップリング軸50の軸方向外側端面50cに向けて突出した環状の弾性壁82と、から構成してもよい。ここで、抜け止めキャップ73は、ハブ軸42aのホイール41側端部に固定されたリテーナ73aによって固定される板部材である。
この場合であっても、ラバー壁81によって、区画壁34bとギヤカップリング軸50との干渉を防止し、接触打音の発生を防止することができる。また、弾性壁82によって、抜け止めキャップ73とギヤカップリング軸50との干渉を防止し、接触打音の発生を防止することができる。なお、弾性壁82は、ラバー壁81と同様のゴムによって形成してもよいし、例えばポリウレタン等によって形成してもよい。
そして、ラバー壁81及び弾性壁82による弾性変形時の反力線(図6において一点鎖線で示す)を、ギヤカップリング軸50の軸方向中央位置Oに向けることで、キャリア34及びホイールハブ42に対してギヤカップリング軸50が屈曲した際の、ギヤカップリング軸50に作用する径方向力の発生が相殺され、トルク変動やギヤの摩耗を抑制することができる。
さらに、環状のラバー壁81及び弾性壁82を、全周にわたってギヤカップリング軸50の軸方向外側端面50cに接触させることで、ギヤカップリング軸50の貫通孔53へのグリース(ここでは図示せず)の流入を防止することができる。
また、図7に示すように、緩衝部材を、ギヤカップリング軸50とリテーナ本体71の間に配置したコイルばね83から構成してもよい。
このとき、ギヤカップリング軸50の他端部50bの軸方向外側端面50cと、これに対向するリテーナ本体71の内側端面71bのそれぞれに、互いに対向する凹部84a,84bを形成し、この凹部84a,84bによって区画された空間(ばね配置空間)にコイルばね83を配置する。そして、リテーナ本体71のハブ軸42aに対するねじ込み量によってばね配置空間の隙間管理を行う。
この場合であっても、コイルばね83によって、リテーナ本体71とギヤカップリング軸50との干渉を防止し、接触打音の発生を防止することができる。なお、このとき、ギヤカップリング軸50の一端部50aとキャリア34内の区画壁34bとは接触している。しかし、コイルばね83によって、ギヤカップリング軸50が区画壁34bに向かって押圧されるので、ギヤカップリング軸50と区画壁34bは常に接触し、接触打音の発生を防止することができる。
そして、実施例1では、区画壁34bやリテーナ本体71と緩衝部材60とを別部材によって形成した例を示しているが、これに限らない。ギヤカップリング軸50の軸方向外側端面50cに対向する周辺部材(区画壁34bやリテーナ本体71)を、弾性変形する合成樹脂等で形成することで、この周辺部材に緩衝部材としての機能を持たせることもできる。
すなわち、ギヤカップリング軸50の軸方向外側端面50cに対向する周辺部材を、ギヤカップリング軸50の軸方向外側に配置されると共に、弾性変形する緩衝部材とすることもできる。
さらに、実施例1では、ギヤカップリング軸50の両端部50a,50bの両方の軸方向外側に緩衝部材60をそれぞれ配置した例を示しているが、図7に示すように、ギヤカップリング軸50の他端部50b側のみに緩衝部材を配置してもよいし、図示しないが、ギヤカップリング軸50の一端部50aのみに緩衝部材を配置してもよい。
さらに、実施例1では、ギヤカップリング軸50がキャリア34の中心円筒部34aに挿入されると共に、ホイールハブ42のハブ軸42aに挿入される例を示している。つまり、実施例1のギヤカップリング軸50は、キャリア34及びホイールハブ42に対してそれぞれ内接している。そして、緩衝部材60も、キャリア34及びホイールハブ42の内側に配置されている。しかしながら、これに限らず、図8に示すように、中間シャフト55の内側にキャリア34及びホイールハブ42を挿入し、キャリア34及びホイールハブ42の外周に設けた止め輪56a,56bによって中間シャフト55の軸方向の移動を規制するものであってもよい。この場合、緩衝部材85は、キャリア34及びホイールハブ42の外周であって、中間シャフト55の軸方向外側端面55a,55aと止め輪56a,56bの間に配置される。
このときにも、中間シャフト55の軸方向外側に配置された緩衝部材85によって、中間シャフト55と止め輪56a,56bとの干渉が防止され、接触打音の発生を防止することができる。
そして、実施例1では、本発明の車軸支持構造をインホイールモータユニットMUに適用した例を示したが、これに限らない。駆動源により回転する出力軸と、この出力軸と同軸に配置されると共に車輪と一体に回転する車軸と、を有する車両であれば、エンジン自動車やハイブリッド自動車、1つの駆動用モータによって走行する電気自動車等の車両一般に適用することができる。
MU インホイールモータユニット
10 モータケース
20 電動モータ(駆動源)
22a ロータ回転軸
30 減速機
34 キャリア(出力軸)
34a 中心円筒部
34b 区画壁
36b 第1接続部(出力軸ギヤ面)
40 車輪
41 ホイール
42 ホールハブ(車軸)
42a ハブ軸
42c 第2接続部(車軸ギヤ面)
42d ねじ溝
42g 座金加締め部
50 ギヤカップリング軸(中間シャフト)
50a 一端部
50b 他端部
50c 軸方向外側端面
51 出力軸噛合面
52 車軸噛合面
53 貫通孔
53a 開口
60 緩衝部材
61 嵌合部
62 緩衝部
62a 側面
70 リテーナ機構
71 リテーナ本体
71a ねじ溝
72 座金

Claims (5)

  1. 駆動源により回転すると共に、出力軸ギヤ面が形成された出力軸と、
    前記出力軸と同軸に配置され、車輪と一体に回転すると共に、車軸ギヤ面が形成された車軸と、
    前記出力軸ギヤ面に噛合する出力軸噛合面と、前記車軸ギヤ面に噛合する車軸噛合面と、を有し、前記出力軸と前記車軸との間でトルクを伝達する中間シャフトと、
    前記出力軸及び前記車軸のそれぞれに設けられ、前記中間シャフトの軸方向変位を規制する規制部材と、
    前記中間シャフトの軸方向外側に配置され、前記中間シャフトの軸方向外側端面と、前記規制部材とに当接すると共に、弾性変形する緩衝部材と、
    を備え
    前記中間シャフトは、ねじ込み式のリテーナ機構によって軸方向変位が規制されることを特徴とする車軸支持構造。
  2. 請求項1に記載された車軸支持構造において、
    前記緩衝部材を、前記中間シャフトの軸方向外側面に接合した
    ことを特徴とする車軸支持構造。
  3. 請求項1又は請求項2に記載された車軸支持構造において、
    前記出力軸ギヤ面と出力軸噛合面、及び、前記車軸ギヤ面と車軸噛合面は、それぞれ揺動可能に噛み合い、
    前記緩衝部材を、前記中間シャフトの軸方向の両端部にそれぞれ配置すると共に、
    各緩衝部材は、弾性変形した際に生じる反力を、前記中間シャフトの軸方向中央位置に向ける反力制御機構を有する
    ことを特徴とする車軸支持構造。
  4. 請求項3に記載された車軸支持構造において、
    前記反力制御機構は、前記中間シャフトの軸方向外側に面し、前記中間シャフトが軸方向中央位置を中心に回動した際の回動曲率半径と一致するように湾曲した前記緩衝部材の側面とした
    ことを特徴とする車軸支持構造。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載された車軸支持構造において、
    前記中間シャフトは、軸方向外側に開放した開口を有し、
    前記緩衝部材を、前記開口に嵌合固定した
    ことを特徴とする車軸支持構造。
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