JP6669420B2 - 接合用組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、金属粒子を含有する接合用組成物に関する。
従来、金属部品と金属部品を機械的、電気的及び/又は熱的に接合するために、接合材が用いられている。上記接合材としては、例えば、はんだ、導電性接着剤、銀ペースト、異方導電性フィルム等が挙げられる。これらの接合材は、金属部品同士の接合だけではなく、金属部品と、セラミック部品、樹脂部品等との接合にも用いられることがある。例えば、近年、発光ダイオード(LED)等の発光素子、半導体チップ等を基板に接合する用途や、これらの基板を更に放熱部材に接合する用途に接合材が用いられることがある。
LED等の発光素子を備えた高輝度の照明デバイスや発光デバイス、パワーデバイスと言われる高温で高効率の動作をする半導体素子を備えた半導体デバイス等は、デバイス使用時の駆動温度が高い傾向にある。はんだは、これらのデバイスの駆動温度よりも融点が低いため、LED等の発光素子、半導体チップ等の接合には適さない。更に、近年、環境保全や「電気・電子機器に含まれる特定有害物質の使用制限に関する欧州議会及び理事会指令」(RoHS)の規制の観点から、鉛を含まない接合材が求められている。
耐熱性が高く、鉛を含有しない新たな接合材として、金属ナノ粒子を含有する接合用組成物が検討されている(例えば、特許文献1〜3等参照)。
特許文献1には、銀粒子からなる固形分と溶剤とを混練してなる金属ペーストにおいて、前記固形分が、粒径100〜200nmの銀粒子を粒子数基準で30%以上含む銀粒子で構成されており、固形分を構成する銀粒子全体の平均粒径が、60〜800nmであり、更に、固形分を構成する銀粒子は、保護剤として炭素数の総和が4〜8のアミン化合物が結合しており、TG−DTA分析における銀粒子の焼結に起因する発熱ピークが200℃未満で発現する金属ペーストが開示されている。
特許文献2には、平均粒径の異なる2種以上の金属粒子と、有機成分と、分散剤と、を含有し、最も平均粒径が小さな金属粒子Sの平均粒径Dと最も平均粒径が大きな金属粒子Lの平均粒径Dとの粒径比(D/D)が1×10−4〜0.5であること、を特徴とする金属接合用組成物が開示されている。
特許文献3には、銀微粒子と、アルコキシアミンを含む分散剤と、分散媒と、を含み、前記分散剤の含有量が、前記銀微粒子の含有量に対して0.1〜7.0質量%であり、室温から200℃まで加熱したときの重量損失が、含有する全有機成分の70質量%以上であること、を特徴とする銀微粒子組成物が開示されている。
特許第5795096号明細書 国際公開第2014/185073号 国際公開第2016/166948号
従来、金属ナノ粒子を用いた接合では、300〜350℃の不活性雰囲気下で加圧しながら接合を行うことがあった。また、LED等の発光素子、半導体チップ等の接合では、接合時におけるこれらのデバイスの損傷を防ぐ観点からは、300℃未満の焼成温度で焼結できることが望ましい。
更に、近年、LED等の発光素子、半導体チップ等を備えたデバイスには、出力を高める要請があり、高集積化したり、投入電力を増大したりすることがある。そのため、これらのデバイスの駆動温度はより高くなり、接合材の使用環境がより過酷になる傾向にあるため、LED等の発光素子、半導体チップ等の接合には、高い接合強度が求められる。上記特許文献1〜3には、銀ナノ粒子を含有する金属ペースト等が開示されており、比較的低温で焼結できることが開示されているものの、更に高い接合強度を実現するためには、更なる検討の余地があった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、比較的低温でも、加圧することなく接合することができ、優れた接合強度が得られる接合用組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、接合用組成物の焼結体が優れた接合強度を発揮するためには、接合用組成物中の金属粒子に由来する固形分濃度が高いことが重要であることに着目し、接合用組成物に含まれる分散媒の含有量を少なくすることで、LED等の発光素子、半導体チップ等の接合に用いても充分な接合強度が得られることを見出した。本発明者らは更に検討を重ね、接合用組成物中の分散媒量を少なくすることで、接合用組成物の焼結体の密度を高くすることができる一方で、上記分散媒量が少なすぎると、接合用組成物の粘度が高くなり、取り扱い性が低下することを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、平均粒径が20〜100nmである第一の金属粒子と、分散媒とを含有する接合用組成物であって、上記接合用組成物全体に対する上記分散媒の含有量は、1.0重量%以上、5.0重量%未満であることを特徴とする。
上記第一の金属粒子は、下記式(1)で表される一次粒径の変動係数が、25.0%以上、50.0%以下であることが好ましい。
変動係数(%)=一次粒径の標準偏差/平均一次粒径×100 (1)
更に、平均粒径が200〜500nmである第二の金属粒子を含有することが好ましい。
上記第一の金属粒子と上記第二の金属粒子との重量比率は、20:80〜80:20であることが好ましい。
上記第一の金属粒子は、有機保護成分で被覆されていることが好ましい。
上記有機保護成分は、少なくとも一種類の沸点が150℃以下のアミンを含むことが好ましい。
上記接合用組成物は、更に、高分子分散剤を含有することが好ましい。
本発明によれば、比較的低温でも、加圧することなく接合することができ、優れた接合強度が得られる接合用組成物を提供することができる。
金属微粒子A1の粒度分布を示したグラフである。 金属微粒子A2の粒度分布を示したグラフである。 金属微粒子A3の粒度分布を示したグラフである。 金属微粒子A4の粒度分布を示したグラフである。 金属微粒子A5の粒度分布を示したグラフである。 金属微粒子A6の粒度分布を示したグラフである。 金属微粒子A7の粒度分布を示したグラフである。 金属微粒子A8の粒度分布を示したグラフである。 金属微粒子A9の粒度分布を示したグラフである。 金属微粒子B1の粒度分布を示したグラフである。 金属微粒子B2の粒度分布を示したグラフである。 金属微粒子B3の粒度分布を示したグラフである。
本実施形態の接合用組成物は、平均粒径が20〜100nmである第一の金属粒子と、分散媒とを含有する接合用組成物であって、上記接合用組成物全体に対する上記分散媒の含有量は、1.0重量%以上、5.0重量%未満であることを特徴とする。
