JP6149755B2 - 蒸発圧力調整弁 - Google Patents

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Description

本発明は、冷凍サイクルに用いられる蒸発圧力調整弁に関するものである。
蒸発圧力調整弁は、例えば、車両用空調装置の冷凍サイクルの蒸発器下流側に設けられ、蒸発器内の蒸発圧力(冷媒圧力)を所定値以上に保つものである。蒸発圧力調整弁は、冷房運転時に冷房負荷が低下しても、蒸発器内の蒸発圧力を蒸発器がフロスト(着霜)する圧力を下回らないように制御することで、蒸発器のフロストを防止する。
このような蒸発圧力調整弁として、特許文献1に記載のものがある。この蒸発圧力調整弁は、ボデーの内部に冷凍サイクルの蒸発器と圧縮機とを連通させるための冷媒通路が設けられており、この冷媒通路内を弁体が摺動することで、この冷媒通路の開閉度を調整するように構成されている。そして、弁体の外周面または冷媒通路の内周面の一方にシール部材としてのOリングが装着されている。このOリングは、弁体の摺動を阻害することなく、適度な摺動抵抗を付与するためのものである。
ここで、弁体と冷媒通路の摺動部にOリングを設けていない場合、起動時の急激な冷媒流量の立ち上がりによって弁体が急激に動き、この急激な動きをきっかけとして弁体が自励振動状態となって、異音が発生する。
そこで、特許文献1の従来技術では、弁体の動きに直接作用するように、弁体と冷媒通路の摺動部に対してOリングを設け、Oリングの摺動抵抗の作用によって、そのような弁体の急激な動きを抑制して、異音の発生を抑制することを図っている。
特許第2781064号公報
しかし、特許文献1の従来技術では、Oリングが冷媒通路内に設置されているために、異音の発生を抑制できない場合があることがわかった。
すなわち、冷凍サイクルの定常運転時では、冷媒に含まれる冷凍機油や液冷媒が、Oリングの摺動面に存在することで、弁体が円滑に摺動する。一方、サイクル起動時においては、一般的に、一瞬冷媒が流れた後、しばらくの間、冷凍機油や液冷媒が循環せず、ガス冷媒のみが循環する、いわゆるドライ運転状態が生じる。このドライ運転状態の時間がある程度長い場合、Oリングの摺動面に冷凍機油や液冷媒が十分に存在せず、Oリングによる摺動抵抗が過大となる。この結果、冷凍サイクルの起動時に全開状態から閉弁方向に動こうとする弁体において、取り付けたOリングの摺動面での引っかかりが生じ、その後、引っかかりが解除される瞬間をトリガーとして弁体の自励振動が開始し、異音が発生する。
なお、ドライ運転状態が発生する時間は、低圧配管の長さやレイアウトだけでなく、冷凍サイクルがおかれる気温の履歴などよっても左右されるため、ドライ運転状態を完全に防ぐことができず、異音の発生を抑制することができなかった。
本発明は上記点に鑑みて、ドライ運転状態となるサイクル起動時の異音の発生を抑制できる蒸発圧力調整弁を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1、5、6に記載の発明では、
内部に冷媒通路(2)が形成されたボデー(3)と、
ボデーの内部に設けられ、冷媒通路を開閉する弁体(4)と、
ボデーに設けられ、内部に冷媒通路を流れる冷媒が侵入しない密閉空間(13)を形成する密閉空間部材(5)と、
密閉空間部材の内部に配置され、弁体と連動する軸部材(6)と、
密閉空間部材の内部に配置され、内部を軸部材が摺動する筒部材(7)と、
密閉空間部材の内部に配置され、軸部材に対して摺動抵抗を付与する抵抗付与部材を備えることを特徴としている。
さらに、請求項1に記載の発明では、密閉空間部材は、弁体に連結され、弁体に対して冷媒通路を閉じる側への荷重をかけるベローズ(5)であり、軸部材は、弁体に連結されるとともに冷媒通路の軸線(X)方向に延びており、冷媒通路の軸線(X)方向における弁体の移動をガイドするものであることを特徴としている。
請求項5の記載の発明では、抵抗付与部材は、軸部材の外周面と筒部材の内周面の一方に設けたバネ部材(21)であることを特徴としている。
