JP6186709B2 - 車両の制駆動力制御装置 - Google Patents
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Description
この車両の制駆動力制御装置において、
前記車両の電費または燃費を優先する走行状態と通常の走行状態とを判別する走行状態判別手段と、
前記車両の電費または燃費を優先する走行状態が判別されると、前記トルク補正量を電費または燃費対応態様に変更するトルク補正量変更手段と、
を有する。
前記トルク補正量変更手段は、前記車両の電費または燃費を優先する走行状態のとき、制駆動力制御を止めることなく、通常の走行状態における前記トルク補正量に対し、前記トルク補正量の正側(加速側)の成分を小さくした態様を、前記電費または燃費対応態様とする。
車両が電費または燃費を優先したい場合は、駆動トルクを増やさないことが望ましい。しかしながら、制駆動力制御を中止すると、制御によるバネ上挙動抑制効果が失われる。すなわち、制御を行う場合に比べ、車両前進方向以外へエネルギが散逸する状態(具体的にはバネ上下運動に消費される)にあると言える。このため、制駆動力制御を中止することが、必ずしも電費または燃費に良い状態とは言えない。
これに対し、車両の電費または燃費を優先する走行状態のとき、制駆動力制御を止めることなく、通常の走行状態におけるトルク補正量に対し、トルク補正量の正側(加速側)の成分を小さくした態様が、電費または燃費対応態様とされる。このため、制御によるバネ上挙動抑制効果が残り、車両前進方向以外へのエネルギ散逸が抑えられる。
このように、車両の電費または燃費を優先する走行状態のとき、制駆動力制御を止めることなく、駆動トルクを得るエネルギ消費分が低減されることで、実電費または実燃費の向上に大きく貢献することができる。
実施例1における車両の制駆動力制御装置の構成を、[車載システム構成]、[制駆動力制御の全体システム構成]、[制駆動力制御装置の詳細構成]、[制駆動力制御処理の詳細構成]に分けて説明する。
図1は、実施例1の制駆動力制御装置が適用された前輪駆動の電気自動車を示し、図2は、後輪駆動のエンジン車を示す。以下、図1及び図2に基づき、車載システム構成を説明する。
図3は、実施例1の制駆動モータECU101の内部構成を示す。以下、図3に基づき、制駆動力制御の全体システム構成を説明する。
図4は、実施例1の制駆動力制御装置を示す制御ブロック線図であり、図5は、制駆動力制御処理の流れを示すフローチャートである。以下、図4及び図5に基づき、制駆動力制御装置の詳細構成を説明する。
まず、入力変換部1204では、車両からのセンシング情報を後段の車体振動推定部1205で用いる車両モデル1307の入力形式、具体的には車体に加わるトルクまたは力の次元に変換を行う。この入力変換部1204は、駆動トルク変換部1301と、サスストローク算出部1302と、上下力変換部1303と、車体速度推定部1304と、旋回挙動推定部1305と、旋回抵抗推定部1306と、を有する。
Zf=KgeoF・xtf
Zr=KgeoR・xtr
上式を微分すると、タイヤの前後速度と上下速度の式となるため、この関係を用いてサスストローク量と速度を算出する。
なお、δは操舵角より算出されるタイヤ転舵角、lはホイールベース、lf及びlrは車体重心から前後車軸までの距離、mは車重、Cpはタイヤコーナリングパワーをあらわす。
βf=βv+lf・γ/V−δ
βr=βv−lr・γ/V
の式で計算できる。
次に、車体振動推定部1205では、入力変換部1204における処理にて算出されたドライバ要求トルク、路面外乱、旋回抵抗相当の力を、図9に示すような車両モデル1307に入力し、バネ上挙動を表す状態量の算出を行う。この車体振動推定処理は、図5のフローチャートにおいて、ステップS1411からステップS1412へ進むことでなされる。
次に、トルク補正値算出部1206では、車体振動推定部1205からの制御対象とする状態量に対しレギュレータ1308,1309,1310によるゲイン処理を行い、重み付けを行うためのチューニングゲインを積算してその和をとり制御に必要な補正トルク値を算出する。そして、リミット処理部1311で補正トルク値の絶対値をドライバが前後G変動として感じない範囲のトルクに制限する。
