JP6123751B2 - 車両の側部車体構造 - Google Patents

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Description

この発明は、フェンダパネルとピラーとで囲まれた空間部に遮閉材が配置された車両の側部車体構造に関する。
車両の側部車体構造には、車室内への騒音の侵入を防止するなどして車内の快適性を確保するためにフェンダパネルとピラーとで囲まれた空間部に発泡ウレタン等の遮閉材(シール材)が配置されたものがある。
ところで、遮閉材は、該遮閉材の配置空間に位置する取付箇所に取り付ける際に、フェンダパネルやピラーに対して圧接させるために、通常、発泡ウレタン等の反発性(弾性変形性)を有する軟質材により形成される。しかし、このような遮閉材には、個体ごとの反発性のばらつきの影響により、中には反発性が想定よりも高いものも存在することがある。
フェンダパネルとピラーとで囲まれた空間部に、上述したような発泡ウレタン等で形成した遮閉材が配置されたものとして例えば、柔軟材の取付構造が特許文献1において提案されている。
特許文献1の柔軟材の構造部材は、遮閉材としての柔軟材に取付部材の一部を差し込んで係止し、該柔軟材を車体の奥まった部位に配置した状態で取付部材を該奥まった部位に位置する構造部材に固定するものである。
しかし、特許文献1の柔軟材の取付構造は、取付部材により、柔軟材を奥まった位置の所定の場所に所望の姿勢で取り付けることができても、柔軟材ごとに個別に有する柔軟性(反発性)のばらつきに対する影響について考慮されておらず、柔軟材の圧縮に対する反発力によりフェンダパネルが外側に押し出され、見栄え品質が低下するおそれがあった。
特許第4207145号公報
そこでこの発明は、遮閉材がフェンダパネルを車両幅方向外側へ押し出す力を緩和し、手直し作業等をせずに外観見栄え品質を確保することができる車両の側部車体構造の提供を目的とする。
この発明による車両の側部車体構造は、フェンダパネルとピラーとで囲まれた空間部に遮閉材が配置された車両の側部車体構造であって、上記遮閉材は、弾性変形可能な素材で形成された本体部と、該本体部の外周を覆う外皮部とで形成され、該外皮部が上記本体部から車幅方向外側に突出するフランジ部を有しており、上記遮閉材の車幅方向の外側端部に、上記遮閉材の車幅方向内側部分よりも車両前後方向の少なくとも一方に突出する突出片を備え、上記突出片の先端部に上記フランジ部を有し、上記突出片の車幅方向内側の側面部と上記車幅方向内側部分とによって角部が形成されたものである。
上記構成によれば、遮閉材を上記空間部に配置した状態において、上記遮閉材の特に車幅方向外側に突出するフランジ部に、フェンダパネルが当接した場合であっても、上記遮閉材の車幅方向の外側端部、すなわちフェンダパネル側端部に備えた上記突出片の車幅方向内側の側面部と車幅方向内側部分とによって角部を形成したため、先端部に上記フランジ部を有した突出片がフェンダパネルの剛性に応じて上記角部から車幅方向内側へ(ピラー側へ)折れ変形することにより、上記遮閉材の特に、上記フランジ部がフェンダパネルを車幅方向外側へ押し出す力が緩和され、手直し作業等をせずに外観見栄え品質を確保することができる。
上記突出片の車幅方向内側の側面部と上記遮閉材の車幅方向内側部分とによって形成される角部とは、上記突出片の車幅方向内側の側面部と上記遮閉材の前面部とで形成される角部、或いは上記突出片の車幅方向内側の側面部と上記遮閉材の後面部とで形成される角部を示すものである。
この発明の一態様においては、フェンダパネルの縦断面視で上記フェンダパネルの上部が下部よりも曲率半径が小さいときに、上記突出片は、上記遮閉材の上下方向の少なくとも下部に設けることができる。
