JP6178427B2 - 延伸積層体、薄型偏光子の製造方法、これを用いて製造される薄型偏光子及びこれを含む偏光板 - Google Patents

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Description

本発明は、延伸積層体、薄型偏光子の製造方法、これを用いて製造される薄型偏光子及びこのような薄型偏光子を含む偏光板に関する。
偏光板に使用される偏光子は、自然光又は任意の偏光を特定方向の偏光とするための光学素子であって、液晶表示素子、有機発光素子(OLED)のようなディスプレイ装置に広く用いられている。現在、上記ディスプレイ装置に使用される偏光子としては、ヨウ素系化合物又は二色性染料を含有する分子鎖が一定の方向に配向されたポリビニルアルコール系偏光フィルムが一般に使用されている。
上記ポリビニルアルコール系偏光フィルムは、ポリビニルアルコール系フィルムにヨウ素又は二色性染料を染着させた後、一定方向に延伸して架橋する方法によって製造されており、このとき、上記延伸工程は、ホウ酸水溶液又はヨウ素水溶液のような溶液上で行われる湿式延伸又は大気中で行われる乾式延伸などで行われることができ、延伸倍率は、一般に5倍以上である。ところで、このような従来の製造工程で、破断が発生することなく延伸が行われるためには、延伸前のポリビニルアルコール系フィルムの厚さが60μmを超過することが要求される。延伸前のポリビニルアルコール系フィルムの厚さが60μm以下の場合、ポリビニルアルコール系フィルムの膨潤度が高くなり、薄い厚さによって延伸工程で単位面積当たり作用するモジュラスが大きくなって、破断が発生しやすくなるからだ。
一方、最近、ディスプレイ装置の薄型化傾向によって、偏光板もより薄い厚さを持つことが要求されている。しかしながら、従来のように延伸前の厚さが60μmを超えるポリビニルアルコール系フィルムを使用する場合、偏光子の厚さを低減するのに限界がある。よって、最近は、より薄い厚さの薄型偏光子を製造するための研究が多く試みられている。例えば、最近は、薄型偏光子を製造するために、基材の上にポリビニルアルコール系樹脂をコーティング及び乾燥して樹脂層を形成した後、延伸する方法が提案された。このとき、基材として結晶性エステル系樹脂や非晶性エステル系樹脂を使用し、具体的には、結晶性エステル系樹脂の一つとして結晶性ポリエチレンテレフタレート樹脂を使用するか、非晶性エステル系樹脂として非晶性ポリエチレンテレフタレート樹脂を使用している。
しかしながら、結晶性ポリエチレンテレフタレート樹脂を使用する場合、5倍の延伸倍率が限界であり、非晶性ポリエチレンテレフタレート樹脂を使用する場合、5.5倍の延伸倍率が限界であって、高配率延伸が不可能であり、したがって、光学特性を向上するのに限界がある。また、上記のようにポリエチレンテレフタレート樹脂を使用する場合、材料自体の構造及び特性、そしてメルティング(melting)を通じた溶液流延(solution casting)後に延伸して成形する製造工程の特性上、結晶化度が高く引張力が大きいため、120℃ないし170℃程度の高温でのみ乾式延伸が可能である。このとき、120℃ないし170℃程度の高温で乾式延伸をするためには、温度を上昇させるための別途の工程が必要であるか、工程上のコストが増加する問題点があり、また、基材上に形成されたポリビニルアルコールフィルムの場合、ガラス転移温度が70℃ないし80℃程度であるため、高温での乾式延伸をする場合、ポリビニルアルコールフィルムが損傷することがあり、さらに、物性が変化するなどの問題点が発生する恐れがある。また、上記のようにポリエチレンテレフタレート樹脂を使用する場合、これを通じて製造される基材自体が既に延伸しにくい基材となるので、一般的なホウ酸水溶液上での湿式延伸時に、ホウ酸によるポリビニルアルコールの架橋度が増加して延伸比が減少する傾向を示す。
また、上記のようなコーティングや共押出法を用いる場合、延伸後にポリビニルアルコール層と基材層との分離が容易でなく、分離のために高い剥離力が要求されるため、分離過程でポリビニルアルコール層が損傷するか変形するなどの問題が発生しやすく、その結果、ポリビニルアルコールフィルムの偏光度などの光学物性が低下するという問題点がある。また、コーティング法や共押出法を用いる場合、ポリビニルアルコール樹脂を溶融させた後に押出するか、コーティング液に製造した後に塗布する方式で製造されるため、押出条件、コーティング条件または成膜条件によって製造されるポリビニルアルコールフィルムの物性が変化しやすくて、最終的に製造されたポリビニルアルコールの物性が低下するのみならず、均一な物性を実現するのも困難であるという問題点がある。
本発明は、上記のような問題点を解決するためのものであって、低温での乾式及びホウ酸水溶液での湿式延伸がいずれも可能であり、高配率延伸が可能であり、剥離が容易な延伸積層体と、これを用いる光学物性に非常に優れた10μm以下の薄型偏光子の製造方法、これを用いて製造された薄型偏光子及びこれを含む偏光板を提供するためのものである。
一側面において、本発明は、未延伸高密度ポリエチレンフィルム;及び上記未延伸高密度ポリエチレンフィルムの少なくとも一面に貼り付けられる未延伸ポリビニルアルコール系フィルムを含む積層体が延伸処理されている延伸積層体であって、延伸後のポリビニルアルコール系フィルムの厚さが10μm以下である延伸積層体を提供する。
このとき、上記高密度ポリエチレンフィルムの比重は、4℃の水(密度0.999973g/cm)を標準物質としたとき、0.93以上、好ましくは0.93ないし0.98程度、より好ましくは0.94ないし0.97程度である。
他の側面において、本発明は、未延伸高密度ポリエチレンフィルムの少なくとも一面に未延伸ポリビニルアルコール系フィルムを貼り付けて積層体を形成するステップ;及び上記ポリビニルアルコール系フィルムの厚さが10μm以下になるように上記積層体を延伸するステップを含む薄型偏光子の製造方法を提供する。
一方、上記貼り付けは、高密度ポリエチレンフィルムとポリビニルアルコール系フィルムとの間の引力または接着剤を用いるのが好ましい。
なお、上記積層体を延伸するステップは、20℃ないし80℃の温度で5倍ないし15倍の延伸倍率で行われることができ、好ましくはホウ酸の濃度が1重量%ないし5重量%であるホウ酸水溶液内で行われることができる。または、上記延伸は、20℃ないし80℃の温度で5倍ないし15倍の延伸倍率で乾式延伸で行われることもできる。
なお、本発明の薄型偏光子の製造方法は、上記積層体を延伸するステップの後に、延伸されたポリビニルアルコール系フィルムと延伸された高密度ポリエチレンフィルムとの間の貼付力が、2N/2cm以下、好ましくは0.1N/2cmないし2N/2cm程度、より好ましくは0.1N/2cmないし1N/2cm程度であってもよい。
