JP6166105B2 - 漬物の製造に適した乳酸菌、それを用いた漬物の素及び発酵漬物 - Google Patents

漬物の製造に適した乳酸菌、それを用いた漬物の素及び発酵漬物 Download PDF

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Description

本発明は、漬物の製造に適した乳酸菌に関する。より具体的には、本発明は、漬物の製造に使用した場合に、室温で速やかに発酵するが5℃程度以下の低温では発酵を停止でき、発酵によって適度な粘性を付与できる乳酸菌に関する。更に、本発明は、当該乳酸菌を使用した漬物の製造用スターター、漬物の素及び漬物に関する。
キムチ、シバ漬等の漬物は、本来、乳酸菌で発酵させる食品として認識されている。一方、工業的な発酵漬物の製造では、品質を安定化させるのが難しいため、発酵漬物は漬物生産量の0.1%以下でしかない。乳酸菌や乳酸菌発酵食品には、腸内菌叢の安定化、免疫賦活化、血中コレステロールの低減等の有益な生理機能が知られており、ヒトの健康に良いことは疫学研究やヒトを含めた動物実験から裏付けられている。
しかしながら、前述のように乳酸菌による発酵漬物は僅かしか生産されていない。また、液体又は粉末状の浅漬けの素も市販され、簡便に浅漬けを作ることができるが、これらは食塩、調味料漬けであって、乳酸菌を利用した発酵漬物ではない。このように、今日では、乳酸菌で発酵させた特有の風味を有する本来の漬物が減少し、漬物を通して乳酸菌の有益な生理機能を享受できる機会が少ないのが現状である。
工業的な発酵漬物の製造において、品質の安定化に最も大きな影響を与えるのは乳酸菌スターターであり、優れた漬物用乳酸菌スターターが知られていないことが発酵漬物の衰退の要因である。また、一般家庭においては、糠床の維持管理に手間がかかり、これに変わる、手軽に失敗なく漬物が出来る発酵漬物の素は存在しない。
工業的及び家庭用として製造される発酵漬物に用いる乳酸菌としては、(1)比較的低温で生育できること、(2)冷蔵庫内保存(5℃程度)で生育が止まること、(3)耐酸性が強くなく、酸の生成が適度であること、(4)生成する風味が漬物として好ましいこと、(5)発酵後に適度な粘性が付与されること、等の特性を備えていることが求められる。前記(1)は、通常発酵温度の管理ができない一般家庭において夜間の室内温度である10〜15℃で発酵可能にする、工業的にも比較的低温で発酵させることによってエネルギーコストを低減させる、低温で発酵することにより大腸菌等の雑菌が繁殖し難くする等の要求を満たすために求められる特性である。前記(2)は、発酵終了後、冷蔵庫で保存した場合に発酵が進行して酸味が増すのを抑制するために必要とされる特性である。前記(3)は、比較的塩分濃度の低い状態で漬物を漬けると酸を生成し易く、酸味の強い漬物になってしまうため、適度な酸の生成で発酵を停止するために求められる特性である。前記(4)は、風味がよい漬物を製造するために要求される特性である。前記(5)は、低塩分の漬物が好まれる傾向があり、粘性を付与することによって漬け汁が野菜に絡み比較的低塩分でもしっかりとした風味を付与するために必要とされる特性であり、実際、多くの工業的に製造されている漬物においてはキサンタンガム等の増粘剤が使用されている。
これまでに、漬物の製造に使用される乳酸菌については種々報告されている。例えば、特許文献1には、ラクトバチルス・サケHS1(Lactobacillus sakeHS1:FERM P−17617は、安定した発酵漬物の生産と食味の改善、L−乳酸の豊富な漬物の製造の上で有効であることが開示されている。しかしながら、特許文献1に開示されているラクトバチルス・サケHS1では、低温(5℃程度)で生育するため、保存安定性の点で問題があり、発酵終了後に冷蔵庫で保管すると、発酵が進行して酸味が強くなるという欠点がある。また、ラクトバチルス・サケHS1は粘出物産生能がないため、漬物の製造において別途キサンタンガム等の増粘剤の使用が必要とされるという欠点もある。
