JP6200667B2 - セラミックス材料用金属ペースト組成物 - Google Patents

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本発明は、セラミックス材料と金属材料との接着に用いられる金属ペースト組成物に関し、特に、セラミックス材料と金属材料とを接合するための接合組成物として用いたり、セラミックス材料に接着させた状態の金属膜を形成するために用いたりすることができるセラミックス材料用金属ペースト組成物に関する。
パワーモジュールは、電気自動車、電車、工作機械等において大電流の制御や電力変換等のために用いられている。このパワーモジュールは、パワー半導体素子等の発熱性素子を制御装置等とともに配線基板上に実装してモジュール化したもので、その配線基板としては、セラミックス基板の各面に金属板または金属膜等の金属材料が設けられたセラミックス−金属接合基板が用いられている。
代表的なパワーモジュールは、セラミックス−金属接合基板の一方の面(裏面または下面)には、比較的厚みの大きい放熱板(例えば銅板)が例えば半田付けにより固定され、他方の面(表面または上面)には、配線となるパターン状の金属膜が形成され、この金属膜に対してパワー半導体素子等の半導体チップが半田付けにより固定された構成となっている。セラミックス−金属接合基板を構成するセラミックス基板としては、例えば、窒化アルミニウム等の窒化物系セラミックスから構成される窒化物系セラミックス基板が挙げられる。
ここで、従来から、窒化物系のセラミックス材料に対して銅板等の金属板を接合するために、例えば、活性金属を含む接合組成物を用いる技術が知られている。
例えば、特許文献1には、窒化物系のセラミックス基板が窒化アルミニウム部材である場合に、銀−銅共晶合金粉末と、銀粉末、銅粉末または組成比の異なる銀−銅合金粉末と、活性金属粉末とを含有する金属粉末ろう材を用いて、窒化アルミニウム部材と金属部材とを接合する方法が開示されている。この方法では、前記構成の金属粉末ろう材を窒化アルミニウム部材と金属部材との接合面に塗布した後、これらを貼り合わせて加熱することにより、接合組成物である金属粉末ろう材の流れ出しの防止を図っている。
また、セラミックス基板上に配線となるパターン状の金属膜を形成するためには、一般に、金属ペースト組成物が用いられるが、形成された金属膜とセラミックス基板との接着性および耐熱衝撃性等の向上を図るために、金属ペースト組成物に、鉛を含有するガラスフリットを配合する技術も知られている。
例えば、特許文献2の従来の技術によれば、銀、金、白金、銅等を含有する貴金属系のペーストでは、焼成後に得られる金属膜をセラミックス基板に良好に接着させるために、ガラスフリットを配合すること、このガラスフリットは、ペーストの焼成後であっても金属膜中に残存するため、熱膨張差による歪みが出やすくなり、熱衝撃性が弱くなること、並びに、このような熱衝撃性の低下を回避する技術の一例として、低い軟化点を有する硼珪酸鉛ガラスを使用する銅系ペーストが知られていること等を開示している。
なお、特許文献2に開示される銅導体ペーストは、鉛を含んでいないか、あるいは鉛を含んでいても極僅かのガラス粉体を用いるために、超微粒子化した酸化銅を高分子内に分散させた高分子複合物と、平均粒子径範囲の異なる2種類の銅粉を混合した混合銅粉と、有機溶剤とからなり、酸化銅と混合銅粉の重量比および合計添加量を所定の範囲内に限定した構成となっている。
特開2000−281460号公報 特開平8−017241号公報
このように、パワーモジュールに用いられるセラミックス−金属接合基板は、セラミックス基板と金属板とを接合したり、セラミックス基板上に金属膜を形成したりする等、異種材料同士を接着することにより構成されている。そのため、セラミックス材料と金属材料との接着箇所の安定性を向上することが求められる。そのため、従来から、前述した活性金属を用いた接合組成物(特許文献1参照)や鉛を含有するガラスフリットを用いた金属ペースト組成物(特許文献2参照)等を用いることが、提案されている。
ここで、パワーモジュールは、前述した通り、電気自動車または電車等の乗物に用いられており、特に近年では、これら電化された乗物の信頼性をより一層向上させることが求められている。そのため、パワーモジュールに用いられるセラミックス−金属接合基板では、異種材料同士の接着箇所においても、より一層良好な接着性が求められる。特に、金属材料(金属板または金属膜)とセラミックス材料(セラミックス基板)との接着箇所が高温環境にさらされた場合であっても、これら異種材料の接着状態を良好に維持できることが求められる。
一方、近年では環境汚染を防止する観点から、代表的な汚染物質の一つとして知られている鉛の使用をできるだけ抑えることも要求されている。したがって、接合組成物または金属ペースト組成物に用いられるガラスフリットも、鉛を含有しないガラス材料であるか、もしくは鉛を含有しているとしても極僅かのガラス材料で構成されたものとすることが非常に望ましい。
本発明はこのような課題を解決するためになされたものであって、できる限り鉛の含有を低減したガラス材料を用い、かつ、高温環境にさらされてもセラミックス材料と金属材料との良好な接着状態を実現し得る、セラミックス材料用金属ペースト組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、金属材料とセラミックス材料との接着するために用いられる金属ペースト組成物が、活性金属に加えて、金属ナノ粒子または金属錯体を含有していれば、高温環境にさらされてもセラミックス材料と金属材料との良好な接着状態を実現することが可能であり、かつ、鉛を含有しないガラス材料からなるガラスフリットを用いることも可能となることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明に係るセラミックス材料用金属ペースト組成物は、前記の課題を解決するために、セラミックス材料と金属材料との接着に用いられ、(A)金属粉末、(B)ガラスフリット、(C)活性金属、(D)ビヒクル、および(E)溶剤を含有しており、さらに、その全体量を100重量部とした際に、0.1重量部を超え10重量部以下の含有量で(F)金属ナノ粒子または金属錯体を含有する構成である。