一方、本発明の薄型偏光子の製造方法は、上記積層体を延伸するステップの前に、未延伸ポリビニルアルコール系フィルムにヨウ素及び二色性染料のうち少なくとも一つを染着させるステップをさらに含むことができ、好ましくは上記未延伸ポリビニルアルコール系フィルムを膨潤させるステップ及び上記膨潤された未延伸ポリビニルアルコール系フィルムにヨウ素及び/または二色性染料を染着するステップをさらに行うことができる。
なお、本発明の薄型偏光子の製造方法は、上記積層体を延伸するステップの後に、延伸されたポリビニルアルコール系フィルムを延伸された高密度ポリエチレンフィルムから分離するステップをさらに含むことができる。このとき、上記延伸されたポリビニルアルコール系フィルムを延伸された高密度ポリエチレンフィルムから分離するステップは、2N/2cm以下、好ましくは0.1N/2cmないし2N/2cm程度の剥離力を加えて行われることができる。
他の側面において、本発明は、上記製造方法で製造され、厚さが10μm以下であり、単体透過度が40%ないし45%であり、偏光度が99.0%以上であり、偏光子の幅方向に沿って等間隔で位置する10個の点で測定した偏光度の標準偏差が、0.002%以下である薄型偏光子、及びこれを含む偏光板を提供する。
本発明によれば、低温での乾式及びホウ酸水溶液での湿式延伸がいずれも可能であり、高配率延伸が可能であり、光学物性に優れた、厚さ10μm以下の薄型偏光子を製造することができる。
また、本発明によれば、延伸過程で高密度ポリエチレンフィルムとポリビニルアルコール系フィルムとが分離せず、延伸後の分離過程で表面損傷を最小に抑えられるなど、延伸過程での工程安定性にも優れている。
テクスチャーアナライザー(Texture Analyzer)を用いて貼付力(Peeling Strength)を測定する方法を示す模式図である。 比較例2の方法によって製造されるポリビニルアルコール系フィルムの状態を示す図面である。 比較例3の方法によって製造されるポリビニルアルコール系フィルムの状態を示す図面である。
以下、本発明の好ましい実施の形態を説明する。ところが、本発明の実施の形態は種々の他の形態に変形されることができ、本発明の範囲が以下で説明する実施の形態に限定されるものではない。また、本発明の実施の形態は、当該技術分野における平均的な知識を持つ者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。
本発明者らは、低温での乾式及びホウ酸水溶液での湿式延伸がいずれも可能であり、高配率延伸が可能であり、光学物性に非常に優れた、厚さ10μm以下の薄型偏光子を製造すべく長年の研究を重ねた結果、基材フィルムとして高密度ポリエチレンフィルムを使用し、このような基材フィルム上にポリビニルアルコール系フィルムを積層した後、これらを同時に延伸することで上記のような目的を達成できることを見出して、本発明を完成するに至った。
以下では、本発明の発明者らが完成した発明について、より具体的に説明する。
[延伸積層体]
まず、本発明の延伸積層体は、未延伸高密度ポリエチレンフィルム; 及び上記未延伸高密度ポリエチレンフィルムの少なくとも一面に貼り付けられる未延伸ポリビニルアルコール系フィルムを含む積層体が延伸処理されている延伸積層体であって、このとき、本発明の延伸積層体は、延伸後のポリビニルアルコール系フィルムの厚さが10μm以下である。
(高密度ポリエチレンフィルム)
本発明の上記積層体に含まれる上記高密度ポリエチレンフィルムは、延伸過程でポリビニルアルコール系フィルムが破断することを防止するためのものであって、このとき、上記高密度ポリエチレンフィルムの比重は、0.93以上、好ましくは0.93ないし0.98程度、より好ましくは0.94ないし0.97程度であってもよい。上記比重の数値範囲を満足するとき、ポリエチレンフィルムの結晶化度が高く、融点と剛性が増大して、高配率延伸を用いた優れた光学物性を有する薄型偏光子の製造が可能であるという長所がある。また、この場合、最終的に製造される薄型偏光子を、基材として用いられるポリエチレンフィルムから剥離するのが容易であるという長所がある。一方、上記比重は、4℃の水(密度0.999973g/cm)を標準物質として用いた値である。
一方、上記高密度ポリエチレンフィルムは、延伸前の厚さが20μmないし100μm程度、好ましくは30μmないし90μm程度のものが良い。高密度ポリエチレンフィルムの厚さが薄すぎると、積層体構造をなして延伸工程を進行する際に、ポリビニルアルコール系フィルムを十分支持することができなくて、工程上の破断などの問題点が引き起こされ、厚すぎると、モジュラスが増加して延伸性が低下し、また、ポリビニルアルコール系フィルムの乾燥区間での自由な幅収縮を妨害して、最終的に得られた偏光子の光学物性を阻害する恐れがある。
(ポリビニルアルコール系フィルム)
上記高密度ポリエチレンフィルムの少なくとも一面に積層される上記ポリビニルアルコール系フィルムは、延伸及び染着工程などを経た後、ポリビニルアルコール系薄型偏光子として使用されるものであって、ポリビニルアルコール樹脂またはその誘導体を含むものであれば、特に制限なく使用可能である。このとき、上記ポリビニルアルコール樹脂の誘導体としては、これに限定されるものではないが、ポリビニルホルマール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂などが挙げられる。または、上記ポリビニルアルコール系フィルムは、当該技術分野において偏光子の製造に使用される市販のポリビニルアルコール系フィルム、例えば、日本合成社のM2000、M2001、M2005、M3000、M6000、Kurary社のP30、PE20、PE30、PE60などを使用することもできる。
一方、上記ポリビニルアルコール系フィルムは、延伸前の厚さが60μm以下、例えば、5μmないし60μm程度、好ましくは10μmないし40μm程度であるものが良い。ポリビニルアルコール系フィルムの厚さが薄すぎると、積層体構造をなして延伸工程を進行する際に破断が生じやすいなどの問題が引き起こされ、厚すぎると、最終的に得られる偏光子の厚さが厚くなって厚さが10μm以下の薄型偏光子の製造に好適でない。
また、上記ポリビニルアルコール系フィルムは、薄型化のために延伸後の厚さが10μm以下、例えば1μmないし10μm、または3μmないし8μm程度であるものが好ましい。上記ポリビニルアルコール系フィルムは、高密度ポリエチレンフィルムの一面に積層されて延伸されていてもよく、両面に積層されて延伸されていてもよく、10μm以下に延伸されていればよい。
また、上記ポリビニルアルコール系フィルムは、これに限定されるものではないが、重合度が1,000ないし10,000程度、好ましくは1,500ないし5,000程度であるものが良い。重合度が上記範囲を満足するとき、分子の動きが自由であり、ヨウ素または二色性染料などと柔軟に混合することができるからだ。