また、特許文献2には、材料野菜の色調保持、適度な酸味の付与、及び漬汁の濁り防止を可能にする乳酸菌として、ロイコノストック・パラメゼンテロイデスK−3が開示されている。しかしながら、この菌株でも、粘出物産生能がなく、漬物にとろみを付与することができないという欠点がある。
また、特許文献3には、低温感受性乳酸菌、高塩耐性乳酸菌、低温生育性乳酸菌及び高発酵性乳酸菌から選択される乳酸菌を用いて粉体調味料と混合した粉体漬物の素は、乳酸菌の活性を長期間維持できることが開示されており、低温感受性乳酸菌としてラクトバチルス・プランタラムLTSM175株(FERM P−11552)、高塩耐性乳酸菌として高塩耐性乳酸菌融合株F6株(FERM P−12226)が、低温生育性乳酸菌としてロイコノストック・エスピーGLT36(FERM P−13131)、高発酵性乳酸菌としてラクトバチルス・プランタラムNo. 14(FERM P−11550)が開示されている。しかしながら、これらの乳酸菌でも、低温(5℃程度)で発酵が停止し、且つ適度な粘性を付与できるものではない。
このように、漬物の製造に使用される乳酸菌については、比較的低温での生育性、適度な酸生成、及び良好な風味の付与を可能にする菌株については報告されているものの、このような特性に加えて、低温(5℃程度)で発酵を停止でき、しかも発酵によって適度な粘性(とろみ)を付与できる特性を備える菌株については報告されていない。
特許第3091196号公報 特開昭64−2527号公報 特開平6−113731号公報
本発明の目的は、漬物の製造に使用した場合に、室温で速やかに発酵するが5℃程度以下の低温では発酵を停止でき、発酵によって適度な粘性を付与できる乳酸菌を提供することである。また、本発明の目的は、当該乳酸菌を使用した漬物の製造用スターター、漬物の素、及び漬物を提供することである。
本発明者は、前記課題を解決すべく鋭意検討し、様々な分離源から乳酸菌のスクリーニングを幾度となく実施した結果、10〜37℃程度で速やかに野菜を発酵でき、しかも5℃では生育せず発酵を停止する乳酸菌として、ロイコノストック・メッセンテロイデスNo.66株を単離した。また、当該ロイコノストック・メッセンテロイデスNo.66株は、漬物の製造に使用すると、発酵によって適度な粘性を付与でき、しかも官能的に優れた風味と適度な酸味も付与できることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて更に検討を重ねることにより完成したものである。
即ち、本発明は、下記に掲げる態様の発明を提供する。
項1. 受託番号NITE P−01568として寄託されているロイコノストック・メッセンテロイデスNo.66株、又は10〜37℃では生育するが5℃では生育せず、且つ粘性成分を産生する該No.66株の変異株。
項2. 受託番号NITE P−01568として寄託されているロイコノストック・メッセンテロイデスNo.66株、又は10〜37℃では生育するが5℃では生育せず、且つ粘性成分を産生する該No.66株の変異株を含む、漬物の製造用スターター。
項3. (1)受託番号NITE P−01568として寄託されているロイコノストック・メッセンテロイデスNo.66株、又は10〜37℃では生育するが5℃では生育せず、且つ粘性成分を産生する該No.66株の変異株と、(2)調味料及び/又は漬物床基材とを含有する、漬物の素。
項4. 漬物原料に、項2に記載の漬物の製造用スターターを添加して発酵させる、漬物の製造方法。
項5. 漬物原料に、項2に記載の漬物の製造用スターターを添加して発酵させることにより得られる、漬物。
項6. 漬物原料を、項3に記載の漬物の素に付け込んで発酵させる、漬物の製造方法。
項7. 漬物原料を、項3に記載の漬物の素に付け込んで発酵させることにより得られる、漬物。
本発明の乳酸菌は、室温(10〜37℃程度)で野菜を速やかに発酵できるので、家庭で漬物を製造するのに適しており、また工業的に漬物を製造する場合であっても、低温発酵を採用することによるエネルギーコストの低減を図ることができる。また、本発明の乳酸菌は、5℃程度の温度環境では生育せず、発酵を停止するので、発酵させた漬物を冷蔵庫等で低温保存した際に、発酵が進行して酸味が強くなるのを抑制でき、漬物に優れた保存安定性を備えさせることができる。
