JP6136774B2 - 搬送システム、画像形成システム及び制御デバイス - Google Patents

搬送システム、画像形成システム及び制御デバイス Download PDF

Info

Publication number
JP6136774B2
JP6136774B2 JP2013179782A JP2013179782A JP6136774B2 JP 6136774 B2 JP6136774 B2 JP 6136774B2 JP 2013179782 A JP2013179782 A JP 2013179782A JP 2013179782 A JP2013179782 A JP 2013179782A JP 6136774 B2 JP6136774 B2 JP 6136774B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
roller
tension
estimated
sheet
estimation unit
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013179782A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015049614A (ja
Inventor
健一 家▲崎▼
健一 家▲崎▼
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Brother Industries Ltd
Original Assignee
Brother Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Brother Industries Ltd filed Critical Brother Industries Ltd
Priority to JP2013179782A priority Critical patent/JP6136774B2/ja
Priority to EP14172442.7A priority patent/EP2842759B1/en
Priority to US14/308,947 priority patent/US9039004B2/en
Publication of JP2015049614A publication Critical patent/JP2015049614A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6136774B2 publication Critical patent/JP6136774B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J13/00Devices or arrangements of selective printing mechanisms, e.g. ink-jet printers or thermal printers, specially adapted for supporting or handling copy material in short lengths, e.g. sheets
    • B41J13/0009Devices or arrangements of selective printing mechanisms, e.g. ink-jet printers or thermal printers, specially adapted for supporting or handling copy material in short lengths, e.g. sheets control of the transport of the copy material
    • B41J13/0027Devices or arrangements of selective printing mechanisms, e.g. ink-jet printers or thermal printers, specially adapted for supporting or handling copy material in short lengths, e.g. sheets control of the transport of the copy material in the printing section of automatic paper handling systems
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B65CONVEYING; PACKING; STORING; HANDLING THIN OR FILAMENTARY MATERIAL
    • B65HHANDLING THIN OR FILAMENTARY MATERIAL, e.g. SHEETS, WEBS, CABLES
    • B65H7/00Controlling article feeding, separating, pile-advancing, or associated apparatus, to take account of incorrect feeding, absence of articles, or presence of faulty articles
    • B65H7/20Controlling associated apparatus
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B65CONVEYING; PACKING; STORING; HANDLING THIN OR FILAMENTARY MATERIAL
    • B65HHANDLING THIN OR FILAMENTARY MATERIAL, e.g. SHEETS, WEBS, CABLES
    • B65H5/00Feeding articles separated from piles; Feeding articles to machines
    • B65H5/06Feeding articles separated from piles; Feeding articles to machines by rollers or balls, e.g. between rollers
    • B65H5/062Feeding articles separated from piles; Feeding articles to machines by rollers or balls, e.g. between rollers between rollers or balls
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B65CONVEYING; PACKING; STORING; HANDLING THIN OR FILAMENTARY MATERIAL
    • B65HHANDLING THIN OR FILAMENTARY MATERIAL, e.g. SHEETS, WEBS, CABLES
    • B65H5/00Feeding articles separated from piles; Feeding articles to machines
    • B65H5/06Feeding articles separated from piles; Feeding articles to machines by rollers or balls, e.g. between rollers
    • B65H5/068Feeding articles separated from piles; Feeding articles to machines by rollers or balls, e.g. between rollers between one or more rollers or balls and stationary pressing, supporting or guiding elements
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B65CONVEYING; PACKING; STORING; HANDLING THIN OR FILAMENTARY MATERIAL
    • B65HHANDLING THIN OR FILAMENTARY MATERIAL, e.g. SHEETS, WEBS, CABLES
    • B65H5/00Feeding articles separated from piles; Feeding articles to machines
    • B65H5/34Varying the phase of feed relative to the receiving machine
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B65CONVEYING; PACKING; STORING; HANDLING THIN OR FILAMENTARY MATERIAL
    • B65HHANDLING THIN OR FILAMENTARY MATERIAL, e.g. SHEETS, WEBS, CABLES
    • B65H7/00Controlling article feeding, separating, pile-advancing, or associated apparatus, to take account of incorrect feeding, absence of articles, or presence of faulty articles
    • B65H7/02Controlling article feeding, separating, pile-advancing, or associated apparatus, to take account of incorrect feeding, absence of articles, or presence of faulty articles by feelers or detectors
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B65CONVEYING; PACKING; STORING; HANDLING THIN OR FILAMENTARY MATERIAL
    • B65HHANDLING THIN OR FILAMENTARY MATERIAL, e.g. SHEETS, WEBS, CABLES
    • B65H2515/00Physical entities not provided for in groups B65H2511/00 or B65H2513/00
    • B65H2515/30Forces; Stresses
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B65CONVEYING; PACKING; STORING; HANDLING THIN OR FILAMENTARY MATERIAL
    • B65HHANDLING THIN OR FILAMENTARY MATERIAL, e.g. SHEETS, WEBS, CABLES
    • B65H2515/00Physical entities not provided for in groups B65H2511/00 or B65H2513/00
    • B65H2515/30Forces; Stresses
    • B65H2515/31Tensile forces

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Delivering By Means Of Belts And Rollers (AREA)
  • Controlling Sheets Or Webs (AREA)
  • Feedback Control In General (AREA)