また、上記ポリビニルアルコール系フィルムは、ヨウ素及び/または二色性染料が染着された状態のフィルムであることが好ましく、より好ましくは上記ポリビニルアルコール系フィルムは膨潤工程及び染着工程が行われたフィルムであってもよい。
[薄型偏光子の製造方法]
次に、上記延伸積層体を用いる本発明の薄型偏光子の製造方法は、具体的に、未延伸高密度ポリエチレンフィルムの少なくとも一面に未延伸ポリビニルアルコール系フィルムを貼り付けて積層体を形成するステップ;及び上記ポリビニルアルコール系フィルムの厚さが10μm以下になるように上記積層体を延伸するステップを含む。
(積層体形成ステップ)
本発明において、上記高密度ポリエチレンフィルムとポリビニルアルコール系フィルムとの貼り付け方法は特に制限されない。例えば、上記高密度ポリエチレンフィルムとポリビニルアルコール系フィルムとを当該技術分野に知られている多様な接着剤を用いて貼り付ける方法で積層体を形成することができる。例えば、上記接着剤は、水系接着剤または紫外線硬化型接着剤であってもよい。
より具体的に、上記接着剤は、ポリビニルアルコール系樹脂、アクリル系樹脂及び酢酸ビニル系樹脂からなる群より選択された1種以上を含む水系接着剤であってもよい。
または、上記接着剤は、アクリル基及びヒドロキシ基を持つポリビニルアルコール系樹脂を含む水系接着剤であってもよい。このとき、上記アクリル基及びヒドロキシ基を持つポリビニルアルコール系樹脂は、重合度が500ないし1800程度であってもよい。
または、上記接着剤は、アセトアセチル基を含有するポリビニルアルコール系樹脂及びアミン系金属化合物架橋剤を含む水系接着剤であってもよい。アセトアセチル基含有ポリビニルアルコール系樹脂にアミン系金属化合物架橋剤を含む接着剤の場合、接着剤の硬化時にアミン系金属化合物とポリビニルアルコール系樹脂のアセトアセチル基との架橋反応が起きるため、硬化後の接着層の耐水性が著しく向上し、その結果、湿式延伸時に接着剤が水に溶け出す現象を最小に抑えることができ、湿式延伸を行う場合に特に有用に使用されることができる。
より具体的に、本発明で使用される上記接着剤は、アセトアセチル基を含有するポリビニルアルコール系樹脂及びアミン系金属化合物架橋剤を含む水溶液であってもよく、上記水溶液のpHは、4.5ないし9程度であることが好ましい。接着剤のpHが上記数値範囲を満足する場合、貯蔵性、高湿環境での耐久性においてより有利であるからだ。このとき、上記接着剤のpHは、水溶液中に硝酸、塩酸、硫酸または酢酸などの酸を含有させる方法で調節することができる。
一方、本発明において、上記接着剤は、好ましくは上記アセトアセチル基を含有するポリビニルアルコール系樹脂100重量部及び上記アミン系金属化合物架橋剤1ないし50重量部を含むことができる。
ここで、上記ポリビニルアルコール系樹脂の重合度及びケン化度は、アセトアセチル基を含有さえすれば、特に限定されないが、重合度が200ないし4,000であり、ケン化度が70モル%ないし99.9モル%であるのが好ましい。分子の動きの自由さによる含有物質との柔軟な混合を考慮すれば、重合度は1,500ないし2,500であり、ケン化度は90モル%ないし99.9モル%であるのがより好ましい。このとき、上記ポリビニルアルコール系樹脂は、上記アセトアセチル基を0.1モル%ないし30モル%で含むのが好ましい。上記範囲でアミン系金属化合物架橋剤との反応が円滑になることができ、目的とする接着剤の耐水性に十分有意になることができる。
また、上記アミン系金属化合物架橋剤は、上記ポリビニルアルコール系樹脂との反応性を有する官能基を持つ水溶性架橋剤であって、アミン系リガンドを含有する金属錯体の形態であることが好ましい。可能な金属としては、ジルコニウム(Zr)、チタニウム(Ti)、ハフニウム(Hf)、タングステン(W)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、ルテニウム(Ru)、オスミウム(Os)、ロジウム(Rh)、イリジウム(Ir)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)などの遷移金属が可能であり、中心金属に結合されたリガンドとしては、一級アミン、二級アミン(ジアミン)、三級アミン又は水酸化アムモニウムなどの少なくとも一つ以上のアミン基を含むものであれば、いずれも可能である。その使用量は、上記ポリビニルアルコール系樹脂100重量部に対して、1重量部ないし50重量部の範囲に調節されることが好ましい。上記範囲において目的とする接着剤に十分有意な接着力を付与することができ、接着剤の貯蔵安定性(pot life)を向上することができる。
また、本発明において、上記接着剤において、上記アセトアセチル基を含有するポリビニルアルコール系樹脂の固形分含量は、1重量%ないし10重量%程度であることが好ましい。ポリビニルアルコール系樹脂の固形分含量が1重量%未満の場合には、耐水性が十分確保されなくて延伸工程での破断発生率の低下効果が少なく、10重量%を超過する場合には、作業性が低下し、剥離時にポリビニルアルコール系フィルムの表面に損傷が発生し得るからだ。
または、上記接着剤は、紫外線硬化型接着剤であってもよく、例えば、ホモポリマーのガラス転移温度が120℃以上の第1エポキシ化合物、ホモポリマーのガラス転移温度が60℃以下の第2エポキシ化合物及びカチオン性光重合開始剤を含む紫外線硬化型接着剤であってもよい。具体的に、上記紫外線硬化型接着剤は、ホモポリマーのガラス転移温度が120℃以上の第1エポキシ化合物100重量部、ホモポリマーのガラス転移温度が60℃以下の第2エポキシ化合物30ないし100重量部及びカチオン性光重合開始剤0.5ないし20重量部を含むことができる。
本明細書においてエポキシ化合物とは、分子内に1個以上のエポキシ基を持つ化合物を意味し、好ましくは分子内に2個以上のエポキシ基を持つ化合物であり、単量体(monomer)、重合体(polymer)又は樹脂(resin)の形態の化合物をいずれも含む概念である。好ましくは、本発明のエポキシ化合物は樹脂の形態であってもよい。
このとき、上記第1エポキシ化合物としては、ホモポリマーのガラス転移温度が120℃以上のエポキシ化合物であれば、特に制限なく使用されることができ、例えば、ホモポリマーのガラス転移温度が120℃以上の脂環式エポキシ化合物及び/又は芳香族エポキシが本発明の第1エポキシ化合物として使用されることができる。ホモポリマーのガラス転移温度が120℃以上のエポキシ化合物の具体的な例としては、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビニルシクロヘキセンジオキシドジシクロペンタジエンジオキシド、ビスエポキシシクロペンチルエーテル、ビスフェノールA系エポキシ化合物、ビスフェノールF系エポキシ化合物などが挙げられる。なお、上記第1エポキシ化合物は、ホモポリマーのガラス転移温度が120℃ないし200℃程度であることがより好ましい。