また、本発明の乳酸菌は、粘性成分を産生するので、増粘剤を配合せずとも漬物に粘性(とろみ)を備えさせ、比較的低塩分であってもしっかりとした味わいを付与することができる。更に、本発明の乳酸菌は、野菜、果物、海産物等の漬物原料を発酵させると、官能的に優れた風味と適度な酸味を付与できるので、漬物に良好な呈味を備えさせることもできる。
発明の乳酸菌(ロイコノストック・メッセンテロイデスNo.66株)を用いてキムチを製造した際に、発酵中に経時的に、乳酸菌数、pH及び一般細菌数を測定した結果を示す図である。
1.乳酸菌株
本発明の乳酸菌株は、ロイコノストック・メッセンテロイデス(Leuconostoc mesenteroides)に属するNo.66株(受託番号NITE P−01568)(以下、乳酸菌株No.66株と表記することもある)又はその変異株である。
本発明の乳酸菌株No.66株は、糠漬を分離源として単離された食歴がある菌株であり、ロイコノストック・メッセンテロイデス自体及びその培養物においてヒト又は非ヒト動物に対する毒性はなく、安全に使用することができる菌株である。
本発明の乳酸菌株No.66株の菌学的性質について表1に示す。また、比較のために、ロイコノストック・メセンテロイデスに属する3亜種の基準株(ロイコノストック・メッセンテロイデス・サブスピーシーズ・メセンテロイデスNBRC100496、ロイコノストック・メッセンテロイデス・サブスピーシーズ・デクストラニカムNBRC100495、ロイコノストック・メッセンテロイデス・サブスピーシーズ・クレモリスNBRC1007766)の菌学的性質についても表1に示す。なお、これらの菌学的性質は、Bergey's Manual of Systematic Bacteriology, Second Edition(2009年)に記載の方法に従って検査した。
前記菌学的性質を、Bergey's Manual of Systematic Bacteriology, Second Edition(2009年)を参照して近縁菌種を検索したところ、本発明の乳酸菌株No.66株はロイコノストック・メセンテロイデスの特徴と一致した。また、本発明の乳酸菌株No.66株について、16SrDNAの塩基配列1500ベースペア(bp)を解読し、アポロンDB-BA8.0データベースで近縁種の相同性検索を行った結果、ロイコノストック・メセンテロイデス・サブスピーシーズ・メセンテロイデスNCDO523株及びロイコノストック・メセンテロイデス・サブスピーシーズ・デキストラニカムNRIC1539株と100%の相同性を示すことが確認されてた。また、国際塩基配列データベースでは、本発明の乳酸菌株は、ロイコノストック・メセンテロイデス・サブスピーシーズ・メセンテロイデスATCC8293株及びロイコノストック・メセンテロイデス・サブスピーシーズ・デキストラニカムJCM9700株の、16SrDNAの塩基配列と100%の相同性を示すことが確認されている。これらの菌学的性質と遺伝学的性質から、本発明の乳酸菌株No.66株は、ロイコノストック・メセンテロイデスであると同定した。
但し、表1に示すように、本発明の乳酸菌株No.66株は、ロイコノストック・メセンテロイデスに属する3亜種の基準株とは、糖の資化性の点で明確に異なっており、新規な乳酸菌株に位置付けられる。
また、本発明の乳酸菌株No.66株は、10〜37℃程度では生育できるが、5℃程度以下になると生育を停止するという生育特性を有している。そのため、本発明の乳酸菌株No.66株を使用して漬物を製造する場合、室温で発酵を進行させ、製造後は、冷蔵庫等の低温(5℃程度以下)に保存することによって発酵を停止させ、安定に保存することが可能になる。このように、10〜37℃程度では生育し、且つ5℃程度以下では生育を停止する特性は、従来のロイコノストック・メセンテロイデスでは認められない特性である。本発明の乳酸菌株No.66株の特に好適な生育温度としては、12〜30℃が挙げられる。
