JP6193541B2 - ナノダイヤモンド複合体を含有する透明光拡散体及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、光入力部から光を入力し、拡散後に光出力部から出力させる光拡散体、光散乱性樹脂及び、同光拡散体を用いた光学部材または光学デバイスに関する。光学部材の例としては例えば光拡散板、透過型スクリーンなどがあり、光学デバイスの例としては、液晶パネル、有機ELパネル、電子ペーパー、3Dディスプレイ、タッチ・パネルなどに用いられる発光素子がある。
また、本発明は、透光性かつ薄膜の光拡散体を実現するため、ナノダイヤモンド粒子を分散媒体(B)中に均質にかつ多量に分散させたナノダイヤモンド・ナノコンポジット及びその製造方法に関する。
近年、省エネルギーや機能性等の観点から、入射された光の後方への拡散を抑え、かつ光の進行方向には大きく拡散するといった光拡散体が求められている。このような光制御された光拡散体については、光拡散剤と透明物質の屈折率の差、及び光拡散剤の粒子径が特定の範囲内にあることを特徴とした光拡散体が公知である。例えば、特許文献1においては、透明樹脂よりも屈折率が0.01〜0.1小さくかつ平均粒子径が1〜10μmである透明物質粉末を分散させた光拡散性樹脂が示されている。
また、近年、ディスプレイは、薄型、軽量、低消費電力等の特徴を有していることが要求される。特に、近年、急速に伸びを見せるスマートフォンやタッチ・パネル等に用いられるパネルは、薄型で低電力駆動、光反射率、輝度、視野角面などのディスプレイ特性が向上してきているが、特に、コントラストが不十分で、視野角が狭く、且つ、背景の映り込みが生じたりして表示が見にくくなるという問題点があった。そこで、これらを改善する一つの方法として、パネルを透過した光を、散乱板中に分散させた微粒子により全方位に散乱させて視野の光を平均化する方法知られている。例えば、特許文献2には、無機微粒子を透明樹脂中に分散せしめた0.2μm〜100μmの厚みの光散乱性樹脂であって、該無機微粒子がαアルミナ微粒子で、実質的に破砕面を有さない、多面体微粒子であり、微粒子の長軸長をL、短軸長をSとした場合に、L/S比が2以下であり、数平均粒径が0.1μm以上20μm以下であり、累積粒度分布の微粒側からの累積10体積%、累積90体積%の粒径をそれぞれD10、D90としたときにD90/D10の値が7以下であり、透明樹脂と異なる屈折率を有し、かつ光学的に異方性を有する光散乱性樹脂が開示されている。
また、改善する他の方法として、特許文献3には、明るく、色温度の高い拡散光を出力する光拡散体とその応用が開示され、PMMA等のマトリックス中に第1、第2粒子1、2(例:粒径7.3μm、9μmのシリコーン樹脂)を分散させて光拡散体を構成する。両粒子1、2は、各々最頻径(R1、R2;R1>R2)付近に粒子径が揃っている。第1粒子1には、可視光について散乱効率の波長依存性が小さく、青色光を赤色光と同等以上に通し易く、拡散光に角度拡がりを与える能力に優れた粒子を用い、第2粒子2には、前方散乱性が強く、高濃度添加しても全光線透過率が落ち難い粒子を用いる。第1粒子1で可視光全体にバランス良く、拡散角度の拡がりを与え、第2粒子2で青色成分が過剰角度拡がりしないようにしつつ、拡散角度を上乗せする。画像投影用スクリーンの結像部、白色光源のキャップ部等に適用し、明るく、色温度の高い特性が得られる。
いずれの使用形態においても、厚さ2mmの光拡散体において、光入力部(一方のメジャー面)から拡散体内に導入された光は、樹脂マトリックス内に分散された粒子の径及び濃度に応じた頻度(確率)で粒子に遭遇し、その度に散乱を受ける。可視光を入出力する光拡散体に使用される粒子の径は、最小0,5μm〜最大数十μmの範囲にあり、可視光の波長に比べて十分大きく、従って、光拡散体内での個々の散乱は、周知のミー散乱理論で近似的に記述できる。同理論で知られているように、個々の散乱の散乱効率及び散乱光の角度分布を左右するファクタとして、「光の波長」、「樹脂マトリックスと粒子の屈折率差」及び「粒子の径」の3つのパラメータがある。そして、実際に採用される粒子の添加濃度、径、光拡散体内の通過光路長(透過型であればほぼ板厚、反射型であれば板厚のほぼ2倍)の条件では、入力から出力までに受ける散乱の回数(多重度)はかなり大きくなる。これら多重散乱を経る結果、光拡散体から出力される出力光は複雑な態様でその属性が変化することが開示されている。
また、改善する他の方法として、特許文献4には、ダイヤモンド微粒子を含有する光散乱板は、光を散乱させる物質として粒径0.1〜50μmのダイヤモンド微粒子を含有する光散乱板である。ダイヤモンドは2.4という高い屈折率を有するため、ミーの散乱により、高い散乱効果を発揮する物質である。光散乱板は、基板と、基板上に設けた透明薄膜層とからなり、透明薄膜層によりダイヤモンド微粒子が固定されたものであるのが好ましい。粒径0.1〜50μmのダイヤモンド微粒子は、1〜10 nm程度のメジアン径を有するナノ粒子が凝集した形状のものであるのが好ましい。光散乱板の一例としてアクリル板上にディップ法により形成したウレタン−67重量%ダイヤモンド粒子膜が開示されている。ダイヤモンド微粒子は、高い屈折率及び高い分散安定性を有するので、様々な溶媒やバインダーに分散させることができ、高い光散乱効果を有する光散乱板を容易に形成することができ、光散乱板は、高い光散乱効果を有するので、液晶表示装置等におけるバックライト光源や発光ダイオードの光源等に好適であることが開示されている。
また、改善する他の方法として、特許文献5において、高い透過視認性と良好な散乱反射性とを両立するとともに、広い面積で均一な特性を有する透過型スクリーンを開示している。透過型スクリーンは、基板と、基板上に設けた透明薄膜層と、透明薄膜層に含まれるメジアン径0.01〜1μmの光散乱体からなり、光散乱体が、***法で得られたグラファイト相を有するナノダイヤモンドを酸化処理して得られたダイヤモンド微粒子であることが開示されている。透明薄膜層は、前記基板に用いることのできる高分子樹脂を用いるのが好ましい。特に好ましいのはポリビニルアセタール系の樹脂であり、最も好ましいのはポリビニルブチラールである。基板及び透明薄膜層の両方を高分子樹脂で構成する場合、それらの樹脂は同じであっても異なっていてもよい。透明薄膜層の厚みは、5〜1000μmであるのが好ましく、10〜800μmであるのがより好ましく、20〜500μmであるのが最も好ましい。5μm未満の場合は十分な反射像が得られなくなり、1000μmを越えると像がぼけてしまう。透明薄膜層そのものを透過型シートとして用いても良い開示されている。一例として、ガラス基板の片面にディップ法により200μm厚みの(ポリビニルブチラール+可塑剤)−13重量%ダイヤモンド微粒子膜の透過型反射スクリーンが開示されている。
光散乱体のメジアン径が可視光の波長と同等以上になると前方散乱(入射光に対してスクリーンの反対側で起こる散乱)が著しく強くなり、透過型スクリーンを透過してくる光が滲んでしまう。従って、光散乱体のメジアン径は1μm以下であり、400nm以下であるのが好ましく、200nm以下であるのがより好ましい。光散乱体のメジアン径が0.01μmより小さくなると後方散乱(入射光に対してスクリーンの手前側で起こる散乱)がほとんど起こらなくなり、透過型スクリーンの散乱反射性が低下する。光散乱体のメジアン径は30nm以上であるのが好ましく、作製した透過型スクリーンは高い透過視認性と良好な散乱反射性とを有しおり、ヘッドアップディスプレー等のスクリーンとして好適であったことが開示されている。