また、上記第2エポキシ化合物は、ホモポリマーのガラス転移温度が60℃以下のエポキシ化合物であれば、特に制限なく使用されることができる。例えば、上記第2エポキシ化合物として、脂環式エポキシ化合物、脂肪族エポキシ化合物などが使用されることができる。このとき、上記脂環式エポキシ化合物としては、二官能型エポキシ化合物、すなわち2個のエポキシを持つ化合物を使用するのが好ましく、上記2個のエポキシ基がいずれも脂環式エポキシ基である化合物を使用するのがより好ましいが、これに制限されるものではない。また、脂肪族エポキシ化合物としては、脂環式エポキシ基ではない脂肪族エポキシ基を持つエポキシ化合物が例示されることができる。例えば、脂肪族多価アルコールのポリグリシジルエーテル;脂肪族多価アルコールのアルキレンオキシド付加物のポリグリシジルエーテル;脂肪族多価アルコールと脂肪族多価カルボン酸のポリエステルポリオールのポリグリシジルエーテル; 脂肪族多価カルボン酸のポリグリシジルエーテル;脂肪族多価アルコールと脂肪族多価カルボン酸のポリエステルポリカルボン酸のポリグリシジルエーテル;グリシジルアクリレート又はグリシジルメタクリレートのビニル重合によって得られるダイマー、オリゴマー又はポリマー;又はグリシジルアクリレート又はグリシジルメタクリレートと他のビニル系単量体とのビニル重合によって得られるオリゴマー又はポリマーが例示されることができ、好ましくは、脂肪族多価アルコール又はそのアルキレンオキシド付加物のポリグリシジルエーテルが使用されることができるが、これに制限されるものではない。
好ましくは、本発明の上記第2エポキシ化合物はグリシジルエーテル基を一つ以上含むものであってもよく、例えば、1,4−シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ネオペンチルジグリシジルエーテル、レゾルシノールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、n−ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、及びo−クレシル(Cresyl)グリシジルエーテルからなる群より選択された1種以上が本発明の第2エポキシ化合物として使用されることができる。
なお、上記第2エポキシ化合物は、ホモポリマーのガラス転移温度が0℃ないし60℃程度であることがより好ましい。
一方、これに限定されるものではないが、本発明の場合、上記エポキシ化合物として、エポキシ化脂肪族環基を一つ以上含む第1エポキシ化合物及びグリシジルエーテル基を一つ以上含む第2エポキシ化合物の組合せを使用することが特に好ましい。より好ましくは、上記第1エポキシ化合物と第2エポキシ化合物の重量比が1:1ないし3:1程度であり、より好ましくは、1:1ないし2:1の重量比、最も好ましくは上記第1エポキシ化合物と第2エポキシ化合物が1:1の重量比で混合されて使用されることができる。
一方、上記のように接着剤を用いて高密度ポリエチレンフィルムとポリビニルアルコール系フィルムとを貼り付ける場合、 延伸前の接着剤層の厚さは、20nmないし4000nm程度、好ましくは20nmないし1000nm程度、より好ましくは20nmないし500nm程度であってもよい。一方、上記積層体の延伸後の接着剤層の厚さは、10nmないし1000nm程度、好ましくは、10nmないし500nm程度、より好ましくは10nmないし200nm程度であってもよい。延伸前及び後の接着剤層の厚さが上記範囲を満足する場合、延伸及び乾燥工程後にポリビニルアルコール系フィルムを損傷することなく剥離するのに有利である。
なお、本発明の場合、上記高密度ポリエチレンフィルムとポリビニルアルコール系フィルムとを別途の媒介物なしに高密度ポリエチレンフィルムとポリビニルアルコール系フィルムとの間の引力を用いて貼り付けて積層体を形成するものであってもよい。このように、別途の媒介物なしに高密度ポリエチレンフィルムとポリビニルアルコール系フィルムとの間の引力を用いて貼り付ける場合、延伸後の高密度ポリエチレンフィルムとポリビニルアルコール系フィルムとの分離が容易であり、分離のために低い剥離力が要求されるため、分離過程でポリビニルアルコール系フィルムの損傷などがほとんど発生せず、その結果、ポリビニルアルコール系フィルムの偏光度などの光学物性に影響をほとんど及ぼさないという長所がある。
また、上記のように別途の媒介物なしに高密度ポリエチレンフィルムとポリビニルアルコール系フィルムとの間の引力を用いて貼り付ける場合、製造される薄型偏光子の均一な物性を実現するのに容易であり、さらに延伸工程中に破断などがほとんど発生しないなど、工程安定性に優れるという長所がある。
一方、上記のように高密度ポリエチレンフィルムとポリビニルアルコール系フィルムとの引力を用いてフィルムを貼り付ける場合、上記高密度ポリエチレンフィルムとポリビニルアルコール系フィルムとの貼付力を向上するために、積層する前に高密度ポリエチレンフィルムやポリビニルアルコール系フィルムの一面または両面に表面処理を施すことができる。このとき、上記表面処理は、当該技術分野によく知られている多様な表面処理方法、例えば、コロナ処理、プラズマ処理またはNaOHやKOHのような強塩基水溶液を用いた表面改質処理などを通じて行われることができる。
(積層体延伸ステップ)
高密度ポリエチレンフィルム上にポリビニルアルコール系フィルムを積層して積層体が形成されると、上記積層体を延伸する。このとき、上記延伸は、ポリビニルアルコール系フィルムの厚さが10μm以下になるように行うことが好ましく、例えば、ポリビニルアルコール系フィルムの厚さが1μmないし10μm、または3μmないし8μm程度になるように行うことが好ましい。
一方、本発明において、延伸法は特に限定されず、例えば、上記積層体を縦方向(MD)に対して一軸延伸を行うことができ、または上記積層体を横方向(TD)に対して一軸延伸を行うこともできる。また、上記積層体を横方向(TD)延伸時に同時二軸に縦方向(MD)収縮を誘発することもできる。一方、上記積層体の横方向(TD)延伸法としては、例えば、テンターを通じて一端を固定させた固定端一軸延伸法などが挙げられ、上記積層体の縦方向(MD)延伸法としては、ロール間延伸法、圧縮延伸法、自由端一軸延伸法などが挙げられる。一方、延伸処理は、多段で行うこともでき、または二軸延伸、傾斜延伸などを行うことでなされることもできる。
なお、上記延伸は、湿式延伸で行われることができる。湿式延伸を行う場合、乾式延伸に比べて基材フィルムとポリビニルアルコール系フィルムとの表面貼付力が強まるため、安定して延伸を行うことができるという長所がある。一方、上記湿式延伸は、ホウ酸水溶液内で行われることが好ましく、このとき、上記ホウ酸水溶液のホウ酸濃度は1.0重量%ないし5.0重量%程度であることが好ましい。このようにホウ酸水溶液で延伸が行われる場合、ホウ酸架橋によってPVAフィルムの破断発生率が低下して工程安定性が増大し、湿式工程中に発生しやすいPVAフィルムのシワの発生を制御することができる。
