JP6144179B2 - 車両用シートパッド及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は車両座席シートを構成する車両用シートパッド及びその製造方法に関する。
自動車等の車両座席シートに係るシートパッドで、座部側シートパッドは表皮を被せればシートクッションとなり、背もたれ側シートパッドに表皮を被せればバックレストになって、車両座席シートの主要部を形成する。
該シートパッドのパッド本体は、軟質ポリウレタンフォーム等の発泡成形で造られており、リサイクル法に基づき、その材質を表示することが求められている。さらに、シートパッドには作業者がそれを仕分け,特定し易いように、製品チェック用や金型の型番用等の識別標識が通常、表示されている。
斯かる識別標識を製品に表示させる方法としては、製品完成後にラベル貼着等による後付けする方法の他、予め金型側で対応準備する発明が提案されている(例えば特許文献1)。
特開昭61-284932号公報
しかるに、特許文献1は、その特許請求の範囲に記載のごとく「半導体製造用樹脂封入金型のキャビティに半導体装置の製造メーカー名、品名、ロット区分等の捺印標識を刻印したことを特徴とする半導体製造用樹脂封入金型。」の内容にとどまる。
車両用シートパッドに関しては、座席シートになる段階で表皮が被され、隠れて見えなくなる意匠面側に識別標識を設けていたが、近年、表皮が薄くなっている。従来の表皮が、意匠面側の生地と、その裏面側に配したウレタンスラブやラミネートフィルムとの積層構造であったのに対し、コストダウン等により意匠面側の生地だけの表皮が登場している。そのため、特許文献1等のような金型に単に刻印した識別標識は、シートパッドに薄い表皮で覆った時に、識別標識の文字が浮き上がってしまう問題がある。意匠面側に設けた識別標識にあっては、うっすらとハイライトが外から見え、また触っても判明してしまう不具合が生じている。
この不具合改善策として、最近は識別標識を入れる場所を、図8のごとく意匠面Paからパッド側面Pbやパッド裏面Pcに変更する傾向にある。符号M1は製品チェック用識別標識、符号M2は型番用識別標識、符号M3は材質表示用識別標識を示す。
さらにパッド側面Pbなどにおいては、識別標識Mの文字の高さHも小さく対応するようになっている。それでも、シートパッドSPに表皮が被った状態下で、例えば助手席シートのパッド側面へ乗員が手を入れて触ると、識別標識Mの文字が彫り込んで在るのが判ってしまうという問題が発生している。
加えて、識別標識Mを設ける場所をパッド側面Pbやパッド裏面Pcに変更することが、作業者に製品の判別,仕分けを難しくし、作業効率を落とすことになっている。具体的には、納入時などで、作業者が台車にシートパッドSPを積むと、識別標識Mの文字が、小さくなり見づらいだけにとどまらず、パッド側面Pbやパッド裏面Pcに移ったために、下側になり見えなかったり、台車枠に隠れたりする新たな問題を生んでいる。箱に詰めた場合でも同じ問題が起きている。識別標識としての本来の機能が損なわれている。
さらにいえば、パッド本体の材質表示「PUR」の「P」などは、刻印文字を形成する凹状条線Zで囲まれる島状の孤立部分P8があり(図9)、パッド表面に特許文献1のような刻印を行うと、発泡成形で造られることから、孤立部分P8の表面にボイドVが現れ易くなる。この部分の不良のみで欠陥品となり、製品の歩留り低下を招いている問題もあった。