請求項6に記載の発明では、筒部材は、内部に密閉空間を形成しており、抵抗付与部材は、筒部材の密閉空間に充填された潤滑油(31)であることを特徴としている。
請求項1、5、6に記載の発明では、冷媒通路の冷媒が侵入しない密閉空間に抵抗付与部材を設置している。これにより、軸部材の摺動面に潤滑材が存在する状態としつつ、抵抗付与部材によって軸部材に対して適度な摺動抵抗を付与しておけば、密閉空間内は潤滑環境が変化しないので、常に、安定した摺動抵抗を確保できる。このため、冷凍サイクルがサイクル起動時にドライ運転状態になっても、抵抗付与部材による摺動抵抗が過大となることはない。
よって、請求項1、5、6に記載の発明によれば、ドライ運転状態となるサイクル起動時の異音の発生を抑制できる。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
第1実施形態における蒸発圧力調整弁の閉弁状態のときの断面構成を示す図である。 第1実施形態における蒸発圧力調整弁の開弁状態のときの断面構成を示す図である。 図1中のベローズおよびベローズ内部の拡大図である。 比較例1における蒸発圧力調整弁の断面構成を示す図である。 第2実施形態における蒸発圧力調整弁の要部断面図である。 図5中のVI−VI断面図である。 図5中のバネ部材の断面図である。 第3実施形態における蒸発圧力調整弁の要部断面図である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付して説明を行う。
(第1実施形態)
図1に示す本実施形態の蒸発圧力調整弁1は、車両用空調装置の冷凍サイクルの蒸発器と圧縮機との間に設けられ、蒸発器内の蒸発圧力(冷媒圧力)を所定値以上に保って、蒸発器のフロストを防止するものである。なお、冷凍サイクルは、圧縮機、放熱器、減圧手段、蒸発器を有している。ここでいう冷凍サイクルには、蒸発器を冷却用熱交換器として用いる場合に限らず、放熱器を加熱用熱交換器として用いる場合、すなわち、ヒートポンプサイクルとして機能する場合も含まれる。
蒸発圧力調整弁1は、内部に冷媒通路2が形成されたボデー3と、この冷媒通路2を開閉する弁体4と、この弁体4に対して冷媒通路2を閉じる側への荷重をかけるベローズ5およびコイルバネ14と、弁体4と連動するステム6と、内部をステム6が摺動するガイド7等を備えている。
ボデー3は、管状の金属部材によって構成されている。ボデー3は、弁体4およびベローズ5を収容するとともに、冷媒通路2のうち入口側通路2aを構成するボデー本体部3aと、冷媒通路2のうち出口側通路2bを構成するボデー出口側部3bとによって構成されている。入口側通路2aは蒸発器の冷媒出口側に接続され、出口側通路2bは圧縮機の冷媒吸入側に接続される。冷媒通路2は、ボデー3の軸線X方向に延びている。
弁体4は、金属部材で構成されており、冷媒通路2内をボデー3の軸線X方向に移動する。弁体4は、ボデー3の内部に設けられた弁座8に当接する当接部9を有している。図1に示すように、当接部9の位置が弁座8に当接する位置のとき、冷媒通路2が閉じた状態となる。図2に示すように、当接部9の位置が弁座8から離れた位置のとき、冷媒通路2が開いた状態となる。
なお、本実施形態の弁体4は、ボデー3の内部を摺動する摺動部4aを有しているが、弁体4の摺動部4aにはOリングが装着されていない。ちなみに、弁体4の摺動部4aの外面に溝4bが形成されており、この溝4bに冷凍機油が溜まることで、弁体4がボデー3の内部を円滑に摺動するようになっている。また、本実施形態の弁体4は、当接部9を含む板部4cと摺動部4aとが複数の柱部材4dによって連なっており、開弁状態のとき、板部4cと摺動部4aとの間を冷媒が通過する。また、本実施形態の弁体4は、板部4cに連通孔(ブリードポート)4eが設けられており、当接部9が弁座8に当接するときでも、冷媒および冷凍機油を入口側通路2aから出口側通路2bへ適量流すようになっている。