更にまた、本発明は、ナノダイヤモンド粒子を分散媒体(B)中に均質にかつ多量に分散させたナノダイヤモンド・ナノコンポジット及びその製造方法に関する。粒子が分散媒体(B)中に分散した組成物の中で、粒子径がナノメーターオーダー(数nm〜数百nm)であるようなナノ粒子が分散媒体(B)中に分散した組成物はナノコンポジットと呼ばれている。ナノコンポジットは、光学材料、遮光材料、高強度材料、高耐熱性材料、難燃性材料、カラーフィルターなどに使用されている。ナノ粒子は、粒子サイズが非常に小さく、比表面積が大きい。このため、ナノ粒子の表面状態、例えば、凝集状態、表面の官能基や表面の吸着水などの存在が、ナノコンポジット化の際、ナノ粒子の分散媒体(B)中への分散状態に大きな影響を与える。そこで、ナノ粒子を分散媒体(B)中に均一に分散させるためには、ナノ粒子の表面状態を適切に制御する必要がある。
このようなナノ粒子の表面を改質する方法がいくつか提案されている。例えば、特許文献6には、粒径1nm〜1μmサイズの金属、金属酸化物、金属窒化物、金属窒素酸化物、金属硼化物、金属珪化物、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂から選ばれる少なくとも1種であるナノ粒子、このナノ粒子の表面に形成された厚み0.1〜10nmの表面改質層を含むナノコンポジット及びその製造方法の発明が開示されている。そして、この発明では、表面改質剤層は、ナノ粒子に対して60重量%以下の量であり、形成材料として、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤、アルミネートカップリング剤、メトキシ基を有する金属有機化合物、エトキシ基を有する金属有機化合物、有機樹脂層から選ばれる少なくとも1種が用いられている。
特公昭60−21662号公報 特開2002−250803号公報 特開2004−341446号公報 特開2011−22261号公報 特開2011−113068号公報 特開2008−056873号公報
上記特許文献1には、省エネルギーや機能性等の観点から、入射された光の後方への拡散を抑え、かつ光の進行方向には大きく拡散するといった光拡散体が求められている。このような光制御された光拡散体については、光拡散剤と透明物質の屈折率の差、及び光拡散剤の粒子径が特定の範囲内にあることを特徴とした光拡散体が公知である。例えば、透明樹脂よりも屈折率が0.01〜0.1小さくかつ平均粒子径が1〜10μmである透明物質粉末を分散させた光拡散性樹脂が示されている。この場合、光拡散体の板厚みが2〜3mmと厚いため、電子機器に適用できない。
特許文献2には、αアルミナの屈折率が1.78であるため、透明樹脂との屈折率差が大きく、かつ粒子サイズが0.1μm以上20μm以下であるため、上記した微粒子を透明樹脂中に分散させた光拡散層では、前方散乱特性は見込まれるが、光透過性が十分なものとは言えず、これらの性能が向上した光散乱層の開発が望まれていた。
特許文献3には、明るく、色温度の高い拡散光を出力する光拡散体とその応用が開示され、PMMA等のマトリックス中に第1、第2粒子1、2(例:粒径7.3μm、9μmのシリコーン樹脂)において、光入力部(一方のメジャー面)から拡散体内に導入された光は、樹脂マトリックス内に分散された粒子の径及び濃度に応じた頻度(確率)で粒子に遭遇し、その度に散乱を受ける。可視光を入出力する光拡散体に使用される粒子の径は、最小0.5μm〜最大数十μmの範囲にあり、可視光の波長に比べて十分大きく、従って、光拡散体内での個々の散乱は、周知のミー散乱理論で近似的に記述できる。特許文献3の様に樹脂マトリックスとの屈折率差が小さい散乱粒子を透明樹脂に分散させた光拡散体であるため、光拡散体の厚さは2mmと厚いものになってしまっている。そのため、コントラスト性に欠けていた。
また、特許文献4には、ダイヤモンドの屈折率が2.4であるため、透明樹脂との屈折率差が大きく、かつ粒子サイズが0.1μm以上50μm以下であるナノダイヤモンドの凝集粒で、有機ポリマーのシェルを有するダイヤモンド含有粒子の構造が開示されている。ダイヤモンド粒子表面でモノマーを重合生成したポリマーで被覆したダイヤモンド微粒子がウレタン−67wt%ダイヤモンドの凝集粒で、ほぼ最密充填されているため、このような凝集したダイヤモンドの微粒子を透明樹脂中に分散させた光拡散層では、特許文献2と同様に前方散乱特性は見込まれるが、光透過性が十分なものとは言えず、これらの性能が向上した光散乱層の開発が望まれていた。
また、特許文献5では前方散乱(入射光に対してスクリーンの反対側で起こる散乱)を積極的に発生させていたのに対して、高い透過視認性と良好な散乱反射性とを両立するとともに、広い面積で均一な特性を有する透過型スクリーンを開示している特許文献5において、高い透過視認性と良好な散乱反射性を有している透過型スクリーンは、基板と、基板上に設けた透明薄膜層の厚みは、5〜1000μmである透明薄膜層と、透明薄膜層に含まれるメジアン径0.01〜1μmの光散乱体からなることが開示されている。この特許文献5によると、光散乱体のメジアン径が可視光の波長と同等以上になると前方散乱が著しく強くなり、透過型スクリーンを透過してくる光が滲んでしまう。従って、光散乱体のメジアン径は1μm以下であり、400nm以下であるのが好ましく、200nm以下であるのがより好ましい範囲では、前方散乱性を抑えることが出来ると開示されている。しかしながら、このサイズ範囲では、後方散乱性が大きいため透過性を確保できない課題があった。また、この範囲では本発明の目的である前方散乱性を用いた光拡散体に応用展開できない。
また、特許文献6で用いられているナノ粒子も粒径1nm〜1μmサイズの金属、金属酸化物、金属窒化物、金属窒素酸化物、金属硼化物、金属珪化物、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂から選ばれる少なくとも1種である。これらのナノ粒子の凝集性はそれほど高くはないので、溶媒中に良好に分散させることができる。そのため、上記特許文献6に開示されている発明によれば、一応個々のナノ粒子の表面に良好に表面改質層(D)を形成させることができるので、これらのナノ粒子が分散媒中に高濃度で均質に分散されたナノコンポジットを容易に得ることができる。
しかしながら、上記特許文献6には、ナノ粒子としてナノダイヤモンド粒子を用いることについては何も示されていない。ナノダイヤモンド粒子は、上述のナノ粒子よりもサイズが小さい。例えばナノダイヤモンド粒子の一次粒子の直径は1nm〜10nmである。従って、これらナノダイヤモンド粒子は凝集性が高く、溶媒中に均一にかつ高濃度に分散させることが困難である。
そのため、ナノダイヤモンド粒子に対して上記特許文献6に記載の発明を適用した時、表面改質層(D)が粒子に対して60重量%以下の量であり、好ましくは1〜60重量%、より好ましくは2〜50重量%、さらに好ましくは2〜45重量%、特に好ましくは2〜30重量%であることが開示されている。しかしながら、5重量%超す場合ではナノダイヤモンド粒子にとって過剰な量の表面改質層(D)を形成してしまい、また、個々のナノダイヤモンド粒子の表面に表面改質層(D)を均質に形成させることが困難であり、分散媒中にナノダイヤモンド粒子が均質にかつ高濃度に分散したナノダイヤモンド・ナノコンポジットを作製し難く、しかも、ナノダイヤモンド粒子の表面と表面改質層(D)との間の結合が弱くて分散処理中に分散状態が不安定になるという課題が存在する。この場合も作製されたナノコンポジット全体に占める表面改質層(D)の量が多くなる。また、重量%ではナノ粒子と表面改質層(D)の密度により最適な組成を表現できない。このため、ナノダイヤモンド粒子に対して上記特許文献6に記載の発明を適用することによって作製されたナノダイヤモンド・ナノコンポジットをフィルム化した場合、分散の均一性に劣るという問題が生じるようになる。