遮閉材を上記空間部に配置した状態において、フェンダパネルにおける、上部よりも曲率半径が大きな下部においては、フェンダパネルを押し出す力が作用するフランジ部を備えた遮閉材と、該遮閉材をピラー側へ押し込む力が作用するフェンダパネルとの両者の剛性バランスを保つことが困難になるおそれがあるが、上述した構成によれば、少なくとも上記遮閉材の上下方向の少なくとも下部に、車幅方向内側の基端部に角部が形成された上記突出片を備えることにより、該突出片がフェンダパネルの剛性に応じて上記角部から変形することで遮閉材がフェンダパネルを車幅方向外側へ押し出す力を緩和することができるため、フェンダパネルの下部においてもフェンダパネルと遮閉材との剛性バランスを保つことができる。
またこの発明の一態様においては、上記角部が、90°から110°の角度とすることができる。
上記角部を90°以上の角度とすることで、上記遮閉部材を成形により製造する場合に用いる成形型における上記角部に相当する箇所が鋭角状の逆テーパ形状になることを防ぎ、突出片を備えた遮閉材を確実に、且つ容易に成形することができる。また、上記角部を110°以下の角度とすることで、突出片を角部から確実に曲げ変形させることができ、フェンダパネルの剛性に応じて遮閉材がフェンダパネルを車幅方向外側へ押し出す力を緩和できるという先端部に上記フランジ部を有した突出片の車幅方向内側の基端部に角部を形成したことによる効果を効果的に得ることができる。
この発明によれば、遮閉材がフェンダパネルを車両幅方向外側へ押し出す力を緩和し、手直し作業等をせずに外観見栄え品質を確保することができる効果がある。
本実施形態の車両の側部車体構造を示す車両前部の右側面図。 図1中のA−A線拡大断面図。 図2中の要部拡大図。 本実施形態の車両の側部車体構造を示す平面図。 図1中のB−B線拡大断面図。 本実施形態の遮閉材の外観図。 本実施形態の遮閉材の作用説明図。
この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。
なお、図中、矢印Fは車両前方を示し、矢印Rは車両後方を示し、矢印INは車幅方向内方を示し、矢印OUTは車幅方向外方を示し、矢印UPは車両上方を示す。
図面は本実施形態の車両の側部車体構造1を示し、図1は本実施形態の車両の側部車体構造1を示す車両前部の右側面図を示し、図2は図1中のA−A線拡大断面図を示し、車幅方向右側の車両の側部車体構造1の説明図である。図3は図2中の領域Xの拡大図を示し、図4は本実施形態の車両の側部車体構造1を示す平面図を示し、図5は図1中のB−B線拡大断面図を示し、図6(a)、(b)はそれぞれ本実施形態の遮閉材50の正面図、左側面図(車両の右側面側から視た図)を示す。図7は本実施形態の遮閉材50の作用説明図を示す。
なお、以下の実施例においては車両の側部車体構造1について車両右側の構造を説明するが、特に示す場合を除き、車両左側の構造は右側のそれと左右対称に構成されている。
本実施形態の車両の側部車体構造1は、図1〜図5に示すように、フロントヒンジピラー20(以下、「ヒンジピラー20」という。)とフロントフェンダパネル30(以下、「フェンダパネル30」という。)とエプロンレインフォースメント40(図1、及び図4参照)と遮閉材50(遮音材)とを有して構成している。
ヒンジピラー20は、図1に示すように、フロントピラー81とサイドシル82との間に立設固定され、フロントドアパネル83(以下、「ドアパネル83」という。)を図示しないドアヒンジを介して枢支可能に上下方向に延びて、図2、及び図5に示すように、車幅方向の内側に配置したヒンジピラーインナ21と車幅方向外側に配置したヒンジピラーアウタ22とで閉断面形状で形成されている。ヒンジピラー20は、図2に示すように、ヒンジピラーインナ21とヒンジピラーアウタ22との間に必要に応じてピラーレインフォースメント23が設けられ、車両前後でこれらパネル21,22,23を接合した接合フランジ部24を溶接ガンで溶接して一体に構成している。ヒンジピラーインナ21は、図2に示すように、前側の接合フランジ部24fよりも車両前方に延出し、ヒンジピラーインナ21の車幅方向に延出した前端部21fは、車室Bとその前方のエンジンルームEとを仕切るダッシュパネル84の車幅方向外端部84tが連結されている。