本発明は、上記問題を解決するもので、パッド本体の意匠面側に識別標識を設けて、単体の製品下で標識として機能発揮させ、識別標識を見易くする一方、表皮で覆うと、該表皮が生地だけで薄くても、外からその識別標識の存在が判らぬようにし、さらにその識別標識を大きく設けることも可能な車両用シートパッド及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成すべく、請求項1に記載の発明の要旨は、意匠面(1a)側が表皮(K)に覆われる車両用シートパッドにおいて、その意匠面(1a)に半球状に窪んだディンプル(23)が、パッド本体(2)の発泡成形で互いに離間して複数設けられ、且つ該ディンプル(23)の集合体がつくる文字(22)で、該パッド本体(2)を見分ける識別標識(21)が形成されてなることを特徴とする車両用シートパッドにある。請求項2の発明たる車両用シートパッドは、請求項1で、識別標識(21)は前記文字(22)のライン幅(W)が前記ディンプル(23)を二列以上並べて形成され、また該ディンプル(23)の直径(D)が3mmφ〜6mmφの範囲で、且つその深さ(h)が1.5mm〜3mmの範囲にあることを特徴とする。
請求項3の発明の要旨は、意匠面(1a)側が表皮(K)に覆われる車両用シートパッドの製造方法において、意匠面(1a)側のキャビティ形成用型面(41)に半球状に突出する凸部(42)が互いに離間して複数設けられた分割型(4a)を、備える金型(4)を用いて、該金型(4)のキャビティ(C)に液状発泡原料(g)を注入、型閉じし、しかる後、前記凸部(42)で成形されたディンプル(23)の集合体がつくる文字(22)で、パッド本体(2)を見分ける識別標識(21)を形成して、シートパッド用パッド本体(2)を発泡成形することを特徴とする車両用シートパッドの製造方法にある。請求項4の発明たる車両用シートパッドは、請求項3で、車両用シートパッドの形にしたモデル(m)を型枠に収めて砂を込めた後、該モデルのシートパッド意匠面側相当部分(m1)を反転させた捨て砂型(6)が固まる迄にこれを取り外し、該捨て砂型の型面(61)側に、板面(71)から半球状に突出する疣状突起(72)が複数設けられた板状片(7)を、該突起(72)が露出するように埋設して、板状片(7)付き捨て砂型(6)を一体化させ、次に、該板状片(7)付き捨て砂型(6)に砂を込めて固め、前記突起(72)で窪み(82)ができた本砂型(8A)を形成し、その後、該本砂型の型面(81)を反転させた粗分割型(9)を形成し、続いて、該窪み(82)が反転した半球状膨出部(92)の基端縁(92a)をエッジ仕上げ(ES)にして前記凸部(42)を形成した下型とし、該下型を前記分割型(4a)とすることを特徴とする。
請求項1,3の発明のごとく、ディンプル(23)の集合体がつくる文字(22)で識別標識(21)が意匠面(1a)に形成されると、単体製品ではその識別標識が見える一方、薄い表皮でも被せれば、ディンプル同士がつながってないので、識別標識が判らなくなる。且つ薄い表皮で覆っても、該識別標識のハイライトが見えるという事態にならない。したがって、シートパッドの意匠面にこの識別標識を設けることができる。
請求項2の発明のごとく、意匠面に識別標識が在ると、製品単体の状態下、作業者はシートパッドを見分け易くなる。納入時等で、台車に載せられたり箱詰めされたりしていても、簡単にシートパッドを見分けることができる。文字(22)のライン幅(W)がディンプル(23)を二列以上並べて形成され、さらに該ディンプル(23)の直径(D)が3mmφ〜6mmφの範囲で、且つその深さ(h)が1.5mm〜3mmの範囲にあると、ディンプル集合体の文字が読めるようになるので、識別標識としても読み取ることができる。
請求項4のごとく、半球状膨出部(92)の基端縁(92a)をエッジ仕上げ(ES)にして前記凸部(42)を形成した下型とすると、半球状に窪んだディンプル(23)の外周縁が鮮明になるので、識別標識用文字を楽に読み取ることができる。
本発明の車両用シートパッド及びその製造方法は、意匠面側に識別標識を設けて、単体製品下では見分け,判別することが容易になる一方、表皮で覆われれば、該表皮が薄くても見えず、且つ触ったくらいでは識別標識の存在が判らず、また、その識別標識を大きく設けることも可能になるなど優れた効果を発揮する。