ベローズ5は、金属部材で構成されている。ベローズ5は、蛇腹構造を持った伸縮管であり、その軸線X方向とボデー3の軸線X方向とが一致するように配置されている。したがって、図1、2中の軸線Xは、ベローズ5の軸線でもある。ベローズ5の軸線X方向一端側(図1中の左側)には、調節ネジ10が取り付けられている。調節ネジ10は、ボデー本体部3aとボデー出口側部3bとによって挟まれて固定された板部11に保持されている。この調節ネジ10を回動させることによってベローズ5の軸線X方向一端側の位置を調節できるようになっている。一方、ベローズ5の軸線X方向他端側(図1中の右側)には、弁体4が結合している。このため、ベローズ5の伸縮に伴って弁体4がボデー3の軸線X方向に移動する。
ベローズ5は、伸縮可能な側壁部5aと、軸線X方向他端側にベローズ5の径方向に平行な底板部5bを有しており、軸線X方向一端側が開口するとともに、軸線X方向他端側が閉塞している。ベローズ5の底板部5bは、弁体4に保持されている連結プレート12に溶接されている。これにより、ベローズ5と弁体4とが連結している。
また、図3に示すように、ベローズ5の軸線X方向一端側(図3中左端側)が調節ネジ10に溶接されており、ベローズ5の内部に密閉空間13が形成されている。したがって、本実施形態のベローズ5が、特許請求の範囲に記載の密閉空間を形成する密閉空間部材に相当する。ベローズ5の内部には、窒素やヘリウム等の不活性ガスが封入されている。
ベローズ5の内部には、ステム6と、ガイド7と、コイルバネ14とが設けられている。ステム6、ガイド7およびコイルバネ14は、金属部材で構成されている。
ステム6とガイド7は、弁体4の軸線X方向の移動をガイドするガイド部材である。ステム6は、ボデー3の軸線X方向に延びる軸部材である。ステム6の弁体4側端部は、ベローズ5の底板部5bを内側から押さえるベローズ押さえ部15に固定されている。したがって、ステム6は、ベローズ押さえ部15、ベローズ5の底板部5b、連結プレート12を介して、弁体4と連結されており、弁体4と連動する(図1、2参照)。
ステム6は、円筒状の筒部材であるガイド7の内部に挿入されており、ガイド7の内部を摺動する。ガイド7の内周面7aおよびステム6のうちガイド7の内部の外周面6aには潤滑剤としてのシリコングリスが塗られている。なお、潤滑剤としては、シリコングリスグリス以外の他のグリス(半固形の潤滑剤)や、潤滑油(液体の潤滑剤)を用いてもよい。また、ステム6のうちガイド7の内部の外周面6aには、Oリング16を保持する保持溝6bが設けられており、その保持溝6bにOリング16が装着されている。Oリング16は、ステム6の摺動を阻害することなく、ステム6に適度な摺動抵抗を付与する抵抗付与部材である。なお、Oリング16は、断面がO形(円形)の環状パッキンであり、ゴム等のシール部材によって構成されるものである。
ガイド7は、調節ネジ10に保持されている。本実施形態では、ガイド7は、調節ネジ10に押さえつけられる方向の荷重をコイルバネ14から受けることによって調節ネジ10に保持されている。また、ガイド7と調節ネジ10との間や、ガイド7とステム6との隙間はシールされていない。
コイルバネ14は、ベローズ5と同様に、弁体4に対して冷媒通路2を閉じる側への荷重をかけるものである。コイルバネ14は、一端がガイド7のフランジ部7bに保持され、他端がベローズ押さえ部15に保持されている。
上記した構成の蒸発圧力調整弁1の弁体4の開度は、ボデー3の入口側通路2aでの冷媒圧力(1次圧P1)と、ベローズ5、コイルバネ14およびベローズ5内の封入ガスの反力とのバランスで決定される。ベローズ5等の反力の方が高い場合は等しくなるまで閉弁方向へ弁体4が移動し、逆に1次圧P1の方が高い場合は等しくなるまで開弁方向へ弁体4が移動する。
次に、本実施形態の蒸発圧力調整弁1と図4に示す比較例1の蒸発圧力調整弁101とを比較する。比較例1の蒸発圧力調整弁101は、本実施形態の蒸発圧力調整弁1に対して、ベローズ5内にOリング16を設置する替わりに、冷媒通路2内にOリング17を設置したものである。Oリング17は、弁体4の摺動部4aの外周面に形成された溝4bに設置されている。なお、その他の構成は本実施形態の蒸発圧力調整弁1と同じである。