直進走行から時刻t0にて操舵入力を加えると、制駆動力制御によって出力される制御指令値(=駆動トルク)は、図11の制御指令値特性に示すように、(車体振動を抑制する指令トルク)+(操舵応答をコントロールする指令トルク)により与えられる。
このため、制御後のピッチレイトは、図11のピッチレイト特性に示すように、制御なし(点線特性)に比べ、操舵過渡領域において適切な荷重移動が実現され、その後のピッチレイトが抑制される。制御後のヨーレイトは、図11のヨーレイト特性に示すように、制御なし(点線特性)に比べ、旋回開始域での初期応答性が向上し、旋回に入った後の巻き込みが抑制される。制御後のロールレイトは、図11のロールレイト特性に示すように、制御なし(点線特性)に比べ、旋回中のロールレイトが抑制される。
次に、出力処理部1207では、燃費または電費を優先する走行状態であるか否かを判定し、燃費または電費を優先する走行状態のとき、正側トルク補正量処理をし、駆動系共振対策としてフィルタ処理をし、そして最終的なリミット処理を行った後に出力する。この出力処理部1207は、走行状態判定部1312(走行状態判定手段)と、正側トルク補正量処理部1313(トルク補正量変更手段)と、バンドパスフィルタ1314(駆動系共振周波数成分除去処理手段)と、リミット処理部1315と、駆動トルク変換部1316と、を有する。
[車外からの指令]
・コンサルト等外部ツール
[車両要件からの要求]
・他ECUからの要求
・バッテリ残容量、燃料残量が所定値より小、
・駆動源運転状態(燃費が悪化しやすい運転状態)、運転モード
・運転者の操作履歴(過去、アクセルをあまり踏みこまない運転をしている、加速度変化、最高速度が低い運転をしている。過去1〜数トリップ平均でも良いし、1〜数時間平均でも良い。)
・駆動源学習機能
・ナビ情報(路面勾配がある、渋滞している)
[運転者からの要求]
・車両の燃費または電費を優先するモードが選択(エコモード)
・車両の燃費または電費を優先するモードに準じるモードが選択
・本制御の態様変更スイッチによる要求
以上のいずれかが成立した場合とする。または、以上の任意の組合せが成立した場合とする。
dTw1=Kout・Max(dTw,0)+Min(dTw,0)
ここで、Koutは、正側トルク補正量調整ゲインであり、走行状態判定部1312で電費または燃費を優先する走行状態と判定された場合、Koutに0または0〜1の間の値をセットする。また、走行状態判定部1312での各成立条件の組合せに応じて、Koutを0〜1の間で変動させても良い。尚、制駆動力制御装置1203の起動時など、最初のルーチンでも演算が行えるように、Koutの初期値を例えば1に設定しておく。
また、上記処理のように正側トルク補正量調整ゲインを用いず、下記のようにdTwにリミッタをかける手段としても良い。
dTw1=Min(dTw,Cout)
ここでリミッタ値となるCoutは0とする。または0より大きいが、通常算出されるdTwの絶対値より小さい値とするのも良い。CoutについてもKoutと同様に走行状態判定部1312での結果に応じて決定する。また、最初のルーチンでも演算が行えるように、Koutの初期値は例えば最終的なリミット処理での補正トルク上限値と同値に設定しておく。
なお、所定の周波数帯の振動成分を通過させるバンドパスフィルタ1314に代え、ローパスフィルタ、またはローパスフィルタとハイパスフィルタの組合せにより駆動系共振周波数成分の除去処理を実施するようにしても良い。
実施例1の車両の制駆動力制御装置における作用を、[電費または燃費を優先する走行状態でのトルク補正量変更作用]、[駆動系共振周波数成分の除去作用]に分けて説明する。
まず、走行状態判定部1312において、電費または燃費を優先する走行状態でないと判定されたときは、正側トルク補正量処理部1313において、トルク補正値算出部1206で算出された補正トルクがそのままバンドパスフィルタ1314に出力される。つまり、正側トルク補正量処理部1313にて正側トルク補正量調整処理が行われない。
制駆動トルクの補正による車体バネ上振動または輪荷重の制駆動力制御とは、例えば、車両のノーズが持ち上がれば駆動トルクを減らし(減速)、ノーズが下がれば駆動トルクを増やし(加速)、バネ上挙動を抑制する制御である。