本発明の車両用シートパッド及びその製造方法の一形態で、シートパッドを意匠面側から見た斜視図である。 (イ)が図1の識別標識の拡大正面図で、(ロ)が(イ)のII-II線矢視図である。 図1のシートパッド製造用分割型を作製する一工程図で、主要工程図を示す。 図3(ホ)の後の後半仕上げ工程図で、(イ)が図3(ホ)の要部拡大図、(ロ)が(イ)の後、エッジ仕上げした要部拡大図である。 図4の分割型が組み込まれた金型を用い、型開状態とし、発泡原料を注入する説明断面図である。 図5の型開状態から型閉じした説明断面図である。 図6の型閉じ後、シートパッドを発泡成形した説明断面図である。 従来技術の説明斜視図である。 図8のIX-IX線矢視図である。
以下、本発明に係る車両用シートパッド及びその製造方法について詳述する。図1〜図7は本発明の車両用シートパッド(以下、単に「シートパッド」ともいう。)及びその製造方法の一形態で、図1はシートパッドを意匠面側から見た斜視図、図2は(イ)が図1の識別標識の拡大正面図で、(ロ)が(イ)のII-II線矢視図、図3,図4は図1のシートパッド製造用分割型を作製する一工程図、図5〜図7は図4の分割型が組み込まれた金型を用いてシートパッドを発泡成形する各工程の断面図を示す。各図では、図面を判り易くするため、ディンプル23,凸部42等を強調して描き、また断面を表示するハッチング図示を適宜省略する。
(1)シートパッド
シートパッド1は、パッド本体2と裏当て材3とを具備し、金型4に該裏当て材3をインサートして、パッド本体2が一体発泡成形される車両用座席シートの主要部品である。図1ごとくの座部側シートパッド1とし、表皮Kを被せればシートクッションになる。意匠面1a側が表皮Kで覆われるシートパッド1に適用される。
パッド本体2は、軟質ポリウレタンフォーム等の発泡成形で造られ、図1に示すような座部形状に成形された発泡体である。中央にメイン部25が配され、その両側にサイド部26が配されるようにして乗用車用座部クッション体を形づくっている。符号27は吊溝、符号27aがその縦溝、符号27bが横溝を示し、縦溝27aがメイン部25とサイド部26とを区分けする。
裏当て材3は、パッド本体裏面2cの大きさに合わせて裁断されたシート状の布で、パッド本体2の発泡成形でその裏面2cに被着一体化される(図1)。製織しないで機械的,化学的,熱的などで繊維を固着したり絡み合わせたりして、シート状にした不織布が裏当て材3に用いられる。不織布には熱可塑性樹脂の繊維を集めて圧縮してシート状にしたフェルトがあり、これを用いることもできる。
上述のごとく、パッド本体2の発泡成形で、その裏面2cに裏当て材3が被着一体化してシートパッド1ができるが、複数のディンプル23が、パッド本体2の発泡成形で、意匠面2a側に互いに離間して同時成形される。パッド本体2の意匠面2aはシートパッド1の意匠面1aにもなっているが、該パッド本体2の発泡成形時に、意匠面2aに半球状に窪んだディンプル23が互いに離間して複数設けられる。そして、ディンプル23たる凹状ドットで文字22を表す。図1のごとくディンプル23の集合体がつくる文字22で、パッド本体2をひとめ見て区別できる材質表示、右左など製品チェック用又は型番用の識別標識21が形成される。