上記第一の金属粒子の平均粒径は、20〜100nmである。上記接合用組成物は、200℃を超える焼成温度でも金属粒子同士を焼結させることができるが、上記第一の金属粒子の平均粒径を20〜100nmとすることにより、融点降下が生じ、比較的低温(例えば、200℃以下、好ましくは150℃程度)でも金属粒子同士を焼結させることができる。また、接合用組成物中の第一の金属粒子の分散性を経時的に変化し難くすることができる。上記第一の金属粒子の平均粒径が20nm未満であると、第一の金属粒子の表面積が大きくなることに起因して、接合用組成物の粘度が高くなり、取り扱い性が低下する。また、第一の金属粒子の表面を有機保護成分で被覆する場合に、上記有機保護成分量が増加し、焼成後に有機物が残留して、焼結体の密度が低下するため、接合強度が低下する。一方、上記第一の金属粒子の平均粒径が100nmを超えると、融点降下が生じ難くなり、比較的低温では金属粒子同士が焼結し難くなる。上記第一の金属粒子の平均粒径の好ましい下限は25nmであり、好ましい上限は80nmである。本明細書中、「平均粒径」とは、金属粒子の一次平均粒径であり、数平均粒径をいう。上記数平均粒径は、例えば、走査型電子顕微鏡(SEM)(例えば、株式会社日立製のS−4800型)を用いて得られた画像を、画像処理ソフト(例えば、MITANI CORPORATION、WinROOF)を用いて算出することができる。
上記第一の金属粒子は、特に限定されるものではなく、例えば、金、銀、銅、ニッケル、ビスマス、スズ及び白金族元素よりなる群から選択される少なくとも1種の金属の粒子であることが好ましい。上記第一の金属粒子は、銅又は銅よりもイオン化傾向が小さい(貴な)金属、即ち、金、白金、銀及び銅のうちの少なくとも1種の金属の粒子であることがより好ましい。これらの金属は単独で用いても、2種以上を併用してもよい。2種以上の金属を併用する方法としては、複数の金属を含む合金粒子を用いる場合や、コア−シェル構造や多層構造を有する金属粒子を用いる場合がある。
上記第一の金属粒子として銀微粒子を用いる場合、本実施形態の接合用組成物を用いて形成された焼結体(焼結層)の導電率は良好となる。銀微粒子にその他の金属からなる粒子を併用することによって、マイグレーションを起こり難くすることができる。上記「その他の金属」としては、上述のイオン化列が水素より貴である金属、即ち金、銅、白金、パラジウムが好ましい。
上記接合用組成物は、分散媒を含有する。分散媒を含有することで、接合用組成物の粘度を調整し、取り扱い性を良好なものとすることができる。
接合用組成物全体に対する上記分散媒の含有量は、1.0重量%以上、5.0重量%未満である。上記分散媒の含有量が1.0重量%未満であると、接合用組成物のせん断粘度が高すぎるため取り扱い性が悪く、被接合部材に塗工し難くなる。一方で、上記分散媒の含有量が、5.0重量%以上であると、25℃から550℃までの熱分析による重量減少率が増大する。また、接合用組成物中の金属粒子の含有量が少なくなるため、焼結体の密度が低くなり、充分な接合強度が得られない。
上記分散媒としては、本発明の効果を損なわない範囲で種々のものを使用可能であり、例えば、水又は有機溶剤を用いることができる。上記有機溶剤としては、例えば、炭化水素、アルコール等が挙げられる。
上記炭化水素としては、脂肪族炭化水素、環状炭化水素、脂環式炭化水素等が挙げられ、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記脂肪族炭化水素としては、例えば、テトラデカン、オクタデカン、ヘプタメチルノナン、テトラメチルペンタデカン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、トリデカン、メチルペンタン、ノルマルパラフィン、イソパラフィン等の飽和又は不飽和脂肪族炭化水素が挙げられる。
上記環状炭化水素としては、例えば、トルエン、キシレン等が挙げられる。
上記脂環式炭化水素としては、例えば、リモネン、ジペンテン、テルピネン、ターピネン(テルピネンともいう。)、ネソール、シネン、オレンジフレーバー、テルピノレン、ターピノレン(テルピノレンともいう。)、フェランドレン、メンタジエン、テレベン、ジヒドロサイメン、モスレン、イソテルピネン、イソターピネン(イソテルピネンともいう。)、クリトメン、カウツシン、カジェプテン、オイリメン、ピネン、テレビン、メンタン、ピナン、テルペン、シクロヘキサン等が挙げられる。
上記アルコールは、OH基を分子構造中に1つ以上含む化合物であり、脂肪族アルコール、環状アルコール及び脂環式アルコールが挙げられ、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、OH基の一部は、本発明の効果を損なわない範囲でアセトキシ基等に誘導されていてもよい。
上記脂肪族アルコールとしては、例えば、ヘプタノール、オクタノール(1−オクタノール、2−オクタノール、3−オクタノール等)、デカノール(1−デカノール等)、トリデカノール(イソトリデカノール等)、ラウリルアルコール、テトラデシルアルコール、セチルアルコール、2−エチル−1−ヘキサノール、オクタデシルアルコール、ヘキサデセノール、オレイルアルコール等の炭素数が6〜30の飽和又は不飽和脂肪族アルコール等が挙げられる。
上記環状アルコールとしては、例えば、クレゾール、オイゲノール等が挙げられる。更に、上記脂環式アルコールとしては、例えば、シクロヘキサノール等のシクロアルカノール、テルピネオール(α、β、γ異性体、又はこれらの任意の混合物を含む。)、ジヒドロテルピネオール等のテルペンアルコール(モノテルペンアルコール等)、ジヒドロターピネオール、ミルテノール、ソブレロール、メントール、カルベオール、ペリリルアルコール、ピノカルベオール、ソブレロール、ベルベノール等が挙げられる。
上記接合用組成物の大気雰囲気で25℃から昇温速度10℃/分で加熱したときの550℃までの重量減少率Wは、0.6%≦W≦5.5%であることが好ましい。接合用組成物を550℃まで加熱すると、分散媒は蒸発し、金属粒子を被覆する有機物等が酸化分解され、大部分はガス化されて消失する。このため、550℃までの加熱による重量減少率Wは、分散媒の量と固形分中の有機物の量の和に相当することになる。上記重量減少率Wが少ないほど、接合用組成物中の金属粒子の含有量が高いことを意味する。上記重量減少率Wが0.6%≦W≦5.5%とすることで、接合用組成物中の金属粒子の含有量が高く、高密度の焼結体が得られるため、より優れた接合強度を実現できる。重量減少率Wが0.6%未満であると、接合用組成物の流動性が低下し、取り扱い性が低下することがある。一方、重量減少率Wが5.5%を超えると、接合用組成物中の金属粒子の含有量が少ないため、焼結体の密度が低下し、接合強度が低下することがある。重量減少率Wの好ましい下限は1%であり、より好ましい下限は2%であり、好ましい上限は5.4%である。上記重量減少率は、熱重量分析法により測定することができる。
上記第一の金属粒子は、下記式(1)で表される一次粒径の変動係数が、25.0%以上、50.0%以下であることが好ましい。下記一次粒径の標準偏差は、上記平均粒径の測定で用いた画像データから算出することができる。
変動係数(%)=一次粒径の標準偏差/平均一次粒径×100 (1)