以上より、光拡散体の開発は次のような流れがある。第一番目に、光拡散粒子と透明物質の屈折率の差が0.02〜0.1で、0.5μm〜数10μmサイズの樹脂製の光拡散粒子では光拡散体の板厚みは数mmになる。第二番目に、光拡散粒子と透明物質の屈折率の差が0.1以上で、平均粒径が0.1μm〜20μmサイズの無機微粒子を透明樹脂中に分散せしめた0.2μm〜100μmの厚みの光拡散体である。第三番日に、粒径0.1〜50μmのダイヤモンド微粒子を透明樹脂中に分散させた光散乱板(アクリル板上にディップ法により形成したウレタン−67重量%ダイヤモンド粒子膜)。第四番目に、粒径0.01〜1μmのダイヤモンド微粒子を透明樹脂中に分散させた5μm〜1000μmの厚みの高い透過視認性と良好な散乱反射性板(ガラス基板の片面にディップ法により形成した(ポリビニルブチラール+可塑剤)−13重量%ダイヤモンド微粒子膜の透過型反射スクリーン)。
急速に伸びを見せるスマートフォンやタッチ・パネル等に用いられるパネルでは、薄型で低電力駆動、光反射率、輝度、視野角面などのディスプレイ特性の向上が不可欠である。先行している光拡散体については、光拡散剤と透明物質の屈折率の差、及び光拡散剤の粒子径が特定の範囲内にあることを特徴にしている。光拡散体の開発の流れにおいて、特に、高コントラスト性や広視野角性の向上を図るためには、透光性かつ薄膜の光拡散体が必要であるが、先行技術によりこれを製品化するには難しいと予想される。
発明者等は、透光性かつ薄膜の光拡散体を実現するため、ナノダイヤモンド粒子が凝集したナノダイヤモンド複合体のサイズや組成などについて種々検討を重ねてきた。その結果、ナノダイヤモンド複合体の粒径と、これらのナノダイヤモンド粒子の表面にあるイオン交換量に相当する官能基の量とを所定の最適値となるように選択すると共に、表面改質剤(E)として分散媒体(B)と類似のものを用いることにより、分散媒体(B)中にナノダイヤモンド複合体が均質にかつ多量に分散したナノダイヤモンド・ナノコンポジットを得ることができることを見いだし、本発明を完成するに至ったのである。そして、透光性かつ薄膜の光拡散体を実現したナノダイヤモンド複合体を含有する透明光拡散体を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、ナノダイヤモンド粒子(A)を分散媒体(B)中に分散させたナノダイヤモンド・ナノコンポジットであって、前記分散媒体(B)と類似した材料により被覆したナノダイヤモンド複合体(C)の最大サイズが25〜500nmであることを特徴とする。なお、ナノダイヤモンド粒子(A)の含有量が0.5〜30重量%で、ナノダイヤモンド複合体(C)を含有する透明光拡散体の厚みが0.2〜200μmであることを特徴とする。
本発明の分散媒体(B)は、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とするナノダイヤモンド・ナノコンポジットであって、前記分散媒体(B)と類似した材料である表面改質層(D)で被覆したナノダイヤモンド複合体(C)を前記分散媒体(B)に分散させたナノダイヤモンド・ナノコンポジットで、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、2酢酸セルロース、3酢酸セルロース、エチレンビニルアルコール共重合体、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂の中から一つ以上からなる熱可塑性樹脂である。また、エポキシ系、アクリル系、シリコーン系の中から一つからなる光硬化性樹脂である。また、分散媒体(B)がエポキシ系、アクリル系、シリコーン系の中から一つからなる熱硬化性樹脂である。
ナノダイヤモンド・ナノコンポジットを構成する分散媒体(B)及び表面改質層(D)が類似した材料である場合、分散媒体(B)と表面改質層(D)との間の相溶性ないし結合性が良好となるので、ナノダイヤモンド粒子が均質にかつ強固に表面改質層(D)が固定され、表面改質屑(D)と分散媒体(B)が強固に結合したナノダイヤモンド・ナノコンポジットが得られる。
本発明のナノダイヤモンド複合体(C)中において、ナノダイヤモンド粒子(A)の含有量が10〜60体積%の凝集体であり、ナノダイヤモンド粒子(A)以外の成分が分散媒体(B)と類似した材料が40〜90体積%であることを特徴とする。
本発明のナノダイヤモンド複合体(C)を分散媒体(B)中に分散させたナノダイヤモンド・ナノコンポジットであって、前記ナノダイヤモンド複合体はナノダイヤモンド複合体の表面改質層(D)の量は、表面改質層(D)の厚み0.001〜1nmの表面改質層(D)を有するか、前記表面改質層(D)の量は前記ナノダイヤモンド粒子(A)に対して0.01〜5重量%である。
なお、表面改質層(D)の厚みは下記の計算式により求める。
t=表面改質層(D)の厚み nm
d=ナノダイヤモンド複合体の直径 nm
C=ナノダイヤモンド粒子の重量 g
P=表面改質層(D)の重量 g
D=表面改質層(D)の密度 g/cm
t=(1021)*(P/D)/(Π*d*d)
である。
本発明のナノダイヤモンド複合体(C)を分散媒体(B)中に分散させたナノダイヤモンド・ナノコンポジットを製造する方法は、
(1)ナノダイヤモンド粒子(A)の表面に修飾処理し、修飾処理したナノダイヤモンド粒子(A’)を得る第1の工程と、
(2)前記第1の工程で得られた修飾処理したナノダイヤモンド粒子(A’)を、分散媒体(B)と類似した材料である表面改質剤(E)が添加された沸点30℃以上250℃未満の分散溶剤(F)溶液中に投入し、解砕及び分散させながら前記ナノダイヤモンド粒子(A)に対して0.01〜5重量%の量となるように前記修飾処理したナノダイヤモンド粒子(A)に前記表面改質剤(E)を被覆し、前記表面改質層(D)を形成する第2の工程と、
(3)250℃以下で前記分散溶剤(F)溶液を撹拌真空脱溶剤処理し、前記修飾処理したナノダイヤモンド粒子(A’)の表面に前記表面改質層(D)が固定化処理されたナノダイヤモンド複合体(C)を得る第3の工程と、
(4)前記ナノダイヤモンド複合体(C)を前記分散媒体(B)及び分散補助剤としての前記分散溶剤(F)の混合溶剤中に分散させて分散体1(H)のマスターバッチを製造する第4の工程と、
(5)前記分散体1(H)中に、さらに前記分散媒体(B)を添加して分散体2(I)の成形前分散体を製造する第5の工程と、
(6)前記分散体2(I)を成形して所定形状のナノダイヤモンド・ナノコンポジットを製造する第6の工程と、
を備えることを特徴とする。
本発明のナノダイヤモンド粒子(A)として、空気、アルゴン−5体積%水素、アルゴンをキャリアガスした水の蒸気、硝酸の蒸気、硫酸の蒸気から1種以上の組合せの表面修飾ガスを供給し、350℃から500℃に加熱したゾーンで10分から20時間保持することにより表面修飾したナノダイヤモンド粒子(A)を用いることができる。場合によってはエッチング処理に引き続き、350℃から500℃でアルゴン−水素混合ガスを供給して還元処理してもよい。さらにまた、エッチング処理に引き続き、水の蒸気、硝酸の蒸気、硫酸の蒸気から1種以上の組合せの表面修飾ガスを供給しても良い。
ナノダイヤモンド粒子を上述の条件で処理すると、ナノダイヤモンド粒子の表面にC−H、C−O−H、C=O、COOH、C−SOH、C−CH=CH、C−NO、C−NH、C−F及びそれらの誘導体より成る群から選ばれる残基部分を形成することができ、ナノダイヤモンド粒子(A)と表面改質層(D)との間の結合強度が向上する。
なお、ナノダイヤモンド粒子(A)として、イオン交換容量が0.01meq/g〜10.0meq/gの表面修飾したナノダイヤモンド粒子(A)を用いることを特徴とする。ナノダイヤモンド粒子のイオン交換容量は、ナノダイヤモンド粒子の表面と表面改質層(D)との間の結合箇所(反応活性点)の数に比例する。このイオン交換容量の最大はナノダイヤモンド粒子の表面にある結晶構造的な限界である。このイオン交換容量の最少はナノダイヤモンド・ナノコンポジット中に表面改質層(D)の占める表面改質量が過少となり、ナノダイヤモンド粒子の表面に表面改質層(D)を形成することの効果が奏され難くなる。