一方、一般に偏光素子の製造工程は、水洗、膨潤、染着、洗浄、延伸、補色、乾燥などの過程からなるが、本発明の場合、洗浄及び延伸工程がホウ酸水溶液で行われることが好ましい。より好ましくは、洗浄工程の場合、ホウ酸濃度が0.1重量%ないし2.5重量%程度、好ましくは0.5重量%ないし2.0重量%程度であってもよく、延伸工程の場合、ホウ酸濃度は1.0重量%ないし5.0重量%程度、好ましくは 1.5重量%ないし4.5重量%程度であってもよい。
一方、上記湿式延伸は、20℃ないし80℃の温度で5倍ないし15倍の延伸倍率で行われることができ、より好ましくは40℃ないし60℃、または45℃ないし55℃の温度で5倍ないし12倍、または6倍ないし9倍の延伸倍率で行われることができる。既存の汎用的なポリエチレンテレフタレートフィルムの場合は、材料自体の構造及び特性上、既に延伸しにくい材料であるため、高配率の延伸を行いにくい問題点があった。また、ポリエチレンテレフタレートフィルムにポリビニルアルコール系フィルムを積層して一般的なホウ酸水溶液上で湿式延伸をする場合、ホウ酸によってポリビニルアルコール系フィルムの架橋度が増加するので、延伸比を高くするのが困難である問題点があった。これに対し、本発明のように、高密度ポリエチレンフィルムを使用して延伸する場合には、上記のように5倍以上の高配率延伸が可能である。
一方、上記延伸は、ポリビニルアルコール系フィルムにヨウ素及び/または二色性染料を染着させるステップ及び/または上記染着されたヨウ素及び/または二色性染料をポリビニルアルコール系フィルムに架橋させるステップの中で少なくとも一つ以上のステップと共に行われることができる。
なお、本発明のように基材フィルムとして高密度ポリエチレンフィルムを使用する場合、低温で乾式延伸も可能であり、よって、別途の昇温装備の使用を減らすことができ、その結果、工程上のエネルギー消耗を減らして製造単価を下げることができる長所がある。
より具体的に、既存の薄型偏光子の製造方法の場合、結晶性ポリエチレンテレフタレートフィルムまたは非晶性ポリエチレンテレフタレートフィルムのような基材フィルムを使用して延伸したが、結晶性ポリエチレンテレフタレートまたは非晶性ポリエチレンテレフタレートを使用する場合、高配率の延伸が難しい問題点があり、延伸後に基材フィルムとポリビニルアルコール系樹脂との 剥離が容易でなく、偏光子を剥離する過程で偏光子に破断が発生し得る問題点がある。また、ポリエチレンテレフタレート材料自体の構造及び製造工程の特性上、ポリエチレンテレフタレートは結晶化度が高く引張力が大きいため、低温延伸が難しく、120ないし170℃程度の高温でのみ乾式延伸が可能である問題点がある。
したがって、結晶性ポリエチレンテレフタレートフィルムまたは非晶性ポリエチレンテレフタレートフィルムを基材フィルムとして使用する場合、高温に昇温させるための別途の装備が必要であり、このような別途の昇温装備によって不要なエネルギーの消耗が多い。上記のような別途の装備と昇温するのに必要なエネルギーは、結果として薄型偏光子の製造単価を上昇させ、昇温装置を調節することに別途の管理が必要であり、工程が複雑である問題点がある。決定的に、ポリエチレンテレフタレートフィルムを基材として使用しては、高配率の延伸が難しい問題点がある。
これに対し、本発明のように、高密度ポリエチレンフィルムを使用する場合、20℃ないし80℃程度、好ましくは50℃ないし80℃の低温でも乾式延伸が可能であり、その結果、従来に比べて延伸過程が簡便であり、製造過程中にエネルギー消耗が少なくて製造単価を下げることができる長所がある。
また、本発明のように基材フィルムとして高密度ポリエチレンフィルムを使う場合、上述したように高配率の延伸が可能であるので、10μm以下の厚さを有する薄型偏光子を容易に製造することができるという長所もある。
より具体的に、既存のように基材フィルムとして結晶性ポリエチレンテレフタレートフィルムまたは非晶性ポリエチレンテレフタレートフィルムを使用する場合、5倍ないし5.5倍程度の延伸のみが可能だったが、高密度ポリエチレンフィルムを使用する場合、5倍ないし15倍程度、好ましくは5倍ないし12倍、または6倍ないし9倍の高配率の延伸が可能である。本発明のように高配率の延伸が可能な場合、既存の偏光子に比べて偏光度が向上する効果がある。
一方、本発明の薄型偏光子の製造方法は、上記積層体を延伸するステップの後に、延伸されたポリビニルアルコール系フィルムと延伸された高密度ポリエチレンフィルムとの間の貼付力が、2N/2cm以下、好ましくは0.1N/2cmないし2N/2cm程度、より好ましくは0.1N/2cmないし1N/2cm程度であってもよい。貼付力が上記範囲を満足する場合、延伸後の分離過程で表面損傷を最小に抑えることができる。本発明の製造方法によれば、ポリビニルアルコール系フィルムと高密度ポリエチレンフィルムとの間に接着剤層が形成されている場合、延伸によってポリビニルアルコール系フィルム及び高密度ポリエチレンフィルムだけでなく接着剤層も共に延伸されるため、接着剤層の厚さが延伸前に比べて10〜50%水準に減少することになり、その結果、ポリビニルアルコール系フィルムと高密度ポリエチレンフィルムとの間の貼付力が2N/2cm以下に低下して分離しやすい状態になる。
このとき、上記貼付力は、2cm幅のサンプルフィルムを貼り付けたときに測定される貼付力であり、より具体的に、上記貼付力とは、下記図1に示すように、積層体のポリビニルアルコール系フィルムAをサンプルホルダーHで固定した後、積層体の面方向に対して垂直な方向に力を加えて高密度ポリエチレンフィルムBからポリビニルアルコール系フィルムAを剥離しながら測定した剥離力(Peel Strength)を言い、このとき測定機器としては、Stable Micro Systems社のテクスチャーアナライザー(モデル名:TA−XT Plus)を使用した。
(その他のステップ)
一方、本発明の薄型偏光子の製造方法は、上記積層体を延伸する前に、未延伸ポリビニルアルコール系フィルムにヨウ素及び/または二色性染料を染着するステップをさらに行うことができ、好ましくは、上記未延伸ポリビニルアルコール系フィルムを膨潤させるステップ及び上記膨潤された未延伸ポリビニルアルコール系フィルムにヨウ素及び/または二色性染料を染着するステップをさらに行うことができる。
