JP6129717B2 - 乗物用シートバックの取り付け構造 - Google Patents
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Description
このような問題に鑑み本発明の課題は、リクライナーを介してアッパー部分とロア部分が取り付けられた構造のシートバックにおいて、リクライナーを操作しなくてもシートバックの一面側からボルト締付け作業ができる作業性のよい乗物用シートバックの取り付け構造を提供することにある。
第1発明によれば、乗物用シートバックをフロア側に固定する場合に、ロアフレームに設けられたいずれのボルト固定用孔においてもアッパフレームを着座者の標準着座状態にして車体側部材に対しボルト締結したとき、締結したボルトの軸を延長した線がシートバックの構成部品に干渉せず着座者側もしくは着座者と反対側のいずれか一方側に存在するようボルト固定用孔およびそれに対応する車体側部材の受け面が設けられているので、乗物用シートバックの着座者側もしくは着座者と反対側のいずれか一方側からすべてのボルトに対して締付け用工具をあてがい作業することができる。したがって、リクライナーを操作してロアフレームに対するアッパフレームの角度を変えることなく乗物用シートバックの着座者側もしくは着座者と反対側のいずれか一方側からボルト締付け作業ができ、シートバックの取付け作業性がよい。
第2発明によれば、本体部が側面視L字状もしくは逆L字状の板状の部材で、本体部の上部にリクライナーを取り付け、本体部の下端部に本体部に直交する方向に折り曲げられたフランジ部を設けて、そこにボルト固定用孔を設けるという簡潔な構造で第1発明と同様に、リクライナーを操作してロアフレームに対するアッパフレームの角度を変えることなく乗物用シートバックの着座者側もしくは着座者と反対側のいずれか一方側からボルト締付け作業ができる。
上部フレーム30は、一対のサイドフレーム31とアッパパイプフレーム32とコネクティングパイプ33とから構成される。サイドフレーム31は、左右の上下方向に配設された板状の部材で前後の端部にはバックフレーム10の内側方向へ向かうリブ(立ち壁)が設けられている。アッパパイプフレーム32は円形断面のパイプを略コの字状に曲げ加工した部材で、サイドフレーム31の上端部同士を繋ぐように配設されている。コネクティングパイプ33は円形断面のパイプ状の部材でサイドフレーム31の中間部近傍を連結している。一対のロアフレーム21の上端部と一対のサイドフレーム31の下端部はそれぞれリクライナー40を介して組みつけられており、リクライナー40を操作することによって下部フレーム20に対する上部フレーム30の前後方向相対角度を調整可能となっている。バックフレーム10は、上部フレーム30が、二点鎖線でその外形を示すクッション材を介してファブリック等のシートカバー材で覆われることによりシートバック1を構成し、図示しないシートクッションと相俟って着座者を支持する。
シートバック1をフロア50に取り付けるに当たり、ロアフレーム21の前部ボルト孔21dとフロア50の前部ナット孔52をボルト締めするとき、締付け後のボルト70の軸線の延長線L1がシートバック1の構成部品に干渉しないようにロアフレーム21の水平部21b1とフロア水平部50aが設定されているので、上部フレーム30を着座者の標準着座状態にした状態で下部フレーム20に対する角度を変えることなくシートバック1の着座面側からボルト締付け作業ができる。また、ロアフレーム21の後部ボルト孔21eとフロア50の後部ナット孔53をボルト締めするとき、締付け後のボルト70の軸線の延長線L2がシートバック1の構成部品に干渉しないようにロアフレーム21の後部傾斜部21b3とフロア後部傾斜部50cが設定されているので、上部フレーム30を着座者の標準着座状態にした状態で下部フレーム20に対する角度を変えることなくシートバック1の着座面側からボルト締付け作業ができる。すなわち、いずれのボルト締付け部においても、リクライナー40を操作して下部フレーム20に対する上部フレーム30の角度を変えることなくシートバック1の着座者側の一方側からボルト締付け作業ができるので、シートバック1のフロア50への取付け作業性がよい。