本発明のナノダイヤモンド複合体の均一分散により表面の引っかき耐性が向上するので、透明光拡散体の表面の鉛筆硬度が2H以上であることを特徴とする。
なお、本発明のナノダイヤモンド・ナノコンポジットの製造方法の第2の工程において、周知の分散手段を用いれば良い。例えば、遊星式ミル、ビーズミル、湿式ジェットミルから選ばれる少なくとも1種により行うことができる。
本発明のナノダイヤモンド複合体を含有する透明光拡散体は、薄膜化した光拡散体が得られ、高コントラスト性と広視野角性と表面の引っかき耐性が向上することによって、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどの光学的用途に期待される。
本発明のナノダイヤモンド・ナノコンポジットの製造工程を示すフロー図である。 各実施例及び比較例で用いたナノダイヤモンド粒子のTEM顕微鏡写真である。 各実施例及び比較例で使用したドライ表面修飾処理装置の概略図である。 表面酸化処理に引き続いて還元処理したナノダイヤモンド粒子のFTIRスペクトル図である。 COPナノダイヤモンド・ナノコンポジット成型シートの外観写真である。 PVAナノダイヤモンド・ナノコンポジットの前方散乱状態を示す写真である。 COPナノダイヤモンド・ナノコンポジットの前方散乱状態を示す写真である。 ナノコンポジットの前方散乱の強度分布図である。 PVAナノダイヤモンド・ナノコンポジット膜のAFM画像、凝集体のスケッチ図、凝集体のサイズ分布図である。 ナノダイヤモンド複合体(C)のTEM電子顕微鏡写真である。 ナノダイヤモンド粒子(A)と表面改質層(D)から構成されるナノダイヤモンド複合体(C)の模式図である。 透明光拡散体に分散したナノダイヤモンド複合体(C)において、入射光が多重散乱した時の前方散乱と後方散乱を説明する模式図である。 PVA中のナノダイヤモンド粒子の含有量と屈折率との関係図である。
以下、実施例を用いて本発明を実施するための形態を説明する。ただし、以下に示す各実施例は、本発明の技術思想を具体化するためのナノダイヤモンド複合体(C)を含有する透明光拡散体及びその製造方法を例示するものであって、本発明をこの実施例に特定することを意図するものではなく、本発明は特許請求の範囲に示した技術思想を逸脱することなく種々の変更を行ったものにも均しく適用し得るものである。図1は本発明のナノダイヤモンド・ナノコンポジットの製造工程を示すフロー図である。
[ナノダイヤモンド粒子]
[実施例1]
ナノダイヤモンド粒子(A)としては、粒子径が約5nmであるナノダイヤモンドを用いた。なお、各実施例及び比較例で用いたビジョン開発株式会社製ナノダイヤモンド粒子のTEM顕微鏡写真を図2に示すように格子像が観察され、核はほぼ単結晶のダイヤモンド結晶構造を有している。EELSの分析によれば、非晶質のカーボンが検出されているので、ナノダイヤモンド粒子の周辺に非ダイヤモンドカーボンが存在している。また、2次凝集粒の粒子間には金属や有機物や水などの不純物が存在している。
[ナノダイヤモンド粒子の表面修飾処理]
各実施例及び比較例で用いるナノダイヤモンド粒子(A)に対して、図3に示したドライ表面修飾処理装置10を用いて酸化処理や還元処理などの表面修飾処理を施した。表面修飾処理の目的は非ダイヤモンドカーボンや不純物の除去及び表面官能基の形成である。ドライ表面修飾処理装置10は電気炉11内に反応管12としての内径φ38mmの石英ガラスチューブが配置されており、この反応管12内にφ35mmのステンレス製の回転ドラム容器13が配置されている。電気炉11はプログラム温度制御装置14によって所定の温度に制御され、また、回転ドラム容器13はモーター15によって所定の回転速度で回転するようになっている。
ナノダイヤモンド粒子の表面修飾処理を行う際には、上記回転ドラム容器13内にナノダイヤモンド粒子16を8.0g挿入し、モーター15により回転ドラム容器13を2rpmの回転速度で回転させ、ナノダイヤモンド粒子16を撹拌し、所定の条件で表面修飾処理を行った。
エッチング処理する場合は、ナノダイヤモンド粒子16を回転させ、処理ガス17としてエアを50mL/minで供給しながら100℃〜450℃まで30分かけて昇温した後、実施例1〜11及び、比較例1、2においては、処理ガス17としてエアを50mL/minで供給しながら450℃±10℃の温度範囲で20時間維持し、これを冷却することで表面修飾処理を行った。この時、表面修飾処理したナノダイヤモンドの収量は3〜4gであった。また、実施例8、12、13においては、450℃±10℃の温度範囲で20時間維持し、エッチング処理に引き続いて、還元ガスとしてアルゴン−水素混合ガス18を供給しながら6時間維持することで還元処理してから冷却することで表面修飾処理を行った。また、キャリアガスとしてアルゴン−水素混合ガス18を50mL/minで供給してバブラー19にある水や硝酸中にバブリングすることにより、水や硝酸の蒸気を炉内に供給しながら450℃±10℃の温度範囲で20時間維持し、これを冷却することで表面修飾処理を行った。また、200℃で1時間の真空乾燥したナノダイヤモンド粒子を比較例3、8に使用した。
表面修飾処理条件のパラメータは次の通りである。ナノダイヤモンドがグラファイトに変質しないで表面から0.1nmずつエッチングする条件として、処理温度は350℃から500℃の範囲、エッチング速度は0.05〜0.30g/hrの範囲、反応管での処理ガスの流速は5〜20cm/minの範囲、処理時間は10分から20時間の範囲を選定した。
表1に、各実施例及び比較例で用いたナノダイヤモンド粒子の種類と表面修飾処理条件をまとめて示す。処理前後で粒度分布のピークは200nmから20〜50nmに変化した。
なお、上記のようにして得られた表面修飾されたナノダイヤモンド粒子のイオン交換容量を滴定すると、
450℃x20Hr airは0.1〜0.4meq/g
450℃x20Hr air →450℃x6Hr HOは0.3〜1.5meq/g
450℃x20Hr air →450℃x6Hr HNOは1.1〜5meq/g
450℃x20Hr air →450℃x6Hr HSOは0.3〜3meq/gの酸滴定量を示した。例えば、カルボン酸の含有量は、予想滴定量を超えるある量の0.1N NaOHを試料と反応させ、次いで、得られたスラリーを、pH7において電位差滴定法で決定した終点まで0.1N HClで逆滴定することによって求めた。なお、イオン交換容量とはイオン交換体の単位重量あたりのイオン交換量を表し、通常イオン交換体1g当たりのミリ当量(meq/g)で表す。
また、ナノダイヤモンド粒子表面に生成したカルボン酸を還元する場合は、アルゴン−水素混合ガス18を供給し、450℃±10℃の温度範囲で6時間保持することにより還元処理を行えばよい。450℃x20Hr air →450℃x6Hr Hは0.03〜0.2meq/gの酸滴定量を示した。以上より、ナノダイヤモンド粒子(A)として、イオン交換容量が0.01meq/g〜10.0meq/gのものを形成することが出来る。
図4は表面酸化処理に引き続いて還元処理したナノダイヤモンド粒子のFTIRスペクトルであり、ナノダイヤモンド粒子の表面修飾処理の効果として−CH、−OH、−COOHなどの官能基が観察される。また、表面修飾処理したナノダイヤモンドの不純物をICP化学分析すると、ナノダイヤモンドの製造工程の中で混入したAl、Ba、Ca、Cr、Fe、K、Naなどの不純物を50%以上低減させる効果を確認した。
[ナノダイヤモンド粒子への表面改質層の形成]
[実施例2]