上記変動係数が大きいことは、粒度分布が広いことを意味する。上記第一の金属粒子の平均粒径が同じである場合には、変動係数が大きい金属粒子を用いた方が、変動係数が小さい金属粒子を用いた場合と比較して、接合用組成物の流動性が向上する。これは、金属粒子の比表面積が低下することで、金属粒子間の相互作用が小さくなることに起因すると考えられる。上記第一の金属粒子の一次粒径の変動係数が25.0%以上となると、得られる接合用組成物の流動性が良好になる。その結果、投入する粘度調整溶剤(分散媒)の量を減らすことができ、接合用組成物中の固形分濃度をより高くすることができる。上記変動係数が25.0%未満であると、接合用組成物の流動性を向上させる効果が充分に得られないことがある。上記変動係数の上限は特に限定されないが、第一の金属粒子の製造上の問題から、上記変動係数は50.0%以下であることが好ましい。上記変動係数のより好ましい下限は27.0%であり、より好ましい上限は45.0%である。接合用組成物の流動性は、第一の金属粒子の平均粒径によっても変化し、第一の金属粒子の平均粒径が小さいほど接合用組成物のせん断粘度が高くなり、流動性は低下するが、第一の金属粒子の変動係数を調整することで、平均粒径が小さい第一の金属粒子を用いた場合であっても、適切な流動性を得ることができる。
上記接合用組成物は、更に、平均粒径が200〜500nmである第二の金属粒子を含有することが好ましい。平均粒径が200〜500nmである第二の金属粒子を併用することで、焼成時の体積収縮を抑え、クラックを生じ難くすることができ、より密度の高い焼結体を得ることができる。上記第二の金属粒子の平均粒径が200nm未満では、焼成時の体積収縮を充分に抑制できないことがある。一方、上記第二の金属粒子の平均粒径が500nmを超えると、本実施形態の接合用組成物を被接合部材同士で挟んだ際に、粒径の大きい金属粒子によって隙間が生じ、接合強度が低下することがある。上記第二の金属粒子の平均粒径のより好ましい下限は250nmであり、より好ましい上限は400nmである。上記第二の金属粒子の平均粒径は、上述の第一の金属粒子の平均粒径と同様の方法で測定することができる。
上記第二の金属粒子は、上記第一の金属粒子で例示した金属粒子と同様の種類の金属粒子を用いることができる。上記第二の金属粒子を構成する金属は、上記第一の金属粒子と同じであってもよいし、異なってもよい。
上記第一の金属粒子と上記第二の金属粒子との重量比率は、20:80〜80:20であることが好ましい。これにより、低温焼結性を実現しつつ、接合強度をより向上させることができる。上記第一の金属粒子の重量が、上記第二の金属粒子80重量部に対して20重量部未満であると、接合用組成物中の平均粒径が20〜100nmである第一の金属粒子の割合が低くなり、比較的低温では金属粒子同士が焼結し難くなることがある。一方、上記第一の金属粒子の重量が、上記第二の金属粒子20重量部に対して80重量部を超えると、焼成時の体積収縮が大きくなり、焼結体にクラックが生じ易くなるため、接合強度が低下する傾向にある。上記第一の金属粒子と上記第二の金属粒子とのより好ましい重量比率は、30:70〜60:40である。上記第一の金属粒子の重量よりも上記第二の金属粒子の重量が多くなると、接合用組成物の流動性が低下し取り扱い性が低下する一方で、重量減少率は低下する傾向があるため、上記第一の金属粒子と上記第二の金属粒子との重量比率は、取り扱い性と重量減少率とのバランスを考慮して決定することができる。
上記第一の金属粒子は、有機保護成分で被覆されていることが好ましい。上記有機保護成分とは、第一の金属粒子の表面の少なくとも一部に結合し、コロイドを形成する成分である。上記有機保護成分は、上記第一の金属粒子の表面の全てを被覆する必要はなく、コロイドを形成できる程度に、第一の金属粒子の表面の少なくとも一部を被覆していればよい。第一の金属粒子が有機保護成分で被覆されていることで、上記第一の金属粒子の分散安定性を向上させ、凝集を防ぐことができる。焼成時に上記有機保護成分が残存していると、金属粒子同士の融着を阻害するため、上記有機保護成分としては、焼成時に蒸発又は分解するものを用いることが好ましい。このような観点からは、上記有機保護成分は、比較的低温で上記第一の金属粒子の表面から離脱するアミンを用いることが望ましい。上記第二の金属粒子も、有機保護成分で被覆されていることが好ましい。
上記有機保護成分は、少なくとも一種類の沸点が150℃以下のアミンを含むことが好ましい。上記アミンの沸点が150℃を超えると、接合用組成物を比較的低温(例えば、200℃以下、好ましくは150℃程度)で焼成した際に、焼結体中に揮発しなかった有機保護成分が残存し、金属粒子同士が充分に焼結しないおそれがある。上記アミンは、金属粒子と化学的又は物理的に結合している場合や、アニオン又はカチオンに変化している場合も考えられ、本実施形態においては、上記アミンは、上記アミンに由来するイオン、錯体等の状態も取り得る。
上記沸点が150℃以下のアミンは、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよく、また、側鎖を有していてもよい。具体例としては、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミンが挙げられる。なかでも、アルキルアミン、又は、アルコキシアミンが好ましい。
上記アミンは、例えば、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アルコキシ基、カルボニル基、エステル基、メルカプト基等の、アミン以外の官能基を含む化合物であってもよい。この場合、アミンに由来する窒素原子の数が、アミン以外の官能基の数以上であるのが好ましい。また、上記アミンは、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記有機保護成分は、沸点が150℃以下であり、かつ、炭素数が1〜3であるアミンであることがより好ましい。なお、上記アミンの炭素数とは、主鎖の炭素数であり、官能基の炭素は含まない。
上記沸点が150℃以下であり、かつ、炭素数が1〜3であるアミンとしては、3−エトキシプロピルアミン、3−メトキシプロピルアミン等が挙げられる。
接合用組成物における有機保護成分の含有量は、0.1〜15重量%であるのが好ましい。上記有機保護成分の含有量が0.1重量%以上であれば、得られる接合用組成物の導電性が良くなる傾向があり、15重量%以下であれば、接合用組成物の分散安定性が良い傾向がある。上記有機保護成分の含有量のより好ましい下限は0.2重量%であり、より好ましい上限は5重量%であり、更に好ましい下限は0.3重量%であり、更に好ましい上限は4重量%である。上記有機保護成分の含有量は、熱重量分析により測定することができる。
本実施形態の接合用組成物は、更に、高分子分散剤を含有することが好ましい。これにより、金属粒子の分散性を向上させることができる。