Description

本発明は、搬送システム、画像形成システム及び制御デバイスに関する。
シートを搬送する搬送システムとしては、シートの搬送経路に沿って複数のローラを備えたシステムが従来知られている。この搬送システムによれば、複数のローラの回転によりシートを搬送経路の下流に搬送する。シートの搬送制御は、複数のローラを回転駆動する共通のモータ又はローラ毎のモータを制御することによって実現される。この種の搬送システムは、例えば、インクジェットプリンタ等の画像形成システムに搭載される。
この他、ロール状に巻かれたシートを搬送経路の下流に送り出す搬送システムが知られている。例えば、上記ロール状に巻かれたシートを送出する送り出しローラと、それより下流に設置された搬送ローラと、を備えたシステムが知られている(特許文献1参照)。
この搬送システムによれば、送り出しローラ及び搬送ローラの制御により、シートの速度を制御する。また、張力を考慮した補正を行いながら送り出しローラを制御することにより、シートの張力を制御する。
特開2006−008322号公報
しかしながら、上述した技術によれば、シートの速度を調整するための駆動制御については、複数のローラに対して行うものの、シートの張力を調整するための駆動制御については、複数のローラの内、送り出しローラに対してのみ行う。このため、高精度に張力の制御を行うことが難しいといった問題があった。
特に、定型用紙等の短いシートを搬送するシステムでは、シートに過度の負荷がかかると、シートに滑りが生じる。従って、シートの状態量(位置、速度又は加速度等)を制御しながら、従来のようにシートの張力を一つのローラのみで制御しようとしても、適切な制御を行うことが難しい。
本発明は、こうした問題に鑑みなされたものであり、複数のローラでシートを搬送するシステムにおいて、シートの状態量及び張力を高精度に制御可能な技術を提供することを目的とする。
本発明の搬送システムは、シートの搬送経路に沿って互いに離れて配置された第一ローラと第二ローラとを備える搬送機構を有する。これらのローラは、回転によりシートを所定の搬送方向に搬送する。この搬送システムは、更に、第一駆動デバイスと、第二駆動デバイスと、第一計測デバイスと、第二計測デバイスと、制御デバイスとを備える。
第一駆動デバイスは、第一ローラを回転駆動し、第二駆動デバイスは、第二ローラを回転駆動する。第一計測デバイスは、第一ローラの回転運動に関する状態量Z1を計測し、第二計測デバイスは、第二ローラの回転運動に関する状態量Z2を計測する。
制御デバイスは、第一駆動デバイス及び第二駆動デバイスを制御することによって、第一ローラと第二ローラとの回転によるシートの搬送動作を制御する。制御デバイスは、第一推定ユニットと、第二推定ユニットと、第一演算ユニットと、第二演算ユニットと、第一駆動制御ユニットと、第二駆動制御ユニットとを備える。
第一推定ユニットは、第一駆動デバイスによる回転駆動時に第一ローラに作用する反力R1を推定し、第二推定ユニットは、第二駆動デバイスによる回転駆動時に第二ローラに作用する反力R2を推定する。
第一演算ユニットは、第一計測デバイスより計測された状態量Z1と第二計測デバイスにより計測された状態量Z2とに基づき、シートの状態量(Z1+Z2)/2と、目標状態量との偏差に応じた操作量U1を算出する。
一方、第二演算ユニットは、第一推定ユニットにより推定された反力R1と第二推定ユニットにより推定された反力R2とに基づき、シートの推定張力(R1−R2)/2と、目標張力との偏差に応じた操作量U2を算出する。
第一駆動制御ユニットは、操作量U1と操作量U2との和(U1+U2)に応じた制御信号を第一駆動デバイスに入力することにより、第一駆動デバイスを制御し、第二駆動制御ユニットは、操作量U1と操作量U2との差(U1−U2)に応じた制御信号を第二駆動デバイスに入力することにより、第二駆動デバイスを制御する。
このように、本発明の搬送システムによれば、シートの状態量を制御するための操作量U1と、シートの張力を制御するための操作量U2とを算出し、第一駆動デバイス及び第二駆動デバイスに対しては、夫々、これらの操作量U1,U2の和(U1+U2)及び差(U1−U2)に対応した制御信号を入力する。
本発明によれば、第一駆動デバイスに対する操作量(U1+U2)及び第二駆動デバイスに対する操作量(U1−U2)に含まれるU1成分により、シートの状態量が適切に制御される。一方、第一駆動デバイスに対する操作量に含まれる+U2成分、及び、第二駆動デバイスに対する操作量に含まれる−U2成分により、シートの張力が適切に制御される。従って、シートの状態量及び張力を高精度に制御して、二つのローラでシートを搬送することができ、高性能な搬送システムを構成することができる。
但し、推定される反力R1,R2には、張力に起因する反力以外の成分(非張力成分)も含まれ得る。上記推定された反力R1,R2が非張力成分を含む場合には、その非張力成分が、速度及び張力の少なくとも一方に対する制御誤差を生じさせる原因となり得る。
そこで、制御デバイスには、非張力成分RE1又は非張力成分RE2を推定する第三推定ユニットを設けることができる。ここで言う非張力成分RE1は、第一推定ユニットが推定する反力R1の内、シートの張力に起因しない成分であり、非張力成分RE2は、第二推定ユニットが推定する反力R2の内、シートの張力に起因しない成分である。
第三推定ユニットは、第一ローラ及び第二ローラの両者ではなく第一ローラ及び第二ローラの内の一方によってシートが搬送される期間に推定された反力R1又は反力R2に基づき、非張力成分RE1又は非張力成分RE2を推定する構成にすることができる。
具体的に、第三推定ユニットは、第一ローラによってシートが搬送される期間に第一推定ユニットにより推定された反力R1に基づき、非張力成分RE1を推定する構成にされ得る。あるいは、第三推定ユニットは、第二ローラによってシートが搬送される期間に第二推定ユニットにより推定された反力R2に基づき、非張力成分RE2を推定する構成にされ得る。
一方、第二演算ユニットは、第三推定ユニットにより推定された非張力成分RE1及び非張力成分RE2の内の一方に基づき、非張力成分RE1及び非張力成分RE2に起因する制御誤差を抑えるように、操作量U2を補正する構成にすることができる。
具体的に、第二演算ユニットは、第一ローラ及び第二ローラの両者によってシートが搬送される状態で、シートの推定張力(R1−R2)/2に含まれる非張力成分RE1及び非張力成分RE2に起因する制御誤差を抑えるように操作量U2を補正する構成にされ得る。操作量U2の補正は、例えば、操作量U2を直接補正することにより、又は、操作量U2の算出過程で用いられるパラメータを補正することにより、実現することができる。この搬送システムによれば、上記推定される反力R1,R2に非張力成分が含まれることに起因する制御誤差を抑えることができる。
付言すると、第二演算ユニットは、第一推定ユニットにより推定された反力R1と第二推定ユニットにより推定された反力R2との和(R1+R2)と、第三推定ユニットにより推定された非張力成分RE1及び非張力成分RE2の内の一方と、の差を算出することによって、非張力成分RE1及び非張力成分RE2の内の他方を推定する構成にすることができる。更に、第二演算ユニットは、第三推定ユニットにより推定された非張力成分RE1及び非張力成分RE2の内の一方と、上記推定した非張力成分RE1及び非張力成分RE2の内の他方とを用いて、操作量U2を補正する構成にすることができる。
現実の非張力成分は、短い時間でも変化する可能性があるが、上述した第二演算ユニットによれば、上記非張力成分RE1及び非張力成分RE2の内の他方を、概ねリアルタイムに推定することができ、高精度なシートの搬送制御を実現することができる。
また、第二演算ユニットは、次のように操作量U2を補正する構成にすることができる。第一例として、第二演算ユニットは、操作量U2の算出に用いる推定張力(R1−R2)/2を、推定張力{(R1−RE1)−(R2−RE2)}/2に補正し、補正後の推定張力{(R1−RE1)−(R2−RE2)}/2と目標張力との偏差に応じた操作量U2を算出することにより、操作量U2を補正する構成にすることができる。
第二例として、第二演算ユニットは、推定張力(R1−R2)/2を、推定張力{(R1−RE1)−(R2−RE2)}/2に補正して操作量U2を算出するのと等価な操作量U2の算出処理を、目標張力、又は、目標張力と推定張力(R1−R2)/2との両者を補正して実行することにより、操作量U2を補正する構成にすることができる。
この他、第一ローラが第二ローラよりも搬送方向における下流側に位置する環境において、第三推定ユニットは、第二ローラによってシートが搬送される期間であってシートの先端が第一ローラに到達する前の期間に、第二推定ユニットにより推定された反力R2に基づき、非張力成分RE2を推定する構成にすることができる。一方、第二演算ユニットは、シートの先端が第一ローラに到達した後、シートが第一ローラ及び第二ローラの両者によって搬送される状態において、第三推定ユニットが直前の上記期間に第二推定ユニットにより推定された反力R2を用いて推定した非張力成分RE2に基づき、操作量U2を補正する構成にすることができる。
このように操作量U2を補正すれば、一層高精度にシートの搬送制御を行うことができる。具体的に、第三推定ユニットは、第一ローラ及び第二ローラの両者によってシートが搬送される直前において第二推定ユニットにより推定された反力R2を非張力成分RE2として推定する構成にされ得る。
この他、第三推定ユニットは、第一ローラ及び第二ローラの両者ではなく第二ローラ(又は第一ローラ)によってシートが搬送される期間において第二推定ユニット(又は第一推定ユニット)により推定された反力R2(又は反力R1)の一群に基づいて、この期間における反力R2(又は反力R1)の代表値を算出することにより、この代表値を非張力成分RE2(又は非張力成分RE1)として推定する構成にされ得る。第三推定ユニットは、上記一群を統計処理することで、上記代表値として、一群の平均値、中央値及び最頻値のいずれか一つを算出する構成にすることができる。