ナノダイヤモンド複合体(C)の目標直径20nmであるナノダイヤモンドを、上記のようにして表面修飾した後、分散媒体(B)及び表面改質剤(E)としてポリビニルアルコール(クラレ製PVA117;以下「PVA」という)と分散溶剤(F)であるイオン交換水から水−8質量%PVAの溶液を作製し、表面修飾されたナノダイヤモンドに対し表面改質層(D)とするPVAが3.9重量%(計算厚み0.4nm)となるように、表面修飾されたナノダイヤモンドを5.92重量%、PVAを0.23重量%、イオン交換水を85.51重量%、メタノールを8.34重量%の割合で混合し、BRANSON製超音波ホモジナイザーModel450Dを用いて100Wの出力で1分間の分散処理を5回実施しすることで、ナノダイヤモンド粒子の解砕・表面改質処理を行った。なお、表面改質層固定化処理を効率良くするためにメタノールを添加した。
次いで、表面改質層固定化処理として、得られた表面改質処理の施されたナノダイヤモンド粒子を含む分散液を、真空脱気加熱装置を用いて120℃、30分間処理することで、実施例2にかかる表面改質層固定化されたナノダイヤモンド複合体(C)の粉末を得た。得られたナノダイヤモンド粒子の表面に形成されている表面改質層(D)の計算厚みは、0.4nmである。
なお、表面改質層(D)の厚みt(nm)は下記の計算式により求めた(以下、同様)。
t=(1021)*(P/D)/(Π*d*d)
ただし、
t=表面改質層(D)の厚み nm
d=ナノダイヤモンド複合体(C)の直径 nm
C=ナノダイヤモンド粒子の重量 g
P=表面改質層(D)の重量 g
D=表面改質層(D)の密度 g/cm
[実施例3〜6、比較例1〜2]
ナノダイヤモンド粒子を解砕・表面改質処理する際のナノダイヤモンド複合体(C)の目標直径20nmと50nmであるナノダイヤモンド、PVA、イオン交換水、メタノールの混合割合を変更した以外は実施例1と同様にしてナノダイヤモンド粒子への表面改質層(D)の形成を行った。
PVAで表面修飾されたナノダイヤモンドに対するPVAの割合が2.3重量%で、表面改質層(D)の計算厚み0.22nmである実施例3、同じく1.0重量%で、表面改質層(D)の計算厚み0.10nmである実施例4、同じく0.5重量%で、表面改質層(D)の計算厚み0.05nmである実施例5、同じく2.3重量%で、表面改質層(D)の計算厚み0.55nmである実施例6は、実施例2と同様に表面改質層固定化ナノダイヤモンド粒子の粉末が得られた。一方、PVA表面修飾されたナノダイヤモンドに対するPVAの割合が、57.4重量%である比較例1(計算厚み5.3nm)と比較例2(計算厚み13.5nm)では数mmの大きな粉末となり、PVAが過剰な状態のため不均一な表面改質層(D)となった。分散媒体(B)と類似した材料の表面改質層(D)の量が0.01重量%(または厚み0.001nm)より薄い場合には修飾の効果が少ない。一方、5重量%(または厚み1nm)を越える場合には、表面改質層(D)の材料が過剰な状態のため不均一な表面改質状態になる。
実施例2〜6及び比較例1、2にかかる表面改質層固定化ナノダイヤモンド粒子の表面改質層(D)の計算厚みと、処理条件(表面修飾されたナノダイヤモンド粒子の種類、ナノダイヤモンド粒子・PVA・イオン交換水・メタノールの混合割合)、及び、ナノダイヤモンド粒子に対するPVAの割合(重量%換算)について、表2に纏めて示した。
[実施例7]
実施例7は、表面改質処理を行う表面改質剤(E)としてポリビニルブチラール(積水化学製 PVB−BM2;以下「PVB」という)を用いた。表面修飾されたナノダイヤモンド粒子に表面改質層(D)を形成する際には、まず、PVBとエチルアルコールからエチルアルコール−5重量%PVBの溶液を作製した。次に、表面修飾されたナノダイヤモンド粒子に対しPVBが1.4重量%(計算厚み0.2nm)となるように、表面修飾されたナノダイヤモンド粒子、PVB、及び、エチルアルコールを混合し、アドバンスド・ナノテクノロジー製湿式ジェットミルを用いて解砕・表面改質処理を行った。
次いで、表面改質層固定化処理として、得られた表面改質処理の施されたナノダイヤモンド粒子を含む分散液を、真空脱気加熱装置を用いて100℃、10分間処理することで、表面改質層固定化ナノダイヤモンド粒子の粉末を得た。表面改質層固定化ナノダイヤモンド粒子の表面改質層(D)の計算厚みについて、処理条件(表面修飾されたナノダイヤモンド粒子の種類、ナノダイヤモンド粒子・PVB・エタノールの混合割合)、及び、ナノダイヤモンド粒子に対するPVBの割合(重量%換算)について、表3に纏めて示す。
[実施例8]
目標のナノダイヤモンド複合体(C)の直径20nmであるナノダイヤモンドを用い、前述したようにナノダイヤモンドに対して表面修飾処理を施した。まずエッチング処理として、ナノダイヤモンド粒子16を回転させ、処理ガス17としてエアを50mL/minで供給しながら100℃〜450℃まで30分かけて昇温した後、処理ガス17としてエアを50mL/minで供給しながら450℃±10℃の温度範囲で20時間維持した後、更に、還元ガスとしてアルゴン−水素混合ガス18を供給しながら6時間維持することで還元処理してから冷却し、表面修飾処理とした
表面修飾されたナノダイヤモンド粒子に表面改質層(D)を形成する際には、分散媒体(B)及び表面改質剤(E)として日本ゼオン株式会社製シクロオレフィンポリマーZEONEX480R、これ以降COP)と分散溶剤(F)であるシクロヘキサンからシクロヘキサン−10重量%COPの溶液を作製し、次いで、上記のようにして得られた表面修飾されたナノダイヤモンドに対し表面改質層(D)とするCOPが2.6重量%(計算厚み0.3nm)となるように、表面修飾されたナノダイヤモンド、COP、及び、シクロヘキサンを混合し、BRANSON製超音波ホモジナイザーModel450Dを用いて100Wの出力で1分間の分散処理を5回実施しすることで、ナノダイヤモンド粒子の解砕・表面改質処理を行った。
次いで、表面改質層固定化処理として、得られた表面改質処理の施されたナノダイヤモンド粒子を含む分散液を、真空脱気加熱装置を用いて100℃、30分間処理することで、表面改質層固定化されたナノダイヤモンド複合体(C)の粉末を得た。
一方、比較例3では、未表面修飾処理のナノダイヤモンド粒子を用い以外は、実施例6と同様、ナノダイヤモンド複合体(C)の目標直径20nmで、未表面修飾のナノダイヤモンドに対しCOPが0.6重量%(計算厚み0.1nm)となるように、ナノダイヤモンド、COP、及び、シクロヘキサンを混合し、超音波ホモジナイザーで分散処理したが、この時の処理液は実施例6より高粘度状態になった。そのため、解砕・表面改質処理に3倍の時間がかかった。次いで、表面改質層固定化処理として、得られた表面改質処理の施されたナノダイヤモンド粒子を含む分散液を、真空脱気加熱装置を用いて100℃、30分間処理することで、表面改質層固定化ナノダイヤモンド粒子の粉末を得た。
実施例8と比較例3にかかる表面改質層固定化ナノダイヤモンド粒子の表面改質層(D)の計算厚みについて、処理条件(表面修飾されたナノダイヤモンド粒子の種類、ナノダイヤモンド粒子・COP・シクロヘキサンの混合割合)、及び、ナノダイヤモンド粒子に対するCOPの割合(重量%換算)について、表4に纏めて示す。
[ナノダイヤモンド・ナノコンポジット膜の作製]
[実施例9〜11、比較例4〜6]
実施例9〜11及び比較例5においては、実施例2、3及び比較例1によって得られた表面改質層固定化されたナノダイヤモンド複合体(C)と表面改質剤(E)であるPVAのイオン交換水を用いて、ナノダイヤモンド・ナノコンポジットの成型体の組成がほぼ5重量%、15重量%もしくは25重量%になるように調製し、比較例4及び6においては表面改質層固定化処理を行っていないナノダイヤモンド粒子を用いて、ナノダイヤモンド・ナノコンポジットの成型体の組成がほぼ15重量%になるように調製し、比較例9においては、ナノダイヤモンド粒子を含まないPVA及びイオン交換水のみの溶液を調製し、これらをBRANSON製超音波ホモジナイザーModel450Dを用いて100Wの出力で1分間の分散処理を5回実施した。得られた分散体1(H)の分散液の組成を表7に纏めて示す。