上記高分子分散剤としては、市販されているものを使用することもできる。上記市販品としては、例えば、ソルスパース(SOLSPERSE)11200、ソルスパース13940、ソルスパース16000、ソルスパース17000、ソルスパース18000、ソルスパース20000、ソルスパース21000、ソルスパース24000、ソルスパース26000、ソルスパース27000、ソルスパース28000(日本ルーブリゾール(株)製;ディスパービック(DISPERBYK)142;ディスパービック160、ディスパービック161、ディスパービック162、ディスパービック163、ディスパービック166、ディスパービック170、ディスパービック180、ディスパービック182、ディスパービック184、ディスパービック190、ディスパービック2155(ビックケミー・ジャパン(株)製);EFKA−46、EFKA−47、EFKA−48、EFKA−49(EFKAケミカル社製);ポリマー100、ポリマー120、ポリマー150、ポリマー400、ポリマー401、ポリマー402、ポリマー403、ポリマー450、ポリマー451、ポリマー452、ポリマー453(EFKAケミカル社製);アジスパーPB711、アジスパーPA111、アジスパーPB811、アジスパーPW911(味の素社製);フローレンDOPA−15B、フローレンDOPA−22、フローレンDOPA−17、フローレンTG−730W、フローレンG−700、フローレンTG−720W(共栄社化学工業(株)製)等を挙げることができる。
低温焼結性観点からは、上記高分子分散剤は、ソルスパース11200、ソルスパース13940、ソルスパース16000、ソルスパース17000、ソルスパース18000、ソルスパース21000、ソルスパース28000、ディスパービック142又はディスパービック2155であることが好ましい。
接合用組成物における上記高分子分散剤の含有量は、0.01〜15重量%であることが好ましい。上記高分子分散剤の含有量が0.01重量%以上であれば、得られる接合用組成物の分散安定性が良くなる傾向があり、15重量%以下であれば、接合用組成物の導電性が良くなる傾向がある。上記高分子分散剤のより好ましい下限は0.1重量%であり、より好ましい上限は5重量%であり、更に好ましい下限は0.2重量%であり、更に好ましい上限は4重量%である。
本実施形態の接合用組成物は、上記の成分に加えて、本発明の効果を損なわない範囲で、使用目的に応じた適度な粘性、密着性、乾燥性又は印刷性等の機能を付与するために、例えば、バインダーとしての役割を果たすオリゴマー成分、樹脂成分、有機溶剤(固形分の一部を溶解又は分散していてよい。)、界面活性剤、増粘剤又は表面張力調整剤等の任意成分を添加してもよい。かかる任意成分としては、特に限定されない。
上記樹脂成分としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ブロックドイソシアネート等のポリウレタン系樹脂、ポリアクリレート系樹脂、ポリアクリルアミド系樹脂、ポリエーテル系樹脂、メラミン系樹脂、テルペン系樹脂等を挙げることができ、これらはそれぞれ単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記有機溶剤としては、上記の分散媒として挙げられたものを除き、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、2−プロピルアルコール、1,3−プロパンジオール、1,2−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、1−エトキシ−2−プロパノール、2−ブトキシエタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、重量平均分子量が200以上1,000以下の範囲内であるポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、重量平均分子量が300以上1,000以下の範囲内であるポリプロピレングリコール、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、グリセリン、アセトン等が挙げられ、これらはそれぞれ単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記増粘剤としては、例えば、クレイ、ベントナイト又はヘクトライト等の粘土鉱物、例えば、ポリエステル系エマルジョン樹脂、アクリル系エマルジョン樹脂、ポリウレタン系エマルジョン樹脂又はブロックドイソシアネート等のエマルジョン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等のセルロース誘導体、キサンタンガム又はグアーガム等の多糖類等が挙げられ、これらはそれぞれ単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記界面活性剤としては、特に限定されず、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤の何れかを用いることができ、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、4級アンモニウム塩等が挙げられる。少量の添加量で効果が得られるので、フッ素系界面活性剤が好ましい。
本実施形態の接合用組成物において、上記第一の金属粒子は、金属コロイド粒子として存在していることが好ましい。上記金属コロイド粒子の形態に関しては、例えば、第一の金属粒子の表面の一部に有機物が付着して構成されている金属コロイド粒子、上記第一の金属粒子をコアとして、その表面が有機物で被覆されて構成されている金属コロイド粒子、それらが混在して構成されている金属コロイド粒子等が挙げられるが、特に限定されない。なかでも、第一の金属粒子をコアとして、その表面が有機物で被覆されて構成されている金属コロイド粒子が好ましい。上記第二の金属粒子も、金属コロイド粒子として存在していることが好ましい。上記第一及び/又は第二の金属粒子の表面を被覆する有機物としては、上述の有機保護成分を用いることができる。
接合用組成物のせん断粘度は、本発明の効果を損なわない範囲で適宜調整すればよいが、25℃におけるせん断粘度が、せん断速度10s−1において、15〜120Pa・Sであることが好ましい。上記範囲とすることにより、例えば、LED等の発光素子、半導体チップ等を基板に接合する用途、これらの基板を更に放熱部材に接合する用途に好適に用いることができる。上記せん断粘度のより好ましい下限は25Pa・Sであり、より好ましい上限は100Pa・Sである。
上記せん断粘度の調整は、金属粒子の粒径の調整、有機物の含有量の調整、分散媒その他の成分の添加量の調整、各成分の配合比の調整、増粘剤の添加等によって行うことができる。上記せん断粘度は、コーンプレート型粘度計(例えば、アントンパール社製のレオメーターMCR301)により測定することができる。
接合用組成物により被接合部材同士を接合した場合の接合強度は、20〜150MPaであることが好ましい。接合強度が、20〜150MPaであれは、LED等の発光素子、半導体チップ等と基板との接合、上記基板と放熱部材との接合に好適に用いることができる。上記接合強度のより好ましい下限は30MPaであり、更に好ましい下限は50MPaである。上記接合強度は、一方の被接合部材に接合用組成物を塗工し、他方の被接合部材を貼り付けた後、焼成し、得られた積層体について、例えば、ボンドテスター(レスカ社製)を用いて、接合強度試験を行うことで評価できる。