すなわち、燃費または電費を優先する走行状態においては、駆動トルクを抑制することが望ましいが、制駆動力制御を禁止した場合、制駆動力制御による荷重の安定及び振動の抑制効果を失うため、車両の進行方向以外へのエネルギ散逸も増加する。そのため、制駆動力制御を行いつつ駆動トルクを抑制することが望ましい形態である。
このように、制駆動力制御を止めないようにしたことで、制駆動力制御効果の一部が維持され、車両の進行方向以外(車両上下方向)へのエネルギ散逸が低減される。つまり、エネルギ散逸による無駄が省かれることで、エネルギ効率が高められる。
したがって、車両の電費または燃費を優先する走行状態のとき、実電費または実燃費の向上を図ることができる。
このように、制駆動力制御を止めないようにしたことで、制駆動力制御効果の一部が維持され、車両の進行方向以外(車両上下方向)へのエネルギ散逸が低減される。加えて、補正トルクのうち駆動トルク成分を抑制することで、駆動トルクを得るための消費エネルギが低減される。
したがって、エネルギ散逸による無駄が省かれるばかりでなく、駆動トルクを得るエネルギ消費分が低減されることで、さらに、エネルギ効率が高められ、実電費または実燃費の向上に大きく貢献することができる。
上記のように、実際の車において、駆動トルクに不用意に振動成分を付加すると駆動系共振と干渉して違和感となる振動が発生するおそれがあるため、予め駆動系共振周波数成分を除去しておく方が好ましい。以下、駆動系共振周波数成分の除去作用を説明する。
実施例1の車両の制駆動力制御装置にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
車体バネ上振動または輪荷重を制御するための制駆動トルクの補正量を算出するトルク補正量算出手段(トルク補正値算出部1206)と、を備え、
前記制駆動トルク発生手段は、前記トルク補正量に基づいて制駆動トルクの補正を行い出力する車両の制駆動力制御装置において、
前記車両の電費または燃費を優先する走行状態と通常の走行状態とを判別する走行状態判別手段(走行状態判定部1312)と、
前記車両の電費または燃費を優先する走行状態が判別されると、前記トルク補正量を電費または燃費対応態様に変更するトルク補正量変更手段(正側トルク補正量処理部1313)と、
を有する(図4)。
このため、車両の電費または燃費を優先する走行状態のとき、実電費または実燃費の向上を図ることができる。
このため、(1)の効果に加え、駆動トルクを得るエネルギ消費分が低減されることで、実電費または実燃費の向上に大きく貢献することができる。
このため、(1)の効果に加え、駆動トルクを得るエネルギ消費分が削減されることで、さらに、エネルギ効率が高められ、実電費または実燃費の向上に大きく貢献することができる。
このため、(1)〜(3)の効果に加え、トルク補正量の算出を終えた後、その後段にてトルク補正量を電費または燃費対応態様に変更することができる。
このため、(4)の効果に加え、トルク補正量算出手段(トルク補正値算出部1206)での内部処理または制駆動トルク発生手段(トルク指令値演算部1202)での内部処理により、トルク補正量を電費または燃費対応態様に変更することができる。
このため、(1)〜(5)の効果に加え、車外情報と車内情報を含む幅広い情報に基づいて、車両が電費または燃費を優先する走行状態であるか否かを判別することができる。
このため、(6)の効果に加え、車外情報と車内情報を含む幅広い情報に基づいて、車両が電費または燃費を優先する走行状態であることを自動判定することができる。
このため、(6)の効果に加え、モード選択操作情報だけでなく、トルク補正量変更要求情報を含んで、車両が電費または燃費を優先する走行状態である運転者による切り替えと判別することができる。
前記制駆動トルク発生手段(トルク指令値演算部1202及びモータ108)は、共振周波数成分を除去した後の値をトルク補正量出力値とする(図4)。
このため、(1)〜(8)の効果に加え、電費または燃費を優先する走行状態でトルク補正量変更制御を採用しても、駆動系共振の発生を防止することができる。
このため、(9)の効果に加え、駆動系共振周波数成分は除去しつつも、車体バネ上挙動を抑制する制駆動力制御性能を実現することができる。
このため、(9)または(10)の効果に加え、駆動系共振を避けるようにBPF特性を設計することで、駆動系共振周波数成分を除去することができる。