前記構成によれば、金属ペースト組成物をセラミックス材料で焼成すると、金属ナノ粒子の焼結、あるいは、金属錯体の還元で発生した金属ナノ粒子の焼結によって、強固な金属結合が部分的に形成される。そのため、セラミックス材料と金属材料との間に、安定した接着状態を実現することが可能となる。それゆえ、鉛を含有したガラス材料からなるガラスフリットを用いる必要がなくなり、かつ、高温環境にさらされてもセラミックス材料と金属材料との良好な接着状態を実現することが可能となる。
また、前記構成のセラミックス材料用金属ペースト組成物においては、前記(F)金属ナノ粒子が、Pt、Pd、Ag、Cu、Au、Niからなる群より選択される少なくとも1種の金属より構成されるナノ粒子である構成であってもよい。
また、前記構成のセラミックス材料用金属ペースト組成物においては、前記(F)金属錯体が、金属アセチルアセトナート錯体である構成であってもよい。
また、前記構成のセラミックス材料用金属ペースト組成物においては、前記(B)ガラスフリットが、鉛を含有しないガラス材料により構成される構成であってもよい。
また、前記構成のセラミックス材料用金属ペースト組成物においては、前記(A)金属粉末が、Pt、Pd、Ag、Cu、Au、Niからなる群より選択される少なくとも1種の金属より構成されてもよい。
また、前記構成のセラミックス材料用金属ペースト組成物においては、前記(C)活性金属が、In、Zn、Sn、Ti、Zr、Nb、Hf、Moからなる群より選択される少なくとも1種の元素の単体、酸化物または水素化物である構成であってもよい。
また、前記構成のセラミックス材料用金属ペースト組成物においては、前記セラミックス材料としてのセラミックス基板上に前記金属ペースト組成物を印刷した後に焼成して得たパターンを、銅製ワイヤに接着したときの接着強度が20N/2mm□以上であり、かつ、150℃で48時間保持した際の接着強度が15N/2mm□以上である構成であってもよい。
また、前記構成のセラミックス材料用金属ペースト組成物においては、記セラミックス材料が、窒化物系セラミックスから構成されるセラミックス基板である構成であってもよい。
また、前記構成のセラミックス材料用金属ペースト組成物は、前記セラミックス材料と前記金属材料との接合、および、前記セラミックス材料の表面に接着した状態の金属膜を形成、の少なくとも一方に用いられてもよい。
本発明では、前記の構成により、できる限り鉛の含有を低減し、かつ、高温環境にさらされてもセラミックス材料と金属材料との良好な接着状態を実現し得る、セラミックス材料用金属ペースト組成物を提供することができる、という効果を奏する。
本発明の実施例で用いられる比抵抗評価用サンプルおよび密着強度評価用サンプルに形成される2種類の印刷パターンの形状を示す模式図である。
本発明に係る金属ペースト組成物は、セラミックス材料と金属材料とを接着するために用いられ、(A)金属粉末と、(B)ガラスフリットと、(C)活性金属と、(D)ビヒクルと、(E)溶剤に加えて、(F)金属ナノ粒子または金属錯体を含有している構成である。本発明に係るセラミックス材料用金属ペースト組成物は、これら(A)〜(F)成分以外の成分(例えば分散剤等)を含有してもよく、また、(B)ガラスフリットは、鉛を含有するガラス材料により構成されてもよいが、鉛を含有しないガラス材料により構成されたものを用いることができる。
なお、本発明において、「セラミックス材料と金属材料との接着」には、少なくとも、セラミックス材料と金属材料との接合と、セラミックス材料の表面に接着した状態の金属膜の形成とを含むものとする。したがって、本発明に係る金属ペースト組成物は、セラミックス材料と金属材料とを接合するための接合組成物として用いることができるとともに、セラミックス材料の表面に金属膜を形成するために塗工する塗工組成物としても用いることができる。
したがって、前者の場合、本発明に係る金属ペースト組成物は、「セラミックス材料−焼成した金属ペースト組成物の層−金属材料」という形で利用され、後者の場合、「セラミックス材料−焼成した金属ペースト組成物の層」という形で利用される。前者の場合、焼成した金属ペースト組成物の層は、セラミックス材料と金属材料とを接合する「セラミックス−金属接合層」として、これら材料とは独立した層として形成され得るが、後者の場合、焼成後の金属ペースト組成物の層がセラミックス材料に接着した状態の「金属膜」すなわち金属材料そのものとなっている。
以下、本発明の好ましい実施の形態について、前記各成分および金属ペースト組成物の調製(製造)等を中心に具体的に説明する。
[(A)金属粉末]
本発明に係る金属ペースト組成物に用いられる(A)金属粉末は、セラミックス材料と金属材料とを接着する分野で公知の導電性の金属粒子(導電性金属粉末)であればよく、その具体的構成は特に限定されないが、周期表第10族および第11族の金属元素、すなわち、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、銅(Cu)、金(Au)、ニッケル(Ni)からなる群より選択される少なくとも1種の金属粉末であることが好ましい。
本発明において(A)金属粉末の具体的な構成は、セラミックス材料と金属材料との接着性に影響を及ぼさず、かつ、後述するパターン印刷にも影響を及ぼさない限り特に限定されないが、その平均粒径D50は(累積50体積%粒径)は、0.1〜20μmの範囲内であることが好ましく、0.2〜12μmの範囲内であることがより好ましく、0.5〜10μmの範囲内であることがさらに好ましい。
(A)金属粉末の平均粒径D50が0.5μmより小さいと、(A)金属粉末の粒子の比表面積が大きくなり、金属ペースト組成物中での(A)金属粉末の分散性が低下し、凝集または分離等の現象が発生するおそれがある。一方、平均粒径D50が20μmより大きいと、使用目的または使用条件にもよるが、金属ペースト組成物の使用性能に影響が生じることが懸念される。例えば、後述するように、メッシュスクリーンを用いて金属ペースト組成物をパターン状にスクリーン印刷する場合には、メッシュスクリーンに目詰まりが生じる等が挙げられる。