詳しくは、複数のディンプル23が集合して図2ごとくの文字22を形成する。この文字22が、一字又は複数並ぶことによって、パッド本体2を見分ける識別標識21となる。製品チェック用であったり、型番用であったり、さらに材質表示用であったりする識別標識21となる。図1,図2では、文字22がディンプル23の集合体であることを判り易くするため、一例としてディンプル23がつくる大きな「A」の一文字が、そのまま製品チェック用の識別標識21としている。製品チェック用識別標識21には、シートパッド1独自のアルファベットマークが指定され、型番用識別標識21には使用金型4ごとのシリアルナンバーが用いられる。該識別標識21は、一文字で構成する以外に、図8の「PUR」の文字22のように複数の文字22(三文字)で構成するケースも存在する。識別標識21は、アルファベットの他、数字,ひらがな,カタカナ等と多様であり、これらを組み合わせることも勿論できる。尚、パッド本体2の材質を表す図8の文字22「PUR」は、実際には「>PUR<」と表記されているが、簡略図示する。
ディンプル23はその周りの略平坦な意匠面2aからパッド本体2内へ半球状に窪むが、本実施形態は、平坦な意匠面2aからディンプル23の窪みへとつながる境界で、図2ごとくのエッジEができるようにしている。ディンプル23とその外周部に在る意匠面2aとの境界部分231が鮮明になり、ディンプル23が視認し易くなるからである。シートパッド1を取扱う作業者がディンプル23の集合体である文字22をいち早く特定できる。平坦な意匠面2aからディンプル23へと入り込むディンプル23の外周縁231がエッジEとなり、図2(ロ)のごとく屈曲点になる。
各ディンプル23は、その直径Dが3mmφ〜6mmφの範囲で、且つその深さhが1.5mm〜3mmの範囲にあるのが好ましい。これよりも小さいと、ディンプル23自体の窪みが小さすぎて、識別標識21の文字22が薄らぎ、判りづらくなり、一方、これよりも大きくなると、乗員が表皮Kの外から触った時にディンプル23の凹みを感じとるようになってしまうからである。
識別標識21用の各文字22の高さH(大きさ)については、従来技術で述べた種々の制約事情から、最近、30mm以下と小さいものに限定されるケースが多くなっている。しかし、本発明によれば特に制限がなく、図1のようにパッド本体2の意匠面2aに大きな文字22を描くことができる。
識別標識21の文字22を構成するディンプル23同士の離間距離は、パッド本体2を表皮Kで覆う前の意匠面2aが露出状態で、作業者等の看者が識別標識用文字22として認識できれば足り、特に制約はない。ディンプル23がつくる文字22のライン幅Wは、図2のごとく二列並べて形成したように、二列以上並べて形成するのが好ましい。文字22のライン幅として二列以上並べると、一目で識別標識用文字22として認識できるからである。
(2)シートパッド1の製造方法
前記シートパッド1は例えば以下のような製法によって造ることができる。シートパッド1の製造に先立ち、パッド本体裏面2cに合わせて、所定大きさに裁断した裏当て材3を準備する。また、パッド本体2の意匠面2a側にディンプル23が設けられるように、意匠面1a側の型面41に半球状凸部42が突出する分割型4aを備える金型4が用意される。
具体的には、図3,図4で示すような製作工程を経た金型4を用意する。金型4の下型となる分割型4aを次のようにして作製する。
まず、図3(イ)のごとく車両用シートパッド1の形にしたモデルmを準備する。ディンプル23の凹みを設けていない状態のシートパッド1外形に合わせた木型モデルmを造る。図3のモデルmはシートパッド外形を簡略図示したもので、符号m1がモデルのシートパッド意匠面側相当部分、符号m2は縦溝27a用溝部を示す。
そうして、モデルmを図示しない型枠に収めて砂(自硬性の砂)を込める。次いで、モデルmのシートパッド意匠面側相当部分m1を反転させた断面凹状の捨て砂型6が固まる迄に、モデルm付き受け材69を図3(ロ)の黒矢印方向に取り外す。続いて、該捨て砂型6が固まる迄に、捨て砂型6の型面61側に、板面71から半球状に突出する疣状突起72が複数設けられた板状片7を、該突起72が露出するように埋設する(図3のハ)。板状片7は、突起72を規則正しく配列***させて成形された突起72付き板状体から、所定大きさに切り取ったものである。突起72に比べて板状体に係る突起なしの部分は軟らかく、板状片7の切り取りが容易になっている。捨て砂型6の型面61と板状片7の板面71とが面一で、突起72が板面71から***するよう設定する。所定時間経過させて、板状片7と捨て砂型6を一体化させ、板状片7付き捨て砂型6が出来る。