また、ロアフレーム21の前部ボルト孔21dと後部ボルト孔21eは、側面視逆L字状の板状の部材である本体部21Aの下端部に本体部21Aに直交する方向であるシートバック1の内側方向に折り曲げられた下部リブ21bに設けられているので、別途ブラケット等の他の部材を必要とすることなく構造が簡潔である。かかる簡潔な構造によって、リクライナー40を操作して下部フレーム20に対する上部フレーム30の角度を変えることなくシートバック1の着座者側の一方側からボルト締付け作業ができるので、シートバック1のフロア50への取付け作業性がよいという効果を奏することができる。
1.上記実施形態では、シートバック1を着座者側からフロア50に取り付けるタイプに適用したが、これに限らず本発明をシートバック1を着座者の反対側から取り付けるタイプに適用してもよい。その場合は、ロアフレーム21とフロア50のボルト締結部におけるボルト軸の延長線が、いずれもシートバック1の着座者と反対側においてシートバック1の構成部品と干渉しないようロアフレーム21とフロア50のボルト締結部の面構成をすることになる。
2.上記実施形態では、ロアフレーム21を直接フロア50に取り付ける場合について適用したが、これに限らずロアフレーム21をフロア50上に固定したブラケットやレッグに取り付ける場合にも適用できる。
3.上記実施形態では、ロアフレーム21の前部ボルト孔21dと後部ボルト孔21eは、ほぼ前後方向に沿った線上に配置されているが、これに限らず、前部ボルト孔21dと後部ボルト孔21eの中心を結んだ線が前後方向に対して、所定の角度で交わる関係であってもよい。さらに、前部ボルト孔21dが設けられたフランジ部と後部ボルト孔21eが設けられたフランジ部が別々のものであってもよいし、そのフランジ部の設けられる方向もロアフレーム21の本体部21Aに対し異なる方向であってもよい。すなわち、前部ボルト孔21dが設けられたフランジ部が本体部21Aに対しバックフレーム10の外側に向けて設けられ、後部ボルト孔21eが設けられたフランジ部が本体部21Aに対しバックフレーム10の内側に向けて設けられていてもよい。また、その逆であってもよい。
4.上記実施形態では、本発明を自動車のシートに適用したが、飛行機、船、電車等に搭載のシートに適用しても良い。
10 バックフレーム
20 下部フレーム
21 ロアフレーム
21A 本体部
21b 下部リブ(フランジ部)
21b1 水平部
21b3 後部傾斜部
21d 前部ボルト孔(ボルト固定用孔)
21e 後部ボルト孔(ボルト固定用孔)
30 上部フレーム(アッパフレーム)
40 リクライナー
50 フロア
50a フロア水平部(車体側部材の受け面)
50c フロア後部傾斜部(車体側部材の受け面)
52 前部ナット孔
53 後部ナット孔
70 ボルト
L1 ボルトの軸線を延長した線
L2 ボルトの軸線を延長した線
Claims (3)
- 一対のロアフレームに対してアッパフレームがリクライナーを介して傾動可能に取り付けられている乗物用シートバックの取り付け構造であって、前記ロアフレームの少なくとも1つには車体側部材へのボルト固定用孔が複数個設けられており、いずれの前記ボルト固定用孔においても前記アッパフレームを着座者の標準着座状態にした状態で、前記車体側部材に対しボルト締結したとき、前記ボルトの軸線を延長した線が前記乗物用シートバックの構成部品に干渉せず着座者側もしくは着座者と反対側のいずれか一方側に存在するよう前記ボルト固定用孔およびそれに対応する前記車体側部材の受け面が設けられており、
前記ボルト固定用孔のうち少なくとも1つは前記アッパフレームを着座者の標準着座状態にした状態の前記アッパフレームの直下において、前記ボルトの軸線を延長した線が前記アッパフレームの着座者側もしくは着座者と反対側に傾斜していることを特徴とする乗物用シートバックの取り付け構造。 - 請求項1において、前記アッパフレームを着座者の標準着座状態にした状態の前記アッパフレームの直下に設けられた前記ボルト固定用孔の前記ボルトの軸線を延長した線が前記アッパフレームの着座者側に傾斜していることを特徴とする乗物用シートバックの取り付け構造。
- 請求項1又は請求項2において、前記ロアフレームは本体部が側面視L字状もしくは逆L字状の板状の部材で、前記本体部の上部に前記リクライナーが取り付けられ、前記本体部の下端部に前記本体部に直交して前記乗物用シートバックの内側方向に折り曲げられたフランジ部を有し、該フランジ部に前記ボルト固定用孔が設けられていることを特徴とする乗物用シートバックの取り付け構造。
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