実施例9〜11においてはいずれも良好に分散したのに対し、比較例5では表面改質層固定化されたナノダイヤモンド複合体(C)が再溶解するのに時間を要し、分散状態が不均一となった。また、固定化処理を行っていないナノダイヤモンド粒子を用いた比較例6では、分散状態が不均一なだけでなく、時間経過により分離してしまった。
実施例9〜11及び比較例4については、上記のようにして得られた分散液をそれぞれ20mmx20mmのガラス基板とシリコン基板にスピンコートした後、直ちに80℃に加熱したホットプレート上で乾燥することで、PVA中に表面改質層固定化ナノダイヤモンド粒子を0重量%(比較例4)、5重量%(実施例9)、15重量%(実施例10)、25重量%(実施例11)含有したナノダイヤモンド・ナノコンポジット膜を作製した。全てにおいて、干渉色が観察されたことにより、0.4〜1.0μmの膜厚みの透明なナノダイヤモンド・ナノコンポジット膜が得られた。
[ナノコンポジットシートの作製]
[実施例12〜13、比較例7〜8]
次いで、上記のようにして得られた実施例12〜13にかかる表面改質層固定化されたナノダイヤモンド複合体(C)粉末をCOPのペレットに所定量分散させた混合ペレットを作製した後、微少サンプル用小型混練機(Xplore社製 DSM)で溶融混練してシートを成型することでナノコンポジットシートを作製した。比較例7はCOP単独のシート比較例8は、エッチング処理及び表面改質層固定化処理共に未処理のナノダイヤモンド粒子とCOPを溶融混練してシートを成型した。分散液及びナノコンポジットシートそれぞれにおける、ナノダイヤモンド粒子、COPの混合割合について、表6に纏めて示す。
上記のようにして得られたシートは、比較例8を除いて、いずれも透明シートであり、特に実施例12及び13では光学的に透明なシートであった。シクロオレフィンポリマーは吸湿性がほぼゼロに近い非極性のポリマーであり、従来、シリカやジルコニアなどのナノサイズの無機粒子を均一分散させることは出来なかった。本発明により、初めて透明ナノダイヤモンドCOPナノコンポジットを作製することが出来た。一方、エッチング処理及び表面改質層固定化処理共に未処理の比較例8は透明度が不足していた。図5−左に比較例7、図5−中に実施例13、図5−右に比較例8それぞれ0.2mm厚みのシートを黒い文字の印刷した白い紙の上に載せた状態を示した。
[前方散乱の評価]
実施例9及び比較例4について、分散液をガラス基板上にスピンコートした塗膜にレーザー光線を垂直に入射させ、前方散乱を垂直から45°の方向から観察することで、前方散乱の状態を評価した。PVA−15重量%ナノダイヤモンド/ガラス(実施例10、図6−中:膜厚0.8μm)、PVA−25重量%ナノダイヤモンド/ガラス(実施例11、図6−右:膜厚1.0μm)では前方散乱が観察されたのに対して、PVA100重量%(比較例4、図6−左:膜厚0.5μm)では前方散乱は観察されなかった。
比較例7及び実施例11についても同様に、溶融混練した後、成型したシートにレーザー光線を垂直に入射させ、前方散乱を垂直から45°の方向から観察することで、前方散乱の状態を評価した。COP−1重量%ナノダイヤモンド(実施例11、図7−右:膜厚130μm)では前方散乱が観察されたのに対して、COP100重量%(比較例7、図7−左:膜厚140μm)では前方散乱は観察されなかった。
大塚電子株式会社製の高分子フィルムダイナミックス解析装置DYNA−3000によりナノダイヤモンド・コンポジット体の前方散乱強度の散乱角度依存性を評価した。図8−左はPVA−25重量%ナノダイヤモンド膜/ガラスの膜厚依存性(実施例11、厚み1.7μm、0.9μm)とナノダイヤモンド粒子の添加効果(実施例11、比較例4)を示した。0.9μmの薄膜でも前方散乱が発現することがわかる。図8−右はCOP−ナノダイヤモンドシートのナノダイヤモンド粒子の添加効果(比較例4(0重量%)、実施例12(1重量%)、実施例13(5重量%))を示した。1重量%の低濃度でも前方散乱が発現することがわかる。
なお、PVA−15重量%ナノダイヤモンド/ガラス(実施例10)の表面構造をAFMにより観察した。図9−左は実施例10のナノダイヤモンド・ナノコンポジット膜のAFM画像、図9−中は凝集体のスケッチ図(凝集体、44面積%)、図9−右は凝集体のサイズ分布である。このAFM画像より、ナノ構造の最大サイズは45nm(20〜45nmの分布)の大きさの凝集体となっていた。また、観察された凝集体が三次元的に同様に分布していると仮定すると、凝集体は44体積%と推定される。15重量%は5.9体積%であるので、凝集体中に存在するナノダイヤモンド粒子は13.5体積%と算出される。ナノダイヤモンド複合体(C)において、ナノダイヤモンド粒子はナノコンポジット全体の粒子濃度より濃い凝集状態であると考えられる。
一方、実施例10の分散処理において、BRANSON製超音波ホモジナイザーModel450Dを用いて100Wの出力で1分間の分散処理を20回実施した以外は同じ組成同じ処理を実施した比較例9のナノダイヤモンド・ナノコンポジット膜を作製した。長時間の分散処理した膜の前方散乱強度は実施例10の50%以下であった。AFM画像より求めた凝集体の最大サイズは20nmであったが、凝集体のナノ構造体が曖昧な状態であった。
また、実施例2で作製した表面改質層固定化処理したナノダイヤモンド複合体(C)の粉をイオン交換水に加えて0.01wt%の分散液を作製した。この分散液をTEM観察用のマイクログリッドにスピンコーティングした。図10にナノダイヤモンド複合体(C)のTEM電子顕微鏡写真を示した。凝集体のサイズは55nmであった。
以上の結果から、図11に、ナノダイヤモンド粒子(A)と表面改質層(D)から構成されるナノダイヤモンド複合体(C)の模式図を示した。また、図12に、透明光拡散体に分散したナノダイヤモンド複合体(C)において、入射光が多重散乱した時の前方散乱と後方散乱を説明する模式図を示した。光拡散体の光透過度と前方散乱強度を向上させるには、ナノダイヤモンド粒子(A)が全体の濃度よりリッチに含有しているナノダイヤモンド複合体(C)の最大サイズは25〜500nmであることが好ましい。上下限を外れるとナノダイヤモンドが均一に分散して前方散乱が小さくなってしまう。より好ましくは30〜200nmの範囲である。また、ナノダイヤモンド複合体(C)中において、ナノダイヤモンド粒子(A)の含有量が10〜60体積%の凝集体であることが好ましい。より好ましくは10〜50体積%の範囲である。
[ナノダイヤモンド添加による屈折率の変化]
また、シリコン基板に成膜したサンプルは干渉色を示し、光学的に透明状態であった。超薄膜対応膜厚測定装置(UTFTA−200 リソテックジャパン製)を用いて膜の屈折率を測定したところ、図13に示されるようにPVAに5重量%、15重量%、25重量%とナノダイヤモンドを添加することにより、屈折率が無添加状態の1.55から1.65まで増大することがわかる。25重量%では15重量%添加のものと比べて低下しているが、これは空気が混入したためと考えられる。
[透明光拡散体]
特許文献5において、高い透過視認性と良好な散乱反射性を有している透過型スクリーンは、5〜1000μm厚みである透明薄膜層と、透明薄膜層に含まれるメジアン径0.01〜1μmの範囲では、前方散乱性を抑えることが出来ても後方散乱性が大きいため透過性を確保できない課題があった。また、この範囲では前方散乱性を用いた光拡散体に応用展開できないことが開示されている。一方、本発明によれば、実施例1〜実施例13に示したように透光性かつ薄膜の光拡散体を実現した。
[高硬度透明光拡散体]
また、JIS K5600−5−4(1999)に規定する鉛筆硬度試験により、実施例12〜実施例13と比較例7〜比較例8のシート表面の硬度を測定した。表6に示すように、ナノダイヤモンド粒子が含まれていない比較例7は鉛筆硬度H、ナノダイヤモンド粒子が実施例12(1重量%)、実施例13(4.7重量%)それぞれ、3Hと5Hと硬度上昇があった。不均一な分散状態である比較例8は2Hで硬度上昇が少ない。