更に、本発明の乳酸菌株No.66株は、粘性成分を産生する能力があり、漬物の製造に使用した場合には、漬物に適度な粘性を付与することができる。本発明の乳酸菌株No.66株によって産生される粘性成分については、十分に解明できている訳ではなく、限定的な解釈を望むものではないが、デキストラン又は他の増粘多糖類であると推測される。
本発明の乳酸菌株No.66株は、独立行政法人製品評価技術基盤機構 特許微生物寄託センター(所在地:日本国千葉県木更津市かずさ鎌足2−5−8)において、受託番号「NITE P−01568」、識別の表示「No.66」として、平成25年3月13日付(通知日:平成25年4月10日)で寄託されている。
また、本発明の乳酸菌株には、前記No.66株の変異株が含まれる。当該変異株は、10〜37℃程度では生育できるが、5℃程度以下になると生育を停止し、且つ粘性成分を産生する能力を有していればよい。当該変異株は、前記No.66株を公知の方法で変異させることにより得ることができ、また自然発生的に変異したものであってもよい。
本発明の乳酸菌株の培養は、従来のロイコノストック・メセンテロイデスの培養で使用される培地を使用して行うことができる。本発明の乳酸菌株の培養に使用される培地としては、例えば、グルコース、ガラクトース、フルクトース、トレハロース、スクロース等の炭素源;肉エキス、ペプトン、イーストエキストラクト、カゼイン、ホエータンパク質等の窒素源;硫酸マグネシウム、硫酸鉄、硫酸マンガン、リン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム等の無機栄養素;ビタミン;アミノ酸等を含む培地が挙げられる。より具体的には、本発明の乳酸菌株の培養に使用される培地として、MRSブイヨン培地、MRS寒天培地、GAMブイヨン培地、GAM半流動培地等が挙げられる。
また、本発明の乳酸菌株の培養条件としては、例えば、pH5.0〜8.0、好ましくはpH5.5〜7.0で、温度10〜37℃、好ましくは12〜30℃が挙げられる。また、本発明の乳酸菌株は、通性嫌気性であり、その培養は、好気的条件下又は嫌気性条件下のいずれで行ってもよいが、操作簡便性の観点から、好ましくは好気的条件が挙げられる。
本発明の乳酸菌株を用いて培養した培養液を、遠心分離、ろ過等の分離処理に供し、更に必要に応じて洗浄することによって、湿菌体の状態で本発明の乳酸菌株を得ることができる。また、斯して得られた湿菌体を凍結乾燥等の乾燥処理に供することによって、乾燥菌体状態で本発明の乳酸菌株を得ることができる。また、本発明の乳酸菌株を用いて培養した培養液から回収した菌体を、適当な液体(例えば、大豆固形分を含む水等)に懸濁させて凍結し、必要に応じて粉砕することにより、凍結菌体状態で本発明の乳酸菌株を得ることもできる。
2.乳酸菌株の用途
本発明の乳酸菌株は、漬物の製造用スターターとして使用でき、また他の素材と混合して漬物の素として使用することもできる。
[漬物の製造用スターター]
本発明の乳酸菌株を漬物の製造用スターターとして使用する場合、当該スターターは、粉末状、ペースト状、又は液体状のいずれの形態であってもよい。また、本発明の乳酸菌株を漬物の製造用スターターとする場合、当該スターターには、本発明の乳酸菌株以外に、漬物の製造に使用される他の乳酸菌や酵母等の微生物が含まれていてもよい。また、当該スターターは、液状、ペースト状、粉末状等のいずれの形態であってもよい。
[漬物の素]
漬物の素は、生菌の状態の本発明の乳酸菌株と、調味料及び/又は漬物床基材を含有する。当該漬物の素は、漬物原料を漬け込んで漬物を製造するために使用される。
当該漬物の素には、調味料又は漬物床基材のいずれか一方が含まれていてもよく、これらの双方が含まれていてもよい。
漬物の素に配合される調味料については、製造目的となる漬物の種類に応じて適宜設定すればよいが、例えば、食塩、グルタミン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、コハク酸ナトリウム等の塩類;グルコース、ガラクトース、フルクトース、ショ糖、デキストリン、デンプン等の糖類;カゼイン等のタンパク質;煮干粉末、エビ粉末、カツオ節粉末、カツオエキス、昆布粉末、昆布エキス等の旨味調味料;唐辛子、胡椒、山椒、ニンニク、キャラウェイ、パプリカ、生姜、クローブ等の香辛料等が挙げられる。これらの調味料は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