なお、本実施の形態においては、前記(A)金属粉末の平均粒径D50(累積50体積%粒径)は、レーザー回折法を用いて測定している。具体的な測定方法の一例について説明すると、銀粉試料0.3gを50mLビーカーに秤量し、イソプロピルアルコール30mLに加えた後、超音波洗浄器(アズワン株式会社製、商品名:USM−1)により5分間分散させ、マイクロトラック粒度分布測定装置(日機装株式会社製のマイクロトラック粒度分布測定装置、商品名:9320−HRA X−100)を使用して測定している。
金属ペースト組成物中の(A)金属粉末の含有量も特に限定されないが、金属ペースト組成物の全体量を100重量部としたときに、30重量部以上90重量部以下であればよく、40重量部以上80重量部以下であることが好ましく、50重量部以上80重量部以下であることがより好ましい。
(A)金属粉末の含有量が30重量部未満である場合には、金属ペースト組成物を高温焼成した際の導電性が低下する可能性がある。一方、(A)金属粉末の含有量が90重量部を超える場合には、本発明に係る金属ペースト組成物の物性を実現する上で、(A)金属粉末以外の成分、特に(B)ガラスフリットの含有量が不足する可能性がある。この場合、金属ペースト組成物を焼成して得られる金属膜(あるいはセラミックス−金属接合層)がセラミックス材料に対して好適な接着強度を発揮できなくなる可能性があり、また、金属ペースト組成物中の(A)金属粉末の分散性が低下し、(A)金属粉末の凝集物が発生したり(E)溶剤の分離の発生が発生したりする可能性がある。
[(B)ガラスフリット]
本発明に係る金属ペースト組成物に用いられる(B)ガラスフリットは、セラミックス材料と金属材料とを接着する分野で公知のガラス材料により構成されればよい。本発明においては、鉛を含有しないガラス材料からなるガラスフリットであっても、セラミックス材料と金属材料との接着箇所が良好な接着性を示すので、環境に与える影響を軽減する観点から、鉛の含有量ができるだけ少ないガラス材料により構成されることが好ましく、鉛を含有しないガラス材料により構成されることが特に好ましい。鉛を含有しないガラス材料としては、具体的には、例えば、B23−SiO2系、B23−SiO2−CaO系、B23−SiO2−Al23系等を挙げることができる。
なお、(B)ガラスフリットの形状または物性等についても、セラミックス材料と金属材料との接着性に影響を及ぼさず、かつ、後述するパターン印刷にも影響を及ぼさない限り特に限定されない。例えば(B)ガラスフリットの平均粒径も公知の範囲内であればよく、軟化点も公知の範囲内であればよい。
金属ペースト組成物中の(B)ガラスフリットの含有量も特に限定されないが、金属ペースト組成物の全体量を100重量部としたときに、1重量部以上15重量部以下であればよく、2重量部以上10重量部以下であることが好ましく、3重量部以上8重量部以下であることがより好ましい。
(B)ガラスフリットの含有量が1重量部未満である場合には、金属ペースト組成物を焼成して得られる金属膜(あるいはセラミックス−金属接合層)が、セラミックス材料に対して好適な接着強度を発揮できなくなる可能性がある。また、(B)ガラスフリットの含有量が15重量部を超える場合は、金属ペースト組成物中の(A)金属粉末の含有量が不足する可能性があり、例えば、金属膜が配線に用いられる場合には、良好な導電性を得られなくなる可能性がある。
[(C)活性金属]
本発明に係る金属ペースト組成物に用いられる(C)活性金属は、公知の活性金属、すなわち、高温環境下で、酸素、水素、炭素、または窒素等の元素に対して容易に結合しやすい(強い親和性を呈する)金属であればよい。
公知の活性金属としては、具体的には、例えば、スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、各種ランタノイド金属等の希土類金属(レアアースあるいは周期表第3族の金属);チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)等の周期表第4族の金属;バナジウム(V)、タンタル(Ta)、ニオブ(Nb)等の周期表第5族の金属;クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)等の周期表第6族の金属;リチウム(Li)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)等の前記以外の軽金属;マンガン(Mn)、インジウム(In)、亜鉛(Zn)、スズ(Sn)等の前記以外の重金属;等が挙げられる。これら活性金属は1種類のみ用いられてもよいし2種類以上が用いられてもよい。また、これら活性金属は、単体の金属として用いられてもよいし、酸化物または水素化物として用いられてもよい。
これらの中でも、本発明では、In、Zn、Sn、Ti,Zr、Nb、Hf、Moからなる群より選択される少なくとも1種の金属(その単体、酸化物または水素化物)を(C)活性金属として好適に用いることができる。
(C)活性金属の具体的な構成は特に限定されず、(A)金属粉末と同様に粉末状で用いられればよい。また、その平均粒径、粒子の形状等についても、セラミックス材料と金属材料との接着性に影響を及ぼさず、かつ、後述するパターン印刷にも影響を及ぼさない限り特に限定されない。
金属ペースト組成物中の(C)活性金属の含有量も特に限定されないが、金属ペースト組成物の全体量を100重量部としたときに、1重量部以上10重量部以下であればよく、1重量部以上8重量部以下であることが好ましく、2重量部以上5重量部以下であることがより好ましい。
(C)活性金属の含有量が1重量部未満である場合には、金属ペースト組成物を焼成して得られる金属膜(あるいはセラミックス−金属接合層)が、セラミックス材料に対して好適な接着強度を発揮できなくなる可能性がある。また、(C)活性金属の含有量が10重量部を超える場合には、得られる金属膜上に形成された半田の層、または、金属膜(あるいはセラミックス−金属接合層)に接着しているセラミックス材料に対してクラックが入りやすくなる可能性がある。さらに、(C)活性金属の含有量が10重量部を超えれば、金属ペースト組成物中の(A)金属粉末の含有量が不足する可能性がある。
[(D)ビヒクル]