また、本発明の搬送システムは、シートの状態量としてシートの速度を制御する構成にされ得る。この場合、第一計測デバイス及び第二計測デバイスは、状態量Z1及び状態量Z2として、第一ローラの回転速度及び第二ローラの回転速度を計測することができる。
また、上述した搬送システムは、画像形成システムに組み込むことができる。具体的に、画像形成システムは、上記搬送システムを備えると共に、シートの搬送経路の上方に、インク液滴を吐出することによりシートに画像を形成する画像形成デバイスを備えた構成にされ得る。第一ローラ及び第二ローラは、例えば、画像形成デバイスが上方に設けられた搬送経路内の区間を挟んで配置される。
画像形成デバイスの吐出部からインク液滴を吐出してシートに画像を形成する際に、シートの速度や張力を制御できない場合には、シートの速度や撓みの変化によって、インク液滴の着弾点にずれが生じ、シートに形成される画像の品質が劣化する可能性がある。本発明の画像形成システムによれば、このような画質の劣化を抑えることができる。
また、本発明は、シートの搬送経路に沿って互いに離れて配置された第一ローラ及び第二ローラの回転によりシートの搬送動作を実現する搬送機構において、第一ローラを回転駆動する第一駆動デバイス及び第二ローラを回転駆動する第二駆動デバイスを、制御することにより、シートの搬送動作を制御する制御デバイスとして構成され得る。
制御デバイスは、例えばコンピュータにより構成され得る。この場合、制御デバイスが備える上述した各ユニットとしての機能は、コンピュータがプログラムを実行することにより実現される。プログラムは、フレキシブルディスク等の磁気ディスクや、DVD等の光ディスク、フラッシュメモリ等の半導体製メモリに代表されるコンピュータ読取可能な記録媒体に記録され得る。あるいは、制御デバイスは、専用の回路として構成され得る。
画像形成システムにおける用紙搬送経路周辺の構成を表す図である。 画像形成システムの全体構成を表すブロック図である。 用紙の撓みによるヘッド下面と用紙表面との距離変化を示す図である。 搬送制御デバイスの詳細構成を表すブロック図である。 第一反力推定部の構成を表すブロック図である。 張力偏差算出部の構成を表すブロック図である。 搬送制御デバイスによる制御手順を例示するフローチャートである。 非張力成分を加味した補正を伴う搬送制御における各種パラメータの変化を例示するグラフである。 非張力成分を加味した補正を伴わない搬送制御における各種パラメータの変化を例示するグラフである。
以下に本発明の実施例について、図面と共に説明する。図1に示す本実施例の画像形成システム1は、用紙Qの搬送経路を構成するプラテン101の上方に、インクジェットヘッド31を備えるインクジェットプリンタである。
インクジェットヘッド31は、その下面から、プラテン101上を通過する用紙Qに向けてインク液滴を吐出する。この吐出動作によって、用紙Qに画像を形成する。このインクジェットヘッド31は、ライン方向(図1法線方向)に長尺な形状を有し、プラテン101上を通過する用紙Qのライン方向の全域に画像を形成可能な構成にされる。
従来型のインクジェットプリンタは、用紙Qを停止した状態で、インクジェットヘッドをライン方向に定速搬送しながら、インクジェットヘッドにインク液滴を吐出させることによって、ライン方向に画像を形成する。その後、所定量だけ用紙Qを下流に送り出す。このような動作を繰り返し実行することにより、用紙Qに画像を形成する。
これに対し、本実施例の画像形成システム1は、用紙Qを間欠搬送せずに、用紙Qを搬送方向に定速搬送した状態で、長尺なインクジェットヘッド31からインク液滴を吐出し、用紙Qに画像を形成する。
この画像形成システム1において、用紙Qは、第一ローラ110及び第二ローラ120の回転によって、プラテン101に沿う搬送経路の上流から下流に搬送される。第一ローラ110は、プラテン101の下流で、第一従動ローラ115に対向配置される。第二ローラ120は、プラテン101の上流で、第二従動ローラ125に対向配置される。
第一ローラ110は、第一従動ローラ115との間に用紙Qを挟持した状態で回転することにより、用紙Qを下流に搬送する。第一ローラ110は、直流モータで構成される第一モータ73によって回転駆動される。一方、第二ローラ120は、第二従動ローラ125との間に用紙Qを挟持した状態で回転することにより、用紙Qを下流に搬送する。第二ローラ120は、第一モータ73と同じ直流モータで構成される第二モータ83によって回転駆動される。
即ち、この画像形成システム1は、プラテン101を挟んで搬送経路に沿って互いに離れて配置された第一ローラ110及び第二ローラ120によって、用紙Qを搬送方向に離れた二地点で担持した状態で下流に搬送する。付言すると、この画像形成システム1は、用紙Qを第二ローラ120に供給する前の段階から、第一モータ73及び第二モータ83を回転駆動し、第一ローラ110及び第二ローラ120を一定速度で回転させる。そして、第一ローラ110及び第二ローラ120が一定速度で回転している状態で、用紙Qを、第二ローラ120の上流から第二ローラ120に供給する。
本実施例の画像形成システム1は、図2に示すように、メインコントローラ10と、通信インタフェース20と、記録部30と、給紙部40と、用紙搬送部50とを備える。上述した第一ローラ110及び第一従動ローラ115、第二ローラ120及び第二従動ローラ125、並びに、プラテン101を備える用紙Qの搬送機構100は、用紙搬送部50に設けられる。
メインコントローラ10は、マイクロコンピュータ等から構成され、画像形成システム1を統括制御する。通信インタフェース20は、メインコントローラ10と外部機器(パーソナルコンピュータ等)との間の通信を実現する。このメインコントローラ10は、通信インタフェース20を介して外部機器から印刷対象の画像データを受信し、この印刷対象の画像データに基づく画像が用紙Qに形成されるように、記録部30、給紙部40及び用紙搬送部50を制御する。
記録部30は、上述したインクジェットヘッド31と、その駆動回路(図示せず)とを主に備える。この記録部30は、メインコントローラ10からの指示に従って、インクジェットヘッド31を駆動し、用紙Qに印刷対象の画像データに基づく画像を形成する。一方、給紙部40は、図示しない給紙ローラや給紙トレイ等を備え、メインコントローラ10からの指示に従って、上流から第二ローラ120に用紙Qを供給する。
この他、用紙搬送部50は、搬送機構100の他に、搬送制御デバイス60と、第一駆動回路71と、第一モータ73と、第一エンコーダ75と、第一信号処理回路77と、第二駆動回路81と、第二モータ83と、第二エンコーダ85と、第二信号処理回路87と、レジストセンサ90とを備える。
第一駆動回路71は、第一モータ73を駆動する回路であり、搬送制御デバイス60から入力される制御信号であるPWM信号に従って、PWM信号のデューティー比に対応する駆動電流で第一モータ73を駆動する。第一モータ73は、この第一駆動回路71によって駆動されて、第一ローラ110を回転駆動する。
一方、第一エンコーダ75は、第一ローラ110が所定角度回転する度にパルス信号を出力するロータリエンコーダである。第一エンコーダ75は、直接又は間接的に第一ローラ110の回転運動を観測可能な位置に設けられる。例えば、第一エンコーダ75は、第一ローラ110の回転軸又は第一モータ73の回転軸に設置される。第一エンコーダ75は、周知のロータリエンコーダと同様、上記パルス信号として、位相が異なるA相信号及びB相信号を出力する。以下、これらの信号をまとめてエンコーダ信号と表現する。
第一エンコーダ75から出力されるエンコーダ信号は、第一信号処理回路77に入力される。第一信号処理回路77は、このエンコーダ信号に基づいて、第一ローラ110の回転量X1及び回転速度V1を計測し、計測した回転量X1及び回転速度V1の情報を搬送制御デバイス60に入力する。
この他、第二駆動回路81は、第二モータ83を駆動する回路であり、搬送制御デバイス60から入力されるPWM信号に従って、PWM信号のデューティー比に対応する駆動電流で第二モータ83を駆動する。第二モータ83は、この第二駆動回路81によって駆動されて、第二ローラ120を回転駆動する。
一方、第二エンコーダ85は、エンコーダ信号(A相信号及びB相信号)として、第二ローラ120が所定角度回転する度にパルス信号を出力するロータリエンコーダである。第二エンコーダ85は、第二ローラ120の回転運動を観測可能な位置に設けられる。
第二エンコーダ85から出力されるエンコーダ信号(A相信号及びB相信号)は、第二信号処理回路87に入力される。第二信号処理回路87は、このエンコーダ信号に基づいて、第二ローラ120の回転量X2及び回転速度V2を計測し、計測した回転量X2及び回転速度V2の情報を搬送制御デバイス60に入力する。この他、レジストセンサ90は、第二ローラ120の上流側で、第二ローラ120の近傍に設けられて、用紙Qがこの地点を通過したことを表す信号を、搬送制御デバイス60に入力する。
また、搬送制御デバイス60は、PWM信号の出力により、第一モータ73及び第二モータ83を制御する。搬送制御デバイス60は、第一モータ73に対する操作量(第一操作量Us)及び第二モータ83に対する操作量(第二操作量Ud)を算出し、これらの操作量に対応するPWM信号を、対応する第一駆動回路71及び第二駆動回路81に入力する。搬送制御デバイス60は、このような第一モータ73及び第二モータ83に対するPWM制御によって、第一ローラ110及び第二ローラ120の回転による用紙Qの搬送動作を制御する。