次に、図3(ハ)のごとく突起72が上に向くように配した板状片7付き捨て砂型6に、砂を込めて固め、前記突起72によって窪み82ができた本砂型8Aを形成する。ここで、該窪み82が実際のディンプル23よりも大きく凹むように、前記突起72は大きめに設定している。その後、本砂型8Aの型面81を反転させた粗分割型9を形成し(図3のホ)、続いて、窪み82が反転した半球状膨出部92の本体部分をフライス等で削って仕上げると共に、膨出部92の基端縁92aも削ってエッジ仕上げESにして、凸部42が形成された下型4aを作製する(図4)。意匠面1a側のキャビティC形成用の型面41に、半球状に突出する凸部42が互いに離間して複数設けられた下型4aになる。
本実施形態は、本砂型8Aの型面81を反転させた粗分割型9を形成するに際し(図3のホ)、分割型の肉厚を薄くして型コストを抑えるべく、さらに図3(ニ)の工程を加えている。図3(ハ)で出来た本砂型8Aの窪み82と共に型面81、さらに外方に延在する型合わせ相当部分88aをも含めて、これらに図3(ニ)のごとく所定厚みの変形自在のゴムマットG(ここでは、ウレタンマットを採用)で密着させて覆う。符号G2は窪み82を埋める凸形成部、符号G5は縦溝用溝部m2を埋める突形成部を示す。型面81,窪み82,型合わせ相当部分88aにゴムマットGが積層される。しかる後、図示しない型枠内に、図3(ニ)のゴムマットG付き本砂型8Aを上下逆にしてセットし、その外側に砂を込めて固め、本砂型外8Bを固める(図3のホ)。尚、前記本砂型8Aは本砂型外8Bに対して本砂型内になる。
本砂型外8Bが出来た後、ゴムマットGを剥がし、本砂型外8Bと本砂型8Aとの金型用隙間εへ溶けた材料(ここでは溶解アルミ)を流して、粗分割型9を作製する。粗分割型9は、ゴムマットGの厚みを適宜指定することにより、所望の肉厚となる。その後、粗分割型9の半球状膨出部92の本体部分を削って仕上げ、且つ膨出部の基端縁92aも削ってエッジ仕上げESにして、型面41に複数の凸部42が疣状に***形成された下型4aを作製する。符号95は縦溝27aを形成するための突条を示す。
他の分割型たる上型4bは、凸部42を設ける必要がなく、公知の製作工程を経て作製される。上型4bは下型4aとの型閉じで、シートパッド1のキャビティCができるように造られる(図6)。下型4aに対し上型4bを回動可能にするヒンジ4cを組付けて、発泡成形用アルミ製金型4が出来上がる。
意匠面1a側が表皮Kに覆われる車両用シートパッド1の製造は、前記金型4を用いて、まず型開状態にして、シートパッド裏面1a側をつくる上型4bのキャビティ形成用型面47に、図示しない止具で裏当て材3を取付けセットする(図5)。裏当て材3のセットと相前後して、離型剤が下型型面41に適宜塗布される。ディンプル用成形部として、下型4aには凹部と違って凸部42が設けられているので、該離型剤の溜りによって埋まってしまう不具合は起こらない。
次いで、型開状態のまま、下型4aのキャビティCを形成する型面41に、注入ホースNL等を使用して、シートパッド1成形用ウレタン発泡原液等の発泡原料gを所定量注入する(図5)。
続いて、上型4bを作動させ型閉じする(図6)。上型4bと下型4aとの型閉じで、型合せ面48a,48bが当接して、裏当て材3がインサートセットされたシートパッド1用キャビティCができる。ディンプル23形成用の半球状の各凸部42が、下型型面41に疣状に独立して***している。そのため、注入された液状発泡原料gは下型型面41上を自在に流れるようになり、ボイド発生を防ぐことができる。