本発明に係る金属ペースト組成物に用いられる(D)ビヒクルは、各種金属ペースト組成物の分野で公知のビヒクルを好適に用いることができる。具体的には、例えば、エポキシ系、ウレタン系、アクリル系、エチルセルロース系、フェノール系、エステル系等の一般的な有機ビヒクルを挙げることができる。これら有機ビヒクルは1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
なお、ビヒクルのより具体的な構成、例えば、樹脂成分等の構造式、分子量、熱分解性、熱収縮性等についても、セラミックス材料と金属材料との接着性に影響を及ぼさず、かつ、後述するパターン印刷にも影響を及ぼさない限り特に限定されない。
金属ペースト組成物中の(D)ビヒクルの含有量は、当該金属ペースト組成物の取扱性に大きな影響を与えない範囲内で自由に調整することが可能である。例えば、後述するパターン印刷を行う場合には、印刷性を損なわない程度に(D)ビヒクルを配合すればよい。具体的には、例えば、金属ペースト組成物の全体量を100重量部としたときに、1重量部以上5重量部以下であることが好ましい。この範囲内であれば、良好な印刷性を実現することができる。
[(E)溶剤]
本発明に係る金属ペースト組成物に用いられる(E)溶剤は、各種金属ペースト組成物の分野で公知の有機溶剤を好適に用いることができる。
具体的には、例えば、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジブチルジグリコール等のグリコールエーテル類;ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のグリコールエーテル類の酢酸エステル;DBE(二塩基酸エステル);2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート、メタクリル酸2−エチルヘキシル等のエステル類;イソホロン等の環状ケトン類;ターピネオール、水添ターピネオール等のモノテルペンアルコール類;およびこれらモノテルペンアルコール類の酢酸エステル;γ−ブチロラクトン等の環状エステル類;n−メチル−2−ピロリドン等のラクタム類;ベンジルアルコール等のアルコール類;等を例示することができる。これら有機溶剤は1種類のみを用いてもよいし2種類以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
金属ペースト組成物中の(E)溶剤の含有量は、当該金属ペースト組成物の取扱性に大きな影響を与えない範囲内で自由に調整することが可能である。例えば、後述するパターン印刷を行う場合には、印刷性を損なわない程度に(E)溶剤を配合すればよい。具体的には、例えば、金属ペースト組成物の全体量を100重量部としたときに、10重量部以上20重量部以下であることが好ましい。この範囲内であれば良好な印刷性を実現することができる。
[(F)金属ナノ粒子または金属錯体]
本発明に係る金属ペースト組成物では、前述した(A)〜(E)の成分に加えて、さらに(F)金属ナノ粒子または金属錯体を含有している。これにより、セラミックス材料と金属材料との接着箇所、特にセラミックス材料が窒化アルミニウム製である場合に、これらの接着箇所において、高強度の接着状態を実現でき、かつ、高温状態に保持した場合でも接着状態の劣化を少なくすることができる。また、このような良好な接着状態を実現する上で、鉛を含有するガラスフリットを用いる必要がなくなる。
これら(F)成分のうち、(F−1)金属ナノ粒子の具体的な構成は特に限定されないが、前記の(A)金属粉末として用いられた金属と同じ金属で構成されるナノ粒子を好適に用いることができる。具体的には、Pt、Pd、Ag、Cu、Au、Niからなる群より選択される少なくとも1種の金属より構成されるナノ粒子を好適に用いることができ、中でもAgのナノ粒子(銀ナノ粒子)をより好ましく用いることができる。
(F−1)金属ナノ粒子の平均粒径D50は(累積50体積%粒径)は特に限定されないが、1〜1000nmの範囲内であればよく、1〜500nmの範囲内であることが好ましく、5〜100nmの範囲内であることがより好ましい。
(F−1)金属ナノ粒子の平均粒径D50が1nmより小さいと、金属粒子としてナノメートルレベルに満たなくなるので、金属ナノ粒子として成立させるために、金属ナノ粒子の表面に多くの有機保護膜を付着させる必要が生じる。そのため、焼成時に有機保護膜が離脱し、焼成膜表面に多数の気泡が生じてしまうおそれがある。加えて、金属ナノ粒子の製造が非常に難しくなり、コスト的にも不利となるおそれがある。一方、(F−1)金属ナノ粒子の平均粒径D50が1000nmより大きいと、金属粒子としてマイクロメートルレベルとなるので、金属ナノ粒子の特徴である低温焼結性が損なわれ、金属結合を形成することができなくなるおそれがある。その結果、得られる金属膜とセラミックス材料との接着状態(あるいは、セラミックス材料と金属材料との接合状態)を実現するために必要となる接着強度が得られなくなる可能性がある。
また、(F)成分が(F−2)金属錯体である場合、当該(F−2)金属錯体の具体的な構成は特に限定されないが、前記の(A)金属粉末または(C)活性金属で挙げられた金属の錯体を好適に用いることができる。また、錯体の具体的な種類も特に限定されず、一般的な錯体を好適に用いることができる。錯体の具体的な種類としては、例えば、アンミン錯体、ハロゲン錯体、ヒドロキシ錯体、アセチルアセトナート錯体、フェナントロリン錯体、EDTA錯体等を挙げることができる。これらの中でも、アセチルアセトナート錯体を、より好ましい一例として挙げることができる。これら(F−2)金属錯体は、1種類のみ用いられてもよいし、2種類以上が適宜組み合わせて用いられてもよい。
(F−2)金属錯体の使用形態は特に限定されず、前記(A)〜(C)成分等と同様に粉末として金属ペースト組成物に配合されてもよいし、(F−2)金属錯体の種類に応じて公知の溶媒に溶解した金属錯体溶液として配合されてもよい。なお、(F−2)金属錯体が粉末で用いられる場合の平均粒径等の条件、あるいは、溶液で用いられる場合の溶媒および濃度等の条件についても特に限定されず、セラミックス材料と金属材料との接着性に影響を及ぼさず、かつ、後述するパターン印刷にも影響を及ぼさない範囲で公知の条件を好適に用いることができる。