具体的に、搬送制御デバイス60は、用紙Qがプラテン101上で定速搬送されるように、第一モータ73及び第二モータ83を制御する。また、用紙Qが第一ローラ110及び第二ローラ120の両者からの力を受けて搬送されるときには、用紙Qが適当な張力を有した状態で搬送されるように、第一モータ73及び第二モータ83を制御する。
張力を考慮したモータ制御を行う理由は次の通りである。本実施例によれば、第一ローラ110及び第二ローラ120を、個別のモータ73,83を用いて回転駆動する。このため、張力を考慮しないモータ制御を行った場合には、図3に示すようにプラテン101上で用紙Qが撓み易い。更に言えば、撓みが一定でないために、インクジェットヘッド31の下面と用紙との間の距離Dに変化が生じ易い。
本実施例では、用紙Qを搬送した状態で、インクジェットヘッド31からインク液滴を吐出する。このため、距離Dが変化すると、インクジェットヘッド31から吐出されるインク液滴の用紙Qにおける着弾点が想定地点からずれてしまう。このような着弾点のずれは、用紙Qに形成される画像の品質に悪影響を与える。このような理由により、搬送制御デバイス60は、用紙Qの速度と共に張力を制御するように、第一モータ73及び第二モータ83を制御する。
続いて、搬送制御デバイス60の詳細構成を説明する。図4に示す搬送制御デバイス60は、目標速度設定部210と、速度偏差算出部220と、速度制御器230と、第一操作量算出部240と、第一PWM信号生成部250と、第一反力推定部260と、目標張力設定部270と、張力偏差算出部280と、張力制御器300と、第二操作量算出部310と、第二PWM信号生成部320と、第二反力推定部330とを備える。
目標速度設定部210は、用紙Qの目標速度Vrを設定する。この目標速度設定部210は、用紙Qが定速搬送されるように、各時刻の目標速度Vrとして固定値を設定する。
一方、速度偏差算出部220は、用紙速度算出部221と、減算器225とを備える。用紙速度算出部221は、第一信号処理回路77により計測された回転速度V1と第二信号処理回路87により計測された回転速度V2との平均(V1+V2)/2を、用紙Qの推定速度Vaとして算出する。減算器225は、目標速度設定部210によって設定された目標速度Vrと上記推定速度Vaとの偏差Ev(=Vr−Va)を算出する。速度偏差算出部220は、このように算出された偏差Evを、速度制御器230に入力する。
速度制御器230は、上記偏差Evに応じた操作量Uvを、制御対象の伝達モデルに基づく所定の伝達関数Gに従って算出する。操作量Uvは、用紙Qの速度を目標速度Vrに制御するための操作量である。ここで言う制御対象は、第1の制御対象と第2の制御対象との和であり、伝達関数Gは、第1の制御対象と第2の制御対象との和に対応する伝達モデルに基づく。第1の制御対象の伝達系は、第一駆動回路71、第一モータ73、第一ローラ110、第一エンコーダ75及び第一信号処理回路77である。第2の制御対象の伝達系は、第二駆動回路81、第二モータ83、第二ローラ120、第二エンコーダ85及び第二信号処理回路87である。
速度制御器230は、上記伝達関数Gに従って、用紙Qの速度が目標速度Vrに追従するような操作量Uvを算出する。具体的には、操作量Uvとして、第一モータ73及び第二モータ83に印加すべき駆動電流を算出する。
一方、目標張力設定部270は、用紙Qの目標張力Rrを設定する。目標張力設定部270は、第一ローラ110及び第二ローラ120の両者によって用紙Qが搬送されるときには、用紙Qが適当な張力を有した状態で搬送されるように、ゼロではない所定の目標張力Rrを設定する。一方、第一ローラ110及び第二ローラ120の両者によって用紙Qが搬送されないときには、目標張力Rrをゼロに設定する。
張力偏差算出部280は、第一反力推定部260により推定された反力R1と第二反力推定部330により推定された反力R2と、目標張力設定部270により設定された目標張力Rrとに基づき、用紙Qの推定張力Raと目標張力Rrとの偏差に対応した値Erを算出し、これを張力制御器300に入力する。推定張力Raは、例えば、第一反力推定部260により推定された反力R1と、第二反力推定部330により推定された反力R2との差(R1−R2)に対応する値(R1−R2)/2として算出される。値Er(以下、単に偏差Erと表現する。)は、例えば、Er=Rr−Raとして算出される。
第一反力推定部260は、第一モータ73による回転駆動時に第一ローラ110に作用する反力R1を推定し、第二反力推定部330は、第二モータ83による回転駆動時に第二ローラ120に作用する反力R2を推定する。反力R1,R2は、力の作用方向に応じて正負の値を採る。本明細書では、用紙Qの搬送方向とは反対向きに作用する反力が正値を採り、用紙Qの搬送方向と同一方向に作用する反力が負値を採るものとする。
張力偏差算出部280は、推定された反力R1,R2に含まれる非張力成分RE1,RE2を加味して、偏差Erを値(Rr−Ra)から補正する機能を有する(詳細後述)。
張力制御器300は、張力偏差算出部280から入力される偏差Erに応じた操作量Urを、制御対象の伝達モデルに基づく所定の伝達関数Hに従って算出する。操作量Urは、用紙Qの張力を目標張力Rrに制御するための操作量である。ここで言う制御対象は、第1の制御対象と第2の制御対象との差であり、伝達関数Hは、第1の制御対象と第2の制御対象との差に対応する伝達モデルに基づく。
張力制御器300は、上記伝達関数Hに従って、用紙Qの張力が目標張力Rrに追従するような操作量Urを算出する。具体的には、操作量Urとして、第一モータ73及び第二モータ83に印加すべき駆動電流を算出する。
この他、第一操作量算出部240は、速度制御器230により算出された操作量Uvと、張力制御器300により算出された操作量Urとの和(Uv+Ur)を、第一操作量Usとして算出する。第一操作量Us(=Uv+Ur)は、第一モータ73に対する操作量、換言すれば第一駆動回路71に対する電流指令値に対応する。
一方、第二操作量算出部310は、速度制御器230により算出された操作量Uvと、張力制御器300により算出された操作量Urとの差(Uv−Ur)を、第二操作量Udとして算出する。第二操作量Ud(=Uv−Ur)は、第二モータ83に対する操作量、換言すれば第二駆動回路81に対する電流指令値に対応する。
ここで、搬送制御デバイス60が、第一操作量Usとして、操作量Uvと操作量Urとの和を算出し、第二操作量Udとして、操作量Uvと操作量Urとの差を算出する理由について説明する。用紙Qに張力を生じさせるためには、第一モータ73には、速度制御に必要な力よりも張力分大きい力が第一モータ73から第一ローラ110に作用するように駆動電流を調整する必要がある。一方、第二ローラ120には、張力により搬送方向に引っ張られる反力である負の反力が加わるために、第二モータ83には、本来速度制御に必要な力よりも張力分小さい力が第二モータ83から第二ローラ120に作用するように、駆動電流を調整する必要がある。このような理由により、搬送制御デバイス60では、第一操作量Usとして、操作量Uvと操作量Urの和を算出し、第二操作量Udとして、操作量Uvと操作量Urの差を算出する。
第一PWM信号生成部250は、このように算出された第一操作量Usに対応する駆動電流で第一モータ73を駆動するデューティー比のPMW信号を生成し、これを第一駆動回路71に入力する。第一駆動回路71は、このPWM信号に従って、第一操作量Usに対応する駆動電流で第一モータ73を駆動する。
一方、第二PWM信号生成部320は、第二操作量Udに対応する駆動電流で第二モータ83を駆動するデューティー比のPMW信号を生成し、これを第二駆動回路81に入力する。第二駆動回路81は、このPWM信号に従って、第二操作量Udに対応する駆動電流で第二モータ83を駆動する。
この他、上述した第一反力推定部260は、第一操作量算出部240によって算出された第一操作量Usと第一信号処理回路77にて計測された回転速度V1とに基づいて、第一モータ73に作用する反力R1を推定する。一方、第二反力推定部330は、第二操作量算出部310によって算出された第二操作量Udと、第二信号処理回路87にて計測された回転速度V2とに基づいて、第二モータ83に作用する反力R2を推定する。
ここで、第一反力推定部260及び第二反力推定部330の構成について詳述する。但し、第一反力推定部260及び第二反力推定部330は、同一の原理で反力R1,R2を推定する。このため、以下では、第一反力推定部260の詳細構成を代表して説明する。第二反力推定部330は、操作量Us及び回転速度V1に代えて、操作量Ud及び回転速度V2を用いて、第一反力推定部260と同様の原理で、反力R2を推定するものと理解されたい。
第一反力推定部260は、図5に示すように、外乱オブザーバ410と、推定部420とを備える。外乱オブザーバ410は、周知のように制御対象に作用する外乱を推定するものである。この外乱オブザーバ410は、逆モデル演算部411と、減算器413と、ローパスフィルタ415とを備える。
逆モデル演算部411は、上記第1の制御対象の伝達モデルに対応する逆モデルの伝達関数P-1を用いて、第一信号処理回路77により計測された回転速度V1を、対応する操作量U*に変換する。減算器413は、第一モータ73に入力された操作量Usと、逆モデル演算部411にて算出された操作量U*との偏差(Us−U*)を算出する。
ローパスフィルタ415は、この偏差(Us−U*)から高周波成分を除去する。外乱オブザーバ410は、このローパスフィルタ415による高周波成分除去後の偏差(Us−U*)を、外乱推定値τとして出力する。偏差(Us−U*)は、操作量Usが電流指令値である関係上、単位をアンペアとするものであるが、直流モータが駆動源である場合、アンペアとトルク(反力)との間には比例関係が成立する。このため、偏差(Us−U*)は、外乱として制御対象に作用する力を間接的に表す。