また、漬物の素に配合される漬物床基材としては、製造目的となる漬物の種類に応じて適宜設定すればよいが、例えば、米糠、米粉、ふすま、小麦粉、そば粉、大豆粉、豆腐、酒粕、麹、パン、海藻等が挙げられる。これらの漬物床基材は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
また、漬物の素には、本発明の乳酸菌株以外に、必要に応じて、漬物の製造に使用される他の乳酸菌や酵母等の微生物が含まれていてもよい。
当該漬物の素は、粉末状、ペースト状、液状のいずれであってもよい。
当該漬物の素における本発明の乳酸菌株の含有量については、漬物原料を発酵できる量であることを限度として特に制限されないが、例えば104〜1011cfu/g程度、好ましくは105〜1010cfu/g程度が挙げられる。また、当該漬物の素における調味料及び/又は漬物床基材の含有量については、製造目的となる漬物の種類に応じて適宜設定すればよい。
当該漬物の素は、含有させる調味料及び/又は漬物床基材を適宜設定することによって、糠漬けの素、キムチの素、ザワークラウトの素、マリネ風漬物の素、ピクルスの素等として提供でき、家庭等で簡便に漬物を製造するための漬床や漬液等として使用される。
3.漬物
前記漬物の製造用スターター又は漬物の素を用いて漬物原料を発酵させることによって、漬物を製造することができる。
前記漬物の製造用スターターを用いた漬物の製造は、漬物原料に、前記漬物の製造用スターター、及び必要に応じて調味料及び/又は漬物床基材を適量添加して発酵させることによって行われる。必要に応じて添加される調味料及び/又は漬物床基材については、前記漬物の素で使用されるものと同様である。
また、前記漬物の素を用いた漬物の製造は、漬物原料を、前記漬物の素に付け込んで発酵させることによって行われる。
漬物原料については、製造される漬物の種類に応じて適宜設定されるが、例えば、キュウリ、ニンジン、ダイコン、ハクサイ、キャベツ、タマネギ、トマト、ズッキーニ、アスパラ、ブロッコリー、パプリカ等の野菜;メロン、スイカ等の果物;イワシ、サバ、イカ、エビ等の水産物等が挙げられる。
前記漬物の製造用スターター又は漬物の素を用いた漬物の製造において、漬物の製造用スターター又は漬物の素の使用量については、漬物原料の発酵を開始できる量であることを限度として特に制限されないが、例えば、漬物製造時に、漬物原料1kgに対して、本発明の乳酸菌株が105〜1011cfu程度、好ましくは107〜1010cfu程度となる量が挙げられる。
また、前記漬物の製造用スターター又は漬物の素を用いた漬物の製造における発酵条件については、製造目的となる漬物の種類等に応じて適宜設定されるが、例えば10〜37℃で0.5〜48時間、好ましくは12〜30℃で3〜24時間が挙げられる。なお、本発明の乳酸菌株は、室温で良好な生育を示すので、発酵時の温度は、特段の温度制御を行わずに室温で行うこともできる。
斯して得られた漬物は、5℃程度以下の低温にすること(例えば、冷蔵庫内での保管)によって、本発明の乳酸菌株による発酵を停止させることができる。また、斯して得られた漬物は、5℃程度以下の低温で保存することによって、乳酸菌による発酵を停止した状態を維持できるので、酸味の増強等の呈味変化が生じず、品質を安定に維持することができる。
以下に、実施例を挙げて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。
実施例1:生育温度及び粘性成分産生能の評価
ロイコノストック・メッセンテロイデスNo.66株及び他の乳酸菌株の生育温度及び粘性成分産生能を評価するために以下の試験を行った。
表2に示す各乳酸菌株を、乳酸菌測定用MRSブロス培地に1白金耳接種し、5℃、12℃又は30℃にて2日間、静置培養を行った。培養後、各培養液について、660nmの吸光度(OD660nm)を測定することにより、菌の生育の有無を評価した。