型閉じ後、シートパッド1の発泡成形に移る。図6の型閉じ状態を所定時間維持し、裏当て材3を埋設一体化したパッド本体2を発泡成形する(図7)。意匠面2a側を成形する下型型面41に設けた各凸部42の反転成形で、ディンプル23が形成される。各凸部42がエッジ仕上げESになっているので、凸部42で成形されるディンプル23の外周部とその周りの意匠面2aとの境界部分231には図2(ロ)に示すようなエッジEがつくられる。
裏当て材3,パッド本体2が一体となったシートパッド1の成形後、脱型する。意匠面1aにディンプル23の集合体がつくる文字22で、シートパッド1,パッド本体2を簡単に見分けることができる製品チェック用又は型番等の識別標識21が形成された所望の車両用シートパッド1が出来上がる(図1)。
(3)効果
このように構成した車両用シートパッド1及びその製造方法によれば、識別標識用文字22が、図1,図2のごとくディンプル23の集合体からなり、該識別標識21を読みとることができる。ディンプル23とその周りの意匠面2aとの境界部分231をエッジEに形成しているので、識別標識21の文字22が一層読みとり易くなっている。識別標識21がシートパッド1の意匠面2aに現れるので、シートパッド1が表皮Kで覆われなければ見易く、作業者等は識別標識21によりシートパッド1を楽に見分け、区別することができる。識別標識21がパッド本体2の意匠面2aに現れるので、単体製品下では標識として機能発揮し、納入時などで台車に積まれても、下側になって見えなかったり台車枠に隠れたりして、これまでの製品判別,仕分けを難しくしていた問題を一挙に解決する。台車や箱等に詰められる納入時、従来、製品側面2bや製品裏面2cに設けた識別標識21では機能を損ない、誤品の原因になってしまう不具合があったが、斯かる不具合は一掃される。
一方、シートパッド1が表皮Kで覆われて車両にセット状態になると、識別標識用文字22がディンプル23の集合体で形成されているので、表皮Kが生地だけで薄くなっても、表皮Kの外からでは判らない。文字22が浮き上がってしまうこれまでのような問題は解消される。薄い表皮Kを用いた場合でも、ハイライトが出ることはない。また、乗員が薄い表皮Kの上から識別標識21の文字22をなぞっても、本発明はディンプル23同士がつながっていないので、文字22と認識するのは極めて困難となる。文字22を形成するのが、凸状部でなくディンプル23の凹状部からなるので、表皮Kが被った外から触っても判らない。指でなぞっても判らない。
かくして、ディンプル23の集合体からなる文字22で構成された識別標識21をパッド本体2の意匠面2aに設けることが、これまでと違って何ら問題がなく、パッド本体意匠面2aに識別標識21を入れても、不都合がない。
そして、これまでのシートパッド1が、意匠面2aに識別標識21を設けるのが難しいとの理由で、パッド本体2の側面2b,底面2cに識別標識21を設けることから、文字22が小さくなって見づらくなっていたが、本発明の文字22は、既述のごとくディンプル23の集合体で形成しているので、大きくしても問題ない。図1,図2のように識別標識21の文字22を大きく設けて、見易くできるので、作業者はシートパッド1,パッド本体2の判別,仕分けが容易になる。
また、本出願人は、裏当て材3にパッド本体2の材質表記させる材質表示入りシートパッド1の製造方法を出願中(特願2012-117020号)であるが、型番用の識別標識21を設けることは困難な状況にある。本発明によれば、金型4ごとに、その型面41に型番用の識別標識21を形成する凸部42を設けることによって、難なく対応できる。