ここで、本発明のナノダイヤモンド・ナノコンポジット膜の製造工程を纏めて図1を用いて説明する。
[第1の工程]
第1の工程は、表面修飾処理工程であり、最初に、粒径4nm〜100nmのナノダイヤモンド粒子に対して表面修飾処理を行う。この表面処理工程では、得られたナノダイヤモンド粒子のイオン交換容量が0.01meq/g〜10.0meq/gとなるようにするとよい。
[第2の工程]
第2の工程は、解砕・表面改質処理工程であり、第1の工程で得られたナノダイヤモンド粒子と分散媒体(B)と類似した材料である表面改質剤(E)が添加された沸点30℃以上250℃未満の分散溶剤(F)溶液中に投入し、解砕及び分散させながら前記ナノダイヤモンド粒子の表面に厚み0.001〜1nmの表面改質層(D)を、ナノダイヤモンド粒子に対して0.01〜5体積%の量となるように形成する。
なお、表面改質層(D)の厚みt(nm)は下記の計算式により求める。
t=(1021)*(P/D)/(Π*d*d)
ただし、
t=表面改質層(D)の厚み nm
d=ナノダイヤモンド複合体の直径 nm
C=ナノダイヤモンド粒子の重量 g
P=表面改質層(D)の重量 g
D=表面改質層(D)の密度 g/cm
この第2の工程で用いる表面改質剤(E)としては、分散媒体(B)と類似した材料である。場合によっては適切な表面改質剤(E)を採用し得る。例えば、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤、アルミネートカップリング剤、メトキシ基を有する金属有機化合物、エトキシ基を有する金属有機化合物、有機樹脂から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。表面改質剤(E)は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。また、第2の工程において用いる分散溶剤(F)としては、沸点30℃以上100℃の分散溶剤(F)であれば、任意の適切な有機溶剤を採用し得る。具体的には、例えば、水、アセトン、シクロヘキサン、酢酸エチル、メチルエチルケトンなどが挙げられる。さらに、第2の工程において用いる分散溶剤(F)としては、沸点100℃以上250℃未満の有機溶剤であれば、任意の適切な分散溶剤(F)を採用し得る。具体的には、例えば、テルピネオール、トルエン、キシレン、酢酸ブチル、メチルイソブチルケトン、プロピレングリコールメチルエーテルなどが挙げられる。
また、第2の工程においては、上記のナノダイヤモンド粒子、分散媒体(B)と類似した材料である表面改質剤(E)及び分散溶剤(F)を含む混合物の解砕混合処理を行う。この混合物には、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な添加剤が含まれていてもよい。第2の工程における解砕混合処理は、任意の適切な方法を採用し得る。好ましくは、遊星式ミル、ビーズミル、湿式ジェットミルから選ばれる少なくとも1種により行われる。
[第3の工程]
第3の工程は、表面改質層固定化処理工程であり、250℃以下で分散溶剤(F)を撹拌真空脱溶剤処理により表面改質層固定化処理したナノダイヤモンド粒子を形成する。この第3の工程により、ナノダイヤモンド粒子の表面に表面改質層(D)が形成されると共に、使用された有機溶剤が残存し得る。表面改質層固定化処理工程が行われたことは、任意の適切な測定方法によって確認し得る。例えば、FT−IRスペクトルに有意差が生じることによって確認できる。
本発明のナノコンポジットの製造方法では、220℃以下で分散溶剤(F)の脱溶剤処理を行う工程を含んでいてもよい。表面改質層固定化処理工程における脱溶剤処理の方法としては、任意の適切な方法が採用され得る。例えば、真空脱気が挙げられる。脱溶剤処理の温度は、好ましくは30〜180℃、より好ましくは50〜150℃、さらに好ましくは80〜150℃、特に好ましくは100〜150℃である。
表面改質層固定化処理工程によって分散溶剤(F)の脱溶剤処理を行うことで、分散溶剤(F)とともに、ナノダイヤモンド粒子の表面に存在する吸着水や生成水(例えば、表面処理剤とナノダイヤモンド粒子表面の水酸基との脱水縮合によって生成した水)が除去され、ナノダイヤモンド粒子の表面に官能基(例えば、水酸基)がある場合には該官能基も除去され得る。このような作用によって、表面改質層とナノダイヤモンド粒子との結合が極めて強固なものとなる。さらに、表面改質層固定化処理工程は180℃以下という比較的低温で行うので、表面改質されたナノダイヤモンド粒子どうしの凝集を抑制できる。
表面改質層固定化処理工程によって得られるナノダイヤモンド粒子中には、分散溶剤(F)が、好ましくは0.1〜50重量%、より好ましくは0.1〜30重量%、さらに好ましくは0.1〜20重量%、特に好ましくは0.1〜10重量%含まれる。表面改質層固定化処理工程によって得られるナノダイヤモンド粒子中に分散溶剤(F)が上記の範囲の量で含まれることにより、ナノダイヤモンド粒子中の分散媒体(B)中へ分散性が一層極めて優れたものとなり、ナノコンポジットとしたときに、ナノコンポジット中におけるナノダイヤモンド粒子中の高濃度化が一層可能となる。
表面改質層固定化処理工程が行われたことは、任意の適切な測定方法によって確認し得る。例えば、FT−IRによりスペクトルに有意差が生じることによって確認できる。具体的には、例えば、表面改質層固定化処理工程によって得られる粒子のFT−IRスペクトルが、該工程を行う前の粒子のFT−IRスペクトルと比べて、700、850、1620、2960などの吸収ピーク(cm−1)に変化が見られる。
[第4の工程]
第4の工程は、マスターバッチ製造工程であり、第3の工程で得られた表面改質層固定化処理したナノダイヤモンド複合体と分散媒体(B)と分散補助剤であると分散溶剤(F)により分散した分散体1のマスターバッチを製造する。本発明のナノコンポジットの製造方法においては、好ましくは、第3の工程で得られたナノダイヤモンド複合体を分散媒体(B)に分散させる工程(「ナノ分散処理工程」と称する場合がある)を含む。
ナノ分散処理工程においては、第3の工程で得られたナノダイヤモンド複合体、分散媒体(B)を含む混合物を分散処理する。この混合物には、任意の適切な添加剤が含まれていてもよい。効率的な分散処理を行う等のために、この混合物に分散剤や分散溶媒が含まれていることが好ましい。ナノ分散処理工程における分散処理の方法としては、例えば、ホモジナイザー、湿式ジェットミルなど、任意の適切な分散方法が採用し得る。ナノ分散処理工程によって、好ましくは透明な、ナノダイヤモンド粒子の分散液が得られる。なお、ナノ分散処理工程において用いる分散媒体(B)と表面改質処理工程において用いる分散媒体(B)を類似のものとすることが好ましい。
[第5の工程]
第5の工程は、成型前分散体製造工程であり、第4の工程で得られた分散体1と分散媒体(B)と分散補助剤であると分散溶剤(F)により分散した分散体2の成型前分散体を製造する。第5の工程によって得られる分散液2を、そのまま本発明にいうナノダイヤモンド・ナノコンポジットとしてもよいが、さらに脱溶剤処理を行う工程(「脱溶剤処理工程」と称する場合がある)を行ってから、本発明にいうナノダイヤモンド・ナノコンポジットとしてもよい。
この、脱溶剤処理工程においては、好ましくは、ナノ分散処理工程において用いる分散溶媒や、ナノ分散処理工程によって得られる分散液(ナノコンポジット)中に残存し得る有機溶剤を除去する。脱溶剤処理工程における脱溶剤処理の方法としては、任意の適切な方法が採用され得る。例えば、ナノ分散処理工程によって得られる分散液(ナノコンポジット)を基板(例えば、ガラス基板)上にキャストし、キャスト膜から分散溶媒を除去する方法などが挙げられる。
[第6の工程]