本実施形態の接合用組成物は、優れたヒートサイクル信頼性を有する。上記ヒートサイクル信頼性が良好であることで、駆動温度が高いデバイスの製造における、LED等の発光素子、半導体チップ等の接合にも好適に用いることができる。上記ヒートサイクル信頼性は、例えば、接合用組成物と被接合部材とを焼結した積層体を、大気雰囲気で−40℃及び150℃で、10分ずつ保持することを1サイクルとして、500サイクルのヒートサイクル試験を行うことで評価することができる。上記ヒートサイクル試験は、例えば、冷熱衝撃試験機(ヒューテック社製)を用いて行うことができる。積層体の初期強度に対する、ヒートサイクル試験後の積層体の接合強度の低下率は、20%未満であることが好ましく、5%未満であることがより好ましい。
<接合用組成物の調製>
本実施形態の接合用組成物の製造方法は、特に限定されないが、まず、金属粒子分散体を調整し、上記金属粒子分散体と分散媒と、必要に応じて上記各種成分とを混合することにより、本実施形態の接合用組成物を得ることができる。
上記金属粒子分散体の調製方法としては、還元により分解して金属原子を生成しうる金属化合物と、有機保護成分との混合液を調製する第1工程と、上記混合液中の上記金属化合物を還元することで表面の少なくとも一部に有機保護成分が付着した金属粒子を生成する第2工程とを含む方法が挙げられる。以下に、具体的な製造方法として、第一の金属粒子を銀微粒子とし、有機保護成分としてアミンを用いた場合を例に挙げて説明する。
上記第1工程においては、アミンを銀1molに対して2mol以上添加することが好ましい。上記アミンの添加量を銀1molに対して2mol以上とすることで、還元によって生成される銀微粒子の表面に上記アミンを適量付着させることができ、上記銀微粒子に種々の分散媒に対する優れた分散性と低温焼結性とを付与することができる。
なお、上記第1工程における混合液の組成、及び、上記第2工程における還元条件(例えば、加熱温度及び加熱時間等)は、得られる銀微粒子の粒径を20〜100nmとするように調整する。上記第2工程で得られる金属粒子分散体から銀微粒子を取り出す方法は特に限定されないが、例えば、その金属粒子分散体の洗浄を行う方法等が挙げられる。
上記有機成分で被覆された銀微粒子を得るための出発材料としては、種々の公知の銀化合物を用いることができ、例えば、銀塩又は銀塩の水和物を用いることができる。具体的には、硝酸銀、硫酸銀、塩化銀、酸化銀、酢酸銀、シュウ酸銀、ギ酸銀、亜硝酸銀、塩素酸銀、硫化銀等の銀塩が挙げられる。これらは還元可能なものであれば特に限定されず、適当な溶媒中に溶解させても、溶媒中に分散させたまま使用してもよい。また、これらは単独で用いても複数併用してもよい。なかでも、シュウ酸銀が好ましい。シュウ酸銀は、最も単純なジカルボン酸銀であり、シュウ酸銀を用いて合成されるシュウ酸銀アミン錯体は、低温かつ短時間で還元が進むことから、本実施形態の第一の金属粒子の合成に好適である。更に、シュウ酸銀を用いると、合成時には副生成物が発生せず、系外にシュウ酸イオン由来の二酸化炭素が出るのみであるため、合成後に精製の手間が少ない。
上記銀化合物を還元する方法としては、加熱する方法が好ましい。上記加熱方法は特に限定されない。上記加熱により上記銀化合物を還元する方法としては、例えば、シュウ酸銀等の銀化合物とアミン等の有機成分から生成される錯化合物を加熱して、上記錯化合物に含まれるシュウ酸イオン等の金属化合物を分解して生成する原子状の銀を凝集させる方法が挙げられる。上記方法により、アミン等の有機保護成分で被覆された銀微粒子を製造することができる。
このように、銀化合物の錯化合物をアミンの存在下で熱分解することで、アミンにより被覆された銀微粒子を製造する金属アミン錯体分解法においては、単一種の分子である銀アミン錯体の分解反応により原子状銀が生成するため、反応系内に均一に原子状銀を生成することが可能である。そのため、複数の成分間の反応により銀原子を生成する場合と比較して、反応を構成する成分の組成揺らぎに起因する反応の不均一が抑制され、特に工業的規模で多量の銀粉末を製造する際に有利である。
また、金属アミン錯体分解法においては、生成する銀原子にアミン分子が配位結合しており、上記銀原子に配位したアミン分子の働きにより凝集を生じる際の銀原子の運動がコントロールされるものと推察される。この結果として、金属アミン錯体分解法によれば非常に微細で、粒度分布が狭い金属粒子を製造することが可能となる。
更に、製造される銀微粒子の表面にも多数のアミン分子が比較的弱い力の配位結合を生じており、これらが銀微粒子の表面に緻密な保護被膜を形成するため、保存安定性に優れ、表面の清浄な有機被覆銀微粒子を製造することが可能となる。また、上記被膜を形成するアミン分子は加熱等により容易に脱離可能であるため、非常に低温で焼結可能な銀微粒子を製造することが可能となる。
また、固体状の銀化合物とアミンを混合して錯化合物等の複合化合物が生成する際に、被覆銀微粒子の被膜を構成する酸価をもつ分散剤に対して、アミンを混合して用いることにより、錯化合物等の複合化合物の生成が容易になり、短時間の混合で複合化合物を製造可能となる。また、上記アミンを混合して用いることにより、各種の用途に応じた特性を有する被覆銀微粒子の製造が可能である。
上記のようにして得られたアミン等の有機保護成分で被覆された銀微粒子を含む分散液には、銀微粒子の他に、金属塩の対イオン、分散剤等が存在しており、液全体の電解質濃度や有機物濃度が高い傾向にある。このような状態の液は、電導度が高い等の理由で金属粒子の凝析が起こり、沈殿し易い。または、沈殿しなくても、金属塩の対イオン、分散に必要な量以上の過剰な分散剤等が残留していると、導電性を悪化させるおそれがある。そこで、上記銀微粒子を含む溶液を洗浄して余分な残留物を取り除くことにより、有機保護成分で被覆された銀微粒子を確実に得ることができる。
上記洗浄方法としては、例えば、表面を有機保護成分で被覆された銀微粒子を含む分散液を一定時間静置し、上澄み液を取り除いた後、銀微粒子を沈殿させる溶媒(例えば、水、メタノール、メタノール/水混合溶媒等)を加えて撹枠し、再度一定期間静置して上澄み液を取り除く工程を幾度か繰り返す方法が挙げられる。他の方法としては、上記の静置の代わりに遠心分離を行う方法、限外濾過装置やイオン交換装置等により脱塩する方法等が挙げられる。このような洗浄によって余分な残留物を取り除くと共に有機溶媒を除去することにより、表面を有機保護成分で被覆された銀微粒子を得ることができる。
上記金属粒子分散体と分散媒を混合する方法は特に限定されず、攪拌機やスターラー等を用いて従来公知の方法によって行うことができる。スパチュラのようなもので撹拌したりして、適当な出力の超音波ホモジナイザーを当ててもよい。
<接合方法>
本実施形態の接合用組成物を用いれば、比較的低温(例えば、200℃以下、好ましくは150℃程度)でも、加熱を伴う部材同士の接合においても高い接合強度を得ることができる。即ち、上記接合用組成物を第1の被接合部材と第2の被接合部材との間に塗布する接合用組成物塗布工程と、第1の被接合部材と第2の被接合部材との間に塗布した接合用組成物を、所望の温度(例えば、200℃以下、好ましくは150℃程度)で焼成して接合する接合工程とにより、第1の被接合部材と第2の被接合部材とを接合することができる。