さらに、識別標識21のうち、図8,図9のごとく刻印文字22を形成する凹状条線Zで囲まれた島状孤立部分P8はボイドVが出来易く、該ボイドの部分だけで欠陥品になり歩留りを下げる問題があったが、本発明は識別標識21がディンプル23で形成されるのでこうした問題も起らない。
このように、本発明は、識別標識21がディンプル23で構成され、ディンプル23同士がつながってないので、表皮Kのない単体製品では識別標識21が見え、表皮Kを被せれば、生地だけの表皮Kで薄くても、識別標識21は見えなくなるという極めて理にかなったシートパッド1になっている。そして、本来の機能発揮させる意匠面2aに、識別標識21を設けることが可能になり、しかも該識別標識21を見易く大きく表示もでき、作業者の作業性向上、歩留まり向上等に優れた効果を発揮する。
尚、本発明においては前記実施形態に示すものに限られず、目的,用途に応じて本発明の範囲で種々変更できる。パッド本体2,裏当て材3,金型4,キャビティC等の形状,大きさ,個数,材質等は用途に合わせて適宜選択できる。例えば、本実施形態は座部側シートパッド1に適用したが、バックレストを形成する背もたれ側シートパッド1にも適用できる。
1 シートパッド
1a 意匠面
2 パッド本体
21 識別標識
22 文字
23 ディンプル
231 外周縁(境界部分)
4 金型
4a 分割型(下型)
41 意匠面側の型面(下型型面)
42 凸部
6 捨て砂型
7 板状片
71 板面
72 突起
8A 本砂型
9 粗分割型
C キャビティ
g 発泡原料
K 表皮

Claims (4)

  1. 意匠面(1a)側が表皮(K)に覆われる車両用シートパッドにおいて、
    その意匠面(1a)に半球状に窪んだディンプル(23)が、パッド本体(2)の発泡成形で互いに離間して複数設けられ、且つ該ディンプル(23)の集合体がつくる文字(22)で、該パッド本体(2)を見分ける識別標識(21)が形成されてなることを特徴とする車両用シートパッド。
  2. 前記識別標識(21)は前記文字(22)のライン幅(W)が前記ディンプル(23)を二列以上並べて形成され、また該ディンプル(23)の直径(D)が3mmφ〜6mmφの範囲で、且つその深さ(h)が1.5mm〜3mmの範囲にある請求項1記載の車両用シートパッド。
  3. 意匠面(1a)側が表皮(K)に覆われる車両用シートパッドの製造方法において、
    意匠面(1a)側のキャビティ形成用型面(41)に半球状に突出する凸部(42)が互いに離間して複数設けられた分割型(4a)を、備える金型(4)を用いて、該金型(4)のキャビティ(C)に液状発泡原料(g)を注入、型閉じし、しかる後、前記凸部(42)で成形されたディンプル(23)の集合体がつくる文字(22)で、パッド本体(2)を見分ける識別標識(21)を形成して、シートパッド用パッド本体(2)を発泡成形することを特徴とする車両用シートパッドの製造方法。
  4. 車両用シートパッドの形にしたモデル(m)を型枠に収めて砂を込めた後、該モデルのシートパッド意匠面側相当部分(m1)を反転させた捨て砂型(6)が固まる迄にこれを取り外し、該捨て砂型の型面(61)側に、板面(71)から半球状に突出する疣状突起(72)が複数設けられた板状片(7)を、該突起(72)が露出するように埋設して、板状片(7)付き捨て砂型(6)を一体化させ、次に、該板状片(7)付き捨て砂型(6)に砂を込めて固め、前記突起(72)で窪み(82)ができた本砂型(8A)を形成し、その後、該本砂型の型面(81)を反転させた粗分割型(9)を形成し、続いて、該窪み(82)が反転した半球状膨出部(92)の基端縁(92a)をエッジ仕上げ(ES)にして前記凸部(42)を形成した下型とし、該下型を前記分割型(4a)とする請求項3記載の車両用シートパッドの製造方法。
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