図1に示すように、エプロンレインフォースメント40は、ヒンジピラー20の上部から前方に延出して設けられ、図示しないボンネットフードを開閉自在に支持するとともに、図4に示すように、車両右側の前輪に対応して形成されたサスタワー85の支持を行う。また、エプロンレインフォースメント40には、後述するが、該エプロンレインフォースメント40に対して車幅方向外方においてフェンダパネル30が取り付けられる(図1〜図5参照)。
なお、図1、及び図4中の符号87はフロントサイドフレームを示し、符号888はフロントホイールハウジングを示している。
図1〜図5に示すように、フェンダパネル30は、車両前部の車幅方向の両外側に備え、フロントホイルアーチ30Hを下部に形成するとともに(図1参照)、該フェンダパネル30よりも後方に配設されたドアパネル83に対して車両前後方向に沿って略面一となる滑らかなボディラインで形成している。
フェンダパネル30のフロントホイルアーチ30Hよりも後部について、該後部を縦断面した状態、すなわち図1中のB−B線拡大断面を示す図5を用いて説明すると、フェンダパネル30の上部30uの曲率半径(Ru)は、下部30dの曲率半径(Rd)よりも小さくなるように、車幅方向内側へ湾曲して形成している。
一方、フェンダパネル30の上部30uよりも下側部分、すなわち、中央部30mから下部30dにかけての部分は、下端部30tを除いて上下方向の略中央部30mが車幅方向外側へ滑らかに膨らんでいるが、上部30uよりも大きな曲率半径(Rd)、すなわち緩やかな湾曲形状であり、上下方向に沿って略直線状に形成している。
なお、図1、及び図5に示すように、フェンダパネル30の下端部30tは、フェンダパネル30の下部30dを車幅方向内側へ略水平に折り曲げた内側折曲げ部31を有し(図5参照)、該内側折曲げ部31の車幅方向の内端部に、下方へ突出する下端フランジ部32を形成している。
また、図2、及び図3に示すように、フェンダパネル30の後端には、フェンダパネル30の後部を車幅方向内側、且つ前方へ屈曲させ形成するとともに、先端部が車幅方向内側へ突出する後端フランジ部33を形成している。
フェンダパネル30とヒンジピラーアウタ22と間には、遮閉材50を配置可能に上下方向に延びる遮閉材配置空間Aを構成している(図2、図3、及び図5参照)。
遮閉材配置空間Aの後方には、後端フランジ部33が配設されているため(図2、及び図3参照)、遮閉材配置空間Aは、後端フランジ部33によってドアパネル83側の空間と仕切られており、水平面視状態において、車両前方に前方開口部Afを形成している(図3、及び図5参照)。
フェンダパネル30を車体側に取り付ける取付部60は、フェンダパネル30の上部30uと下部30dとにのみに設けている。
図4に示すように、取付部60のうち上部30uに有する上部取付部60uは、フェンダパネル30の車両前後方向の前端側、中間側、後端側の3箇所において車幅方向内側へ突出する上端フランジ部60u(60uf,60um,60ur)を形成し、該上端フランジ部60uをエプロンレインフォースメント40の上面部に対してボルトBにより締結して取り付けている。
図1、及び図5に示すように、取付部60のうち下部30dに有する下部取付部60dは、下端フランジ部32を、ヒンジピラー20の下端フランジ部28(図5参照)にウェルダ溶着されたナットNに対してボルトBにより締結して取り付けている。
なお、下部取付部60d(60dr,60df)は、ヒンジピラー20の下端フランジ部28の車両前後方向の2箇所に設けている(図1参照)。