更に、表2に示す各乳酸菌株を、5重量%ショ糖添加MRS寒天培地に塗抹し、25℃で2日間、好気的条件下で培養を行った。培養後、培地上の性状を確認し、粘性物の存在が認められるか否かを判断し、粘性成分産生能を評価した。
得られた結果を表2に示す。この結果から、ロイコノストック・メッセンテロイデスNo.66株では、5℃で生育しないが、12℃及び30℃で良好に生育することが確認された。一方、他のロイコノストック・メッセンテロイデスを含むロイコノストック属乳酸菌株では、5℃で生育を停止する菌株は存在したが、それらの菌株はいずれも12℃でも生育せず、室温で漬物の発酵が可能なものではなかった。また、ラクトバチルス属乳酸菌株では、5℃でも生育することが確認された。以上の結果から、5℃で生育しないが、12℃で生育する特性は、従来のロイコノストック・メッセンテロイデス株では有しておらず、ロイコノストック・メッセンテロイデスNo.66株に特有の特性であることが確認された。
また、ロイコノストック・メッセンテロイデスNo.66株は、粘性成分の産生能があり、発酵産物に適度な粘性を付与できることも確認された。
実施例2:凍結乾燥スターターの製造
121℃で15分間殺菌した培地(組成は下記参照)600mlに、同培地で前培養したロイコノストック・メセンテロイデスNo.66株の前培養液12ml接種し、30℃で2日間静置培養を行なった。培養終了後、培養液を8,000rpm、15分間遠心分離することにより、上澄を除去して菌体を回収した。得られた菌体を10%(w/v)スキムミルク35mlに懸濁し、ガラス容器に入れた。次いで、菌体懸濁液を入れたガラス容器を、ドライアイスを加えたアセトンに漬け、急速凍結を行い、凍結乾燥機を用いて凍結乾燥し、乾燥粉末状の凍結乾燥スターター4.2gを得た。得られた凍結乾燥スターターの菌数は3.0×1011CFU/gであった。
培地(組成):グルコース2.0重量%、ペプトン2.0重量%、酵母エキス0.1重量%、リン酸ナトリウム0.2重量%、硫酸マグネシウム0.01重量%、硫酸マンガン0.005重量%、クエン酸ナトリウム0.5重量%、ポリソルベート80 0.1重量%、水 残部、pH7.0
実施例3:凍結スターターの製造
121℃で15分間殺菌した培地(組成は実施例2で使用したものと同じ)8Lに、同培地で前培養したロイコノストック・メセンテロイデスNo.66株の前培養液160ml接種し、30℃で35時間静置培養を行なった。培養終了後、培養液を8,000rpm、10分間遠心分離することにより、菌体を回収した。次いで、回収した菌体を、滅菌水で洗浄した後に、大豆液(大豆固形分14重量%、残部水)400mlに懸濁し、−80℃で凍結した。凍結後、適当な大きさに粉砕することにより、凍結スターターを得た。得られた凍結スターターの乳酸菌数は2.4×1010CFU/gであった。
実施例4:キムチの素の製造
実施例2で得られた凍結乾燥スターターを用いて、下記組成のキムチの素を製造した。
食塩 35重量%
昆布パウダー 1重量%
煮干パウダー 1重量%
砂糖 35重量%
ガーリックパウダー 3.9重量%
唐辛子末 5重量%
パプリカエキス 19重量%
凍結乾燥スターター(実施例2) 0.1重量%
合計 100.0重量%
実施例5:糠漬の素の製造
実施例2で得られた凍結乾燥スターターを用いて、下記組成の糠漬の素を製造した。
食塩 72重量%
乾燥米糠 20重量%
酢酸ナトリウム 5重量%
昆布パウダー 2.8重量%
凍結乾燥スターター(実施例2) 0.2重量%
合計 100.0重量%
実施例6:ザワークラウトの素の製造
実施例2で得られた凍結乾燥スターターを用いて、下記組成のザワークラウトの素を製造した。
食塩 50重量%
乳糖 43重量%
グルタミン酸ナトリウム 4.1重量%
キャラウェイ末 2.5重量%
凍結乾燥スターター(実施例2) 0.4重量%
合計 100.0重量%
実施例7:ピクルスの素の製造
実施例3で得られた凍結スターターを用いて、下記組成のピクルスの素を製造した。
水 91.4重量%
食塩 2.7重量%
ブドウ糖 4.5重量%
酢酸ナトリウム 1重量%
クローブエキス 0.1重量%
唐辛子末 0.1重量%
荒挽きブラックペッパー 0.1重量%