ここで、比較例1は、上記背景技術の欄に記載の問題の解決のために、特許文献1の従来技術を採用したものである。すなわち、サイクルが停止している場合であって、冷媒圧力が高めの場合、弁体4は全開状態となっており、サイクルが起動されると同時に弁体4は閉弁方向へ急激に動こうとする。このとき、弁体4が急激に動くと、これをきっかけとして弁体4が自励振動状態になって異音が発生する。そこで、これを解決するために、比較例1では、特許文献1の従来技術のように、弁体4の摺動部4aの外周面にOリング17を設置している。
しかし、サイクル起動時のドライ運転状態が長いと、液冷媒、冷凍機油の循環がなく、Oリング17の摺動面に液冷媒や冷凍機油が存在しない。このため、サイクル起動時に弁体4が閉じようとしてもOリング17の引っかかりが生じて弁体4が動けず、圧縮機吸引側の冷媒圧力(2次圧P2)がさらに下がってベローズ5の内圧が上がることで、ベローズ5、コイルバネ14の伸び力が大きくなって初めて引っかかりが解除されて弁体4が急激に動き出すという挙動を起こす。このように弁体4が急な動きをすると、それがきっかけとなって弁体4が自励振動状態となって、異音が発生する。このように、比較例1の蒸発圧力調整弁101では、異音防止のためのOリング17が原因となって異音が発生するという皮肉な現象が生じてしまう。
これに対して、本実施形態では、ベローズ5内のステム6の外周面にOリング16を設置している。そして、ステム6の摺動面およびOリング16の摺動面に潤滑剤を付すとともに、Oリング16によってステム6に対して適度な摺動抵抗を付与している。ベローズ5内は、冷媒通路2の冷媒が侵入しない密閉空間であり、潤滑環境が変化しないので、常に、安定した摺動抵抗を確保できる。このため、冷凍サイクルがサイクル起動時にドライ運転状態になっても、Oリング16による摺動抵抗が過大となることはない。よって、本実施形態によれば、ドライ運転状態となるサイクル起動時の異音の発生を抑制できる。
また、比較例1の蒸発圧力調整弁101は、Oリング17が冷媒通路2内に設置されているため、Oリング17が冷媒や冷凍機油によって膨潤するという問題が生じる。特に、ヒートポンプのように、低温で運転される用途においては、Oリング17の材質として、EPDM(エチレン−プロピレン−ジエンゴム)等の耐低温性の優れるものが選定されるが、このような材質のものは、冷媒や冷凍機油による膨潤の程度が大きいため、経年的にOリング17が膨潤してしまう。Oリング17が膨潤すると、Oリング17の摺動抵抗が増大して、弁体4の開方向と閉方向での制御圧力差(ヒステリシス)が大きくなり作動不良が生じる場合がある。
これに対して、本実施形態では、Oリング16が冷媒通路2の冷媒が侵入しないベローズ5の内部に設置されているので、Oリング16の冷媒、冷凍機油による膨潤の心配がない。また、ベローズ5内は、シリコングリス、不活性ガスの環境下であるため、Oリング16がEPDMのように膨潤しやすい材質で構成されていても、Oリング16の膨潤を最小限に抑えることが可能である。これにより、本実施形態によれば、弁体4のヒステリシスの増加は極めてわずかですむため、初期の作動性能が永年にわたって確保できるという効果も奏する。
(第2実施形態)
図5、6に示すように、本実施形態は、ステム6に対して摺動抵抗を付与する抵抗付与部材として、バネ部材21を用いたものであり、その他の構成は、第1実施形態と同じである。
バネ部材21は、ガイド7の内周面に対して荷重をかけることで、ステム6に対して適度な摺動抵抗を付与するものである。具体的には、バネ部材21は、図7に示すように、金属製の棒状部材をL字状に折り曲げたものである。図7中の破線は、ガイド7に挿入する前のバネ部材21の状態を示しており、図7中の実線が、ガイド7に挿入した後のバネ部材21の状態を示している。したがって、バネ部材21は、図7中の矢印方向に荷重をかけるようになっている。なお、バネ部材21の形状は、これに限らず、ガイド7の内周面に荷重をかけられれば、他の形状であってもよい。
図5、6に示すように、2つの保持溝6cが、ステム6の外周面に対称的に配置されている。2つの保持溝6cにそれぞれバネ部材21が挿入されることで、バネ部材21がステム6に保持されている。