金属ペースト組成物中の(F)成分、すなわち金属ペースト組成物中の(F)金属ナノ粒子または金属錯体の含有量も特に限定されないが、金属ペースト組成物の全体量を100重量部としたときに、0.1重量部を超え10重量部以下であればよく、0.1重量部以上5重量部以下であることが好ましく、0.2重量部以上5重量部以下であることがより好ましい。
(F)金属ナノ粒子または金属錯体の含有量が0.1重量部未満である場合には、金属ペースト組成物を焼成して得られる金属膜(あるいはセラミックス−金属接合層)のセラミックス材料に対する接着強度が低下する可能性がある。また、(F)金属ナノ粒子または金属錯体の含有量が10重量部を超える場合は、金属ペースト組成物中において(F)金属ナノ粒子または金属錯体の分散性が低下し、これら(F)金属ナノ粒子または金属錯体の凝集物が発生したり(E)溶剤の分離が発生したりする可能性がある。また、(F)金属ナノ粒子または金属錯体が多くなることで金属ペースト組成物の原料コストが上昇するおそれもある。
[その他成分]
本発明に係る金属ペースト組成物は、前述した(A)〜(F)成分を含んでいればよいが、必要に応じて他の成分を含有してもよい。このような他の成分としては、本発明に係る金属ペースト組成物の物性または取扱性等に影響がない限り、一般的なペースト組成物の分野で公知の各種の添加剤を好適に用いることができるが、好ましい一例として、分散剤を挙げることができる。
本発明で用いられる分散剤の具体的な種類は特に限定されないが、具体的には、例えば、ビックケミー・ジャパン株式会社製のBYKシリーズ(商品名)またはDisperBYKシリーズ(商品名)、あるいは、楠本化成株式会社製DISPARLONシリーズ(商品名)、第一工業製薬株式会社製プライサーフシリーズ(商品名)等を挙げることができる。
より具体的には、前記BYKシリーズの分散剤としては、例えば、BYK−350、BYK−352、BYK−354、BYK−355、BYK−356、BYK−358N、BYK−361N、BYK−380N、BYK−381、BYK−392、BYK−394、BYK−405、BYK−410、BYK−411、BYK−420、BYK−425、BYK−428等が挙げられ、前記DisperBYKシリーズの分散剤としては、例えば、Disperbyk−101、Disperbyk−102、Disperbyk−103、Disperbyk−106、Disperbyk−110、Disperbyk−111、Disperbyk−140、Disperbyk−142、Disperbyk−145、Disperbyk−161、Disperbyk−162、Disperbyk−163、Disperbyk−164、Disperbyk−166、Disperbyk−167、Disperbyk−168、Disperbyk−170、Disperbyk−171、Disperbyk−174、Disperbyk−180、Disperbyk−182、Disperbyk−2000、Disperbyk−2001、Disperbyk−2050、Disperbyk−2070、Disperbyk−2090等が挙げられる。
また、前記DISPARLONシリーズの分散剤としては、ディスパロンKS−860、ディスパロンKS−873N、ディスパロン7004、ディスパロン1831、ディスパロン1850、ディスパロン1860、ディスパロン2150、ディスパロンDA−400N、ディスパロンPW36、ディスパロンDA−703−50、ディスパロンDA−725、ディスパロンDA−705、ディスパロンDA−7301、ディスパロンDA−325、ディスパロンDA−375、ディスパロンDA−234、ディスパロンDN−900、ディスパロンDA−1200等が挙げられる。
また、前記プライサーフシリーズの分散剤としては、プライサーフA212C、プライサーフA215C、プライサーフAL、プライサーフAL12H、プライサーフA208F、プライサーフA208N、プライサーフA208B、プライサーフA219B、プライサーフA210D等が挙げられる。
なお、これら分散剤は、単独で金属ペースト組成物に配合されてもよいし、2種類以上が適宜組み合わせられて配合されてもよい。
また、本発明においては、前述した分散剤以外にも、一般的に金属粒子を分散させる目的で用いられる、いわゆる表面処理剤も、本発明における分散剤として使用することが可能である。このような表面処理剤としては、具体的には、プロピオン酸、カプリル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、アクリル酸、オレイン酸、リノール酸、アラキドン、リノレン酸、ステアロール酸、リシノール酸、エライジン酸等の脂肪酸、あるいは、これらのアミン物を好適な例として挙げることができる。
[金属ペースト組成物およびその使用]
本発明に係る金属ペースト組成物の製造方法は特に限定されず、公知の方法を好適に用いることができる。代表的な一例としては、前述した(A)〜(F)成分、必要に応じて他の成分を所定の配合割合(重量基準)で配合し、公知の混練装置を用いてペースト化すればよい。混練装置としては、例えば、3本ロールミル等を挙げることができる。
また、本発明に係る金属ペースト組成物の物性は特に限定されないが、後述するパターン印刷時の便宜から、その粘度は、75〜100Pa・sの範囲内であることが好ましい。特に、パターン印刷方法としてスクリーン印刷を採用する場合には、金属ペースト組成物の粘度が前記の範囲内であれば、スクリーン印刷による金属膜(導体パターン)の形成を好適に行うことができる。
本発明に係る金属ペースト組成物の用途については特に限定されず、セラミックス材料と金属材料とを良好に接着する用途であればよい。代表的な用途としては、セラミックス材料に対して金属材料を接合するための接合組成物、あるいは、セラミックス材料の表面に塗工することにより金属膜を形成するためのインク状組成物が挙げられる。
本発明に係る金属ペースト組成物の具体的な使用方法は特に限定されず、その用途が前者の接合組成物であれば、金属ペースト組成物をセラミックス材料と金属材料との間に塗布して所定条件で焼成すればよい。また、その用途が後者の金属膜の形成であれば、金属ペースト組成物を、セラミックス基板等の基材上に所定の導体パターンで塗布または印刷するステップ(パターン形成ステップ)と、基材上の導体パターンを焼成させるステップ(焼成ステップ)とを含む方法であればよい。硬化した後の導体パターン(焼成膜)は基材上で、電極または配線として用いられる金属膜となる。