上記接合工程では、第1の被接合部材と第2の被接合部材とが対向する方向に加圧することもできるが、特に加圧しなくとも充分な接合強度を得ることができるのも本発明の利点のひとつである。上記焼成は、段階的に温度を上げたり下げたりすることもできる。上記被接合部材は、予め表面に界面活性剤又は表面活性化剤等を塗布しておくことも可能である。
上記「塗布」とは、接合用組成物を面状に塗布する場合も線状に塗布(描画)する場合も含む概念である。加熱により焼成される前の状態の接合用組成物からなる塗膜の形状は、所望する形状にすることが可能である。したがって、接合用組成物を焼成することで得られる焼結体(接合層)の形状は、面状であってもよいし、線状であってもよい。これら面状の接合層及び線状の接合層は、連続していても不連続であってもよく、連続する部分と不連続の部分とを含んでいてもよい。
上記第1及び第2の被接合部材としては、接合用組成物を塗布して加熱により焼成して接合することのできるものであればよく、特に制限はないが、接合時の温度により損傷しない程度の耐熱性を具備した部材であるのが好ましい。
上記第1及び第2の被接合部材を構成する材料としては、例えば、ポリアミド(PA)、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル、ポリカーボネート(PC)、ポリエーテルスルホン(PES)、ビニル樹脂、フッ素樹脂、液晶ポリマー、セラミクス、ガラス、金属等を挙げることができる。
上記被接合部材は、例えば板状又はストリップ状等の種々の形状であってよく、リジッドでもフレキシブルでもよい。基材の厚さも適宜選択することができる。接着性若しくは密着性の向上又はその他の目的ために、表面層が形成された部材や親水化処理等の表面処理を施した部材を用いてもよい。
上記第1及び第2の被接合部材としては、樹脂基板、金属板、LED等の発光素子、半導体チップ、電子回路が形成されたセラミック基板等が挙げられる。本実施形態の接合用組成物は、得られる焼結体の接合強度が高いため、LED等の発光素子、半導体チップ等と、金属基板、セラミック基板等との接合にも好適に用いることができる。
接合用組成物を上記第1及び第2の被接合部材に塗布する工程としては、種々の方法を用いることができ、例えば、ディッピング、スクリーン印刷、スプレー式、バーコート式、スピンコート式、インクジェット式、ディスペンサー式、ピントランスファー法、スタンピング法、刷毛による塗布方式、流延式、フレキソ式、グラビア式、オフセット法、転写法、親疎水パターン法、シリンジ式、ピン転写、ステンシル印刷等を用いることができる。なかでも、本実施形態の接合用組成物は、固形分濃度が高いため、ディスペンサー式、ピン転写、ステンシル印刷に好適に用いることができる。
上記焼成を行う方法は特に限定されるものではなく、例えば従来公知のオーブン等を用いて、上記第1及び第2の被接合部材上に塗布(描画)した上記接合用組成物の温度が、例えば200℃以下となるように焼成することによって接合することができる。上記焼成の温度の下限は必ずしも限定されず、上記第1及び第2の被接合部材同士を接合できる温度であって、かつ、本発明の効果を損なわない範囲の温度であることが好ましい。上記焼成の温度の下限は、例えば、100℃である。
なお、本実施形態の接合用組成物は、従来のエポキシ樹脂等の熱硬化を利用し、焼成後の接合強度を得るものとは異なり、上述したように金属粒子の焼結によって充分な接合強度が得られるものである。そのため、接合後において、接合時の温度(焼成温度)よりも高温の使用環境に置かれて、残存した有機物が劣化したり、分解・消失した場合であっても、接合強度の低下するおそれはなく、耐熱性に優れている。
本実施形態の接合用組成物によれば、例えば、200℃以下、好ましくは150℃程度の低温加熱による焼成でも、優れた接合強度が得られるため、比較的熱に弱い被接合部材同士を接合することができる。また、焼成時間は特に限定されるものではなく、焼成温度に応じて、接合できる焼成時間であればよい。
本実施形態においては、上記第1及び/又は第2の被接合部材と接合層との密着性を更に高めるため、上記第1及び/又は第2の被接合部材の表面処理を行ってもよい。上記表面処理方法としては、例えば、コロナ処理、プラズマ処理、UV処理、電子線処理等のドライ処理を行う方法、基材上にあらかじめプライマー層や接合用組成物の受容層を設ける方法等が挙げられる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。本実施形態の接合用組成物は、更に、例えば、導電性、熱伝導性、誘電性、イオン伝導性等に優れたスズドープ酸化インジウム、アルミナ、チタン酸バリウム、鉄リン酸リチウム等の無機粒子を含有してもよい。
以下、本発明について実施例を掲げて更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
<第一の金属粒子>
(1−1)金属微粒子A1
3−エトキシプロピルアミン(富士フイルム和光純薬(株)製の試薬特級、沸点132℃)11.0gと3−メトキシプロピルアミン(富士フイルム和光純薬(株)製の試薬一級、沸点120℃)7.0gとを混合し、マグネティックスターラーで充分に撹拌した。ここに、撹拌を行いながらシュウ酸銀10.0gを添加し、得られた粘性物質を120℃の恒温槽に入れ、約15分間反応させ反応物を得た。上記反応物にメタノール10mlを加えて撹拌後、遠心分離により銀微粒子を沈殿させて分離し、上澄みを捨てた。この操作をもう一度繰り返し、金属微粒子A1を6g得た。
SEM(株式会社日立製のS−4800型)にて撮影した粒子画像を使用して、得られた金属微粒子A1の数平均一次粒径(算術平均一次粒径)を算出した。算術平均一次粒径は、異なる撮影点で得られた画像5点以上から、合計200個以上の粒子を画像処理ソフト(MITANI CORPORATION、WinROOF)を使用し算出した。図1は、金属微粒子A1の粒度分布を示したグラフである。金属微粒子A1の算術平均一次粒径は、50nm、標準偏差は、14.2nmであった。下記式(1)により得られた変動係数は、28.4%であった。
変動係数(%)=一次粒径の標準偏差/平均一次粒径×100 (1)
(1−2)金属微粒子A2
3−エトキシプロピルアミン5.0gと3−メトキシプロピルアミン11.0gとを混合した混合液に対してシュウ酸銀を添加したこと以外は金属微粒子A1の製法と同様にして、金属微粒子A2を作製した。図2は、金属微粒子A2の粒度分布を示したグラフである。金属微粒子A2の算術平均一次粒径は、28nm、標準偏差は、11.1nm、変動係数は、39.6%であった。
(1−3)金属微粒子A3
3−エトキシプロピルアミン13.0gと3−メトキシプロピルアミン11.0gとを混合した混合液に対してシュウ酸銀を添加したこと以外は金属微粒子A1の製法と同様にして、金属微粒子A3を作製した。図3は、金属微粒子A3の粒度分布を示したグラフである。金属微粒子A3の算術平均一次粒径は、34nm、標準偏差は、14.8nm、変動係数は、43.5%であった。
(1−4)金属微粒子A4