このとき、上記未延伸ポリビニルアルコール系フィルムを膨潤させるステップは、ヨウ素及び/または二色性染料がポリビニルアルコール系フィルムに吸着、拡散することを促進させ、ポリビニルアルコール系フィルムの延伸性を向上するためのものであって、これに限定されるものではないが、例えば、未延伸ポリビニルアルコール系フィルムまたはこれを含む積層体を25℃ないし30℃の純水で5秒ないし30秒、より好ましくは10秒ないし20秒間浸漬させる方法で行われることができる。また、上記膨潤は、未延伸ポリビニルアルコール系フィルムの膨潤度が36%ないし44%程度、好ましくは38%ないし42%程度になるように行われることが好ましい。未延伸ポリビニルアルコール系フィルムの膨潤度が上記数値範囲を満足する場合、最終的に製造される薄型偏光子の偏光度などといった光学特性が非常に優秀となる。一方、上記膨潤度は、{(膨潤後のポリビニルアルコール系フィルムの重量−膨潤前のポリビニルアルコール系フィルムの重量)/膨潤前のポリビニルアルコール系フィルムの重量}×100で計算した。
また、上記染着するステップは、未延伸ポリビニルアルコール系フィルムまたはこれを含む積層体をヨウ素及び/または二色性染料を含有する染着溶液の入った染着槽に含浸させるか、ヨウ素及び/または二色性染料を含有する染着溶液を未延伸ポリビニルアルコール系フィルム上に塗布する方法で行われることができ、このとき、上記染着溶液の溶媒としては、一般に水が使用されるが、水と相溶性を有する有機溶媒が混合されていても構わない。一方、上記染着溶液内のヨウ素及び/または二色性染料の含量は、溶媒100重量部に対して、0.06重量部ないし0.25重量部程度であってもよい。また、上記染着溶液にはヨウ素及び/または二色性染料以外に染着効率を向上するための補助剤がさらに含有されることができ、上記補助剤としては、ヨウ化カリウム、ヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化亜鉛、ヨウ化アルミニウム、ヨウ化鉛、ヨウ化銅、ヨウ化バリウム、ヨウ化カルシウム、ヨウ化スズ、ヨウ化チタンまたはこれらの混合物のようなヨウ化化合物が使用されることができる。このとき、上記補助剤の含量は、溶媒100重量部に対して0.3重量部ないし2.5重量部程度であってもよく、より好ましくはヨウ素とヨウ化化合物の重量比が1:5ないし1:10程度であってもよい。一方、上記染着ステップは、25℃ないし40℃程度の温度で行われることが好ましく、染着槽浸漬時間は30秒ないし120秒程度であることが好ましいが、これに限定されるものではない。
一方、本発明の薄型偏光子の製造方法は、上記積層体を延伸した後に、必要によって、上記延伸積層体を乾燥するステップを行うことができる。このとき、上記乾燥は、これに限定されるものではないが、偏光子の光学特性を考慮するとき、20℃ないし100℃、より好ましくは40℃ないし90℃程度の温度で行われることが好ましく、上記乾燥時間は、1分ないし10分程度であることが好ましい。乾燥工程は、ポリビニルアルコールの表面及び内部の水分除去を通じて偏光板の製造工程中で水分によるポリビニルアルコール系偏光子の物性低下を防止し、乾燥過程で延伸されたポリビニルアルコール系フィルムの幅収縮を円滑に誘導して、ポリビニルアルコール及びヨウ素から構成された錯体の配向性を増大させて偏光子の偏光度を向上する役割をする。
なお、本発明の薄型偏光子の製造方法は、上記積層体を延伸した後に、必要によって、ポリビニルアルコール系フィルムを高密度ポリエチレンフィルムから分離するステップを行うことができる。上記分離ステップは、ポリビニルアルコール系フィルムに弱い剥離力を加えて高密度ポリエチレンフィルムから離脱させる方法で行われることができる。このとき、上記剥離力は、2N/2cm以下であるのが好ましく、例えば、0.1N/2cmないし2N/2cm、または0.1N/2cmないし1N/2cm程度であってもよい。本発明の場合、このように要求される剥離力が非常に弱いため、別の工程や装備がなくても二つのフィルムを容易に分離できるのみならず、分離工程でポリビニルアルコール系フィルムの損傷が少なくて非常に優れた光学性能を示す。
一方、本発明の偏光子の製造方法は、当該技術分野によく知られているシート・ツー・シート(sheet-to-sheet)工程、シート・ツー・ロール(sheet-to-roll)工程又はロール・ツー・ロール(roll-to-roll)工程などを通じて行われることができる。このとき、シート・ツー・シート工程は、原料フィルムとして一定の大きさに裁断されている枚葉式フィルムを使用する方法であり、シート・ツー・ロール工程は、原料フィルムのうち一部としては長さの長いフィルムが巻取されたロール状フィルムを使用し、他の原料フィルムとしては一定の大きさに裁断されている枚葉式フィルムを使用する方法を言う。また、ロール・ツー・ロール工程は、原料フィルムとしてロール状フィルムを使用する方法である。工程の連続性及び生産性を考慮すると、この中でもロール・ツー・ロール工程を使用するのが特に好ましい。
例えば、本発明の偏光子の製造方法は、未延伸高密度ポリエチレンフィルムロールと未延伸ポリビニルアルコール系フィルムロールから未延伸高密度ポリエチレンフィルムと未延伸ポリビニルアルコール系フィルムを巻出しながら、未延伸高密度ポリエチレンフィルムと未延伸ポリビニルアルコール系フィルムとを貼り付けて積層体を形成するステップ、上記ポリビニルアルコール系フィルムの厚さが10μm以下になるように積層体を延伸するステップ、及び上記ポリビニルアルコール系フィルムを高密度ポリエチレンフィルムから分離するステップを含むことができる。
このとき、上記未延伸高密度ポリエチレンフィルムと未延伸ポリビニルアルコール系フィルムとは貼り付けられてから、ロール状に再巻取された後、再巻取された積層体ロールから積層体を巻出して延伸工程に投入されることもでき、または再巻取することなくそのまま延伸工程に投入されることができる。
また、上記分離するステップは、高密度ポリエチレンフィルムとポリビニルアルコール系フィルムとの間に剥離手段、例えば剥離ロールなどを挿入して、 高密度ポリエチレンフィルムとポリビニルアルコール系フィルムとの界面を分離させた後、分離された高密度ポリエチレンフィルムとポリビニルアルコール系フィルムとを互いにロールに巻取する方法で行われることができる。
[薄型偏光子、偏光板]
上記のような方法によって製造された本発明の偏光子は、その厚さが10μm以下、好ましくは1μmないし10μm程度、より好ましくは3μmないし8μm程度と非常に薄い。また、このように薄い厚さでも、単体透過度が40%ないし45%程度であり、偏光度が99.0%以上と非常に優れた光学物性を示す。
また、上記のような方法によって製造された本発明の偏光子は、幅方向に対する偏光度の均一性が非常に優秀である。より具体的には、本発明の偏光子は、偏光子の幅方向に沿って等間隔で位置する10個の点で測定された偏光度の標準偏差が0.002%以下である。
一方、上記のような本発明の偏光子に一面または両面に保護フィルムを積層して偏光板を形成することができる。このとき、偏光板の構造は、本発明の上記偏光子を含むものであれば、特に制限されず、例えば、偏光子/保護フィルム、保護フィルム/偏光子、または保護フィルム/偏光子/保護フィルムなどであってもよい。