本実施形態においても、ベローズ5内のステム6の外周面に、抵抗付与部材としてのバネ部材21を設置しているので、第1実施形態と同様の効果を奏する。
ところで、比較例1の蒸発圧力調整弁101において、弁体4の摺動部4aにOリング17を設置する替わりに、本実施形態のバネ部材21を設置する場合が考えられる。この場合、Oリングの膨潤などの心配は不要であるが、特に上述のドライ運転のような潤滑環境の悪化が繰り返されると、バネ部材21が冷媒通路2を構成するボデー3の内壁を摺動する際に摩耗粉が生じ、この摩耗粉がサイクル内を巡回することで、膨張弁の閉塞、圧縮機の摺動面の摩耗などの様々な弊害を引き起こす心配があるため、実用に至らなかった。
一方、本実施形態では、バネ部材21はベローズ5内に設置されるため、仮に摩耗粉が発生してもサイクルへ流出する心配はなく、そもそもステム6とガイド7の摺動部の潤滑環境が安定しているため、摩耗粉の発生もわずかに抑えることができる。
(第3実施形態)
図8に示すように、本実施形態は、ステム6に対して摺動抵抗を付与する抵抗付与部材として、潤滑油31を用いたものである。以下、第1実施形態と異なる点について説明する。
潤滑油31は、ガイド7の内部に充填されている。そして、潤滑油31がガイド7からベローズ5内へ漏れ出さないように、ガイド7と調節ネジ10との間にパッキン32が挟まれているとともに、ガイド7内の弁体4側(図8中の右側)の端部にOリング33が設けられている。このOリング33は、ガイド7の内部に設けられた溝に保持されている。このように、ガイド7の内部に密閉空間が形成されており、この密閉空間に潤滑油31が充填されている。
一方、ステム6のうち潤滑油31が充填された密閉空間内に位置する摺動部6dは、ステム6の摺動部6dよりも弁体4側(図8中の右側)部分と比較して径が大きい形状となっている。このため、ガイド7内部の密閉空間は、ステム6の摺動部6dによって、ステム6の摺動部6dを挟んだ両側の部屋34、35に区画される。
ステム6には、ガイド7内部の密閉空間のうちステム6の摺動部6dによって区画される各部屋34、35同士を導通させる導通孔6eが形成されている。具体的には、導通孔6eは、軸線X線方向(図8中の左右方向)に延びており、ステム6が軸線X方向に移動する際、潤滑油31が、ステム6の摺動部6d全体よりも調節ネジ10側の第1室34と、ステム6の摺動部6d全体よりも弁体4側(図8中の右側)の第2室35とを行き来可能となっている。なお、導通孔6eは、軸線Xに垂直な方向にも延びており、ステム6の摺動部6dに設けられた凹部に潤滑油31が存在するようになっている。
本実施形態では、ステム6の摺動部6dがガイド7の内部を摺動する際に、ダッシュポット、すなわち、潤滑油31の粘性抵抗によって、ステム6に対して適度な摺動抵抗が付与される。さらに、本実施形態では、ガイド7の内周面に設置されたOリング33によっても、ステム6に対して摺動抵抗が付与されている。また、ガイド7の内部が潤滑油31で満たされているので、ステム6の摺動部6dとガイド7の摺動面の間や、Oリング33とステム6との間に潤滑油31が存在し、ステム6はガイド7の内部を円滑に摺動可能である。
本実施形態においても、ステム6に対して摺動抵抗を付与する抵抗付与部材がベローズ5内に配置されているので、第1実施形態と同様の効果を奏する。
(他の実施形態)
本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、下記のように、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。
(1)第1実施形態では、Oリング16をステム6の外周面6aに設けたが、第3実施形態のOリング33のように、Oリング16をガイド7の内周面に設けてもよい。また、第2実施形態では、バネ部材21をステム6の外周面6aに設けたが、ガイド7の内周面に設けてもよい。