ここで、前記パターン形成ステップでは、公知の種々の導体パターン形成方法(印刷方法または塗布方法)を用いることができるが、代表的には、メッシュスクリーンを用いたスクリーン印刷を挙げることができる。本発明では、前記(A)〜(F)成分が適切な組成で配合されているので、前述したように、メッシュスクリーンを用いて導体パターンをスクリーン印刷する場合に、細線(ファインライン)の形成を容易とすることができる。
また、焼成ステップにおいても焼成方法または焼成温度は特に限定されないが、焼成温度は、600〜900℃の範囲内であることが好ましい。焼成温度が600℃より低ければ、金属ペースト組成物中の(D)ビヒクル等の有機成分の分解、(A)金属粉末および(F)金属ナノ粒子または金属錯体等の焼結が不十分となるおそれがあり、900℃より高くなれば、焼成膜のわれや基材からの剥離等が生じるおそれがある。
本発明に係る金属ペースト組成物のより具体的な用途としては、代表的な一例としてパワーモジュールを挙げることができる。パワーモジュールは、パワー半導体素子等の発熱性素子を制御装置等とともに配線基板上に実装してモジュール化したもので、その配線基板としてセラミックス−金属接合基板が用いられている。このセラミックス−金属接合基板の製造、並びに、セラミックス−金属接合基板への配線形成に、本発明に係る金属ペースト組成物を好適に用いることができる。
前記パワー半導体素子としては、具体的には、例えば、絶縁ゲート・バイポーラ・トランジスタ(IGBT)素子、インテリジェント・パワー・モジュール(IPM)素子、金属酸化膜形電界効果トランジスタ(MOSFET)素子、発光ダイオード(LED)素子、フリーホイーリングダイオード(FWD)素子、ジャイアント・トランジスター(GTR)素子等の半導体素子が挙げられる。また、パワー半導体素子以外の発熱性素子としては、昇華型サーマルプリンターヘッド素子、サーマルインクジェットプリンターヘッド素子等を挙げることができる。
前記パワーモジュールの製造に際しては、基材であるセラミックス基板の一方の面(裏面)に金属材料として銅板等の金属板が接合され、他方の面(表面)に配線または電極となる金属膜が所定の導体パターンで形成される。金属膜が形成された面には、前記の発熱性素子を含む各種電子部品を実装することによって、所定の電子回路が構成され、これにより電子装置としてのパワーモジュールが製造される。本発明に係る金属ペースト組成物は、セラミックス基板に対する金属板の接合にも、金属膜の形成にも好適に用いることができる。
ここで、基材であるセラミックス基板の具体的な構成は特に限定されず、パワーモジュールの用途や性能等に応じて、具体的な材質、形状、寸法、その他条件等が設計されるが、代表的なセラミックス基板としては、例えば、窒化アルミニウム(AlN)、窒化ケイ素(Si34)等の窒化物系セラミックス基板、あるいは、酸化アルミニウム(アルミナ、Al23)等の酸化物系セラミックス基板が挙げられる。これらの中でも、窒化物系セラミックス材料製の基板を好ましい一例として挙げることができ、窒化アルミニウム基板をより好ましい一例として挙げることができる。
窒化アルミニウム基板は、軽量かつ高硬度で、電気絶縁性、耐熱性、耐食性等に優れており、パワーモジュールの基板として好適に用いることができる。本発明に係る金属ペースト組成物は、この窒化アルミニウム基板に対して金属板を接合したり金属膜を形成したりする用途に、特に好適に用いることができる。
もちろん本発明で使用対象となるセラミックス材料は窒化アルミニウム基板に限定されず、他のセラミックス基板であってもよいことは言うまでもなく、さらに、基板以外にも、金属材料との接合または金属膜の形成を要する公知のセラミックス材料製の基材に対して好適に用いることができる。また、セラミックス材料製の基材の用途も、パワーモジュールのような電子または電気分野に限定されない。
このように、本発明に係る金属ペースト組成物は、(A)金属粉末、(B)ガラスフリット、(C)活性金属、(D)ビヒクル、および(E)溶剤に加えて、(F)金属ナノ粒子または金属錯体を含有している構成である。これにより、金属ペースト組成物を焼成することで、セラミックス材料と金属材料との間に強固な結合を形成することが可能となる。これにより、(B)ガラスフリットとして鉛を含まないものを用いても、良好な接着強度を実現することができるとともに、セラミックス材料と金属材料との接着箇所が高温環境にさらされても、これら異種材料の接着状態をまたは接着状態を良好に維持することが可能となる。
特に、(F)成分として(F−1)金属ナノ粒子が金属ペースト組成物に配合されている場合には、当該金属ペースト組成物を金属−セラミックス間に塗布して焼成したり、セラミックス材料の表面に塗布して焼成することにより金属膜を形成したりすれば、当該(F−1)金属ナノ粒子が焼結によってより一層強固な金属結合を部分的に形成するため、安定した接着状態を実現できると考えられる。
また、(F)成分として、(F−2)金属錯体が金属ペースト組成物に配合されている場合には、焼成時ないし高温保持時に(F−2)金属錯体が還元されることで金属ナノ粒子が発生し、(F−1)金属ナノ粒子を配合した場合と同様に、焼結によってより一層強固な金属結合を部分的に形成するため、接着強度が高まるものと考えられる。
このように、本発明においては、(F−1)金属ナノ粒子または(F−2)金属錯体は、セラミックス材料と金属材料との接着を補強する「結合補強成分」として機能する。これにより、鉛を含有したガラス材料からなるガラスフリットを用いる必要がなくなり、かつ、高温環境にさらされてもセラミックス材料と金属材料との良好な接着状態を実現することが可能となる。
本発明について、実施例および比較例に基づいてより具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。当業者は本発明の範囲を逸脱することなく、種々の変更、修正、および改変を行うことができる。なお、以下の実施例および比較例における各種合成反応や物性等の測定・評価は次に示すようにして行った。
(測定・評価方法)
[特性評価用サンプルの作製方法]
実施例および比較例のペースト組成物を用いて、次のようにして特性評価用サンプルを作製した。