このため、(11)の効果に加え、電費または燃費を優先する走行状態でトルク補正量変更制御が実施されるとき、車体バネ上共振の発生を防止することができる。
このため、(12)の効果に加え、電費または燃費を優先する走行状態でトルク補正量変更制御が実施されるとき、車体バネ上共振のうち、振動抑制を狙うピッチ共振、バウンス共振、ロール共振のいずれかを防止することができる。
このため、(9)または(10)の効果に加え、バンドパスフィルタ1314に代え、ローパスフィルタ、またはローパスフィルタとハイパスフィルタの組合せを用いて、駆動系共振周波数成分を除去することができる。
このため、(9)〜(14)の効果に加え、トルク補正量変更と駆動系共振周波数成分除去処理を実施しないとき以下の駆動レベルに抑えることができる。
実施例2における車両の制駆動力制御装置の構成を、[全体システム構成]、[制駆動力制御処理の詳細構成]に分けて説明する。
図15は、実施例2の制駆動力制御装置を示す全体システム図であり、図16は、実施例2の制駆動力制御装置が搭載された車両を示す全体構成図である。以下、図15及び図16に基づき、全体システム構成を説明する。
図21は、実施例2のコントローラ50で行う処理を示す制御ブロック線図である。以下、図21に基づき、制駆動力制御処理の詳細構成を説明する。
実施例2による制駆動力制御装置の作用、図22及び図23を用いて説明する。図22は、実施例2のコントローラ50における制駆動力制御処理の処理手順を示すフローチャートである。なお、本処理内容は、一定間隔、例えば10msec毎に連続的に行われる。
アクセル開度APOから、図18に示すような、アクセル開度とドライバ要求モータトルクの関係を定めた特性マップに基づいてドライバ要求トルクTm_aを読み出す。
そして、読み出されたドライバ要求モータ(エンジン)トルクTm_aを、ディファレンシャルギア比Kdif、自動変速機(または手動変速機)のギア比Katに基づいて駆動軸トルクに換算し、ドライバ要求駆動トルクTw_aを算出する。
同様に、ブレーキペダルの操作量S_bから、図20に示すような、ブレーキ操作量とドライバ要求制動トルクの関係を定めた特性マップからドライバ要求制動トルクTw_bを算出する。
そして、算出されたドライバ要求駆動トルクTw_aとドライバ要求制動トルクTw_bとから要求制駆動トルクTwを、
の式により算出する。
各輪車輪速VwFR,VwFL,VwRR,VwRLから実車速成分Vbodyを除去して車体に対する各輪速度を算出し、各輪速度と各輪速度前回値の差分をとり、時間微分することにより各輪加速度を算出する。算出した各輪加速度にバネ下質量を乗じることで、前後輪の前後方向外乱ΔFf、ΔFrを算出する。
この場合、車体上下振動の運動方程式は、
で表すことができ、また、車体ピッチング振動の運動方程式は、
で表すことができる。
これら二つの運動方程式を、
と置いて、状態方程式に変換すると
と表現できる。
ここで、それぞれの要素は、
である。
さらに、上記状態方程式を制駆動トルクを入力とするフィードフォワード(F/F)項,前後輪の走行外乱を入力とするフィードバック(F/B)項と入力信号により分割すると、
フィードフォワード項は、
と表現でき、
フィードバック項は、
と表現できる。
このxを求めることにより、制駆動トルク変動ΔTw、及び前後方向外乱ΔFf、ΔFrによる車体バネ上の挙動を推定することができる。
このときフィードバックゲインは、θp微分値と、xb微分値の振動が少なくなるように決定する。
例えば、フィードバック項においてxb微分値が少なくなるようなフィードバックゲインを算出する場合は、重み行列を、
のように選び、
におけるJを最小にする制御入力である。
その解は、リカッチ代数方程式
の正定対称解pを元に、
で与えられる。ここでFxb_FBはフィードバック項におけるxb微分値に関するフィードバックゲイン行列である。
フィードバック項におけるθp微分値の振動が少なくなるようなフィードバックゲインFthp_FB、及びフィードフォワード項におけるxb微分値とθp微分値が少なくなるようなフィードバックゲインFxb_FF、Fthp_FFも同様に算出できる。
フィードバック項におけるθp微分値の振動が少なくなるようなフィードバックゲインFthp_FBは、重み行列を、