また、図1〜3、図5、及び図6の特に図3に示すように、遮閉材50は、基材としての本体部51と、該本体部51を被覆する被覆部としての外皮部52とで形成している。遮閉材50は、図1、図5、及び図6(a)、(b)に示すように、フェンダパネル30の上部30uから下部30dにかけての位置に配置されるように上下方向に長い縦長形状で形成している。
本体部51は、例えば、発泡ポリウレタン、発泡ポリエチレン、発泡ポリスチレン等の発泡材料などの多細孔質体や、綿などの天然繊維やポリエステル繊維などの化学繊維等からなる不織布で形成することができるが、遮音性を高めることができる弾性変形可能な軟質材であれば特に限定しない。
外皮部52は、図3、及び図6(a)、(b)に示すように、遮閉材50を内部に収容可能な袋状外皮部52aと、該袋状外皮部52aの前側で開口する開口部52aa(図3参照)を閉塞可能なシート状外皮部52bとで構成している。
遮閉材50の厚み方向の一端側の外周縁部は、遮閉材50に収容した状態の袋状外皮部52aとシート状外皮部52bとを互いに熱溶着などにより接合しており、該外周縁部における袋状外皮部52aとシート状外皮部52bとの接合箇所には、本体部51の厚み方向に対して外方向、すなわち、少なくとも車幅方向外側へこれら外皮部52の接合部分が突出する外皮フランジ部53を形成している(図3、及び図6(a)、(b)参照)。
遮閉材50の前面50Fには、図3、図5、及び図6(a)に示すように、上下方向の中央から下部にかけて、車幅方向の中央部が後方に凹んだ凹部54を形成している。
凹部54は、図3に示すように、遮閉材配置空間Aに配置した遮閉材50を水平断面視した状態で、該前面から後方に延びるフェンダパネル30側、及びヒンジピラー20側の両側面部54f,54pと、該フェンダパネル側側面部54f、及びヒンジピラー側側面部54pをつなぐ底面部54bとからなる。
遮閉材50の前面50Fに凹部54を形成することによって、遮閉材50の車幅方向の両外側端部の前面、すなわち、遮閉材50の前面部50Fにおける車幅方向両端部には、底面部54bよりも車両前方へ突出する突出片55が形成される。
ここで、図3、及び図6(a)に示すように、車幅方向両端部の突出片55,55のうち、フェンダパネル30側で突出する突出片55をフェンダパネル側突出片55fに設定するとともに、ヒンジピラー20側で突出する突出片55をピラー側突出片55pに設定する。
上述した構成により、突出片55の先端部(前端部)には、車幅方向外側へ突出する上述した外皮フランジ部53を有することになる(図3参照)。
特に、フェンダパネル側突出片55fの車幅方向内側の基端部には、フェンダパネル30側の側面部54fと底面部54bとのなす角(θ)が90°から110°の範囲の所定の角度を有する角部56fが形成されている(図3参照)。
遮閉材50は、前面部50Fから後方へ進むに従って徐々に幅小になるように例えば、両側面を厚み方向(車両前後方向)へテーパ状に形成している(図3参照)。
また、遮閉材50は、遮閉材配置空間Aに配置可能に上述したフェンダパネル30の縦断面形状に対応させて、上下方向の両端部が中央部と比較して幅小に形成するとともに(図5、及び図6(a)参照)、上下方向の両端部が中央部に対して後方に反り返った形状に形成している(図6(b)参照)。
上述した遮閉材50は、前方開口部Afを通じて遮閉材配置空間Aに該遮閉材50の後面50Rが後端フランジ部33に当接するまで車両後方へ嵌挿することにより、遮閉材配置空間Aに位置する取付箇所、すなわちフェンダパネル30及びヒンジピラーアウタ22に圧接して取り付けた状態で遮閉材配置空間Aに配置される(図3参照)。
なお、フェンダパネル30側の外皮フランジ部53の形状に関して、図3、及び図7では、外皮フランジ部53とフェンダパネル30側の側面部とのなす角が略直角のなす角になるように図示しているが、遮閉材50を遮閉材配置空間Aに位置する取付箇所に取り付けた状態において、該取付箇所に取り付ける前と比較して例えば、外皮フランジ部53が少し開く、つまり、外皮フランジ部53とフェンダパネル30側の側面部とのなす角が少し大きくなる場合があるものとする。