3−メトキシプロピルアミンは配合せず、3−エトキシプロピルアミン15.0gに対してシュウ酸銀を添加したこと以外は金属微粒子A1の製法と同様にして、金属微粒子A4を作製した。図4は、金属微粒子A4の粒度分布を示したグラフである。金属微粒子A4の算術平均一次粒径は、27nm、標準偏差は、6.0nm、変動係数は、22.2%であった。
(1−5)金属微粒子A5
3−メトキシプロピルアミンは配合せず、3−エトキシプロピルアミン10.0gに対してシュウ酸銀を添加したこと以外は金属微粒子A1の製法と同様にして、金属微粒子A5を作製した。図5は、金属微粒子A5の粒度分布を示したグラフである。金属微粒子A5の算術平均一次粒径は、30nm、標準偏差は、5.9nm、変動係数は、19.7%であった。
(1−6)金属微粒子A6
3−エトキシプロピルアミン10.0gと2−(2−アミノエトキシ)エタノール(富士フイルム和光純薬(株)製の試薬一級)5.0gとを混合した混合液に対してシュウ酸銀を添加したこと以外は金属微粒子A1の製法と同様にして、金属微粒子A6を作製した。図6は、金属微粒子A6の粒度分布を示したグラフである。金属微粒子A6の算術平均一次粒径は、45nm、標準偏差は、23.1nm、変動係数は、51.3%であった。
(1−7)金属微粒子A7
3−エトキシプロピルアミンは配合せず、3−メトキシプロピルアミン15.0gに対してシュウ酸銀を添加したこと以外は金属微粒子A1の製法と同様にして、金属微粒子A7を作製した。図7は、金属微粒子A7の粒度分布を示したグラフである。金属微粒子A7の算術平均一次粒径は、83nm、標準偏差は、29.1nm、変動係数は、35.1%であった。
(1−8)金属微粒子A8
3−メトキシプロピルアミンは配合せず、3−エトキシプロピルアミン20.0gに対してシュウ酸銀を添加したこと以外は金属微粒子A1の製法と同様にして、金属微粒子A8を作製した。図8は、金属微粒子A8の粒度分布を示したグラフである。金属微粒子A8の算術平均一次粒径は、19nm、標準偏差は、4.9nm、変動係数は、25.8%であった。
(1−9)金属微粒子A9
3−エトキシプロピルアミンは配合せず、3−メトキシプロピルアミン20.0gに対してシュウ酸銀を添加したこと以外は金属微粒子A1の製法と同様にして、金属微粒子A9を作製した。図9は、金属微粒子A9の粒度分布を示したグラフである。金属微粒子A9の算術平均一次粒径は、112nm、標準偏差は、44.9nm、変動係数は、40.1%であった。
<第二の金属粒子>
(2−1)金属微粒子B1
3−エトキシプロピルアミン10.0gと2−(2−アミノエトキシ)エタノール(富士フイルム和光純薬(株)製の試薬一級)20.0gとを混合し、マグネティックスターラーで充分に撹拌した。ここに、撹拌を行いながらシュウ酸銀10.0gを添加し、得られた粘性物質を120℃の恒温槽に入れ、約15分間反応させ反応物を得た。上記反応物にメタノール10mlを加えて撹拌後、遠心分離により銀微粒子を沈殿させて分離し、上澄みを捨てた。この操作をもう一度繰り返し、金属微粒子B1を6g得た。図10は、金属微粒子B1の粒度分布を示したグラフである。金属微粒子B1の算術平均一次粒径は、300nm、標準偏差は、180nm、変動係数は、60.0%であった。
(2−2)金属微粒子B2
希少金属材料研究所製の算術平均一次粒径が340nm、標準偏差が81.6nm、変動係数が24.0%の銀ナノ粒子を金属微粒子B2とした。図11は、金属微粒子B2の粒度分布を示したグラフである。
(2−3)金属微粒子B3
2−(2−アミノエトキシ)エタノール(富士フイルム和光純薬(株)製の試薬一級)10.5gとシュウ酸銀10.0gとを混合した混合液に対してシュウ酸銀を添加したこと以外は金属微粒子B1と同様の製法で金属微粒子B3を得た。図12は、金属微粒子B3の粒度分布を示したグラフである。金属微粒子B3の算術平均一次粒径は、150nm、標準偏差は、60nm、変動係数は、40.0%であった。
(2−4)金属微粒子B4
2−(2−アミノエトキシ)エタノール(富士フイルム和光純薬(株)製の試薬一級)10.5gに対してシュウ酸銀10.0gを添加したこと以外は金属微粒子B1と同様の製法で金属微粒子B4を得た。金属微粒子B4の算術平均一次粒径は、450nm、標準偏差は、189nm、変動係数は、42.0%であった。
<接合用組成物>
(実施例1)
第一の金属粒子として金属微粒子A1を4g、第二の金属粒子として金属微粒子B1を4g混合し、分散媒として1−デカノールを0.32g、高分子分散剤としてソルスパース16000を0.016g加え、撹拌脱泡することで実施例1の接合用組成物を作製した。
(実施例2)
第一の金属粒子として金属微粒子A1を3.2g、第二の金属粒子として金属微粒子B1を4.8g混合したこと以外は、実施例1と同様にして実施例2の接合用組成物を作製した。
(実施例3)
第一の金属粒子として金属微粒子A1を2.4g、第二の金属粒子として金属微粒子B1を5.6g混合したこと以外は、実施例1と同様にして実施例3の接合用組成物を作製した。
(実施例4)
第一の金属粒子として金属微粒子A2を4g、第二の金属粒子として金属微粒子B1を4g混合したこと以外は、実施例1と同様にして実施例4の接合用組成物を作製した。
(実施例5)
第一の金属粒子として金属微粒子A2を3.2g、第二の金属粒子として金属微粒子B1を4.8g混合したこと以外は、実施例1と同様にして実施例5の接合用組成物を作製した。
(実施例6)
第二の金属粒子として金属微粒子B2を使用したこと以外は、実施例1と同様にして実施例6の接合用組成物を作製した。
(実施例7)
第一の金属粒子として金属微粒子A1を3.2g、第二の金属粒子として金属微粒子B2を4.8g混合したこと以外は、実施例1と同様にして実施例7の接合用組成物を作製した。
(実施例8)
分散媒として1−デカノールを0.23g加えたこと以外は、実施例1と同様にして実施例8の接合用組成物を作製した。
(実施例9)
分散媒として1−デカノールを0.15g加えたこと以外は、実施例1と同様にして実施例9の接合用組成物を作製した。
(実施例10)
第一の金属粒子として金属微粒子A1を4.0g、第二の金属粒子として金属微粒子B3を4.0g混合したこと以外は、実施例1と同様にして実施例10の接合用組成物を作製した。
(実施例11)
第一の金属粒子として金属微粒子A4を使用したこと以外は実施例1と同様にして実施例11の接合用組成物を作製した。
(実施例12)
第一の金属粒子として金属微粒子A5を使用したこと以外は実施例1と同様にして実施例12の接合用組成物を作製した。
(実施例13)
第一の金属粒子として金属微粒子A3を使用したこと以外は実施例1と同様にして実施例13の接合用組成物を作製した。
(実施例14)
第一の金属粒子として金属微粒子A6を使用したこと以外は実施例1と同様にして実施例14の接合用組成物を作製した。
(実施例15)
第一の金属粒子として金属微粒子A7を使用したこと以外は実施例1と同様にして実施例15の接合用組成物を作製した。
(実施例16)
第一の金属粒子として金属微粒子A2を4.0g、第二の金属粒子として金属微粒子B4を4.0g混合したこと以外は、実施例1と同様にして実施例16の接合用組成物を作製した。
(実施例17)