と設定し、
として算出する。
と設定し、
として算出する。
と設定し、
として算出する。
これは最適レギュレータの手法であるが、極配置など他の手法にて設計しても良い。
[車外からの指令]
・コンサルト等外部ツール
[車両要件からの要求]
・他ECUからの要求
・バッテリ残容量、燃料残量が所定値より小、
・駆動源運転状態(燃費が悪化しやすい運転状態)、運転モード
・運転者の操作履歴(過去、アクセルをあまり踏みこまない運転をしている、加速度変化、最高速度が低い運転をしている。過去1〜数トリップ平均でも、1〜数時間平均でも良い。)
・駆動源学習機能
・ナビ情報(路面勾配がある、渋滞している)
[運転者からの要求]
・車両の燃費または電費を優先するモードが選択(エコモード)
・車両の燃費または電費を優先するモードに準じるモードが選択
・本制御の態様変更スイッチによる要求
以上のいずれかが成立した場合とする。または以上の任意の組合せが成立した場合とする。
まず、正側トルク補正量調整処理では、補正トルクdTw*の正側トルク補正量調整処理を行い、調整後の補正トルクdTw1*を算出する。
dTw1*=Kout・Max(dTw*,0)+Min(dTw*,0)
ここで、Koutは正側トルク補正量調整ゲインであり、ステップS600で電費または燃費を優先する走行状態と判定された場合、Koutに0または0〜1の間の値をセットする。また、ステップS600での各成立条件の組合せに応じて、Koutを0〜1の間で変動させても良い。尚、コントローラ50起動時など、最初のルーチンでも演算が行えるように、Koutの初期値を例えば1に設定しておく。
dTw*=Min(dTw*,Cout)
ここでリミッタ値となるCoutは0とする。または0より大きいが、通常算出されるdTw*の絶対値より小さい値とするのも良い。CoutについてもKoutと同様にステップS600での結果に応じて決定する。また、最初のルーチンでも演算が行えるように、Coutの初期値は、例えば最終的なリミット処理での補正トルク上限値と同値に設定しておく。
また、コントローラ50が駆動力制御手段60、及び制動力制御手段70のコントローラと異なる場合は、ステップS700はコントローラ50で実施せずステップS800を実施し、ステップS700は駆動力制御手段60、及び制動力制御手段70にて行っても良い。なお、他の作用と、実施例2の効果は、実施例1と同様であるので説明を省略する。
101b エンジンECU(コントローラ)
108 モータ(制駆動トルク発生手段)
108b エンジン(制駆動トルク発生手段)
1201 ドライバ要求トルク演算部
1202 トルク指令値演算部(制駆動トルク発生手段)
1203 制駆動力制御装置
1204 入力変換部
1205 車体振動推定部
1206 トルク補正値算出部(トルク補正量算出手段)
1207 出力処理部
1312 走行状態判定部(走行状態判別手段)
1313 正側トルク補正量処理部(トルク補正量変更手段)
1314 バンドパスフィルタ(駆動系共振周波数成分除去処理手段)
1315 リミット処理部
1316 駆動トルク変換部
50 コントローラ
54 補正トルク算出手段
55 走行状態判定手段(走行状態判別手段)
56 補正トルク指令値算出手段(トルク補正量算出手段)
561 正側トルク補正量処理部(トルク補正量変更手段)
562 バンドパスフィルタ(駆動系共振周波数成分除去処理手段)
563 リミット処理部
564 制駆動トルク変換部
60 駆動力制御手段(制駆動トルク発生手段)
70 制動力制御手段(制駆動トルク発生手段)
Claims (13)
- ドライバに代替し車両を制御するシステムからの入力、またはドライバからの入力に基づき、車輪に制駆動トルクを発生させる制駆動トルク発生手段と、
車体バネ上振動または輪荷重を制御するための制駆動トルクのトルク補正量を算出するトルク補正量算出手段と、を備え、
前記制駆動トルク発生手段は、前記トルク補正量に基づいて制駆動トルクの補正を行い出力する車両の制駆動力制御装置において、
前記車両の電費または燃費を優先する走行状態と通常の走行状態とを判別する走行状態判別手段と、
前記車両の電費または燃費を優先する走行状態が判別されると、前記トルク補正量を電費または燃費対応態様に変更するトルク補正量変更手段と、を有し、