推定部420は、この外乱推定値τに基づき、用紙Qの張力に起因する反力R1を推定する。外乱推定値τには、回転に伴う粘性摩擦成分及び動摩擦成分が含まれる。推定部420は、外乱推定値τから粘性摩擦成分及び動摩擦成分を除去することによって、反力R1を推定する。
具体的に、推定部420は、粘性摩擦推定部421と、減算器423とを備える。粘性摩擦推定部421は、第一信号処理回路77により計測された回転速度V1に、所定係数Dを乗算した値(D×V1)を、粘性摩擦力推定値に設定する。減算器423は、外乱推定値τを、この粘性摩擦力推定値(D×V1)で減算することにより、粘性摩擦成分除去後の外乱推定値τ1=(τ―D×V1)を算出する。
この他、推定部420は、動摩擦推定部425と、減算器427とを備える。動摩擦推定部425は、第一信号処理回路77により計測された回転速度V1がゼロであるときには、動摩擦力推定値としてゼロを設定し、第一信号処理回路77により計測された回転速度V1がゼロではないときには、動摩擦力推定値として、ゼロではない所定値μNを設定する。減算器427は、外乱推定値τ1を動摩擦推定部425により設定された動摩擦力推定値(ゼロ又はμN)で減算することにより、外乱推定値τ1から動摩擦成分を除去する。推定部420は、減算器427による算出値を、第一ローラ110に作用する反力R1として推定する。
第二反力推定部330では、上記第2の制御対象に対応する逆モデルの伝達関数を用いて第二信号処理回路87により計測された回転速度V2を、操作量U*に変換する。粘性摩擦力及び動摩擦力の推定には、第2の制御対象に対応する所定係数及び値を用いる。
但し、本実施例によれば、張力偏差算出部280が、反力R1,R2に含まれる非張力成分RE1,RE2を推定する機能を有する。従って、第一反力推定部260は、推定部420を有さず、ローパスフィルタ415の出力である外乱推定値τを、反力R1として出力する構成にされてもよい。第二反力推定部330も、同様に構成することができる。
続いて、張力偏差算出部280の詳細構成を説明する。図6(A)は、張力偏差算出部280の第一例を示し、図6(B)は、張力偏差算出部280の第二例を示すブロック図である。図6(A)に示す第一例の張力偏差算出部280は、非張力成分推定部281、切替器282,289、減算器283,285,291、加算器287,290及びゲイン要素286,288を備える。
非張力成分推定部281は、給紙部40から第二ローラ120に用紙Qが供給されて第二ローラ120による用紙搬送が開始されてから、用紙先端が第一ローラ110に到達するまでの期間(以下「第二ローラ搬送期間」と表現する。)に、第二反力推定部330により推定された反力R2に基づき、反力R2に含まれる非張力成分RE2を推定する。
具体的に、非張力成分推定部281は、第二ローラ搬送期間の終了時点で、その第二ローラ搬送期間の各時刻において推定された反力R2の一群を統計処理することによって、これら一群に対応する反力R2の代表値を算出する。そして、この代表値を非張力成分RE2として推定する。代表値としては、平均値、中央値及び最頻値のいずれかを採用することができる。別例として、非張力成分推定部281は、第二ローラ搬送期間の終了直前に推定された反力R2(換言すれば、第二ローラ搬送期間の最後に推定された反力R2)を、非張力成分RE2として推定する構成にされてもよい。
切替器282は、用紙Qの搬送制御が開始されてから第二ローラ搬送期間が終了して非張力成分推定部281による非張力成分RE2の推定が終了するまでは、非張力成分RE2として値ゼロを減算器283に入力し、第二ローラ搬送期間の終了後の両ローラ搬送期間では、非張力成分推定部281によって推定された上記非張力成分RE2を減算器283に入力する。両ローラ搬送期間は、第一ローラ110及び第二ローラ120の両者によって用紙Qが搬送される期間である。両ローラ搬送期間は、用紙Qの先端が第一ローラ110に到達してから用紙Qの後端が第二ローラ120を通過するまでの期間に対応する。
切替器282は、両ローラ搬送期間に続く第一ローラ搬送期間において、非張力成分RE2として、値ゼロを減算器283に入力する。第一ローラ搬送期間は、用紙Qの後端が第二ローラ120を通過して、用紙Qが、第一ローラ110及び第二ローラ120の内、第一ローラ110のみによって搬送される期間に対応する。
減算器283は、第二反力推定部330により推定された反力R2から、切替器282からの非張力成分RE2を減算してなる補正後反力R2*=R2−RE2を、減算器285及び加算器287に入力する。補正後反力R2*は、基本的に反力R2から非張力成分RE2を除去したものに対応する。但し、切替器282から非張力成分RE2として値ゼロが入力される場合、反力R2*は、第二反力推定部330により推定された反力R2に一致する。
減算器285は、第一反力推定部260により推定された反力R1から補正後反力R2*を減算した値(R1−R2)をゲイン要素286に入力する。ゲイン要素286は、入力値(R1−R2)の1/2に対応する値Rm=(R1−R2*)/2を出力し、これを減算器291に入力する。値Rmは、非張力成分RE1が除去されていない用紙Qの推定張力に対応する。
加算器287は、第一反力推定部260により推定された反力R1と補正後反力R2*との加算値(R1+R2)をゲイン要素288に入力する。ゲイン要素288は、入力値(R1+R2)の1/2に対応する値Rp=(R1+R2*)/2を出力し、これを切替器289に入力する。反力R1,R2に含まれる張力成分は、互いに逆符号の同一値を採るので、値Rpは、反力R1に含まれる非張力成分RE1の1/2に対応する。
切替器289は、切替器282と同様、第二ローラ搬送期間終了以前では、値Rp=0を出力し、第二ローラ搬送期間に続く両ローラ搬送期間では、ゲイン要素288からの入力値Rp=(R1+R2*)/2を出力し、両ローラ搬送期間に続く第一ローラ搬送期間では、値Rp=0を出力する。切替器289の出力は、加算器290に入力される。
加算器290は、目標張力設定部270により設定された目標張力Rrと切替器289から入力される値Rpとの加算値(Rr+Rp)を、補正後目標張力Rnとして減算器291に入力する。減算器291は、この補正後目標張力Rnから、ゲイン要素286からの値Rmを減算した値(Rn−Rm)を、偏差Erとして張力制御器300に入力する。
このように偏差Erを算出することは、基本的に、用紙Qの推定張力Ra=(R1−R2)/2を、非張力成分RE1,RE2を除去した推定張力{(R1−RE1)−(R2−RE2)}/2に補正し、補正後の推定張力{(R1−RE1)−(R2−RE2)}/2と目標張力Rrとの偏差Er=Rr−{(R1−RE1)−(R2−RE2)}/2を算出するのと等価である。
第一例の張力偏差算出部280は、このようにして、両ローラ搬送期間では、反力R1,R2に含まれる非張力成分RE1,RE2を加味して偏差Erを値(Rr−Ra)から補正し、補正後の偏差Er=Rn−Rmを、張力制御器300に入力する。
第二例の張力偏差算出部280は、第一例と概ね同一構成であり、偏差Er=Rn−Rmを、張力制御器300に入力する点で第一例と同じ特徴を有する。一方、加算器290及び減算器291の代わりに、減算器293,295を備える点で第一例とは異なる。
第二例の張力偏差算出部280によれば、ゲイン要素286の出力及び切替器289の出力が減算器293に入力される。即ち、減算器293では、値(Rm−Rp)が算出される。値(Rm−Rp)の算出は、用紙Qの推定張力Ra=(R1−R2)/2を、非張力成分RE1,RE2を除去した推定張力{(R1−RE1)−(R2−RE2)}/2に補正することに対応する。
減算器295は、目標張力設定部270により設定された目標張力Rrから、減算器293から入力される補正後の推定張力に対応する値(Rm−Rp)を減算することにより、偏差Er=Rr−(Rm−Rp)=Rn−Rmを張力制御器300に入力する。
張力制御器300は、この偏差Erに対応する操作量Urを算出する。上述した手法で偏差Er=Rr−Raから非張力成分RE1,RE2に起因する誤差が除去されることで、操作量Urは、両ローラ搬送期間において、用紙Qの推定張力Ra=(R1−R2)/2に含まれる非張力成分RE1及び非張力成分RE2に起因する制御誤差が抑制されるように補正される。従って、用紙Qの速度は適切に目標速度Vrに制御され、用紙Qの張力は適切に目標張力Rrに制御される。
ここで、搬送制御デバイス60による制御手順を、図7に示すフローチャートを用いて説明する。搬送制御デバイス60は、給紙部40による用紙搬送が開始されると、図7に示す処理を開始し、第一モータ73及び第二モータ83に対するPWM制御によって、第一ローラ110及び第二ローラ120の回転による用紙Qの搬送動作を制御する。
具体的に、第二ローラ搬送期間が終了するまでは(S120でNo)、第一反力推定部260により推定された反力R1及び第二反力推定部330により推定された反力R2を用いて、偏差Er=Rr−(R1−R2)/2を算出し、偏差Erに従う操作量Urを算出する。また、第一信号処理回路77により計測された回転速度V1と第二信号処理回路87により計測された回転速度V2とを用いて、偏差Ev=Vr−(V1+V2)/2を算出し、偏差Evに従う操作量Uvを算出する。これら操作量Uv,Urに基づき、第一操作量Us及び第二操作量Udを算出し、操作量Us,Udに対応するPWM制御によって用紙Qの速度及び張力を目標速度Vr及び目標張力Rr=0に制御する(S110)。S110では、例えば偏差Er又は操作量Urに1未満の係数を作用させる方法で操作量Us,Udの算出に用いられる上記偏差Er又は操作量Urを補正するなどして、張力制御よりも速度制御を優先することができる。
第二ローラ搬送期間が終了すると(S120でYes)、搬送制御デバイス60は、非張力成分RE2を推定する(S130)。