また、遮閉材50を遮閉材配置空間Aに配置した状態において遮閉材50の後面部50Rは、フェンダパネル30の後端フランジ部33に対して必要に応じてテープ等により接着してもよい。
このように、本実施形態の車両の側部車体構造1は、図1〜図6に示すように、フェンダパネル30とヒンジピラー20とで囲まれた空間部としての遮閉材配置空間Aに遮閉材50が配置された車両の側部車体構造であって、遮閉材50は、弾性変形可能な素材で形成された本体部51と、該本体部51の外周を覆う外皮部52とで形成され、該外皮部52が本体部51から車幅方向外側に突出する外皮フランジ部53を有しており(図3参照)、遮閉材50の車幅方向の外側端部に、該外側端部に対して車幅方向内側部分に有する底面部54bよりも車両前方に突出するとともに、先端部に外皮フランジ部53を有した突出片55を備え、突出片55,55のうち少なくともフェンダパネル側突出片55fの車幅方向内側の基端部に角部56fが形成されたものである(図3参照)。
上記構成によれば、遮閉材50を遮閉材配置空間Aに配置した状態において遮閉材50の特に、外皮フランジ部53がフェンダパネル30を車幅方向外側へ押し出す力が緩和され、手直し作業等をせずに外観見栄え品質を確保することができる。
詳述すると、通常、遮閉材は、遮閉材配置空間Aに位置する取付箇所に対して、フェンダパネル30やヒンジピラー20に対して圧接させて取り付けるために、発泡ウレタン等により、反発性(弾性変形性)の有する軟質材により形成した本体部を有している。しかし、このような遮閉材は、本体部や該本体部を覆う外皮部の個体ごとの反発性のばらつきの影響により、遮閉材の中には反発性が想定よりも高いものも存在する場合がある。
一方、軽量化への要望の高まりからフェンダパネル30の板厚を薄くすることや、フェンダパネル30の外面形状をデザイン性重視の形状とする傾向があるが、このような場合、フェンダパネル30の十分な剛性を確保することが困難になるおそれがあった。
従来の遮閉材とフェンダパネル30とのそれぞれが有する上述した要因により、前面部に凹部や突出片を形成していない従来の遮閉材を取付箇所に取り付けた場合、遮閉材の前面部の特に車幅方向の外側に備えた外皮フランジ部がフェンダパネル30に当接し、遮閉材が圧縮されることによる反発力によりフェンダパネル30が車両幅方向外側へ押し出されるおそれがあった。これにより、フェンダパネル30の外面がドアパネル83の外面に対して段違いとなるなど、見栄え品質が低下するおそれがあった。その場合、手直し等により見栄え品質を確保する必要があり、工数やコストが嵩むという課題が生じていた。
これに対して、上述した本実施形態の車両の側部車体構造1は、図3、図5、図6(a)に示すように、遮閉材50を遮閉材配置空間Aに配置した状態において遮閉材50の前面50Fの車幅方向の外側端部、すなわちフェンダパネル30側の端部に、前方へ突出する突出片55として、車幅方向内側の基端部に角部56fが形成されたフェンダパネル側突出片55fを備えている。
これにより、たとえ遮閉材50の個体ごとの反発性のばらつきの違いにより、想定以上の反発性を有するものが存在し、遮閉材50の特に、車幅方向外側の外皮フランジ部53によってフェンダパネル30を押し出す力が作用しても、図7に示すように、車幅方向外側に備えたフェンダパネル側突出片55fがフェンダパネル30の剛性に応じて角部56fから車幅方向内側(ヒンジピラー20側)へ折れ変形する(図7中の矢印参照)。これにより、遮閉材50の特に、外皮フランジ部53によりフェンダパネル30を車幅方向外側へ押し出す力が緩和され、手直し作業等をせずに外観見栄え品質を確保することができる。
さらに、遮閉材50に車幅方向内側の基端部に角部56fが形成されたフェンダパネル側突出片55fを形成することにより、遮閉材50の反発性をコントロールすることができ、製造過程でのチューニングや材料の使用量や材料選定の見直し等をせずとも、遮閉材50の個体ごとの反発性のばらつきの影響を容易に緩和することができる。