前記トルク補正量変更手段は、前記車両の電費または燃費を優先する走行状態のとき、制駆動力制御を止めることなく、通常の走行状態における前記トルク補正量に対し、前記トルク補正量の正側(加速側)の成分を小さくした態様を、前記電費または燃費対応態様とする
ことを特徴とする車両の制駆動力制御装置。 - 請求項1に記載された車両の制駆動力制御装置において、
前記トルク補正量変更手段は、前記トルク補正量算出手段の後段に、トルク補正量変更部として有する
ことを特徴とする車両の制駆動力制御装置。 - 請求項2に記載された車両の制駆動力制御装置において、
前記トルク補正量変更部は、前記トルク補正量算出手段または前記制駆動トルク発生手段とともにコントローラの内部に有する
ことを特徴とする車両の制駆動力制御装置。 - 請求項1から3までの何れか1項に記載された車両の制駆動力制御装置において、
前記走行状態判別手段は、車外からの指令、自動判定、運転者による切り替えのいずれか、またはそれらの組合せにより、車両の電費または燃費を優先する走行状態を判別する
ことを特徴とする車両の制駆動力制御装置。 - 請求項4に記載された車両の制駆動力制御装置において、
前記走行状態判別手段での自動判定とは、バッテリ残容量、燃料残量、駆動源側運転状態、運転者の操作履歴(アクセル踏量、速度相当)、駆動源学習機能、ナビ情報(路面勾配、渋滞)などに基づく走行状態の自動判別を指す
ことを特徴とする車両の制駆動力制御装置。 - 請求項4に記載された車両の制駆動力制御装置おいて、
前記走行状態判別手段での運転者による切り替えとは、燃費または電費を優先するモード、あるいはそれに準じるモードが選択されている場合、運転者からトルク補正量変更要求がある場合などを指す
ことを特徴とする車両の制駆動力制御装置。 - 請求項1から6までの何れか1項に記載された車両の制駆動力制御装置において、
前記車両の電費または燃費を優先する走行状態のとき、前記トルク補正量を電費または燃費対応態様に変更した後、駆動系共振周波数成分の除去処理を実施する駆動系共振周波数成分除去処理手段を備え、
前記制駆動トルク発生手段は、共振周波数成分を除去した後の値をトルク補正量出力値とする
ことを特徴とする車両の制駆動力制御装置。 - 請求項7に記載された車両の制駆動力制御装置において、
前記駆動系共振周波数成分除去処理手段は、車体のバネ上挙動から演算された補正トルクに含まれる車体バネ上共振周波数成分の位相特性を維持する処理を実施する
ことを特徴とする車両の制駆動力制御装置。 - 請求項7または8に記載された車両の制駆動力制御装置において、
前記駆動系共振周波数成分除去処理手段は、バンドパスフィルタにより駆動系共振周波数成分の除去処理を実施する
ことを特徴とする車両の制駆動力制御装置。 - 請求項9に記載された車両の制駆動力制御装置において、
前記駆動系共振周波数成分除去処理手段は、前記バンドパスフィルタで透過される周波数を、車体バネ上共振周波数とする
ことを特徴とする車両の制駆動力制御装置。 - 請求項10に記載された車両の制駆動力制御装置において、
前記駆動系共振周波数成分除去処理手段は、車体のピッチ、バウンス、ロール共振周波数のいずれか、またはそれらの間にある周波数を車体バネ上共振周波数とする
ことを特徴とする車両の制駆動力制御装置。 - 請求項7または8に記載された車両の制駆動力制御装置において、
前記駆動系共振周波数成分除去処理手段は、ローパスフィルタ、またはローパスフィルタとハイパスフィルタの組合せにより駆動系共振周波数成分の除去処理を実施する
ことを特徴とする車両の制駆動力制御装置。 - 請求項7から12までの何れか1項に記載された車両の制駆動力制御装置において、
前記駆動系共振周波数成分除去処理手段は、駆動系共振周波数成分の除去処理によるゲインを、駆動系共振による増幅ゲインとの積が0dB以下になるように設定した
ことを特徴とする車両の制駆動力制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012264410A JP6186709B2 (ja) | 2012-12-03 | 2012-12-03 | 車両の制駆動力制御装置 |
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