このとき、上記保護フィルムとしては、上記保護フィルムは偏光子を支持及び保護するためのものであって、当該技術分野に一般に知られている多様な材質の保護フィルム、例えば、セルロース系フィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET, polyethylene terephthalate)フィルム、シクロオレフィンポリマー(COP, cycloolefin polymer)フィルム、アクリル系フィルムなどが制限なく使用されることができる。この中でも光学特性、耐久性、経済性などを考慮すると、アクリル系フィルムを使用するのが特に好ましい。
一方、上記偏光板の製造方法も、当該技術分野によく知られているシート・ツー・シート(sheet-to-sheet)工程、シート・ツー・ロール(sheet-to-roll)工程又はロール・ツー・ロール(roll-to-roll)工程などを通じて行われることができ、やはりその中でもロール・ツー・ロール工程を使用するのが好ましい。ロール・ツー・ロール工程で偏光子と保護フィルムとを積層して偏光板を製造する方法は当該技術分野によく知られているので、具体的な説明は省略する。 このようにロール・ツー・ロール工程で偏光板を製造する場合、長尺のロール状偏光板を得ることができる。
なお、上記偏光板には光学位相差を補償するための位相差フィルムが含まれてもよい。このとき、本発明に使用可能な位相差フィルムは、特に制限されず、多様な液晶モードによって当該技術分野で一般に使用されている位相差フィルムが使用されることができる。
また、上記偏光板には、それ以外にも、輝度向上フィルム、プライマー層、ハードコート層、防眩層、反射防止層または液晶パネルとの貼り付けのための粘着層などのような他の機能性光学層をさらに含むことができる。これら光学層の形成方法は、特に限定されず、当該技術分野によく知られている公知の方法を用いることができる。
一方、本発明に係る上記偏光板は、多様なディスプレイ装置に含まれることができる。例えば、上記偏光板は、液晶表示装置(LCD)、有機発光素子(OLED)のような多様なディスプレイ装置に適用されることができる。
以下、具体的な実施例を通じて本発明をより具体的に説明する。
実施例1
高密度ポリエチレンフィルムとして比重が0.96であるR&F社のRF5500AL gradeを使用し、上記高密度ポリエチレンフィルムを厚さ90μmとして、両面にKuraray社のPE30 grade 30μmのPVAフィルムを貼り付けて積層体を形成した。上記積層体に対して、25℃の純水溶液で膨潤(swelling)工程を15秒間経た後、0.3wt%濃度及び25℃のヨウ素溶液で60秒間染着工程を進行した。その後、25℃のホウ酸1wt%溶液で15秒間洗浄工程を経た後、52℃のホウ酸2.5wt%溶液で7倍の延伸倍率で上記積層体を延伸して延伸積層体を製造した。延伸後、5wt%のヨウ化カリウム(KI)溶液で補色工程を経た後、80℃のオーブンで5分間乾燥工程を進行した。乾燥工程後、高密度ポリエチレンフィルムからPVAフィルムを剥離させることで、最終的に厚さ6.8μmの薄型偏光子を製造した。
実施例2
高密度ポリエチレンフィルムとして比重が0.94であるR&F社のRF5500AL gradeを使用し、上記高密度ポリエチレンフィルムを厚さ90μmとして、両面にポリビニルアルコール系フィルムを貼り付けた積層体を用いたことを除いては、実施例1と同一の方法で最終的に厚さ6.3μmの薄型偏光子を製造した。
比較例1
低密度ポリエチレンフィルムとして比重が0.91であるR&F社のRF7500AS gradeを使用し、上記低密度ポリエチレンフィルムを厚さ75μmとして、両面にポリビニルアルコール系フィルムを貼り付けた積層体を用いたことを除いては、実施例1と同一の方法で最終的に厚さ5.8μmの薄型偏光子を製造した。
比較例2
ポリエチレンテレフタレートフィルム(MGC社 NOVA−Clear SG007 grade)の両面にポリビニルアルコール系フィルムを貼り付けた積層体を形成し、6倍以上の高配率で延伸したことを除く残りの製造方法は実施例1と同一にして、薄型偏光子を製造したが、高配率延伸が不可能であって、下記図2のようにポリビニルアルコール系ポリマーフィルムが損傷した。
比較例3
PVAフィルム(日本合成社 M−grade、平均重合度2400、平均ケン化度99mol%)を100℃純水に溶解させてPVA水溶液を形成した後、ポリエチレンテレフタレートフィルム(MGC社 NOVA−Clear SG007 grade)上にリップコーターを用いてコーティングし、80℃のオーブンで10分間乾燥して、PVAコーティング層が形成されたフィルムを形成した。このとき、上記PVAコーティング層の厚さは10μmであった。上記フィルムを25℃の純水溶液で膨潤(swelling)工程を15秒間経た後、0.3wt%濃度及び25℃のヨウ素溶液で60秒間染着工程を進行した。その後、ホウ酸1wt%、25℃の溶液で15秒間洗浄工程を経た後、ホウ酸2.5wt%、52℃の溶液で5.5倍の延伸工程を進行した。延伸後に5wt%のKI溶液で補色工程を経た後、80℃のオーブンで5分間乾燥させた。しかし、延伸過程でPVAコーティング層が剥がれて薄型PVAフィルムを製造するのが不可能だった。図2には、比較例3の方法によって製造されたフィルムの状態が示されている。
比較例4
PVAフィルム(日本合成社 M−grade、平均重合度2400、平均ケン化度99mol%)を100℃純水に溶解させてPVA水溶液を形成した後、ポリエチレンテレフタレートフィルム(MGC社 NOVA−Clear SG007 grade)上にリップコーターを用いてコーティングし、80℃のオーブンで10分間乾燥して、PVAコーティング層が形成されたフィルムを形成した。このとき、上記PVAコーティング層の厚さは10μmであった。上記フィルムを25℃のホウ酸1.0wt%水溶液で膨潤(swelling)工程を15秒間経た後、ヨウ素濃度0.3wt%及びホウ酸濃度3.0wt%、25℃のヨウ素溶液で60秒間染着工程を進行した。その後、ホウ酸1wt%、25℃の溶液で15秒間洗浄工程を経た後、ホウ酸2.5wt%、60℃の溶液で5.5倍の延伸工程を進行した。延伸後に5wt%のKI溶液で補色工程を経た後、100℃のオーブンで8分間乾燥させた。乾燥工程の後、ポリエチレンテレフタレートフィルムからPVAフィルムを剥離させることで、最終的に厚さ4.5μmの薄型偏光子を製造した。
実験例1:光学特性の比較
上記実施例と比較例で製造された偏光子の光学特性をJASCO V-7100 Spectrophotometerで測定し、その結果は下記表1に記載する。
Figure 0006178427
上記表1において、HDPEは高密度ポリエチレンフィルムを意味し、LDPEは低密度ポリエチレンフィルムを意味し、PETはポリエチレンテレフタレートフィルムを意味する。