加えて、上記構成によれば、クリップ等特殊な取付け部材を備えずとも遮閉材50を、フェンダパネル30とヒンジピラー20との間に挟み込むようにしてしっかりと圧接により配置することができるとともに、コストを削減することができる。
この発明の一実施形態においては、図5に示すように、フェンダパネル30を縦断面視した状態においてフェンダパネル30の上部30uが下部30dよりも曲率半径が小さいときに、突出片55は、遮閉材50の上下方向の少なくとも下部30dに設けられたものである。
上記構成によれば、フェンダパネル30における、上部30uよりも曲率半径が大きな下部30dにおいてもフェンダパネル30と遮閉材50との剛性バランスを保つことができる。
詳述すると、フェンダパネル30は、縦断面視でフェンダパネル30の上部30uの曲率半径(Ru)が下部の曲率半径(Rd)よりも小さい形状である(図5参照)。このような形状の場合、遮閉材50を遮閉材配置空間Aに配置した状態において、すなわち、フェンダパネル30及びヒンジピラー20に圧接して取り付け時に、フェンダパネル30の下部30dにおいては、フェンダパネル30を押し出す力が作用する外皮フランジ部53を備えた遮閉材50と、該遮閉材50をヒンジピラー20側へ圧接する力が作用するフェンダパネル30との両者の剛性バランスを保つことが困難になるおそれがある。
しかし、上記構成によれば、少なくとも遮閉材50の上下方向の少なくとも下部に、車幅方向内側の基端部に角部56fが形成されたフェンダパネル側突出片55fを備えることにより、図7に示すように、該突出片55がフェンダパネル30の剛性に応じて角部56fから変形することでフェンダパネル30を車幅方向外側へ押し出す力が緩和され、フェンダパネル30における、上部30よりも曲率半径が大きな下部30dにおいてもフェンダパネル30と遮閉材50との剛性バランスを保つことができる。
またこの発明の一実施形態においては、角部56fが、90°から110°の角度(θ)を有している(図3、及び図7参照)。
上記構成によれば、角部56fを90°以上の角度とすることで、成形型における遮閉材50の角部56fに相当する箇所が鋭角状の逆テーパになることを防ぎ、突出片55を備えた遮閉材50を確実に、且つ容易に成形等により作成することができる。また、角部56fを110°以下の角度とすることで、フェンダパネル側突出片55fを角部56fから確実に曲げ変形させることができ、フェンダパネル30の剛性に応じて遮閉材50がフェンダパネル30を車幅方向外側へ押し出す力を緩和できるという特に、先端部に外皮フランジ部53を有したフェンダパネル側突出片55fの車幅方向内側の基端部に角部56fを形成したことによる効果を効果的に得ることができる。
この発明の一実施形態においては、フェンダパネル30の後部の車体への取付部60が、フェンダパネル30の後部の上部30uに有する上部取付部60uと下部30dに有する下部取付部60dにのみ設けられており(図1、図4、及び図5参照)、凹部54が、少なくともフェンダパネル30後部の上下方向の中央部30mを含む位置に設けられたものである(図5参照)。
上記構成によれば、フェンダパネル30後部の上下方向の中央部30mには、車体への取付部60が設けられていないため、通常であれば、外皮フランジ部53によりフェンダパネル30が車幅方向外方へ押し出され易くなるが、遮閉材50の上下方向の中央部30mに凹部54を設けることにより、フェンダパネル30の車体側への取付部60を少なくしつつも、フェンダパネル30の剛性に応じて遮閉材50がフェンダパネル30を車幅方向外側へ押し出す力を緩和できるという効果を確実に得ることが可能となる。
この発明の構成と、上述の実施例との対応において、
この発明のピラーは、実施例のヒンジピラー20に対応し、以下、同様に、