凍結スターター(実施例3) 0.1重量%
合計 100.0重量%
実施例8:キムチの製造及び評価
白菜200g及びニラ少々を5cm幅に切り、ポリ袋に入れ、これに実施例4で得られたキムチの素15gをまぶし、室温で24時間発酵させてキムチを製造した。発酵中、経時的に、乳酸菌数、pH、一般細菌数、味・風味について評価を行った。乳酸菌数は、BCPプレートカウント寒天培地を用いて、30℃で3日間培養し、生じたコロニーを計測することによって求めた。また、一般細菌数は、普通寒天培地を用いて、40℃で2日間培養し、生じたコロニーを計測することによって求めた。
乳酸菌数、pH及び一般細菌数の測定結果を図1に、味・風味の評価結果を表3に示す。この結果から、発酵開始から13時間程度で発酵が十分に進行し、良好な酸味及びキムチらしい風味があり、適度な粘性を呈するキムチが製造できることが確認された。
実施例8:糠漬風きゅうりの製造及び評価
キュウリ200gを5mm幅に切り、実施例5で得られた糠漬の素6gをまぶし、室温で14時間発酵させて糠漬風きゅうりを製造した(実施例8)。また、比較のために、実施例2で得られた凍結乾燥スターターの代わりに、当該凍結乾燥スターターを加熱殺菌したものを用いて調製した糠漬の素を用いて、前記と同様に糠漬風きゅうりを製造した(比較例1)。
得られた実施例8及び比較例1の糠漬風きゅうりを15名のパネラーに食させ、「漬物としての美味しさ」、「酸味」、「糠の風味」、及び「味の複雑さ」の点で、どちらが好ましいかについて判定させた。
得られた結果を表4に示す。この結果から、本発明のロイコノストック・メセンテロイデスNo.66株を生菌の状態で使用して発酵させた糠漬けは、優れた味・風味を有していることが確認された。
実施例9:キムチ及び糠漬風きゅうりの保存性の評価
白菜200g及びニラ少々を5cm幅に切り、ポリ袋に入れ、これに実施例4で得られたキムチの素15gをまぶし、室温で13時間発酵させてキムチを製造した。また、キュウリ200gを5mm幅に切り、実施例5で得られた糠漬の素6gをまぶし、室温で14時間発酵させて糠漬を製造した。得られたキムチ及び糠漬を、5℃に設定した冷蔵庫で10日間保存し、保存中、経時的にキムチ及び糠漬の官能評価を行った。なお、官能評価は以下の判定基準に従って行った。
<官能評価の判定基準>
官能評点
5:香り及び味が共に良好で、製造直後と同等である。
4:香り及び味の点で製造直後とほとんど差がなく、官能特性は十分に保たれている。
3:香り及び味の点で製造直後に比べて多少の変化は見られるが、官能特性は保たれている。
2:香り及び味の点で製造直後に比べて変化が見られ、やや官能特性が損なわれている。
1:香り及び味の点で製造直後に比べて大きな変化が見られ、官能特性が損なわれている。
得られた結果を表5に示す。この結果から、ロイコノストック・メセンテロイデスNo.66株を用いて製造したキムチ及び糠漬は、冷蔵庫で保存しても、酸味が強くなることがなく、製造直後の味・風味を維持でき、保存安定性に優れていることが確認された。
NITE P−01568

Claims (7)

  1. 受託番号NITE P−01568として寄託されているロイコノストック・メッセンテロイデスNo.66株。
  2. 受託番号NITE P−01568として寄託されているロイコノストック・メッセンテロイデスNo.66株を含む、漬物の製造用スターター。
  3. (1)受託番号NITE P−01568として寄託されているロイコノストック・メッセンテロイデスNo.66株と、(2)調味料及び/又は漬物床基材とを含有する、漬物の素。
  4. 漬物原料に、請求項2に記載の漬物の製造用スターターを添加して発酵させる、漬物の製造方法。
  5. 漬物原料に、請求項2に記載の漬物の製造用スターターを添加して発酵させることにより得られる、漬物。
  6. 漬物原料を、請求項3に記載の漬物の素に付け込んで発酵させる、漬物の製造方法。
  7. 漬物原料を、請求項3に記載の漬物の素に付け込んで発酵させることにより得られる、漬物。
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