(2)上記した各実施形態では、弁体4の駆動手段としてベローズ5を採用したが、他の駆動手段を採用しても良い。例えば、ベロフラムを採用してもよい。ベローズ5を用いない場合でも、内部に冷媒通路を流れる冷媒が侵入しない密閉空間を形成する密閉空間部材をボデー3に設け、この密閉空間部材の内部に、第1〜第3実施形態のように、弁体4と連動するステム6と、内部をステム6が摺動するガイド7とが配置された構成を採用する。この構成に、第1〜第3実施形態の抵抗付与部材を適用することで、第1実施形態と同様の効果を奏する。
(3)上記各実施形態は、互いに無関係なものではなく、組み合わせが明らかに不可な場合を除き、適宜組み合わせが可能である。また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
1 蒸発圧力調整弁
2 冷媒通路
3 ボデー
4 弁体
5 ベローズ(密閉空間部材)
6 ステム(軸部材)
7 ガイド(筒部材)
16 Oリング(抵抗付与部材)
21 バネ部材(抵抗付与部材)
31 潤滑油(抵抗付与部材)

Claims (6)

  1. 内部に冷媒通路(2)が形成されたボデー(3)と、
    前記ボデーの内部に設けられ、前記冷媒通路を開閉する弁体(4)と、
    前記ボデーに設けられ、内部に前記冷媒通路を流れる冷媒が侵入しない密閉空間(13)を形成する密閉空間部材(5)と、
    前記密閉空間部材の内部に配置され、前記弁体と連動する軸部材(6)と、
    前記密閉空間部材の内部に配置され、内部を前記軸部材が摺動する筒部材(7)と、
    前記密閉空間部材の内部に配置され、前記軸部材に対して摺動抵抗を付与する抵抗付与部材(16、21、31)とを備え
    前記密閉空間部材は、前記弁体に連結され、前記弁体に対して前記冷媒通路を閉じる側への荷重をかけるベローズ(5)であり、
    前記軸部材は、前記弁体に連結されるとともに前記冷媒通路の軸線(X)方向に延びており、前記冷媒通路の軸線(X)方向における前記弁体の移動をガイドするものであることを特徴とする蒸発圧力調整弁。
  2. 前記抵抗付与部材は、前記軸部材の外周面と前記筒部材の内周面の一方に設けたOリング(16)であることを特徴とする請求項に記載の蒸発圧力調整弁。
  3. 前記抵抗付与部材は、前記軸部材の外周面と前記筒部材の内周面の一方に設けたバネ部材(21)であることを特徴とする請求項に記載の蒸発圧力調整弁。
  4. 前記筒部材は、内部に密閉空間を形成しており、
    前記抵抗付与部材は、前記筒部材の前記密閉空間に充填された潤滑油(31)であることを特徴とする請求項に記載の蒸発圧力調整弁。
  5. 内部に冷媒通路(2)が形成されたボデー(3)と、
    前記ボデーの内部に設けられ、前記冷媒通路を開閉する弁体(4)と、
    前記ボデーに設けられ、内部に前記冷媒通路を流れる冷媒が侵入しない密閉空間(13)を形成する密閉空間部材(5)と、
    前記密閉空間部材の内部に配置され、前記弁体と連動する軸部材(6)と、
    前記密閉空間部材の内部に配置され、内部を前記軸部材が摺動する筒部材(7)と、
    前記密閉空間部材の内部に配置され、前記軸部材に対して摺動抵抗を付与する抵抗付与部材を備え
    前記抵抗付与部材は、前記軸部材の外周面と前記筒部材の内周面の一方に設けたバネ部材(21)であることを特徴とする蒸発圧力調整弁。
  6. 内部に冷媒通路(2)が形成されたボデー(3)と、
    前記ボデーの内部に設けられ、前記冷媒通路を開閉する弁体(4)と、
    前記ボデーに設けられ、内部に前記冷媒通路を流れる冷媒が侵入しない密閉空間(13)を形成する密閉空間部材(5)と、
    前記密閉空間部材の内部に配置され、前記弁体と連動する軸部材(6)と、
    前記密閉空間部材の内部に配置され、内部を前記軸部材が摺動する筒部材(7)と、
    前記密閉空間部材の内部に配置され、前記軸部材に対して摺動抵抗を付与する抵抗付与部材を備え
    前記筒部材は、内部に密閉空間を形成しており、
    前記抵抗付与部材は、前記筒部材の前記密閉空間に充填された潤滑油(31)であることを特徴とする蒸発圧力調整弁。
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