一方、上記表1で、単体透過率は単一偏光子の透過率を意味し、偏光度は [(Tp−Tc)/(Tp+Tc)]0.5 を意味する。このとき、Tpは偏光板2枚の平行透過率、Tcは偏光板2枚の直交透過率を意味する。
また、単体色相a、b及び直交色相a、bの値で、単体色相とは、単一の偏光子色相を色差計を使用して測定したものを示し、直交色相とは、一対の偏光子を吸収軸が直交する状態で配置したときの色相を色差計を使用して測定したものを示す。また、上記色相a及び色相bは、CIE座標系で色相を表現する値を言い、より具体的には、上記色相a値は、a=500[(X/Xn)1/3−(Y/Yn)1/3]で計算され、 +aは赤色、−aは緑色を意味する。また、上記色相b値は、b=200[(Y/Yn)1/3−(Z/Zn)1/3]で計算され、+bは黄色、−bは青色を意味する(ここで、Xn、Yn、Znは基準となるホワイト色相のX、Y、Zに該当する)。
すなわち、単体色相a、b値は、単一の偏光子色相を色差計を使用して測定したCIE座標系での色相a、b値を意味し、直交色相a、b値は、一対の偏光子を吸収軸が直交する状態で配置したときの色相を色差計を使用して測定したCIE座標系での色相a、b値を意味する。
上記表1に示されるように、高密度ポリエチレンフィルムを使用する実施例1及び2の場合、低密度ポリエチレンフィルムを使用する比較例1に比べて優れた偏光度を有することが分かる。
一方、比較例2のように、実施例と同一の製造工程の条件下でポリエチレンテレフタレートフィルムを基材として使用して薄型偏光子を製造する場合、下記図2に示すように、高配率延伸過程でPVAフィルムに破断が発生して、薄型偏光子の製造が不可能だった。
また、比較例3のように、実施例と同一の製造工程の条件下でコーティング方式で薄型偏光子を製造する場合、下記図3に示すように、延伸後の積層体においてPVAフィルムの一部が剥がれる現象が発生して、同様に薄型偏光子の製造が不可能だった。
また、比較例4のように、膨潤、染着工程でホウ酸を追加し、延伸温度を増加させる場合、コーティング方式を用いてPVAフィルムを製造することはできるものの、延伸前のホウ酸追加によるPVAフィルムの仮橋度増加によって、偏光子の透過率が低下する現象が伴われ、したがって、本発明で提示する透過率の範囲を満足する偏光子の製造が不可能だった。
実験例2:剥離力の比較
上記実施例と比較例で製造された偏光子の剥離力を測定し、その結果を下記表2に示す。一方、貼付力はテクスチャーアナライザー(Texture Analyzer) (モデル名:TA−XT Plus、製造社:Stable Micro Systems)を用いて測定した。
Figure 0006178427
上記表2において、HDPEは高密度ポリエチレンフィルムを意味し、LDPEは低密度ポリエチレンフィルムを意味し、PETはポリエチレンテレフタレートフィルムを意味する。
上記表2に示されるように、実施例1及び2のように高密度ポリエチレンフィルムの両面にポリビニルアルコール系フィルムを貼り付けた積層体を用いて製造される偏光子の場合、剥離力が2N/2cm以下であるのに対し、比較例1のように低密度ポリエチレンフィルムの両面にポリビニルアルコール系フィルムを貼り付けた積層体を用いて製造される偏光子、または比較例4のようにポリエチレンテレフタレートフィルムの上にPVAコーティング層を形成して製造される積層体を用いて製造される偏光子の場合は、剥離力が2N/2cmを超過することが分かる。
すなわち、高密度ポリエチレンフィルムを使用して貼り付け方法で積層体を製造する実施例1及び2の場合、非常に容易に最終的に薄型偏光子を剥離することができるのに対し、低密度ポリエチレンフィルムを用いるか、またはコーティング法を用いて積層体を製造する比較例1及び4の場合には、剥離力が高くて偏光子の剥離が容易でなく、したがって、剥離過程で偏光子に破断が発生するか、偏光子の光学物性が損傷するなどの問題が発生し得るということが分かる。
以上、本発明の実施例について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されるものではなく、請求の範囲に記載された本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の修正及び変形が可能であるということは、当技術分野における通常の知識を有する者には自明であろう。
H:ホルダー
A:ポリビニルアルコール系フィルム
B:高分子フィルム
MD:縦延伸方向

Claims (7)

  1. 未延伸高密度ポリエチレンフィルムの少なくとも一面に未延伸ポリビニルアルコール系フィルムを貼り付けて積層体を形成するステップであって、
    前記高密度ポリエチレンフィルムの比重は、4℃の水(密度0.999973g/cm)を標準物質としたとき、0.93以上であり、
    前記貼り付けは、接着剤を用いるものであり、
    前記接着剤は、ポリビニルアルコール系樹脂、アクリル系樹脂及び酢酸ビニル系樹脂からなる群より選択された1種以上を含む水系接着剤であり、
    または、前記接着剤は、ホモポリマーのガラス転移温度が120℃以上の第1エポキシ化合物、ホモポリマーのガラス転移温度が60℃以下の第2エポキシ化合物、及びカチオン性光重合開始剤を含む紫外線硬化型接着剤である、ステップ;及び
    前記ポリビニルアルコール系フィルムの厚さが10μm以下になるように前記積層体を延伸するステップを含み、
    前記積層体を延伸するステップの後に、延伸されたポリビニルアルコール系フィルムと延伸された高密度ポリエチレンフィルムとの間の貼付力が、2N/2cm以下である、薄型偏光子の製造方法。
  2. 前記積層体を延伸するステップは、20℃ないし80℃の温度で5倍ないし15倍の延伸倍率で行われるものである請求項に記載の薄型偏光子の製造方法。
  3. 前記積層体を延伸するステップは、乾式延伸または湿式延伸で行われるものである請求項に記載の薄型偏光子の製造方法。
  4. 前記積層体を延伸するステップは、ホウ酸濃度が1重量%ないし5重量%であるホウ酸水溶液内で行われるものである請求項に記載の薄型偏光子の製造方法。
  5. 前記積層体を延伸するステップの前に、未延伸ポリビニルアルコール系フィルムにヨウ素及び二色性染料のうち少なくとも一つを染着させるステップをさらに含む請求項に記載の薄型偏光子の製造方法。
  6. 前記積層体を延伸するステップの後に、延伸されたポリビニルアルコール系フィルムを延伸された高密度ポリエチレンフィルムから分離するステップをさらに含む請求項に記載の薄型偏光子の製造方法。
  7. 前記延伸されたポリビニルアルコール系フィルムを延伸された高密度ポリエチレンフィルムから分離するステップは、2N/2cm以下の剥離力を加えて行われるものである請求項に記載の薄型偏光子の製造方法。
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