その後、搬送制御デバイス60は、反力R2から非張力成分RE2を除去した補正後反力R2*=R2−RE2と、補正後反力R2*と反力R1との和から算出される非張力成分RE1=R1+R2*とに基づき、偏差Er=Rr−{(R1−RE1)−(R2−RE2)}/2を算出し、この偏差Erに従う操作量Urを算出する。更に、この操作量Urと、偏差Ev=Vr−(V1+V2)/2に基づく操作量Uvとを用いて、操作量Us,Udを算出し、操作量Us,Udに対応するPWM制御によって、用紙Qの速度及び張力を、目標速度Vr及び目標張力Rr>0に制御する(S140)。
搬送制御デバイス60は、このような補正付制御を両ローラ搬送期間が終了するまで実行し、両ローラ搬送期間が終了して第一ローラ搬送期間に移行すると(S150でYes)、偏差Er=Rr−(R1−R2)/2を算出し、偏差Erに従う操作量Urを算出する。そして、この操作量Urと、偏差Ev=Vr−(V1+V2)/2に基づく操作量Uvとを用いて、操作量Us,Udを算出し、操作量Us,Udに対応するPWM制御によって、用紙Qの速度及び張力を、目標速度Vr及び目標張力Rr=0に制御する(S160)。S160では、S110と同様に、張力制御よりも速度制御を優先することができる。そして、第一ローラ搬送期間が終了すると(S170でYes)、用紙Qの搬送制御を終了する。
以上に本実施例の搬送制御デバイス60及び張力偏差算出部280の構成及び動作を説明したが、変形例として、切替器282は、第一ローラ搬送期間において、非張力成分RE2として値0を出力せずに、両ローラ搬送期間と同じ値を減算器283に入力する構成にされてもよい。同様に、切替器289は、いずれの期間においても、ゲイン要素288からの入力値Rp=(R1+R2*)/2を出力する構成にされてもよい。換言すれば、切替器289は、張力偏差算出部280に設けられなくとも良い。この他、張力偏差算出部280は、両ローラ搬送期間以外において形式的に偏差Er=0を出力する構成にされてもよい。
ここで、上記実施例のように両ローラ搬送期間において非張力成分RE1,RE2を加味した偏差Erを算出し用紙Qの搬送制御を行う第一のケース、及び、両ローラ搬送期間において非張力成分RE1,RE2を加味せずに偏差Er=Rr−Raを算出する第二のケースの夫々における各種パラメータの変化を、図8及び図9に例示する。
図8上段は、第一のケースにおける第一ローラ110の回転速度V1(破線)及び第二ローラ120の回転速度V2(実線)の時間変化を示すグラフである。時刻t=0から時刻t=T1は、第二ローラ搬送期間に対応し、時刻t=T1から時刻t=T2は、両ローラ搬送期間に対応し、時刻T2以降は、第一ローラ搬送期間に対応する。図9上段は、第二のケースにおける回転速度V1(破線)及び回転速度V2(実線)の時間変化を示すグラフである。
同様に、図8中段は、第一のケースにおいて推定される反力R1(破線)及び反力R2(実線)の時間変化を示すグラフであり、図8下段は、第一のケースにおける力和(R1+R2*)/2(破線)、力差(R1−R2*)/2(実線)、及び、補正後目標張力Rn(太一点鎖線)の時間変化を示すグラフである。
一方、図9中段は、第二のケースにおいて推定される反力R1(破線)及び反力R2(実線)の時間変化を示すグラフであり、図9下段は、第二のケースにおける力和(R1+R2)/2(破線)、力差(R1−R2)/2(実線)及び目標張力Rr(太一点鎖線)の時間変化を示すグラフである。付言すると、図8及び図9は、効果を明らかにするために、意図的に、非張力成分RE1,RE2を制御系に組み込んだときの実験結果を示す。
図9において、力差(R1−R2)/2についての第二ローラ搬送期間での値と、両ローラ搬送期間での値との差δは、概ね、用紙Qの張力Fに対応する。第二のケースによれば、用紙Qの推定張力Ra=(R1−R2)/2及び目標張力Rrを補正せずに、偏差Erを算出するために、力差(R1−R2)/2は目標張力Rrに追従するが、実際の用紙Qの張力Fと、目標張力Rrとの間には、大きな誤差が生じる。
これに対し、第一のケースによれば、非張力成分RE1を加味した補正後目標張力Rnと、非張力成分RE2を加味した補正後推定張力Rm=(R1−R2*)/2とに基づいて偏差Erを算出するので、実際の用紙Qの張力Fと、目標張力Rrとの間の誤差を抑えることができる。図8において、力差(R1−R2*)/2の第二ローラ搬送期間での値と、両ローラ搬送期間での値との差δは、用紙Qの張力Fに非張力成分RE2/2を加算した値に対応する。そして、図8における差δは、目標張力Rrに非張力成分RE2/2を加算した値に対応することから、本実施例によれば、実際の用紙Qの張力Fと、目標張力Rrとの間の誤差を抑制できていることが理解できる。
上記実施例によれば、操作量Uv,Urの和及び差を用いた第一モータ73及び第二モータ83の制御により、用紙Qの速度及び張力を高精度に制御して、二つのローラ110,120で用紙Qを搬送することができる。従って、用紙Qの撓みの変化によって、用紙Qに形成される画像の品質が悪化するのを抑えることができ、高品質な画像を用紙Qに形成可能な画像形成システム1を構築することができる。
特に、上記実施例によれば、非張力成分RE1,RE2を原因として用紙Qの速度及び張力の制御精度が劣化するのを抑えるために、非張力成分RE1,RE2を推定し、偏差Erを適切に補正できるようにした。従って、反力R1,R2に非張力成分RE1,RE2が含まれる場合でも、用紙Qの速度及び張力の高精度な制御を行うことができる。
非張力成分RE1,RE2には、例えば、給紙部40から第二ローラ120までの用紙Qの搬送経路がU字状に形成されており、用紙Qが変形することにより生じる用紙抵抗が含まれる。この他、非張力成分RE1,RE2には、機械的な制御系の特性変化による成分も含まれる。上記実施例によれば、これらの影響を抑えて高精度な制御を実現できる。
更に、上記実施例によれば、用紙Qの搬送毎に、その搬送時における第二ローラ搬送期間の反力R2を用いて非張力成分RE2を推定する。また、力和(R1+R2*)/2においては張力成分が打ち消されることを利用して、両ローラ搬送期間における非張力成分RE1=2・Rpをリアルタイムに推定する。そして、この非張力成分RE1,RE2に基づいて偏差Erを補正し、結果的には操作量Urを補正する。従って、上記実施例によれば、用紙抵抗等による時間的に短い単位での非張力成分の変化にも適切に対応して、用紙Qの速度及び張力の高精度な制御を行うことができる。
[他の実施形態]
本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、種々の態様を採ることができる。上記実施例では、第一ローラ110及び第二ローラ120の回転運動に関する状態量として、第一ローラ110及び第二ローラ120の回転速度V1,V2を計測し、この計測値に基づき、用紙Qの速度制御を行うように、画像形成システム1を構成した。
しかしながら、画像形成システム1は、回転速度V1,V2に代えて、第一ローラ110及び第二ローラ120の回転量X1,X2に基づき、用紙Qの位置制御を行う構成にされてもよい。この他、加速度の計測値に基づき、用紙Qの加速度制御を行う構成にされてもよい。また、用紙搬送に関する技術は、画像形成システムに限らず、種々のシート搬送システムに適用することができる。
また、搬送制御デバイス60は、ASICのような専用回路として構成されてもよいし、マイクロコンピュータにより構成されてもよい。この場合、搬送制御デバイス60は、図2で示すようにCPU61と、ROM63とを備え、ROM63に記録されたプログラムに従う処理をCPU61にて実行することにより、上述した搬送制御デバイス60が備える各要素の機能を実現する構成にすることができる。
[対応関係]
最後に、用語間の対応関係について説明する。第一駆動回路71及び第一モータ73は、第一駆動デバイスの一例に対応し、第二駆動回路81及び第二モータ83は、第二駆動デバイスの一例に対応する。また、第一エンコーダ75及び第一信号処理回路77は、第一計測デバイスの一例に対応し、第二エンコーダ85及び第二信号処理回路87は、第二計測デバイスの一例に対応する。
この他、搬送制御デバイス60は、制御デバイスの一例に対応する。具体的に、第一反力推定部260及び第二反力推定部330は、夫々、第一推定ユニット及び第二推定ユニットの一例に対応し、速度偏差算出部220及び速度制御器230は、第一演算ユニットの一例に対応し、張力偏差算出部280及び張力制御器300は、第二演算ユニットの一例に対応する。但し、非張力成分推定部281は、第三推定ユニットの一例に対応する。
また、第一操作量算出部240及び第一PWM信号生成部250は、第一駆動制御ユニットの一例に対応し、第二操作量算出部310及び第二PWM信号生成部320は、第二駆動制御ユニットの一例に対応する。この他、インクジェットヘッド31は、画像形成デバイスの一例に対応する。
1…画像形成システム、10…メインコントローラ、30…記録部、31…インクジェットヘッド、40…給紙部、50…用紙搬送部、60…搬送制御デバイス、71…第一駆動回路、73…第一モータ、75…第一エンコーダ、77…第一信号処理回路、81…第二駆動回路、83…第二モータ、85…第二エンコーダ、87…第二信号処理回路、100…搬送機構、101…プラテン、110…第一ローラ、115…第一従動ローラ、120…第二ローラ、125…第二従動ローラ、210…目標速度設定部、220…速度偏差算出部、221…用紙速度算出部、225,283,285,291,293,295…減算器、230…速度制御器、240…第一操作量算出部、250…第一PWM信号生成部、260…第一反力推定部、270…目標張力設定部、280…張力偏差算出部、281…非張力成分推定部、282,289…切替器、286,288…ゲイン要素、287,290…加算器、300…張力制御器、310…第二操作量算出部、320…第二PWM信号生成部、330…第二反力推定部。