空間部は、遮閉材配置空間Aに対応し、
フランジ部は、外皮フランジ部53に対応し、
外側端部に対して車幅方向内側部分は、底面部54bに対応し、
車両前後方向の少なくとも一方は、車両前方に対応するも、この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。
例えば、遮閉材50は、角部56fから車幅方向内側へ折れ曲がるフェンダパネル側突出片55fを少なくとも備えた構成であれば特に限定しない。
具体的には、凹部54は、遮閉材配置空間Aに配置した遮閉材50を水平断面視した状態で、フェンダパネル30側、及びヒンジピラー20側の両側面部54f,54pと底面部54bとからなる構成に限らず、ヒンジピラー側側面部54pを備えずに、フェンダパネル側側面部54fと、該フェンダパネル側側面部54fからヒンジピラー20側にかけて徐々に深さが浅くなるように例えば傾斜した傾斜状底面部とからなる構成であってもよく、また、例えば、遮閉材50の前面部50Fを、フェンダパネル側突出片55f以外を平坦状に形成するなど、ヒンジピラー側突出片55pを備えずに構成してもよい。
また、遮閉材50は、凹部54、すなわち、フェンダパネル側突出片55f、及びヒンジピラー側突出片55pを前面部50Fのみに形成したが、フェンダパネル側突出片55f、及びヒンジピラー側突出片55pを、後面部50Rのみに、或いは後面部50Rと前面部50Fとの双方に形成してもよい。
なお、このように、フェンダパネル側突出片55f、及びヒンジピラー側突出片55pを、遮閉材50の後面部50Rのみに形成する場合には、遮閉材は、後面部50Rから前方へ進むに従って徐々に幅小になるように例えば、両側面を厚み方向(車両前後方向)へテーパ状に形成することができる。
以上説明したように、本発明は、例えば、フェンダパネルとピラーとで囲まれた空間部に遮閉材が配置された車両の側部車体構造であって、上記遮閉材は、弾性変形可能な素材で形成された本体部と、該本体部の外周を覆う外皮部とで形成され、該外皮部が上記本体部から車幅方向外側に突出するフランジ部を有しており、上記遮閉材の車幅方向の外側端部に、該外側端部に対して車両前後方向の少なくとも一方に車幅方向内側部分よりも突出するとともに、先端部に上記フランジ部を有した突出片を備え、記突出片の車幅方向内側の基端部に角部が形成された車両の側部車体構造について有用である。
1…車両の側部車体構造
20…ヒンジピラー(ピラー)
30…フェンダパネル
30u…フェンダパネルの上部
30d…フェンダパネルの下部
50…遮閉材
51…本体部
52…外皮部
53…外皮フランジ部(フランジ部)
54b…底面部
55…突出片
55f…フェンダパネル側突出片
56f…角部
A…遮閉材配置空間(空間部)

Claims (3)

  1. フェンダパネルとピラーとで囲まれた空間部に遮閉材が配置された車両の側部車体構造であって、
    上記遮閉材は、弾性変形可能な素材で形成された本体部と、該本体部の外周を覆う外皮部とで形成され、該外皮部が上記本体部から車幅方向外側に突出するフランジ部を有しており、
    上記遮閉材の車幅方向の外側端部に、上記遮閉材の車幅方向内側部分よりも車両前後方向の少なくとも一方に突出する突出片を備え、
    上記突出片の先端部に上記フランジ部を有し、
    上記突出片の車幅方向内側の側面部と上記車幅方向内側部分とによって角部が形成された
    車両の側部車体構造。
  2. 上記フェンダパネルの縦断面視で上記フェンダパネルの上部が下部よりも曲率半径が小さいときに、
    上記突出片は、上記遮閉材の上下方向の少なくとも下部に設けられた
    請求項1に記載の車両の側部車体構造。
  3. 上記角部が、90°から110°の角度である
    請求項1、又は2に記載の車両の側部車体構造。
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