第6の工程は、成膜処理工程であり、第5の工程によって得られた分散体2よりナノダイヤモンド・ナノコンポジットを成型する。この第6の工程では、周知の成膜処理方法から任意の方法を適宜に選択して採用し得る。以上工程を経ることにより、本発明のナノダイヤモンド・ナノコンポジットを作製することができる。
また、上記実施例においては分散媒体(B)として、PVA、COP及びPVBを用いたが、本発明においては、それ以外にも熱可塑性ポリマー、熱硬化性ポリマー、光硬化性ポリマーとして知られる各分散媒体(B)を使用することができる。
すなわち、熱可塑性ポリマーとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、エチレン・プロピレン共重合体、ポリ(4−メチル−ペンテン)等のポリオレフィン類及びその誘導体、ナイロン4、ナイロン6、ナイロン6・6、ナイロン6・10、ナイロン12などのポリアミド類及びその誘導体、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート・ポリエチレングリコールブロック共重合体などのポリエステル類及びその誘導体、各種変性ポリフェニレンエーテル、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリスルフォン、ポリ塩化ビニル及びその共重合体、ポリ塩化ビニリデン及びその共重合体、ポリメチルメタクリレート類、アクリル酸(またはメタクリル酸)エステル共重合体類、ポリスチレン類、アクリロニトリルスチレン共重合体類、アクリロニトリルスチレンブタジエン系共重合体等のポリスチレン類及びその共重合体類、ポリ酢酸ビニル類、ポリビニルホルマール、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール類、エチレン酢酸ビニル共重合体及びその加水分解物類、ポリビニルアルコール類、スチレンブタジエンブロック共重合体類、ポリブタジエン、ポリイソプレン等のゴム類、ポリメトキシエチレン、ポリエトキシエチレン等のポリビニルエーテル類、ポリアクリルアマイド、ポリホスファーゼン類、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリアミドイミド、熱可塑性ポリイミド、芳香族ポリエステル等の液晶ポリマー、側鎖に液晶成分を含有する側鎖型液晶ポリマー等が挙げられる。
また、熱硬化性ポリマーとしては、ポリイミド樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂(BTレジン)、架橋性ポリフェニレンオキサイド、硬化性ポリフェニレンエーテル、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ジアリルフタレート樹脂、キシレン樹脂、(メタ)アクリル樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノールA、レゾルシン等から合成される各種ノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、線状脂肪族エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂、ハロゲン化エポキシ樹脂、スピロ環式エポキシ樹脂等が使用できる。
また、光硬化性ポリマーとしては、例えば、紫外線硬化性樹脂及び電子線硬化性樹脂のいずれであってもよい。紫外線硬化型樹脂又は電子線硬化型樹脂としては、公知の様々なものが使用でき、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エステル樹脂等があげられる。代表的なものとしては、分子中にアクリロイル基を有する紫外線硬化型樹脂であり、エポキシアクリレート系,ウレタンアクリレート系,ポリエステルアクリレート系,ポリオールアクリレート系のオリゴマー、ポリマーと単官能・2官能・あるいは多官能重合性(メタ)アクリル系モノマー、例えばテトラヒドロフルフリルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリトリトールトリアクリレート、ペンタエリトリトールテトラアクリレートなどのモノマー、オリゴマー、ポリマーなどの混合物が使用される。なお、光硬化性樹脂には、通常配合される光重合開始剤等を配合してもよい。
本発明によって得られるナノコンポジットは、任意の適切な光学的用途としては、例えば、屈折率調整材料、低反射材料、UV吸収材料、IR反射材料、光散乱材料、FPD用材料、有機光感光体、高機能顔料などが挙げられる。機械的用途としては、高硬度化材料、高ヤング率化材料、高密着性材料、成膜性材料、耐摩擦摩耗性材料などが挙げられる。熱的用途としては、耐熱性材料、低熱膨張性材料、難燃性材料、熱伝導性材料などが挙げられる。
10…ドライ表面修飾処理装置
11…電気炉
12…反応管
13…回転ドラム容器
14…プログラム温度制御装置
15…モーター
16…粉体
17…処理ガス
18…流量計
19…バブラー

Claims (3)

  1. ナノダイヤモンド複合体(C)を分散媒体(B)中に分散させた透明光拡散体を製造する方法であって、
    前記ナノダイヤモンド複合体(C)は、ナノダイヤモンド粒子(A)と、前記ナノダイヤモンド粒子(A)を被覆するように設けられた表面改質層(D)とからなり、最大サイズが25〜500nmであり、
    (1)前記ナノダイヤモンド粒子(A)の表面に修飾処理し、修飾処理したナノダイヤモンド粒子(A’)を得る第1の工程と、
    (2)前記第1の工程で得られた前記修飾処理したナノダイヤモンド粒子(A’)を、前記分散媒体(B)と類似した材料である表面改質剤(E)が添加された沸点30℃以上250℃未満の分散溶剤(F)溶液中に投入し、解砕及び分散させながら、前記ナノダイヤモンド粒子(A)に対して0.01〜5重量%となるように前記修飾処理したナノダイヤモンド粒子(A)に前記表面改質剤(E)を被覆し、前記表面改質層(D)を形成する第2の工程と、
    (3)250℃以下で前記分散溶剤(F)溶液を撹拌真空脱溶剤処理し、前記修飾処理したナノダイヤモンド粒子(A’)の表面に前記表面改質層(D)が固定化処理されたナノダイヤモンド複合体(C)を得る第3の工程と、
    (4)前記ナノダイヤモンド複合体(C)を前記分散媒体(B)及び分散補助剤としての前記分散溶剤(F)の混合溶剤中に分散させて分散体1(H)のマスターバッチを製造する第4の工程と、
    (5)前記分散体1(H)中に、さらに前記分散媒体(B)を添加して分散体2(I)の成形前分散体を製造する第5の工程と、
    (6)前記分散体2(I)を成形して所定形状の透明光拡散体を製造する第6の工程と、
    を備えることを特徴とするナノダイヤモンド複合体を含有する透明光拡散体の製造方法。
  2. 請求項1に記載のナノダイヤモンド複合体を含有する透明光拡散体の製造方法において、前記第1の工程が、前記ナノダイヤモンド粒子(A)を、空気、アルゴン−5体積%水素、アルゴンをキャリアガスした水の蒸気、硝酸の蒸気、硫酸の蒸気から1種以上の組合せの表面修飾ガスを供給しながら、350℃から500℃で10分から20時間保持することにより表面修飾することを特徴とするナノダイヤモンド複合体を含有する透明光拡散体の製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載のナノダイヤモンド複合体を含有する透明光拡散体の製造方法において、前記表面修飾したナノダイヤモンド粒子(A’)として、イオン交換容量が0.01meq/g〜10.0meq/gのものを用いることを特徴とするナノダイヤモンド複合体を含有する透明光拡散体の製造方法。
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