第二の金属粒子を加えずに、第一の金属粒子として金属微粒子A1を6.0g、分散媒として1−デカノールを0.24g、高分子分散剤としてソルスパース16000を0.012g混合したこと以外は、実施例1と同様にして実施例17の接合用組成物を作製した。
(比較例1)
分散媒を加えなかったこと以外は、実施例1と同様にして比較例1の接合用組成物を作製した。
(比較例2)
分散媒として1−デカノールを0.016g加えたこと以外は、実施例1と同様にして比較例2の接合用組成物を作製した。
(比較例3)
分散媒として1−デカノールを0.41g加えたこと以外は、実施例1と同様にして比較例3の接合用組成物を作製した。
(比較例4)
分散媒として1−デカノールを0.97g加えたこと以外は、実施例1と同様にして比較例4の接合用組成物を作製した。
(比較例5)
第二の金属粒子を加えずに、第一の金属粒子として金属微粒子A2を4g、分散媒として1−デカノールを0.31g、高分子分散剤としてソルスパース16000を0.035g加えたこと以外は、実施例1と同様にして比較例5の接合用組成物を作製した。
(比較例6)
第二の金属粒子を加えずに、第一の金属粒子として金属微粒子A1を4g、分散媒として1−デカノールを0.31g、高分子分散剤としてソルスパース16000を0.035g加えたこと以外は、実施例1と同様にして比較例6の接合用組成物を作製した。
(比較例7)
第一の金属粒子として金属微粒子A8を使用したこと以外は実施例1と同様にして比較例7の接合用組成物を作製した。
(比較例8)
第一の金属粒子として金属微粒子A9を使用したこと以外は実施例1と同様にして比較例8の接合用組成物を作製した。
<評価>
(1)重量減少率の測定
実施例及び比較例の接合用組成物について、差動型示差熱天秤(Rigaku社製、TG8120)を用いて、熱重量分析法により重量減少率を測定した。具体的には、大気雰囲気で、接合用組成物を10℃/分の昇温速度で加熱し、25℃〜550℃までの重量減少率を測定した。
(2)せん断粘度
実施例及び比較例の接合用組成物について、コーンプレート型粘度計(アントンパール社製レオメーター、MCR301)を用いて、以下の測定条件で、せん断速度が10s−1の場合のせん断粘度(Pa・s)を測定した。
(測定条件)
測定モード:せん断モード
せん断速度:10s−1
測定治具:コーンプレートCP−50−2
(直径50mm、アングル2°、ギャップ0.045mm)
測定温度:25℃
(3)接合強度
表面に銀メッキを施した銅板(20mm角、厚さ1mm)の銀メッキ上に、ダイボンダー(ハイソル社製)を用いて、接合用組成物を10μg載せ、接合用組成物上に、市販の青色LEDチップ(エピスター社製ES−CADBV24H、底面積:600μm×600μm、高さ:150μm)を積層し、実施例及び比較例のそれぞれについて、銀メッキを施した銅板と、接合用組成物と、青色LEDチップを積層した積層体を作製した。
得られた積層体を熱風循環式オーブンに入れ、大気中で25℃から190℃まで40分かけて昇温し、90分間焼成を行った。焼成処理の際、積層体に加圧は行わなかった。積層体を取り出した後、常温にてボンドテスター(株式会社レスカ製のボンディングテスタPTR1102)を用いて、接合強度試験を行った。上記接合強度試験は、ボンドテスターの加重センサに取り付けられた幅1.2mmのツールを、上記銅板の表面から10.0μmの高さに配置し、上記ツールを0.01mm/secで移動させて上記接合用組成物による接合部分を押し、上記銅板から上記青色LEDチップが剥離する際の加重を測定し、剥離時の接合強度とした。剥離時の接合強度をチップの底面積で除し、単位面積当たりの接合強度(MPa)を算出した。
(4)ヒートサイクル信頼性
上記接合強度試験で焼成した積層体を、冷熱衝撃試験機(ヒューテック社製)に入れ、大気雰囲気で−40℃及び150℃で、10分ずつ保持することを1サイクルとして、500サイクル行い、500サイクル経過後に積層体を取り出した。取り出した積層体の接合強度測定を行い、ヒートサイクル試験前の初期強度に対する、ヒートサイクル試験後の接合強度の低下率が0〜5%未満の場合を○、5%以上〜20%未満の場合を△、20%以上の場合を×とした。
実施例及び比較例に係る接合用組成物の組成と評価結果を下記表1、2及び3にまとめた。
Figure 0006669420
Figure 0006669420
Figure 0006669420
実施例1〜17の接合用組成物は、いずれも適度なせん断粘度を有し、取り扱い性がよく、かつ重量減少率が5.5%以下であった。実施例1〜17の接合用組成物から得られた焼結体は、接合強度に優れ、ヒートサイクル信頼性が高いものであった。
実施例1〜3、実施例4と5、実施例6と7とをそれぞれ比較すると、第一の金属粒子の重量よりも第二の金属粒子の重量が多い方が、せん断粘度が低下し流動性が高くなる一方で、重量減少率は低下する傾向があることが確認された。実施例1、4、11〜15の結果より、第一の金属粒子の平均粒径が小さくなっても、変動係数を調整することで、適切な流動性が得られることが確認された。
一方で、第一の金属粒子の平均粒径が20μm未満である比較例7、第一の金属粒子の平均粒径が100μmを超える比較例8はともに、充分なヒートサイクル信頼性が得られなかった。
分散媒の含有量に着目して実施例1、9、比較例1〜4を比較すると、分散媒の含有量が低くなるにつれて重量減少量は減少するものの、分散媒の含有量が1.0重量%未満である比較例1及び2では、接合用組成物の粘度が高過ぎて、せん断粘度の測定ができなかった。比較例1は、取り扱い性が悪く、接合用組成物を膜状に形成することができず、測定用のサンプルを作製できなかった。一方で、分散媒の含有量が5.0重量%以上である比較例3及び4では、重量減少率が5.5%を超えていた。

Claims (4)

  1. 平均粒径が20〜100nmである第一の金属粒子と、平均粒径が200〜500nmである第二の金属粒子と、分散媒と、高分子分散剤と、を含有する接合用組成物であって、
    前記第一の金属粒子と前記第二の金属粒子との重量比率は、20:80〜80:20であり、
    前記接合用組成物全体に対する前記分散媒の含有量は、2.8重量%以上、5.0重量%未満であり、
    前記接合用組成物の大気雰囲気で25℃から昇温速度10℃/分で加熱したときの550℃までの重量減少率は、0.6%以上、5.5%以下である
    ことを特徴とする接合用組成物。
  2. 前記第一の金属粒子は、下記式(1)で表される一次粒径の変動係数が、25.0%以上、50.0%以下であることを特徴とする請求項1に記載の接合用組成物。
    変動係数(%)=一次粒径の標準偏差/平均一次粒径×100 (1)
  3. 前記第一の金属粒子は、有機保護成分で被覆されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の接合用組成物。
  4. 前記有機保護成分は、少なくとも一種類の沸点が150℃以下のアミンを含むことを特徴とする請求項に記載の接合用組成物。
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