(1)比抵抗評価用サンプル
基材としての窒化アルミニウム基板上に、実施例または比較例の金属ペースト組成物を用いて、図1に示すように、両端に端子11および12を有し配線部分がつづら折り状となっている印刷パターン10をスクリーン印刷した。なお、スクリーン印刷には、マイクロ・テック株式会社製スクリーン印刷機MT−320(商品名)を使用した。この印刷パターン10のアスペクト比は220となっている。その後、窒化アルミニウム基板を850℃のベルト炉で40分間焼成し、印刷パターン10を焼成させた。これにより比抵抗評価用サンプルを作製した。
(2)密着強度評価用サンプル
基材としての窒化アルミニウム基板上に、実施例または比較例の金属ペースト組成物を用いて、図1に示すように、一辺2mmの正方形(2mm□)からなる印刷パターン20をスクリーン印刷した。なお、スクリーン印刷には、マイクロ・テック株式会社製スクリーン印刷機MT−320(商品名)を使用し、SUS200メッシュのスクリーン版(中沼アートスクリーン株式会社製)を用いた。その後、窒化アルミニウム基板を850℃の熱風乾燥機中で40分間加熱し、印刷パターン20を焼成させた。これにより80μm線幅評価用サンプルを作製した。
[比抵抗の評価方法]
比抵抗評価用サンプルにおいて、図1に示す印刷パターン10の配線の膜厚を、株式会社東京精密製表面粗さ計サーフコム480A(商品名)で測定するとともに、その電気抵抗(端子11、12間)を株式会社アドバンテスト製デジタルマルチメータR6551(商品名)で測定し、それら膜厚、電気抵抗および前記アスペクト比に基づいて比抵抗を算出し、評価した。
比抵抗の評価基準については、当該比抵抗の上限値を設定し、それ以下になるか否かにより評価した。比抵抗が高ければ、同程度の配線抵抗を得るために膜厚を厚くする必要があるため、用いられるペースト組成物の量も多く必要になる。それゆえ、比抵抗はできる限り低いことが好ましい。以下の実施例および比較例では、配線の比抵抗が100μΩ・cm以下であれば好ましく、50μΩ・cm以下であればより好ましいとして評価した。
[密着強度の評価方法]
密着強度評価用サンプルにおいて、図1に示す印刷パターン20上に金無電解メッキを施し、さらにスズメッキした銅製ワイヤを半田付けした。この評価用サンプルの銅製ワイヤをメッキ面に対して垂直な方向に引っ張ったとき、半田が窒化アルミニウム基板から引き剥がされたときの荷重(N)を測定した。なお、荷重測定には今田製作所社製デジタル荷重計を用いた。
[高温保存後の密着強度の評価方法]
前記[密着強度の評価方法]と同様に銅製ワイヤを半田付けした密着強度評価用サンプルを、150℃送風式乾燥機にて48時間静置した。静置後、取り出し後に、前記と同様の条件にて引っ張ったときに、半田が窒化アルミニウム基板から引き剥がされたときの荷重(N)を前記と同様に測定した。
(実施例1〜4)
表1に示す組成(いずれも重量部)で、表2に示す具体的な成分を用いて、(A)〜(F)成分および分散剤を配合し、3本ロールミルで混練してペースト化することにより、実施例1〜4の金属ペースト組成物をそれぞれ製造(調製)した。なお、実施例1〜4では、表2に示すように、(F)成分を変更した以外は同じ成分および同じ組成となっている。
得られた金属ペースト組成物を用いて、前述したように比抵抗評価用サンプルおよび密着強度評価用サンプルを作製し、比抵抗および密着強度を評価した。その結果を表3に示す。
(実施例5)
表1および表2に示すように、(B)ガラスフリットの種類および配合量(含有量)と、(C)活性金属の配合量(含有量)を調整した以外は、実施例1と同様にして、実施例5の金属ペースト組成物を製造(調製)した。得られた金属ペースト組成物を用いて、実施例1と同様にして比抵抗および密着強度を評価した。その結果を表3に示す。
(実施例6、7)
表1および表2に示すように、(F)成分の配合量(含有量)を増加または減少するように調整し、これに合わせて、(A)金属粉末、(B)ガラスフリット、(C)活性金属、および(E)溶剤の配合量を調整した以外は、実施例1と同様にして、実施例6または7の金属ペースト組成物を製造(調製)した。得られた金属ペースト組成物を用いて、実施例1と同様にして比抵抗および密着強度を評価した。その結果を表3に示す。
(実施例8)
表1および表2に示すように、(F)成分を変更した以外は実施例6と同様にして、実施例8金属ペースト組成物を製造(調製)した。得られた金属ペースト組成物を用いて、実施例6と同様にして比抵抗および密着強度を評価した。その結果を表3に示す。
(比較例1、2)
表1および表2に示すように、(F)成分を用いず、かつ、(A)金属粉末および(E)溶剤の配合量(含有量)を調整した以外は、実施例1と同様にして、比較例1、2の金属ペースト組成物を得た。なお、比較例1、2では、表2に示すように(B)ガラスフリットの種類が異なっているがいずれも鉛(Pb)は含んでいない。得られた金属ペースト組成物を用いて、実施例1と同様にして比抵抗および密着強度を評価した。その結果を表3に示す。
(比較例3)
表1および表2に示すように、(F)成分の含有量を減少させるとともに、これに合わせて(A)金属粉末および(E)溶剤の配合量(含有量)を調整した以外は、実施例2と同様にして、比較例3の金属ペースト組成物を得た。得られた金属ペースト組成物を用いて、実施例2と同様にして比抵抗および密着強度を評価した。その結果を表3に示す。
(比較例4)
表1および表2に示すように、(B)ガラスフリットとして鉛を含有するガラス材料で構成されるものを用いた以外は、比較例1と同様にして比較例4の金属ペースト組成物を得た。得られた金属ペースト組成物を用いて、比較例1と同様にして比抵抗および密着強度を評価した。その結果を表3に示す。
表3の結果から明らかなように、印刷パターン(すなわちセラミックス基板上に接着した金属膜)の比抵抗は、(F)金属ナノ粒子または金属錯体を含有しているか否かにかかわらず、いずれも良好な値を示していた(全実施例および全比較例参照)。
これに対して、本発明に係る金属ペースト組成物では、(F)金属ナノ粒子または金属錯体を含有するため、(B)ガラスフリットとして鉛を含有しないものを用いているにもかかわらず、(F)金属ナノ粒子または金属錯体を含有しない比較の金属ペースト組成物の密着強度よりも高い密着強度が得られた(実施例1〜4、比較例1参照)。