Claims (13)

  1. シートの搬送経路に沿って互いに離れて配置された、前記シートを所定の搬送方向に搬送する第一ローラと第二ローラとを備える搬送機構と、
    前記第一ローラを回転駆動する第一駆動デバイスと、
    前記第二ローラを回転駆動する第二駆動デバイスと、
    前記第一ローラの回転運動に関する状態量Z1を計測する第一計測デバイスと、
    前記第二ローラの回転運動に関する状態量Z2を計測する第二計測デバイスと、
    前記第一駆動デバイス及び前記第二駆動デバイスを制御することによって、前記第一ローラと前記第二ローラとの回転による前記シートの搬送動作を制御する制御デバイスと、
    を備え、
    前記制御デバイスは、
    前記第一駆動デバイスによる回転駆動時に前記第一ローラに作用する反力R1を推定する第一推定ユニットと、
    前記第二駆動デバイスによる回転駆動時に前記第二ローラに作用する反力R2を推定する第二推定ユニットと、
    前記第一計測デバイスより計測された前記状態量Z1及び前記第二計測デバイスにより計測された前記状態量Z2に基づき、前記シートの状態量(Z1+Z2)/2と目標状態量との偏差に応じた操作量U1を算出する第一演算ユニットと、
    前記第一推定ユニットにより推定された反力R1と前記第二推定ユニットにより推定された反力R2とに基づき、前記シートの推定張力(R1−R2)/2と目標張力との偏差に応じた操作量U2を算出する第二演算ユニットと、
    前記操作量U1と前記操作量U2との和(U1+U2)に応じた制御信号を前記第一駆動デバイスに入力する第一駆動制御ユニットと、
    前記操作量U1と前記操作量U2との差(U1−U2)に応じた制御信号を前記第二駆動デバイスに入力する第二駆動制御ユニットと、
    前記第一ローラ及び前記第二ローラの両者ではなく前記第一ローラ及び前記第二ローラの内の一方によって前記シートが搬送される期間であって、前記第一ローラによって前記シートが搬送される期間に前記第一推定ユニットにより推定された反力R1に基づき、前記第一推定ユニットが推定する前記反力R1に含まれる前記シートの張力に起因しない成分である非張力成分RE1を推定する、又は、前記第二ローラによって前記シートが搬送される期間に前記第二推定ユニットにより推定された反力R2に基づき、前記第二推定ユニットが推定する前記反力R2に含まれる前記シートの張力に起因しない成分である非張力成分RE2を推定する第三推定ユニットと、
    を備え、
    前記第二演算ユニットは、前記第三推定ユニットにより推定された前記非張力成分RE1及び前記非張力成分RE2の内の一方に基づき、前記第一ローラと前記第二ローラとの両者によって前記シートが搬送される状態において、前記シートの推定張力(R1−R2)/2に含まれる前記非張力成分RE1と前記非張力成分RE2とに起因する制御誤差を抑えるように、前記操作量U2を補正すること
    を特徴とする搬送システム。
  2. 前記第二演算ユニットは、前記第一推定ユニットにより推定された反力R1と前記第二推定ユニットにより推定された反力R2との和(R1+R2)と、前記第三推定ユニットにより推定された前記非張力成分RE1及び前記非張力成分RE2の内の一方と、の差を算出することによって、前記非張力成分RE1及び前記非張力成分RE2の内の他方を推定し、前記第三推定ユニットにより推定された前記非張力成分RE1及び前記非張力成分RE2の内の一方と、前記推定した前記非張力成分RE1及び前記非張力成分RE2の内の他方と、を用いて、前記操作量U2を補正すること
    を特徴とする請求項1記載の搬送システム。
  3. 前記第二演算ユニットは、前記操作量U2の算出に用いる前記推定張力(R1−R2)/2を、推定張力{(R1−RE1)−(R2−RE2)}/2に補正し、補正後の前記推定張力{(R1−RE1)−(R2−RE2)}/2と前記目標張力との偏差に応じた操作量U2を算出することにより、前記操作量U2を補正すること
    を特徴とする請求項2記載の搬送システム。
  4. 前記第二演算ユニットは、前記推定張力(R1−R2)/2を、推定張力{(R1−RE1)−(R2−RE2)}/2に補正して前記操作量U2を算出するのと等価な前記操作量U2の算出処理を、前記目標張力、又は、前記目標張力と前記推定張力(R1−R2)/2との両者を補正して実行することにより、前記操作量U2を補正すること
    を特徴とする請求項2記載の搬送システム。
  5. 前記第一ローラは、前記第二ローラよりも前記搬送方向における下流側に位置し、
    前記第三推定ユニットは、前記第二ローラによって前記シートが搬送される期間であって前記シートの先端が前記第一ローラに到達する前の期間に、前記第二推定ユニットにより推定された反力R2に基づき、前記非張力成分RE2を推定し、
    前記第二演算ユニットは、前記シートの先端が前記第一ローラに到達した後、前記シートが前記第一ローラ及び前記第二ローラの両者によって搬送される状態において、前記第三推定ユニットが直前の前記期間に前記第二推定ユニットにより推定された反力R2を用いて推定した前記非張力成分RE2に基づき、前記操作量U2を補正すること
    を特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項記載の搬送システム。
  6. 前記第三推定ユニットは、前記第一ローラ及び前記第二ローラの両者によって前記シートが搬送される直前で前記第二推定ユニットにより推定された反力R2を前記非張力成分RE2として推定すること
    を特徴とする請求項5記載の搬送システム。
  7. 前記第三推定ユニットは、前記期間において前記第一推定ユニットにより推定された反力R1の一群に基づいて、前記期間における前記反力R1の代表値を算出することにより、この代表値を前記非張力成分RE1として推定する、又は、前記期間において前記第二推定ユニットにより推定された反力R2の一群に基づいて、前記期間における前記反力R2の代表値を算出することにより、この代表値を前記非張力成分RE2として推定すること
    を特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項記載の搬送システム。
  8. 前記代表値は、前記一群の平均値、中央値及び最頻値のいずれか一つであること
    を特徴とする請求項7記載の搬送システム。
  9. 前記第一計測デバイスは、前記状態量Z1として前記第一ローラの回転速度を計測し、
    前記第二計測デバイスは、前記状態量Z2として前記第二ローラの回転速度を計測し、
    前記第一演算ユニットは、前記シートの状態量(Z1+Z2)/2としての前記シートの速度と、前記目標状態量としての前記シートの目標速度との偏差に応じた前記操作量U1を算出すること
    を特徴とする請求項1〜請求項8のいずれか一項記載の搬送システム。
  10. 前記搬送機構は、前記第一ローラに対向配置された第一従動ローラと、前記第二ローラに対向配置された第二従動ローラと、を更に備え、前記第一ローラと前記第一の従動ローラとの間に前記シートを挟んだ状態で前記シートを前記第一ローラの回転により搬送し、前記第二ローラと前記第二従動ローラとの間に前記シートを挟んだ状態で前記シートを前記第二ローラの回転により搬送する機構であること
    を特徴とする請求項1〜請求項9のいずれか一項記載の搬送システム。
  11. 前記搬送経路の上方には、インク液滴を吐出することにより前記シートに画像を形成する画像形成デバイスが設けられており、
    前記第一ローラ及び前記第二ローラは、前記画像形成デバイスが設けられた前記搬送経路内の区間を挟んで配置されていること
    を特徴とする請求項1〜請求項10のいずれか一項記載の搬送システム。
  12. 画像形成システムであって、
    シートの搬送経路の上方に設けられて、インク液滴を吐出することにより前記シートに画像を形成する画像形成デバイスと、
    前記画像形成デバイスが上方に設けられた前記搬送経路内の区間を挟んで前記搬送経路に配置された、前記シートを搬送する第一ローラと第二ローラとを備える搬送機構と、
    前記第一ローラを回転駆動する第一駆動デバイスと、
    前記第二ローラを回転駆動する第二駆動デバイスと、
    前記第一ローラの回転速度Z1を計測する第一計測デバイスと、
    前記第二ローラの回転速度Z2を計測する第二計測デバイスと、
    前記第一駆動デバイスと前記第二駆動デバイスとを制御することによって、前記第一ローラと前記第二ローラとの回転による前記シートの搬送動作を制御する制御デバイスと、
    を備え、
    前記制御デバイスは、
    前記第一駆動デバイスによる回転駆動時に前記第一ローラに作用する反力R1を推定する第一推定ユニットと、
    前記第二駆動デバイスによる回転駆動時に前記第二ローラに作用する反力R2を推定する第二推定ユニットと、
    前記第一計測デバイスより計測された前記回転速度Z1と前記第二計測デバイスにより計測された前記回転速度Z2とに基づき、前記シートの速度(Z1+Z2)/2と目標速度との偏差に応じた操作量U1を算出する第一演算ユニットと、
    前記第一推定ユニットにより推定された反力R1と前記第二推定ユニットにより推定された反力R2とに基づき、前記シートの推定張力(R1−R2)/2と前記目標張力との偏差に応じた操作量U2を算出する第二演算ユニットと、
    前記操作量U1と前記操作量U2との和(U1+U2)に応じた制御信号を前記第一駆動デバイスに入力する第一駆動制御ユニットと、
    前記操作量U1と前記操作量U2との差(U1−U2)に応じた制御信号を前記第二駆動デバイスに入力する第二駆動制御ユニットと、
    前記第一ローラと前記第二ローラとの両者ではなく前記第一ローラ及び前記第二ローラの内の一方によって前記シートが搬送される期間であって、前記第一ローラによって前記シートが搬送される期間に前記第一推定ユニットにより推定された反力R1に基づき、前記第一推定ユニットが推定する前記反力R1に含まれる前記シートの張力に起因しない成分である非張力成分RE1を推定する、又は、前記第二ローラによって前記シートが搬送される期間に前記第二推定ユニットにより推定された反力R2に基づき、前記第二推定ユニットが推定する前記反力R2に含まれる前記シートの張力に起因しない成分である非張力成分RE2を推定する第三推定ユニットと、
    を備え、
    前記第二演算ユニットは、前記第三推定ユニットにより推定された前記非張力成分RE1及び前記非張力成分RE2の内の一方に基づき、前記第一ローラと前記第二ローラとの両者によって前記シートが搬送される状態において、前記シートの推定張力(R1−R2)/2に含まれる前記非張力成分RE1と前記非張力成分RE2とに起因する制御誤差を抑えるように、前記操作量U2を補正すること
    を特徴とする画像形成システム。
  13. シートの搬送経路に沿って互いに離れて配置された第一ローラと第二ローラとの回転により前記シートの搬送動作を実現する搬送機構において、前記第一ローラを回転駆動する第一駆動デバイスと前記第二ローラを回転駆動する第二駆動デバイスとを、制御することにより、前記シートの搬送動作を制御する制御デバイスであって、
    前記第一駆動デバイスによる回転駆動時に前記第一ローラに作用する反力R1を推定する第一推定ユニットと、
    前記第二駆動デバイスによる回転駆動時に前記第二ローラに作用する反力R2を推定する第二推定ユニットと、
    計測デバイスにより計測された前記第一ローラの回転運動に関する状態量Z1と前記第二ローラの回転運動に関する状態量Z2とに基づき、前記シートの状態量(Z1+Z2)/2と目標状態量との偏差に応じた操作量U1を算出する第一演算ユニットと、
    前記第一推定ユニットにより推定された反力R1と前記第二推定ユニットにより推定された反力R2とに基づき、前記シートの推定張力(R1−R2)/2と目標張力との偏差に応じた操作量U2を算出する第二演算ユニットと、
    前記操作量U1と前記操作量U2との和(U1+U2)に応じた制御信号を前記第一駆動デバイスに入力する第一駆動制御ユニットと、
    前記操作量U1と前記操作量U2との差(U1−U2)に応じた制御信号を前記第二駆動デバイスに入力する第二駆動制御ユニットと、
    前記第一ローラと前記第二ローラとの両者ではなく前記第一ローラ及び前記第二ローラの内の一方によって前記シートが搬送される期間であって、前記第一ローラによって前記シートが搬送される期間に前記第一推定ユニットにより推定された反力R1に基づき、前記第一推定ユニットが推定する前記反力R1に含まれる前記シートの張力に起因しない成分である非張力成分RE1を推定する、又は、前記第二ローラによって前記シートが搬送される期間に前記第二推定ユニットにより推定された反力R2に基づき、前記第二推定ユニットが推定する前記反力R2に含まれる前記シートの張力に起因しない成分である非張力成分RE2を推定する第三推定ユニットと、
    を備え、
    前記第二演算ユニットは、前記第三推定ユニットにより推定された前記非張力成分RE1及び前記非張力成分RE2の内の一方に基づき、前記第一ローラと前記第二ローラとの両者によって前記シートが搬送される状態において、前記シートの推定張力(R1−R2)/2に含まれる前記非張力成分RE1と前記非張力成分RE2とに起因する制御誤差を抑えるように、前記操作量U2を補正すること
    を特徴とする制御デバイス。
JP2013179782A 2013-08-30 2013-08-30 搬送システム、画像形成システム及び制御デバイス Active JP6136774B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013179782A JP6136774B2 (ja) 2013-08-30 2013-08-30 搬送システム、画像形成システム及び制御デバイス
EP14172442.7A EP2842759B1 (en) 2013-08-30 2014-06-13 Transport system, image forming system, and control device
US14/308,947 US9039004B2 (en) 2013-08-30 2014-06-19 Transport system, image forming system, and control device

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013179782A JP6136774B2 (ja) 2013-08-30 2013-08-30 搬送システム、画像形成システム及び制御デバイス

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015049614A JP2015049614A (ja) 2015-03-16
JP6136774B2 true JP6136774B2 (ja) 2017-05-31

Family

ID=50942142

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013179782A Active JP6136774B2 (ja) 2013-08-30 2013-08-30 搬送システム、画像形成システム及び制御デバイス

Country Status (3)

Country Link
US (1) US9039004B2 (ja)
EP (1) EP2842759B1 (ja)
JP (1) JP6136774B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5803969B2 (ja) * 2013-03-29 2015-11-04 ブラザー工業株式会社 搬送システム、画像形成システム及び制御デバイス
JP6065801B2 (ja) * 2013-09-30 2017-01-25 ブラザー工業株式会社 シート搬送装置及び画像形成システム
US9625860B2 (en) * 2015-03-18 2017-04-18 Kabushiki Kaisha Toshiba Image forming apparatus
JP6451457B2 (ja) * 2015-03-31 2019-01-16 ブラザー工業株式会社 制御システム
JP6922346B2 (ja) * 2017-03-31 2021-08-18 ブラザー工業株式会社 搬送システム

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3131103B2 (ja) 1994-11-07 2001-01-31 キヤノン株式会社 シート搬送装置
JPH08332505A (ja) * 1995-06-08 1996-12-17 Hitachi Ltd 圧延機制御装置及び方法
JP3607528B2 (ja) 1999-04-28 2005-01-05 シャープ株式会社 画像形成装置
JP4091020B2 (ja) * 2004-06-25 2008-05-28 日本リライアンス株式会社 ロール制御装置
JP4539872B2 (ja) * 2005-08-02 2010-09-08 セイコーエプソン株式会社 被記録材搬送量制御方法、被記録材搬送装置、および記録装置
US8616671B2 (en) 2011-04-27 2013-12-31 Eastman Kodak Company Printing multi-channel image on web receiver
JP5869817B2 (ja) 2011-09-28 2016-02-24 株式会社日立ハイテクノロジーズ 欠陥検査方法および欠陥検査装置
JP2013072749A (ja) 2011-09-28 2013-04-22 Hitachi Consumer Electronics Co Ltd 太陽電池パネルを用いた環境情報収集装置
JP5803969B2 (ja) 2013-03-29 2015-11-04 ブラザー工業株式会社 搬送システム、画像形成システム及び制御デバイス
JP5838990B2 (ja) 2013-03-29 2016-01-06 ブラザー工業株式会社 搬送システム、画像形成システム及び制御デバイス

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015049614A (ja) 2015-03-16
EP2842759A1 (en) 2015-03-04
US20150061207A1 (en) 2015-03-05
EP2842759B1 (en) 2019-03-13
US9039004B2 (en) 2015-05-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5803969B2 (ja) 搬送システム、画像形成システム及び制御デバイス
JP6136774B2 (ja) 搬送システム、画像形成システム及び制御デバイス
JP5488516B2 (ja) モータ制御装置及び画像形成装置
US8876241B2 (en) Transporting system, image forming system, and controller
US9056503B2 (en) Recording apparatus
JP6039329B2 (ja) 記録装置
JP6702124B2 (ja) 搬送システム、シート処理システム、及び制御デバイス
JP5617460B2 (ja) サーボ制御装置および画像形成装置、並びにサーボ制御プログラム
JP5874264B2 (ja) モータ制御装置及び画像形成装置
JP6065801B2 (ja) シート搬送装置及び画像形成システム
JP5635900B2 (ja) 制御装置
JP6045263B2 (ja) 記録装置及び制御方法
JP6922346B2 (ja) 搬送システム
JP2011046172A (ja) 印刷装置
JP6213108B2 (ja) シート搬送装置及び画像形成システム
JP7327026B2 (ja) 駆動システム
JP5963492B2 (ja) 搬送装置及び記録装置
JP5935489B2 (ja) 搬送装置、印刷装置、及び、搬送方法
JP5834730B2 (ja) モータ制御装置及び画像形成システム
JP2011083913A (ja) 印刷装置、モーター制御装置およびモーター制御方法
JP2018171806A (ja) 画像形成システム
JP2010083012A (ja) 制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160308

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170404

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170417

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6136774

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150