特に、本発明に係る金属ペースト組成物では、高温保存後の密着強度は、いずれも高温保存前の密着強度よりも低下しているものの、比較の金属ペースト組成物における高温保存前の密着強度(低下する前の密着強度)よりも高い値を示していた。
このような傾向は、(B)ガラスフリットの種類を変更しても(実施例5参照)、(F−1)金属ナノ粒子または(F−2)金属錯体の配合量(含有量)を好適な範囲内で変更しても変わらなかった(実施例6〜8参照)。
また、(F)金属ナノ粒子または金属錯体を配合しない場合、(B)ガラスフリットの種類を変更しても密着強度は改善されなかった(比較例2参照)。さらに、(F)金属ナノ粒子または金属錯体の配合量が好適な範囲を下回った場合も、密着強度は好適な範囲を下回る結果となった(比較例3参照)。
また、(F)金属ナノ粒子または金属錯体を配合しなくても、鉛を含有した(B)ガラスフリットを配合すれば、密着強度は(F)金属ナノ粒子または金属錯体を配合した場合と同様に高くなるものの、高温保存後の密着強度は、(F)金属ナノ粒子または金属錯体を配合した場合に比べて大きく低下した(比較例4および実施例4参照)。
なお、本発明は前記実施の形態の記載に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示した範囲内で種々の変更が可能であり、異なる実施の形態や複数の変形例にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施の形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明は、セラミックス材料と金属材料とを接着する分野に広く好適に用いることができる。代表的には、セラミックス基板に金属板が接合されるとともに配線や電極となる金属膜が形成されて構成される、パワーモジュールの分野に特に好適に用いることができる。
10 印刷パターン
11 端子
12 端子
20 印刷パターン

Claims (9)

  1. 少なくとも、セラミックス材料と金属材料との接合と、セラミックス材料の表面に接着した状態の金属膜の形成とを含む、セラミックス材料と金属材料との接着に用いられ、(A)金属粉末、(B)ガラスフリット、(C)活性金属、(D)ビヒクル、および(E)溶剤、並びに、(F)金属ナノ粒子または金属錯体を含有しており、
    前記(A)金属粉末は、周期表第10族および第11族の少なくともいずれかの金属元素の粉末であり、かつ、平均粒径が0.2〜20μmの範囲内であり、
    前記(B)ガラスフリットが、鉛を含有しないガラス材料により構成され、
    前記(C)活性金属は、レアアースあるいは周期表第3族の金属、周期表第4族の金属、周期表第5族の金属、周期表第6族の金属、Li、Mg、Al、Mn、In、Zn、Snから選択される少なくともいずれかの金属の単体、酸化物または水素化物の粉末であり、
    前記(F)金属ナノ粒子または金属錯体のうち、(F−1)金属ナノ粒子は、前記(A)金属粉末として用いられる少なくともいずれか1種の金属で構成され、当該(A)金属粉末とは別成分として配合される、平均粒径が1〜100nmの範囲内のナノ粒子であり、
    前記(F)金属ナノ粒子または金属錯体のうち、(F−2)金属錯体は、前記(A)金属粉末または前記活性金属として用いられる少なくともいずれか1種の金属の錯体の粉末または金属錯体溶液であり、
    さらに、その全体量を100重量部とした際に、
    前記(A)金属粉末の含有量が30重量部以上90重量部以下であり、
    前記(B)ガラスフリットの含有量が1重量部以上15重量部以下であり、
    前記(C)活性金属の含有量が1重量部以上10重量部以下であり、
    前記(F)金属ナノ粒子または金属錯体の含有量が0.1重量部を超え10重量部以下の含有量であることを特徴とする、
    セラミックス材料用金属ペースト組成物。
  2. 前記(F)金属ナノ粒子が、Pt、Pd、Ag、Cu、Au、Niからなる群より選択される少なくとも1種の金属より構成されるナノ粒子であることを特徴とする、
    請求項1に記載のセラミックス材料用金属ペースト組成物。
  3. 前記(F−2)金属錯体が、金属アセチルアセトナート錯体であることを特徴とする、
    請求項1または2に記載のセラミックス材料用金属ペースト組成物。
  4. 前記(B)ガラスフリットが、B23−SiO2系、B23−SiO2−CaO系、B23−SiO2−Al23系のガラス材料により構成されることを特徴とする、
    請求項1から3のいずれか1項に記載のセラミックス材料用金属ペースト組成物。
  5. 前記(A)金属粉末が、Pt、Pd、Ag、Cu、Au、Niからなる群より選択される少なくとも1種の金属より構成されることを特徴とする、
    請求項1から4のいずれか1項に記載のセラミックス材料用金属ペースト組成物。
  6. 前記(C)活性金属が、In、Zn、Sn、Ti、Zr、Nb、Hf、Moからなる群より選択される少なくとも1種の元素の単体、酸化物または水素化物であることを特徴とする、
    請求項1から5のいずれか1項に記載のセラミックス材料用金属ペースト組成物。
  7. 前記セラミックス材料としてのセラミックス基板上に前記金属ペースト組成物を印刷した後に焼成して得たパターンを、銅製ワイヤに接着したときの接着強度が20N/2mm□以上であり、かつ、150℃で48時間保持した際の接着強度が15N/2mm□以上であることを特徴とする、
    請求項1から6のいずれか1項に記載のセラミックス材料用金属ペースト組成物。
  8. 前記セラミックス材料が、窒化物系セラミックスから構成されるセラミックス基板であることを特徴とする、
    請求項1から7のいずれか1項に記載のセラミックス材料用金属ペースト組成物。
  9. 前記セラミックス材料と前記金属材料との接合、および、前記セラミックス材料の表面に接着した状態の金属膜を形成、の少なくとも一方に用いられることを特徴とする、
    請求項1から8のいずれか1項に記載のセラミックス材料用金属ペースト組成物。
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